エリア26
時刻は午後6時20分
「1度しか言いませんから、よく聞いて下さいね?」
響達は息を飲んで神通の言葉に耳を傾ける。
比叡は左眼が見えていない所為か、なかなか響達を見つけられずにいる。
「まず、このまま見付かるまで隠れましょう、狭い公園ですから、そこまで時間は稼げないと思いますが、少しでも時間を稼ぎます」
それだけ聞いて響は理解した。
「禁止エリアになる直前にこのエリアを出るんだね?」
「流石響さん、その通りです」
「えー?でもでもぉ、見付かったらどうするの?皆殺されちゃうよぉー?」
那珂は当然の疑問を口にした。
「……見つかった時は、那珂ちゃんと響さんが皆さんを連れて、このエリアからすぐに出て下さい」
「……神通さんは?どうするの?」
響は何となくこの後の言葉が予想できた、川内の時と状況が殆ど同じだったからだ。
「私は少しでも時間を稼いで、ギリギリで脱出します、取り敢えず当初の予定通り、エリア29の小屋で合流しましょう?それで……」
「30分しても戻らなければ別の場所へ隠れろ……」
響が呟いた。
「……そうです、よく分かってますね?」
神通は笑顔で響の頭を撫でた。
「駄目だよ神通さん!!」
響は小さな声で叫ぶ
「響さん?」
「神通も一緒に逃げるんだ、良いね?」
響が涙目になりながら、神通の手を強く握る。
「……もし、私も一緒に逃げてあの比叡もエリアから出たら?そうして今度は雷ちゃんや電ちゃんも殺されたら?それ以外のまだ生き残っている娘達も殺されたら?貴女は責任が取れますか?」
神通は少しキツめに言った。
「それは……」
「私には無理です、確実に助けられた命を無くした責任なんて、自分が死んだって取れない……」
「……神通さん……」
響の手から力が抜ける……。
「ふふ、大丈夫よ?私がそう簡単に殺されるわけありませんから、相手は半死状態の戦艦一人ですよ?禁止エリアになる前に倒してきますから、安心してください」
神通は軽く力こぶを作って微笑んだ。
「わかった、絶対に生きて合流しよう!」
響が神通と握手した瞬間、眩い光が2人を包んだ。
「みつけたぁあはぁ!!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇー!!!!!」
探照灯を響達の方にぶん投げた比叡は、一気に距離を詰める。
「さぁ!那珂ちゃん!響さん!皆を導いて!!」
神通が叫ぶと、弾かれたように那珂と響は比叡とは逆方向へ走り、その後を雷電と弥生と卯月が続いた。
「にげるなぁー!!!」
比叡が追い掛けようとするが、神通が立ちはだかった。
「貴女の相手は私です」
「……」
対峙する2人……。
時刻は午後6時43分!待て次回!?
次回!神通と比叡の壮絶な戦いが幕をあげるのか?