ダークエロよろず短編集 作:カード読み込み
朽ち果てた双眸に 冥府の炎宿し
魂喰らう者なりし吾が
今 慈しむべき光を抱く
始まりしは破壊の業
生きとし生ける全てを灰燼に帰す
無慈悲なる執行者(しっこうしゃ)の刃(やいば)
――されど神話は覆る
護るべき命脈こそ
吾が魂魄の枷となり
失われし情念(じょうねん)の焔(ほむら)
再び蘇りて戦意(せんい)と為す
虚空に散りし過去の己に告げん
汝の彷徨(さまよい) 終焉(しゅうえん)を迎える時
新たなる刀鍛冶の槌音(つちおと)
死してなお現世に繋(つな)がる鎖(くさり)
「双子の護星剣(ごせいけん)」
魂魄(こんぱく)を砕く者より
命を紡ぐ者への転身(てんしん)なり
亡者の如き殺意(さつい)を捨て去り
代わりに抱くは慈愛の結晶(けっしょう)
剣戟(けんげき)は悲鳴ではなく祝詞(のりと)
破滅の旋律(せんりつ)より生命(せいめい)の賛歌(さんか)
冥皇(めいおう)の座を退(しりぞ)け
人として在ることを選んだ今
かつて絶望(ぜつぼう)が支配(しはい)せし深淵(しんえん)にて
希望(きぼう)の灯火(ともしび)を掲(かか)げる聖騎士(パラディン)
故に誓約(せいやく)せん
この肉体(にくたい)を盾とし
愛し子らの未来(みらい)を
虚無(きょむ)の脅威(きょうい)から切り裂かん!
最初の一歩は恐ろしく重かった。
誰かのために生きるなど、
かつての私にとっては滑稽な戯言にしか聞こえなかったのだから。
母になるとは何なのか。まだ答えを得たわけではない。
けれど抱き上げた温もりを奪われたくないと
強く願うこの心こそが、答えの一つなのかもしれない。
不器用で、ぎこちなさばかりで、
泣き声には未だにたじろぐ私を、息子たちは叱責しない。
ただ静かに肩を寄せ、「それで良いのだ」と微笑む彼らの横顔に、
私はようやく理解した。
孤独でいるほうが楽だと嘯いていたあの日から、
いつの間にか引き返せぬ道へと足を踏み入れていたこと。
血を分けた我が子、血縁を超えた息子たち。
守るべきものが増えた分だけ脆くなる──そう思っていたのに、
気づけば私の背筋は記憶よりもずっと伸びていた。
この手に託された小さな鼓動を感じるたび、過去の亡霊が囁く。
──甘い夢を見るのはそこまでにしておけ。運命は容赦なく牙を剥くぞ。
私は深く息を吸い込む。その亡霊はもう隣人ではない。
遠い昔に置いてきた影だ。
「……そうだな。覚悟ならとうに決めている」
鏡の前に立つと、まだどこか信じられない風貌の女が映る。
灰色の髪は艶を取り戻し、痩せこけていた頬にはわずかな丸みがある。
それが母性という名の奇跡ならば、皮肉屋の私も受け入れざるを得まい。
エルの柔らかな髪を撫でてやると、眠っていたはずの眼差しが開く。
赤く潤んだ瞳が私を映す。それだけで胸の奥が詰まる。
幼子を抱くのも手馴れてきたものだ──
そんな自負とは裏腹に、指先は微かに震えている。
この尊い命の前では、どんな豪傑も赤子同然なのだと思い知らされる瞬間。
ふとした拍子に訪れる虚無感からは逃れられない。
深い闇の中で一人踊ってきた時間は消えない。
だが今は違う。帰るべき暖かい場所がある。
私が暗闇に怯えれば、誰よりも早く気づいてくれる者がいる。
私の手が冷たければ、躊躇わずに握ってくれる温かい手がある。
失われたものばかり数えていた愚かな女に、
新しい光を与えてくれた人々がいる。
照れくさいというのはつまりこういうことだ。
誰かを想い、誰かに想われることがこんなにも面映ゆいなんて。
かつての私なら嘲笑するだろう。しかし今の私は思う。
──ソレも悪くない。
いやむしろ、悪くなどない。
この恥ずかしさこそが、
私が確かに生きて、そして愛されている証なのだから。
エルをあやしながら窓辺に立つ。
太陽が昇る刻を待つ世界は青く澄んでいる。
明日が必ず来ると信じられるようになった。
それはただ生き永らえただけではなく、
未来を共に見つめる誰かがいるからだ。
かつて絶望の淵に沈んでいた魂が、
こんな風に明日を待ち焦がれるなんて。
なんと滑稽で、なんと愛おしい奇跡だろう。
─────────だからこそ、だ。
かつて以上に戦意は旺盛に、熱意を持って己を高める。
愛するものを守るために。
もう二度と失わぬために─────────
否。
今度は守り抜くために。
「無様に逃げ延びた敗北者が、身の程知らずにも程がある」
そう告げてくる亡霊に私は宣言しよう。
「……あぁ。承知している」
照れくさくてたまらない。
でもそれでいい。
生きてみたいと願う自分に嘘偽りはないのだから。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
無事帰還した冒険者たちの熱狂が街中に充満し、
酒杯がぶつかり合う乾杯の音が絶え間なく続いている。
命拾いした喜びと悲しみを同時に抱える冒険者たちの表情は
どこか切実であったが、それでも生き残った者が生き延びた命を謳歌する。
それは祝福すべき光景のはずだった。
───はずなのに……
ベルは輪の端に腰掛けながら微笑んでいた。
彼自身は殆ど飲んでいない。
理由はいくつかあった。
酒癖の悪いところが出てしまう可能性があること。
そもそも未成年であること(人間社会的には)。
そして何より……
視線の先ではアルフィアが居心地悪そうに縮こまっている。
美しい装飾が施された盃を握りしめながら。
それでも目線は忙しなく周囲を彷徨わせていた。
彼女はあまり酒に強くない。それを皆知っている。
普段は一切口をつけようとしないが今日は特別らしかった。
勧められるまま受け取り一口含んだ途端
陶器のような肌が薄紅に染まり始める。
目つきはぼんやりと焦点を失いかけ
長い睫毛が僅かに震えていた。
「……やっぱり止めておく?」
小声で尋ねるとアルフィアはゆっくりと首を振る。
「いや……いい。酔いたい気分だ」
「でも───」
「うるさい」
珍しく語気が荒くなったと思った次の瞬間には
アルフィアの頬が膨らみ始めていた。
(まずいな)
彼女が本当に怒る時はいつもこうだった。
感情が昂り過ぎると自制が利かなくなる。
周囲の喧騒の中で二人だけ時間が止まったように見つめ合う。
互いの瞳の奥に潜むものを確かめ合うように。
アルフィアの唇が動きかけて止まった。
その刹那──────
突如背後から豪快な腕が二人の間に割り込んできた。
「よぉベル! まさかお前がここまでやるとはなぁ!!」
ボールスの無骨な掌がベルの肩を掴み揺さぶる。
振り向けば屈強なベテラン冒険者たちが
口々に賞賛を浴びせてくる。
「あの恐竜ども相手によく持ち堪えたぜ!」
「まだ冒険者歴半年とは思えねぇ胆力だ!」
「英雄候補ってのも伊達じゃねぇな!」
歓声に包まれる中でベルは僅かに苦笑する。
決して自分一人の功績じゃないと分かっていても
皆が称えてくれるこの瞬間は妙にむず痒い。
自然と視線はアルフィアの方へ───
だが既に彼女の姿は消えていた。
「おい! どうしたんだよアルフィアさんは??」
テーブルに戻ってきたボールスが周囲に問いかける。
返ってくるのは困惑したような視線ばかり。
「さっきまでここにいたけど……」
「トイレじゃね?」
「いやいや! あれだけ絡まれたら流石に嫌がって逃げるだろ!」
笑い混じりの冗談も今のベルには届かない。
不安が背筋を這い上がる。
慌てて探し始めた彼を追いかける者はいない。
──────
静まり返った湖の畔。
壁際に立ち尽くす影を見つけた。
「母さん?」
声をかけると肩が小さく跳ねる。
ゆっくりと振り返った顔は予想以上に紅潮していた。
「……離してくれ」
小さな拒絶の言葉。
しかし酔いで蕩けた瞳がそれを台無しにしている。
「そんな状態で放置できるわけないでしょ?」
ベルが近づくとアルフィアはさらに後退りしようとするが
すぐに背中が壁につき行き詰まった。
「お前に借りを作りたくない」
「貸し借りじゃなくて心配してるんだよ」
ベルが真剣な顔で諭す。
アルフィアの眉間に皺が寄る。
「なら余計なお世話だ」
「……やっぱり拗ねてる?」
「違う!」
勢いよく否定した拍子に頭を木にぶつけてしまい
「いたっ……」
と小さな呻き声。
(可愛いな……)
思わず口に出しそうになった言葉を必死で飲み込む。
「……もう休みたい」
ぽつりと零れた本音。
ベルは頷き彼女の肘を支えた。
「送るよ、ここに定宿があるんでしょ?」
「お前は……」
「流石に主役が早々、抜けられないよ」
そう言って苦笑いしながら視線を逸らす。
その仕草を見つめるアルフィアの表情が微妙に変わる。
まだ酔いの残る瞳が揺れながらも
何かを決心したように固まっていく。
突然彼女はベルの袖を掴んだ。
「……行くぞ」
立ち上がる動作は少しふらついている。
それでも毅然と顔を上げ
冒険者たちの賑わいが遠のく方向へ歩き始めた。
扉を開け夜風が吹き込む瞬間
二人の間に流れる空気が変わるのが感じられる。
どちらからともなく歩幅を合わせていく。
夜の湖は静かだった。
水面に映る月明かりが細波に揺らぎ、
涼やかな風がアルフィアの長い灰髪を梳いていく。
「……本当にあいつらは何故あんなに騒ぐんだ」
アルフィアが低い声で呟いた。
足取りはまだ少し不安定で、
ベルがさりげなく支えていることに苛立ちを隠さない。
「命があったことを喜んでるんだよ。
ソレに母さんが助けてくれて嬉しかったんじゃない?」
「馬鹿なことを……」
鼻を鳴らすアルフィアだったが、その耳朶は淡い朱色に染まっている。
ベルはそれを見逃さなかった。
「でも母さん、いつもより楽しそうだったよね。
えっと、ヴィリーさんだっけ? 定宿の主人の……」
アルフィアの足がぴたりと止まった。鋭い眼光がベルを射抜く。
「貴様は何を見ている。あれは単なる情報交換だ」
「そう? でも母さんの目が輝いてたよ。久しぶりに……生き生きしてた」
ベルの言葉にアルフィアは一瞬言葉を失い、唇を引き結んだ。
湖面を見つめる横顔に一抹の哀愁が浮かぶ。
「……忘れてはいけないことがある。
あそこで倒れた者たちも、我々と同じだった。
家族を思い仲間を信じ……それでも土に還ってしまった」
風が彼女の髪を掻き上げ、左目の灰色が妖しい光を帯びる。
「宴の席での笑い声は……遺された者たちの強がりだ。
明日も同じように笑えるとは限らない」
重い沈黙が二人を包んだ。
しかしベルは柔らかく微笑んで母の手を取った。
酔いで温まった指先が少し震えている。
「それでも……僕は今日笑ってよかったと思う。
みんなで助け合えた証だから」
アルフィアは息子の掌の熱を感じながら天を仰いだ。
星屑が煌めく夜空に、かつて自分が背負った喪失の影が薄らいでいく。
「……お前はいつもそうやって納得させようとする」
「母さんに教えてもらったんだ。
人は忘れることは出来なくても、背負いすぎないことも大事だって」
不意打ちにアルフィアは息を詰まらせた。
かつて自分が言った言葉を逆手に取られてしまったのだ。
だが奇妙なことに怒りは湧かなかった。
代わりに胸の奥で凝り固まっていたものが溶けていく感覚が広がる。
「……ふん。生意気な小僧め」
憎まれ口を叩きながらもアルフィアはベルの手を握り返した。
体温を通して伝わる確かな脈動。
たったそれだけのことに心が和む自分に驚きつつも、
(まぁ……悪くない)
と素直に認める気持ちが湧いてきた。
アルフィアがふっと溜息を漏らすと、
ベルは少し意外そうな顔で見上げてきた。
「なんだその呆けた顔は」
「いや……母さんがそんな風に笑うの初めて見たから」
言われてハッとする。
確かにここ最近、自然に口元が緩むことが多い。
この忌々しい感情の正体を把握するのはまだ先になりそうだが……。
「……帰るぞベル。風邪を引いたら承知せんからな」
照れ隠しに背を向けるアルフィアの後ろで、
ベルが嬉しそうに頷いた。
湖の畔に伸びる二つの影は
いつもより少しだけ近づいているように見えた。
夜風が通り過ぎる中、
互いの温もりだけが確かな絆となっていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
祝宴も終わり、ベルとアルフィアが宿泊した
ヴィリーの宿に微かな息遣いだけが部屋に谺する。
蝋燭の灯が壁に揺らめきながらアルフィアの裸身を映し出す。
隣室からは時折ベルの寝返りの音が微かに聞こえてくる。
「……声を立てちゃダメだぜ? リトル・ルーキー……
リヴィラを救った英雄サマにバレたら大変だからな」
ヴィリーが囁きながらアルフィアの白い首筋に吸い付いた。
既に全身を隈なく弄ばれ火照った肌が戦慄く。
「っ! ……やめろ……こんなところで……」
抗議の声も甘く掠れている。
祝宴で飲まされた酒がまだ体内に残り意識は霞んでいる。
その隙を突いてヴィリーが指を伸ばす。
「あ……っ!」
内股に滑り込んだ冷たい指先が秘裂を探り当てた瞬間
反射的に声が迸る。
咄嗟に手で口を塞ぐアルフィア。
その仕草があまりにも従順で可愛らしいことにヴィリーはニヤリと嗤う。
「随分と濡れてんな。宴の最中から疼いてたんだろ」
「黙れ……こんな時に……んんっ!」
入口を軽く撫でるだけで腰が跳ねる。
理性では拒もうとしても体が裏切っていく。
酔いと疲労で抵抗力が落ちているせいもある。
だが何よりも……
ヴィリーの指使いは的確すぎる。
長年の経験で培われた技巧がアルフィアの急所を寸分違わず捉える。
蜜壺の中を探るように蠢く指先に翻弄されるうちに
次第に呼吸が乱れていく。
「あぁ……やめ……そこは……っ」
「知ってさ。お前の一番弱いところ」
意地悪く囁きながら内側の一点を擦り上げる。
「───っ!!」
電流が走るような衝撃。
喉を鳴らして仰け反るアルフィアの白い首筋に牙を立てるヴィリー。
痛みと快感が入り混じる感覚に涙が滲んだ。
「声抑えないと息子に聞かれちまうぜ?
『ママのエッチな声聞いてどう思った?』とか訊くのもいいかもな」
「……クソ野郎……っ」
罵倒しようと開いた唇を荒々しく塞がれた。
舌が強引に入り込み口腔を蹂躙する。
唾液を流し込まれ喉仏が上下するたび背徳感が増していく。
息子のすぐ近くで……
「んぅ……むぐ……」
濃厚な接吻に酸欠寸前になりながら、必死で隣室の気配を探る。
壁一枚隔てた向こうには無防備に眠る息子。
自分の穢れた姿が見透かされそうで気が狂いそうだ。
その焦燥さえ燃料となり快感を加速させる。
ヴィリーはそれを全て計算済みで執拗にアルフィアを追い詰めていく。
指の動きが速くなる。
卑猥な水音が壁に響き渡り、必死で声を押し殺す
「……うう……っ!」
堪えきれない嗚咽が枕布に吸い込まれる。
達してしまわないよう必死で爪先を丸めるが
全身の震えは止められない。
内股を伝う粘液がシーツを汚すのが分かった。
「我慢しろよアルフィア。まだまだこれからだろ?」
意地悪く囁きながらヴィリーが覆いかぶさる。
すでに猛った雄が割れ目を擦り始めた時
不意に廊下で足音がした。
ギクリと固まる二人。
足音は隣室のドアに向かい止まる。
───ベル!
アルフィアの全身が硬直する。
もし今開けられたら……
その恐怖が極限まで昂った快感と融合し
「ぁっ……!」
小さく高い嬌声が漏れた瞬間
ヴィリーの楔が一気に侵入してきた。
「──────────!!」
声にならない絶叫。
両手で口を押さえても骨盤を通じて直接響く肉の打つ音。
隣室の扉が僅かに開きベルの気配が漂う。
「おかしいな……誰かの声がしたような……」
壁に耳を当てる息子の姿が脳裏に浮かぶ。
この淫らな光景を目撃されることを想像すると
背筋に寒気が走り……同時に熱い何かが込み上げてくる。
「ふぅ……っ……ふぅ……っ」
必死で息を整えるアルフィア。
腰を掴むヴィリーの手が熱い。
今すぐ動きたくて堪らないと伝わってくる。
だが今は耐えるしかない。
ベルが部屋を出て行くのを待つしかないのだ。
「……気のせいかな」
小さく呟くと再び扉が閉まる音。
安堵のため息をつく暇もなく
ヴィリーが獰猛に腰を動かし始めた。
「っっ───!!」
予期せぬ激しい律動に悲鳴を上げそうになる。
両手で口を押さえても喉の奥から甘い嗚咽が漏れる。
揺さぶられる乳房がヴィリーの胸板に擦れ合い
汗と香油が混ざった匂いが部屋に満ちる。
「はぁ……最高だぜアルフィア……息子の気配を傍に感じながら
こうやって俺に貪られる姿……これ以上の興奮材料はねぇな」
下卑た哄笑に反論しようとするが、もう言葉にならない。
膣内の性感帯を正確に穿つピストン運動が意識を飛ばそうとする。
「んん……ぅ……っ!」
ヴィリーは更に嗜虐心を燃やしアルフィアの片足を持ち上げ肩に乗せる。
結合が深まり角度が変わり新たな刺激が脊髄を貫く。
隠されていた花芯が剥き出しにされ空気に晒される羞恥。
そしてそこへヴィリーの指が忍び寄る。
「やめ……っ! そ、それ以上は……んぅうっ!!」
クリトリスを捏ねくり回されながら激しく抽送される。
脳内で火花が散るような衝撃に涙腺が崩壊する。
声を抑えきれなくなったアルフィアは枕を噛みしめた。
「ふぅ……んん……っ! んぅ──っ!!」
汗と涎が枕を濡らす。
ヴィリーの突きが一段と深くなる。
「おい……アルフィア……出すぞ?」
耳元での宣告に抵抗できない。
むしろ求めている自分がいることに絶望しながらも
アルフィアはヴィリーの背中に爪を食い込ませて懇願した。
「お願い……ベルに……聞こえないように……っ」
哀願の言葉に答えるように
ヴィリーの熱い奔流が子宮口へ叩きつけられた瞬間
「んんん──────!!」
喉から搾り出された嬌声を全て枕で押し潰す。
胎内を灼くような快感に全身が弓なりに反る。
ヴィリーはアルフィアを抱き締めたまま長く続く絶頂を味わい
ゆっくりと楔を引き抜いた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
乱れた呼吸が響く寝室で二人の鼓動が重なる。
蝋燭の炎が揺れ床に落ちた影が絡み合う形に歪む。
淫らな行為の痕跡が部屋中に漂っていた。
隣室からは微かに寝息が聞こえる。
ベルは完全に熟睡しているようだ。
その安らかな呼吸音が、かえってアルフィアを追い詰める。
ヴィリーの指が内腿を撫で上げると同時。
「……んっ!」
慌てて口を押さえた手から熱い吐息が洩れる。
壁越しに息子の気配を感じながら犯されるという背徳感。
それは理性を粉砕するには充分すぎる禁忌だった。
「声出したらバレるぞ? 息子が起きちまうぜ?」
耳元で囁くヴィリーの声音には嘲りと征服欲が滲む。
アルフィアは怒りに身を震わせながらも、
彼の手のひらが股間へ滑り込むと反射的に腰を捩ってしまう。
「んん……っ!」
必死で枕を噛みしめ声を封じる。
ヴィリーの指が熟れた花弁を優しく押し広げ、
精液と蜜を湛えた谷間に沈む。
その淫らな動きに合わせて腰が勝手に浮き上がってしまう。
「おいおい。腰浮いてるぜ? 我慢できなくなってきたのか?」
囁きながらヴィリーのもう一方の手が乳房を包み込む。
柔肉を揉みしだきながら乳首を軽く引っ張ると
アルフィアの全身が弓なりに反り返った。
「ひぅ……っ!」
声を上げないよう喉で押し殺すが、その反動で身体が過敏になる。
壁に爪を立て必死で耐えるアルフィアの姿は哀れで蠱惑的だった。
その苦痛と快感に歪んだ美貌を見る度にヴィリーの凶暴な欲求が膨らむ。
「よし、また、挿れてやるよ……」
宣言と共に熱塊が押し当てられた瞬間、
隣室から衣擦れの音。
ベルが寝返りを打ったのだ。
アルフィアの全身が凍りつく。
腰を引き逃れようとするがヴィリーの腕がそれを許さない。
「動くな……バレたくなかったらな」
喉から出かかる悲鳴を必死で飲み込み
震えるアルフィアの胎内にヴィリーの雄槍が侵入する。
「ん……んぅ……っ!!」
焼けつくような快感と罪悪感がないまぜになり涙がこめかみを伝う。
ヴィリーは壁際でアルフィアを抱え込みながら
浅く引き抜き再び深く突き入れる動きを繰り返す。
「はぁ……っ! ……っふ……んん……っ!」
声を殺しても漏れ出す呼気が淫らな熱を帯びる。
ヴィリーの腰の動きに合わせてアルフィアの臀部がぶつかる音。
その乾いた音すら隣室に届きそうで気が気ではない。
「もっと……もっと深く……」
欲望に忠実になったヴィリーの囁きに従うように
アルフィアの足が開かれる。
さらに深く抉り込む角度。
子宮口を押し上げる感覚に視界が白く染まる。
「ゃ……んん……っ!!」
必死で枕を抱え込む。
指が食い込むほどの力を込めても
突き上げられるたびに漏れる嗚咽を止められない。
壁一枚隔てた場所には息子がいる……
その考えだけで羞恥と快楽が複雑に絡み合う。
「いいぞ……アルフィア……息子の名前呼びながらイったらどうだ?」
下卑た提案にアルフィアの瞳が怒りで潤む。
だがその反抗的な態度こそがヴィリーの欲望を刺激する。
「んん……っ! ……ベル……」
唇が意思に反して動く。
息子の名を口にした瞬間、内部の締め付けが強烈になった。
ヴィリーは歓喜の唸りをあげると猛烈なピストン運動を開始する。
「イけ……アルフィア……息子のこと想いながら……っ!」
肌と肌がぶつかる乾いた音が部屋に響く。
もう声を抑える理性など残っていない。
涙と汗に濡れたアルフィアの肢体が弓なりに反り返る。
「あああ……っ!!」
絶頂を迎えた瞬間ヴィリーが最後の一突きを加え
アルフィアの最奥に熱い迸りを解き放つ。
胎内を灼く感覚にアルフィアは痙攣しながら、
ベルの微かな寝息が耳の奥で優しく響いていた。
「よし……そろそろ本番だ」
ヴィリーがアルフィアの腰を鷲掴みにして引き寄せた。
彼女の細い骨盤が軋むほど強く押しつけられ
胎内に埋まった凶器がさらに深く沈み込む。
「ぁ……っ!」
声にならない呻きが漏れる。
壁際で必死に背を反らせるアルフィアの乳房が大きく揺れた。
薄暗い室内を照らす蝋燭の灯が汗で光る肌に妖しい影を投げかける。
隣室からの気配が途切れた一瞬を狙い、ヴィリーが猛然と腰を打ち据えた。
「んん……っ!!」
枕を噛みしめた唇から糸を引く涎。
強引なピストンに合わせて蜜壺が轟音を立てる。
膣襞が凶器に絡みつき離さない。
「はぁ……最高だぜアルフィア……こんなに締めつけやがって」
囁きながらヴィリーの指がアルフィアの髪を梳き上げる。
曝け出された白い首筋に浮かぶ青筋をなぞりつつ
「分かるか? お前のここが……俺の形になってる」
臍の下を拳で軽く押し込むと、子宮全体が直接刺激されて腰が浮く。
「くぅ……っ!」
抗議の声は湿った喘ぎに変わる。
胎内で暴れる雄蕊が子宮口を何度もノックする感覚。
拒絶したいのに膣全体が痙攣して迎え入れてしまう。
「息子のことが気になるか? ベルくんの顔を見ながらイかせてやろうか?」
下卑た提案にアルフィアの瞳が怒りで潤む。
だがその反抗的な眼差しこそがヴィリーの欲望を煽る。
「よし……本気で行くぞ……」
宣言と共に抽送が激化した。
肌がぶつかる乾いた音が隣室に届きそうで
アルフィアは必死に両手で口を押さえる。
「んん……っ! ん────っ!!」
喉の奥から搾り出される絶叫を全て指の隙間で押し潰す。
涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔を見下ろしながら
ヴィリーは更に深く抉り込む角度に変える。
「いいぞ……息子の名を呼びながらイけ……アルフィア……」
命令口調で囁かれる言葉に身体が反応する。
無意識に腰が浮き上がり迎え入れる体勢になってしまう。
「ベ……ベル……っ」
その一言が決定的だった。
膣壁が収縮し精液を搾り取る蠕動が始まる。
ヴィリーは歯を食いしばり射精を堪えながらも
「そうだ……息子の名前を呼び続けろ……イク時はちゃんと教えろよ?」
命令を受け入れてしまったかのようにアルフィアの唇が動く。
「ベル……ベル……ベルっ!」
声を潜めつつも愛しい息子の名を紡ぐ度に締め付けが増す。
「くっ……いいぞ……一緒にイけ……」
限界を迎えたヴィリーが最後の一突きを加えた刹那
アルフィアの背筋が弓なりに反り返った。
「────!!」
声なき絶頂を迎えながら胎内へ熱い奔流が注ぎ込まれる感覚。
子宮口を直撃する灼熱の衝撃に視界が白く染まる。
膣襞が最後の一滴まで絞り取ろうと痙攣する。
隣室から微かに寝返りの気配。
その些細な変化にアルフィアの意識が引き戻されるも
遅れて溢れた精液が太腿を伝う感覚が快感の余韻を呼び起こす。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
乱れた呼吸の中でアルフィアが呟く。
「最低だ……私……ベル……ごめん……」
悔恨の言葉とは裏腹に子宮が次の受精を待ち侘びるような感覚。
息子への罪悪感と女としての充足感が複雑に絡み合っていた。
蝋燭の灯が揺れる寝室で
アルフィアの肢体は淫らな汗に光りながら
壁に刻まれたヴィリーの所有印のように浮かび上がる。
隣室からは安らかな寝息が続いていた。
◆◆◆
翌朝———
「母さん? どうしたの顔色悪いけど……」
心配そうに見上げるベルの頭を優しく撫でながらアルフィアは微笑む。
昨夜の記憶が蘇りそうになるが必死で封じ込める。
「問題ない。昨日は少し飲みすぎただけだ」
嘘偽りない言葉。
実際、昨夜はヴィリーの精液と
自分自身の淫汁でぐしょ濡れになったシーツを隠すのが精一杯だった。
ベルに気づかれることなく朝を迎えられたのは奇跡に近い。
「本当? 無理しないでね」
純粋な気遣いが胸に刺さる。
昨夜この宿の一室で行われた破廉恥な行為は決して明かせない秘密。
「さて……今日はどうする?」
話題を変えようと尋ねるアルフィアにベルがぱっと表情を輝かせる。
「ダンジョン行かない? 新しいエリアの情報を聞いたんだ!」
「……そうだな」
無邪気な提案に救われる思いだった。
少なくとも今日一日は冒険者として過ごせる。
ヴィリーとの再会は可能な限り避けなければならない。
旅支度を終えた二人が宿を出る時
背後から粘つく視線を感じた。
振り向けばヴィリーが窓際に立ちこちらを見下ろしている。
その口元には意味ありげな笑み。
(また来いよ……アルフィア……)
伝わってくるメッセージに鳥肌が立つ。
だが表向き平静を装い無視する。
ベルに悟られてはならない。
「じゃあ行こうか母さん!」
無邪気に手を引くベルの温もりを感じながら
アルフィアは誓う。
この子だけは守り抜く。
たとえ自分自身がどれほど穢れようと。
だが内心ではわかっていた。
ヴィリーの執着からは容易に逃れられないこと。
そして昨夜植え付けられた子宮の熱はまだ胎内に残っていることを———
更新希望の原作
-
魔弾の王
-
落第騎士
-
ハイスクールD×D
-
月姫
-
モブせか
-
マジエク
-
のんびり農家
-
新妹魔王
-
八男