※この作品はR-18です。

散花凌乱   作:バルボロッサ

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今回はストライク・ザ・ブラッドから前回も登場した“空隙の魔女”こと南宮那月ちゃんです。前回の姫柊雪菜編ではすでに堕ちちゃってましたが、今回はそこに至る前の物語です。
また今回のお話は、那月ちゃんに「ちゃんづけで呼ぶな!」と怒られて叩かれたい人や、おみ足に踏まれながら冷たい視線を向けられたいドMな方々には申し訳ありませんが、合法ロリの那月ちゃんをイジメたい方向けです。
物語中に、痴漢要素があります。痴漢ダメ! 絶対!!







南宮那月①

 —―まったく、いつになっても痴漢という輩はいなくならんな。――

 

 満員に近い電車の中、南宮那月は撲滅されない痴漢に、海色の瞳を憂鬱に曇らせて吐息を吐いた。

 

 

 最近なにかがおかしかった。

 妙に体が熱っぽいことが多く、気だるさが続いていた。

 風邪にも似た状態。

 それは彼女にとって極めて異常な事態だ。

 この常夏の人工島である絃神島で見た目暑苦しいゴスロリの衣裳で年中過ごしている彼女は、本来の彼女ではない。

 夢の世界――監獄結界を閉じている本体が生み出した幻に過ぎないのだ。

 夢の中で眠る彼女の見ている夢のような存在。

 

 夢は風邪をひかないし体調を崩すことなんてありはしない。

 だからこそ、最近の彼女の状態は明らかにおかしく……そしてそれに関して些細な違和感しか“抱けない”今の状況は極めて異常なのだ。

 なによりもその異常に危機感を抱けない。

 

 現在彼女が警戒にあたっているのは自分の学園の生徒たちの安全についてだ。

 時折彼女の学園の女子学生が電車内で痴漢被害に会うことなどもあり、そういった時には彼女は囮捜査として制服を着て電車に乗ったりもする。

 普段電車通勤などはしない那月が、今日電車に乗ったのはそういった理由からだ。

 

 そこまで考えて、ふと違和感に気付いた。

 

 —―はて? 今回の件はどこからの情報だったか…………――

 

 今回の痴漢騒ぎが、どういった経路で那月のもとに情報としてもたらされたのかが思い出せない。

 学校の職員会議でだったか、アイランドガードの報告であったのか……

 どこから上がってきた陳情で、なぜ自分が率先してそれに対応しようと思ったのかの経緯が思い出せなかった。

 

 —―まあいい。バカ犬に任せても面倒を起こすだけだろうしな――

 

 常ならば思案するであろうその違和感にも、微熱を帯びたようにふわふわとした今の頭では面倒だった。

 それに事実として痴漢に対する苦情が挙げられているし、それを解決するために乗り出す後輩の教師はあまり役に立たない。結果的にはどのみち以前のように那月が出張る羽目になるだろう。

 だから今回も那月自ら囮捜査に乗り出しているのは合理的であり、以前とは異なり朝の通学前ではないのだからわざわざ制服姿に変装する必要はない。

 いつものゴスロリ衣裳に身を包んでいてもいいのは楽だった。

 以前の捜査の時に来ていた女子高生の制服は彼女には無理があるという認識だったのだが、彼女の教え子である男子生徒はむしろ女子中学生の制服の方が似合うとまでほざいていたが……

 

「!」

 

 ピクンと、那月の体が小さく跳ねた。

 電車の揺れに合わせて、那月の臀部に手が当たり、彼女の小さなお尻を鷲掴みにしたのだ。

 お尻を掴むその手は、グニグニと那月の柔肉を揉みしだく。

 ちらりと視線を流しその痴漢を見て那月はあることに気がついた。

 

 ――かかった、が……魔族か――

 

 魔族特区絃神島。

 ここには数多の魔族が人間と共存しており、時には魔族が、時には人間が問題を起こす。

 どうやら今回はこの魔族の男が騒ぎの根元らしい。

 男の手は少し当たったと言い逃れできないレベルで明確な意図のもと那月の臀部に触れており、冤罪や勘違いの類いではないのは明らか。

 この場でこの馬鹿の手を捻り上げてもいいがもうじき次の駅につく。満員の電車の中で周りに迷惑をかけるような騒動にするよりも、駅についた時点で引っ捕らえよう。

 そう考えた那月はしばし男の下劣な手つきに耐えることを選んだ。

 

 —―まったく……んっ!――

 

 ぐにぐにと卑猥な手つきがいやらしく那月に恥辱を与えるように動かされ、那月は思わずヘンな声を漏らしそうになってしまった。

 思いもよらない刺激の強さに那月は眉尻を上げて男を睨んだ。

 男は那月が自分を見ているのに気付いたのかにゃぁと口元を歪めた。

 

 —―こいつ……!――

 

 海色の瞳でキッと睨みつける視線は彼女の幼く見える容姿からはそれは少し険のあるキツメの可愛らしい少女といった風ではあるが、その中身は歴戦の攻魔官であり、欧州ではその卓越した魔術で恐れられている“空隙の魔女”だ。

 この魔族が那月の本性を知っているかは定かではないが、那月はこのバカにどのような罰を与えてやるかを考えて苛立ちを紛らわせた。

 男は目の前の幼い少女が声も上げず、碌な抵抗もせずにただ睨みつけてくることしかしないことに調子づいたのか、より大胆に手を伸ばし始めた。

 

 —―くっ……!――

 

 なだらかな胸元に手を伸ばしてまさぐり、微かなふくらみを撫でた。

 

「抵抗しないのかい? ふふふ。大人しい女の子は嫌いじゃないよ」

「っ……んっ!」

 

 胸元を撫でる手が服越しに那月の乳首を探り当てて集中的に弄り始めた。

 

 —―ちっ! なぜだ。体の感覚の制御が……っ!――

 

 那月の体はなぜか那月の意思に反して感覚の制御が外れかかっており、男の手を鋭敏に感じてしまっていた。

 

「ほぅら、服の中で乳首がぷっくりと育ってきた。気持ちいいんだね」

「っっ!」

 

 男の言う通り那月の乳首は気持ちよさげに膨らんでおり、コリコリと指が乳首にかかり弾かれて声が漏れかける。

 

 那月は動揺していた。

 那月のこの体は那月自身によって創られた幻なのだ。その制御は四肢の動きから全身の感覚に至るまで彼女の制御下にあるはずなのだ。

 卑猥なことをされて意思に反して感じてしまうことなど、まして劣情をもよおした痴漢の手によって感じてしまうなんてあるはずがないのだ。

 

「ふくらみとも言えない微かな柔らかさが本当にいいよ、ほらほら」

「ッ! くんっ!!」

 

 痴漢の両手が那月の胸を包み込み、その掌の中でマッサージするように乳房を刺激した。そして乳首は指の間に挟まれており、掌が蠢くたびに引っ張られて甘いしびれが胸から背中に突き抜けた。

 くにくにと指で扱き、カリッと爪で弾き、擦った。

 那月は必死に声が漏れないように顔を赤くして押し殺そうとしていた。

 その姿は完全に痴漢によって望まぬ快楽を与えられて悶える少女の姿のようであり――――

 

「おっぱいは小さい方が敏感だっていうのは、本当みたいだねえ。—―――南宮那月」

「!!?」

 

 耳元で呼ばれた名前に、蕩けかけていた那月の意識が一気に覚醒した。

 

「貴様っ、ッ!」

「おっと、騒いじゃいけないなぁ、空隙の魔女。こんなところで騒ぎを起こせば、他の人間に迷惑だろう?」

 

 振り向こうとした那月の口元を抑えつけ、耳元で小さな声でしゃべりかけた。

 言葉が耳に届くたびに、それと同時に吐息が耳にかかり、那月はぞくぞくと泡立つような感覚に襲われていた。

 

「心配しなくても俺の目的は君だよ、南宮那月ちゃん。今この周囲の人間には、俺からは手を出したりしないさ」

 

 名前が知られていたことに対する怒りと驚き。

 痴漢程度のことをするような小物の魔族が、“空隙”である自分を標的にいいように扱おうというのだ。

 誇り高い那月のプライドに障らないわけがない。—―――が

 

「ンンッッ!!」

 

 片手で那月の口を抑えたまま、もう片方の手が那月の秘所へと伸びて股の間を擦った。

 ゴスロリの長いスカートの中に潜り込むことはできなかったようではあるが、しかしスカートの上からの刺激にもかかわらず那月は背を反らし、大きな反応を示した。

 

 —―なんだっ!? こんッッ!!?――

 

 自らの反応の大きさに、那月自身が戸惑いと驚きを感じていた。

 

「もう随分と気持ちよくなっているだろ? 君ほどの魔女に手を出そうというんだ。十分に準備してきたに決まってるじゃないか」

「!!?」

 

 ――まさか最近の不調の原因はこい、ンンンッッッ!!!?—――

 

 こしゅこしゅこしゅと、股の割れ目を指が往復するたびに、那月の脚はガクガクと震え、喘ぎの声が上がりそうになる。男に口を押えられていなければ実際に甲高い嬌声が車両の中に響くこととなっていただろう。

 

「君は空間を制御する魔法の一つとして、“夢”を操ることもできるようだけどね。幻を外に出したのは間違いだったね、那月ちゃん」

 

 ――こいつ! 夢を操るタイプの魔族っ!?――

 

 夢魔と呼ばれる種族の魔族がいる。インキュバスやサキュバス、他者の夢に干渉し、精を貪る淫魔の類だ。

 

 本来の“空隙の魔女”南宮那月は、眠り続けることで監獄結界という脱獄不能の監獄を創りだし、その世界の中で彼女もまた眠りについている。

 並の魔術では監獄結界に干渉することはできない

 だが、この男は、那月の夢が創りだした幻を端末に、那月へと干渉しているのだ。

 

「気付いたみたいだね。君が今日、この電車に乗る前から、君はもう罠にはまってたんだよ。いや、この電車に乗るように仕向けたのだって、俺なんだからね。痴漢騒ぎなんて起こしちゃいないよ。本当はどこからも苦情なんて上がってなかったんだから」

「くんんっっ!!」

 

 最近妙に体が火照ったように感じられたこと。

 今回痴漢騒ぎを収めるために那月自身が乗り出したこと。

 それらはこの男の仕組んだことだったのだ。

 それを理解した瞬間、那月は最大級の危機感を抱いた。

 思考や体の感覚を接触もなしに操ったというのなら、今の彼女はどこまで操られているのか。

 感覚神経、運動神経はどこまで操作されているのか?

 自分自身の記憶は? パーソナリティは?

 自分の価値観は、本当に自分のものだったのか?

 

 夢幻である今の彼女が、自分が自分ではないのではという恐怖を抱いた。

 そんな那月の危惧を感じ取ったのか、男は那月の割れ目を擦りながら語り掛けた。

 

「心配しなくても遠隔干渉じゃ、そんなに深くは干渉できないよ。せいぜいエッチな気分を強めたり、多少記憶領域を混乱させる程度さ」

「ひぅっ!」

 

 安心したかい? と問いながら男は那月の耳に甘噛みした。

 電車の車両の中は物音で溢れているため、男のささやき声を聞くために耳に集中していたこともあり、鋭敏になっていた感覚もあって那月はぞくりとして声を出してしまった。

 

 

 実際のところ、那月が施された記憶領域の混乱は微々たるものであった。

 過去に起こったできごとを、もう一度起こったものとして誤認する、そういったレベルでしかなかった。

 そのために以前起こった痴漢騒ぎで、那月自らが出張ったことを繰り返させられてしまったのだ。

 

 男は那月の耳の中に舌を入れ、優しく舐めた。

 

「くふっ、やめ、ろっ。くっ」

 

 那月は耐えることは難しくないが、もどかしさの募るその感触に顔を歪めた。

 耳の中をきれいにした後は首筋だった。

 男は那月の長い黒髪に顔を埋め、すんすんと香りを嗅いだ。

 責めとしては先ほどよりもずっと弱いはずなのに、那月はそれですらぞくぞくと背中が泡立つように感じた。

 

 —―感覚が、さっきよりも鋭敏に……!――

 

「ひあっ!! あ、こら、やっ!」

 

 耳の裏を舐められ、そこからつつり首筋を舌が這っていく。

 明らかに、先ほどよりも体が敏感になってきているのを那月は感じていた。

 

 —―まさか、この夢魔。接触することで私に干渉を強めて、っ!――

 

「ぁ、ふぁっ!!?」

 

 一度首元から舌が離れたかと思えば、今度は首の裏を優しく噛みつかれ、那月の喉が甘い音をだした。

 先ほどこの男は“遠隔干渉”では、と言った。つまり今のように幻体とはいえ、南宮那月の端末に接触している状態で行う干渉は、今までよりも深く、彼女を変えることができるということであった。

 那月もそれに気づきはしたが、すでにそれは手遅れであった。

 唾液に塗れた耳が、音を拾って鼓膜を振るわせるたびにぞくぞくと感じ入り、首筋を舐められる今も、そこから蕩けてしまいそうなほどに気持ちよくなっていた。

 

「ぁ、ふぁ、ぅん、ぁぅ、や、くん」

 

 舐められる首元を竦ませて逃れようとするも、男の舌から逃れることはできずに小さな喘ぎ声が漏れ、那月の脚はガクガクと震えていた。

 

「ひんっ! ひぁ、ぁ」

 

 男は那月のうなじの、背中がのぞくところに強く吸い付き、那月は微かな痛みに声を上げた。

 ちゅむちゅむと那月の肌を吸引し、ちゅっぱりとその唇を離した。涎が銀の糸のように吸われていたところから伸びて落ちた。

 ガクリと、那月の膝が落ち、男はそれを待ち構えていたのか那月の両脇に腕を差し込んで彼女が膝から崩れ落ちるのを防いだ。

 

「おっと」

「はぁ、はぁ、は……ん」

 

 吸い付かれていた那月のうなじにはキスマークが赤く浮き上がっていた。

 那月には当然首の裏にあるそれは見えはしないが、吸い付かれていたそこは今や空気が触れているだけでも気持ち良くなってしまうほどに鋭敏な器官に変えられてしまっており、服の襟が擦れる度にビクッビクッと那月は体を震わせた。

 那月は息を乱して顔を俯かせていた。

 小柄な彼女が男に抱き留められているその姿は、本当に見た目通りの幼女のようでしかなく、しかしその中身は淫熱に茹で上げられたかのようになっていた。

 

 

 

 ・・・・・・・・

 

 

 

 男に体を寄りかからせざるをえないほどに脱力した那月は、服の上から散々に弄ばれ続けた。

 首もとにつけられたキスマークからまるで媚薬が染み込んでくるかのように、那月の体は火照り、ますますと敏感になってしまい、小さく気をやってしまったのは一度や二度ではなかった。

 

 列車が最終駅につくと男は那月を誘導して人気のない港湾へと連れてきた。

 波風が那月の体を撫で、火照りを冷ましたかといえば、むしろ愛撫を受けでもしたかのように感じてしまっていた。

 

「こんなところに連れてきて、どういうつもりだ、インキュバス」

 

 それでも南宮那月は“空隙の魔女”として、毅然とした態度で魔族の男に詰問した。

 たとえその体が、肌と服とが擦れることで絶え間なく快楽の押し寄せるものとなり、長いスカートに隠された中では下着がぐっしょりと濡れて愛液が内股を伝うような状態であっても。

 

「ふふふ。いえね。たかだか夢魔の魔族1匹程度に、誇り高い“空隙の魔女”ともあろうお方が、電車の中であのような不様で可愛らしい姿しかさらせないなどとあっては、おかわいそうかと思いましてね」

 

 ニヤニヤと笑う男の言葉に、那月は先ほどの、そして今現在の自身の醜態を思い、顔を赤くし、それを隠すために険しい顔を見せた。

 

 

「これはもう、徹底的に堕ちていただいて、“空隙の魔女”なんて肩書も忘れて、ただの雌奴隷になっていただいた方が那月ちゃんにはお似合いかと思いましてねぇ」

 

「なるほど。死ぬ覚悟はできているというわけか」

 

 男の足元には彼の手に持つであるらしい黒い鞄が1つ。そこに何が入っているのかは知らないが、空間制御の魔法を得意とする“空隙の魔女”ならば容易く奪い取れるのだからさして脅威にはなるまい。

 男がなんらかの手を打つ前に鎖で拘束してしまおうと、すっと右手を掲げ、“戒めの鎖(レージング)”を発動させた那月は

 

「なにっ!?」

 

 鎖が自らの手足にかかり、四肢を拘束してしまっていた。驚愕して眼を見開いた那月。

 

「おやおやお忘れですか? アナタの夢はもう私の支配領域でもあるのですよ?」

「くっ!」

 

 夢に干渉するインキュバスの力。その力は既に直接的な接触を経て、那月の力にまで干渉し、その制御を奪っていた。

 本来は那月の意のままに動くはずの鎖が、男の制御によって動き、拘束している那月を空中で大の字に縫い止めた。

 

「とはいえ、事前準備を含めても先ほどまでの接触で掌握率は精々3割といったところですがね」

 

 3割と言えば半分にも満たず優先権は那月にあるように思えるが、実はそうではない。

 那月はその力で監獄結界という大規模な結界を維持し、そこに投獄している凶悪、強力な囚人たちを無力化し続けなければならないのだ。

 そこに割いているリソースの分を考えれば、那月自身の体の優先権は五分か、あるいは男の方がわずかに優勢であるかもしれなかった。

 

 もっとも危険なのは、男が那月を手中に収め、監獄結界の囚人たちを解放するということが狙いであった場合だ。

 

「流石に監獄結界のアクセス権にまでは手が出ません。もっとも、興味もありませんが」

 

 男は、那月の危惧をあっさりと否定した。

 男の力はあくまでも那月の夢を介して彼女の体や魔術の制御を奪っているにすぎない。

 夢を介さなければ、さして大きな戦闘能力のない彼には、強大な囚人たちを解放する意思などさらさらなかった。

 

「っ! なにが目的だ!」

 

 訝る那月に、男は子供のような、しかしひどく歪な笑みを満面に浮かべた。

 

「言ったでしょう? “空隙の魔女”の誇りを粉々にして、南宮那月を雌奴隷に、私の性奴隷に堕とすことですよ」

 

 四肢を拘束する鎖が牽かれ手足が伸ばされて軽い傷みが走る。

 悠々と近づいて来る男に那月は顔を険しくし、

 

「っん!!」

 

 唐突にその唇が奪われた。

 驚き目を見開く那月。

 間近で那月と男の視線がぶつかる。

 始め驚きに彩られていた那月の瞳は、ついで恥辱を受けたことを理解してか殺意の色を帯びた。

 おそらく那月は男の唇に噛みつくつもりだったのだろう。

 四肢を戒めの鎖で拘束されているとはいえ、その程度の自由は“まだ”残されていた。

 

 だが

 

「!? ンンッッ!!?」

 

 那月の瞳は再び驚きに彩られることとなった。

 合わせられた唇から那月の体が活性化させられ、一気に高みへと昇らさせられたのだ。

 

「んぷはっ、な、なぜ、んむっ!!」

「瑞々しい唇げぇっと。抵抗はできませんよぉー。言ったでしょう。アナタほどの魔女と対峙するんですから、当然嵌め切った状態で顔を見せるに決まってるじゃないですかぁ」

 

 口と口とが合わさった瞬間、那月の体は抵抗することを拒否してしまい、心と視線だけは抵抗の意思を示しているが、それはまったく男の障害にならず、されるがままに口内を蹂躙された。

 柔らかな唇は食むように啄まれ、舌が那月の歯並びを確かめるようにレロレロと舐め、さらに奥へと入ることも許し、内側から歯茎をも舐められた。

 

 —―ま、ずい。干渉が、強まって、体が、乗っ取られてい、く――

 

「那月ちゃんのお口の中制圧完了でーす」

 

 絡み合う舌はすでにどちらの口内でとも言えずに睦み合っており、那月の喉にはインキュバスの唾液が流し込まれていた。

 

「んく、んん、んん゛ん゛――――ッッ!!!」

 

 体の中にまで干渉を入れこまれるのだけは阻止しようともがく那月。

 外的な接触だけで相当のハックをかけられているのだ。内側にまでインキュバスの媚毒のような唾液を入れられれば、完全に抗う術を失ってしまう。

 

「頑張って抵抗しますねぇ。まあその分、こうしてキスする時間が長くなるんでいいんですけどねぇ」

 

 だが男は那月のそんな無駄な抵抗をこそ愉しんでいるかのように、にやぁと嬉しそうに笑うと、那月にはどうにもならない深々としたキスを続けた。

 5分、10分……30分……。

 びくんっ、びくんっ、と微痙攣を繰り返す那月。

 唾液が流し込まれていくごとに、ただでさえ昂ぶっていた体が一段と変貌していってしまうのだが分かってしまった。

 

 —―ぅ、ぁ。……からだが、も、ぅ、いうこと、きかな……――

 

 完全に那月の体が染め上げきると、今度は那月の口内に溢れた唾液が吸い取られ始めた。

 じゅるじゅると吸い取られていく那月の唾液とともに、那月の体から魔力や理性といったものまでもが吸い取られていくかのようであった。

 

「ぃゃ、ぁ」

「端末掌握かんりょー。それじゃあこれから本体の方もエッチくなってもらうからねぇ」

 

 幻体である那月のこの体は、言ってみれば本体の端末のようなものだ。

 眠りについている本体の代わりに外界と接触し、本体に情報を送る存在。

 インキュバスの干渉はその端末を完全掌握し、ついには端末が本体に送りつける情報を介して本体にまでアクセスしていた。

 

 ――それ、だけ、は……だ、め――

 

「ん? 本体から分離した一部がバックアップ領域に逃げ込んだ? なるほど完全に掌握されきる前に監獄結界の分のリソースだけでも守るつもりか」

 

 本体までもが掌握される。

 それを感じた那月は、自らの体の所有権を放棄する代わりに、監獄結界を保持するための機能を、本来は人格をバックアップさせるための領域に退避し、ロックをかけた。

 その封印は強固で、那月本人にもあるいは解けないかもしれない。

 

「んん♡ んぅん♡♡ んあ、んちゅ、んん♡♡♡」

 

 だがそちらに集中を割いた分、那月の本体は一気にインキュバスの侵食を受けてしまった。

 抵抗していた分、一気に弾けた快楽の泡が、ひときわ大きな絶頂となって那月の思考を白熱に焼いた。

 1時間が経つ頃には本体を含めて身体の感覚機能は完全に掌握され、男に対する嫌悪感は多幸感を伴った快楽へと変換されていた。

 

「那ぁ月ちゃん」

 

 その呼び方では呼んでほしくなかった。

 何度注意して頭を叩いてもやめないどこぞの真祖を思い起こさせるから。

 

「体の方の支配権はもう完全に俺の方に移して、エロエロロリボディにしてあげたんだけど、気分はどうかな?」

「はへぁ、ぇぁ」

 

 男のねっとりとしたキス責めがようやく終わり口を解放された那月。

 だが口を開こうとしてもへにゃへにゃしてしまい、那月には睨みつけることしかできなかった。

 もっとも那月にとっての睨みつける眼差しは、媚びるような色を帯びていた。

 

「うんうん。“空隙の魔女”だなんて名乗っていたのが恥ずかしくなるくらいのアへ顔だねぇ」

 

 ピンと乳首を弾いた。

 

「ヒグゥッ!!!!」

 

 弾かれた乳首から全身に快楽がはじけるように駆け巡り、背中を反り返らせて絶頂した。

 

「気持ちいいがいっぱいでしょ、那月ちゃん?」

 

 成長の止まった那月の幼い体は、彼女が創りだしたものとはまるで別物になっていた。男の言う通り、微風にすら反応してアへ顔を晒してしまうようなエロエロロリボディ。

 

「このまま奴隷になることを認めてくれたら、もっと気持ちいいをあげるよ」

「ふじゃけ、りゅな。きしゃま、にゃんか、に…………」

 

 だがそれでも男の言葉には頷けなかった。

 顔は締まりなく、口からは涎が垂れ、視線も定まらないが、それでも意思だけはまだ折れていなかった。

 それが那月に更なる淫獄に突き落とすとしても。

 那月にはまだ彼女の意思があった。屈しないという意思が。

 

「ふーん。まだそういうこと言えるんだ」

 

 男はまだ折れない意思をもっている那月を嬉しそうに眺めた。

 

 すでに南宮那月の体の全てを掌握している男にとって、那月の意思を捻じ曲げ、人格を改変し、雌奴隷に相応しい人形に変えることはたやすいことであった。

 だが、彼はそれをしない。

 

 誇り高く傲岸不遜で永遠に変わらぬ少女の姿の魔女――“空隙の魔女”南宮那月。

 そんな彼女だからこそ、“折る”価値があるのだ。

 自身の手で、彼女の誇りを汚し尽くし、傲岸不遜な性格を調教してへし折り、彼女自らの意思で奴隷としての忠節を誓わせる。

 それが男のしたいことだ。

 

 

 男は地面に置いてあった鞄の下に戻り、鞄を開いた。

 そこにあったのは那月を調教するための道具。

 まず男は鞄の中から鋏を取り出し、再び那月へと歩み寄り、持ってきた鋏でチョキチョキと服を改造し始めた。

 胸元を覆う部分を丸く切り抜き、ビンビンに尖った乳首を露出させ、フリルのついた長めのスカートに鋏を入れて縦に大きな切れこみを入れて陰部を露わにさせた。

 

「乳首はビンビン。しかも……おやおや、こんなに濡れてたのかい、那月ちゃん。おもらしでもしたのかい?」

「やめ、りょぉ。みりゅなぁ」

 

 今までスカートに隠されていた下着はぐっちょりと濡れ、内股には愛液が垂れてびしょびしょになっていた。

 男は次に鞄から少し太めの針とライターを取りだし、ライターで針先を炙った。

 

「さぁて那月ちゃん。まだ俺の奴隷になってくれる気はないんだよね」

「あたゃり、みゃえだゃ……」

 

 那月の変わらぬ答えに、男は嬉しそうに笑い、片手で剥き出しの那月の胸に手を伸ばした。

 

「ひぁっ!! めっ♡♡♡」

 

 微かなふくらみは楽々と男の片手に収まり、その先端の乳首をこねた。

 そしてきゅむと摘まんだまま、男は口を乳首へと近づけた。

 那月は絶望的なその距離感を目の当たりにし、

 

「ッッッ♡♡♡♡」

 

 乳首に吸い付かれた。

 

「アァアアア――――♡♡♡」

 

 ちゅぱちゅぱと乳首が吸引されて嬌声があがり、固くなったものを甘噛みされて快楽が弾けた。

 那月は必死に手足を動かして悶えようとするが、那月自身の能力により固く拘束された戒めの鎖はぴくりとも動かすことができず、刺激をわずかも逃すことができずにもろに受け続けた。

 

「ハァッッ♡♡♡」

 

 ちゅぽん、と余韻を残すように口を乳首から離すと、那月は一際大きく背を反り返らせた。

 

「それじゃあちょこっとチクッとするけど、まあ今の那月ちゃんじゃあ痛くはないよ」

 

 固く屹立した乳首を指で挟み、先ほど炙った針を乳首へと当て、

 

「ヒグゥッッ♡♡♡」

 

 そのまま刺した。

 男の言葉通り、たしかに那月が感じた痛みほとんどなかった。

 針で刺し貫かれる痛みはわずかで、すぐにそれは膨大な快楽刺激に変換されて胸の先から体中を暴れるように駆け巡っていた。

 その快楽は那月の秘所からぴしゅぴしゅと潮吹きさせ、足元に水滴を撒き散らした。

 

「次は反対のお胸だからねぇ」

「ま……め……」

 

 待て、やめろ、そう言おうとした那月の言葉は言葉にならず、男は同じ作業をもう一度繰り返した。

 そして那月もまた同じように反応を示した。

 

「ッッ♡♡♡ ほぉみゃぇ、にゃに、を……」

 

 針が抜かれ、それですら絶頂した那月は、ぐったりと鎖に体を預けた。呂律の回っていない詰問を男にぶつけるが、男は那月の問いには答えず、鞄から布とボトルを取り出し、布にボトルの中身を染み込ませた。

 

「ああ、心配しなくてもいいよ。これはただの消毒用アルコール。那月ちゃんの乳首に穴をあけたから消毒するためのものさ」

 

 まあ、ちょっぴり沁みてイッちゃうかもしれないけどね、と続けながら、男はアルコールを染み込ませた布を乳首にあてた。

 

「にぁああ゛ッッ!!!」

 

 滲み出る血を拭い揉み込まれる那月の乳首。あけられた小さな穴からアルコールが入り込み、すぐに気化して刺激となった。

 

「はいはいそれじゃあ、今度はこれをつけるからね」

「!!!???」

 

 次いで男がとりだしたのはピアス。

 そして取り付けるための穴をあけたのは耳などではなく

 

「やめ、ッッッ!!!!!!」

 

 男は先ほど穴をあけた乳首へとピアスを取り付けた。右乳首、左乳首。

 男の手が那月の胸から離れると、そこにはまるで性奴隷の証とでもいうかのように鈍く光るピアスがぶら下がっていた。

 

 —―こん、な……――

 

 自らの鎖で空中に大の字に磔られ、股からは愛液をだらだらに垂らし、胸には貫通ピアスをぶら下げている。

 那月は自身のあまりにも情けない姿を思って消えたくなるような思いとなった。

 

 だが今この幻を消すわけにはいかない。

 いや、もう二度と消せないかもしれないのだ。 

 監獄結界を維持するためのリソースを汚染させないために、自身のバックアップ人格領域に詰め込んだのだ。そのプロパティは膨大で、本来そこに格納しておくはずの那月自身のバックアップ仮想人格は消去せざるを得なかった。

 この体を消して、すでに男に掌握されている本体に意識を戻してしまえば、今度こそ監獄結界の維持機能までもが奪われてしまいかねない。

 

 だが那月の絶望はまだ終わりではなかった。

 

「次はこっち」

「!!!??」

 

 男が指し示したのは愛液でびしょびしょになった那月の股。すでにビンビンになっているクリトリスだ。

 

「まずは皮をかむったままだから、クリ豆ちゃんのお顔とこんにちはしないとねぇ」

「もぅ、ひやぁ」

 

 那月は嫌々と姿に似つかわしい子供のように首をふった。

 男の行為にだんだんと那月の心は折られつつあった。だが男は躊躇も容赦もなく、那月のクリトリスに手を伸ばし、きゅむとそれを抓み、包皮を剥いた。

 那月の甲高い声が上がった。

 

「うん、剥きやすくて敏感ないいクリちゃんだね、那月ちゃん」

「ひゃっ! や、あんっ!! ん、あぁあっ!!」

「クリピアスしちゃったらもう皮むきオナニーなんてできないから今の内に存分に味わっておかなきゃいけないね」

「やっ! あっ! はぁっ!! くんっ!! ンッッ!!!」

 

 充血したピンクの肉芽が外気に晒され、かと思えばすぐにまた包皮をかぶせられ、また剥かれる。

 

「ああッッ!! んあっ!!! ゃ、ああっ!!!」

 

 敏感になった那月の体はクリトリスを抓まれるだけでも怖いほどに快感が強くなってしまっているのだ。そんな状態での皮むき責めに那月は無意識に腰をへこへこと前後させて逃れようとし、けれども男の手は決して那月のクリトリスを逃さずに動作を繰り返した。

 

 

 

 強すぎる刺激に、ついには那月の耐える心は折れ、涙を流して懇願するまでになっていた。

 そして、

 

「――はい、装、着。これで立派な雌奴隷だね、那月ちゃん」

「………………」

 

 ついに那月のクリトリスにまでピアスが取り付けられた。 

 散々に皮を剥かれ、吐息を吹きかけるだけで絶頂してしまうほどに擦切られつつあった那月のクリトリスは、そこに針を刺された時にも膨大な快楽を感じ取り、キャパシティを超えるその快楽に気絶し、すぐに快楽でたたき起こされるという不様さまで披露させられた。

 

 那月の瞳にもはや力はなく、体を細かく微痙攣させながら地面に顔を俯かせていた。

 従順、というよりも無気力化したその姿に、男は冷たい視線を向けた。

 

「ダメだな、那月ちゃん。せっかく雌奴隷になったのに、そんなお人形みたいになっちゃ」

 

 もはやどうにでもしてくれ。

 諦めの境地に達しつつあった那月は、

 

「そんなんじゃあ、しっかりと躾をしなきゃいけないじゃないか、ねえ、那月ちゃん」

 

 男の言葉に、ゾワリとした悪寒を感じた。

 顔を上げて男の顔を見た。

 

 嗤っていた。

 

 那月を奴隷に堕としたから終わりなのではない。

 まだ君は壊れていないだろう? そう尋ねているような邪悪な笑顔だった。

 

 男は鞄からまた別の物を取り出した。

 それほど長くはない細い棒状のものが伸びたキャップのようななにか。

 那月には用途の分からないそれを、男は那月の股間へと近づけた。パクパクと開閉を繰り返す膣口の直上。本来は“出す”ためだけの小さな穴へ。

 

「みゃ、みゃて、しょれは……しょれをどうしゅるひら」

「言葉遣いができていないな、那月ちゃん。でも教えて上げよう、これはね、尿道プラグさ」

「!? ま、いぃいいイイい゛い゛ッッ!!!!!」

 

 にちゅり、と那月の尿道口が押し広げられ、その中に決して太くはないが、それでも尿道を通るにはあまりにも異物すぎるプラグが突き刺さった。

 流石の那月も、おぞましい感覚に襲われ――けれどもそれが痛みなのか快楽なのかは分からないほどに混乱していた。

 そしてそれだけではお仕置きは終わらなかった。

 

「ぃぁ、あ゛……あ? あ、アアアア゛ア゛ア゛―――――!!!!!!!」

 

 パチリと、胸元の、クリトリスの、ピアスが電気を放出したように感じた次の瞬間、ピアスからそれぞれ取付いている突起に、そしてその中を走る神経に、激烈な電流が流れ込み、那月の小さな体の中で爆ぜた。

 

「—―――――ッッッ♡♡♡♡♡♡♡」

 

 全身が張り詰め、絶え間なく痙攣を繰り返し、那月はみっともなく舌を突き出し、涎を振りまき、涙を流して喘いだ。

 これまでよりも遥に強い快楽の刺激。

 けれども、その果てがない。

 

「ちゃぁんと奴隷としての振る舞いが身につくまで、那月ちゃんの一番気持ちいいことはお預けだね。ゆっくり覚えればいいよ、那月ちゃん。俺は気が長いからね」

「—――――ッッッ!?!?!? ぁぇッッッッ♡♡♡♡」

 

 絶頂の手前で止められているのではない。

 まるで絶頂というゴールが遠ざけられていくように、果てのない快楽が積み上げられていく。

 

「あんぇ!!? イッて、ひ、イッへるのに♡♡♡」

 

 体と力の所有権を完全に掌握された那月には、もはや絶頂して果てることですら、男の意思にゆだねさせられていた。

 

「気持ちよさそうだねぇ、那月ちゃん」

「ひぃく♡♡♡ ひっちゃう♡♡♡ ひっちゃうのに!!!!」

「それじゃあそのままおしっこの穴でも感じるようにしよっか? おもらししないように気を付けるんだよ、那月ちゃん?」

「!!!????」

 

 男の言葉とともに、那月はなにかが自分の体に作用したのを感じた。

 それは快楽とは別の不快。

 膀胱の壁が押し広げられ、収縮を促す身体的な反応――――尿意だ。

 

「なんれぇ!!! おしっこがっ!!!? もぇぅ!!!!? もぇちゃう!!!?」

 

 体を内側から焼く快楽の電流に加え、今や那月は急激にもよおしてきた尿意とも戦うことを強いられた。

 

 いや、戦ってはいない。

 

「んぃいいいいいいいッッ!!! ぇないッ!!! おしっこがぁ!!!??」

 

 弄ばれているだけであった。

 絶頂は男の操作によって管理され、排泄は尿道口に差し込まれた尿道プラグによって管理されている。

 那月はただただ理性と思考とを焼き尽くす欲求の嵐に翻弄され、呑み込まれていくだけだった。

 

「ちゃぁんと、ここの感触覚えるんだよ那月ちゃん」

「ンぃアアアアッ!!! 弄らないぇっ!!!! もぇひゃぅっ!!! 抜かれぅともえちゃぅからぁっ!!!!」

 

 圧迫している尿道プラグがズズッ、ズズッと引き抜かれ、膀胱の壁に押されて尿が尿道へと流れ込んでいく。

 だが決定的なところで男は逆にプラグを押しとどめ、決して溢れ出ないように焦らした。

 溜りに溜まった快楽のせいでもはや尿を我慢することはできず、漏れて当たり前の状態。けれどもおしっこが排泄される、その直前の感覚が那月の股間でとどまり続ける。

 

「でるっ!! でちゃうッッッ!!!!」

「出したいのかな、那月ちゃん?」

 

 尿道プラグをぐりぐりと弄りながら、泣き叫ぶ那月ににこやかに質問。

 快楽と排泄という二つ欲求の寸止めに、那月は考える余裕も、恥もなにもなく、ただただガクガクと首を縦に振った。

 

「それじゃあ、ちゃんと言うことを言わないとね。奴隷になってくれるかな、那月ちゃん?」

 

 再びの問いかけ。

 誇り高い“空隙の魔女”へと戻れるか否かの最後の分岐点。

 それに対して那月は、

 

「なるっ!!! なぅからぁっ!!!!!」

 

 一も二もなく絶叫してそれを肯定した。

 心がへし折れ、プライドが跡形もなく砕けていた。

 

 男は那月の意思を改変などしてはいない。

 ただただ、那月に快楽を植え付け、外部刺激から彼女の意思を変えさせたのだ。

 

「それじゃあダメだねぇ。おしっこしたいのも、おもらししながら絶頂したいのも那月ちゃんなんだから、自分で考えて奴隷の宣言をしないと。 “元”魔女なんだからそういうこった宣言は得意でしょ、那月ちゃん?」

 

 だからこれはダメ押し。

 もはや堕ちた魔女にはそれに抗う力は残されておらず、快楽の頂と放尿の断崖の直前でお預けを言い渡された魔女は絶望に顔を染めた。

 

 もう無理だった。

 与えられ続け、出口の見えない快楽。

 制御を奪われた魔術と幻体。

 

 その瞬間、魔女はどこかが壊れたのかもしれない。

 

 制御の奪われた幻は、もはや消すこともできず、バックアップ領域にあった人格を破棄した今、もはや復元することもできない。

 つまりは二度とは元の南宮那月には戻れない。

 

 それでも

 

 —―所詮これは幻なんだから――

 

 言い訳のように、それが脳裏をよぎった。

 すでに幻と現との間に境目はなく、同じものになっていたとしても、それは彼女にとって言い訳になりえた。なりえてしまった。

 

 だから

 

「っ、ぁ。ッッ!! お、おしっこ穴を弄られて堕ちちゃった変態奴隷のなつきゅんです!!!! 今からおもらしするのでごらんくだひゃい、ご主人しゃま!!!!」

 

 絶叫する那月の宣言に、男はにまりと笑った。 

 

「はいよくできましたぁ」

 

 むびゅ、と引き抜かれる尿道プラグ。

 次の瞬間――――

 

 ――――全てが決壊した。

 

「ひぁあっ♡♡♡ でてぅぅっ♡♡♡ でて、とまりゃにゃいぃぃっ♡♡♡」

 

 那月は黄金の小水を撒き散らし、溜め込まれた快楽を解放するかのように絶頂に達し、絶頂による気絶と絶頂による覚醒とを繰り返した。

 そこには“空隙の魔女”と呼ばれ恐れられた、幼くも凛々しい顔立ちの魔女はおらず、快楽に呑まれ、止められないおしっこを垂れ流し、淫靡なアヘ顔を晒す幼い容姿の女がいるだけだった。

 

 

 

 数分間に渡る放尿と絶頂、そしてその後の長い絶頂が終わった後、那月は息も絶え絶えに舌を突き出し涎を流して呼吸していた。

 

「よーしそれじゃあ、奴隷になったなつきゅんにお勉強の時間だ」

「?」

 

 そんな那月に男はゆっくりと話しかけた。

 

「おいたをしたら罰を受ける。罰を受けたらお許しを受ける。当然のことだよね?」

 

 なんのことだか、那月は分からなかった。

 だけど、茫洋とした頭の中で、「そういえば自分はなにか悪いことをしたんだ」と、男の言葉を受け入れた。

 

 御主人様の奴隷なのに悪いこと、おいたをしたんだから罰を受けるのは当然だ。

 そしてお許しを受けないとだめだ。

 

「変態奴隷の那月ちゃんはお許しを受けたかったらお口で受けるんだ」

 

 インキュバスの男は、自分の着衣を脱ぎ、そして淫夢としての種族に恥じない巨物を那月の前に掲げた。

 那月を拘束する“戒めの鎖”は、いつの間にか外れてなくなっていた。

 絶頂をしていた時か、それともそれよりも前だったのか。

 それは分からないし、今の那月にとってどうでもよかった。

 

 ただ、大事なのはインキュバスの立派なものがあるのは、丁度那月の顔の高さだということだ。

 そこに口づけをし、頬張り、お許しを乞うのにちょうどいい高さ。

 

「分かるね那月ちゃん?」

 

 ご主人様の言葉に、奴隷は「きゅん♡」と鳴いた。

 

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