エリア30
軍服姿の2人の男が廊下を歩く……。
「ったく、クソデブのやろうさっさと帰りやがって、跡片付けバックレたな?」
「ふひひ、まぁアイツの気持ちも分からなくは無いでござるが……」
そう言ったガリガリな男が、気色の悪い顔でニヤニヤとしている。
「まぁ、奴の好きな大型艦は全滅したし、唯一のイレギュラーだった比叡も駄目だったからなぁ……いや、俺の予想も外れたんだから、お前1人で片付けろよ?」
男はガリガリの背中を張り手した。
「いや、おかしいでござらぬか?見事予想的中した某が何故に跡片付けをせねばならぬのか?」
腑に落ちないと言った表情で男に講義するガリガリ。
「冗談だよ!2人で跡片付けしようぜ?」
「ふっ、まぁ、小生は少女の死体でオナるのも嫌いでは無いででごさるがね?くふふ」
「そ、そうか……」
男はガリガリの糸目が怪しく光るのを見逃さなかった。
「まぁ、片付けの前に……表彰式だけどな?流石に優勝者には手を出すなよ?」
「……くっ、不本意ではあるが致し方なし……」
ガリガリは心底無念そうな表情でゆっくりと頷いた。
「それにしてもなぁ、今回のイレギュラーはマジでヤバかったんだが、改二と言うことは少なくても練度75は超えてるわけだろ?よく倒せたよな?」
「いや、小生はそんな事よりも……」
ガリガリの顔がみるみる青ざめていく。
「そこまで育て上げた艦娘を…………解体してしまった提督殿の心情が気掛かりでありますなぁ……」
ガリガリは小刻みに震える。
「確かに……事故なのか……はたまた何か理由があっての事なのか……ミスって轟沈する方が遥かにメンタルへのダメージは小さいだろうに……自らの手によって解体しちまうんだからなぁ……」
そう、この島に集められた艦娘は、全国数百万人の提督によって日々量産られる、解体された艦娘達であった。
「この島の他に△△演習地帯でも自分を武蔵と思い込んだ比叡改がイレギュラーで来たらしくて話題になったが、こっちは正真正銘の改二だしな……」
イレギュラーとは、通常練度1の艦娘がデイリー任務などの為に解体される事が殆どだが、ごく稀に練度が高い育成されている艦娘が事故か故意かは不明だが、解体される事があり、優勝したとしても殺処分される決まりとなっている艦娘の事である。
「まぁ、小生としてはイレギュラーに優勝されるのは不本意でござるし、結果的に駆逐少女が優勝したので、気分良く跡片付けをする所存でござるよ?くふふ」
嬉しそうにスキップをするガリガリであったが、いきなり立ち止まり、男を睨み付ける。
「それよりも、あの軽巡……調べさせて貰ったでござるが、あやつは今回で3度目の参戦と言うのは本当でござるか?」
ずずいと男に近寄るガリガリ。
「いや、そいつは……どうなんだろうな?俺は何も……」
「……」
ガリガリは疑いの眼差しを男に向ける。
「ふぅ、まぁいいでござるよ?優勝は小生の予想通りになったんでござるから、君がどんな不正をしていても気にならないでござる!!」
「ちっ、悪かったよ……この埋め合わせはいずれな?」
遂にこの戦いの謎が解き明かされる!?
待て次回!?
すいません、あと1話だけつづくんじゃよ?