「シシュ、着いたよ」
医療研究室に辿り着いたエミリオとシシュ。
様々な機器が並び、電子顕微鏡等の器具が並ぶテーブルの間を進む。そして、最奥にカプセル状の装置──医療ポッドを見つけた。
道中アンドロイドにも遭遇する事もなく、研究室内にも人の気配はない。
リン達の陽動が成功している証左だ。
エミリオはシシュを抱えながら、感謝の念を浮かべていた。
「さあ、シシュ」
「krr……」
手早く医療ポッドの前へ進み、ゆっくりとシシュを下ろす。身長2mを超える乙女の身体には少々窮屈そうだが、使用には支障は無い。
シシュは弱々しく顫動音を鳴らす。時折、苦しそうに呼吸しており、残された時間が少ない事を意味していた。
「監視は……」
そして、エミリオは手早く室内を調査する。
室内には人は無いのは確認済み。
だが、この部屋がビショップ達に監視され、何かしらの妨害がされるのも阻止せねばならない。
監視カメラは第13独立部隊のハッキングから立ち直っていないのか、作動はしていないようだ。
エミリオは一通り室内を調査し、この部屋が外部からの干渉を受けないのを確認すると、ポッドに横たわるシシュへ声をかけた。
「シシュ、外すよ」
エミリオは横になるシシュのマスクを外すべく、丁寧な手付きで外顎の管を抜く。プシュっと蒸気のような気体が漏れ、そのままマスクを外すと、乙女の苦しげな表情が露わになった。
「シシュ、がんばって」
「krr……エミ……」
シシュの頬を撫でるエミリオ。
濡れた瞳でエミリオを見つめるシシュは、幾分か勇気をもらったかのように頷く。
「ごめんね、脱がすよ」
「krr……」
そして、エミリオはシシュのボディスーツに手をかけた。
網状のボディスーツはどのような原理かは分からぬが、首の裏にある引っ掛かりに指をかけると、網脂のように簡単にシシュの身体から剥がす事が出来た。
「……」
露わになるシシュの大きな乳房。
薄いピンク色の乳頭が浅く上下しており、濡れた黄土色の皮膚とのコントラストが、ひどく甘美で、淫猥なものに見えた。
(何を考えているんだ僕は!)
頭を振り、ふと脳裏に浮かんでしまった煩悩を払うエミリオ。
今はそのような思考に囚われている時ではない。
「エミ……」
だが、何か縋るようなシシュの視線を受け、エミリオはどうにも愛おしさが溢れてしまい、乙女へ顔を近付けた。
「シシュ……ん……」
「kyu……エミ……」
爪状口器の隙間へ、自身の唇を当てる。
シシュの舌が口器から出されると、それを迎え入れるようにエミリオも舌を絡ませた。
「ちゅ……んん……」
「kchu……kyuu……」
クチュ、クチュと湿った音が響く。
短い時間、エミリオとシシュは互いの濡れた舌を絡ませ、唾液を交換していた。
唇が無いシシュの口器の構造上、フレンチキスのようなロマンチックな口吻は望むべくもない。
どうしても舌を絡ませたディープキスになってしまうのだが、二人にとってそれは性交の前振りでもあり、愛情を交換する神聖が儀式でもあった。
「ん……シシュ、少し我慢しててね」
「kyuuu……」
エミリオはシシュの額を撫で、名残惜しそうにする乙女との口吻を止める。
それから、医療ポッドに備えつけられている操作ディスプレイを手早く動かした。
「krr……」
ゴウン、とポッドのキャノピーが降り、シシュの肉体は完全に装置の中に包まれた。
エミリオが操作を続けると、天蓋部分から生体スキャナーが現れ、シシュの胸部を透析する。
「……ッ」
X線のような映像がディスプレイに映し出されると、乙女の体内には明らかに
僅かに蠢く異形。そのシルエットは、うんざりするほど見覚えがあるものだった。
「腫瘍摘出モード……いや、それじゃ駄目だ」
再びディスプレイを操作し、ポッドの治療モードを呼び出すエミリオ。
数々の医療施術がインプットされた最新鋭の医療ポッドは、帝王切開などあらゆる外科手術にも対応しており、通常の腫瘍摘出手術は数分で完了させる事が可能だ。
しかし、シシュの体内に巣食うチェストバスターは、胞子のような糸を臓器内に縦横に張り巡らせており。
腫瘍摘出モードでチェストバスターの摘出手術を行えば、糸が強引に引っ張られ、シシュの心臓や肺などの重要器官に致命的なダメージを与えかねない。
いくら強靭な肉体を持つプレデターとはいえ、直接臓器へ損傷を受ければ、即死は免れなかった。
「どうすれば……クソッ!」
悪態をつくエミリオ。
ここに来て重大な障害が立ちはだかり、焦燥感に駆られる。
ビショップは安全に摘出が出来ると言っていたが、やはり謀られたのか。
そう思ったエミリオは、再び憎悪の念が胸に広がるのを感じた。
「……ッ!?」
ふと、エミリオはディスプレイの片隅に表示された“特殊モード”の文字を見つける。
縋るようにそれを起動させると、“寄生体除去”という文字が表示されていた。
「これなら……!」
一縷の望みをかけるエミリオ。
もしかしたら、これは悪辣な罠かもしれない。
完全に寄生体──チェストバスターが摘出されるという保証はどこにも無いのだ。
「kyuu!!」
「ッ!? シシュ!!」
だが、シシュがポッド内で苦悶の声を上げる。
何かしらの予感を感じ取ったのか、チェストバスターが産声を上げるべく体内で蠢いていたのだ。
苦しむ乙女の姿を見て、エミリオは迷いを捨てた。
「頼む……!」
寄生体除去モードを起動させるエミリオ。
装置が機械的な音を立てると、数々のアーム状の器具が現れる。
ダイヤモンドの先端のような注射器がシシュの胸へ局部麻酔を打ち、レーザーメスが胸部切開を開始した。
「krr……ッ」
麻酔の効きが悪いのか、シシュはか細い呻き声を漏らした。
胸骨の間からへその上まで、一直線に切れ込みが入る。
レーザーによる切開は直ぐに傷口が焼灼されるので、出血は最小限に留まっている。
シシュの緑色の体液が僅かに漏れ出ており、体皮で隠されていた筋肉が露わになる。
それは、エメラルドで装飾されたような、名状しがたい美しいモノだった。
「……ッ」
自動で進む手術。エミリオはそれを注視し続けた。
アームが縦横に走り、まるで機械が自動車を組み上げていくような手術が行われている。
シシュは苦しそうな表情を浮かべるも、それを必死で耐えていた。
「シシュ……!」
固唾を呑んで見守るエミリオ。
しばらくすると、レーザーメスが体内の胞子を除去し終えたのだろうか。
ハンドアームが狙いを定めるようにシシュの胸部へ伸び、ゆっくりと体内へ侵入した。
そして。
「ッ!」
ぬるりと、粘ついた緑色の体液に塗れた物体が露出する。
メスがその物体とシシュを繋ぐ管──へその緒のような紐状の組織を断ち切ると、物体からキィとか細く悍ましい鳴き声が発せられた。
アームが上昇を始めると、そこにはチェストバスター──プレデリアンの幼生が現れていた。
「……」
何度見ても慣れない、異形の怪物。エミリオは嫌悪感を持ってそれを見つめる。
およそ全ての哺乳類の幼体が、当然の如く持ち合わせている他者へ保護本能を訴えかけるような可愛らしさ、愛おしさはまるで感じられない。
だが、プレデリアンはそのような庇護はいらぬとばかりに身を捩らせる。
まるで自分の人生が始まったとばかりに、身体を伸ばし、尾を捻る。呼吸の始まり。成長の始まり。活動の始まり。
産声を上げた怪物は、マシンアームの中で激しく抵抗を始めていた。
「寄生体の保管」
エミリオは努めて冷静に、素早くディスプレイを操作した、取り出されたプレデリアンを
今すぐにでも殺処分したい気持ちだったが、ポッド内でプレデリアンを駆除すると、酸性血液がシシュの身体へと降り注いでしまう。
「……僕が憎いか?」
感じる視線。
専用の羊水が入った容器に移される間、プレデリアンはキイキイと鳴きながら、ずっとエミリオへ視線を向けていた。
もっとも、どこに目があるのかわからないその形状だと、エミリオは感覚でしかプレデリアンの視線を感じ取る事は出来ない。
ここの研究員達なら、この怪物がどのような器官でモノを視ているかは知っているのだろうが、エミリオにとってそのような事は今更どうでも良かった。
エミリオの問いかけに応えるように、小さな怪物は不快な鳴き声を出し続けていた。
「……シシュ」
プレデリアンが入った容器が医療ポッドから排出され、専用のケースの中に安置される。プレデリアンは容器の中で小さな体躯を暴れさせるが、頑丈な容器からの脱出は叶わなかった。
それを一瞥したエミリオは、シシュの胸部の縫合をすべく機器を操作した。
ホチキスのような縫合器具が荒々しく乙女の胸を縫い付け、縫合痕をクリームのようなもので塗布していく。
乙女の肉体に痛々しい傷痕が残るのを、エミリオは悔しくて仕方がなかった。
でも、これは必要な処置だ。そう己に言い聞かせていた。
「krr……」
「シシュ……」
やがて全ての処置が終わり、ポッドのカバーが開かれると、シシュは弱々しいが、どこか安堵したような顫動音をエミリオへ向ける。
凶相に似つかわしくない乙女のつぶらな瞳を見て、エミリオはそっと自身の身体を乙女が横たわるポッドへ滑り込ませた。
「ああ、シシュ」
「kyuu」
ポッドの中で密着し、抱き合う二人。
半裸のエミリオの上半身は、自身の汗と乙女の緑血液でテラテラとした光沢が施される。
だが、エミリオにとってそれは不快なものではなく、倒錯的な喜悦を覚えるものだった。
「シシュ、シシュ!」
「kyuu、kyuuu!」
シシュの身体を抱きしめるエミリオ。シシュも、手術した後とは思えない程、力強くエミリオを抱き返していた。
お互いの熱い体温、芳しい体臭を間近で感じ、思わず舌を絡ませる。
ピチャ、ビチャと、品の無い水音が響く。
唾液を交換したエミリオとシシュは、喉の乾きを癒やすかのようにそれを嚥下していた。
「……シシュ、もう行かなきゃ」
これ以上は、とエミリオはシシュへ囁く。
本当は、自分たちが置かれた状況の何もかもを忘れ、シシュのアソコ──ヴァギナへ、自身のペニスを根本まで突き挿れたい。
ぐちゃぐちゃに、シシュの肉体と溶け合いたい。
そのような衝動に駆られ、カーゴパンツの下で痛いほどそそり勃つペニスに思考が持って行かれるのをぐっと堪える。
「……」
「シシュ?」
だが、シシュは無言で、じっとエミリオの股間を見つめていた。
その様子に、エミリオは少々の戸惑いを覚える。彼女は、何を考えているんだろう。
状況は、シシュも理解しているはずだ。
「krr……エミ……」
何かを懇願するように呟くシシュ。
乙女の想い。自身の肉体がプレデリアンに寄生されていた事よりも、もっともっと嫌だった事。
忌まわしい記憶。汚らわしい人間に、大事なモノを奪われかけた。
悍ましい感覚が、まだ自身のヴァギナに残っている。
だから、エミリオのペニスで上書きしてほしい。
熱く、切なく、愛おしい、沢山の精液で、何もかもを浄化してほしい。
そう、言外に訴えかけていた。
「シ、シシュ……!」
乙女の懇願は、エミリオの脳髄を焼き焦がすような魔力を放っていた。
シシュも、愛する男が十分に“発情”しているのを、その特別な嗅覚で察知していた。だから、このような状況でも、乙女は自身の願いを遠慮なくぶつけていた。
「……ごめんね」
だが、ギリギリの所で理性が勝った。
仲間が、家族達が熾烈な戦闘を繰り広げているのを尻目に、ただ本能を満たすセックスをしていいものか。常識で考えろ、エミリオ。
そう自戒したエミリオの精神は、高潔な戦士として申し分なきものだった。
「krrー……」
「うぅ……」
ひどく悲しそうな鳴き声を上げるシシュ。その瞳は切なげに濡れている。
それを見たエミリオは、先程の決意が大いに揺らぐのを感じるも、かろうじて気合で耐え抜いていた。
「さあ、行くよ」
エミリオは乙女の熱い体温と香ばしい体臭にもっと包まれていたかったが、誘惑を振り切るように腰を浮かせ、乙女に立ち上がるよう促す。
シシュは渋々とその手を取ろうと、手を伸ばす。
だが、その時。
「なっ!?」
突如、医療ポッドのキャノピーが下がる。
窮屈なポッドの中に、地球の男と異星の女が閉じ込められた。
「くそっ!? ビショップか!?」
内部コンソールからキャノピーを開けようと操作するも、先程まで従順に従っていたポッドは全くエミリオの操作を受け付けなかった。
外部からのリモート操作により、医療ポッドが
「ッ!?」
更に、医療研究室の照明が落とされる。
非常灯の赤い光が薄っすらと照らされるも、頼りない光源では至近距離にいるはずのシシュの顔すらよく見えなかった。
「……アンドロイドは来ていないな」
戦闘アンドロイドが直後に踏み込んでくる事を予想していたエミリオだったが、しばし息を潜め気配を探るも、敵の気配は感じられず。
恐らく、全ての“事”が終わるまで、ここに閉じ込めておく算段なのだろう。
「シシュ、なんとかキャノピーを壊して脱出しよう」
とはいえ、強靭な肉体を持つエミリオとシシュ。彼らにとって、繊細な精密機械である医療ポッドは“檻”としての機能は持ち合わせていなかった。
常人なら成すすべもなく囚われの身となる状況。
だが、エミリオとシシュならば、たとえ身動きが取り辛い体勢でも、キャノピーの強化アクリルを素手でぶち抜くのは造作もなかった。
「シシュ、聞いているの?」
「……」
しかし、エミリオの言葉に無言を貫くシシュ。
狭いポッド内でシシュに覆いかぶさる体勢となったエミリオであるが、照明が落とされた現状では眼下の乙女の表情がよく見えず。
爪状口器が閉じられているのを、かろうじてそのシルエットで判明できるくらいだ。
「シシュ──!?」
いい加減に、と少々の苛立ちを交えて言葉を続けようとしたエミリオ。
だが、急に自身の唇が生暖かい粘膜で塞がれ、それ以上言葉を発する事が出来なかった。
「グッ──!?」
そして、自身の肉体が乙女のふとましい両腕、両脚で羽交い締めにされる。
みしり、と骨が軋む音が鳴り、まるで巨大なアナコンダに締め付けられたような苦痛がエミリオを襲った。
「ンン──ッ!?」
締め付けが緩む間も無く、直後にシシュの長い舌が強引にエミリオの口内へ侵入する。
むわりとした唾液の臭いと共に、エミリオの喉奥にシシュの舌が押し込まれた。
「ンンッ!? ングゥッ!?」
シシュの突然のこの行動に、エミリオは軽いパニック状態に陥る。
何度も身体を重ねてきたが、乙女がこのような加虐的な情交を求めてくる事はなく。
愛おしさが溢れ、やや乱暴なセックスになる事はあったものの、お互いの身体を傷つけるような行いは、今まで一度も無かった。
「──ッ!!」
気管がシシュの舌で塞がれ、窒息寸前に陥るエミリオ。
呼吸が出来ない中、薄暗いポッドの中で、エミリオはようやくシシュの眼を見る事が出来た。
(シシュ……?)
シシュは、涙を流していた。
悔しそうな、涙を流して、エミリオの口内を貪っていた。
どうして、わたしの気持ちに気付いてくれないの?
どうして、わたしのカラダをキレイにしてくれないの?
乙女の幼稚で、理不尽で、無垢な願い。
このような状況だからこそ、痛ましいシシュの願い。
エミリオはそれを見て、自身の意思とは無関係に、抵抗する力が抜けていくのを感じていた。
「grr!!」
「ッ! ぷはっ!」
ふいに、シシュはエミリオの口虐を止めた。
呼吸が可能になったエミリオは、荒い息をひとつ吐く。
「ッ!?」
しかし、直後に強引に身体を引っ張られ、狭いポッドの内壁に身体をこすりながら、エミリオとシシュの体勢が入れ替わる。
シシュは両脚をエミリオの両脚に絡ませており、まるで柔術のマウントポジションのような体勢となっていた。
「ぅぐっ!」
シシュの大きく、濡れた乳房がエミリオの顔面に覆いかぶさる。
強い力で密着されると、麻薬にも似た強烈なシシュの体臭が鼻腔を貫いた。
更に、エミリオの両手はシシュの右手で抑えつけられており、エミリオは全く身動きが取れなくなってしまう。
「grrrrr……!」
シシュは物騒な顫動音を鳴らし、空いた左手で自身の下半身を覆うボディスーツを解除する。
「grr!」
「うぁ!?」
そして、そのまま乱暴且つ器用な手付きで、エミリオのカーゴパンツと下着をずり下げた。
「ぅ! あぅぅ!!」
露出したエミリオの固く、そそり勃ったペニス。
シシュがその鋭い爪で裏筋を撫でると、エミリオは痛みと快感の間で情けない嬌声を上げてしまった。
「シシュ! やめ、アッ!」
エミリオの制止の声。
しかし、シシュはそれを無視し、エミリオのペニスを爪を立てるように乱暴に掴んだ。
「grrrraaaaaッッ!!」
「うああッ!!」
ジュブブッ!
狭いポッド内に、ペニスがヴァギナへ埋没する下品な音が響く。
乙女の怒りがそのまま反映されたような灼熱の体温に包まれると、エミリオは悲鳴にも似た快楽の声を漏らした。
「grr! grrr!! grrrr!!!」
「ッ! くぅ! くぅぅぁぁッ!!」
密着した状態での騎乗位。シシュは狭いポッド内で自身の肉体を激しくスライドさせ、膣壁を思い切り締め付ける。
容赦なくペニスをしごかれるエミリオは、全身が焼けただれるような激しい快楽に包まれていた。
医療ポッドがギシギシと激しく揺れ動き、ポッド内は汗、唾液、膣内から分泌された体液と鈴口より漏れ出たカウパーの臭いで充満する。
「カッ! カハッ!」
エミリオは麻薬を過剰摂取したように意識が混濁し、不規則な呼吸で喘ぐ。
しかし、シシュの膣壁が叩きつけられる度に、下半身から全身へ凄まじい快楽が伝わり、ペニスへドクドクと勢い良く血流が流れていくのを感じていた。
「grr! gkyuuuu!!」
怒りに任せた強姦は、当然ながらシシュにも凄まじい快楽を与えていた。
だが、エミリオのペニスが己の胎内に突き挿れられる度に、シシュはそれまで抱えていた不安や嫌悪感が浄化されていくのを感じていた。
もう少し。
後少し。
愛しい雄の、逞しい肉棒が、限界とばかりに膨らんでいた。
「シ、シシュ!!」
「kyu!?」
快楽で拘束の手が緩む。
混濁する意識の中、エミリオは本能でその手を払い、そのままシシュの背に手を回す。
愛おしくてたまらない男の不意打ちに、乙女はそれまでの暴力的な声とは似ても似つかない頓狂な声を上げていた。
「シシュ! シシュ! シシュ!!」
「kyu、kyu……!」
ギュウと必死にシシュの肉体へしがみつくエミリオ。からませた脚はつっぱるように痙攣し、全ての体液が下半身へと集められるような感覚へ陥る。
シシュはエミリオの頭を両手で包み、自身の大きな乳房に埋めるように抱え込む。
全体重をエミリオへ預け、シシュは雄の体液を受け入れる準備を整えていた。
「シシュ! シシュ! あっ! あっ! あああ!!!」
いつの間にか、シシュの上下運動に変わるように、エミリオが懸命に腰を突き動かしていた。
グチュ、グチュッ! と、湿った肉がぶつかる音が充満し、エミリオは愛する雌の名を叫ぶ。
そして、エミリオのペニスがシシュの最奥に突き刺さると、亀頭が大きく膨らんだ。
「あっ! あああああああッッ!!」
ビュッ! ビュッ! ビュゥゥゥゥゥッッ!!
射精というより、放水といっても差し支えない勢いで精液が噴射される。
「kyu──ッ!!!」
シシュは牙を食いしばりながら、その放精に耐えていた。
精液がビシャビシャと膣壁を叩く快感。
意識を刈り取られるのを、必死で耐える。
「kyuuuu……!!」
そして、シシュは全力でエミリオの精液を取り込もうとしていた。
一滴も漏らさない。漏らしてなるものか。
これは、わたしをキレイにしてくれる、大切な、大切な液体だ。
まるで子牛が母牛の乳を飲み込むように、シシュの膣内はゴクゴクと蠕動し、エミリオのペニスを貪る。
「あ……あぁ……」
ゴク、ゴク。
尿道に残った精液が一滴残らず吸い尽くされる。
エミリオの脳髄に、強烈な快楽が迸る。
「kyu……!」
シシュは眼に涙を浮かべながら、雷に打たれたような快楽に耐える。
しかし、強烈な快感と共に、己の下腹は過剰な幸福感で満たされていくのも感じていた。
「kyuuu……」
毒素が抜けるような、多幸感で満たされるシシュ。
下腹の奥底から、どこか満たされたような──説明の付かない安心感が伝わって来た。
「krr……」
全ての行為が終わると、シシュは甘い顫動音を鳴らしながらエミリオの身体へもたれかかる。
「うぁ……シシュ……」
そのまま、シシュは全身をエミリオへこすりつけるようにグラインドさせた。
シシュとエミリオの汗、愛液が潤滑油となり、番はナメクジのように肉体を絡ませる。
桜色の突起が擦れ合う度に、シシュはクゥと甘い声を漏らした。
愛し合う事を強要した謝罪のつもりか、または自身のフェロモンをエミリオへたっぷりと擦りつけ、この雄は私のモノだと知らしめる為なのか。
「エミ……」
自身の濡れた胸の中で、くったりと脱力しているエミリオを、もう一度抱きしめるシシュ。
しかし、その力は、先程までの暴力的なものとは打って変わり。
慈愛に満ちた、母親のような抱擁だった。
狭い医療ポッド内で、互いの身体を密着させ、心が満たされるエミリオとシシュ。
だからなのか。
床に転がる空の容器に気付く事は無く。
換気ダクト内へ滑るように身を潜ませたプレデリアンの幼生。
エミリオとシシュの情事をじっと見ていたが、やがて身を翻すと、ダクトの中を這いながら彼方へと消えていった。
こんな時に逆レイプしとる場合かー!