誰か彼女のヒロインもの書いてくれないかなぁと希望を込めて。
なお今回の話には、原作28巻までの内容が含まれており、アニメ視聴のみの方にとっては大いにネタバレとなってしまいますのでお気をつけください。
全日本ジュニア選手権――――決勝。
ジュニア最後の有終の美を飾るはずのその戦いにおいて、ジュニア界の女王と称された清水亜希は敗北した。
破ったのは小学生のころから幾度も戦い、そして常に勝ってきた相手だった。
彼女に負けたことなんてなかった――――テニスにおいては。
そして生活のほぼ全てを母とともにテニスに費やしている亜希にとってはそれが全てだった。
初めてそれを意識したのは、あの時……選手権の最中において彼女の試合を見た時だった。正確には彼女の試合を応援している男の子の姿を見た時。
STCの男子ジュニア選手――――丸尾君。
初めて彼と会った時のことは鮮明に思い出せる。
全日本室内選手権の時だった。
母と連絡をとるために携帯をかけようとして、人にぶつかられて携帯が壊れてしまった時だった。
実は壊れてはいなかったらしいが、画面が真っ黒になりどうすればいいのかもわからなくて困っていた時に手を差し伸べてくれた。
母に決められていたことだけをやっていた自分の世界で、初めてそれ以外を意識した瞬間だったのかもしれない。
その後、STCでの合同練習で再会して、その時には色々と自分も迷うこともあって…………選手権の一回戦が終わった後、三度目に会ったときは運命だと思った。
一回戦の結果は彼と全く同じゲーム数。
それを微笑みながら言ってくれた彼の笑顔にどきりと胸が躍ったのを覚えている。
そしてその直後に感じた胸の痛みも。
—―知ってる? アレ、鷹崎さんの彼氏らしいよ――
彼と彼女は、同じクラブの人で、そこは自分が生活している場所からはあまりに遠い関東で、自分にできることなんて何もなかった。
それでも何もできなかった自分が悔しくて、思いはぐちゃぐちゃになって…………胸の痛みが失恋だということを受け入れた。
コートの上でなら全部負けていないと思っていた彼女は、自分にはないものをたくさん持っていて――――けれども私も彼女にないものをたくさんもっていることを認めた。
決勝の前に母から告げられた話。
大会終了後、母がコーチから外れ、よりベストなコーチを探すということ。
それは亜希が心のどこかで望んでいて、けれども決して心の表には出てこなかった思い。
母の言う通り、全てを母にゆだねるような自分ではなく、自分で考え、自分で決めていくこと。
一人のテニスプレーヤーとして自立していくことだ。
大会の決勝では初めて鷹崎奈津に敗北することとなったが、それでも亜希はテニスの楽しさを思い出せたし、彼女が自分には持っていないものをたくさん持っている一方で、自分にも彼女にはないものをたくさん持っていることを確認できた。
結局大会の後、母は試合前に告げた通り、私のコーチから外れた。
やはり今までのようには続けていけないから。
自分で考えて行動していくためには、いつまでも親の下ではいられないと、どちらもが分かっていたから。
そして亜希は新たなコーチとともに励んでいくこととなった。
もちろん母と完全に別れたわけではなく、試合の時にも練習の時にも見守ってくれている。
ただ以前のべったりとひっつくような接し方に比べると確実に接する機会は減り、その目の届かない場所は増えていた。
肩の柔軟として右手で左肘をつかみ、ぐいと引き寄せるとTシャツの短い袖から汗の残る脇が覗いた。
スラリとした脇を構成する脇の筋肉から左脇腹がぐい~と伸ばされる。
背後にいた男が柔軟の補助をするためか、脇の付け根に手を這わせ
「ん!?」
ピクリと、亜希の背筋が伸びた。
いつものハードな練習が終わり、亜希はクールダウン後のストレッチを行っていた。
それはいつもの習慣ともいえるような行いであり、当然のことであった。だが違うのはその補助には母ではなく、新しくついた男のコーチがついていたこと。
正直なところ、プレーに関わることの指導ならばともかく、こういったストレッチなどは母に手を貸してもらいたかった。
亜希自身、初恋と失恋を経験したとはいえ、男性との触れあったような経験はほとんどなかったから。
ストレッチの補助のために刺し延ばされたコーチの手がほんのりと膨らみを持つ乳房に微かに届いている。だが柔軟の補助をしているのだから接触くらいはあるだろう。
「あ、あの」
胸に指が触れている。
それを指摘しようとして、しかしそんなことを率直に言うのは戸惑われた。
母がトレーナー兼コーチをしていたころは気にならなかったそれが今は妙に気になったが、自分の体のためにやってくれているのだ。
「亜希ちゃん、肋間のストレッチをするから体を右に倒してね」
「あ、は、はい……」
亜希は口をつぐんだ。体を右に倒すと脇腹の伸びるのが少し痛いほどに感じられた。ただそれは嫌な痛みではなく、疲れて少し引き攣れた筋が伸びる心地よさが感じられる。
――わざとじゃ、ないんだから……――
男は脇腹の伸びを強めるために脇腹に当てている手に柔らかく力を込めて下に引き寄せた。痛みが不快になるほどではないが少し強くなった。同時に下乳に当たっていた指が少し沈み込んだ。
――っ! …………――
短い袖口から覗く脇はすらりとなだらかな梁丘となり、隠すもののない肌を晒している。練習でじっとりと汗ばんだ脇からはほんのりと彼女の汗の臭いも湧き立っているように思えて、そしてコーチの顔がそこに接近しているように思えて亜希は顔を真っ赤にした。
それを指摘したくて――しかしなんと言えばいいのか分からなかった。
だいたいどういえば言いというのだろう。
顔が近いです?
匂いをかがないでください?
どちらにしても自意識過剰なように思えたし、なにより自分のためにストレッチをしてくれているコーチに対して失礼でしかなくて、結局亜希はただコーチのストレッチにされるがままになっていた。
幸いにもそれはすぐに終わった。
ゆっくりと筋を伸ばすといっても所詮はストレッチだ。そんなに長くは続かないし、続けば流石に口に出したであろう。
右に倒した次は左に倒して同じ動きをし、そして次は腰を捻り、腰骨から背筋にかけてを捻転するストレッチに移った。
あっさりと次に移ったことにより口を挟む機会を失ったことに亜希は気付かなかった。
両腕を後ろで組み、胸を張り、後ろ手を上に持ち上げていく。肩のストレッチのために顔を下に下げないように意識しているために、亜希の胸は逸らされてささやかながら張りのある胸が突き出された。
シャツの下、そしてスポーツブラの中に隠された胸が張りだされて強調される。
後方からはシャツの隙間から鎖骨が、そしてその奥にチラリと胸のふくらみが覗いていた。
前を向く亜希は、後ろから覗き込むコーチの目の色には、気付かなかった…………
じっくりと、ゆっくりと座った状態での上半身と体幹のストレッチが終わると今度は寝た状態での下半身のストレッチとなる。
「それじゃあ膝を曲げて」
うつぶせになった亜希の膝を曲げ、踵をお尻につけた。
上半身のストレッチはあれから何度かドキリとするところにコーチの手が触れることもあったが、それはストレッチならば当たり前に触れるところで、その手つきも撫でまわすといったものではなかったため、亜希は気にしないように努めてコーチの指示に従った。
実際このコーチの手つきは手馴れていて、亜希の体のことをよく分かってくれていた母と比べても遜色がないほどに亜希の体を分かっているかのようだった。
膝を曲げたことによって太ももの前側の筋が伸ばされていく。
そしてそのまま下腿を横に倒して脚の付け根周りの筋も伸ばす。
その際、筋に引っ張られて腰が浮きあがってきそうになり、しかしコーチはそれを分かっているのだろう、すっと手を添えて腰が浮きあがるのを止めた。
ただ、うつ伏せになっている亜希の腰を押させるのだから当然その手は亜希のお尻のふくらみに置かれることになり、亜希はぴくりと緊張した。
「ん? 亜希ちゃん、今力が入ったね。痛かったかい?」
「あ、いいえ。大、丈夫……です」
わずかに緊張した筋肉の収縮を察して、コーチが気遣う言葉をかけた。
うつ伏せの亜希にはその言葉をかけた時のコーチの顔は見えておらず、ただ気遣わせてしまったといことに不要な遠慮を感じてしまった。
緊張して思わず入ってしまった力を意識して抜き、ストレッチを続けてもらう。
脚を入れ替えて反対のストレッチを行う際も、今度はお尻に触れられることを覚悟していたために力が入らないように亜希は意識して努めた。
亜希はやはり気づかなかった。
後ろで亜希のお尻の柔肉に手を置く男の顔が、にやにやと愉悦に満ちた笑みを浮かべていることに。そして意識しないように努めていても、お尻に手を当てられて緊張していることが、男には手からの感触で分かってしまっていることに。
「次はふくらはぎの方から揉み解していくよ」
「は、はい……」
ふくらはぎから太腿のマッサージ。より大胆に伸ばされてくる手が亜希の剥き出しの太腿に触れた瞬間、亜希はおもわずぴくんと反応した。
「んっ…………」
「うん。少し張ってるかな? まだコーチが変わったところだから亜希ちゃんの負担も大きいよね~。リラックスしてていいからね?」
「あ、はい…………」
優しげな声掛け。男の手は、やはり慣れているのだろう。とりわけ不快な刺激ではなく、揉みほぐされていくごとに疲労物質が押し流されていく心地よさがあった。
手つきだけであれば、やはり母よりも数段上なのかもしれない。
ややの戸惑いはあるが、心地よくなっていくことに緊張がほどけていき…………
「っ。ん……っ」
そして手はだんだんと脚の付け根にまで及ぶにいたり、亜希は再びぴくりと身を強張らせた。
付け根の外側から内側へ。ハムストリングスの付け根へと段々と迫っていくごとに、コーチの指は亜希の羞恥を煽るかのような場所に及んでいく。
「次は付け根の内側をやるから脚を開いてね」
そう言うとコーチは、亜希の返答を待つことなく亜希の脚を左右に開いて左の脚の付け根をぐいっと押し込んだ。
「えっ!? あ、あの!」
内股の筋肉の付け根である恥骨の近く。
あまりにも恥ずかしい部分にまで手が及んで亜希は思わずうつぶせの姿勢から体を起こして振り返ろうとした。
「内側の筋肉は腰と同じで骨盤の安定に特に重要だからね。特に念入りにやるよ」
「っ、は、はい……」
だがそう言われてしまえば、亜希としては拒否のしようもない。
たしかに骨盤の安定は下半身から上半身への力の伝達やフットワークなどすべてに通じる重要な部分であり、疲労の蓄積はある。
「んっ……んっ!」
思わず声が漏れる。
男は亜希の背後からその様子を愉悦を浮かべた顔で眺めていた。
純朴な素直らしさ。
コートに立った時のテニスの強さとは裏腹に――いや、その強さを手に入れるためにだろうか、清水亜希という少女はテニス以外のことに関してはてんでダメダメだ。
例えば自分の気持ちを口に出すこと。
例えば自分に向けられる感情を察すること。
今だってクールダウン後のマッサージだからといって、少女が触られるにしては“行き過ぎている”ところを触れられているにも関わらず、いろいろなものへの義理立てなのか、それとも単に気持ちを押し殺す癖があるのか、少女は変な声を上げることが失礼だとでも思っているかのように、なんとか恥ずかしそうに声を押し殺している。
脚の付け根のショートパンツで覆われている部分の中に、わずかに指が入っていることに、この純朴な少女は大いに羞恥を感じているのは、後ろからでもその顔を見れば分かる。
名目があるからと、羞恥に耐える少女を後ろから愉しげに眺めながら、男はさらに追い打ちをかけた。
「そのまま殿筋も揉みほぐしちゃうよ~」
「えっ!? あ、あのっ! んんっ!!」
より大胆に、男は亜希のお尻を揉みにいった。
満員電車の中でこんな手つきをすれば、一発でアウトであろう厭らしさのある手つき。
だが、それもマッサージと言ってしまえば、そうなのかもしれない。
小ぶりに引き締まった柔肉を男は丹念に丹念に揉みほぐした。
亜希はコーチの手が蠢くたびにぴくっ、ぴくっと体を震わせ、ついには喘ぎの声がもれそうになったのか、口元に手を当てるほどに必死に声を押し殺している。
臀部の肉がぐにぐにと形を変えさせられ、尻穴を押し開くように左右に押し分けられる。
「ンンッッ!!」
殺しきれなかった甲高い声が漏れ出た。
男は気付いていた。
亜希の穿いているショートパンツから、汗とは別の水分によって部分的に蒸せたように色を変えつつあるのを。
「今度はハムストのストレッチをするから仰向けになってね、亜希ちゃん」
「……は、い」
仰向けになった亜希。
宣言通り男はひざ裏の筋のストレッチを行うために亜希の左脚を伸ばした状態で担ぐように自身の肩に載せた。
「やっぱり亜希ちゃん、体柔らかいね~」
「え、あ、はい」
「大事なことだよ、うん。少し大きく開くけど痛かったら教えてね」
「あ……は、い…………」
右脚は地面につけて膝を伸ばした状態で、まるで男に向けて大股を開いているようにも思えて亜希は恥辱に涙ぐみそうになった。
男はさらに右脚が浮き上がらないように脚の付け根の部分を抑え込んだ。
その部分はさきほどうつぶせの時に揉み解されたところの近くであり、先程とは違って仰向けの状態で触られているため、より触れてほしくないところに指が近づいていた。
「ぁ……」
「ん? 痛かった?」
「い、いえ」
「それとも筋が伸びて気持ち良かったのかな。遠慮しなくていいからね~」
「は、はい。っ!」
言葉をかけながら男は付け根で抑えている指を動かした。
その動きは何気ないようであり、しかし割れ目近くの盛り上がりを撫でており、亜希の体は驚きと今までよりも鋭敏に訴えかけてきた感覚とに襲われた。
声を上げそうになった亜希は慌てて口元に手を当てて声を押し殺した。
股をあけっぴろげにされ、顔を真っ赤にする初心な少女の姿に、男は愉悦が止まらなくなりそうだった。
正面からマジマジと観察できるポジションになったことで、亜希のショートパンツの股の部分が湿ったように変色しているのが、先ほどまでよりも明らかとなっている。いや、というよりも見られていることを意識して感じているのか、ジュンッと変色が広まっているようにも見える。
「次は腰を捻るからね」
仰向けになった状態から右の膝を曲げたまま体の左側に、浮き上がってきそうになる体の右側を押させるために骨盤、もしくは肩を抑えつけるのが一般的であり、コーチは亜希の右骨盤に手を当てて抑えた。
だがその手がさりげない風を装っておかれた場所は半分以上がお尻にかぶっていた。
ここまでされて文句の一つも出てこないのは、よほど自分を押し殺す習性が染み付いているのか、それとも羞恥でそれどころではないのか…………あるいはこの状況を愉しんでいるのか?
男は亜希から抗議の声が上がらないのをいいことに、より手つきを活発に動かしていった。
「んっ! んんっ!! んっっ!!」
お尻にあてている手をさわさわと動かし、尻の割れ目にそって指をそわせ、穴の上を通り過ぎてから指を止める。
前の割れ目と後ろの穴、その中間地点で指を止めてゆっくりと円を描くように動かした。
亜希も何かがおかしいとは気付いているのだろう。
だが、男の淫靡な手つきによってもたらされる羞恥心を抑え込むのに無意味に必死となり、真っ赤になった顔を泣きそうな表情に歪め、少しでも喘ぎ声を小さくしようとしていた。
膣穴の下部を撫でられ、時に尻穴に指が入りそうになり、亜希のショートパンツはもはや触って分かるくらいに濡れていた。
腰部のストレッチとしては不必要に長く、男にとってやや物足りないくらいの長さだった時間を終え、ぐったりとした亜希の体を強引に引き起こした。
「はい。それじゃあ次は座った状態でストレッチしようか~」
「………………」
息の乱れた亜希はそれに体を任せるがままとなってしまい、男に背中を預けた状態でぺたんと脚を開いてお尻を地面につける格好になった。
男はその状態から抵抗の弱った亜希の両足をすすっと左右に伸ばさせ、開脚させた状態で上体を前に押し倒した。
「あ」
開脚前屈。両脚を開き、体を前に倒すストレッチ。亜希が小さく声を上げたが、もはやその状態からはどのような抵抗もできはしなかった。
股を開いた亜希の体がぐぐっと背中を押されて前に前屈する。元々体を柔らかくしているのもあるが、脱力していた亜希の体は抵抗なく前に倒れ
「ひっ!!!」
するりと、コーチの手が亜希の股間に伸びた。
「おやぁ? 亜希ちゃんいけないなぁ。緊張しているのか固くなっているじゃないか」
「ひっ! やっ!」
もはや遠慮はなかった。ショートパンツ、下着の中にまで手を差し込み、直接責めこむ。
性的な感覚を湧き立たせる手つきによって興奮し、固くなりかけていた亜希のクリトリスをコーチの指先が摘み上げた。
コーチの言葉とは裏腹に、その手が亜希の愛豆の甘皮を剥き、扱くことでその硬さは一層増していった。
「いっ!! ッッ!!! ふ、んんっっ!!!」
もはや男はマッサージの態を取り繕ってはいなかった。
亜希は体を前に押し倒され、股を開いた状態で思うさま弄ばれていた。
股の間に手を伸ばし、股間を撫で上げ、蜜壺を掻き回してくちゅくちゅと卑猥な水音を立てる。
ビクンッ、ビクンッと体を跳ね上げようとするが、その動きは後ろから抑えつけられてしまっており、亜希の背筋の力ではそれを押しのけることはできなかった。
男の手が亜希の割れ目をくぱぁと左右に広げると、蜜壺から溢れる愛液はしとどなく流れ出して亜希のショートパンツを濡らし、地面に敷いているシートにまで染み出していた。
さらに男は亜希の体を自分の体を使って前屈させた状態にとどめると、自由になった手を亜希の胸元に動かして追撃を行った。
「く、んっ!! んんっ!! い、あっ!!!」
秘所の愛撫同様、胸元を撫でる手つきも先ほどまでのような偽装したものではなく、明らかに愛撫を目的としたものとなっていた。
シャツの中に手を入れ、さらにはスポーツブラの中にまで手を押し入れて侵略し、汗で湿る胸の柔肉を寄せ集めるように指を動かし、そしてコリコリになりつつある胸の頂をキュンっと摘み上げた。
自分の胸元でビクッビクッと愛撫に反応する少女。
上体と上体とを密着させている状態から、男は鼻先を亜希の首元に近づけて大きく吸い込むと、亜希の体から立ち込める汗と女の甘い香りが今までよりも一層男の鼻腔を刺激した。
男の指が、今まで誰も受け入れたことのないであろう、少女の聖域へとくちゅりと潜り込んだ。
「!?!?!?」
亜希の体を動かす抵抗が強まるものの、圧し掛かるように押しとどめるコーチの体を跳ね飛ばすことはできず、濡れぼそった亜希の秘所は男の指を無理やりに受け入れさせられた。
「――!! ―――!!! ――――!!!!!」
座った状態での“ストレッチ”は、それから30分にも渡って続けられた。声にならない叫びが上がったのは一度どころではなく、亜希の体の“特定の部分”は十分に柔かくなり、逆に一部は痛いほどに固くなり、テニスの時とは別の疲労に苛まれていた。
背を預けてきている亜希の体を抱き留め、その首を軽く捻転して顔を横に向かせた。
はあ、はあ、と呆然して呼吸だけをしていた亜希はされるがままに顔を横に、そしてやや後方へと向け、
「……!? いやっ!!」
目の前にコーチの顔が迫ってきていたことでようやく意識を取り戻し、コーチの体を突き飛ばした。
「おっと、危ないな、亜希ちゃん。何をするんだい?」
「何を、何をするつもりだったんですか!」
間近に迫った顔。突き出た唇。その行き先がどこに向かっていたかはいくら呆然としていても分かっていた。だからそれは行動についてを問う質問ではなかった。
「なにって、キスさ」
コーチのアッサリと開き直ったかのような言い方に亜希は絶句した。
コーチも、分かっているだろうに、臆面もなく自らの行動についてをにやにやとしながら告げた。
キス。
それの意味することはテニスばかりをしてきた亜希にだって流石に分かる。それに最近ではようやく初恋と失恋について考え、経験したところなのだ。
途端、今までの全てが一気に羞恥とともに怒りを呼び起こし、亜希はカァッと肌を染めた。
身を翻してこのおかしなコーチからにげだそうと立ち上がりかけた亜希。
だが、コーチはそれはさせまいとするかのように亜希の腕を掴み、引き寄せた。
「分かってないな、亜希」
「離してくださいっ!」
もうなにも決められない自分じゃない。
以前の亜希ならばこれ程までに明確な拒絶の言葉はだせず、 あたふたとするばかりであっただろう。
だがもう、今は自分のすることは自分できめる。
こんなのは嫌だ。
亜希は捕まれた腕を振り払おうとした。
「これは君のお母さんの意向なんだよ」
「えっ!?」
だがその抵抗は、男の告げた言葉によって凍りついた。
「君のお母さんはね。君にテニス以外の経験をさせてこなかったことを悔やんでいるんだよ」
驚愕してコーチを見つめる亜希。
悔やんでいた? お母さんが?
何を? なぜ?
混乱が一瞬で脳裏を埋め尽くした。
亜希の反応が停止したのを見た男はニヤリと口元を歪め言葉を続けた。
「なぜ鷹崎奈津に負けたのか分かるかい?」
混乱していて、反応ができない。
質問の形をした言葉は、ただ音となって亜希の耳に届き、理解する前に続きがやってきた。
「彼女には彼氏が居たねぇ」
ズキンと、胸に傷みが走った。
鷹崎さんの彼氏――――彼のことだ。
「その彼氏君も、随分とテニスが強いみたいじゃないか」
思考が、追いつかない。
「彼女は彼と互いに高め合って強くなった。テニスも、そしてそれ以外の経験も通じて、ね」
――――聞きたくない。
――――思いたくない。
あの時、もう整理をつけたはずだった。
自分が彼に対して出来ることなんてなにもなくて、自分の知らない内に彼は鷹崎さんの彼になっていて、誰が悪いわけでもなくて、ただただ、自分のことを自分で決めなかった自分が嫌で変えたいと思ったのだ。
「鷹崎奈津に負けたままでいいのかい?」
それでも彼女の名前を、あの人の彼氏として聞くのは、胸のキズを疼かせた。
「ん……んっ……んく」
口内に侵入した舌が荒れ狂うように亜希の中を暴いていく。
奥歯を撫でられ、歯の裏まで舐められ、怯えたように逃げまとう舌を追いかけてからみつき、次々と亜希の初めてを奪っていく。
唾液を注ぎ込まれ、口中が“彼”とは別の臭いに犯されていく。
「ん…………んん…………」
なにをしているのか。
なぜ受けているのか。
全ての意味が分からない。
「そうそう。最初に比べたら随分と慣れてきたじゃないか、亜希」
はじめは逃げ惑うばかりだった亜希の舌の動きは、執拗に絡めてくるコーチの舌を追い出そうと動き始め、しかしそれは追い出すことはできず、逆にあたかも応えるための動きのようになっていた。
ふるふると震える体を抑えるように、亜希は接触する男のシャツを掴んでいた。
唇が離れた亜希は真っ赤になった顔を背け、潤んだ瞳を見せまいとしたが、それは陰湿な男の嗜虐心をそそった。
「いいかい、亜希。経験は大切なんだよ」
「え……? あっ!」
ドンっと体を突き飛ばされ、咄嗟に反応できなかった亜希はマットレスの上に体を転がされた。
戸惑う亜希の姿はコーチの抑制とはなりえず、亜希のズボンへと手をかけ、亜希が手を伸ばす前に下着ごと一気に引き下ろした。
「や、いやっ!!!」
「さあ、次のレッスンにいこうか」
必死に抵抗する亜希。
だがコーチは亜希の腰を掴むと、伸ばしてくる手をものともせずに迫り寄り、狙いを定めて顔を近づけた。
その狙いの箇所――今日という日まで誰の手にも触れられたことのないであろう聖域。
亜希のそこは、胸や臀部を長い時間をかけて散々に弄られたことによって発情して愛液を滴らせていた。
「ひっ! やっ! や、あああッッ!!??」
顔を近づけ、溢れる雫を掬い上げるように舌で撫でると、亜希の背はビクンとエビぞりに反り返った。
敏感すぎる反応。
その動きは望まずして亜希の大事なところを男の顔に近づけてしまう動きとなっており、男は顔を密着させた状態で亜希の秘所を思うさま弄んだ。
「んっ! んんっ! ふ、んんっ!! いっ、くんっ!!!」
いつの間にか亜希の手は抵抗のために男の顔を押しのけようとするのではなく、自身の声を封じるために口元に必死に押し付けるものとなっていた。
自身の喉から迸る声は亜希の羞恥を一層に煽り、なんとかこらえようと声を押し殺そうとした。
だがそれでも漏れ出る喘ぎの声。拒絶の言葉を紡ごうと口を開こうとすれば、その瞬間一際甲高い嬌声が上がってしまい、亜希は慌てて口元を抑える手の押し付けを強めた。
「ほら亜希。喘いでばかりいないで、ちゃんと覚えるんだぞ!」
「んっ!! んんンンッッ!!!!」
「今のが絶頂、イッたっことさ」
靄がかかったように亜希の思考は停止していた。
体全体が、練習での疲労とは異なる倦怠感を全力で訴えており、動かすことができない。
「さあて。お待たせ亜希。次はいよいよ本番だ」
もはや正常な思考、判断能力はなかった。
これから何が起こるのか。
これが何のためなのか。
誰の願いなのか。
もはやすべてが押し流されてしまい―――――そして
「ひっ! あ、アアアアアアッッ!!!!」
少女の絶叫が、響いた。