E2からは乙でいきます。
札共有の利点を最大限に……ボスが重巡かよ!?
エリア61
夜明けを迎えたこの島は薄らと明るくなっていた。
「やぁやぁ、お待たせしたね?響ちゃん?取り敢えず、優勝おめでとう!かな?」
見知らぬ痩せ型の男と、金剛さんを殺したあの司令官らしき男が、私の前に現れて最初に言い放った言葉だ。
未だに血にまみれた私の身体からは、鉄錆びた血の匂いが鼻にこびり着くように悪臭を放っていた。
「君もこの男の仲間なんだね?」
本当に自分でも笑いたくなる様な、どうでも良い質問が、無意識に出てしまった。
この緊張感に張り詰めた戦場を制したという実感が欲しかったのか?日常的な会話が恋しかったか?
「うんうん、まぁそうだね?僕もこいつも所謂提督さ」
「……そう、なんだね?」
提督……私達艦娘にとって必要不可欠な存在……そもそもはそんな圧倒的な存在に逆らえる筈が無かったのだ。
故にこの島で行われた殺人ゲームも、私達が参加を強制されるのは必然だった……、冷静な思考で理解した。
理解したが……。
「なんで、こんな事をさせたんだ?どうして……艦娘同士で殺し合いなんて……」
頭では理解できるが、聞かずにはいられなかった。
当然この後の返答なんて、想像出来ている。
「うーん、そんな事より優勝の報酬を与えるね?」
細身の男は予想通り話をはぐらかして私の手を握ってきた。
この手を握り潰すのは容易いけど、そんな気力は私にはなかった。
「……まぁ、待て、ここまで頑張ったんだし、理由くらい教えてやるよ?」
「え?」
「はぁ?」
男の予想外の言葉に、私と細身の男は虚を突かれたじろいでしまった。
「なぁに、理由は単純なもんだ、お前を求めている鎮守府がいる!弱小と言われ常に深海棲艦の襲撃に怯える提督とその艦娘達!それらを救える様な、最強の艦娘を選び抜く、それが目的だったんだ」
男の言葉には熱意と覚悟が込められているのか、言いようの無い説得力を感じてしまった。
「じゃ、じゃあ……この艦娘同士で殺し合うと言うのは……」
私がこの男の言葉に救いを求めているのは分かっていた。
だけど、どうしても……私は救われたかった。
「もちろん、戦いに私情を挟まない強靭な精神力を持った艦娘でなければ、あの鎮守府の皆を助ける事など出来ないからな!……響!」
「は!はい!!」
男の言葉に返事をしてしまった。
条件反射?いや、違うな……私が許される場所……、救われる場所へ誘ってくれる者を拒否する理由は無いからだ。
「君に命ずる!直ちにこのヘリに搭乗し、とある鎮守府へ向かってくれ!!」
男の海軍式敬礼にコチラも敬礼を持って返す。
「ダーっ!」
私は、私の助けを待つ新たな仲間達の為に、この殺戮ゲームが行われた死の戦場から離脱した。
この後、私の身には更なる試練が降りかかる事だろう……だが、この島での出来事を糧として……かならず皆を救ってみせるさ!!
私達の戦いはこれからだ!!
飛び立つヘリを眺める男2人……。
「まさかあんな適当なセリフにまんまと乗せられるとはね?」
ガリガリが堪えていた笑いを解放させ、吹き出しながら言った。
「まぁな、絶望しか無かった真っ黒な思考回路へ、突然都合の良すぎる甘言が侵入したんだ、精神不安定な状態の今、信じる事しか出来ないだろうぜ?……それに、俺は嘘は言ってないつもりだぜ?アイツにそれ程の運があればあるいは……」
「ったく、いちいちムカつく野郎だな?俺の響を侮辱すんなよ!?」
そこには、ぶつくさ言いながら死体の片付け作業に取り掛かる2人の姿があった。
待て次回?
まだ終わらんのかよ!?
すマンコまだ少しだけ続くんじゃ……待て次回!?