個人的にはもやしもんでは彼女と及川葉月がツートップです。
今回は異種姦(?)要素、ギャグ要素ありとなっており、いつもとは毛色が異なります。ご了承の方のみ読み進めてください。…………読了後に石を投げないでくださいね?
某農業大学
そこは生徒から先生に至るまで、多くの変わり者が集まる熱意溢れる大学である。
発酵食品の研究のためにアザラシの死骸を校内に埋めて警察沙汰を起こしかけた教授がいたり、黒色火薬を製造してちょっとオイタが過ぎたサークルに爆撃をしかける教授がいたり、研究室の物置で密造酒をつくって金儲けをしようとして建物を半壊させる学生がいたり、農大生なら自給自足をというスローガンで学内を自治領化する学祭を開いたり……肉眼で菌を見分けられる学生がいたり…………
とにかく、この学校には多くの変わり者がおり、農業大学の常というべきか、男女比は著しく偏っているのがこの学校に入学し生活していく男子学生の悩みであった。
だがもちろん男子学生のみなわけではない。
例えば元ミス農大である武藤葵(酒乱)や現ミス農大である及川葉月(潔癖症)、大学院にも長谷川遥という女王様がいたりと、誰もが見惚れる女生徒たちも存在している。
例にあげた彼女たちの他にも無論女生徒は多く存在しているのだが、彼女たちにはある共通点があった。
菌によるテラフォーミング思想や発酵分野に関する高度で広範な知識、果ては政財界に対するパイプまでもつというミステリアスな老教授、樹慶蔵のゼミのメンバーであるということだ。
ゼミのメンバーは教授である樹先生を除くと男子3人に対して女子3人にその他1名という、他の理系の研究室から見ると、男どもは刺されても文句は言えない構成であった。
なにせ
彼女たちは揃いも揃ってミス農大と争えるほどの美人さんたちであるのだから。
当然周囲の女子慣れしていない飢えた男子たちにしてみれば、隙あらばお近づきになりたい、お話ししたい、触れてみたいという欲望を抱かずにはいられないような存在である。
ただ、このゼミのメンバーは樹先生の指導方針というか行動方針から、とかく研究や実験行動に関して凄まじくバイタリティ溢れる活動を行っているのであった。
そのため研究のために学内、発酵蔵に寝泊まりすることも多く、女子たちでさえも発酵蔵の部屋の一角に布団を敷いてお泊りすることがあった。
そこには、よからぬことを企む数多の恐るべき侵入者たちがいるにもかかわらず…………
そんな某農大 樹ゼミに新たなメンバーが加わったのであった。
彼女の名前は西野円。
とある造り酒屋の一人娘であり、高校時代から農大売店で短期のバイトを行い、樹先生と懇意になっていた学業面でも優秀な学生だ。
昨年は実家の造り酒屋が抱える問題の件や、樹先生の策略によるミス農大落としへの参加、入試前々日での溶連菌感染の発覚など、いろいろな事件、問題があったのだが、とある男子学生の奮闘(とちょっぴり訳ありな解決方法)により無事に受験に成功。
試験さえ受けることができれば、元々この大学の要求学力以上の学力を有していた彼女には合格することはたやすく、晴れてこの春から彼女は某農大生、樹ゼミの正式なメンバーとなれたのであった。
これはそんな彼女がゼミの活動の最中、発酵作業のために発酵蔵に寝泊まりしていた時に起こった、おぞましき事件の話である。
スヤスヤと少女が眠っていた。
ややくせのある髪は短く、整った顔立ちの美少女。普段かけている眼鏡は就寝中のために外しており、枕元に置かれていた。
今の時期は夏前の朝夕、寒暖差の激しい季節であり、彼女は朝の冷え込みを懸念してかやや厚めの布団を体にかけて健やかな寝息をたてていた。
「おい、ホントに寝てるんだろうな」
「どれどれ……ああ、間違いない! ぐっすりだ!」
侵略者たちは暗闇の中、彼女へと歩み寄り、その意識が完全に夢の中に落ちていることを確かめていた。
ぷっくらと吸い付きたくなるような唇は今の乾燥した季節柄やや湿り気を失っており、呼吸のたびに微かに開かれ、そこから少女の吐息が漏れ出ている。
掛布団の下に隠され、吐息に合わせて上下している胸はほんのりと膨らみをもっており、全体的に細身で小柄な彼女にしてみれば、十分な発育を持っていると言っていいだろう。
「おやおや少し暑かったみたいだな。見ろよ、布団の中で蒸れて汗をかいてるぜ」
「ほんとだ。へっへっへ、ペロペロしちゃっていいかな?」
寒暖差が激しいとはいえ、今日の夜は彼女の寝具の選択からすると少し暑かったようだ。布団の中の体は汗をかいてほんのりと湿っており、侵略者たちにとってはまさにご馳走のような状態に少女は仕上がっていた。
侵略者たちはもぞもぞと布団の中、円の着ているパジャマの中にまで侵入した。
むわりと薫る少女の汗の匂い。
それは実験で行った匂いがついたのか、あるいは実家の酒造の匂いが残っているのか、ほんのりと甘い。
――――少女は気付いていない。
細身ながらも柔らかな少女の体を侵略者たちは這ように触れていく。
パジャマの袖から侵略した者は汗のかきやすい脇を狙い、裾から入り込んだ者はすらりとした腹部の中で窪む臍を狙い、ある者はズボンの中、下着の中にまでその魔手を伸ばしていた。
薄く生い茂る下の毛をかき分け、少女として最も大切な場所を歩むように進撃した。
入学前、とあるもやし屋の跡取り息子と婚約者発言をした彼女だが、“ソコ”はまだ男の目には触れられていない聖域。
正月にもやし屋の跡取り息子の部屋へと押しかけそこで年を越したにもかかわらず、ヘタレであった彼は、円に指一本触れることはなかったのだ。
自分のことをダーリンと呼びプロポーズまでしてくれた少女が、狭い自分の部屋に押しかけ、シャワーを浴び、自分のベッドの上に横たわっても、彼は円の隣に並ぶどころかわざわざ彼女のためにと部屋を開けて非難までする始末であったのだ。
だからこそ、というわけではないが、今少女の聖域は、無法な侵略者たちによって暴かれ、陵辱を受けんとしていた。
「こっちはまだ全然濡れてねぇなぁ。……中に入れば別かもしれないけどな」
侵略者たちは薄く生い茂る丘をゆっくりととことこと動き、中心にある谷をまじまじと視姦した。
「おっ、意外と首筋が良ポイント!」
別の侵略者は、円の滑らかな首筋からすらりと落ち窪んだ鎖骨にかけてを狙い定め、踏破していた。
寝汗によって少女らしい香りが漂ってきており、それにつられるように群がっていく。
少女の汗をまるで甘露であるかのように侵略者たちは堪能していき、そしてついには少女の健やかな寝息漂う顔にもその狙いを近づけていた。
「やっぱ本命はここだよな」
侵略者たちはそこに狙いを定めた。
彼ら全ての意思の統一を図るように互いに頷き合う。
かつて溶連菌を吸い出すという名目で初めてをもやし屋の跡取り息子に奪われた場所。
外は微かに乾き、中は潤いを残す侵略者たちの最も好みとする場所――――円の唇だ。
「それじゃあいただきまーす」
「しつれいしまーす」
「おじゃましまーす」
侵略者たちに容赦はない。
彼女の唇を陵辱し、その口内を侵し、彼女の体内を思うさま彼らの色に染め上げて行った。
一度で終わることはない。
そこは彼らにとってそれだけ魅力的な場所であり、まさに楽園へと誘っているかのように見えるところなのだから…………
誰も見る者がいない発酵蔵で、一人の少女が今まさに次々とその体内を犯されつつあった。
そんな侵略者たちの中の一つ、円の枕元に“浮かぶ”陵辱者がくるりと振り返った。
「ところで今、我々を同胞だと思っていたであろう霊長目ヒト科ホモサピエンスの諸君。なぜ君たちが勘違いしたのかは我々の関知するところではないが、我々は君たちの同胞ではない。
ピコルナウイルス科エンテロウイルス属ライノウイルスである。
我々のことを知らないホモサピエンスも多いかもしれないが、我々は君たちの言うところの上気道炎――いわゆる風邪を引き起こす原因菌である。
ナノサイズの菌と侮るなかれ。我々の親戚の数は百を超え、だいたい33度前後の温度環境で元気に増えるのである。我々の仲間が引き起こした炎症という諸症状は、君たちホモサピエンスの免疫力による抑えられ、その後耐性を獲得されてしまう。耐性を獲得したホモサピエンスはその菌種に対しては強さが増すのであるが、どっこい、我々にはそれは通用しない。
なぜなら我々ライノウイルスの親戚たちはそれぞれに免疫耐性をつくりださなければ我々の侵略を止めることができないからだ。
そのためいかにホモサピエンスが我々に対する治療薬を生み出そうとしても、それは絶望的なのだと学者だとか先生だとか呼ばれる偉ぶったホモサピたちはのたまっている。
君たちが我々の脅威を完全に退けることは不可能なのである。
我々は一年中そこらをうろうろしているのであるが、丁度良くかもす環境が整えられていたので、今回我々はこの少女をかもそうかと思案していたところであり―――――わぁ~~~~」
ナノサイズの侵略者たちは、すぅーと円が深く息を吸い込んだ瞬間、彼女の中へと吸い込まれていった。
翌日――――
くちゅんっ、という音が樹ゼミの研究室に響いた。
「西野さん、風邪?」
「かもしれません。昨日の夜は少し暑かったのですが……」
「ああ、朝冷え込んだもんね」
西野円は微かな喉の不調と全身の軽い倦怠感、そしてくしゃみ鼻水という……典型的な風邪の初期症状を感じていた。
彼女の不調に先輩である及川葉月が心配そうに声をかけていた。
「熱は測った?」
「いえ。まだ測ってはいませんが……」
「測ってなくても少し顔が赤いわね。アナタ今日は発酵蔵に入っちゃだめよ」
及川に続いて樹ゼミの院生である長谷川遥も西野円の顔色を見て少しきつめの口調で出入り禁止を命じた。
西野は反射的に――彼女の見た目とは裏腹に強気で負けず嫌いの性格が出たのだろう―― 大丈夫だと言いそうになり、長谷川のキッと睨みつけるような鋭い瞳に反論を封じられた。
「ダメよ。アナタに今更言うことじゃないと思うけど、蔵では菌を扱っているのよ。あなた一人の問題じゃなくて全員の進行状況にも影響するんだから、今日は大人しく部屋に戻るか……ここで大人しくしていなさい」
睨みつけるような鋭い視線を向けた長谷川だが、彼女とて怒ってそうしているわけではなく、元々目つきが鋭く、目元のメイクによってそれがさらに強調されているからだ。まあ多少正確にS気のある部分が影響しているのもあるにはあるのであるが、風邪をひき始めている後輩を思いやっての叱責だ。
西野も大人しくただ従順な性格、といわけではないが、理屈が通っていて、しかも自分の方が無理をしているということが分かる聡明さがあるだけに、大人しく頷くのであった。
一方、ゼミの片隅では
「直保――」
「あっ。お前ら昨日もしかして西野さんをかもしたんじゃねえだろうな?」
今日も今日とて種麹屋の跡取り次男坊、沢木惣右衛門直保は彼のもつ不思議パワーにより本来は見えるはずのない菌と会話しているのであった。
話している相手はR菌……ピコルナウイルス科エンテロウイルス属ライノウイルスというウイルスが属する病原菌なのであるが、彼の目には丸いボールに金魚の尾ひれのようなものがくっついた、目が点、口が四角い愛嬌のある謎生物に見えるのである。
R菌どもは、ヘタレの沢木惣右衛門直保に、ヒソヒソ、ヒソヒソと昨晩の調査結果を耳打ちしていた。
「あ? なんだって? …………まだ処女だった? 据え膳なんだからさっさと、ってうるさいわっ!!!」
その内容は菌を見分け、会話することのできる沢木にしかわからないのである。
夏風邪には気を付けよう!