※この作品はR-18です。

グランド・インモラル・ホテル   作:果肉ぬき

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007:ウルトラミラクルヒモストーリー

 セックスがあればなんでもできる。

 ことあるごとに馬鹿にされてきた俺の座右の銘だが、ことあるごとに俺に自信を与えてくれる頼もしい言葉でもある。

 というか、馬鹿にしてきたやつらはいますぐ誰かとセックスすればいい。セックスをしてみればいい。セックスしなさい。法に触れない範囲で。

 

「んっ……ゃ……ぃゃ……っ……」

 

 セックスがあればなんでもできる。

 でなければろくな取柄もなく26にもなって一度も働いたことがないのに食べることに一度も苦労したことがないこの俺の人生をどう説明する?

 

「ゃ……ゃめて……くださいっ……」

 

 いつぞやの誰かが歌っていた気がするが、みんな世界を支配したいと思っている。否定しようが無自覚だろうが、自分の生きる環境をできるだけコントロールしたい、できるだけ自分の思い描く幸福を追い求めたいという欲求は大なり小なり皆が抱いている欲求だ。

 

「っ……んん、ぃ……ゃ……ぁ……ん……っ……」

 

 では、そのためにはなにをすればいいか。

 簡単だ、ルールを支配する、すなわちルールをルールすればいい。

 人は選択肢を与えられたときにその選択肢が自分の取りうる行動のすべてだと思いがちだが、もし迷ったり選びたくなかったりしたときは、その選択肢のどれかを選ぶということが無意味になるような別軸の論理をもってきてやればいい。言葉などいくらでも、どうにでもできる。

 

「……け……警察……に……ぁ……言い、ますよ……ひゃぁ……」

 

 あるいは、先入観という縛りのせいで勝手に動けなくなっている人間も多い。もし本当にそれを望んでいるのならば、それを手に入れるために必要な滑走路をイメージし、必要なものを準備して飛び立つ、ただそれだけだ。滑走路がなければ自分で引けばいい。お湯を沸かすより簡単で、二次関数よりシンプルだ。そのシンプルさこそが信用できないという人間も多いのだろうが、俺は馬鹿だから物事はシンプルであることに越したことはないと思い、いつだってそのロジックに従って生きている。

 

「あなたの身体は警察を呼びたくないように見えますよ」

「んっ……そ、そんなことはっ……」

 

 だからこそ、社長令嬢の大学生であるルナに日々お金をもらって2LDKのマンションの一室でひとり優雅に過ごすこともできるわけだ。むろん淫乱なルナとの1日1回のセックス付きだ。ルナは実家から出してもらえないため一緒に暮らすことはできないが、毎日通いつめてくれている。

 

「それにほら……ここはもうこんなに……」

「ひんっ……、な、なにかの、間違いですっ……」

 

 きょうは「いろんな部屋があるから」というルナの言葉に乗っかり、わざわざこの地まで電車で来たのだが、その甲斐はあった。

 体育倉庫や屋内プール、教室や病院など、このラブホテルには客のさまざまな性癖を満たすために用意された部屋がたくさんある。10階建ての巨大なラブホテルの約3分の1がそんな感じなのだから、変態は大喜びだろう。

 御多分に洩れず俺も変態だから当然大喜びだ。大はしゃぎだ。

 今回はルナの提案で、普通列車を模した部屋で痴漢プレイをしている。部屋に備え付けられていたコンポには走っているときの車内の音を再現した環境CDが入っていたから、当然流している。いつもと違うルナのあえぎも聞けて俺はすでに射精寸前だった。

 

「名前はなんていうんですか」

「ど、どうして、痴漢なんかに……はぁ、はぁ……名前を、教えなくちゃ……んっ……いけないのですか……っ……」

「私が知りたいからです」

「そっ、そんなっ……わ、わけがわかりませんっ……」

 

 ルナが持参した高校時代の制服が、つり革に捕まって俺の手から逃れる演技をしているルナの動きに合わせていじらしく揺れていた。白の半袖セーラー服にブラックのプリーツスカート。オーソドックスだが文句はない。いい、いいよールナっ!

 

「言わないとこの指、入れますよ?」

「ぃ……ぃ、言いますっ……ルナ……ルナ、です……っ……」

「ありがとうございます……ルナさん、ではさっそく指入れますね」

「ひゃんっ……ぅ、ぅそつきっ……ぁ……んっ……ん、ん、ん、ん……」

「ぅっ!!」

「ぇっ……んっ……な、なんか……脚に……」

 

 まずい、もう1発出してしまった。

 俺が毎日剃ってあげてるおかげでつるつるすべすべなルナの恥丘、そしてすでにヤ×ルト1本分は出ているであろう愛液で淫らに濡れそぼっているルナの蜜壺を、指でカリカリといじりながらルナの桃色の声を聞いているだけでもイキそうだったのに、我慢できずに思わずスラックスからち×ぽを取り出してルナをいじっていないほうの手で思いっきり扱いてしまった……あまりの興奮に頭にはすでに変なドライブがかかっていたし、左手だったからいつもと勝手が違ってうまくコントロールできなかったんだと思う。まあよい。これもプレイを盛り上げる糧となる。

 

「ルナさんの嫌がる姿があまりにもかわいくて、私、出してしまいました。ほら、触ってみてください……」

 

 ルナの淫部をいじる俺の右手を拒むように掴んでいたルナの右手を、スカートのお尻のあたりと太ももの裏に付着した出したての精液に触れさせる。ちなみに、ルナの左手は部屋に備え付けのつり革を震えるような弱々しい手つきで握っていて、臨場感MAXだ。グッジョブ、ホテル。

 

「き、汚い、ですっ……変態っ……」

「変態はどっちかな?」

 

 俺はルナの右手をそのままルナのパンティの股布に触れさせる。

 

「ほら、パンティぐちょぐちょになってますよ」

「こ、これは……」

「誰も見てないから、自分で触ってみてください」

「で、でも……」

「遠慮せずに、ほら」

 

 ルナの右手が綿の生地越しに淫唇をなぞり出した。

 

「ぁ……うそ……わたし……んっ……」

 

 うんうん、いい感じいい感じ。ルナの甘々な体臭のおかげもあって、俺のち×ぽはすでに最高潮まで復活していた。

 つり革をつかんでいるせいでおへそが見えちゃうくらい裾が上がっているセーラー服に左手を差し込み、ルナのほどよく成熟したお椀のようなふくらみをこねる。

 

「あれ、あれあれあれ。これはいけないな~。ルナさん、ブラジャーつけてないじゃないですか」

「違うんですっ……んっ……そ、それは……」

「それは?」

「きょう、雨がすごく降ってて、濡れちゃって……セーラー服は夏用のがあったんですけど、ブラは学校に予備なんて置いてないから……」

 

 きょうはどしゃぶりの雨だった。それは本当だ。けれど夏服をもってきたのは、かさばらないからという理由だったはず。俺はルナの即興のエロ演技にもうメロメロになっていた。なぜか夏服は学校に保管しているというおかしな設定もツッコミどころではあるがかわいいからOK! だめだ、もう2回目が出そうです、神さま。

 

「本当にそうなんですか? 直接触られたくてわざと脱いで電車に乗ったんじゃないですか?」

「そんな、こと……はぁ、はぁはぁ……ない、ですぅ……ん、ぁ、ぁ、ぁ……」

 

 ルナは右手で秘部を慰めながら抗う。説得力のなさが最高に扇情的だった。

 

「えっくしっ!」

「っ!?」「っ!?」

 

 ルナと俺は突然聞こえてきた女性のくしゃみの音に驚き、思わず音のした方向にバッと顔を向けた。

 コンポがあった。まさかとは思うが……。

 

「ん、んんっ!」

 

 しばらくコンポを見つめていたら、スピーカーから今度は痰の詰まりをどうにかしようと喉を鳴らせる女性の声が聞こえてきた。

 おいおいおいおい、グッジョブすぎだろこのホテル……。頭イカれすぎとも言えるが、あまりのディテールの素晴らしさに俺は感激していた。

 よくよく耳を傾けてみると、ときおり新聞の紙が擦れる音や、イヤホンから音楽が漏れているような音も聞こえてくる。環境音としてかなりの再現レベルだった。さっきのくしゃみや喉の音などが、おっさんではなく女性の声というところも気遣いが感じられて好感触だ。これがOMOTENASHIというやつか。

 俺たちは顔を見合わせ、お互いの情欲がより高まっているのを認めた。ボルテージMAXでプレイ再開だ!

 

「『そんなことないです』と言いながらルナさんの右手はま×こにゾッコンみたいですけど」

 

 俺は亀のペニスのようにスラックスから飛び出たままになっているち×ぽをルナのスカートのなかに潜り込ませ、腰を振ってパンティ越しにお尻をペシペシと叩いた。

 

「こ、これは……違うん、ですっ……こ、これはっ……そ、それより、なにか当たってますぅ……んっ……ぁ……ぁ……ぁ、ぁ、んっ……」

「さっきから違います違いますの一点張りじゃないですか。同じ言葉しか出てこないのは脳と口が鈍っているからです。ちょっとリハビリしましょう」

「リハ、ビリ……?」

 

 俺はルナのおっぱいを揉みしだいていた左手を戻し、両手でプリーツスカートを背中のほうへ捲り上げた。

 腰がくの字になってるため、こちらに突き出されるかたちになっているルナの臀部から、パンティを太ももの途中までそろそろ~っと下ろし流れ作業のように予告なくルナのま×こに怒張した肉棒を挿入した。

 

「ルナさんっ」

「っっっ!」

 

 入れた瞬間に2発目を発射してしまった。けれど問題はまったくない。放出された精液は潤滑油として使えばよいし、俺のち×ぽはまったく萎れていなかった。

 俺は射精などなかった――そう、なかった!――かのようにすぐに抽送を始めた。

 

「んっ、きゅ、きゅ~に……おち×ぽ……ズポズポ……はぁ、はぁはぁ……んっ……だ、だめですぅ……」

「お、いいですね、語彙が少し増えたんじゃないですか」

「ぁ、な、なんか、ビリビリって……んん、ん、ん、ん、んっ、ん、んっ、ぁ……ぁぁ、ぁぁぁぁ……んっ……っ……」

「リハビリですからね」

「ひんっ……んっ……そ、そういう、ことじゃ、なくてっ……んっ……」

 

 よし、このあたりで奥義・鏡の術を使おう。

 俺は、俺たちの目の前にある鏡――もちろんフレームは普通列車の窓のようなデザインだ。グッジョブ、ホテル――を見ながらルナを突き上げる速度を上げた。

 

「ルナさん……っ……ほら、見てください……っ……よがってる、ルナさんが、よ~く見えますよっ……っ……」

「よ、よがって、なんか……っ……っ……んっ……んんんっ、ぁぁ、ひんっ……」

 

 どう見てもよがっていた。

 腰が完全に砕けてしまって、身体を支えるように両手でつり革につかまりながら俺のピストンに合わせて腰を振っているルナが愛くるしい。

 外ではいつもキリッとしている目元がとろんとなってふにゃふにゃに緩んでいるところも、開きっぱなしの口から垂れる涎も、そんな口から聞こえてくるせつなそうな喘ぎ声も、全部全部食べてしまいたかった。

 

「ルナさんっ……っ……しっかり味わってください――ぅっっっっ!!」

「んんっ……ぁ……な、なかに出されちゃった……っ……わたし……痴漢に中出しされちゃったよぉ……」

「まだまだですよっ」

「ひんっ……ま、また来たぁ……んっ……ゃ……んっ、ん、ん……こ、今度はわたしが……わたしがぁ……っっっ――――ひぅんっっっ!!」

 

 ルナの痙攣が終わったタイミングを見計らって抽送を再開させる。

 ああ……一晩中突き続けていたい……。

 

「まだ、警察……っ……っ……呼びたいですか……っ……」

「ょ……呼びたく……ない、ですぅ……っ……」

「また……イキたい、ですか……っ……」

「イキたいっ……ですっ……痴漢さんっ……」

「ルナさんっ……」

「痴漢さんっ……もっともっと……はぁ、はぁ……おち×ぽちょ~だい……おち×ぽ……んっ、ぁぁぁ、ん……ゃ……ぃ……んっ……」

「ルナさんに……っ……そこまで、言われたら……っ……断れませんね……っ……」

「ぁ……すご……ぃ……んっ……だ……め……また……ぁ……イクイクっ……んっ、んっ、んっ――――ひゃんっっっ!!」

 

 俺はルナの絶頂を追いかけるように腰のスピードを上げて4発目を注ぎ込む。

 

「ルナさん……白い液、ぼたぼたに……っ……垂らして……これは……っ……罰金ですね……っ……」

「わたし払うっ……痴漢さんに、ぱんぱん、ずぽずぽしてもらえるなら……んっ、ぁ……、んぁ……ゃ……いくら、でも……っ……払いますっ……」

「とんだ淫乱ですね……っ……ルナさんは……っ……でもそんな、ルナさんが、かわいくて……っ……大好きですよ……」

「私も、痴漢さんが、好きっ……んっ、んっ……痴漢さんのおち×ぽだいすきぃ~……っ……ぁ、またイっちゃうよぉ……んっ、んっ、んっ、んっ、んっ――っっっ!!」

 

 どれくらいの時間が経ったのだろうか。

 快楽の虜になった俺たちは、淫部を弾けさせ続けた。

 もう立っていられないくらいの肉悦を浴びきったところで、つながったままふたりでベッドに倒れこんだ。

 ループしている環境音とベッドの暖かさが、まるで本当に暖かい電車のシートに座っているかのように眠気を誘う。

 俺は薄れゆく意識のなかでルナとの関係を思い返してみた。

 容姿、思想、年収、学歴、気品、優雅さ、勤勉さ、そのすべてが俺にはなくて、ルナにはある。

 なにもかもが違うふたりだ。

 けれど、セックスだけは抜群の相性だった。俺たちの間には、セックスだけがあった。

 やぶれかぶれでもいい、どうにかセックスにさえ辿り着けばあとはどうにかなる。

 ルナに限った話ではない。俺はいままで俺を養ってくれた女性たちの顔を思い浮かべた。

 セックスがあればなんでもできる。

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