※この作品はR-18です。

プレデター♀のおよめさん   作:範馬勇太郎

35 / 38
Chapter35.『Life』

 

 エミリオ達を乗せた宇宙船が、惑星BG-386を脱出して1週間が経過した。

 何度も超光速航法(ホゾンジャンプ)を繰り返し、何万光年もの長距離を移動する。

 この間、エミリオは傷付いた身体をひたすら休ませていた。

 

 宇宙船に乗り込んだ後、激戦を戦い続けたエミリオは疲れ切っていた。

 しかるべき治療を施さなければ、命にも関わりかねない程の消耗。

 シシュは迷うことなく、半失神状態のエミリオを船内治療ポッドへと押し込んだ。

 ポッドに満たされた薬液の中で、呼吸器を装着したエミリオは、そのまま深い眠りへと誘われていた。

 

 氏族の治療ポッドは治療と銘打ってはいるが、その治癒性能自体は地球産医療ポッドにも劣る。

 医療目的として使われないから、というのが主な理由であり、その主な効果は傷病の治療ではなく疲労の回復である。

 氏族の戦士が苛烈な狩りや修練を行った後の“回復”で使用するこの治療ポッド。薬液には各種栄養素が豊富に含まれており、これに浸かれば心身共に強烈にリフレッシュされるのだ。

 

 疲労回復目的とはいえ、何もしないよりは傷病に効果はあった。薬液には肉体の自然治癒力を高める効能もある為、頑健な肉体を持つプレデターなら、治療ポッドは十分な医療器具となり得る。

 もっとも、欠損した身体を再生せしめる程ではないが、“表疵”を歴戦の誉れとするプレデターにとって、それはさほど問題ではないのだろう。

 

「krrー」

 

 船のコントロールデッキ。コックピットチェアに座り、計器ホログラムが浮かぶ制御パネル操作しながら、シシュは気鬱げにため息を吐いていた。

 この一週間、治療ポッドの中で眠り続けるエミリオに触れられないもどかしさ、寂しさを覚え続けていたからだ。

 求め続けていたエミリオとのふたりだけの時間。シシュの最大の目的であり、願望。

 誰にも邪魔されず、ただお互いの身体を貪る事だけが許された、至福の時間。

 

「krrー……」

 

 それが、お預けされた状態。寂しげにか細い顫動音を鳴らすシシュ。マスクを外しているからか、長い睫毛をしんなりと垂らし、つぶらな瞳を潤ませているのがよく見えた。

 

「grr!」

 

 これじゃ生殺しもいいとこだ! と、乙女はしょんぼりしつつ憤然と不満を露わにする。

 どうしてエミリオが目の前にいるのに、その肉体に触れることすらできないのだ。納得がいかない。

 

「krrr……」

 

 なので。

 乙女はおもむろに下帯を脱ぎ、股を開いた。

 獣のような熱い吐息をひとつ漏らし、おずおずと己の秘所へ手を伸ばす。

 それから、もやは日課となりつつある、めくるめくエミリオとのひと時を夢想し始めた。

 

 もし、エミリオのコンディションが万全なら。

 まず、容赦なくその下履きをリストブレイドで斬り裂く。脱がすんじゃなくて斬り裂く。エミリオにはいつでも交尾が出来るようずっとハダカでいてもらうのだ。嫌がるかもしれないけど、そこは我慢してもらう。だってワタシも、ずっとハダカで過ごすつもりだから。スバラシイ。

 それから、エミリオの細く締まった肉体にむしゃぶりつく。彼のカラダは最高だ。どこを舐めてもおいしい。キレイなピンク色の乳首なんかは、チョコバーよりも甘いのだ。早く吸いたい。舐めるんじゃなくて吸いたい。腫れ上がるくらい吸い尽くしたい。ヤッタゼ。

 多分、ワタシがエミリオの全身をペロペロすると、彼は涙を浮かべてたまらなく切ない声を上げるだろう。カラダをしっとりと濡らし、許しを請うようにワタシを見つめる。想像しただけでもうイキそうだ。アツイ。

 ペロペロを続ける。乳首、腋、おへそ、ふともも、足の先まで。おっと、おしりも忘れちゃいけない。今までさんざんイジってくれたお返しだ。無理やりにでもエミリオのおしりの穴を舐めまくる。なんだこれは。おいしすぎる。タマゲタ。

 その後、全力でエミリオのペニスを貪り喰らう。はち切れんばかりに膨らんだエミリオのペニス。先っちょに滲むおツユをチロチロと舐め取る。ああ、ガマンできない。そのまま喉の奥までペニスを頬張る。イキソウ。

 それで、彼は最初の精液を射精()すだろう。彼の射精は毎回すごいたくさん射精()るから、多分ワタシはむせる。でも一滴も溢すつもりはない。エミリオの精液は、今まで食べたどの食べ物よりもおいしいからだ。元気になる。アリガト。

 エミリオはワタシのヴァギナも吸いたがるだろうが、それは許さない。もう濡れまくってるだろうから必要ないし、多分ちょっと舐められだけでワタシは嬉しすぎて気絶する。おしっこも漏れちゃうだろう。ワタシはザコじゃないが、エミリオの前ではなぜかクソザコになるのだ。マイッタカ。

 さあ、いよいよ待ちに待った本気交尾の時間だ(狩リノ時間ダ)。仰向けになるエミリオに跨がり、ゆっくりと腰を下ろす。最高の瞬間。根本まで一気にワタシの膣内(おなか)に挿れる。ここが勝負ドコロだ。気を抜くと一撃で意識をトバされる。彼のたくましいペニスがワタシのおなかをかき回すのを必死で抑える。スキ。

 がんばって腰を動かす。ピストンする度に、パチパチと頭の中で火花がはじける。ビリビリとカラダに電気が流れる。トビそうになるのを必死でこらえる。エミリオがワタシのカラダに抱きつくのを、力いっぱい抱きしめ返す。ギュウギュウとカラダをくっつけあって、たくさん、たくさん交尾するんだ。ダイスキ。

 エミリオのペニスが大きく膨らむ。射精の前兆。切なそうに喘ぐ彼の顔を舐める。お互いの舌を絡ませる。そうしていると、すごい勢いで精液がいっぱい出る。ドーンと、たくさん。ドクドクと、精液が洪水のように流れ込む。ジュワーっと、ワタシのおなかの奥まで染み込んでいく。シアワセ。

 それから、ワタシはエミリオを抱きしめ、舌を絡ませ、おっぱいを押し付け、脚も絡ませて。もちろん、硬いままのペニスは、ワタシのおなかにしまっておきながら。こうやって彼を全身で味わいながら、ずっと、ずっと繋がり続けるのだ。トテモシアワセ。

 

「kyu……kuuu……!」

 

 シシュはこの幸せな想像(妄想)だけで9回ほどオーガズムを感じでいた。

 コックピットチェアに腰掛けながら、脚をだらしなく開き、長い爪で自身の秘裂を掻く。

 ジュクジュクと、粘りのある愛液で膣口を泡立たせる。

 

「kyu──ッ!」

 

 陰核を摘む。くりりとヒネるように摘むと、ピリッと電気が走った。

 

「kyuu……ッ!」

 

 更に、恥骨の下にある陰壁を穿るように掻く。

 性感帯が刺激され、プシュッ! プシュッ! と数回潮を噴く。

 ガクガクと震えながら、チェアの上で身体を丸める。

 シシュは都合10回目のオーガズムに達した。

 

「kyukuuu……」

 

 虚脱したように四肢を弛緩させ、くったりとチェアにもたれかかるシシュ。

 股ぐらは愛液でビショビショに濡れ塗れており、座面や床に生臭い水溜りが発生していた。

 

「krr……」

 

 自慰後の特有の妙な倦怠感がシシュを包む。

 同時に、凄まじい寂寥感が、乙女の心を苛む。

 

「エミ……」

 

 つうと、シシュの金壺眼から涙が零れた。

 スンスンと涙を流すシシュ。

 自慰行為をした後は、いつもこのような状態になる。

 

「krrrr……!」

 

 ひとしきり泣いた後、ふらりと立ち上がるシシュ。

 そのまま、耐えきれぬとばかりにエミリオが眠るポッドの前へと進んだ。

 

「エミ……エミ……!」

 

 股から愛液を垂らしながら、シシュは薬液の中で眠るエミリオへ縋る。

 ポッドのガラスは、シシュの爪痕が無数に残っており、まるで磨りガラスのように傷付いていた。

 未だポッド内で眠り続けるエミリオ。

 シシュはカリカリとガラスを掻き、愛しい伴侶を求め続けた。

 

「エミ……」

 

 ふと、シシュはエミリオの治療を中断し、ポッドから出そうかと考える。

 これだけ薬液に浸かり続ければ、もう十分じゃないかと。

 しかし、使用者が完全に回復しなければ自動で開かない仕様である治療ポッド。

 強引に開ける事もできるが、それは推奨されない行為だ。

 だが、乙女は我慢出来ない。

 

 大丈夫。

 強いエミリオなら、中途半端な状態でもきっと元気になる。

 ああ、もう待てない。

 早く、はやく。

 はやくエミリオとシたい。

 

「grrrr……」

 

 濁りのある瞳を浮かべ、シシュは震える手でポッドの操作盤へと手を伸ばす。

 何か熱に浮かされたように、開錠コードを入力しようとした。

 

「grrr……?」

 

 ふと。

 シシュは頭上から透明の粘液が滴り落ちたのに気付いた。

 天井を見上げる。

 

「grr!?」

 

 見上げた瞬間。

 シシュは何か大きなモノに突き飛ばされるように覆いかぶされ、仰向けに倒れた。

 

「shaaaaaa!」

 

 プレデターが2割、エイリアンが8割。

 特異なブレンドで配合されたエイリアン。

 プレデリアン・ディが、爪上口器を大きく開き、シシュを威嚇していた。

 

「grrrr!」

 

 シシュも負けじと爪上口器を開き、厳つい唸り声を返す。

 至近距離で口器を突き合わせ、睨み合う二頭の獣。

 しかし、ディに伸し掛かられたシシュは、満足に身体を起こす事ができない。

 

「shaaa……!」

 

 ディは口腔内の牙(インナーマウス)をぬるりと露出させる。

 高い貫通力を誇る、エイリアンの最大の牙。

 その威力は、徹甲弾すら跳ね返すプレデターのマスクをも貫通せしめる。

 

「shaaaa!!」

 

 ディは獰猛な声を上げながら、シシュの額へインナーマウスを射出した。

 

 コツン。

 

 しかし。

 頭蓋骨の粉砕音の代わりに、やや気の抜けた打突音のみが響いた。

 インナーマウスはシシュの脳漿を飛散させる事はなく、そのおでこを軽く打つだけだった。

 

「shaaa……」

 

 そして、ディはふるふると頭を振る。

 

 お母さん、これ以上いかんぜよ。

 

 そう暗に伝えていた。

 

「grr!」

「kyuiッ!?」

 

 シシュはディのインナーマウスをひっつかみ、乱暴に自身の身体からどかす。

 少々情けない鳴き声を上げながら、ディは巨体を猫のように転がせた。

 

「kishaa!」

 

 そして、怪物少女は可憐な抗議を上げる。

 

 ちょっとは我慢しなよ!

 

 父の治療を中断しようとする、意志薄弱な異形母を咎める怪物娘の姿だった。

 

「grr」

「gu、gurr……」

 

 ディの鳴き声に、シシュはぶすっとしかめっ面を浮かべた後、乱暴にディの頭を撫でくり回した。

 なにやら誤魔化されたような気がしたディもまた、撫でられながらも憮然とした鳴き声を上げており。

 それは母子というよりは、はしたない姉を咎める健気な妹の様だった。

 

 これが、ここ一週間何度も繰り返された、シシュとディの日常である。

 毎日繰り返される母子(姉妹)のルーチン。

 辛抱たまらなくなり、ポッドを開放しようとするシシュを、慌てて止めるディ。

 

 

 BG-386を脱出し、一日が過ぎた頃。

 おもむろにシシュがオナニーを始めると、ディはそれを興味深げに見つめていた。

 

 何をしているの? それ気持ちいいの?

 

 ゴロゴロと喉を鳴らし、シシュが己の膣をまさぐる様を無邪気に見つめる。

 しかし、見られては集中できんとばかりに、シシュに乱暴に追い払れると、ディは船内の隙間に大きな身体を押し込め、ふてくされたようにひっこんでいた。

 

 そして、フラフラと治療ポッドを開けようとするシシュを見て、大急ぎでそれを押し留めた。

 当初、シシュはかなり興奮した状態(ガンギマリ)であり、若干恐ろしさを覚えつつポッドを死守したディ。

 相撲を取るようにお互い激しくぶつかり合う事もしばしばであった。

 そのような攻防を続けている内に、やがてシシュも冷静さを取り戻していった。

 

 それからは、先程のようなやり取り(プロレス)だけで済むようになる。

 

「shaaaa……」

 

 やれやれ、といった体で首を振るディ。

 ディとしても、早くエミリオに復活してほしいのは確か。

 しかし、ディの特殊な感覚器官は、エミリオの肉体がまだ回復し切っていないのを察知していた。

 直に復活してくるのも理解っていたが、それでも万全を期さなければならない。

 

 ボクがお父さんを守護(まも)らねばならぬ。

 

 使命感を滾らせたディは、こうしてポッドの番人となり、母と慕うシシュを警戒する日々を過ごしていた。

 

 

「grr」

「ッ!」

 

 とはいえ、それは一日で一回だけでの事。

 オナニーとプロレスで一汗かいた後は、団欒の時間だ。

 シシュはコントロールパネルを操作すると、食料保管庫の扉を空け、保存食と飲料を取り出す。

 もちろん、ディの分も。

 

「grr……」

「shaa……」

 

 しかし、その量は少ない。

 この一週間で、船内の備蓄は尽きようとしていた。

 元々、船内の食料備蓄は、プレデターが数名、一ヶ月は生き永らえるだけの量は用意されていた。

 急激に消費している原因は、無論ディである。

 

 短い時間で成体にまで成長したディ。

 その身体に元々蓄えられていた栄養素は、成長しきった段階でとっくに使い果たされている。

 食料になるような()()がいない場合、エイリアン種は休眠状態を取るなどして生存を図るが、生憎ディはまだ眠るつもりは無く。

 必然、船内の食料をたらふく摂取する事になる。

 

「krr」

「shaa」

 

 ドロリとした粥のような食料を、シシュは器に入れる。

 そして、ディに差し出した。

 ディはそれを大きな手で抱え、インナーマウスで器用に舐め取る。

 しかし、足りない。

 

「krrー……」

 

 我慢しておくれ、とでも言うように、シシュはしょんぼりとした鳴き声を上げる。

 ディの分よりも少ない粥をスプーンで掬いながら、モクモクと口へ運んだ。

 妙な侘しさが漂う船内。

 まるで寂れた食堂を訪れた親子連れが、一杯のかけそばを分け合うような貧相な光景である。

 

 だが、それも今日までだった。

 

「grr」

 

 シシュは食事を終えると、片付けもそのままに操舵パネルへと向かう。

 目的の惑星が、もう目の前に迫っていた。

 

 緑が濃い惑星。平均気温は40℃近く。

 広大な海と深いジャングルに覆われており、ジュラ紀の地球のような高温多湿の惑星だ。

 そして、その惑星は、氏族が“禁忌の地”と定めている。

 

 数百年前、氏族から追放された悪しき血達による饗宴が行われた惑星。

 地球から活きの良い獲物を拐い、この惑星に放ち。そして、容赦のない狩りを行う。

 そのやり方を、当時のエルダーは嫌悪感を示し、悪しき血達を粛清すべく戦士の一人を送り込む。

 

 だが、狡猾な悪しき血達に敵わず。

 氏族の戦士(クラシック・プレデター)は、虜囚の憂き目に遭う。

 そして、そのまま悪しき血達のリーダー(ミスター・ブラックプレデター)により命を絶たれた。

 だが、悪しき血達もまた、この惑星で残らず死ぬ事となる。

 

 当時放たれていた獲物──人間の戦士達が、壮絶な戦いの末、悪しき血達を討ち果たしたのだ。

 それから、その人間達がどうなったかは、シシュは知らない。

 人間達の顛末は知らないが、悪しき血達が敗れ去ったこの惑星は、“亡命先”として非常に適しているのは知っていた。

 エルダーは“忌み星”として、氏族の立ち入りを一切禁じていたからだ。

 

「grr」

 

 操舵パネルを操り、宇宙船は惑星へと降下を始める。

 グンっと船内が揺れるも、シシュはもちろん、ディもその揺れに足を取られる事はなかった。

 目に見えない大気の壁を突き破ると、船体は高温に包まれながらスラスターを噴射し、やがてジャングルの開けた場所へと着陸した。

 

「krr……dy」

「gurrrrr!」

 

 着陸すると、シシュはパネルを操作し、宇宙船のハッチを開ける。

 ディはシシュに促され、元気よく船外へと飛び出していった。

 

「krr」

 

 シシュは満足気に頷き、ディの後ろ姿を見送っていた。

 この惑星は氏族の者がいないが、原生生物に加え、悪しき血達が放った凶暴な異星生物が繁殖している。

 無論、そのような猛獣に遅れを取るような事はないが、宇宙船周辺の安全は確立したい所。

 故に、ディがその役目を買って出た。

 もちろん、飢えを満たし、獲物を狩るという、エイリアンとプレデターが持つ本能にも従っていたのだが。

 

「gurrrrrr!」

 

 しかし、ジャングルへ駆けるディの頭に、もうひとつの想いもあった。

 

 おなかを空かせているお父さんとお母さんにお土産を持っていくんだ!

 

 果たして、ディはどのような獲物を持ち帰るのか。

 シシュは期待を込めた眼差しでディを見送り続けていた。

 

 

「krr」

 

 さて、といった感じで、シシュは船内へと戻る。

 ディが戻るまでに、こちらもある程度は周辺の探索をせねばならない。

 それに、いつまでも船内で生活するわけにもいかず。

 新しい居住先も見つけねばならない。やることは沢山だ。

 探索する為の各種装備を身に着けようと、シシュは船内を進んでいった。

 

 すると。

 

「う……」

 

 戻ってみれば、ポッドのカバーが開かれていた。

 そして、薬液を滴らせながら、ポッドの前で膝を付く黒髪の青年の姿。

 下着一枚のみを身に着けたその肉体は、傷痕が残るも張りとツヤが浮かんでいる。

 隻腕なのは変わらずだが、その体調はひと目で万全なのが見て取れた。

 

「エミ!!!」

 

 エミリオの復活。

 待って待って待ち続け、求め続けた瞬間。

 シシュは大きな声でエミリオの名を叫び、体当たりするようにその身体へ抱きついた。

 

「エミ! エミ! エミ!!」

「う……シシュ……?」

 

 ぎゅうと抱きつき、くんくんと子犬のようにエミリオの顔へ口器をこすりつけるシシュ。

 未だ半覚醒状態なのか、エミリオは少々ぼんやりと乙女の抱擁を受け止めていた。

 

「エミ! kyuu!!」

「う、んぅ」

 

 そして、勢いよく口器を開き、舌を突き出す。

 エミリオの唇へ強引に突き入れ、舌先をくっつけた。

 

「kchu……kuuu……!」

「ん、んぅ」

 

 クチュ、クチュと舌を絡める。

 エミリオを抱きしめながら、シシュは飢えを満たすように愛する男の口腔内を味わっていた。

 

「う、うぅ……シ、シシュ……」

「krr!?」

 

 だが、突然苦しそうに呻くエミリオ。

 それを聞き、慌てて舌を引っ込めるシシュ。

 

 やはり、まだ早かったのでは──。

 嫌な予感を感じ、シシュはエミリオの肩を掴みながら密着した身体を引いた。

 ペタンとあひる座りしながら、身体に異常が無いかチェックする。

 

「──ッ!?」

 

 エミリオの下腹部へと視線を向けたシシュは、そこで息を呑んだ。

 ボクサーパンツ、そのクロッチ部分が異様に()()していた。

 更に、ウェストゴムからへその上部まで大きくはみ出し、割れた腹筋にみしりとめり込む、鋼鉄のように硬く勃起したペニス。

 

「う、シシュ……!」

 

 苦しそうに呻き続けるエミリオ。

 しかし、その隻眼に宿る光は、ただならぬ様相を呈しており。

 まるで、先程劣情に身を任せてポッドを開けようとした、シシュのような。

 そのような、濁った瞳を浮かべていた。

 

 ゴクリ。

 

 シシュの喉が鳴る。

 これから始まろうとする、何か予感めいたものを感じ、先程舐め取ったエミリオの唾液を飲み込んでいた。

 

「う、うああぁぁぁッッ!!」

「kyuuuッ!?」

 

 直後、思い切り押し倒される。

 仰向けになりながら、若干のパニック状態に陥るシシュ。

 

「フゥーッ、フゥー……ッ!」

 

 シシュに伸し掛かりながら、野獣のような荒々しい息を吐くエミリオ。

 隻眼の瞳はとても正気を保っているとは思えず。

 

 そういえば。

 はたとシシュは気付く。

 薬液の中には、生命力を活性化させる栄養素が豊富に含まれている。

 だが、その中には、かなり強烈な()()()も含まれていたような──。

 

「グ、フゥゥゥッ!」

「kyu!?」

 

 飢えた狼のように、エミリオは涎を垂らしながらシシュの大きな乳房へと噛み付いた。

 

「フ、ング、ン、ンッ!」

「kyu、kyuu……!」

 

 黄土色の乳房を乱暴に掴み、薄い桃色の乳輪を舐め回し、ぷっくりと膨らんだ乳首を噛む。

 ギリッと強く噛まれると、シシュは耐えるように眼を瞑り、歯を食いしばる。そして、プシュッとスプレーのように愛液を漏らした。

 

「フゥー……ッ!」

 

 エミリオは身体を起こすと、自身のパンツを掴む。

 そして、ビリリと音を立て引き裂いた。

 

「kyu……ッ!」

 

 露わになった、パンパンに膨らんだ陰茎。

 太い血管が浮き出ており、陰嚢も普段より肥大化している。

 そこから放たれる、強烈な雄の臭い。

 その臭いを嗅いだシシュは、脳髄に痺れるような快感を感じ、チョロチョロと小水混じりの愛液を漏らし、無意識に雄を受け入れる体勢……筋肉質な太ももをM字に開いた。

 

「グゥ……ッ!」

 

 蛇口から水が漏れるように、亀頭からトロトロとカウパーが溢れる。

 腹にめり込む程反り返ったペニスの角度を、強引に変えたエミリオ。

 そのまま、シシュの膣口へピタリと当て、太い腰を片手で支えた。

 

「k、krrr……!」

 

 シシュはそれを恐怖2割、期待と情欲8割で見つめる。

 

 メチャクチャにされる。されてしまう。

 本当はこっちがメチャクチャにするつもりだったのに。

 でも、もう逃れられない。

 おなかの赤ちゃんは大丈夫だろうか。

 いや、きっと大丈夫。

 だって、エミリオがくれた、強い子だから。

 たぶん。

 

 今までも強引に迫られれた事もあったが、どこか理性は残していたエミリオ。

 しかし、目の前にいる男は、会話が通じないレベルで獣性を露わにしたケダモノだった。

 

「グウアァァァァァッッ!!」

 

 ドズン!

 強烈な衝撃。

 100kgを超えるシシュの肉体が()()

 

「ky──ッ」

 

 シシュはその一撃で失神した。

 ガクンと身体が揺れ、口器からだらしなく舌を出す。

 プシッ! と愛液が噴射し、ギチリと膣肉を痙攣させた。

 熱く、湿った膣肉に、キツく包まれたエミリオのペニス。

 それだけで、限界が来た。

 

「ガァァァァァァッッ!!」

 

 獣の咆哮のような叫び声と同時に、バチン! とパンパンに膨れ上がった水風船が割れるような音が響く。

 ダムが決壊したような勢いで、鈴口から大量の精液が噴射された。

 

「ガ、ガゥゥ……ッ!!」

 

 ガク、ガグと腰を震えさせ、精液を送り込むエミリオ。

 ドブッ、ドブッと、濁流のような精液が、シシュの胎内へと流し込まれる。

 

「khu、khu」

 

 気絶したシシュは、ドクドクと精液が流し込まれる度に、口腔内からゲップのような呼吸を漏らした。

 

「ウ、ウゥゥ……!」

 

 ズルリと腰を引くエミリオ。

 カリ首までペニスを抜くと、ドブブ! と、膣から愛液混じりの精液が大量に溢れる。

 しかし、大量の精液を吐き出したエミリオのペニスは、未だに灼熱の硬度を保っていた。

 

「ウガァァァァッッ!!」

 

 そのまま、二回目の挿入。

 荒い息を吐きながら、ケダモノの交尾のように、激しい抽挿を開始した。

 

「ガアッ! ガアッ! ガアッ! ガァァァァッ!!」

「ky──ッ! k──ッ! ──ッ! ──ッッ!!」

 

 ドム! ドム! と、肉と肉がぶつかり合う。

 腰を思い切りぶつけるようにペニスを突き入れるエミリオ。

 ヴァギナからゴブ! ゴブ! と愛液と精液を漏らしながら、シシュは細い息を漏らし冷たい床に四肢を投げ出す。

 猛烈なピストン。その勢いにより、シシュの身体は徐々に壁面へと移動していった。

 

「グッ、フゥ、ングッ、ンッ!」

 

 エミリオはシシュの頭が壁面に付くと、強引に肩を起こし、勢いでその口器へ舌を入れる。

 ビチュッビチュッと、下品な水音を鳴らしながら、シシュと舌へ自身の舌を絡ませた。

 大量に発汗し、シシュの割れた腹筋へ汗が滴り落ち、互いの肉体を体液で濡らしていった。

 

「フゥ、フゥ、フゥ、フゥッ!」

 

 ガニ股で座るシシュ。その奥へ更に入り込もうと、エミリオは腰を突き出す。

 自然と対面座位となり、エミリオはシシュと舌を絡ませながらピストンを早めた。

 ガツ! ガツ! と、最奥にある子宮口へとペニスをぶつける。

 ぶつける度に、結合部分がブシュブシュと音を立て、泡だった愛液が溢れていた。

 

「フ、グゥゥゥゥッッ!!」

 

 ドブッ! ドブッ! と、重たい、二度目の射精。結合部からお互いの体液がゴボボッ! と溢れる。

 そして、射精しながら、エミリオはピストンを続けた。

 シシュは白目を向き、口器から唾液を垂らしながら、この蹂躙をまんじりと受け入れ続けていた。

 

「グウゥゥゥッ!」

 

 エミリオは獣の叫びを上げると、硬いままのペニスを更に奥に挿入し、膝立ちとなる。

 挿入角度が変わり、カリ首がシシュの恥骨の下を抉る。

 もはや浅い呼吸を繰り返すだけのシシュは、膣口をブルブルと震えさせるだけだった。

 

「ウ、ウゥゥゥ……ッッ!!」

 

 エミリオは膣肉をこねるように腰を回し、片手をシシュの肉付きの良い臀部へ這わせた。

 そして、思い切り尻肉を掴む。

 掴まれた瞬間、シシュの尻穴からトロリとした腸液が漏れ出た。

 

「ウァァァァァァッッ!!」

 

 そのまま、エミリオはシシュを壁面へ押し付けるようにして、挿入したまま立ち上がった。

 グブッ! と重力により更にペニスが奥底に突き入れられ、ボコリとシシュの下腹が膨れる。

 異物を排出しようと膣肉が締め上げられるが、硬いペニスは容赦なく膣肉をかき分け、子宮口へと突き刺さっていた。

 

「グ、グゥ、グゥゥッ!」

 

 シシュの尻肉を片手で支えながら、エミリオはズム! ズム! とピストンを続ける。

 シシュはグッタリとエミリオへ全身をもたれさせ、ピストンの度に重量感のある肉体を縦に揺らしていた。

 エミリオの足元には粘ついた水溜りが出来ており、愛液と精液がお互いの身体を伝って流れ落ちていた。

 

「グ、ア、アァ、シシュ、シシュ!」

 

 ガツガツとシシュを貫き続けるエミリオ。

 その瞳に、徐々に理性が戻り始める。

 しかし、抽挿の勢いは止まらず、激しさを増していた。

 

「ン、シシュ、シシュ!」

 

 もられかかるシシュの首を甘噛みし、鎖骨部分を吸うように舐める。

 ガクガクと激しく肉体を揺らし、だらしなく舌を垂らすシシュは、舐められる度にピクピクと長い睫毛を揺らしていた。

 

「シシュ! シシュ! シシュッッ!!」

 

 潮を噴きながら脱力するシシュを、容赦なく犯し続けるエミリオ。

 乙女が事前に想定していたセックスとは大きくかけ離れた野獣の交尾。

 単調だが激しいピストンが続き、船内は強烈な淫臭に包まれていった。

 

「シシュ、シシュ……!」

 

 エミリオは尻肉から手を離し、筋肉質にくびれたシシュの腰をぎゅうと抱く。

 そして、ドズッ! ドズッ! と、ラストスパートのように大きく腰を突き上げた。

 そのまま、シシュの耳元へ囁く。

 

「愛してる──!」

 

 気絶しているはずのシシュ。

 しかし、愛を囁かれた直後、ブシャッ! とヴァギナから愛液を噴射させる。その瞳から涙が溢れる。

 乙女が本能で悦びを感じたのを受け、エミリオの脳内にも多量の幸福物質が分泌された。

 

「シシュッッ!!!」

 

 腰を反らせるようにして、シシュの膣内へ完全にペニスを埋没させたエミリオ。

 そして、エミリオとシシュは全身を痙攣させた。

 

「ッッッッ!!!」

 

 ドグッッッ!!

 最大にまで膨れ上がった亀頭から、精液が噴火した。

 ブルブルと痙攣しながら射精を続けるエミリオ。

 ブルブルと痙攣しながら受精を続けるシシュ。

 

「ッ、うぁ」

 

 ビグン! ビグン! と大きく震えた後、エミリオはシシュを抱きかかえたまま、床に尻もちをついた。

 座り込んだ瞬間、結合部からゴボボ! と精液が溢れる。エミリオは自分とシシュの体液で、下半身をビチョビチョに濡らしていた。

 

「うぅ」

 

 重たいシシュの肉体が伸し掛かり、そのまま抱きながら仰向けに倒れる。

 

「シシュ……」

 

 ぐったりと身体を弛緩させるシシュを、肉布団のように受け止めたエミリオ。

 ペニスを挿入したまま、やさしくシシュの頭を撫でた。

 

「シシュ……愛してる……」

 

 半勃ちのペニスから、トロトロと残留精液が漏れ出る。

 漏れ出る度に、シシュのヴァギナはヒクヒクと蠢き、ショロショロと小水を漏らしていた。

 

「……」

 

 やがて、繋がったままの状態で、エミリオは目を閉じた。

 スウ、スウと、穏やかな寝息が聞こえる。

 シシュもまた、コフ、コフと唾液混じりの寝息を漏らしていた。

 

 汗と、唾液と、涙と、小便と、愛液と、精液。

 大量の体液のプールに浸かりながら、エミリオとシシュは穏やかに眠り続けていた。

 

 

 

 

「shaaa……」

 

 四足獣の死体を抱えながら帰還したディ。

 眼の前に飛び込んで来た惨状を見て、愕然としたように鳴き声を漏らしていた。

 

 うそでしょ。

 

 ちょっと引きながら、ディは父母の痴態を呆然と眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ディ「そうはならんやろ」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。