目の前に居る人の表情がかろうじて分かる位の仄暗い部屋でちゅぱちゅぱといやらしい音をたてながら私の指の間を妖しく蠢く舌。
指を舐めるこの舌は私の反応を全く反映せず、ただひたすら、指を濡らしては吸い、また濡らしては吸うのを繰り返していた。
穢れを清めるかのように丁寧に慎重に、艶やかな舌遣いで指先から根元までしゃぶり続ける。
「んっ・・・、・・・ふぅ・・・んん・・・」
しゃぶられる刺激は実に微々たるものだったものの、愛する人の呼吸の振動が直に伝わるお腹の上、温かい手の平で私を離さんとがっちりと掴む力強さにドキドキが止まらない。
じわじわと溜まる快感に思わず声が出てしまいそうになるが起こしてしまうとこの状況が終わってしまう危険性があるためそこは我慢する。
雅が私の指を舐め始めてからしばらく経った頃、不意に私を掴む手から力が抜けた。手に続いて、次第に口も止まっていき、遂には動かなくなった。私のご褒美タイムはあまりにもゆっくりと突然に終わりを告げた。
私は胸に溜まったムズムズを溜息一つで吐き出す。
―・・・ヌチャッ。
雅のとても温かい口内から私の指をゆっくりと引き抜く。いやらしい水音と共に出てきた私の指には雅の口との間が糸が引かれ、数分間口に含まれていた指は皺くちゃにふやけていて、雅の涎でテラテラと煌めいていた。
私は舐める途中で眠ってしまった雅を正しい位置に直してあげようと、まずはこの先程から雅の口へ垂れていく唾液という名の聖水を取る為、手を口へと運んだ。
指先が唇に付くすんでの所であることに気付いてしまった。
間・接・キス♡じゃん!これ!
え!?やばいじゃん! 雅にキスは禁止されていたけど、これならセーフだよね!?
今日の私の雅への行動を考えたらそんなの意味ないけどね!
涎は垂れ続けているため1度指を曲げ、これ以上垂れるのを防ぐ。そして、そのまま指の下から咥え込む。正直言って行儀は悪いが、雅の唾液のためならここまでやってもなんら問題は無い。
唾液はさっきまで舐めていた汗とは断然違って粘り気があり、口の中で滑らかな舌触りが楽しめる。味の方は薄味だったがほのかに甘く感じられた。
かれこれ舐められていた時間と同じかそれ以上の時間自分の指をしゃぶっていたが、流石に雅を良い体勢に戻すべきだと判断し魅惑の(間接)キスタイムを終了する。
苦渋の選択であったが、雅が汚れてしまう方が嫌なので舐めていた指は綺麗に洗ってきた。
完全熟睡している雅を通常の寝る体勢に直してタオルケットを掛けてあげる。
ここは私の寝室なので私も一緒に寝る訳で、心臓の音を雅が起きてしまうんじゃないかってぐらいドキドキさせながら布団に入ったのだが、雅の静かな寝息を聞いたら徐々に緊張が解れ自然と夢の世界へと入り込んでいった。
違和感を感じ、目を覚ましたのはその30分後のことだった。
折角雅が私を襲ってくるいい夢だったのになぜだか目が覚めてしまう。
なんだろう、絶対的に何か足りない。絶対忘れてる。
不安で早まる鼓動を抑えるために、胸に手を当てる。モヤモヤが残る胸はまるで不完全燃焼状態のように・・・、不完全燃焼?あ!不完全燃焼だ!
思わずがばっと身を起こしてしまい、掛けていたタオルケットが吹き飛ぶ。タオルケットを剥ぎ取られた雅には急に寒気が走り、とても怪訝そうな顔で身震いをした。起こしてしまったかとヒヤヒヤしたが猫のように丸くなって再び寝息を立て始めた。
丸くなって眠る姿はとても愛らしく、しばしほっこりしてしまった。
・・・って、違う、違う。私の性欲処理ができてないんだよ。
この世には睡姦という言葉がある通り、寝ている人を襲うことは興奮を引き立たせるものがある。
目の前には起きる気配のない雅が熟睡中。
性欲を滾らせた私が寝ている雅を襲うのはいわば必然的であった。
丸くなってしまった雅の曲がっている関節をゆっくりと伸ばし、大の字で眠らせる。
元々薄着だった雅は動いたことにより上着がはだけ、鳩尾から下腹部辺りまでが現れる。雅が寒気を感じてまた丸くならないように素早く股の間に私の身体を滑り込ませた。
雅のお腹は健康を維持するのに最低限の筋肉しか付いておらず、強く抱き締めたら折れてしまいそうな程細くくびれていて、それでも所々ゴツゴツと男らしい形になっている。
寝ている雅に合わせ、私も横たわり雅のへそに優しく口づけをする。今日は舐めてばかりだが、そんな日もあったって良いと私は思う。まだ、全身舐めて無いしね!
「・・・・・っふぁ・・・・・、・・・・・・んん!・・・・・・んぅ・・・。」
かわいい声を漏らす雅。それに合わせて私の興奮に火が付いた。
先程から敏感に反応しているへその周りを執拗に嘗め回す。凹んだ所に沿ってグルグルと舌を動かしてみたり、一旦口を離して息を吹いてみたりと雅のかわいい反応を見ながら加減を変えていく。
刺激の強弱に反応して無意識のうちに手が口を抑える。それを一気に舐めていた力を強め、抑えていた手でも抑えきれない程の刺激を与える。
「んっ・・・・んんぁ、・・・ふぁああ!・・・あん♡」
雅の喘ぎ声が甘くなり始めた。へそだけで気持ち良くなられても困るので残念ながら、ここでへそへの攻撃をやめる。トドメにへそに口づけをするのを忘れずにね。
口を離し雅の股の間で四つん這いになる。その体勢のまま雅の服を起こさないようにゆっくりと鎖骨の辺りまで捲り上げる。途中背中に引っかからないように身体を密着させながら少し浮かせたのだが、その時の耳に掛かった甘い吐息には今でも耳にいやらしい違和感を残している。
* * *
無事起こさずに服を捲った私は、露わになった雅の綺麗な乳首に吸い付いた。
「うやぁ!?や、ひゃめ、はぅ!ふー、はー」
思いも寄らない声に私は思わず口を離してしまった。