恐ろしい事に今回もまた完結しませんでした。くそう。なんで俺はこう短く纏めるのがヘタなんでしょうね。
今回の話は、ある意味しーたんの意趣返し回なんじゃないかなと思います。
なんだかんだいってああみえてもしーたんは(心は)男の子ですからねえ。わりあい負けず嫌いなとこはあるわけですよ。それ以上に他人あまり責めれない性格してるだけで。
なので今回のしーたんのイタチさんに対する某台詞はわりとブーメランだったりします。
うちはイタチ、15歳。
よく言われるのは実年齢通りに見えないや、老け顔。他にも麒麟児、天才、何を考えているかわからない、クール、不気味、涼しい顔した冷血野郎。などなどといった内容が世間のオレの評価だ。
そしてオレは別段それらの評価を否定する気はない。
実際、オレと同い年ぐらいの人間に落ち着きが足りなかったり、子供らしさや青臭さを残しているものは多く見られるし、それを思えばいくら感情を律するのが忍びの心得とはいえ、それらの部分を表面的には抑え込んでしまっているオレのほうが世間的に見れば異質なぐらいだろう。
優秀すぎる人間は初めは望まれたにしろ、やがて疎まれていくのは当然の理でもある。それを思えば、不気味や何を考えているのかわからないといった評価を、昔から特別扱いを受けてきたオレが受けるのも妥当なことだとさえ思った。
それに忍びというのは人に憎まれていくのが道理というものだからな……なら周囲に妬まれ疎まれることさえもオレが背負うべき運命だろう。そのことに不満はない。
しかし、表に出さないからと言ってオレに感情がないわけではないし、外見年齢も精神年齢も同年代より老けているにしろ、別に少年らしいところがないというわけではないと、オレ自身は思っている。
麒麟児や天才と呼ばれようと、つまりはオレも所詮は人間という動物の一種であり、そうである以上動物の雄としての本能も当然のように持ち合わせている。食欲・性欲・睡眠欲といった欲求は人間にしろ動物にせよ欠かせない生きていくための本能だ。
とはいえ、人間もまた動物ではあるが、他の動物より知能や理性も備わっている。そうである以上本能のままに動くなど論外であり、時には欲求を理性でもってセーブをかけるのも大切なことだ。
そう思う。
自分を律せぬ人間など忍びとしてどころか、人としても下等であるからだ。
しかし――――――今は、その制御を外しても赦されるタイミングなのではないか。
もう一度言おう。結局の所、オレもまた人間という種族の動物の雄であり、であるならばそれに類する本能も持ち合わせているし、オレとて周囲に思われているよりは余程年相応に少年らしい感情もとい願望も心の底では抱え込んでいる。
たとえば惚れた女を抱きたいや、振り向かせたい。守りたいや、大切にしたい。笑っていてほしいに、己の子を産んで欲しいなどといった願いがそうだ。
そう、たとえ老け顔といわれていようと、実年齢通りに見えないと親にまで言われていようと、それでもオレとて年頃の少年なのだ。俗な願いの1つや2つ、人間なのだから持ち合わせていても、それは当然というものだろう。
まあ、つまり……目の前の馳走を捨て置くほどオレは男を止めていない。
惚れた女の誘惑には乗ることこそが男の甲斐性というものだろう。
そも、据え膳食わぬは男の恥という。
ならば、オレとてそれを喰らう権利はあるはずだ。
「ひんっ……っぁ、イタチ、ちょっと、お前、やめろって。まだ私風呂入ってないから! 汚いからやめろってば」
というのに、オレのスイッチを入れた張本人といえば、そんな言葉と共に往生際悪くオレにこの行為をやめさせようとするのだから、少しだけ苛ついた。
そもそもシスイ……最初にオレを煽ったのはオマエだ。
そのことを何故理解出来ていない?
まあ、そんなところもお前らしいのかもしれないが、他の男にもそんな姿を見せたのではないだろうなと思えば嫉妬の情も湧く。
女の嫉妬は恐いなどと世間ではいうが、男の嫉妬も大概のものであると其の体にいっそ教えてやろうかなどといった欲求も同時に沸き上がってくるが、そういった願望を通す事は余り褒められたものではない。
それに……シスイを怯えさせる事はオレにとっても本意とはいえない。故に芽生えたそれらの感情を胸の奥へと仕舞い込んで、そっと彼女の頬に触れながら、わからないのならば、まずは言葉を使ってわからせればいいと思い、オレは正直な自分の気持ちを告げた。
「オレは今すぐにでも、今のオマエごとお前が欲しい。お前の肌を暴き、蜜を啜り、その最奥にオレという存在を刻み込みたい。お前を抱き締め、お前に口付けを贈り、オレの腕の中で乱れ咲くお前を見たい」
それぐらい構わないだろう?
たとえお前の心まではまだオレの元へと落ちてなかろうと、それでもお前はオレのモノなのだから。
お前はあの日、自らの意志でオレを選んだのだから。
だから……否定はするな。
オレを、お前の言葉で選べ。
誰でもなく、他でもないお前自身の選択で。
「シスイ。オレはオマエが欲しい」
「……ッ!」
黒曜石のような瞳が戸惑いに揺れる。数秒の沈黙と暫しの葛藤を見せて、それからゆっくりとシスイは唇を開く。
「イタチ。その……お前は今の私ごと欲しいってそれは……お前にとって私がこういう格好をすることは嬉しい……と、嬉しく思っているってことなのか?」
どことなくぎこちなく、何かを考え込むように言葉を選ぶようにして、彼女はそう言葉を紡ぐ。
そんなものは当然……。
「嬉しいに決まっているだろう」
……元々シスイは着飾らない人だった。
オレの知る限り、シスイは家事こそ好いていたようだったが、甘味を好んでいることを除けば、年頃の娘らしい趣味も持たず、当然のように若い娘が好むような小物などにも興味を示すこともなければ、身を飾ることや化粧をすることに対しての関心すらも全く無かった。
それでも、知らぬところではやはりシスイも女だ。本心ではそういったものを手にする事も望んでいるのではないかと思い、さり気なさを装い祭りで装飾具を贈ろうと目論むも、やはり彼女がアクセサリーや小物の類に関心を示すことはまるでなく、どちらかといえばベイゴマなどの少年じみた趣味のものに対してのほうが、まだ興味を示したぐらいだった。
シスイの休暇の使い方は極単純で明快だ。暇さえあれば修行をするか、薬草や毒草に対する研究や勉強をしているか、オレの家に来るか、共に甘味処でまったりと過ごすか、自宅の掃除をするかで、服についてもそれらの活動を邪魔しないよう、動きやすそうな活動的な服装ばかりを好んで着ていた。
けれど、それでも充分彼女は満足していたように思う。
シスイのそういう無欲とさえ言えるところもまた、好ましく思っていた。
しかし同時に惜しいとも思っていたのだ。
若い娘が紅1つ引く事もなく、美しい装いをすることもないなどと……。
別に普段から着飾れなどいう気はない。そもそもそんな風に年中男の機嫌を取るような格好をするような女などオレが惹かれたうちはシスイではないし、やはり見目より実用性を重視してものを選び、仕事に炊事に洗濯など活発に動き回ってこそのシスイだという気がする。
それでも、たまには年頃の娘らしく、着飾った姿も見たいとそう思っていた。
きっと、そんな姿もよく似合う筈だと。
しかし他の男に見せてやるには惜しいし、自分だけわかっていればいい姿を不特定多数が見る事には嫉妬も覚える。だからオレの前だけでたまにそういった姿も見せてくれればと、そう思っていた。
娘らしく着飾った姿でオレにだけ、恥じらいがちにはにかみ笑う。そんな姿も見たいと。
そんな内心秘めていた願望は今日奇しくも叶ったといえるのだろう。
自分の下で居心地悪げにしている人の姿を見下ろす。
結い上げられ纏められた癖のある黒髪に簪の金色がよく映えている。のぞき見えるうなじは色っぽく、シスイの素材を大事にしつつも幼顔をカバーするように施された化粧が、いつもの彼女と違う魅力を上手く引き出している。
目尻に一筋だけ引かれた紅があどけなさの中の艶めかしさを演出していて、同色の鮮やかながらも派手すぎない紅が柔らかな唇にいっそ蠱惑的な魅力さえ追加している。
着ている着物も、普段のシスイからすれば驚くほど女らしいデザインのものだ。
色合いこそ明るめの赤と派手だが、商売女のような下品さはあらず、寧ろ白梅と鶯をあしらった落ち着きのあるデザインが上品ささえ醸し出している。そして大人の女だからこそ映えるだろう黒レースの帯と、乱れた足下から覗く白い足袋に薄桃色の肌襦袢。素材であるシスイがやや子供じみた人であるからこそ、敢えて大人の女をテーマに纏めたのだろうそれは、しっくりくるほどにいっそ彼女自身に馴染んでいる。
派手すぎず、地味すぎず、そこにいるのは大人の色香が匂う若い1人の「女」だ。
それは普段のシスイを知っているからこそ、余計に顕著なまでの変わりようで、平素の彼女とのギャップが酷くそそる姿だった。
その美しく着飾った姿が、恥ずかしげに俯き慣れない格好に戸惑う様が、自分のためだけに用意されたものと知って喜ばない男などいるのだろうか。
自分のために、慣れない化粧や着物を着て、出迎えてくれたのだと知って、欲しいと思って何が悪い。
自分のために美しい装いで帰りを待ち、自分のために夕餉を用意し、今夜は2人っきりだとその口で言われ……たとえこれで彼女に本当にそのつもりがなかったのだとしても、それでもこれで誘われていないと思う方がどうかしている。
オレが惚れたのはこんな風に着飾っているお前ではなく、化粧っ気1つなく笑顔の下に自分の感情を抱え込み子供のような顔で笑う、そんなオマエだったが、それでもこれもお前の一面なのだと思えば、そんなお前も欲しいと望むのは当然のことだろう。
愛とはそういうものだろう。
相手のどんな面も受け入れたいと知りたいと望み願う。
だからこそ、シスイが次に言い出したことに対して、数瞬理解に苦しんだ。
「それは、お前にとっては今の私のほうが魅力的に映っているってことなのか……?」
「シスイ……?」
「お前は……そんなに私に女であってほしいのか。この姿のほうがそんなにイイか……?」
それはどこか泣きそうな顔と声で。
オレは一瞬どう答えるべきか失う。
(お前は何を言っている……?)
そう思う気持ちもある。
だって、お前は女だろう。はじめから女だというのに女であってほしいのかなど……何を言っている。まるで自分が女ではないかのような物言いだ、それは。けれど、おそらくは言葉通りの意味というわけでもないのだろう。ならば考えられる可能性としては、ひょっとして……お前は不安になったのだろうか、とオレは思考する。
思えばシスイはあまり自分のことを女らしいとは思っていなかったような節がいくつもあり、まあでもオレはシスイがそれを気にしていないのならば指摘する事もないだろうと、彼女の年頃の娘らしくはない部分については敢えて何も言わずにきたわけだが、これはもしや自分のそういうところを気にしていたということなのだろうか?
他の年頃の女が化粧やオシャレに興味を持ちだす年齢となっても、シスイがそういったものに興味を持つ事はなかった。否、オレが見たところ興味を持てないように見えた。その証拠のように、母さんが花嫁衣装についての話を振っても、困ったように笑うばかりで、本当にそれに対し関心をもてないようだったが、そのことを本当は気にしていたのだろうか。
他の女が興味を持つものに対し、己は興味を持てないのだということを。
だからこそ、オレが今の着飾ったお前の姿を嬉しいのだと回答したことに対し、こういった格好に関心を持てない自分自身を否定されたように感じて傷ついたのか?
本当の自分を蔑ろにされたのかと。
だが、もしそうだとしたらオマエは馬鹿だ。
「シスイ」
頬をなぞる。そうして視線をまっすぐに合わせながら、オレは言った。
「慣れぬ格好でオレを出迎えてくれたお前に対し、嬉しいと思ったのはオレの本心だ。だが、その格好だから嬉しかったというわけではない。どちらかといえば、オレはいつものお前のほうが好きだ。着飾らない普段のお前のほうをより好ましく思っている」
出来るだけ優しい声を意識する。シスイはそんなオレから目を反らせることはなかったが、それでもどこか戸惑うような色をその目に宿す。そんな彼女に出来るだけ優しい微笑みで笑いかけながらオレは言葉を続ける。
「それでもオレが嬉しいと答えのは、お前の違う一面を見る事が出来たからだ。それがオレのために用意されたものだと知ったからだ。今一度言う、オレが欲しいのは、他ならぬ『オマエ』自身だ、シスイ」
「…………っ」
キュッとシスイは眉を寄せ、どこか泣きそうな顔を浮かべる。そこに見える葛藤と戸惑いに、未だ彼女の中では自分の立ち位置は『弟分』であることを自覚する。でも構わない。時間はある。
これからがあるのだ。
少しずつ、変え、変わっていけばそれでいい。
だから、そのためにも伝える。
「オレはお前を望み、お前に望まれたい」
それを果たしてこそ、オレは本当の意味でオマエを手に入れるのだろう。
「……好きだ」
囁くように、どこか懇願のような声で二度目の告白を贈った。
聞こえなかったということはないだろう。シスイは馬鹿だがバカではない。寧ろ生真面目すぎる程に抱え込み考える性格だ。無自覚に自己を卑下することさえ除けば、真剣に茶化して返すような真似はしない。
やがて、沈黙の後、ゆっくりと彼女は口を開いた。
「それが……お前の望みか?」
揺れる瞳は泣く寸前のようで、でもそれでも彼女は泣きそうな顔で微笑み、言う。
「それが……それはお前にとっては幸せなこと?」
……酷く胸騒ぎを覚える。何がどうというわけでもなく、なにかの違和感。けれど、それは上手く言葉に出来ず、シスイは腹筋だけで上半身を起こすと、オレの頭を抱き込むようにしてオレの背に両腕を回し、まるで昔幼かったオレを寝かしつけていた時のように、ポンポンとリズムをとって軽く背を叩くと、「なぁ……もう1つ聞いて良い……?」と訊ねた。
「お前はさ……もし、もしも…………私が女じゃなかったのなら、どうしてた?」
それは意図の読めない質問だった。
前提からして、おかしいだろうと思った。
だってお前は女だろう。確かに若い娘らしい趣味はないようであったし、ボーイッシュな口調を好んで使うことを考えても、内心男に憧れていたのかと疑わせるところはあったが、それでもオレが知る限り、そこさえ除けばシスイ程女らしい娘もそういないと思っていた。
家庭的で繊細で感受性が豊かで、泣き虫。かといって任務中にそれを持ち込む事もなく公私はしっかり区別をつけている。穏やかで人懐っこく、押しに弱そうに見えて案外自我も強い。脆い癖に、人に守られるのを良しとせず、器用でいて不器用だった。
子供を守ろうとする様には母性さえ感じたものだ。
多少の女らしくなさを差し引いたとしても、それでも自分の知る限りではもっとも女らしい人だと思った。
その思いや考えは、同年代の少女達に接触する度により強くなったとさえいえる。
そのシスイの口から語られた「もしも己が女じゃなかったのなら」という質問の意味は、裏返したならひょっとして男であったのならば惹かれなかったのか、と言いたいのだろうかとオレは思考する。
有り得ない前提だ、と思う。
そも実際にお前は女で、オレは男だ。もしも話に興じたところでその前提は変わるわけでもあるまいし、お前が男だったのならオレとどういう立ち位置になるかなど、実際にその立場になってみないとわかるわけがない意味のない問いかけなのだ。
出会いが違えばそれはもう別の人間だというのに。
けれど、答える事で彼女の不安が晴れるならと思い、オレは答えた。
「関係はないな。お前がお前だからこそ、オレはお前に惹かれた」
「……」
そう返答するオレに対し、シスイはオレに顔を見られたくなかったのだろう。自分の顔を見られないように自分の胸元にオレの顔を押しつけ、声にならない声を僅かに漏らした。
(泣いているのか……?)
と思う。だが、多分この意地っ張りなところがある人はそれを知られたくないのだろうと思ったから、ただその温もりと、柔らかさに身を埋めた。
それから少しの間を置いて、彼女はポツリと呟く。
「なぁ……お前は、求められたいんだな? それがお前にとっては嬉しいんだな……?」
そう言い、シスイは膝を崩して座った姿勢から四つん這いのような体勢を取り、震える指でオレの胸元に触れると、蚊の鳴くような声で言った。
「……なら、してやる」
そう呟くなり、彼女はオレの谷間にズボンの上から右手を添え、左手で結び目を解きながら、唇に咥えてズボンを下帯ごと引き下げた。それに一瞬まさかと思う。だが、前例がないわけでもなく、驚愕以上に悦びのほうが強く、オレはシスイの行為を止めようとも思わず、淫靡な予感に期待を寄せていた。
「……ん…………」
まるで見せつけるように、彼女の赤くプルンと柔らかな唇が軽やかなリップ音と共に、勃ちあがった一物の頭頂部に触れる。
「……シスイ」
その光景は狙ってやったのかと訊ねたいほどに酷く卑猥で、同時に酷く……奥底で抱えた雄としての欲望を満たした。やがてネットリとした口腔の暖かさに包まれる。
「ん……ちゅ、ふ…………ん、ん」
亀頭部分を丸ごとシスイの暖かな中に包まれ、頬をすぼめるようにして吸い上げられ、舌を這わされる。それと同時に、親指の腹で裏筋をこすりあげるようにして、指が這わされ、コスコスと緩急をつけられながらなぞりあげられる。
この時点でも、随分と上手く感じたものだが、しかしこれは序の口でしかなかった。
「……ッ」
喉奥まで銜え込まれ、口腔と舌全体を使って緩急をつけて絞り込まれなぞられる。かと思えば、カリの裏側を優しくペロペロと舐め上げられながら五本の指を使って幹を扱き上げられ、空いた左手で優しく睾丸を摩られた。
「ふ……ん、ちゅる……んちゅ……ちゅ」
おそらくはオレの聴覚を煽るためのわざとだったのだろう。シスイはたっぷりの唾液を絡めながら音を立てつつ、鈴口から幹に至るまで唇と唇の間に挟むようにして優しく舐めなぞりながら上から下へと舌を滑らせていった。そして口腔と入れ替えるように指を頭頂部に絡め、カリ口から尿道口までを優しく……けれど明らかにこちらの性感を刺激するような動きで撫で摩り、脈打つ玉袋をその暖かで柔らかな口の中へと包み込んだ。
「…………っぁ」
そこが男にとっては最大級の人体急所の1つであることを承知しているからなのだろう。
シスイは歯を立てないように気をつけながら、睾丸をネットリと優しく飴を舐めるように舌で転がしつつ、一方でそんな口戯の優しさと反比例させるように、竿に絡めた指の動きを大胆に激しくさせていった。
唾液にヌルヌルに濡れたペニスを、そのオレよりも小さく柔らかな指で擦り上げられ、裏筋を刺激するように幾度もコシュコシュと扱き上げられる。
睾丸と陰茎同時に与えられる別々の刺激と、シスイの指と舌の温度。それが余りに強い快楽で、修行中や実戦時でも滅多に声を漏らすことはないというのに、自然に声が上がりかける。
「ふ……ッ」
それを僅かに呻くような声を漏らして噛み殺せば、シスイの指は労るようでありながらもより性感を引き出そうとするように、亀頭部をぐりっと円を描くように撫で擦り、親指の腹でカリの裏側を刺激しつつ、玉の裏側まで舐めしゃぶりながら、チラリと上目遣いでオレの顔を見上げた。
ふっと、少しだけ困ったように彼女が微笑む。
それを見て、ふと軽い不満が沸き上がり、オレは訊ねた。
「何故、笑う……シスイ」
確かに今のオレは普段から考えれば珍しいほどに余裕を取り繕えていないが、だからといって笑われるのは心外といえる。
そもそも、オレがこんな風に息が上がっているのも、お前のフェラが上手すぎるのが悪い。一応弁明は聞いた後だが、ここまで上手いとやはり過去に何かあったのではないかと疑ってもやむなしだろう。
と思いつつも、まさかもう一度……これほど早くにしてもらえるとは思ってなかったので、そこだけは嬉しく受け取っておくが、しかしこうも口戯が上手いとは悔しいものがあるものだ。
我ながら馬鹿らしく下らない競争意識だが、やはりオレはしてやられるのは性には合わないな。まあ、お前はオレのそんなところを「イタチは本当負けず嫌いだなぁ」なんて苦笑交じりに思っていたりしていそうだが、今に見ていろ。オレを子供と侮るのなら、その余裕さえ奪ってやる。
そんな風に内心で対抗心を燃やし出すオレに対し、シスイは、「いや……」と少し苦笑するような声で漏らし、それからこう言った。
「やっぱりお前も、ココこうされるのは弱いんだなあ……って、思って」
言いながら人差し指の先で、裏筋からカリ首、鈴口までをツゥーと形をなぞるように撫で上げられる。
それは酷くヨくて、しかし同時に聞き逃せない単語も混ざっていて、オレは眉を鋭く釣り上げながら訊ねた。
「お前も、とはどういう意味だ」
やはり、まさかとは思うが別の男のものを銜え込んだ事があるのではないだろうな、というオレの言葉のニュアンスを、そのオレの言葉と視線から読み取ったのだろう、シスイは「違う……お前の想像しているようなことじゃない。ただ、やっぱお前も男なんだなーっとそう思っただけだよ」とそう答え、優しく根元の辺りを握りしめた。
それに益々怪訝な思いがこみ上げる。
オレが男だなどと、そんなのは当然だろう。睾丸も陰茎もオレが男でなければついているはずがないし、オレにだって男としての生物の本能は当然のように備わっている。
「怒るなって。私は、お前のそういう人間らしいとこ好きだし……イタチでもやっぱ声上がるときは上がるんだなーってちょっと親近感覚えたってだけなんだから」
……其の評価は喜べばいいのか悩むところだな。
「まぁ、セックス中まで痩せ我慢するとことかお前らしいっちゃお前らしいけどさ……人のことは散々一方的に鳴かせにかかってきて、自分は殆ど声出さないんだもんなあ。フェアじゃないっていうか……まあ、男の意地なんだろうけど」
なんて小さな声で呟きながら、シスイは一物を撫でさすり続ける。
「でもそういうの……わかってても少しムカつく」
そう告げるなり、彼女は蟻の門伝いに舌を這わし、ピチャピチャと舐めていくと同時に竿に絡めていた指の動きも再開する。
「ん……む…………んにゅ……ん」
息を吹き込むようにして舐め、吸い上げ、シスイはチュチュとリップ音を立てながら睾丸と肛門の間に唇を滑らしていく。一方で手の動きは大胆ながらも繊細に、コシュコシュと裏筋に刺激を与えるようにして幾度も上下に擦り上げ、時には悪戯に人差し指の先端で尿道口を弄り、カリの裏側を擦り上げる。
そうして玉をもう一度口腔に含み、にゅるにゅると舌で舐め回し軽くチュウと吸い上げた後、玉から口を離し、再びパクリと亀頭全体を暖かな口の中へと銜え込まれた。
「むちゅ……ん、ちゅ……はむ…………」
ネットリとした口腔で竿の先端を嬲られ、生暖かく柔らかな舌が裏カリや裏筋も丁寧に舐めていき、かと思えば喉奥まで銜え込まれ、緩急をつけた動きで口腔全体で吸い上げられる。
「……ッあ…………く」
それは視覚情報を抜きにしても、強すぎるまでの快楽で、気を抜けば一瞬で絶頂に至ってしまいそうなほどに上手く、巧みだった。それに、これ以上なく昂ぶっている自分の体を自覚する。
「ん……ッ」
そんなオレの状態を把握していたのだろう。シスイは、睾丸を何度も指先で優しく撫で摩りながら、射精に導くように、舌先で尿道口を刺激し、頬をすぼめて強く吸い上げた。途端、限界を軽々と乗り越え、太ももが痙攣し、射精感が押し寄せる。
「ッ……」
咄嗟にシスイの肩と頭を掴み、喉奥から引き離すも、やや遅かったのだろう。白濁色をした精子の塊はシスイの口元から胸元までと着物を汚し、止まった。
そうやってオレの出したもので汚れた彼女の姿は思った以上に淫靡で、少し喉を慣らすも、そんなことをしている場合でないと思い直し、オレは近場にあったティッシュを掴んで、それで、彼女の頬からしたたり落ちるザーメンやらを拭いた。
「シスイ、大丈夫か」
「うー……」
オレの問いに対し、シスイは苦々しげな反応を返し、それから言った。
「イタチ……お前溜めすぎ…………」
其の瞳が、お前どんだけ抜いてなかったの? と聞くかのようで、こっちは心配したというのに随分余裕だなと思えば、少し苛立った。
なので、そのまま顎を取り、多少強引に口付けた。
「ん……ッ!」
歯列をなぞり、舌をなぞり、絡ませ吸い上げる。
「んん……ッふ……ん、ぁ」
角度を変え、深く入り込み、唾液を啜り、贈りながら右手で彼女の体を暴れたりしないよう押さえ込み、左手で太ももの辺りを触れるか触れないかほどの力で優しく撫で摩る。それに対し、息苦しげにしながら、シスイは碌に力の籠もっていない手でトントンオレの胸板を叩いてきたが、敢えて無視をして気が済むまで彼女の唇を蹂躙し続けた。
「はぁ…………はぁ、はぁ……ぅう……」
そうやって15分も経っただろうか。シスイはグッテリと力の入らない腕で縋るようにオレの体にその身を預け、頬を紅潮させ息を荒げながら、キッと涙目でオレを睨み上げ、「イタチのアホッ」と詰った。
そんな姿が可愛らしくて、オレは笑った。
続く