なんか前回のところで終わるか、それともネタで書いた続編ルート書くか迷っていると書きましたが、やっぱ前回のところで終わった方が良さげだったようですので、とりあえず以前活動報告に書いた続編ルートではなく、前回の話の後日談アップと洒落込みました。
本当は相談編まで書くつもりだったのですが、予想外に長くなったので一旦ここで切ります。
因みに余談ですが、しーたんにとってイタチの妻として生きるってことは「慢性胃腸炎にかかっているのに毎食(好物とはいえ)カツ丼を出され食わされ続ける」のと同じくらい精神的負担のかかる行為と思っとけばいいと思。今の所はイタチへの好意で生理的に受け付けられない事象に対する拒絶感を無理矢理カバーしてるだけという真相。
イタチと一線を越えた次の日の晩、とりあえずオレはフガクさんとミコトさんに会い、夕食の手伝いをして、一緒に食事を取り、サスケに自室へと退出してもらったあと、オレは真っ先に額を畳に擦り付けるようにして土下座をかまし、言った。
「まだ結婚してもいないのに、息子さんに手を出しました。本当に申し訳ありませんでした」
その言葉に一瞬ポカーンと呆気にとられたような二対の視線が集まる。が、オレはなんていうか昨夜の中出しセックスに対する申し訳なさとか、諸々色々頭の中がグルグルで顔を上げられなかった。
ていうか、昨日のでもしガキが出来ちまってたら、そうなればオレとイタチは出来ちゃった結婚に向かう流れになるだろうし、そうなったら結婚前に子供を作った、ふしだらなとかなんとか周囲に言われてそんな感じでミコトさんやフガクさんの顔に泥を塗ることにもなるわけで……やっぱいくら酔ってたのもあったとはいえ、結構不味いことしちまったわけでして、これはやっぱ謝るしかなくない? みたいな感じでグルグルだけど、こう実際に謝り頭を下げている現在、すげえいたたまれなくて恥ずかしくてしょうがないんすけど。
……なんでオレ、いくら酔ってたからってあいつに避妊させなかったし……。
いや、どっちにしろいずれ子供を作らされていただろうから、行為自体は遅いか早いかの違いでしかないわけですけど、こう……子作りっていうのは当事者だけでなく周囲の都合も必要なものでしてね? 世間体もあるし、例え婚約者で結婚確定してたとしても、やっぱ結婚前の男女が避妊もせずに本能の赴くままに中出しセックスとかは絶対まずいって、本気でまずかったって。やばいことしちゃったって。イタチの将来にも影響や変な噂残すかもしれないしさ。クソ、前世では彼女とヤる時ゴムと避妊は忘れた事なかったのに……! なんであいつが生で挿れようとした時止めなかったし、オレ。
そんな中、なんかイタチの声音は冷静だけどずれた(オレ視点)言葉がかけられた。
「シスイ待て。手を出したのはオマエではなくオレだ」
「あー、もー……煩い」
実際手出したのがどっちかとか、んなもんどうでもいいんだよ、バカ。
大体誘ったのがオレのほうだったとはいえ、そもそも合意してヤった以上は、セックスに対する責任が発生したとしても責任は折半であるべきだし、結婚前に中出しセックスしちまったことについても、避妊もせず中出し射精を止められなかった時点でオレも同罪なわけで、これが対等な男女の間で発生した情事だってんなら責任は半分半分でお互い様なわけだけど、そもそもイタチはそう見えないとはいっても、実際は未成年たる思春期真っ盛りの15才のガキンチョ様なわけで、オレは21歳であいつより6つ年上で良い年した大人なんだから、その時点で責任の所在というか、重みはオレのほうに傾きがあって当然というか、オレが責任を取るべきだろって話なわけだ。
「私のほうが年上なんだから責任は其の時点でお前より私のほうが重いだろーが」
だからそう返したわけなんだけど、それに対しイタチはいつも通りを装っているように見えて、どことなく親しいものしかわからない程度に怒っているような雰囲気を纏いつつこう言った。
「子供扱いをするな。オレはお前に責任を押しつける気などない。オレはオレの意志でお前を抱いた。お前はオレを女を抱いた責任1つ取れない情けない男にするつもりか」
「そんなのお前を誘った時点で私だって同罪だし、社会的責任の重さもお前より私のほうが上だろ。お前こそ私を年下に責任を押しつけて済ませるような情けない奴にするつもりか」
そう即座に返し、暫しオレとイタチの間に沈黙が流れる。
顔こそ上げていないが、声音からしておそらくオレが引く気はないのを悟ったのだろう。元々イタチは小難しい理屈を並べるのこそ得意だが、口が上手いわけじゃないからな。オレ相手に説得するための言葉を失ったのだろう。言って無駄だと判断すれば沈黙を貫きプレッシャーをかけてくる。イタチにはそういうところが昔からあった。
そんな風にイタチと静かな主張のぶつけ合いをかましていると、漸く我に返ったらしい。ミコトさんが、少し困っているような戸惑うような声で言った。
「ええと、シスイちゃん、確認するけど、貴女、イタチと寝たの?」
「…………」
そのミコトさんの確認の言葉に続いて、どことなく無表情ムッツリしつつも狼狽えているようなフガクさんの気配が漂う。まあ、これでイタチが娘だったのなら多分オレに怒ったところなんだろうけれど、イタチが息子である分どう反応していいのか困っている最中なのかもしれない。結構不器用な人だし。
「はい。結婚前に避妊もせず関係を持ってしまい申し訳ありませんでした。とりあえず、煮るなり焼くなり好きにしてください。というか、いっそもう殴って下さい」
そんなことを脳裏の端で思いつつも、そう続けて言って額を畳に擦り付けた。
そのオレの行動言動を前に、明らかにイタチから怒気が沸き上がったが、自分の発言を撤回する気は生憎オレにはないし、別に怖くもない。痛いのはヤだけど、せいぜい殴られたりするぐらいだろうし、殺されるわけでもないだろうから、まあ、それぐらいなら許容範囲だからな。
そんな風に思っていると、ミコトさんが相変わらず困ったような動揺しているような気配を纏いながら、オレにこう言葉をかけた。
「ええとね、まずシスイちゃん、顔を上げなさい」
「はい」
そういってとりあえず殴られる事を覚悟しながら顔を上げると、ミコトさんは、オレの肩にぽんと両手を置きながらこんなことを言った。
「あのね……どこの世界に色事の責任を取る女の子がいるの。そういうのは男の子の役目でしょう。貴女を責めるなんて以ての外。それに女の子が軽々しく殴って下さいなんて言うものじゃありません! 責任感が大きいのは良い事だけど、貴女のそれはずれているわ。本当、困った子ね」
そういってミコトさんはオレをギュッと抱き締めてきた。……良い匂いがする、柔らかい。女の体の柔らかさとか感じたのいつ以来だ……じゃなくて、えーと……やべえ、この反応は想定外過ぎてどう反応していいのかわからない。どうしてそこでオレを赦すの。
そんな風にミコトさんの腕の中でオロオロしていると、ミコトさんはニッコリと綺麗に笑ってそれから、イタチのほうに顔を向け、なんだか冷たいちょっと怖い声でこう言った。
「イタチ、詳しいことを説明しなさい」
えっと、ミコトさん? 何故
「オレは昨晩シスイを抱いた、それだけだ」
そんなミコトさんに対し、イタチといえばいつも通りの怜悧な美貌のほぼ無表情に近い顔のまま、悪びれるでもなくシレッとそう言ってのけた。その声には微塵も後悔や反省の色は見えず、そのことからイタチは昨夜の行為を肯定的に本人は受け止めているとわかるんだけど……わかるんだけど、お前昨日のあれでガキが出来ていたら世間にどう思われるかとか全く考えてないよね……まあ、まだ15歳なんだし、世間にどう思われようが互いの想いさえあればそれでいいとか思ってたとしてもおかしくないしね……。
まあ、イタチって元々世間の評価あんま気にしていない奴だもんな……。余計だよな……。
けど、親としてはそうもいかないだろう。というわけで、ミコトさんは相変わらずの素敵恐いですスマイルをイタチに向けたまま、「そう、後悔はしていないのね?」とそう尋ねた。
それに対し、イタチは「ああ」と肯定の返事を返すが、この親子の間に火花が飛び散っているようで、オレはミコトさんに抱き込まれ、オロオロしつつも恐る恐るこう言った。
「あの、昨夜の行為については元々私が自重しているイタチにしてもいいって言ったのが原因なわけで、だからそのイタチはあんまり悪くなくて……」
「シスイちゃんは黙っていて」
あ、はい、割り込んでごめんなさい。
って、そんな感じで思わず内心で謝っちまったオレですけど、次に動いたのはミコトさんでもイタチでもなくて、フガクさんだった。
フガクさんはいつも通りのムッツリと機嫌の悪そうな仏頂面のまま、イタチの正面に立つと、「イタチ」そう声をかけて、コブシを放った。
イタチの頬にフガクさんのガッシリした右手がめり込み、イタチは軽く蹈鞴を踏む。
とりあえずオレが見たところ、あれはイタチわざと避けなかっただけっぽいけど、イタチとフガクさんの戦闘力の差とか考えたらそりゃ普通に避けようと思ったらイタチ避けれたよなって話ではあるけど、そうやってこう……殴られた姿はなんつうか痛そうで、オレのほうがアワアワしちまったよ。
ていうか、痛い。あれ、絶対痛い。けれど、イタチはいつもの冷静な顔のまま、殴られた頬を庇う事もなく視線をフガクさんに向けていて、そんな息子に向かってフガクさんは眉を釣り上げながら怒鳴った。
「籍を入れる前に、手を出すとは何事だ!」
……やべえ、この台詞オレの耳にも結構痛い。
それから延々と2時間ぐらいフガクさんとミコトさんによるイタチへの説教が続いたわけなんですが、オレが口出ししようとすればするほどイタチの立場が悪くなるっぽかったので、途中で庇う事は諦めました。
……いや本当ごめん、イタチ。
その代わり、殴られた傷の手当ては痕残らないようにきちんとするから。……いや、それ慰みにもならんかもだけど。
……っていうか、ほんと別にイタチ悪くないんだけどな、今回の件……。
つか、どうしてイタチは責めて、オレのこと責めないのかわかりません……。
流石にイタチを殴るのも最初の一回きりだったからまだいいけど、それ以上殴るつもりだったら、オレが代わりに受けにいってたぞ? 今回の一件はお二人の顔に泥塗ったようなもんだし、殴るなとはいわんけど。
そんなことを考えているうちに漸く話は終わり、続いて、なんかいつ結婚するのかのほうに話が移行していた。なんかもういっそのことそろそろ籍入れさせるかと思ったらしい。
つか、さっきまで怒ってた筈の二人はいつの間にかわりとノリノリでオレとイタチの結婚についての日取りだのなんだの話始めてて、逆にオレがついていけません、あるぇ?
「シスイちゃん、式の日着る服に何か希望はある?」
とかウキウキ楽しそうな顔と声でミコトさんに訊ねられている現状ですけど、希望も何もぶっちゃけ本音は花嫁衣装とか着たくないし式とかあげたくないんですけど、そんなの言うわけにもいかないですよねー!? ってわけで、とりあえずオレはオロオロしながらも、こう答えた。
「えっと、あの……出来ればあまり派手でなく地味な服でお願いします……」
「駄目よ! 女の子の一生に一度の晴れの舞台なんだから、華々しく着飾らなくちゃ。そうね、普段はノーメイクだけどその日くらいちゃんとしたお化粧もしましょう。簪で髪も結い上げて……折角の結婚式ですもの。質素倹約も美徳だけど、地味でいいなんていって、あとで後悔しても遅いのよ」
とかなんとかいってオレの手握りしめながら力説しているミコトさんですけど、いや、寧ろそんな風に派手にされるほうがオレの精神にダメージ半端無いっていうか、泣くぞ……。てか、着飾るオレとかそれすげえ嫌なんだけど……。でもそんなの言えるわけもなく、オレは「あ、あははは……そ、そーですか」と愛想笑いで返すしか出来なかった。
オレに女子トーク力なんてスキルはないんだよ……うう。
で、なんだかんだで3ヶ月後式が挙げられる事が決まっちまったとさ。
何、このスピード結婚?
いつの間にか降りてきてたサスケちゃんには、ちょっとだけ兄貴取られることに対する複雑そうな顔で「おめでとう」とか言われるし、なんかいつの間にかオレを抱き締めてくる相手がイタチに変わってたし……つか、親の前で堂々と抱き締めんなし、お前羞恥心ないの!? 本当。
オレは恥ずかしい。お前に抱き締められることがっていうより、人前で悪びれもなく抱き締められているこの現状がすごい恥ずかしい。オレ21だぜ? 何この現状。顔面処か耳まで真っ赤だよ、悪いか、畜生。あー、もーくそーお前なんて、お前なんて明日の夕食にステーキ出されて苦しんでまえ、ばーかばーか。
つか、お前、ミコトさんやフガクさんが気付いていないのを良い事にどこをなんつう触り方してんだ!?
「ちょ、イタチ。お前放せって」
「断る」
小声で注意したらこれですよ? って、断るって即答すんな、バカ。あとどさくさに紛れて胸揉むな、イタチの阿呆ッ。
で、そんな風にやっている間にもなんかフガクさんやミコトさんの間でオレらの将来設計? について盛り上がって頼むから帰らせてくれないかなーと内心うんざりした気分になった頃、漸く話は終わったらしい。
結局、今回の婚前交渉の件については、ミコトさんの「まあ、年頃だしある程度は仕方ないわ。でもイタチ、言わなくてもわかっているでしょうけど、節度は守りなさい」とかなんか妙に理解のある言葉で締めくくられた。
続いてフガクさんもまたこう続けた。
「イタチ。シスイ君を泣かせるなよ。何かあればお前が守ってやれ」
「ああ、わかってる」
とか、恥ずかしげもなく粛々とした態度で受けているイタチだけど……オレ、お前に守られなきゃいけないほど弱くないんですけど……。つか別に守ってもらわなくてもいいし。と凄い思ったけど、一応言葉にして言うのは空気読んで自重しておいた。
……でも本当、オレなんて守らなくていいんダヨ? なのでそんな真剣な目で見ないでください。すごいいたたまれないから。
つか、何? オレってそんなにか弱く見えるの? そりゃイタチに比べたら弱いけど、これでも上忍やってるし、平均よりは強いよ? てか、一方的に守られるなんてかっこ悪くてマジで嫌なんだけど……。え? 何このオレに対する扱い、すげえもにょる……。
「わっ!? ちょ、イタチ!?」
てか、なんでお前オレをまるでお姫様相手みたいな扱いしてんの? なんでいきなり人の事抱き上げてんの? お前のオレに対する扱いがなんつうか気持ち悪くて痛いんですけど……。
しかもフガクさんもミコトさんも止める気配全くないし!? え? あのイタチに怒って説教してた姿はなんだったの、どこいったの? なんでそんな仕方ないなあって顔してんの?
「父さん、母さん、おやすみ」
「イタチ、シスイちゃんは女の子なんだからほどほどにするのよ」
「わかってる」
ええと……わかっていないのはオレだけですか?
そう思う間にもイタチはオレを抱き上げたまま(なんでオレ抱いてんだよ)、廊下へと出て、そのままスタスタと歩いて行く。
とりあえずオレは混乱したまま、クイクイとイタチの服を引っ張って、動揺した声で尋ねた。
「あの、イタチさん? どちらに向かっているのでしょうか? ていうかなんでお前私のこと抱いてんの?」
それに対しイタチは綺麗にふっと微笑みながら、オレやサスケちゃん相手とかぐらいにしか言わない優しい声でこう言った。
「オレの部屋だ。許可が出たからな、いいだろう」
……えっと、それってもしかして、まさか……。
「あ、あの……その、イタチ? もしかして、昨日もしたのに、し、したいの?」
それに対し、当然だろうって視線で返されるんだけど……お前、見た目によらず性欲旺盛だな!? え、ちょ、何? そんな二晩続けてヤりたいと思うほどオレの何処に魅力を感じているというんだ。一度ヤったんだからある程度満足しろよ、っていうか満足しないのかよ、お前!? オレなんて基本エッチはスローセックスばっかだったから本番よりピロートークメインでイチャイチャすんのが好きだったから、週1ぐらいしかヤらんかったのに……! って、いやこんなもん千差万別なわけだからオレの例を勝手にイタチに当てはめるわけにもいかんけどさ!?
「それとも、嫌か……?」
いや、本音をいえばそりゃ嫌だったりするんだけどね……するんだけど、そんな不安そうな顔で見るなよ、お前……いつも通りのクール装っているつもりかもしれないけど、心持ち声のトーン下がってるし、こちとら13年の付き合いだぞ。お前の感情の変化くらい隠しててもある程度わかるんだからな。
……お前を、哀しませたくないなあ。
多分きっと、お前よりもオレのほうがバカだ。そう思う。でもどうしようもないじゃんか、こんなの。だから、だからと、オレは自分の表情を見られないように(きっと見られたら見抜かれるから)イタチの顔を自分の腕と胸で覆うような形で抱き締めながら、ポンポンと背中をあやすように叩き、言った。
「良いよ、別に」
(……お前が望むんならオレの本音ぐらい殺しても)
昨日と違って声の震えは今度こそ隠せただろう。
それに対し、イタチは心地よさそうにオレの胸に顔を埋めながら、「シスイ……」と呟いて、背中を痛くならない程度に強く抱き締めてきた。
「ただし……」
そんなイタチに対してオレは悪戯じみた笑みを浮かべながら、額を軽く小突いて「風呂に入ってからな」そういって笑うと、イタチもつられるように唇の端にふっと笑みを乗せて表情を綻ばせる。
「一緒に入るか?」
「ヤダ。風呂くらい一人でゆっくり入りたいし、落ち着かないだろ。着替えうちに取りにいってくるから、先に入って来いよ」
そういって、イタチの胸板を軽く押すと、イタチは「家まで送るが」と極真面目な顔で返してきたので、オレは苦笑しつつヒラヒラと手を上下に振りながら言った。
「いらないって。そんな大した距離じゃないし。それに私の異名忘れてるんじゃないか? 『瞬身のシスイ』だ。お前に心配されなきゃいけないほどか弱くないよ」
「好きな女を心配して何が悪い」
……うわ、それ真顔で言うか。しかも人の手をぎゅっと掴んで、なんてキザな……やっぱお前は恥ずかしい奴だよ、イタチ。
そう思いつつも、「バーカ」そう返して、軽く胸板を叩きながら、スルリとイタチの腕を抜け出した。
* * *
「ん……ッ、ふ、ぁ、あ……っ」
夜闇の中、月明かりに照らされてシスイの肢体が浮かぶ。
「あ、ぅあ……ひ、ぅう」
オレの指の一本一本に反応して、ぎこちなく体の熱を逃がしながら、和えかな声で喘ぎを漏らす。そんな彼女が愛おしくて、もっと感じさせたいと望み、願う。
「あっ! ひ、あ……ぃ、イタチ、ヤダ、ん……! ぁや、そこばっか、やめろって、ば……んんっ、あ、ぁ」
胎内へと侵入させた肉棒を上部に擦り上げながら、ピチャピチャと音を立てながら乳首を舐め啜り、甘噛みすれば、ビクビクと体を揺らし、オレのペニスをキュウキュウと締め付け、背中にギュウと抱きついてくるシスイのそんな様が愛くるしくて、もっとオレに縋らせたいという欲望もまた頭を擡げる。
その感情に従い、空いた右手で柔らかな尻肉を揉み解き、肛門の入り口を触れるか触れないかほどの力でくりっとなぞれば「あぅっ、ヤッ」と羞恥にカァーと耳まで紅く染めて、自分の顔をとっさに隠そうとする様がたまらなく可愛かった。
「ん、っく……ぁ、あ、く……き、キスマークなんて、残すな、ばかっ」
明日も任務なのに誰かに見られたらどうするんだなんて、オレ以外のことを考える彼女が面白くなくて、オレは彼女の言葉を聞いてないフリをしながら胸元から脇下に向かって唇を滑らせる。
「あっ、あ……ッん、や」
脇の下からは女性フェロモンが放出されるという。そのせいかシスイの脇の下からは良い匂いが漂っていて、その匂いに引かれるままに彼女の脇に舌を這わせ、何度もチュチュッと吸い上げ、舌で舐め転がした。
「ひゃう! ぁ、ぅあ、ん……く、ぅ、うあ」
脇など普段触られることがないからだろう。シスイは身悶えるようにモゾモゾと体を動かしながら、オレの頭を掴んで、その拍子にオレの唾液で濡れそぼるフニョフニョと柔らかく豊かな乳房がオレの胸板に当たる。プクリと勃ちあがった乳首が当たる感触も心地良くて、オレは丁寧に益々執拗なほど脇へと愛撫を続けながら、彼女のヴァギナに収まったままのペニスを揺するように腰を数度グラインドさせる。
「あぅッ、あ! ひっ、ぅ、あ、あ」
それに反応し、ギュウゥと暖かい膣でオレの陰茎を締め付けてくるシスイが可愛らしくて、オレは彼女の体を抱き締めながら、口付けを落とし、絶頂に至るための腰の動きを再開した。
「ん……ちゅ、ふ……は、ぁ、あ…………んんっ」
シスイもオレの限界が近いことを悟ったのだろう。一瞬、薄目で悟ったようにオレの顔を見るも、結局は目を閉じて、オレの接吻を受けながら、不安そうにオズオズとオレの首の裏で両手を重ねていた。
「ん、んんーーー! っふ、は……ぁ、あ、あ」
そうして口付け、シスイの唇を貪りながら、オレは射精に至り、ビュルビュルと彼女の膣奥へと精子の奔流を解き放った。
* * *
……イタチの今日の任務は朝の4時からだったらしい。
名残惜しそうにイタチが出て行く気配を感じながら、オレはぐったりと体を持て余し、四肢をイタチが整えたあいつの布団の上へなげうっていた。
なんていうか、すごいしんどい。
体じゃなくて、心がしんどい。
なにこれせっくす辛い。
痛くはない。
快楽は感じている。
多分これ以上ないってくらい丁寧で優しい。
だから凄く嫌で気持ちが悪い。
なんていうか腹のあたりがモゾモゾするというか、これじゃない感と違和感が酷い。
こんなの受けるぐらいなら痛くても濡れて無くてもつっこまれて、適当に腰振って出されるほうがマシなんじゃないのか、これ……。
つか、なんであいつ昨日も思ったけど、自分の快楽よりもオレに感じさせるほう優先してんの? なんでオレ弄りを楽しんでいるの。
もう、突っ込んで腰振って出しとけよ。それでいいよ。感じさせようとなんてわざわざすんな、性感帯探しと開発行為になんでそんなお前熱中してんだよ、畜生。
……っても、理由わかってるんだけど。
知ってるんだけど。
オレに惚れているって話が本当だったって、つまりこれってそういうことだってぐらいは。
でも、その感情がしんどい……。
そもそもオレとお前は釣り合ってないし、オレは本来お前にそんな風に優しく『女』みてえに扱われるような代物でもないってのに、本当、なんでお前はオレなんかに惚れてるんだろうな。
イタチのことは7割ぐらいはわかると自負してたんだけど、本当よくわからない。
……ていうか、オレなんかに女としての魅力なんてもんがあるのかなあ?
つか、今更ながらオレって客観的にどう見えるんだろう。
その辺わかれば、少しはイタチのオレへの想いがどうしてああなのかわかるのだろうか。
(……相談、してみようか……)
そう珍しくも他者に頼ることを前提のことを考えながらオレは眠りに落ちた。
続く