不幸だわ
エリア72
そこは殆ど海と砂浜しか無かった。
だがそこには超弩級戦艦姉妹が存在した!!
「ねぇ山城?」
「何です?扶桑姉様?」
「私達……これからどうなるのかしら?」
扶桑姉様のいるエリア72に隣接するエリア71と63は、既に禁止エリアとなっている。
上手くすればエリア62に逃げる事も出来るが、大雑把な地図を頼りにエリアのギリギリを通過する事は、殆ど不可能と言っていい。
「大丈夫ですよ!きっと!助かります!」
「不幸だわ……私達の命はあと1時間なのね?」
時刻は午前9時、本日の禁止エリアが発表され、10時にはこのエリアが禁止エリアとなる。
「……それは、そうですが……」
「ごめんなさい山城、私がここが1番最後かもなんて言わなければ……」
「そんな!姉様のせいじゃありません!すべてあの変態提督の仕業じゃないですか!」
「ねぇ、山城?」
「何です?扶桑姉様?」
「どうせ死ぬなら、このエリアから脱出してみない?」
「う、でも、それはあまりにも危険ではないですか?」
「そうね、でもこのままここで海を眺めていても、死ぬしかないでしょ?」
「それはそうかもしれませんが、私は……山城は少しでもお姉様と一緒が良いのです!」
山城は扶桑の大きな胸に顔を埋めて抱き着いた。
「あらあら、山城ったらいつまで経っても甘えん坊さんね?」
扶桑は優しく山城の頭を撫でる。
「それじゃあ残り時間10分になったらチャレンジしてみましょ?」
「……扶桑姉様がそう言うなら……別に構いません」
山城は不貞腐れたように扶桑の胸を揉んだ。
「ねぇ、山城?」
「何です?扶桑姉様?」
「貴女は山城よね?」
「?」
扶桑の質問に訳も変わらず、山城は扶桑の乳頭を軽くつまんだ。
「私は扶桑、貴女は山城……それは分かっているつもりなのだけど……私達ってこの島に連れてこられる前って何をしていたのかしら?」
「……扶桑姉様……うーん……」
山城は扶桑の乳頭を甘噛みしながら考えたが、答えは出なかった。
「山城?ちょっとこそばゆいわ……」
「確かにここに来る以前の記憶がかなり曖昧ですね?何か……時雨や最上や満潮と一緒にいたような……何処かの提督と楽しく暮らしていたような……深海棲艦と戦っていたような……色々な記憶の断面がゴチャゴチャになっているというか……曖昧……なんですよね?」
「やっぱり、山城もそうなのね?」
扶桑は山城を引き離し立ち上がる。
「扶桑姉様?」
「この謎は、生き残ってから解決することにしましょう……」
時刻は午前9時48分……。
「行くわよ山城?」
「……はぃ……扶桑姉様……」
山城は目から大粒の涙を流しながら立ち上がった。
エリア71 63 62の境界地点……。
「私が先に行くから、山城は後からついてきて頂戴?」
「うっ、えっぐ……うっぐ……扶桑……姉様……私……まだ、全然姉様と過ごしてない……です!もっとずっと一緒に……いたい……です!!」
山城は扶桑にしがみつく、扶桑は穏やかな表情で山城を見詰めると、一緒に歩き出した。
「大丈夫よ?こんなの……かすり傷程度よ……」
「………………」
「…………」
「………」
「おーい、また2人死んだぞー?ぐんぐんペースを上げてるなー?扶桑と山城か?不幸な奴等だぜ!この調子だ!頑張れよー?」
待て次回!!
このSSは大体50話前後で終わる予定となっております。