エリア26
球磨型3人と妙高型4人と対峙するは、狂気に溺れた巡洋戦艦比叡!
「コイツ……改二だクマ……」
球磨は驚愕した。
このゲームに選ばれた艦娘は誰1人として改二は愚か、第一改装すらされていなかったからだ。
「そう言えば、服装が微妙に違いますね?」
「ねえ?妙高姉さん?ひょっとして今私達……かなりヤバイ状況なんじゃ?」
感心した様子の妙高に足柄が質問した。
「……艤装が無いから気付かなかったわ……」
「しかしおかしくはないか?何故奴だけ改二なんだ?」
「わ、私達……改装どころか、練度だって1何ですよぉ!?勝てっこありません!」
悔しがる那智と怖気付く羽黒……。
「可能性は2つね」
妙高が呟く。
「ここまでの殺して来た艦娘……その戦闘によって練度を上げて改二となったか……もしくは、ココに連れてこられた時点で既に改二だったか……」
「……そうかクマ、確かにこれまで艦娘を殺す、なんて事した奴はいなかったクマ、演習でも大破止まりだクマ」
「……殺して得る練度は通常の演習では計り知れないって事にゃ?」
「……お姉様……お姉様……」
比叡は目の前にいる球磨に向かって間合いを詰めて行く……。
「どっちにしても、逃げるか……殺るかだクマぁ!!」
球磨は比叡の右足が地面に着く直前に、一気に飛び掛り逆に間合い詰める!
「いくら改二の戦艦と言っても、艤装が無いのは一緒クマ!」
球磨は右手でズボンのポケットから鶴嘴千本を取り出した。
「あ!アレは鶴嘴千本(かくしせんぼん)!?」
突然妙高が唸った!
「知っているの?妙高姉さん!」
羽黒がすかさず問いただす!
「細くて鋭利な針よ」
「いくら戦艦でも……弱点はあるクマぁ!」
球磨は千本を比叡の眼に向かって投げつけた!
強靭な肉体を持つ戦艦で、さらに改装までされている比叡に対し、球磨の持てるどんな攻撃も通用しない、球磨はそれを理解した上で千本を放った。
「那智、足柄!あの攻撃に合わせて私達も行きますよ?」
「「了解」」
ガキィッ!?と言う金属音が響いた。
妙高達は動かない……。
「ば、化け物……クマ……」
「あははははははははははっはははははは!!」
比叡の右眼には千本が刺さっている様に見えた。
「瞼で……止めやがった……」
木曾が落胆し膝を着いた。
比叡は千本が瞳に触れる寸前で瞬きをした。
それだけで千本の先端は潰れ、球磨が全力で放ったにも関わらず、千本の勢いは完全に殺されてしまったのである。
「不味い!球磨!逃げろ!!」
那智が叫ぶ!
しかし球磨は反応できず、ただ比叡を眺めている事しか出来なかった。
比叡の手刀が球磨の頭部を捉える!!
「球磨!!」
多摩が辛抱堪らず、常人ならざす瞬発力で飛び立ち、1歩で比叡と球磨の間に立ちはだかった。
「球磨!逃げるにゃ……」
「多摩!?どうして!?」
多摩は襲いくる手刀に対し、両腕を交差させて身構える。
「……!?」
比叡は構わず手刀を振り下ろした!
「く……ぐまぁ……」
たまは手刀の描く縦一文字の軌道の通り、縦に割られ頭から真っ二つになった。
「た!多摩姉っ!!!ウオェエエェ!」
吐瀉物を撒き散らしながら叫ぶ木曾……。
「……」
「球磨さん!早く木曾さんを連れて逃げて下さい!貴女たちでは部が悪すぎます!」
妙高が叫ぶが球磨は反応しなかった。
「くっ、木曾さん!球磨さんを連れて逃げて!私が比叡を引き付けます!」
妙高は比叡に向かって突撃した。
その最中、軽く妙高の肩が球磨の肩に触れる。
「球磨姉ぇ!今助ける!」
木曾が球磨に近寄ろうとした時であった。
「木曾さん!来ないで!!」
妙高が叫んだ。
「え?」
訳も分からず立ち止まる木曾……。
数秒後、球磨の身体は多摩同様、縦に真っ二つに裂けていった、
「う!!うわぁあぁぁぁあー!!」
木曾は再び胃の内容物をブチ撒けた!!
「……」
妙高はすぐに反転し比叡と距離を置く。
その間比叡は、ただニヤニヤと多摩の死体の断面をほじくり返していた。
「木曾、羽黒と共に逃げて頂戴……」
「……うぅ」
木曾は泣きながら立ち上がる。
「嫌だ!姉貴達の仇を打ちたい!」
「……それじゃあ姉さん、頑張ってね?」
羽黒は一目散に逃げ出した。
「……木曾さん貴女、確実に死にますよ?」
妙高は強ばった表情で言った。
「このまま逃げ出しても、どうせ俺は生き残れない……駆逐艦にやられる様な奴なんだぜ?」
「……そう、確かにそうかも知れませんね?」
「ひひっ、ひひひひひひ……」
比叡は多摩だったモノの中身を全て掻き出して立ち上がる。
「来ますよ?」
「戦場が!勝利が私を呼んでいるわぁ!!」
「那智戦隊!出るぞ!」
待て次回!!
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