「ったく、初っ端で躓いちまった……こりゃ姉貴達に笑われるなぁ……」
エリア29、辺りは見渡すばかりの畑があり後方には先程までいた建物が小さく見える。
「にしても、こんなちゃちい武器でどうするって言うんだ?」
球磨型軽巡洋艦の木曾は、手に持つ小さなポンチを眺めてため息を吐いた。
「武器はともかく、この先貴女がどうするのか?それはあなた自身が決める事です、先程のような暴挙を繰り返し自らの身を破滅に追い込むのか……」
「だ!だれだ?」
木曾は辺りを見回す……。
「それとも私達と協力して、この馬鹿げたお遊びを終わりにするのか……」
「ちぃ!後ろか!!」
木曾は振り向きざまにポンチを”そいつ”に打ち込む!
「……」
そいつの頭部へポンチが触れる寸前で木曽の腕が掴まれる。
「くっ!ひとりじゃねえのか!?」
「妙高姉さん、こんなの仲間にしても仕方ないのではないか?」
「妙高……妙高型か!!」
木曾の前には妙高型重巡洋艦の4人がおり、木曾の腕を掴んでいるのは二番艦の那智であった。
「駄目よ那智、1人でも仲間を増やさないといけないのだから」
「くっ……は、離せ!」
木曾の腕がミシミシと音を立てる。
一説によると長門型や金剛型等の旧型の戦艦よりも重巡洋艦の方が馬力があると言われている。
「いいか?1度しか言わない、私達と共に来るのか?それともこの場で死ぬか?どちらを選ぶ?」
那智の腕に更に力が入る。
「ぐぁっ!わ、わかった!降参だ!俺の負け……あんた達に従うよ……」
「賢明だな……」
那智は木曾の腕を離す。
木曾は本能で感じていた。
今ここで那智の頭を砕いたとして、自身の命は1秒で燃え尽きるという事を……。
「そ、それで、知ってるのかよ?助かる方法……」
木曾は痺れた腕を擦りながら妙高に訊ねた。
「えぇ、知っていますよ?」
即答であった。
「な!そんならさっさとこの島を脱出しようぜ!」
木曾は嬉々とした表情で言ったが、妙高の顔は険しかった。
「島を脱出するのは今は無理です、まずは私達が付けているこの首輪を無効化する所から始めます」
「無効化?なんかまどろっこしいな?」
面倒な事が苦手な木曾の表情は、やる気の無いものへと変化した。
「この首輪はこの島中に張り巡らされた電波によって制御されています、禁止エリアとは即ちこの電波を遮断している状態の事、金剛さんの首輪を爆破させたのはまた別の仕組みだと思いますが、この際そっちは無視します」
「……なんだか良く分からないけど……これから俺達は何をするんだ?」
「まずは1人でも多くの仲間を集める事です、この殺し合いに乗ってしまった人に妨害させない為の戦力が必要なのです」
「ふーん、脱出出来るなら争う奴なんていなくないか?」
木曾のあまりにもお粗末な意見に対して、妙高はため息混じりに答えた。
「皆貴女のような単純な思考の持ち主だとは限らないのよ?私達を疑って拒絶したり、そもそも脱出する事なんて考えていない場合だってありえるの」
子供に諭す様に説明する妙高。
「……そうだな、確かにうちの姉貴達は脱出よりも戦いを好むだろうな……球磨型に遭遇したらすぐににげたほうが良いぜ……」
木曾の表情が一段と険しくなる。
「そうですか、兎に角1人でも多く助けたいものですね?」
5人はエリア28へ移動して行った。
待て次回!
球磨改ニ実装はよ!!