※この作品はR-18です。

散花凌乱   作:バルボロッサ

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今回は以前投稿しましたレキ(緋弾のアリア)の続編です。話がそのまま続きます。前話までのストーリーを簡単にまとめると、原作6巻~7巻の修学旅行Ⅰでココ姉妹に襲撃を受けての敗北した後、ココ姉妹によって快楽調教を受けて性感帯を開発されてしまった状態です。

今回は珍しく原作の男主人公が登場します。なるべく原作の設定を生かして描いたつもりですが、個人的にあまり好きではないキャラのため主観がまざっているかもしれません。キンジが好きな人はご注意ください。



レキ 続編

 

 レキは耐えていた。

 

「はぁ……ッ! はぁ、あくっ……ッ!」

 

 耐えがたいもどかしさ。

 

「……! ~~~~!」

 

 細かく体を震わせ、歯を食いしばり、体を丸め

 

「~~~~ッッ!! ッッッ!!! ~~ぁっ!」

 

 気を抜けば自らを慰めるために動かんとしてしまう腕を鋼のような自制心で押し留めていた。

 

 祖先伝来の淫技をもつココ姉妹により快楽を覚えさせられ、度重なる絶頂を体に刻み込まれ、全身の感覚を徹底的に性感帯として開発されたレキ。

 1日に数十、数百と絶頂させられ、風が肌を撫でる程度でも感じてしまうようになったレキにとって、何もされないというのは火照る体を鎮めることのできない痛苦となっていた。

 

 人の感情を厭う璃璃色金の巫女として、感情というものを教えられずに育てられたレキに叩き込まれた快楽という名の衝動。

 かつては無表情を貫いていた彼女の顔には、今やオナニーがしたくてたまらないといった様子で、それでも懸命にそれを押し留めようと悶える様がありありと浮かんでいた。

 

 そしてなによりも今の彼女は虜囚であり、ここは敵陣なのだ。そのようなところで自らを慰めるなどという無防備極まりないことなどできるはずもない。

 だが

 

「~~~~~~ッッッ!!!!」

 

 噛みしめる歯がガチガチとなり、隙間からは涎が漏れ出るほどに、今のレキは発情していた。

 イクことが当たり前になってしまった体へのお預け。オナニーしたくてたまらないほどの状態をレキは壊れそうになっている理性と自制心とでなんとか耐えていた。

 

 

 

「きひひ。なかなか頑迷に耐えるネ、レキ」

 

 そして懊悩して苦しむ璃巫女を壊すため、今日もまたココがやってきた。

 

「―――っ……今度は、なにをしてくるつもりですか。ココ」

 

 倒すべき敵。璃巫女たるレキ自身を苦しめている敵であり、この現状を打破するための鍵でもある万武の武人。

 レキはいまだ折れぬ心をもってともすれば艶めいてしまいそうになる顔を毅然とさせて睨みつけ

 

「きひっ。その言葉、なにかして欲しいと言ってるように聞こえるネ、エロレキ」

「―――ッッ」

 

 しかしココの言葉で愕然として、目を見開いて動揺した。

 

 もちろんそんな思いなど一顧だにしてはいない。愚劣で的はずれな戯言だ。なにをバカなと返せばいい。

 否定の言葉が喉をついてでそうになり、事実レキはそう信じていた。

 信じていて、しかしそれが否定出来ないと、脳裏をよぎってしまった。

 

「くひっ。その反応、図星ネ。エロレキは、エロいこと大好きになったヨ!」

 

 愕然として、気づいてしまったかのように見えるレキの反応に、ココはにんまりと笑い、囃し立てる。

 エロい、エロいと連呼される言葉が、まるで自らのことをそのまま言い表しているように感じてしまい、レキはわずかに言葉をつまらせ、しかし激昂する前に言葉を一度落ち着かせて今度こそ否定しようとした。

 

「っ、ちが―――」

「手足はナニも拘束されてない。今日はマダ薬も使われてない。それで抵抗しないレキ。エロいことされるのを待ち望んでるヨ!」

「ッッッ!」

 

 否定しようとして、ココの決めつけるかのような下劣な言葉にかき消された。

 

 たとえ手足が拘束されていなかろうとも、薬を使われていなかろうとも、元々生粋のスナイパーであるレキに体術のスキルはない。かろうじて銃剣を装備すればある程度は戦うこともできるが、無手の徒手空拳ではなんのスキルもなく、対して万武の武人たるココは、どのココかにもよるが、強襲科のアリアやキンジをも圧倒する近接格闘能力がある。

 枷がなくともレキには現状から逃走する術はない。

 それが言い訳(・・・)であると、ほかならぬレキ(自身の心)が、ココ(敵)の言葉によって気付かされてしまったのだ。

 

「エロレキの心、底が知れたネ。言い訳できるように、今日も一応拘束、してやるヨ」

「くっ――――――」

 

 言い訳ができるように

 まさしくレキを拘束するのは、それを理由にできるようにするための意味であり、それは感情のないと思い込んでいたレキにとってひどい屈辱だった。

 

 

 

 

 結局、レキは今日もまた四肢を拘束された。

 ベッドの上で大の字の仰向けにされ、鉄製の拘束具で手足の自由を”一応”封じられてしまった。

 そして、エロという冠を与えられたというに相応しいレキに、今日もまた堕とすための処置が施される。

 

 

 

「今日はエロレキにプレゼントヨ」

 

 準備は整った。

 自分の言葉にこれほど容易く動揺させられている様を見たココは、レキが陥落間近であることを理解し、詰めを行うために相応しい駒を招き入れた。

 入ってきたのは黒髪の日本人の少年。

 ”風”の命令によりレキと番になることを決められた強いはずの男で、しかしレキ以上になにもできずに、レキに手を出すことも、レキを使うこともできずに捕まった少年。

 

「キンジ、さん……」

「無事かい、レキ」

 

 少年の目は、平凡な通常状態の時のそれとは違う、”風”が求めたであろう少年のそれであることをレキはすぐに気づいた。

 ヒストリア・サヴァン・シンドローム。HSSと称されるそれは、いわば変身能力のように遠山キンジの力を飛躍させる。

 洞察力、推理力、戦闘力、すべてにおいて通常の時のキンジとは比べ物にはならない武

 偵のそれとなる。

 その変身の条件は、種の保存の欲求が高められた時、つまり性的興奮を覚えた時。

 だからこそ、それを当てにしたレキは、自身を使ってキンジを欲情させようとしたわけだが、璃巫女として、スナイパーとしてしか育てられなかったレキにはその直接的な方法うなどわからず、すべてをキンジに委ねようとしたのだ。

 

 

 東京武偵高校において、遠山キンジという少年の周りには、美少女が侍っていることで有名だった。

 神埼アリア、星伽白雪、峰理子、レキ……ほかにも幾人かの少女が彼に心を寄せており、幾人かは男子寮にある彼の部屋に住み込むなどといったことまでしている状態だったのだ。

 当然、レキはなにも知らない自分よりも、性的なことに関してはキンジのほうが詳しいだろうという読みだったのだが、それは全くの見当違いであった。

 キンジはレキを使うことはできなかった。

 それは彼が、その状態になることを忌避していたからであり、それがゆえに彼は、男女の関係について全くの無知と言っていいほどに知らなかったからだ。

 

「無事でしたか、キンジさん」

「ああ。俺の方はね。それよりもレディをこんなもので拘束するなんて、随分非道いね。大丈夫かい、レキ?」

「ッッん―――――ッッッ!!?」

 

 キンジの目が、素早くレキの四肢の拘束具を探るように動き、そして自然な動きで触れた結果、それが簡単にピッキングできるような代物ではないことを――少なくともピッキングツールも道具もなく、当然なされているであろう監視の状況下では、気づかれずに素早く解錠することはいかにHSSモードのキンジといえどもできそうにはなかった。

 

 一方でキンジの心配をしたレキは、かえって自分の心配をされたレキは、HSS状態のキンジから発された甘い声と、わずかに触れる手の感触にびくんと反応して困惑した。

 

 HSSは種の保存の欲求によって引き起こされる神経の異常活性が原因であるが、それによってもたらされる身体・頭脳の強化は実は副次的な効果でしかない。その本態は異性を惹きつける自分になることにある。

 種を保存するために、異性にとって魅力的に見えるように変態する。

 男性の、キンジの場合であれば、より正義のヒーローのような能力向上、気障な言動、そして女性の願いのすべてを叶えようとする精神活動への変調だ。

 

 かつてのレキには、それは通用しなかった。

 ただ”風”の命ずるままにキンジに近づいたレキには、キンジのそんな魅力は通じなかったし、もとより異性感などという心の動きの最たるものをこそ、璃璃色金は嫌っていた。ゆえにレキにもそんな感情はないと思われていた。

 だが今のレキは違う。

 体中すべてが性感帯になるように開発調教され、心すらも”エロいこと”を願うようなものに開発されてしまっており、そんなレキにHSSモードのキンジが手を触れるというのは、今までにないほどにゾクゾクとした危険な感触をレキに与えてしまっていた。

 

「―――ッッ。―――――。」

「レキ?」

 

 軽く手首に触れただけで、ビクンビクンと今までに見たことのないような反応をするレキに、キンジは怪訝な顔になった。

 

「ッッ、だい、じょうぶ、です、ッッ」

 

 蠱惑的なキンジの声が、自分の名を呼ぶ。それだけで”お預け”されていたレキは官能を燻らされ、なんとかいつもの自分を取り繕ってキンジに見せようと応えた。

 だがそんな反応こそが、すでにかつてのレキにはない行動パターンであり、キンジはレキの異常に気づいた。

 

「さてキンチ」

 

 ロボットレキの異常に気づいたキンジに、監視者からの声がかけられる。

 ココという”少女”からかけられた声に、HSSモードのキンジは敵であっても粗略な態度をとることはできない。まして今は拘束された上に明らかにおかしいレキという少女までいるのだ。

 紳士的な対応をするために振り返り、問いかけようとしたキンジに

 

「レキにお前の種、つけてやるヨロシ」

 

 とっておきの爆弾が投下された。

 

「…………ココ?」

「ココたち、レキの体、お前のために調教した。レキの体、男の種、欲しくて欲しくてたまらなくなってる。キンチ。今のお前、女を粗略に扱うことできない。エロエロになったレキ、お前の種で極上の快楽与えてやるネ」

 

 命じられた言葉に、HSSモードで冴え渡っているはずのキンジの頭脳が真っ白になった。

 

 

 遠山キンジは男女のことに疎い。

 たらしだのなんだのと言われる周囲の評判に反して、キンジはその手のことを忌避してきたのだ。

 キンジは自身のHSSが厄介なものと捉えていた。

 たしかに頭脳は冴え渡り、身体能力は著しく向上するが、やることなすこと、すべてが思い返すと赤面モノの気障な言動で構成されており、女の言うことならば、女を傷つけないためならば、どんな行動でもとってしまおうとする心理状況になるのだ。 

 かつて中学のとき、キンジのそんな特異性が学校の女子にバレ、キンジは女子たちの都合のよい正義の味方に仕立てあげられたことがある。

 悪を、犯罪者を捕まえ、裁くためにあるはずの遠山の特異が、女子たちにとって都合のいい正義に、身勝手で到底公正な正義だなどとは言えないことに利用される。それは正義の味方に憧れを抱くような純粋さのあったキンジには耐え難い苦痛であった。

 苦痛であって、けれどもHSSモードになったキンジは、それをどうすることもできなかった。

 

 ゆえにキンジは男女の仲というものを忌避して、可能な限り避けようとした。

 保健の授業で行われる性教育などという生々しいものは明後日の空で聞き流し(もっともそれ以外の授業に関しても決して良好ではない)、クラスの女子から根暗だなんだと言われても聞き流したし(それでも時折“なって”しまって女子を惹きつけていたが)、友人が好きな男女関係を示唆するような本は徹底的に排除した生活を送ってきた。

 そのためキンジは例えば、薬指につけるための指輪をプレゼントする意味を知らないし、告白のシチュエーションなんて欠片も知識にない。流石に子供を作るための性行為と呼ばれるものが、キス以上の何かであることくらいは知っているが、その具体的な行動についてはまったく知らない。

 

 だからキンジには、あの時レキが求めているような行動は、ナニをすればいいのかまったく分からなかった。

 

 そして――――――

 

「キンジさん」

 

 呼ばれて振り向くと、自分を見上げてくるのは潤んだ瞳、上気した顔を向けてくる翠の髪の美少女。

 

「お願い、します。“風”も、それを望んでいます」

 

 その求める行動が、一体ナニをどうするものなのか、キンジにはまったく分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 ゆえに今のキンジがとるべきは―――

 

「―――――ッッッ!!!??? キンジさ、んんッ―――!!!!!」

「大丈夫だよ、レキ」

 

 異常な(発情)状態になっていると思われる少女(レキ)を安心させてやることだった。

 

「そんなことを今のレキが無理に受け入れる必要なんてないんだよ、レキ」

「―――ッッ♡♡♡♡ ―――――――♡♡♡♡」

 

 ベッドの上で四肢を拘束され、発情してヌレヌレになっている少女に対して覚える興奮を制御してキンジはレキを安堵させるようにレキの体に触れた。

 優しく少女の顔に手をあて、耳元でレキの名を優し気な声で呼びかける。

 

 キンジはレキの今の状態を一種の催眠状態にあるのだと診た。

 ゆえに催眠術には催眠術。遠山家に伝わる“呼蕩”をもって、ココの支配下に置かれたレキの精神を自分の方に引き寄せ、それを解除しようと試みたのだ。

 

「レキ。君の知る俺は頼りないかもしれない。それでもレキ、今は俺に任せてくれないか、レキ」

「ッッッ―――――♡♡♡♡♡♡♡♡」 

 

 ヒステリアモードをもつ遠山家が術技立てて代々伝えてきた技法“呼蕩”。人は独特な声色や息遣いを交えた異性の声に弱いという性質を利用し、耳元で甘く優しい声で何度も繰り返し繰り返し自分の名前を呼ばれ、ささやかれると、だんだんとその催眠の状態にかかるというものだ。

 

 だがこれは悪手であった。

 

「レキ、必ず君は助ける。俺に任せてくれ、レキ」

「~~~~~♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡」

 

 遠山家に伝わる、ヒステリアモードに関する知識としてしか女性のことを知らないキンジには、今のレキの状態など分かるはずもなかった。

 今のレキは、どこを触れられてもイってしまうほどに敏感な全身性感帯に調教され、そのうえでお預けされたことによって芯から発情していた状態なのだ。

 そこに異性に惹きつけられる“呼蕩”などという催眠術まがいのものを受け、女人殺しともいうべき遠山の男に触れられればどうなるか。

 

「いいかい、レキ?」

「♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡」

 

 レキの体は、この数日与えられたなかった絶頂を繰り返し、しかし決定的な高みには至らない浅い絶頂は決してレキを満足させてはくれない。

 結果レキは、充足できない絶頂感に目を見開き、もどかしげに噛みしめられた歯の隙間からはだらだらと涎が溢れ、発情の吐息を漏らすこととなった。

 

 

 

「………………」

 

 半ば以上、自分たちが調教した下地があったとはいえ、あれほど頑強に鉄仮面を装おうとしていた璃巫女の惨状とした様子に、けしかけた張本人であるココですら唖然とするしかなかった。

 日本には据え膳食わぬは男の恥という諺があるが、よもや丁重に仕込みをした料理を前にして、そこからさらに調理を施すような真似をする男が、しかも仲間だった相手に向けてやるようなヤツがいるとはさしものココも思わなかったのだ。

 そして

 

「ココ!」

「!? な、ナニネ!?」

 

 完璧に調理しつくした膳を前にキンジは

 

「君の願い通り、俺が君の力になろう。だからレキにこんな真似をさせないでくれ」

「♡ ♡ ♡ ♡ !!!!!?」

「は、ハァ!!?」

 

 ココたちが予想だにしなかった提案をした。

 

 

 

 そもそもヒストリアモードになったキンジは、女性の望みを叶えるためにこそ全力を発揮するという特性に支配される。

 だからこそかつてはそれを利用され、女子の都合のよい正義に使われた。

 

 そも正義などというものは絶対的なものではなく、相対的なものでしかない。強い思い、信念などといったものが、要は正義と呼ばれることがあるだけなのだ。

 キンジたちの、武偵の正義というものが、ココたち藍幇と敵対したからといって、藍幇にはなんの信念もないのかといえばそんなことはない。

 ただキンジが思う武偵の正義とは異なるものであっただけなのだ。

 そしてヒステリアモードのキンジにとって、もっとも大切なことは、女性のために尽くすこと。

 レキという少女の今を助けるためであり、ココという少女たちの願いを叶えること。それがHSS状態の遠山キンジなのだ。

 

 

 

 

 あれほど下準備をしてエロいことのお膳立てをしたにもかかわらず、致さなかったキンジに呆れたココたちであったが、考えようによっては即戦力であるとびっきりの銃使いを無傷で自分の物にできたことは大きかった。

 結局ココたちはキンジの要求を受け取り、キンジがそのHSSの力を藍幇のためにふるうことを条件に、“レキを戦いの場から遠ざける”というHSSモード視点から見た女性の守り方を遂行することとした。

 

 

 

 約束通り、戦いの場から遠ざけられたレキは、愛銃のドラグノフとは完全に切り離された状態ながらも拘束を解除されて、ひとまず一室を宛がわれた。

 そして―――――

 

 

 

「はぁぅっ!!! は、ぁッッ!!!!」

 

 自制心の軛は壊されたレキは、自らを慰めることを躊躇せず、自慰に耽っていた。

 機械のような正確さでドラグノフ狙撃銃の引き金を引いていた右指は一心不乱に自らのおマンコをぐちゅぐちゅとかき乱し、銃身を支えていた左手は慎ましやかな膨らみの乳房を揉みしだき、乳首を弄り回している。

 ロボットレキと評された無感情な表情などもはやなく、ただただオナニーの快楽に呑み込まれ、イクことのみを求めるかのようになっていた。

 密壺からは本気汁が溢れに溢れて水たまりのようになっており、それでも足りないとばかりに貪欲に指を動かす。

 

「はぁッッ!!!! あっ!! はぁッッッ♡♡♡♡♡ はぁ、はぁ、は、あっ!!!!」

 

 果てなき絶頂がレキの脳を白熱に焼き、わずかに指の動きが鈍るがすぐさま次なる快楽を求めて指が動く。

 

 もはや彼女が戦いの場に出ることはない、いや、できないだろう。

 彼女を堕とす最後のひと押しをした少年がその後どうなったかなど、もはやレキにはどうでもよくなっていた。

 今のレキはスナイパーでも、武偵でも、まして璃璃色金の巫女でもなく、ただただ快楽に溺れた少女にすぎない。

 

 

 来る日も来る日も、レキはただそれが自らに宿る唯一の感情であるかのように、快楽だけを求めて耽った。

 そしてある日

 

「ハァアッッ!!! アッ!!!!」

「まったく、ウルスの姫もこうなったら終わりネ。獣臭い北狄の姫にお似合いヨ」

 

 かつての敵を目の前にしても、快楽を求める指が止まらぬレキを蔑むような視線を向けるココがレキの前に立っていた。

 

「銃使いとしてのレキ、もう死んだも同然ネ。今のお前、役立たず」

「あっ♡♡ あっ♡♡ あっ♡♡」

「けど安心するヨ。ココたち商人。今のレキにぴったりの使い道あるネ」

 

 ココは藍幇の構成員であり、万武の武人とも称されているのと同時に、かつてはイ・ウー相手に商売を行う商人としての顔も持っている。

 そして今のレキは、キンジとの約束を別にしてももはや武力の担い手としては使い物にならなくなっている。

 

 使い道があるとすればそれは

 

「日本人のロリコンにお前、高値で売れた。これからのレキ、武偵としてではなく、愛玩具として生きるネ」

 

 快楽に狂ってしまったその美少女としての体を売り物にすることだった。

 

「あっ♡♡ あっ♡♡ あ、はぁああああああッッッ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

「これでお別れネ、レキ。ウルスの姫を売った金と、キンチの武力で藍幇、さらに飛翔するネ」

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 愛玩具として誰とも知れない人に売り飛ばされたレキだが、彼女を購入したのはまったく見知らぬ日本人の変態というわけではなかった。

 

「ははは。まさかこんなところで君にまた出会えるなんてね。裏のオークションで以前見た女の子を見つけたときは驚いたよ。どうやら君の強運はいつの間にか僕のものになっていたようだね」

 

 日本のビル・ゲイツと呼ばれる青年IT社長――かつて都営カジノ“ピラミディオン台場”の警備要員としての任務を受けた際に、レキがディーラーに偽装したルーレットで7000万もの大金をすった青年だった。

 かつてその賭博で、3500万の大負けしていた青年は、レキに最後の勝負として負け分と同額の賭けを行い、その対価として配当金の代わりにレキを所望したのだった。

 その時の勝負はレキの勝ち、というよりもルーレットを希望通りに操ることのできるレキが、同じく賭けを行ってきたキンジに勝たせたことと、敵の襲撃によって立ち消えとなった。

 だがどうやら7000万もの負けでも、彼にとってはそれほど影響しなかったのかもしれない。事実として、いまだに彼は裏のオークションに参加できるだけの力と、レキをオークションで買いとることのできるだけの資金を持っていたのだから。

 

 レキは購買された玩具のようにラッピング――未成熟な体を倒錯的な情欲をかきたてるような可愛らしい下着のみを穿かされた状態で、両手を拘束されていた。

 そして青年は、待ちきれなかったとばかりにレキの体に手を伸ばした。

 

「僕は強運な女性をものにすることで強運を得てきた。だからこんな風に――」

「ッッッ!!!!」

「オークションにかけられるようなところまで堕ちた今の君の運には価値なんてない」

「――くっ! はっ! アッッ!!」

 

 乳首をこりこりと抓まれ、ピンと弾かれればレキの体は軽い絶頂を覚えて跳ねた。

 

「けどね。たしかに君はあのとき輝いていた」

 

 語りを入れる合間にも、青年の手は止まらない。

 すでに濡れているレキのパンティを上からなぞり。

 

「あアッ!! あっ!! ンんんッッ!!!」

「僕の運を圧倒するばかりか、襲い掛かってくる化け物を蹴散らす可憐な姿」

 

 ビクンビクンと背中が弓なりに反りかえるほどに感じてくれれば、隙間から指を侵入させて秘所へと指を挿入。

 

「はぁくっ!!! ぅんンんッッ!!!!」

「あれから僕の頭には君のことが焼き付いていた。絶対に君を僕のものにしたい」

 

 ヌレヌレの膣壁を撫で上げるように指を抜き差しして、

 

「ンん゛ん゛ん゛くんんんんッッッッッ!!!!!」

 

 レキはあっさりと潮を噴いて絶頂した。

 なんの知識のなかったキンジとは違う、明確に性を意識させる手技。

 元々、レキは“風”の命じるままにキンジの婚約者に強引になった。そこに彼に対するレキ自身の好意があったのかどうかは、もはや数多の淫欲に押し流されて思い出せない。

 

「さぁ、それじゃあ刻み付けさせてもらおうか。君が僕のものになったという証を」

 

 ただ、キンジが決して行おうとしなかった、その決定的な行為を行おうとする男を前に、その屹立する男根を目にして

 

「ダメ、です…………」

 

 淫欲に囚われていたレキは、微かに理性を取り戻した。

 

「うん?」

「風、の命令、は……」

 

 璃璃色金を守護するウルスは、滅びゆく少数民族だ。

 そのすべてが家族といってもいいほどの人口しかなく、そのすべてが女性。

 つまり外からの血をいれなければ、遠からず滅んでしまうことが決定づけられた民族なのだ。

 そしてレキは、“風”の命令により、優秀な戦士の血を――遠山キンジの精をその身に受けて子を孕み、次代の子をなすことを義務付けられた巫女だった。

 

 だが、そのすべては

 

「君は、僕のものだ」

「ッッッ♡♡♡♡♡♡♡」

 

 愛玩具“レキ”を購入したロリコン青年の男根によってぶち破られ、初めての貫通は極大のアクメをレキにもたらし、これまでで一番の絶頂をもってレキの理性を焼き切ったのであった。

 

 

 ウルスの姫としての役目も、璃璃色金の巫女としての役目も、武偵としての正義も、あるいは芽生えるかもしれなかった恋心も、

 

「あはっ!! あ、あ゛あ゛あああああぁあああ―――――ッッッ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 すべてが暴虐的な快楽によって打ち砕かれたのであった。

 

 

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