※この作品はR-18です。

艦これ survival!?   作:片栗虎

35 / 40
あと数話で完結する予定です。


終結へ道程?

エリア35

 

時刻は午後7時50分

 

「はぁ……はぁ……」

 

「響……、私達これからどうすればいいの?」

 

全力疾走してエリア35まで辿り着いた響達は、その場に座り込み呼吸を整えている。

 

「ごめん雷、もう……私にもどうしていいのか分からない……でも、那珂さんの意志を引き継いで、最後の最後まで足掻いていこうと思う……」

 

響は呼吸を整え立ち上がる。

 

その瞳には、確固たる覚悟の色が見える。

 

「那珂さん……大丈夫でしょうか?」

 

電が呟いた。

 

「……」

 

響は考えていた。

 

冷静に考えれば、いくら出刃包丁を持っていると言っても相手は駆逐艦、軽巡である那珂と駆逐艦4人を相手に何ができるというのか?

「ごめん皆、此処で待っててくれないか?」

 

響は突如立ち上がり、匕首を電の傍に置いた。

 

「響ちゃん?何処かへ行くのですか?」

 

電は匕首を拾い上げ、響を見詰める。

 

「那珂さんを助けにいく、多分那珂さんは私達に殺し合いをさせない為に1人で残ったんだと思う……」

 

協力して戦えば絶対に勝てる相手に、わざわざ1人で立ち向かう理由……響はそれ以外思い付かなかったのだ。

 

「だから、私だけでも……覚悟を決めなければいけないと思うんだ、だから……行ってくるよ!」

 

「響ちゃん!これは……置いてくのですか?」

 

電は涙を堪えながら匕首を差し出す。

 

「電が皆を守ってあげてくれ、多分この辺りには敵となる人はいないと思うけど、念のためコイツは置いていくよ、私はこれを持っていくから心配しないで良いよ」

 

そう言って響は電動のインパクトドライバーを構える。

 

バッテリー式であった。

 

「わかったのです……すぐに帰ってきてくださいね?」

 

電は響がこれから人殺しをしに行くという現実を受け止めて、泣きながら笑顔を作り見送るのであった。

 

 

 

 

…………

 

……

 

 

 

エリア34

 

時刻は午後8時01分……。

 

「キンコンカンコーンってかぁ?えーと、死亡者の報告だァー、睦月、如月……」

 

「っ!?……那珂さん……」

 

響は那珂の名前が呼ばれない事を祈ってエリア34を駆けた。

 

「それからぁ……羽黒にぃ……」

 

羽黒は1人で逃げ出してしまった罪の意識に苛まれて、自ら命を絶った。

 

「雷、電、弥生だな、残るは6人か、頑張れよー?」

 

放送が終わり、異常な静けさが辺りを支配した。

 

「……」

 

響の心拍、脈拍数がグングンと上がっていく……。

 

何故?どうして?響の脳内はその処理能力を大きく超える事態に、警笛を鳴らしている。

 

「うげっ!うぇえぇぇ……」

 

響はその場で胃の中の物を全て吐き出した。

 

吐いても吐いても吐き気は治まることは無く、胃液だけを吐き続けた。

 

「ひっ、ひうっ……ひぅぅ……」

 

泣きながら吐き続けて、自身も吐瀉物にまみれながらのたうち回る響に、一つの影がかかる。

 

「おかしぃなぁ?どうして響ちゃんはまだ生きてるのー?」

 

那珂であった。

 

「な、那珂……さん?……どう……して?」

 

那珂は自身の顔に付いた返り血を手に取って、一舐めして答える。

 

「響ちゃんは運がいいのか悪運が強いのかわからないけどぉ、生き延びたんだよ?」

 

那珂は懐から地図を取り出した。

 

「え?……」

 

響は吐き気を抑えて立ち上がり、自身の持つ地図と那珂が出した地図を見比べる。

 

「そっちの地図は、確か暁ちゃんの鞄に入ってた地図だよぉ?」

 

響は那珂が1度全員分の荷物を運ぶ役を買って出ていた事を思い出した。

 

「あの時に……暁の地図を……」

 

「その通りだよ!あとは偽の禁止エリアの時間を書いて、そこへ誘導するだけ!」

 

「……最初から……那珂さんは私達を……」

 

響の吐き気は既に治まり、脳内では冷静な思考が展開されていた。

 

響の持っていた地図にはエリア35は9時に禁止エリアと書かれていたが、実際には8時だったのだ。

 

「そうだよ!誰が何処にいるのか、全部コレで分かるからね?」

 

那珂は見慣れぬ機械を取り出す。

 

「それは……タブレット?」

 

A4ノート位の大きさの平な機械、恐らくはタブレット的なものであろう事は、響にはすぐに理解出来た。

 

「これね?川内ちゃんの鞄に入ってたんだけどぉ、川内ちゃんたら、テレビゲームに興味ないって捨てちゃったんだよ?だから、那珂ちゃんがしっかり活用してあげたんだよぉ?きゃはっ!」

 

自慢げにタブレットの電源を入れると、赤い丸が1つ、その他に黄色い丸が5つ表示されている。

 

黄色い丸の所に小さく、ヒビキ、オオシオ、アラシオ、ミチシオ、オオイと表情されていた。

 

「……これで皆の居場所を把握して、エリア34に向かい、如月達から逃がす名目でエリア35へ誘い込んだ……」

 

響の顔は鬼の様に怒りに満ちた表情になっていた。

 

「そうだよぉ?大井ちゃんは大潮ちゃん達と一緒にいるみたいだから、今頃修羅場じゃないかなぁ?」

 

「那珂さん……残念だよ……貴女の言葉にどれだけ心打たれた事か……」

 

響はドライバーを那珂に向けて構える。

 

「あたしはぁ、駆逐艦をあと1人殺せばほぼ優勝だよねぇ?」

 

那珂は三節棍を構える。

 

三節棍の先には真新しい血液がべっとりと付いている。

 

待て次回!?




このまま終結へ向けて一気に進んでいきます。
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