ダークエロよろず短編集 作:カード読み込み
プロフィールまで含めて生成してくれるので
複数羅列するだけで結構ストーリーがデキるのが面白い
必要なら勝手にキャラ創ってくれるし楽でいいや
# 恥辱の仮面
灼熱の太陽が燦爛と照りつけるシャルザード宮廷。
砂漠の都らしく白亜の大理石で築かれた回廊には涼風が吹き抜けているはずなのに、
アラム王子──
いや、王子を演じなければならないアリィの衣服は既に汗水に濡れて重かった。
「……父上の横暴ぶりも大概だな」
思わず呟いた言葉は誰にも聞こえるはずもないのに、
異常なほどの緊張感に包まれていた。
何故なら──今私は〈アラム〉であることを強要され、
さらには「王の代理」としてオラリオの冒険者ギルド、
ソコから派遣された幹部と対峙しなければならないのだ。
シャルザード王国は古代よりカイオス砂漠の交易路を支配してきた。
豊富な水資源と肥沃な土地は砂漠民にとっては垂涎の的であり、
過去数百年にわたって幾度も侵略戦争を乗り越えて来た勇猛果敢な国柄だ。
だが近年──我が王国は致命的な弱体化を迎えていた。
隣国ワルサの台頭と同時に起こった〈黄金期病〉という謎の奇病。
これが国土全体を蝕んでいる間にワルサ軍は着々と勢力を拡大し続けていた。
更には、父王が昏睡して政治情勢が悪化。
そんな中つい先日──オラリオという世界の中心から送られてきた文書。
曰く、「貴君らが友好関係を望むなら我らが庇護下に入るがよかろう」という内容。
つまり実質的な属国化を迫って来たのである。
もちろん国民の大半は激昂した。
彼らの誇り高き魂が侮辱されることなど断じて許されないと。
しかしながら──では、どうしろというのか……
──謁見の間──
大理石に刻まれたモザイク模様の床中央には純金装飾の椅子が鎮座する。
その左右には十二本柱からなる巨大な天蓋がそびえ立ち荘厳な雰囲気を醸していた。
「──御前にて失礼いたします。
本日参りましたのは私どもオラリオの意向をお伝え致す為……」
跪いたまま慇懃に頭を垂れる男はギルド幹部。
その背後には武装した男女数名が控えている。
いずれも明らかに冒険者、ソレも荒事専門の雰囲気がある。
(なんて野蛮そうな輩なのだ……)
内心思ったものの悟られないよう平静を装うしかない。
内心の葛藤を押し隠しつつ毅然とした態度で彼らを迎え入れる。
「よくぞ参られたオラリオの使者どの。
我が父上も貴殿等の来訪を楽しみにしておられる」
自分でも驚くほど滑らかに出た声音。
王室の伝統として男児以外が玉座についた試しはない。
ゆえに第一子アリィは王子アラムとして振る舞うよう命ぜられた。
彼女こそが次期国王なのだ——それゆえに全てが歪んでしまう。
謁見の間の空気は澱みきっていた。
重臣たちの脂汗が大理石床を照り返し、むせるような芳香が漂う。
それは麝香と汗と緊張とが混淆した官能の蒸気だ。
アリィは震える指で首元の飾り紐を結び直す。
蒼銀糸で縁取られた分厚い礼服は
本来なら少年らしい凛々しさを演出するはずだが——
桃色に火照った頬 。 切なげに寄せた眉根|。
薔薇色の薄い唇。泣きぼくろが印象的な潤んだ瞳。
艶めかしい褐色肌が光沢ある生地越しに透けてしまう。
慌てて襟元を押さえる仕草が逆に妖しく——
「ハァっ……ん……」
吐息に混ざるのは微かな甘酸っぱさ。
昨夜ベッドサイドで使った
麝香膏の残り香がまだ皮膚に貼りついている。
(これじゃまるで娼婦じゃない……)
悔しさに奥歯を噛みしめたら却って唾液が湧き上がる。
口腔粘膜が飢え、熱く濡れて充血していた。
「——ッ!」
不意にアリィは身じろぎした。
男物の服装が無慈悲に乳房を挟み潰し、胸郭を圧迫する設計。
動けば動くほど敏感な部分を責める拷問装置。
王笏を握る拳から滴り落ちるのは冷たい汗だけではない——
物理的接触がなくても汗腺が狂乱している。
自律神経の崩壊が始まった。
汗が滴る音さえ聴こえるほどの静寂の中──
アリィは肢体を捩る、その動作が引き金となった。
「ッ……!!」
乾いた音とともに紺藍の生地が裂け、褐色の柔肌が露わになる。
破れた胸元からは──禁断の曲線が浮かび上がった。
豊かな乳房の谷間が大胆に覗く。
汗で濡れた肌は光沢を放ち、薄紫の乳暈の輪郭がぼんやりと浮かんでいる。
アリィは咄嗟に片手で胸部を隠すが、
それがかえって乳房を寄せて強調してしまう。
(まさかこんな公の場で……!)
羞恥に全身が朱に染まり、
震える睫毛から透明な雫が頬を伝う。
謁見の間を支配するのは奇妙な匂い。
麝香と汗と──微かな腐敗臭。
「どうやら殿下は些か……準備不足でおられるようだ」
オラリオの使者が嗤笑と共に差し出したのは
黄金象嵌の小箱。
開封すると濃厚な蜂蜜酒の香りが立ち込めた。
「これは我が都市の特産『忘我蜜酒』です。
一献いかがでしょうか? 疲労回復に最適ですよ」
恭順を求めつつ罠を仕掛ける狡猾さ。
杯を受け取るアリィの指先が震えている。
蜂蜜酒が咽喉を通過する瞬間──熱波が体内を駆け巡った。
「ぅ……んぁっ……」
膝が崩れかけるアリィ。
腰巻きが緩み、大腿の付け根が覗く。
そこには昨晩の自慰の跡──淫靡な液体で汚れた布地の皺。
(この蜜酒……催淫効果がある……!)
使者の視線が臀部に突き刺さる。
欲望を隠すことない下卑た笑み。
玉座の肘掛けに爪を立て耐えるアリィ。
指紋が白く浮かぶほど強く握りしめる。
「わ……我が国は独立を堅持する!
オラリオの庇護など不要だッ!」
叫びながらも脚を閉じようとすればするほど、
股間の湿潤が布地に染みていく。
オラリオ使節団の首魁──ゼフィロス卿は蜂蜜酒の盃を傾けつつ唇を歪めた。
彼の視線は、今や確信犯的にアリィの剥き出しになった谷間へ注がれている。
「ふむ……殿下の肌艶は砂漠の女神が嫉妬するほど麗しいな」
指先が滑るように這い進み、アリィの掌へと到達する。
触れた感触は蛇のように冷たく粘り気を帯びていた。
思わず手を引っ込めようとした刹那、
「逃がしませぬ」
鈍い痛みが指関節を襲う。
見れば男の爪が食い込み、褐色の指に血筋が浮かんでいる。
媚薬の効能と痛みの相乗がアリィを痙攣させた。
「ひゃっ……!」
漏れ出た声の艶と、苦悶する表情の色香の凄まじさ。
衛兵の一人が槍を掲げようとするも、
「待て──!」
遮ったのは宰相ジハーディ卿の怒鳴り声だ。
彼の額には血管が浮き上がり、脂汗が滴る。
「使者どの……お戯れを……」
ジハーディ卿の呪詛を聞き流し、ゼフィロス卿は冷笑を深める。
「さてさて──本題ですが」
蜜酒の杯を差し出し再び詰め寄る。
「この国はもはや虫の息。
我々が保護しなければ三ヶ月と保ちますまい?」
言いながらアリィの喉元へ指先を這わせ始めた。
(こ、この男……本当に……!?)
恐慌が走る。
首筋への接触と同時に男は囁く。
「それとも貴方が政略結婚でも致しますかな? 王女として?」
脅しの裏には嘲笑がにじむ。
公式には国王直々に王子アラムと呼ぶ彼女を王女と呼ぶ侮辱。
だが決定的な言葉は宰相が遮る。
「無礼なッ! 国王陛下不在の席で──!!」
ジハーディ卿が咆哮した時だった。
突然の轟音!
謁見室の大扉が粉砕され瓦礫が宙を舞う。
そこに立っていたのは漆黒の鎧に身を包んだ女傑──
シャルザード近衛騎士団副長ファティマであった。
狼人種特有の嗅覚で室内の異臭(催淫蜜)を
察知した彼女は躊躇なく吶喊したのだ。
アリィの胸元から引き剥がすように
ゼフィロス卿の手首を掴んだファティマは、
「王太子殿下を害する者は例え友好都市オラリオであろうと……」
低く唸る声と共に牙を剥いた。
粉塵と硝煙が混ざり合う大気中、ファティマの灰色の狼耳が微かに揺れた。
謁見室を支配する異臭──媚薬の馨しさを嗅ぎ分けた本能が、
彼女の脊椎を凶暴な電流で満たす。
彼女の四肢は鋼線のように伸びやかだった。
腰布からは黒檀色の剛毛に覆われた尾が、
獲物を狙う鷹のように垂直に屹立している。
肩当ての隙間から覗く三角筋が膨張し、鎧の金属版が軋む音さえ聞こえた。
右手でゼフィロス卿の手首を掴んだ五指は岩盤に楔を打つ竜の如く──
指関節は蒼白になり、関節が砕ける寸前まで締め上げている。
「おっと……痛いですねぇ」
ゼフィロス卿の嘲弄にも、ファティマは微動だにしない。
眼球の虹彩が完全に縮退した獣の瞳孔となり、
獲物を値踏みする野生の集中力を放つ。
その傍らでオラリオ使節団の衛兵が剣を抜く素振りを見せた刹那、
「やめろ、双方とも、だ」
低い雷鳴のような警告が響いた。
扉の残骸を跨いで進み出たのは漆黒の外套を翻す偉丈夫──
シャルザード近衛騎士団長・フェイム・ヴァルトレイドである。
彼女の威容が、謁見室の温度を急降下させる。
鍛錬で削ぎ落とした肉付きにも関わらず、
戦士として必要な機能美を凝縮した四肢の密度が違う。
背筋は樹木のように一直線に伸張し、
肩甲骨の間には鉄塊でも背負ったかのような威圧感が漂う。
雑に纏められた漆黒の長髪の束が鬣のように揺れた。
「宰相閣下が制止したにも関わらず暴力行為に及んだな?」
フェイムの声には氷河が軋むような冷徹さがあった。
「王太子殿下への侮辱罪及び不法侵入。おとなしく捕縛されるか?」
彼女の左手は虚空に構えられ、
指先から不可視の刃──空気の断裂を生み出す技術を示唆している。
オラリオ側の冒険者たちは一斉に後退した。
噂に聞く『真空刃のフェイム』の実力を、
実際に見た者でなければ想像すらできない。
「……ちッ」
舌打ちしたゼフィロス卿の手首が軋んだ。
ファティマが掴んだままの骨が亀裂を入れかけている。
狼人の筋力はヒューマンの凌駕し、
ましてや彼女はかつて奴隷として虐げられながらも、
十年前の王女暗殺未遂事件において
十数名の刺客を単身で殲滅し、幼いアリィを守り通した猛者だ。
その功績で解放奴隷となり騎士爵を得てなお──
彼女の胎内に埋め込まれた獣性の源泉は燻り続ける。
アリィの汗に含まれる微量の甘酢が鼻腔をくすぐるだけで、
獣人は本能的に舌舐めずりをする。それが忌むべき生理現象なのだ。
「……まだだ」
ファティマが囁いた。
敬愛し、密かに懸想するアリィを穢そうとした男を
野放しにはできないと威嚇する。
「先ずはお前の手が離れるまでは何も始まらん」
フェイムがファティマとオラリオの冒険者双方に対する警告の意味を込めて
踵を叩きつけると、大理石の床に蜘蛛の巣状の罅が走る。
衝撃波が伝播し、謁見室全体が軋んだ。
窓ガラスに無数の亀裂が入る。
フェイム・ヴァルトレイドの威風堂々たる佇まいは、
謁見室の彫刻群さえも霞ませた。
彼女の身長は193c。
鋼鉄のように鍛え上げられた肉体が漆黒の戦闘用鎧の下で蠢く。
鍛冶屋ですら容易には加工できぬ硬度の皮革装甲をも隆起させる筋肉は、
過去の幾百もの死線を潜り抜けた証だった。
特に目を引くのは胸郭だ。
豊満な双丘が戦士として必要十分な厚みのある胸板で支えられ、
呼吸のたびに微かに上下するさまは、嵐の大洋の潮汐を思わせる。
その胸部装甲には無数の切り傷が刻まれており、
かつて傭兵団「戦乙女の刃」で副団長を務めていた時代の激戦を物語る。
腹筋は六つに割れた硬質な岩石のようで、
鍛え上げられた腹部のラインが革鎧の隙間から垣間見える様は壮観の一言に尽きた。
肩甲骨は翼のように鋭く伸び、
背中からは戦場を彷徨う巨人が背負う重荷にも似た威圧感が放たれていた。
その顔立ちは、戦神像を鋳造する匠が
芸術的狂気に憑かれた末に刻み込んだかの如く峻厳であり、
深淵を湛えた青紫がかった神秘的な碧眼は、見るものを射竦める力を秘める。
唇はワインレッドの濃厚な色彩を帯び、
口を開けば獣の吐息のような低く唸る声が漏れた。
彼女の来歴は、文字通り血塗られたものだった。
傭兵団副団長として従軍した彼女は数多の戦場を渡り歩き、
「真空刃」の異名をほしいままにしていた。
指先から放つ不可視の切断エネルギーは敵兵の首を刎ね、
時には大樹の幹さえ両断する威力を誇った。
特に有名なのは十五年前の北部山脈での遭遇戦。
三百の敵兵を単独で迎え撃ち、
真空波だけで屍山血河を築いた伝説が今日でも囁かれている。
そんな彼女が現役から退いたのは武勇に飽いたわけではなく、
運命とも言うべき邂逅がきっかけだった。
戦友との宴席で泥酔した折、
彼女は自室に戻る途中で同じ傭兵仲間の若き戦士に押し倒された。
二十歳そこそこの粗削りな体躯に覆い被さられながらも
抵抗せず受け入れた理由を後に彼女は「初めての恋情ゆえ」と語っている。
翌朝、一夜の過ちを悔いる男の謝罪に対し彼女はこう告げた。
「お前の未熟な腕前は忘れぬ」
それは叱責ではなく祝福だった。
生涯唯一の初恋であったにも関わらず
彼女はその後すぐに傭兵団を離れ
シャルザード王国へ召抱えられることとなった。
武術指南役として招聘された彼女は厳格ながらも実戦主義的な指導方針で
シャルザードの守備隊を短期間で劇的に鍛え上げた。
その功績により国王より褒賞を与えられ現在に至るのである。
フェイムの低く唸る声は大理石の床を這い、謁見室の埃を空中に踊らせた。
その瞬間、張り詰めた緊張が弾ける──
「おぉ……っ! この腕が千切れたら賠償金を請求しますぞ!」
ゼフィロス卿が絶叫するも声音は虚飾が透けている。
ファティマの五指は容赦なく手首を締め上げ続けた。
青筋が浮かんだ腕は紫色に変わりかけている。
「貴殿こそ不法侵入。拘束させてもらう」
この期に及んで謝罪する意思すら見せない使者に
覚悟を決めたフェイムが一歩前進すると──
ズンッ……
地響きが起き床石に新たな亀裂が放射状に広がる。
鍛え抜かれた脚の重心移動が生む震動だ。
「お待ちあれ!」
オラリオとの関係悪化を憂慮する宰相ジハーディ卿の制止の声も
怒りに震える二人の戦士には届かない。
アリィが必死に平静を取り繕い口を開いた。
「騎士団長……暴力は……」
声が震えている。
男物の上衣は裂けた胸元を隠しきれず薄紫の瞳には恐怖の色が滲む。
その潤んだ瞳と褐色肌のうなじがほのかに湿り気を帯びるのは媚薬の効能か。
「申し訳ございません王太子殿下……」
フェイムは深々と一礼する。
だが膝をつく動作さえも鎧の金属音が重々しく響く。
「私はただ任務を遂行するのみ……」
その言葉に偽りはない。
任務とは王族の警護であり国内秩序の維持である。
謁見室は歪んだ鏡の牢獄と化していた。
壁面の大理石には無数の罅が蜘網状に広がり、夕陽が斜めに差し込む。
黄昏の光線が舞い散る埃を黄金色に染め、
まるで古代神殿跡のような荘厳さを醸し出していた。
その中央でフェイム・ヴァルトレイドは漆黒の戦袍を翻し、
大地に根を下ろした磐石の姿勢でゼフィロス卿を見据えていた。
「我が君主への暴虐は国家の叛逆に等しい」
その声は磨かれた鋼よりも澄み渡り、
しかし火山噴火の予兆を孕む圧力を持っていた。
一方、ファティマは牙を剥く狼そのものだった。
掴んだゼフィロス卿の腕から骨が軋む音が響く。
指関節は朱殷に腫れ上がっていたが、
彼女の灰色の瞳孔は一点の曇りもない獣性で満たされていた。
「王太子殿下の肌に触れた汚らわしい手指よ……塵芥になるがいい」
犬歯が煌めき、いつでも骨を噛み砕く準備ができていることを示していた。
ゼフィロス卿は苦痛に顔を歪めながらも狡猾な笑みを浮かべていた。
袖口からは蜜酒に浸した薬嚢が零れ落ち、
床に紫色の液体が広がっていく。
「これは不幸な誤解です……落ち着いて話し合おうではありませんか」
いけしゃあしゃあと言ってのける胆力は、
アリィ達からしても流石はオラリオの使者、
歴戦の外交官と思わせる威風が漂う。
だが同時に不埒な企みも感じさせる。
宰相ジハーディ卿が脂汗を額に滲ませながら仲裁に入った。
「此度の件は私の監督不行き届きもございます故……!」
しかし声が上擦り言葉尻が消えかける。
彼は内心焦燥していた。
もし本気でフェイムが武器を抜いたら
オラリオの高位冒険者たちも黙ってはいまい。
そうなれば城内が戦場と化し、王都全体に波及しかねない。
緊張が臨界点に達した時──
アリィの喉仏が小さく上下するのが見えた。
彼女の男装用ジャケットは胸元が大きく裂け、
褐色の肌に汗粒が浮かんでいる。
薄紫の瞳は焦点がぼやけ、虚ろに床を彷徨っていた。
媚薬の効果が全身を蝕んでいるのだ。
腰布越しにも臀部の輪郭が強調され、
太腿の肉感が男物の乗馬靴を窮屈そうに押し上げていた。
(早く……終わって……)
その願いを叶えるべくフェイムが動いた。
「貴公の要求を承認しよう」
毅然と言い放った。
「ただし条件がある。媚薬入りの器具全て没収し報告書提出。
並びに今回の訪問記録から『政略結婚』の箇所を抹消した文書を寄越せ」
それは妥協案だった。
表向きはオラリオの意向を尊重しつつ、
実質的には侮辱的な提案を排除する巧妙な一手。
ゼフィロス卿の眉が微かに跳ねる。
「ほう……随分と譲歩されますな」
彼はファティマに押さえつけられた腕をゆっくり引き抜いた。
指の骨が数本ひしゃげていたが顔色一つ変えずに言い放つ。
「まぁよいでしょう……我々とて無益な争いは望みませんのでね」
そう言って床に転がった媚薬入りの薬袋を拾い上げると
ファティマに向かって放り投げた。
「返礼品としてお贈りしましょう……お気に召すと宜しいが」
その瞬間、室内に芳醇な薔薇の香りが漂った。
袋の破れ目から洩れた液体が彼女の戦衣の裾に染みを広げていく。
「……!」
ファティマの鼻腔が鋭く震えた。
嗅覚器官が痺れるほどの催淫作用を感じ取り、
反射的に後方へ飛び退る。
その際掠めた大腿の筋肉が微かに痙攣していた。
(これが狼人の弱点か……)
ゼフィロス卿は満足そうに頷くと配下の護衛に目配せした。
彼らは既に撤収の準備を終えており、
床に散乱した器具類を黙々と箱詰めしていた。
「さて帰還しますかな……」
そう呟きながら階段に向かう背中にフェイムが釘を刺す。
「忘れるな。貴殿が再び不埒な手段に出れば……」
「心得ておりますとも」
振り返った彼の唇が歪む。
「砂漠の王国ごときに何ができるというのです?」
その言葉を遮るように轟音が響いた。
フェイムの拳が大理石の柱を粉砕していた。
破片が宙を舞い夕日に照らされて煌めく。
「次はない」
低く唸るような宣告は砂嵐の前兆そのものだった。
オラリオ使節団が退出した後も重い沈黙が残る。
アリィは椅子の肘掛けに凭れかかったまま放心状態だった。
汗で濡れた上衣が肌に貼り付き胸の膨らみを露わにしている。
膝下で絡み合う脚は羞恥と昂ぶりで微かに震えていた。
(なぜこんな目に……父上の命令とはいえ……)
男装は彼女にとって仮面のようなものだ。
毎朝鏡を見るたび自己否定の念に苛まれる。
しかし今の困惑はそれとは次元が異なる。
ファティマが跪き介助しようとするが
その獣の爪が触れる度にアリィの躰が反応してしまう。
「殿下……失礼いたします……」
狼人は必死に自制していた。
嗅覚が狂わされている状況下で
主人の芳香を直接受ければ理性が崩壊しかねない。
それでも手際よく裂けた布地を結び合わせ応急処置を行う。
その指先が偶然アリィの鎖骨を掠めた。
「んっ……!」
思わず漏れた吐息に室内の時間が止まる。
宰相を含む全ての廷臣が息を詰め視線を逸らす。
フェイムだけは依然として壁際に立ち
鋭利な視線で警戒を怠らない。
「医師を呼ぶべきかと存じます」
彼女の提言に皆が我に返る。
ジハーディ卿が慌てて衛士を招集し廊下へ走らせた。
アリィは何とか立ち上がるも足元が覚束無い。
媚薬は依然として体内を巡り続けている。
薄紫色の瞳には涙の膜が張り睫毛が震える。
「……大丈夫です」
絞り出した声は掠れ切っていた。
「少し休めば平気ですから……」
そう言いながらも意識は朦朧とし始めていた。
肌表面が熱くなり粘膜部分に疼きを感じる。
これが媚薬の本領発揮なのか。
惨めさに涙が滲み、
嗚咽を押し殺すアリィの凄艷な色香に無言で凝視する臣下。
それは、ある意味で現在のシャルザード王国の縮図だった……
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
アリステラ・ラザ・シャルザード。
紅茶の水面に浮かぶ花弁のごとき淑やかさの中に、
灼けつく砂漠の太陽を閉じ込めた王妃。
彼女の微笑みは宮廷貴族の心臓を温かな羊毛で包み込むが──
その眼差しは常に、血のように熱く冷たい砂地を睨んでいる。
アリステラは玉座の間から遠く離れた王の私室で、
昏睡し続ける夫を看病していた。
王妃の指が夫のこけた頬を撫でる仕草は慈母のそれだが、
薄皮一枚隔てた内側では別の思考が煮えたぎる。
(娘に男装など押し付けて……
せめて、亡くなってくれればやりようもあったというのに……)
彼女の美しさは宝石と水と砂の混合体だった。
瞳は深煎りのアッサムティー。
夕暮れの光が注げば琥珀糖色に輝く。唇は薔薇の萼びらそのもの。
花弁がほころびかかる寸前の張りと微かな濡れ。
肌は天鵞絨の絹布。
触れるだけで指紋に吸い付きそうな滑らかさを持ちながらも──
王妃が宮廷陰謀を操る時だけは蛇の鱗のように冷たく艶めく。
胸は豊満ではあるが形は理想郷の円錐。
頂きに咲く乳嘴は珊瑚礁の浅瀬で見つけた小石の彩りに似ていた。
かつて隣国ラズワルドの大富豪の娘として育った彼女の人生は──
政略結婚という名の地雷原を裸足で歩く道のりだった。
婚姻当初はシャルザード王国への愛国心など欠片も持たず、
むしろ傲慢な商家の娘特有の驕りを持っていた。
「シャルザードの土臭さには耐えられますまい」
という父親の嘲りをそのまま胸に抱き、
輿入れ直後の晩餐会で毒入り葡萄酒を勧められてから初めて気づいた。
この国が彼女という"商品"を買い取った真の理由。
すなわち、ラズワルドが保持する
南部肥沃地帯への経済侵略拠点だったこと。
王宮に蔓延る陰湿な策略に対抗すべく、
アリステラは自ら率先して学んだ。
毒見役を欺く甘言と嘲笑。敵将の寵童に贈る菓子の選び方。
彼女が十七歳で初めて暗殺者を送り返した夜に悟った真理がある。
「この王国で生き延びるには獅子が必要だ」
そして最も優秀な雄獅子は娘アリィだった。
しかし父王がアリィに男装を強いた決定打が理解できぬ。
王妃自身も気づかぬふりをしている真相が胸に突き刺さる。
(あの娘は……あまりにも美しすぎる。
男どもが唾をつけるには眩しすぎたのだ)
実際に昨夜アリィがオラリオ使節に襲われかけた一件を聞いて以降、
王妃の心は複雑骨折した人魚の骨格図みたいに軋んでいる。
政略結婚の道具として他国に娘を嫁がせたくない気持ちは確かにある。
けれど同時に──
アリステラは確信を抱く。
(この馬鹿王……恐らくは"己の支配欲"を満たすためにアリィを……)
夫が眠りについた三年前の出来事が蘇る。
王が側近たちを召集して宣言した夜のこと。
「我が娘はシャルザードの魂魄なり。故に剣と鎧を授けよ」
そう述べた直後の妻を見る目の底知れぬ闇。
その夜、寝室で王妃が夫に問い詰めた瞬間に見た表情こそ──
最愛のペットを拷問具に吊るす飼い主の愉悦にほかならなかった。
「なぜ……?」
震える声に返ってきた答えは短かった。
「可愛いものは苦しめたくなる性癖なのだよ」
◆◆◆◆◆◆
王妃アリステラは薄絹のヴェールで覆われた窓辺に立ち、
砂漠の夜霧が宮殿の尖塔を舐める様子を眺めていた。
月光が雲海のように堆積した砂丘を銀色に染め上げる光景は、
まるで死出の旅路を照らす松明のようだ。
彼女は細長い指先で窓枠に刻まれた百合の模様をなぞりながら、
脳裡に焼き付いた記憶を呼び起こしていた。
三年前のあの晩──
夫である王が執拗に求めた夜伽の際に囁いた言葉を。
「お前の娘は……余の作品だ」
そう言って王はアリステラの乳房を背後から揉みしだいた。
王妃の身体は熱病のように震えていたが、
内心は氷のように冷えていた。
(芸術家気取りの痴愚な男め)
父王は幼いアリィの性別を偽装する政策を打ち出し、
王妃が反論すれば暴力で捩じ伏せた。
男装は王が編み出した「玩具への束縛具」に他ならない。
「男として育てれば……永遠に穢れぬ聖域となろう?」
王が歪んだ笑みを浮かべて言った晩餐会の一幕。
参加者たちが咳払いで誤魔化そうとする中で、
アリステラだけが夫のグラスに注がれたワインに気づいていた。
硝子底に沈んだ粉末は麻薬「夜鳴鳥の涙」だ。
(この男は娘を自分の欲望の捌け口にしている)
その疑惑が確信に変わったのは、
アリィが十三歳で初めて戦陣指導を行った日のことだった。
城壁の上で父王が指示を飛ばす横顔を遠くから見つめながら、
アリステラは息を潜めていた。
王の視線がアリィの鞍上に固定されているのを見て戦慄する。
(まさか……)
その予感通り、父王は後にこう告白した。
「あの馬乗り姿は見事であった……尻の筋肉の躍動よ」
王妃の血管が破裂しそうになった瞬間だった。
アリィが鞭を振るう度に靡く髪の一本一本まで目撃していたのだ。
現在アリステラが最も恐れているのは、
オラリオ使節団の再来ではなく王の覚醒だった。
もしも夫が目覚めれば間違いなくこう命じるだろう。
「余自らが娘を抱く儀式を執り行おう」
だからこそ彼女は今日も看病を装って夫の点滴に睡眠薬を混ぜている。
(あの子だけは……私が守らねば)
母性愛と復讐心が溶け合わさった決意を胸に刻みながら。
◆◆◆◆◆◆
アリィは治療室のベッドの上で虚脱状態にあった。
身体の奥底で何かが蠢いている。
媚薬の毒素が血液循環に乗って全身に広がる感覚。
腹部の中心から発生した疼きが脊椎を伝わり四肢末端まで到達する。
「くっ……ぁ……」
声にならぬ呻きを漏らしながらベッドカバーを握りしめる。
汗で濡れた布地が肌に張り付き体温を奪っていく。
王宮医師長バルハルが傍らで嘆息する。
「これは相当強い薬物だ……」
初老の医師は白髭をなでながらも冷静な手つきで触診を行う。
指先がアリィの首筋に触れただけで彼女の肩が跳ねた。
(いけない……誰にも触られたくない……)
だが同時に身体は刺激を求めてしまうという矛盾に翻弄される。
医師助手の若者が持参した解毒薬を検分するバルハル。
その間もアリィの呼吸は浅く速くなっていく。
胸の動悸は暴風雨にさらされた帆船のように激しく、
肋骨内部で鼓動が反響する。
彼女の薄紫色の瞳が潤んで霞んでしまう。
(わたしは……王子なのに……)
そんな矜持が脆くも崩れ去る瞬間があった。
「殿下……こちらをお飲みください」
医師助手が差し出した陶杯を握ろうとして──
指先が震えて滑り落ちた。
澄んだ液体がベッドカバーに染みを作り、
褐色の肌に跳ねた滴が胸元の谷間に沿って流れ落ちる。
「申しわけございません!」
謝罪する助手の声が遠ざかる。
アリィは無意識に舌先で自分の唇を舐めた。
(この媚薬……砂糖より甘い……)
その仕草にバルハル老人が眉を寄せた。
「いかん……中毒症状が始まっとる」
確かに甘美な夢幻が迫ってくる。
瞼の裏に浮かぶ幻影は少年騎士団の仲間たち。
彼らが次々と接近してくる光景。
「アラム兄ぃ……俺がずっと守りますから!」
いつも冗談交じりに言う部下のリファードが突然豹変し唇を奪ってきた。
口腔内に押し込まれる舌の感触までもリアルに再現される。
(違う! これは幻想……)
必死に否定しても身体は反応してしまう。
膣の奥で蠕動が始まったのだ。
横たわるアラム──いや、アリィと呼ばれるべき少女の肉体は、
重苦しい男装の衣に包まれていながら、今や内側から蝕まれていた。
布越しに伝わる熱。
それはまるで砂漠の夜更けに潜む幻惑のように、
忍び寄り、確実に心臓を掴んでゆく。
信頼する親衛隊に輪姦される妄想など、彼らに対する侮辱だと理解っている。
それでも、普段共に過ごす中、不意に感じる視線についた色……
男装で抑えられなくなった乳房の谷間や、
鏡でみた自分ですら、
コレで男のふりは無理だろうと分かる唇や表情の色っぽさ。
騎士としての訓練中に弾む尻を凝視される感覚に妄想が止まらない。
「殿下……我らは部屋を出ます。今夜一晩は誰も近づけは致しません」
もうやれることが無いと悟った典医は、
アリィの艶姿に生唾を飲み込む助手たちや女官を連れて
彼女を一人にしてやることにする。
一人にしておけば発情を落ち着けることは出来ずとも、
誤って彼らが彼女を襲うことは防げるという判断だ。
男装をしているはずのアリィがこんな姿を見せてしまい
全てを台無しにするのも嫌だろうと思っていた。
退室を促す言葉が終わるや否や、
扉がゆっくりと閉まっていく音だけが室内に残る。
しかし彼女の意識はすでに外界から断ち切られていた。
────ああ……っ!
喉から漏れ出るのは甘くかすれた吐息。
男装を強いられた少女は今宵またひとつ罠にはまったことを痛感する。
普段なら自制できるはずの感情が解き放たれる感覚。
父に無理矢理押し付けられた騎士服の内側で、
豊かな双峰がむくむくと膨れ上がり衣服を窮屈にさせている。
その苦痛と快楽の狭間で揺れ動く身体。
(ダメ……こんなのおかしい……私は王子なのに……)
理性の叫びと裏腹に下腹部では蜜が溢れ出して止まらない。
焦燥感と共に伸ばされた右手がベルトに伸びる。
金具の隙間から差し込んだ指先が届いた瞬間──
「ひゃあん!!?」
予期せぬ刺激が奔流となって迸った。
濡れて貼りついた布地を剥がした刹那、敏感になった芽に擦れる。
腰砕けになりそうになるほどの電撃とともに漏れ出した嬌声。
咄嗟に左手を噛み殺そうとするが遅い。
むしろそれが新たな火種となったことに気づかないまま
もう一度慎重に触れてみると……
(どうして? いつもと違うのに……どうしてこんなに気持ちいいのぉ!?)
指にまとわりつく透明な糸引く粘液を見て愕然とする。
自分で作り出したこととはいえあまりの量の多さに戸惑ってしまう。
普段であれば自己嫌悪と共に終焉を迎える行為なのだが今回は異なる。
媚薬による催淫効果で脳髄まで蕩けそうな悦楽に抗えない状態なのだ。
さらに深刻な問題があった──それは"男装"という強制的な拘束である。
本来ならば自然に流れて消えるであろう昂ぶりすら封じ込めてしまっている。
窮屈な補正下着のせいで余計に胸先は苛まれて
尖った乳首が布越しに擦れるだけで痺れる快美感。
下半身だってそうだ。
男物の形状ゆえに余計にもどかしい刺激を与え続けてしまう。
「ハァ……ハァ……っ!」
乱れた息遣いの合間に聞こえてきたのは遠い水音──
自慰による分泌物が床へ垂れ落ちる微かな滴りだった。
自分の淫猥な反応を目撃した羞恥心と背徳感が一気に押し寄せて来る中
それでも手は止まらないどころかますます大胆さを増していく。
「お願いです……誰か来てくださったら……助けて…………!!」
声にならない願望は虚空へと消えゆくだけだった。
否応なく自慰行為を続けるしかないアリィの瞳からは大粒の涙が流れ落ちていく。
父親によって男装という呪縛を科せられたはずの
可憐な乙女は今まさに自分自身に犯されていたのである。
その事実だけがただ辛く切なくて哀しい現実だった……
信頼する男性たちが、
イヤラシイ表情で自分を押さえつけて来る想像に乳首が尖る。
震える手でボタンを外し、解放された巨乳を見られ、
詰られる光景を幻視して、桃色吐息が漏れる。
「ダメ……みないで、皆……私は王子……アンッ♡」
このオッパイでオトコは無理でしょと
呆れた風に言われながら指が乳肉に埋められる。
(こんな妄想をしたらおしまいだ!)
叱責のつもりだったのに逆に感じてしまった。
自分の異常性に怯えてももう遅い。
背筋に走る寒気と同時に込み上げてきたのは異様な高揚感だった。
今まで抑圧されていた分野が爆発的に拡大する気配を感じる。
(わたしなんか……こんな……)
自嘲混じりの思考と共に湧き上がるのは被虐の悦び。
押し倒され服を引き千切られ
嘲笑われる姿を思い浮かべると妙な安心感があることに気づく。
(これが本当の私なんだわ……!)
その瞬間堰を切ったように情感が噴き出していった。
その途端頭蓋の中に閃光が走る。
次の瞬間には口角が上がってしまっていたことに驚く。
(ちがう! そんな気持ち悪いこと考えてない!)
慌てて否定してもすでに遅く両頬に朱色が昇ってしまう。
相反する感情がぶつかり合う心の劇場は混沌としているはずなのに
案外悪くない気分だと気づいてしまい余計困惑させられた。
一方で同時に怖くなったこともある。
もし本当にそうなってしまった場合は
取り返しがつかなくなるのではないかということだ。
仮に実際に起きていないとしても考えただけでも危険極まりないのである。
(もっと大事なことがあるはずなのにどうして!?)
乳房を這う指が止まらない。
妄想上の騎士たちは、アリィの男装を嗤い、父王を愚かと侮辱する。
それでも止められない。
「ちがうのっ……こんなの望んでなんか……ヒぅうう♡!」
叫べども無駄だった。
心拍数が急上昇するにつれて思考能力も低下の一途だ。
頭の中に靄がかかったみたいになって何もかも把握できない状態に陥る。
ただ一点明白な事実といえば、
今現在自分が置かれている状態において如何ともし難い快楽。
ベッドサイドの燭台に灯る炎が壁掛けの影を大きく揺らす。
煤けた天井に投影された騎士団の影法師が鎧を震わせ近づいてくる幻影。
(嘘でしょ……? こんなに興奮してるなんて……)
アリィは巨乳を両手で掴みながら背中を弓なりにしならせていた。
胸元の衣服は乱れてしまっていて豊満すぎる乳房が覗いている。
尖った先端が薄暗い光を反射させて妖しく輝いているのがわかる。
彼女が身につけたままになっている
ズボンの股間部分は見るも無残な有様になっていた。
そこからは湯気のような蒸気が立ち昇り、
シーツに染みを作っている最中だった。
大量の蜜液によってぬかるんだ湿地帯と化していて
とてもじゃないけど嗅げそうもないくらい強い匂いを放っているようだった。
「だめぇ……! もう少しで……」
そんな状態にも関わらず一向に収まる兆しを見せていないようだった。
寧ろ時間が経つにつれてどんどん強くなっているようですらある。
それに比例して息遣いも激しくなっていく一方。
唇の端から流れ落ちる涎さえも拭うことなく一心不乱に妄想する。
毅然と拒絶しても、泣いて懇願しても
獣欲に支配された男たちは聞く耳を持たない。
王家の誇りも人としての尊厳も剥ぎ取る蛮行。
男装を捨てろと吠える野卑な声。
自分はここで雌犬以下の存在だと宣告される屈辱的体験。
(なんで……こんなにドキドキするのよぉおっ!)
抵抗すればするほど滾ってしまう自分に嫌悪感を抱く。
でも本能的にはもっともっと乱暴にして欲しいと思っている節もある。
そういう意味で言えば完全に病んでしまったと言ってもいいかもしれない。
(あれ? この手って誰の?)
視界がぼやけて判然としないけれど明らかに自分のものではないサイズ感。
ごつごつしていて暖かい大柄な掌の微妙な凹凸が伝わってきていた。
その表面は湿っていて少しばかりザラつきがあった。
その感触だけでも十分に想像できる事実に対して
鼓動が早くなる速度も倍加する一方であった。
まさかと思う気持ち半分好奇心が大部分占めていたことは否定できない。
躊躇いがちに視線を下方へ移すとそこには信じられない光景が広がっていたのだ。
そこにはゼフィロス卿がいた……
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
煌々たるランプが壁に幾重もの影を刻む貴賓室。
重厚な扉が軋む音と共に入室した人物は
交渉団の主導権を握る長身のエルフ──ゼフィロス卿だった。
円卓中央に広げられた羊皮紙には北カイオス地域の地形図が描かれていた。
色褪せた褐色地図上には無数の赤い印が灯台のように並んでいる。
「ワルサが北部交易路を掌握した時点で我々の選択肢は一つ」
ゼフィロスは眼鏡越しに冷静に分析を述べた。
闇派閥の介入/支援を受けている疑惑の濃厚なワルサが、
地域覇権国となる悪夢は最早避けることのできない既定路線だ。
その流れを利用し利潤を最大化するためにシャルザード王国への影響力を強めたい。
それがオラリオ上層部の一致した認識であった。
ただし単に政治介入するだけでなくより具体的な利益を追求するため、
オラリオはシャルザード王室との関係を利用して
何らかの恩賞または契約を獲得しようと企てる。
つまり形式上友好条約や貿易協議といった文面上の手続きを取りながら
実質的には植民地化または準植民地支配体制へ変更しようとしているのである。
これこそがオラリオ上層部共通の意思決定であり目論見であった。
このような欺瞞的行動には当然リスクが伴うものの
それ以上の旨味があると考えて行動に出るのであった。
特に豊富な魔石資源が存在するオラリオにとって流通経路確保は死活問題であり
そのために外部勢力との衝突回避も重要課題となるからこそ
今回のような決断へ繋がるのである。
また、ゼフィロス卿個人の思惑として、
彼はロイマンら他派閥メンバーよりも
速やかに成果を挙げる必要性を感じていた。
なぜならばギルド内において一定地位を得るために不可欠だからである。
特に次代リーダー候補として注目を集めている段階において
こういった大掛かりな外交案件解決成功例を
提示することは極めて重要なポイントになる。
ゆえに今回も率先して動こうとする所以であった。
一方シャルザード側にとっては絶望的な事態であったと言えるであろう。
彼らにとって最重要視すべき点といえば主君家族存続だったはずなのに
すでに取り返し不可能な局面へ追いやられつつあったからだ。
しかも唯一希望であった支援要請活動ですら
失敗寸前となってしまっている状態なのだから尚更である。
この様な形で形成された特殊条件下にて
交渉開始されることになったわけだが、結果はどうなるであろうか?
おそらく両者間の温度差から鑑みれば
容易に推測可能であると思われるものの敢えて展望せずにおこうと思う。
結局のところ政治とは水面下で行われるものであって
それを直接知る方法などまず無いに等しいものなのだから……
ただ確かなことは一つだけ存在する。
すなわちこの出来事をきっかけとして、カイオス砂漠地方全域のパワーバランスが
大きく崩れることになるであろうという事実だけである。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
陽光が灼きつく塔廊下には甘い香料が澱んでいた。
香炉から立ち上る紫煙は砂塵に混ざりながらも
どこか濡れた蜜柑の皮のような淫靡な甘酸っぱさを孕む。
壁柱に凭れた影の一つ——
狼人騎士ファティマ・アル=ハイラーンが爪を噛み切るように唇を歪ませていた。
鋭い犬歯が下唇を抉り出血寸前まで届くが痛覚よりも苛立ちの方が上回る。
眼前の石畳にはゼフィロス卿一行の長靴跡がいくつも焼き付き
「征服」の烙印を押された宮殿は哀しげに呻いていた。
「殿下……お嬢さま……!」
呟きは掠れ消えたものの骨膜に沁みて離れぬ。
あの華奢で気高い主君——アラム王子もといアリィ王女。
男装に隠しきれぬ双峰と臀部が日毎重みを増すのを
自分が一番熟知している事実が胸を掻き毟る。
彼女を護るため血反吐を吐きながら得た力も、役立たず。
どんなにイキった所で、オラリオの支援がなければ
シャルザードは滅びを免れず、最愛のアリィもナニをされるか。
処刑?
否、あのような美しくエロい雌を手に入れたケダモノのヤる事など一つだ。
羨ましい……イヤイヤ、違う、そうじゃない、悍ましいっ!
首を振って煮詰まった思考をリセットする。
どう考えても、先程の自分はやり過ぎた。
ゼフィロス卿に対し、謝罪が必要不可欠だろう……
いやしかし———、
(あぁ……私の……バカ……!)
後悔が潮騒のように襲ってくる。
あの傲慢なエルフに向かって
啖呵を切ってしまった事実が背後に張り付いた尾を思わせた。
舌根まで達した虚勢は脆く砕け散り
口内には苦い錆の味が広がるだけ。
一時の感情に支配されて暴走した後悔に心が沈む。
でも私に出来る事といえばこの血塗れの刃を手土産に
己を餌に買い叩くしかないではないか!!!
そう心の奥底で狂気を孕んだ決意が膨らんだ。
**********
「いいのですね? 騎士ファティマどの」
ゼフィロス卿の宿泊する貴賓室が夕焼けの陰影を飲み込んでいる。
窓外から伸びる茜雲の切れ間に
蒼穹がわずかに垣間見え消える。
まるで今の心境だな———そう思った。
ゼフィロス卿は椅子に凭れ眼鏡フレームを軽く指先で押し上げた。
冷徹な翠眸には「承認」ではなく「了承」が映っている。
交渉材料を値札なしで棚卸しされている感覚が胃袋を軋ませた。
「必要なものは全て揃えました。本日の業務終了後。
客間───香水と絹帷に包まれた寝室です」
喉が乾きすぎて言葉が掠れたが努めて平静を装う。
唾液腺から滴る粘液を飲み込む暇さえ惜しかった。
「ゼフィロス卿御指定のドレスコード。
銀鼠色のスレンダー・ワンショルダー……
露わになった右肩には獣紋の刺青を見せよ……畏まりました」
自ら告げた条件が棘となって刺さり抜ける。
肩にかかる鈴蘭模様の衣擦れが過去の奴隷時代を想起させた。
鎖を引き摺る音と共に焼き付けられた忌々しい隷属の証。
それを誇示して求めよという残酷さに膝が揺らいだ。
「見返りは……」
問う声は我ながら滑稽なほど震えていた。
獣神の咆哮がどこか遠くで響く錯覚さえ抱いた。
ゼフィロスは笑うでもなく頷いた。
それは商品査定の完了報告にすぎぬ無機質な動作。
机上に差し出された木簡は薄闇に浮かぶ聖遺物の如く眩い。
文字列の羅列が網膜に焼き付くたびに意識が切り裂かれんばかりになる。
「我が盟友ディオニュソス様より賜る書簡と義援金。
また、同盟国に対する支援としてLv.5以上の眷属が率いる
傘下ファミリアを含めて百名を超える防衛戦力の常駐を確約」
低い囁きが耳朶に絡みつく。
毒蜘蛛の糸のように細く危険な響きだ。
甘美な罠だと理性は警鐘を鳴らすが
肉体の奥底から湧き上がる欲求が蓋をする。
弱者の悲哀とはこういう事なのだ——
自嘲を噛み殺し背筋を伸ばすしかなかった。
「わかりました」
絞り出した一声。
その後に続く沈黙は重い杭を腹腔へ埋めた。
この決定によってどのような災厄が降りかかるのか予測不能だとしても
今ここで引けば祖国も主君も粉微塵になってしまうだけ。
であればこそ進まねばならない道を選んだつもりであった。
部屋を退出する際
廊下の大理石床に反射する炎が妖艶な光を投げかけてきた。
蝋燭立ての炎は小さくて儚いのに温もりすら感じない。
扉の向こうには常闇が待っているのだと思えば身慄いしか起こらない。
しかし同時に高揚感にも似た奇妙な昂ぶりがあったことも確かだ。
これから迎える夜伽には恐らく凄惨極まりない凌辱劇が待ち構えているのだろう。
それでも己は微笑むべきなのか悲嘆に暮れるべきなのか
判然としないまま歩を進めるしかなかった。
(きっと私は壊れてしまうのだろうな)
それでも止まれない理由——
愛する存在を救うためなら何だってできる筈。
そう強く自分自身に言い聞かせながら彼女は闇夜へと身を投じていく。
どれほどの恥辱であろうとも耐え忍び
乗り越えなければならない試練なのだと理解しながら。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
深い黄昏が宮廷の梁を滲ませる頃合い──
ファティマ・アル=ハイラーンは磨き込まれた大理石の廊下を歩いていた。
足元に落ちる長い影法師が自身の卑小さを責める鞭となってまとわりつく。
ひと呼吸ごとに肺臓を満たす甘い香は
壁に据え付けられた香炉から立ち昇り
まるで獲物を迎える花嫁の吐息のように重い。
袖口をきゅっと摘むと冷気が籠もる。
ゼフィロス卿が指定した衣裳は銀鼠色のスレンダー・ワンショルダー。
しなやかな狼獣人の身体を強調する裁断は背筋を冷やし
露わにせよと言われた右肩には生涯消えない隷属の痣が生々しく蠢く。
「……この程度で臆するわけにはいかない」
囁いた決意は嗄れかけ
唇から零れたのは割れやすい硝子片のごとき不安だった。
***
謁見の間から二室隔てた貴賓室の扉を開けると
そこは闇と絹が織り成す濃縮された静寂だった。
床に敷き詰められた紅蓮絨毯は波打つ湖面のようで
歩を進めれば踏み抜いた闇が液体のように溢れ出す錯覚に囚われる。
窓は固く閉ざされ外界の喧噪を遮断し
松明一つなくとも空間全体が幽かに光る。
光源は月光───
曇天を穿ち注ぐ薄青色の稲妻が
吊り下げられた琥珀ガラスを透過して
室内を翡翠の霧で満たしていた。
ゼフィロス卿は巨大な天蓋ベッド脇に立っていた。
漆黒の礼装は葬列の参列者のよう。
翡翠の額飾りと金の櫛編みが禍々しく輝き
ゆっくりと振り向く動作だけで部屋全体が
吸い寄せられる引力を帯びた。
「御待たせいたしました」
喉奥が軋み乾いた金属音を立てた。
跪こうとした瞬間、肩甲骨の奥が熱を孕んで疼く。
露出させられた刺青が彼女の正体を訴えかけるかのようで居竦む。
ゼフィロス卿は何も言わない。
ただ視線が一条の鋼鉄となって走り抜け
裸身同然の右半身と豊饒な胸部
そして腰元から脚へと連なる獣人らしい逞しいラインを舐めた。
羞恥は雷雨に撃たれた若木のごとく
芯まで浸透して焼け爛れる。
それでも逃げることは許されない。
これは交渉ではなく売却なのだと言い聞かせる。
「素晴らしい」
低く響いた賛辞は
むしろ屠殺場で牛馬を品定めするような平板さ。
ファティマは顎を上げた。
「申し渡し通り支度いたしました。あとは卿のお気に召すまま」
最後の一文は自棄的な刃物になり自らの首筋を傷つけた。
疼痛とともに滲む血液は甘露の香を放つ。
これが呪われた体質の所以。
ゼフィロス卿は手袋を脱ぎ捨てる。
白磁器のような手指が空中で弧を描き
その軌跡だけで氷霜が凝結する幻視を見る。
近づく気配はない。
ただそこに在るだけで空間が震える。
「座り給え」
促されるまま肘掛け椅子へ。
肌触りは羽毛よりも柔く体温を奪う冷気を孕んでおり
座面へ沈みこむたびに心臓が跳ねた。
正面に立つ男の影が四角い枠となって彼女を捉える。
「君の犠牲精神には感謝する。
さて……商取引に相応の報酬を添えねばなるまい」
冷えた声音の裏で愉悦が泡立っているのを感じ取り
ファティマは膝頭を堅く組んだ。
「国と主君の為なら我が身など塵芥同然」
「潔いな。だが忘れるな、
塵芥を掃き集めるのもまた吾輩の自由なのだよ」
ゼフィロス卿の指先が肩口の刺青を掠め
刹那電流が走ったような痺れに襲われる。
その箇所を中心に淫蕩な熱が拡がり膚を火照らせる。
無意識に身体が震えた。
「ほう……」
男の唇から洩れたのは驚嘆か嘲笑か。
いずれにせよ嗜虐の欲望を煽るのは間違いなく
ファティマは眉根を寄せながら吐息を整えた。
「アリィさまが無事でいればそれでよいのです」
「結構。では奉仕を始めようか」
ついに決定的な号令がかかり全身の神経が昂ぶる。
右手で左手首を押さえ込み衝動を抑えつけるが効果は薄い。
呼吸が浅くなり目尻に涙が溜まり始めた時
ゼフィロス卿は鷹揚に寝台へと腰を降ろした。
「こちらへ」
招かれるまま立ち上がり褥に伏す。
厚い敷布が沈み込んだ隙間から麝香の濃厚な香りが立ち込め
正常な判断力を濁していく。
衣服の裾が捲くれ上がり腿裏に冷や汗が滲む。
下腹部では鼓動のリズムと共に何かが蠕動している錯覚。
「まずは忠誠の誓いだ」
ゼフィロス卿が投げ出すように差し出した掌に
ファティマは恭順の接吻を与えた。
乾燥した薄い肌と皮脂の混合臭が鼻腔を刺し
胸の奥で不快と興奮が拮抗する。
同時に触れられた刹那またあの灼熱が奔り
咽喉奥が甘く呻いた。
「あ……っ」
漏れてしまった声を噛み潰す暇もなく
次の指示が飛ぶ。
「奉仕するがいい。
君の価値は忠誠のみならず身体にあるのだ」
侮蔑的な言葉にも反発できず
かえって胸裏に潜む被虐性が呼び覚まされる。
この卑猥な自己嫌悪こそが今の彼女を突き動かす原動力だと思い知らされた。
***
時間感覚は喪失した。
幾度も角度を変え向きを変え
互いの体温を媒介にする儀式めいた行為が延々と続く。
潤滑油は分泌物か香油か区別つかぬ。
ファティマは絶え間なく与えられる刺激に溺れ
自我を保とうと爪を噛んだがすぐ剥がされた。
血と涙と粘液と喘ぎが折り重なり褥は水没船のごとく沈んで行く。
恥辱に霞む意識のなか遥か遠くでアリィの朗らかな笑みがちらつき
悲鳴に近い叫びを堪えることに専念する。
獣人の聴力は過敏になりすぎて自分の鼓動さえ外耳道を塞ぐ。
心臓と腟孔が同一器官になり果てたみたいに共振し合う。
「もう……もう充分でしょう?」
喘ぎきれずに途切れた懇願。
返ってきたのは荒い呼気と腰を打ち付ける衝撃のみ。
ゼフィロス卿は一度たりとも容赦など見せず
逆に疲弊したファティマの反応に喜悦を募らせている様子。
猛禽類の狩猟本能を具現化したような執拗さは果てがない。
ゴリゴリと最奥を抉る腰使いは女を雌にすることに長けた熟練の業。
狼人であろうが関係ないとばかりに暴き立て
強靭な筋肉を弛緩させる快楽地獄へ引き摺り込む。
意識が宙に浮いた直後、再び引き戻され
終わらない螺旋階段を昇ったり降りたり。
「ア……リィ……さま……」
譫言じみた囁きは己への叱咤であったのか
あるいは諦念の告解だったのか。
答えを得ぬまま彼女はただ与えられるものを享受し続けた。
肉体の反応と意志の乖離が
かつて受けた隷属の日々をフラッシュバックさせる。
それでも生き永らえた意味を見出すことで辛うじて正気を保つ。
***
訪れた休息は仮初めの墓標のようだった。
ファティマは襦袢一枚で横たわり
肩甲骨から首筋にかけて刻まれた新しい歯型を眺めている。
そこには憎悪や嫌悪だけでなく
奇妙な安堵にも似た感情が混じりこんでいることに気づいてしまう。
これで終わりではないと本能が警告する一方で
確かに僅かながら充足感もある。
(これで……少しはアリィさまを守ることができる)
自己弁護に似た結論は苦汁を湛えていても
不思議な安らぎを与える。
結末はわからない。
未来への道筋など闇市同様に先読み困難。
それでも今宵この身を差し出し捧げた事実だけは真実だ。
底なしの性欲に晒され、気絶しては叩き起こされる恥辱。
小生意気な狼人を理解らせる凌辱は留まることを知らぬ。
健康的なチョコレートブラウンの肌は白濁に映え、
鮮血の朱は真珠貝を削ったかのように輝いていた。
そしてこの狼娘は——
ファティマはどんなに激しく犯しても最後まで矜持を捨てぬ。
その強靭さがなおさら加虐心を煽り立てて止めどない。
「もっと泣き喚け」という哄笑が頭蓋内で谺する。
こんな狂宴でしか自己を肯定できない愚かさは
傍目には嘲笑に値するだろう。
それでも弱者は祈るしかない。信じるしかない。
目を閉じる。
夢現の狭間でアリィの清澄な微笑みがよぎり
罪悪感と献身の境界が曖昧模糊となる。
どちらが正しいかなんて誰にも解らぬけれど
少なくともファティマは今日も明日も主君のために堕ち続ける。
それが宿命であり使命であり
狂おしいほどの愛情故である限り——
薄れゆく意識の中で彼女は仄かに微笑み
己の敗北と再生を讃えるように微睡みの中に溶けていった。
絹帷は裂け 銀鼠は泥に沈み
獣紋は月光を拒むように暗く蠢いていた
それでも———
愛する人が笑ってくれるなら
何でもする。
何だってする。
この身すべてを灰燼に変えようと。
……そう想っていたのに。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
燭台の火は赤い舌を垂らしながら絹帳を舐めている。
絹の襞は蜜のように絡み合い、部屋全体に甘い酩酊の匂いが漂っていた。
そこに沈むのは二人──。
一方は寝そべりつつも冷徹な眼差しで相手を見据える老人。
もう一方は荒い息をつきながら彼の腰に跨り、獣のように喘ぐ女性騎士だった。
「フゥ……ッ! ふぅ……っ!」
ファティマ・アル=ハイラーンは獣じみた嬌声を漏らしている。
普段の端正な容貌は蕩け、玉の汗を浮かべて項垂れた顔には屈服の色が濃い。
その腰が上下左右に律動するたび豊かな臀部がぶるんと揺れ
しなやかな太ももの付け根から透明な雫が飛び散った。
「……くっ……畜生めっ!」
罵倒とも哀願ともつかぬ声を上げ、彼女は拳を握り締める。
牙を食いしばる口元からは白沫が零れ落ち
真っ赤な頬には滂沱たる涙が流れている。
「フフフ……良い眺めですねぇ騎士殿」
ゼフィロス卿は悠然と枕を背にしてその姿を愉しんでいた。
皺だらけの老体でありながら鎧のような筋肉が隆起しており
ファティマが体重を掛ければ掛けるほど彼の剛直は彼女の核心を貫き通す。
「あなたの忠誠心には感激しますよ。このような形で示してくれるとは」
冷笑混じりの拍手が薄暗い室内に響く。
その嘲笑に反応しファティマはさらに激しく身を捩る。
結合部がぬちゃりと湿った音を立て
銀鼠のワンショルダーから剥き出しになっている乳房が弾む。
柔軟な筋肉繊維を収めたそれは雄渾な丘陵を築き
先端の尖塔は淫靡な艶を纏いつつ弓なりにそそり立つ。
「や……やめ……っ!」
懇願とも喘ぎともつかない声が絞り出される。
けれど腰の律動は止まらずむしろ加速していく。
内部で煮えたぎる獣欲を鎮めるためには動くしか無いからだ。
もはや理性では抗えない。肉体が本能に支配されていた。
「止めて欲しいと? 本当に?」
ゼフィロス卿は愉快そうに嗤う。
干し葡萄のような節くれだった手が伸び
ファティマの胸板を這い回る。
硬く痼った乳首を捻るように摘まれた刹那──!
「ひゃぁああああんっ!!?」
彼女は鋭利な悲鳴を迸らせた。
背中が弓なりに反り返り、胎内の熱源が猛然と暴れまわる。
その結果として大量の愛液が噴き出し二人の股間を濡らすのだ。
「あァ……ああッ! ああああ─────ッ!!!!」
絶叫は天上へと突き抜ける。
思考は完全に破砕されただ本能に従いながら
更なる深みを求めて腰を落とすばかりだ。
結合部からは泡立った体液が滴り落ち絹帳を穢す。
そんな姿を見つめるゼフィロス卿の双眸は昏い愉悦に彩られていた。
「美しい。狼獣人というものは実に享楽に素直なんですねェ」
皮肉げな批評と共に彼は手を伸ばす。
しなやかな脚の付け根に爪を立てるような仕草で掻き乱せば
ファティマはますます乱れて啼き叫ぶ。
「やぁあっ! だめ……っ! そこはだめぇっ!!!」
拒絶の声は媚びる旋律を奏で
余計に男の征服欲を煽ってしまう。
そのまま激しく腰を揺すれば揺するほど悦楽の波は高まり
ついには臨界点へ達しようとしていた。
「くゥ……っ! 来るッ! 来るぅぅゥゥ─────ッ!!!!」
悲痛な咆哮と共により強い結合を求めて突き入れる。
ゼフィロス卿の屹立はその都度膨張してしまい
内部の全てを征服するかのように蹂躙してゆくのだ。
「ふふ……一緒に逝きましょうか騎士殿」
宣告と同時にお互いが共鳴するような収斂が始まり───
「───────ッッ!!!」
絶頂の轟雷が炸裂した。
ファティマの全身が痙攣し膣壁が収縮すれば
ゼフィロス卿もまた大量の白濁を注ぎ込む。
熱湯のような体液が体内奥深くへ浴びせられることで
獣人は獣欲の限りを尽くした阿鼻叫喚を披露する。
「あ……あぁ……ァアアァ……ァァッ」
焦点の合わぬ瞳で虚空を見つめるファティマ。
快楽の残滓が体中を巡る度に四肢が戦慄き
その度に搾り取られるかのように精が溢れ出るのだ。
銀鼠の肩当てからは淡い緋色の血管が浮き出て見え
強すぎる負荷により彼女自身が壊れてしまいそうな風情だった。
「さて……どうですか?」
ゼフィロス卿はゆったりと起き上がる。
その動作に合わせて二人の結合が解ければ
夥しい量の白濁が床へ零れ落ち絹布に沁みてゆく。
「これであなたの主への忠誠は証明されましたよ?
しかしまだまだ始まりに過ぎませんねぇ」
その宣告に対しファティマはぼんやりと返事をしようとするものの
快感の余韻に打ち震え唇を動かすことが叶わない。
ただ虚ろな眼差しで相手を見上げるだけだ。
(ああ……アリィ様……お許し下さい……!)
内心では謝罪の嵐が吹き荒れている。
主君のために己を捧げる覚悟はあったはずなのに
いざ実際に身を委ねると
予期以上の恐怖と敗北感を味わわされることになるとは。
そんな懊悩を知ってか知らずかゼフィロス卿は冷たく命令を下す。
「休む暇はありませんよ騎士殿。次は別の方法で尽くしてもらいましょう」
その声音には飽くまで平静さが湛えられており
さも当然のこととばかりに新たな欲望を展開させていった。
ファティマは絶望にうちひしがれながらも
どこかで抗うことの無意味さを悟ってしまった自分もいる。
獣人の嗅覚はゼフィロス卿の打算を嗅ぎ分けるのだから尚更だ。
絹の帳が風もないのに波打つ。
燭台の炎が揺らいだのだろうか。
いや違う──―これは部屋全体を包む妖気のせいだ。
馥郁たる芳香は麝香と蘭香の混淆。
それ以外にも形容しがたい独特の甘さがある。
おそらくはゼフィロス卿の体臭に含まれる微量のフェロモンなのだろう。
老齢でありながら衰えるどころか増幅している男ぶりを象徴するように。
尻を掴まれ、力強く跳ね上げられた腰。
容赦なく最奥を突く肉棒の逞しさは雌に抗う余地を与えない。
ファティマの豊満な臀部はパンパンと破裂音を鳴らして弾み
その度に内部が擦られ擦られ……
意識の底で火花が散る感覚に苛まれた。
「あ゛っ! あぁああんッ!!」
獣じみた咆哮が喉笛より溢れ出る。
絹帷幄は天幕のように半円を描き
その中心で繰り広げられる破廉恥極まりない情事が演じられている。
騎乗位という最も恥ずべき体位で身を預ける屈辱。
しかし肉体はそんな心情を置き去りにし
悦楽へ一直線に突き進んでいた。
「ハッハッハ……最高ですよファティマ殿」
ゼフィロス卿は恍惚の表情で嗤う。
その老顔には幾本もの深い皺が刻まれているものの
眼光は野盗のように猛々しい。
むしろ悠久の時間を経た蛇の如き獰猛さといってもいい。
そして彼の勃起はそれを具現化したかのように強靭だった。
「そんなに締め付けてくれるとは嬉しい限りですねぇ」
言いながら右手が伸び
ファティマの腹部を探るような動きを見せる。
腹筋の隆起を辿り臍周りをまさぐれば
そこには彼女の鼓動と体温が混在していた。
指先が微細な振動を伝え
それに応えるかのごとく胎内の肉門は収縮する。
「や……ぁアアッ! ダメェええエえエェェ──ッッ!!」
激しく首を振って拒絶を示すも意味はない。
むしろ否定の言葉こそが次の刺激を呼び込む材料となってしまい
ゼフィロス卿はさらに速度を上げて突き上げてきた。
絹帳の隙間より忍び寄る微風が汗まみれの肌を撫でる。
その瞬間、稲妻が脳天から脊椎を駆け抜け
ファティマは悲鳴と共に弓なりに反り返る。
膣肉が猛烈な勢いで収縮し
陰茎全体を万力で絞り上げる感覚があった。
「ククク……なかなか良い締まりっぷりじゃないですか」
ゼフィロス卿は嘲弄とも賞賛ともつかない笑みを湛える。
彼の抽送は一向に止まらずむしろペースアップしていく始末だ。
ぶるんぶるんと揺れる乳房は重力に負けず突き上げられ
ワンショルダーの切れ込みからは豊かな谷間が覗いている。
「うグッ! ぐふッ!!」
嗚咽交じりの喘ぎが断続的に漏れる。
ファティマは両手を相手の胸板に付き体重を支える格好で
騎乗位のポーズを堅持していた。
ただし意識はほとんど飛んでおり
反射神経だけが彼女を支えていると言って良い状態だ。
快感の奔流に吞まれれば自我という堤防は容易く決壊してしまう。
突如としてゼフィロス卿の手が伸びた。
「ひぃぃぃぃっ!?」
ファティマの喉から悲壮な悲鳴が迸る。
なぜならば彼の爪が左乳房を引っ搔いたからだ。
甘痒さとも苦痛ともつかぬ奇妙な感触が乳腺を駆け巡り
思わぬ形で性感を倍加させてしまう。
その結果として内部が更に強く収縮し相手の怒張を締め付けた。
「素晴らしい……やはりあなたは最高だ」
褒め言葉なのか侮辱なのか分からない賛辞と共に抽送は継続される。
二人分の汗と淫汁が混じり合い絹布に染みて斑紋を作る。
ゼフィロス卿の腰は大地から湧き上がる源泉のごとき力を発揮し
その度にファティマは獣のような咆哮を上げた。
「ああぁっ! もうイヤぁぁっ!!」
あまりの凄まじさに逃げ出したい衝動に駆られるものの
下半身は物理的に固定されており不可能だった。
しかも逃げようとする意思こそが性感帯を敏感にしてしまい
逆効果になってしまう有様なのだ。
そしてまた一波の絶頂が近づいてくることを予感したとき
ゼフィロス卿が囁いた。
「もうイキたいのでしょう? ならば言いなさい。
“私をお使い下さい” と懇願するのです」
冷徹かつ傲慢な提案だった。
もし拒否すれば永遠に焦らされるだけだし
了承しても同様に屈辱を味わうことになるだろう。
しかしそれ以上に切羽詰まってるのは肉体の方だった。
子宮口近くで踊る亀頭の存在が理性を焼く。
「う……ヴゥッ!」
ファティマは逡巡する時間もなく選択肢を選ぶ。
歯噛みしながら悔し涙を流しつつも羞恥と欲望が混在した顔で言った。
「私……を……ッ……使って……くださいぃっっ!!」
その瞬間絹幕が揺れ動き室内全体が震動するような錯覚すら覚えさせた。
宣言とともに両者は最大級の動きへ移行する。
ゼフィロス卿は寝そべりながら腰だけを浮かせて打ち込み続け
ファティマは自らも激しく律動することで迎え討つ格好になっていた。
そのリズムは一定周期ではなく不規則な乱数のように変化するため
予測不能な快美感が波状攻撃となって押し寄せることになる。
「ほらっ! これが欲しかったんでしょう!?」
嘲るような叫び声と共に一際強く突き込まれる。
同時に右手は右乳首を抓り上げ左手は淫核を捻りあげていた。
三点からの猛攻撃でファティマの脳裏に火花が散る。
「ひぎぃいいィィ───ッッ!!」
獣の遠吠えのような絶叫を放つ獣人騎士。
視界全体が白くなり平衡感覚すら失われる状態でなおも腰を動かす。
快楽中枢を直接殴打されているかのような感覚に戦慄きつつも
彼女自身の本能はさらに深くつながることを求め続けていた。
そして決定的な瞬間が訪れる───!
「あっ……あアアぁァァ~~~~ッッ!!」
魂魄を吐き出すような大音声と共にファティマの体が跳ね上がった。
同時に内部も激烈な収縮運動を開始し
陰茎全体を搾り取ろうとする強烈な吸引力が作用する。
「ハッハッ……さすがは獣人族……ッ!」
ゼフィロス卿も呻きながら放出に至る寸前だった。
彼の腰は震えながら最後の一撃を放ち
灼熱の奔流が噴射されると共にファティマの内部へ注ぎ込まれる。
「ン゙ッ! ッくゥぅ……ッ!!」
圧倒的な量の熱塊が胎内を満たす感覚にファティマは身悶えた。
既に何度も絶頂を迎えているはずなのに
追加注入された精力の大きさゆえにさらに高みへ登らされることになる。
快楽地獄とはこういうことを言うんだろうと薄れ行く意識の中で思う。
しかし絶頂の余韻が消えるよりも早く次の要求が始まることは明白だった。
ゼフィロス卿はゆっくりと上体を起こし
結合したまま彼女を引き寄せる。
汗で湿った首筋を舐め上げれば塩気と酸味の混じった味覚が
口腔内に広がっていく。
「さて……まだまだ終わりじゃありませんよファティマ殿」
低い声で告げながら再び動き始める姿勢を見せる。
絹帷は波打ち灯火は揺らめき
淫蕩に満ちた饗宴は続いていく気配しか感じられなかった。
ファティマは朦朧とした表情で嘆息する。
彼女の心中には主への申し訳なさと
これから待ち受ける運命に対する諦観が渦巻いていた。
そして同時にどうしても抑えきれぬ疼きさえも存在していたのだった。
絹幔は血染めの夕陽のよう。滲む斑紋が卑猥な星座図を描く。
荒い呼吸音が静寂を蝕んでいる。
絹の隙間を滑る細氷のような冷気が肌を刺す。
老翁の彫像に跨る裸体の狼獣人。
銀鼠の布地は既に原型を留めず、白濁と汗と血液の混合液に浸潤している。
ファティマは無言で眼前の巨大な影を見つめた。
絹越しに滲む蒼白い灯籠の光が老翁の彫像を照らし、
その顔は石膏の仮面のように冷たい。
眼窩から覗く漆黒の闇が獲物を捉えて離さない。
両掌がファティマの鎖骨にかかる。
肉厚の掌の温度が急激に伝播し、彼女の体内を電流のように走り抜ける。
身動ぎすれば肘から垂れた絹布が乾いた音を立てた。
老翁の顔が近づく。
呼気には腐朽した果実の匂いと麝香が混じり合い、肺腑を侵食する。
「我が寵愛を賜れ」
嗄れた声が耳管に這いずり込み、
「貴様の忠義は認めよう……だが更なる奉仕が必要だ」
老翁の膝が曲がり、ファティマの体幹が自然と下降する。
下腹部の狭窄に固い突端が埋没していく。
粘膜と血管が擦れ合う摩擦音が脳髄を麻痺させた。
「あァ……ッ!」
堪らない呻きを絞り出す。
ゼフィロスは動かない。重力だけが残酷な審判となり、彼女を奈落へ導く。
だがその無機質さこそが却って情動を煽り立てた。
この身は意志を持たぬ傀儡。
操られるのも悪くないと思わされる瞬間だった。
内部がひしめき合う。絹裾の陰影が蠢き、肉の凹凸が浮かび上がる。
老翁の彫像は依然として不動。
その表情は死んでいるのか生きているのか判断がつかない。
「おぉ……ッ」
低く濁った声が口腔からこぼれ落ちた。
それは喜びか嫌悪か。あるいは両方の混合だったかもしれない。
汗ばんだ背筋に老翁の爪が触れる。
鱗のように乾燥した爪先が蠕動し、肌表面の古い角質を剥ぎ取ってゆく。
ファティマは呻き声を噛み殺そうと歯噛みしたが無駄だった。
肉体の一部が膨張する。
ファティマの胎内を押し広げる圧迫感に思考回路が途切れ始めた。
肉壁が収縮と弛緩を繰り返し、
その都度先端部の形状を鮮明に記憶してしまう。
「くぅ……ぁッ」
額に脂汗が滲む。
絹幕が落下する雨粒のように震え、
微風に乗って淡い樟脳の香りが鼻孔に届く。
しかしその爽やかな気配もすぐに淫靡な湿気に侵食された。
ほんのわずかな角度だが、
その揺らぎだけでファティマの脊髄を貫く疼痛のような快美感。
思わず前傾姿勢を取り、老翁の胸部に掌を添えた。
心拍の異常を感知する。
この冷徹無比な怪物ですら興奮しているのだろうか?
信じたくない気持ちと納得する心情とが拮抗する。
老翁の視線が一瞬だけ窓外へ向けられた。
月光が硝子を通して差し込み、
絹幔の隙間を縫ってファティマの頬を白く染める。
幻想的な景色に一瞬だけ安堵感を覚えた刹那、
突然の衝撃が全身を襲った。
老人が急激に活動を始めたのである。
膝頭が持ち上がり、垂直方向への運動が始まる。
絹の襞が波打ち、銀鼠の裂片が宙を舞う。
その中でファティマの肢体は木偶人形のように跳ね回った。
「やめ……ろッ!」
制止の叫びは即座に遮断される。
老翁の手指が首筋に巻き付き、気道を圧迫したためだ。
呼吸困難と酸欠状態に陥りながらも
彼女の肉体は異常な昂揚状態にあることを自覚せずにはいられなかった。
結合部から奏でられる淫猥な水音が鼓膜を揺さぶる。
老翁の呼吸も荒くなりつつあり、
その唇から唾液混じりの吐息が洩れるようになった。
ゼフィロスが突如として停止したかと思いきや、
今度は水平方向への動きに切り替わる。
ファティマの腰骨が揺らされ、
同時に内部も螺旋状に翻弄される仕組みだ。
彼女は絶叫した。最早抑える気力もない。
絹幔が波打ち狂い、灯火は燻りながらも明滅を続ける。
筋肉が隆起し、ファティマの膣圧に耐えきれずに硬化した部位が
岩のように堅牢さを増してゆくのが分かる。
その重量感が更なる刺激となった。
ファティマは呆然自失状態の中で考える。
こんな怪物相手に何故自分が選ばれたのか。
政略上の駒なのか単なる玩具なのか判断がつかない。
確かなことは、この快楽から逃れる術がないということだ。
唇を奪われても心身ともに疲弊しきっており拒めない。
絹の帳がわずかに揺れるたびに香油の甘い匂いが漂う。
唇を覆う感触を心地よいとふと想い、愕然とするファティマ。
「や……っ、あぁ」
ファティマの唇が解放されると同時に彼女は喘ぎ始める。
呼吸困難から脱することは出来なかったが
代わりに脳髄を溶かすような快感に溺れてゆく自分を認識できない。
老人の舌が執拗に口腔内を探り、唾液腺を刺激するたびに
ファティマの喉は卑猥な音を立てた。
卿の顔が少し横にずれる。
ファティマの口端から零れる白濁液が老翁の顎髭へ滴り落ちた。
オトコはその汚濁を舐め取るようにして飲み干す。
そして再び口付けを行った。
今度はファティマの口内へと侵入してきた。
柔らかな粘膜をかき分け、歯列をなぞり、
舌の付け根まで到達してくる。
ファティマは身体の芯から力が抜けていくのを感じた。
彼の動きが一段と活発になった気がする。
ファティマの内部を穿ちつつ上下運動を行うことで
さらに深い箇所まで犯そうという意図があるようだった。
ファティマは首を左右に振り、拒否の意を示すが
効果は全くなく、むしろ更なる攻撃を招くだけとなる。
老翁の片手がファティマの背後へ回された。
衣服越しにもわかるくらいに大きな乳房を鷲掴みにされる。
ファティマの身体が跳ねる。
今まで感じたことのない強い刺激だった。
痛みではないが、
確かに何か大事なものが失われていくような喪失感がある。
老翁は絶え間なくファティマに快楽を与え続けた。
唇だけでなく、首筋や耳朶にも何度も口づけを行う。
時には強く吸い付き、またある時は歯を立てて甘噛みをする。
そのたびにファティマは切なげな声を上げるしかない。
ゼフィロスの手指は巧みな技巧を持って
ファティマの肉体をくまなく愛撫していった。
老翁は一旦身を引いた。
そして両腕でファティマを抱擁すると
そのまま抱きかかえるような姿勢を取り、ベッドに降り立った。
その動きにつられ、ファティマの膣内から肉棒が引き抜かれ、
再び挿入される。
その衝撃にファティマは大きく仰け反り、
喉の奥から声にならない悲鳴が上がる。
老翁は再びゆっくりと抽送を始めた。
先ほどまでの荒々しいものとは違い、
今は慈しむような丁寧さで動いている。
ファティマの意識は朦朧としており、
何も考えることが出来なくなっていた。
ただひたすら与えられる感覚に身を任せるばかりだ。
ファティマの瞳が熱を帯びてくる。
そして唇を微かに開いたところで、老翁のそれが重ねられる。
長い接吻が終わったころには
ファティマの表情からは警戒心がすっかり失われていた。
代わりに浮かぶのは、牝犬が主人に向けるような服従の色だ。
ファティマの目元に涙が浮かんでいることに気付いたのだろう。
老翁が優しく微笑みかけた。
「どうしたのだ? 泣くことはないぞ」
ファティマは必死に頭を横に振る。
それでも老翁は微笑みを絶やすことなく、何度も何度も繰り返した。
ファティマの脳裏に様々な記憶が蘇ってくる。
これまで出会ってきた人々や、過ごしてきた日々のこと。
そのどれもが現在目の前の存在と比べれば
些末なもののように思えてしまう。
ファティマはこの人なら
全て受け入れてくれるのではないかと思い始めていた。
この人が与えてくれる愛情であれば、どんなものだって
快楽に茹だった脳が、狂った結論に傾き始める。
性の悦びに負けた理性に対する言い訳のような慕情。
身体を要求されて老人に抱かれる屈辱を忘却させる快楽に堕ちる雌狼。
口内に入り込んで蹂躙する舌に逆らわず舌を絡め始めるファティマ。
その瞬間を見計らっていたかのように
老翁の口づけが一段と激しくなる。
歯列をなぞられながら口腔の上側を丹念に愛撫されれば
ファティマは自らの意志に関係なく声を上げてしまっていた。
ファティマの身体は完全に老翁の手中にあるといってもいい状態だ。
それでもなお反抗の意志を失っていない彼女に対して
老翁は更なる責め苦を課すこととなる。
今度は首筋へ顔を埋められ、歯を立てられた。
皮膚が破れそうなほどの圧力が加えられると同時に
痛みだけではない甘美な感触が生まれる。
ファティマは困惑した様子を見せるも
老翁は容赦することなく何度も歯形をつけ続けた。
さらに乳房を揉みしだかれる。
最初は指先で弾く程度だったのが次第に強くなっていき
最終的には乳首を摘ままれるに至る。
この時になって初めてファティマは自分の身体が変わったことに気付いた。
胸板全体が以前よりも膨らんでいる気がするのだ。
老翁はそれら全てに舌を這わせていった。
時には唇を使って啄むことも忘れずに。
割れ目を掻き分けられる度に
ファティマの内腿の筋肉が痙攣しはじめた。
何か来る。
そう直感した途端に全身から力が抜けていくような錯覚に襲われる。
ファティマは無意識のうちに腰を動かしていた。
もっと欲しい。
あの感触を味わいたいという一心で自ら快楽を求めてしまったのである。
巨根のカタチを覚え込んだ膣肉がざわめき、
挿入角度を微調整するように蠢いてしまう。
ファティマの意識はここにきて完全に覚醒しており、
己の行為の醜悪さに驚愕していた。
老翁のモノはどんどん太さを増してゆく。
ファティマの狭隘な穴にとっては窮屈すぎる質量だ。
肉襞ひとつひとつが限界まで伸ばされながら
雄々しい凶器を受け止めている。
膣全体が熱に浮かされたみたいに火照っていた。
脳髄は焼き切れそうなほど熱く滾り、
視界は赤黒く染まっていく。
子宮頸管付近の肉筒の最も敏感なスポットに圧がかかった。
途端に背筋を突き抜けるような閃光が走り
ファティマはひときわ甲高い嬌声を上げる。
強すぎる性感は
もはや拷問にも等しいものへ変貌していた。
老翁の屹立は依然として硬度を維持しているようで
ファティマを苦しめる最大の要因となっている。
老翁が少しだけ身体を起こした。
ファティマの視界いっぱいに老翁の顔面が広がり、
鼻腔にはツンとするような臭気を嗅覚器官が捉える。
濃密なオス臭とメス臭さが混ざりあったものだった。
それら全てが脳天直撃系の興奮剤となり
ファティマの思考能力を完全に破壊する。
ファティマの両脚は大きく開かれている。
そこに潜り込んでいる太く長い竿が見えているのだ。
老翁が腰を前後に動かす度に結合部から泡立った液体が溢れ出した。
それらは床に飛び散る前に絹布に吸収されてゆくのだが、
老翁は構わずに動き続けている。
「んむぅ……ぁ……っ!」
ファティマの口からは悩ましい吐息が漏れていた。
老翁が身体を前傾させて唇を塞ぎに掛かると
抵抗する素振りすら見せずにおずおずと受け入れてしまう。
ファティマの双眸が焦点を失いつつあった。
視線は空中を泳いでいて明らかに正気ではない様子だ。
一方で老翁は冷静沈着といった表情で腰使いを早めていく。
ファティマの膣中は激しく収縮運動を行い
老翁の剛直から精を絞ろうとしていた。
その様は淫蕩を極めた売春婦のそれと同じく
男根中毒者のそれと形容するほか無い有様になっている。
しかしそんな状態であっても
ファティマの心の中に僅かに残った自尊心のお陰であろう。
表面上だけでも平静を保とうと努力していたようだ。
ファティマの瞳には涙が溜まっているものの
決して泣き叫ぶことだけはしなかった。
ファティマの精神は完全に折れているわけでは無いらしい。
老翁のペニスが子宮口付近の弱点を重点的に突き上げ始めた。
一番弱い部分を集中的に責められればひとたまりもない。
ファティマは身悶えしながら激しい快楽の嵐に耐えている。
老翁の律動に合わせて上下に揺さぶられているファティマの乳房。
その先端に色づく桜桃が尖って腫れ上がり始めていた。
それを認めた老翁の両手が伸びてくると
それぞれに指先を使ってクリトリスを抓り上げる。
ファティマの口から悲鳴のような声が発せられた。
そのまま引っ張られたまま扱かれれば二本の乳首から母乳が吹き出す。
「いやぁ!!」
あまりにも恥ずかしくて
思わずそんな事を口走ってしまうものの
実際にそう思いつつも快感の方が大きいせいか
抵抗するどころか自ら腰を使っている始末である。
老翁もそれに応じてリズムを合わせてきており
もはやどちらが犯されているのかわからないほどだ。
ファティマの蜜壷は洪水の如く愛液を分泌し続けていた。
それによって潤滑油不足の心配はない筈なのだが
それでも足りないとばかりに何度も潮を噴いてしまう。
その量たるや尋常ではなく
下敷きになっている絹布はぐっしょりと濡れそぼってしまっていた。
そのおかげで滑りは良くなったとはいえ
大きさの問題はどうしようもない。
老翁のものが全て納まる事はありえない。
そのため行き止まりの壁へ当たる度に大きな衝撃が走る。
ファティマの最奥をガンガン叩かれる感覚に慣れるはずもなく
毎回新鮮な刺激を受け止める羽目になっていた。
子宮内に入り込むと亀頭部分に妙な感触がある。
おそらく卵管が擦れているのではないだろうか?
そう思った瞬間に背筋にゾクッと寒気が走る。
今まで以上に強烈なアクメが襲いかかってきたのだ。
とても気持ちいい。
まるで母親の胎内に戻ったかのような錯覚すら覚えてしまう。
ファティマはゆっくりと身体を起こすと
正面から向き合って両腕を老翁の首に回した。
自然と唇が近づき、触れ合う寸前で止まる。
「ゼフロス卿……私はあなたのものです」
言葉にしてしまった以上は後戻りできなかった。
もうこの男なしでは生きて行けないだろう。
そう覚悟を決めた上で決意表明を行う。
老翁は何も言わずに頭を下げてきた。
ファティマは頬を紅潮させつつ目を瞑り
相手の頬を撫でる仕草をしてみせる。
唇同士が重なり合い、舌先同士が触れ合った。
互いの唾液を交換し合った後はお互いの口内を舌で舐め回したり
歯列や歯茎などをなぞったりする行為に没頭した。
ファティマの方から積極的に求めにいく様子に満足したらしく
老翁は小さく笑うとよりいっそう深く貪る様に接吻を続けた。
ファティマの膣内の収縮具合は凄まじい。
まるで別の生命体のように動いており
ペニスを包み込んだまま搾り取ろうとしてくるのだ。
老翁とて我慢できるはずもなく
精嚢から大量のスペルマが輸送されてくる。
射精のタイミングが訪れると同時におびただしい量の熱い飛沫が迸った。
「あ……ああぁ……すごい……いっぱい出てる……」
ファティマは恍惚とした表情で呟いていた。
腹の中に熱湯でも注入されているような感覚を覚えるも
全く嫌悪感など湧いてこない。
それどころかもっと欲しいと思う自分に戸惑うばかりだった。
老翁もかなり興奮していたらしく
最後の一滴まで注ぎ込むつもりなのか
暫くそのまま動かずにいた。
ようやく出し終えたのか
老翁は一度大きく深呼吸をしてから
慎重に腰を引き始める。
結合部から男根を抜こうとすれば当然のように
どっぷりと蓄積されていた白濁した液体が流れ出してきた。
「ん……」
ファティマの口から小さな喘ぎ声が漏れ聞こえてくる。
その反応を見て面白がった老翁が入口付近まで引き抜いたところで
再び奥まで突き入れると
また新たな愛液と一緒に掻き出されるという一幕があった。
これにはファティマも恥ずかしさのあまり顔を赤く染めてしまう。
それと同時に身体の内側から熱いものが込み上げてくるのを感じた。
どうやら自分は本当に
老翁の性奴隷となってしまったらしい。
それでも不思議と恐怖心はなかった。
それどころか嬉しいとさえ思っている自分がいる事に気づいて愕然とする。
しかし何故か罪悪感を抱くことは無かった。
これはきっと運命なのだ。
そう自分に言い聞かせてみる事にする。
老翁は優しくファティマの頭を撫でてくれた。
それだけで嬉しくなってつい笑みを浮かべてしまうファティマ。
その顔を見た老翁も笑顔を返してくれる。
それだけで十分満足出来るようになっていた。
ベッドの上で四つん這いになっているファティマを
見れば見るほど素晴らしいスタイルをしていると思う。
老翁は暫しの間見とれてしまい、思わずため息をついてしまう。
尻たぶを開いてみると綺麗な菊門が露出した。
皺の一本一本までもが美しく整っていて感動すら覚える。
指で突付けばキュッと窄まり、
肛門括約筋の力強さを再確認できた。
これは期待できそうだ。
そう判断した老翁は両手を使って尻穴を拡げ、
中に隠れていたポッチを摘まんで引っ張る。
痛いとか気持ち悪いなんて感想を持つ暇もなく
次のステージに進むことになるだろう。
とりあえず処置は完了したとみて良いだろう。
あとは実際に使用してみるのが一番早くて簡単なのだ。
そういうわけでさっそく実践してみる事にした。
ファティマの肛門を拡げ、中にペニスの先端を当てて
ゆっくり挿入していくだけの単純な話だ。
もちろん簡単に受け入れてくれるわけではない。
いくら解しても入口付近は狭いままだし
硬い壁のように感じる部分もある。
ファティマの直腸の感触は格別だった。
入り口近くはゴリゴリしていて不規則な凸凹を感じられる一方で
奥に行くほどツルツル滑らかで吸い付いてくるようになってきた。
正直言ってこの時点で相当気持ち良いので
早く根元まで埋めたい衝動に駆られるのを抑えきれなかった。
「いっ、ぐ、ぅ……!? おしりぃ……♡」
苦しげなうめきをあげながらも
なんとか堪えているようだ。
これならばもうちょっと続けられそうだな。
そう判断するとさらに体重をかけて押さえつけた。
老翁の男性器は巨大と言って良いサイズなので
肛門内に侵入しただけで内臓が圧迫されてしまう。
それに加えてペニスが肉壁に触れる度に
ファティマは絶頂を迎えそうになった。
今にも果ててしまいそうな己を律しながら
老翁に奉仕し続ける。
「はぁー……っ。はぁー……っ」
鼻息荒く呼吸を整えつつ
両手を使って乳首を捏ねくり回す。
クリトリスも親指と人差し指で摘まみ上げた状態で引っ張ってやれば
面白いように身体が跳ね上がった。
その動きにつられてファティマの臀部が暴れ回るのだが
決して老翁を逃すまいと粘膜全体を締め上げるのだから
恐れ入るほどの健気さと言えるだろう。
老翁はそんな彼女の態度が気に入ったようで
ご褒美を与えてやることにした。
腰を大きくグラインドさせて円運動を行う。
前後のストロークではなく回旋させる動きだ。
するとファティマの腸壁と亀頭が擦れ合う際に
独特の摩擦感が生まれて新しい快楽を生み出す結果となる。
「ああっ! ああぁっ!」
ファティマは喜悦の声を上げながら身悶える。
先ほどからずっとこの状態が続いており
老翁の動きに連動して
絶え間なく潮を撒き散らしてしまっている始末だ。
しかもそれが止まる気配は一向に見えない。
尻穴を犯され続けた影響か
ファティマの瞳からは涙が流れ落ちていた。
その一方で口元は綻んでいるように見える。
それを見て取った老翁は苦笑しつつも
優しく頭を撫でてやることにした。
ファティマは嫌がらずにそれを受け入れる。
むしろ心地良さそうに目を細めているくらいだった。
老翁はそのまま頭を撫で回し続ける。
手櫛を通すように髪の毛を梳きながら
優しく語りかける様に声を掛け続けた。
「ファティマ。お前は私の大切なペットだ」
その台詞を聞いて嬉しそうな顔をするファティマ。
老翁はそんな彼女の様子を見ながら笑みを浮かべたあとで
改めてファティマに問い掛けてみる。
「だが、それ以外の意味でも必要なんだよ。わかったかね?」
ファティマはコクンと肯首した。
老翁も満足気に頷く。
これで意思疎通は完了したことになる。
それ以降は特に言葉を交わすことなく行為を再開した。
老翁が腰を引けばファティマの腸壁が外へ引き摺り出されそうになる。
逆に押し込まれれば腹腔にまで届きそうな勢いで進入してくる。
どちらにせよ凄まじい衝撃であることには変わりがなかった。
そんな激しいピストン運動が続く中で
ファティマは幾度となく意識を飛ばされそうになった。
けれども老翁は決して責め手を緩めることはしない。
ファティマが絶頂を迎えると同時に更なる猛攻を仕掛けて来たのだ。
アナルセックスによる快感に馴染ませるために
あえて休憩時間を設けず延々と打ち込み続ける算段なのだろう。
実際その効果は覿面であったらしく、ファティマはすぐに順応していった。
最初は苦痛しか感じていなかったのに
今では多少なりとも快楽を感じ取れるようになってきたのである。
ファティマはもう限界を迎えていた。
ペニスから放たれる灼熱の奔流を直腸の奥底へ浴びせかけられれば
それだけで充分に昇天してしまうレベルにまで達している。
そんなファティマに追い討ちを掛けるかのように
老翁は彼女の耳元へ顔を寄せ低い声音で囁いた。
「もうすぐ終わるぞ」
ファティマは反射的に振り向く。
老翁の顔を見るやいなや思わずドキッとしてしまう。
老翁の顔立ちも整っており
間違いなくイケメンと言える部類に入るのだが
それ以上に印象的だったのは
金色の眼光から滲み出る威厳とか貫禄みたいなものだ。
その眼差しには抗い難い魅力があった。
ファティマは老翁の顔を凝視しながら固まっている。
老翁はファティマの頬をそっと撫でてやりつつ告げる。
「可愛い娘だ。私が責任を持って幸せにしてあげよう」
ファティマはハッとなった。
慌てて視線を逸らすと俯いてしまう。
老翁はその様子を眺めて満足げに笑う。
どうやら自分の言った内容を理解してくれたようだ。
老翁はファティマを抱き寄せる。
そして優しくキスをしてやった。
ファティマは嫌がらずにそれを受け入れる。
「んっ……」
口づけに集中しようと試みるのだがどうしても下半身に意識が向いてしまう。
アヌスで繋がったまま舌を絡め合うキスは
想像していたよりも遥かに甘美な感覚を齎してくれた。
まるで媚毒を塗りたくられたかのように体が熱くなり始める。
ファティマは自分が淫乱な変態になってしまったのかと思ったほどだ。
実際その通りなのかもしれないが
とにかく気持ち良かったということだけは確かだった。
キスしながら尻穴を穿られているだけで
絶頂を迎えてしまいそうになる始末である。
これはまずいと感じてもどうしようもできなかった。
老翁はゆっくりと腰を前後に動かし始める。
挿入されているペニスが動く度に腸壁越しに
子宮が圧迫されて苦しくなるはずなのだが今は快感へと変わっている。
ファティマは朦朧とする意識の中で必死に考えていた。
なぜこんなに気持ち良いんだろう?
どうして私こんなの好きになっちゃってるんだろう?
色々と考えているうちに答えがわかってきた。
それはつまりこういうことなのだ。
私はこの人に服従したいと思ってしまったんだ。
それが正しい選択かどうか分からないけど
少なくとも今の自分にとっては最善の道だと思うしかない。
老翁に身も心も捧げることが
ファティマにとって唯一残された希望なのだから。
ファティマは覚悟を決めると、老翁に命乞いするような瞳で訴えた。
「お願いです……国を、アリィ様をお助け下さい……」
老翁が腰を引き始めるとファティマは悲鳴を上げる。
「ああぁっ! 出て行かないでぇ~!」
老翁が止まってくれないので余計に辛かった。
どうして途中で止めるの?
ずっと入れっぱなしにしていてほしいのに……
ファティマの願いが通じたのか
老翁は再度奥深くまで挿入してくる。
嬉しさのあまり歓喜の声をあげたのも束の間のこと。
今度は激しい抽挿が始まったではないか!
パンッパァアンという乾いた音と共に
ファティマの尻肉が波打つ。
あまりの威力に一瞬視界が霞んだ。
意識が飛びかける寸前でなんとか持ち直すことに成功する。
ファティマの肉体は完全に屈服してしまっていた。
少しでも気を抜けば
そのまま意識を失ってしまいかねないほどに追い詰められているのだ。
しかし老翁は容赦しない。むしろスピードアップさせてきた。
ファティマの尻の谷間に老翁の睾丸が叩きつけられる。
それが断続的に続くのであって
もはやファティマの精神力は限界を超えていた。
「あ゛〜っ! すごぉおいっ! もっとぉ! そこイジメてぇえぇ!」
もう何も考えられなくなっていた。
ただひたすらに快楽を求めて腰を振り続ける。
ゼフィロスのモノを膣奥へと導こうと必死になっていた。
最早そこには誇り高き女傭兵の姿はない。
浅ましく快楽を貪り食う牝犬がいるだけだ。
そんなファティマに慈悲を与えようと全力で突き上げた。
二人分の体重がかかっていることもあり
ファティマのお腹の中では大腸が押し潰されている状態だ。
普通なら苦しくて仕方ないはずだが
今のファティマにはすべて快感に変わっている。
こんな状況下でさえ絶頂を迎えられるようになってしまったのだ。
ファティマは背筋を仰け反らせながら盛大に絶頂を迎えた。
「んほおおぉお゙ッ!? イクッ♡イグッイグゥウウッ♡♡イギますぅッ♡
お゙ぅッ♡お゙っ♡お゙んッ♡お゙ぉお゙ぉぉほォォォォォ♡♡お゙ぅッ♡お゙っ♡
お゙んぉォオォおぉぉオぉ!? イってりゅからぁああ゙ァアああああああああ゙っ?!」
頭の中が真っ白になってしまうほど凄まじいエクスタシー。
結腸に鈴口が密着しているため、打ち込まれる灼熱の白濁に
胎内を灼かれる苦しみと快楽に身悶えても逃げられない。
地獄と天国を行き来する絶頂の連続に神経が飽和する。
快楽電流が迸った脳が蕩け、取り返しのつかない馬鹿に堕ちていく。
理性が焼き切れる。
雌孔が雄魔羅に屈服する悦びを刻み込まれてしまった。
「んひぃぃっ!!? ♡♡いひゃいいいひひぃい~っ!! ♡♡」
結腸に亀頭が押し付けられると
頭がおかしくなる程の幸福感が押し寄せてきた。
同時にこれまで以上の痙攣を起こす陰茎が膨張し熱い精液が注ぎ込まれると
「あひぃいぃい~っ!!? ♡♡ケツマンコ中出しっ♡♡おっほおおぉぉ──っ! ♡♡」
脳みそが狂気的な歓喜に染まっていく。
本能に忠実な獣となって腰を振ることしかできない。
もう逃げられない。
一生この男の奴隷として生きるしかないのだ。
それでいいじゃないか。
こんな素敵な御主人様なら誰だって喜んで従うべきだ。
これから訪れる未来を想像するだけで興奮してしまい
ファティマは舌を突き出したままアクメ絶頂に浸る。
ムチプリなエロ尻を掘られてイキ狂う快楽豚。
理性の欠片も残っていない卑猥で品性の欠片も無い嬌声を
響かせるのが今のファティマの役割である。
そしてそれは同時に、ファティマ自身の幸福でもあった。
「おぉおおぉぉオオォオッ!!? おっホォっ! お゛っほッっ!!!?
オッ! おおぉおおぉオォオッ!!!!! オぉおォオンっっ!!!!!!!
おっおおおおぉおオおォォオオオッ!!!!!!!!!!」
ファティマの脳髄に直接響き渡るような咆哮だった。
喉が枯れ果てるまで叫び続ける。
ファティマは生まれて初めて
本当の意味で完全敗北したのである。
自分の命と引き換えに祖国を救うために、
娼婦として身を捧げたファティマ。
そんな彼女が受けた屈辱は凄まじいものがあったことだろう。
だが今は違う。
老翁から与えられる快楽こそが至上の悦びなのだと思い込んでいる。
例えどんな酷い目に遭ったとしても
きっと最終的には幸せになれるはずだと思っていた。
ファティマは自分の考えの浅はかさを思い知る事になる。
老翁から受けた仕打ちは想像を絶するものであり
到底耐えられるような代物ではなかったのだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
エニュオ・ファミリアは世界最高の頭脳集団である。
頭抜け過ぎた為に排斥された、
能力はあっても倫理観がないので忌避された、
好き放題にヒト・モノ・カネを使える環境に魅力を感じて。
様々な理由で集った天才が混じり合い、
高め合うことで生まれるシナジー。
本来、並び立たないマッドサイエンティストを見事に制御し、
自身世界最高の研究者であるエニュオ・ファミリア団長ヴァーリの手腕。
その結晶の一つが魔晶石だった。
魔法を放つ魔剣、狐人の魔法を記憶する殺生石……
夥しい犠牲と膨大な時間、偶然が重なって産まれた魔法保存機。
強力な代わり、スロットが限られ汎用性が低いという、
現代の魔法の常識を覆す下界の未知を象徴する成果。
様々な魔法を込めたモノが生産されているが一番人気は、
魂の器を分割して、肉体と記憶を分裂させるエインセルだった……
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
つまりは、そういうことだ。
ゼフィロス卿は貴賓室でファティマに接待されている。
だから、今、アリィの乳房を嬲っているナニかではありえない、と。
燭台の揺らめきが漆黒の天蓋を妖しく染め上げる。
蒸し暑さを孕んだ空気は湿った重みを増し、
アリィの褐色の肌に浮いた汗珠をじっとりと撫でた。
治癒のためと称して閉ざされた診療室──
いや、仮初めの牢獄の隅にうずくまりながら、彼女はか細い吐息を漏らした。
「……っ」
爪先が敷布を掴む。
皮肉にも男装の外套を剥ぎ取られた裸体は、
胸郭を締め付ける補正下着の窮屈さとは裏腹に、
鎖骨の窪みから肋骨の隆起、そして──
抑えきれずに尖端を押し上げる乳輪までもが明確に主張していた。
(あの香り……あの蜜が──)
鼻腔を掠める芳香。
蜂蜜の甘みに似た深く重い匂いが扉の隙間から忍び寄る。
冷たい大理石に肘を突きかけた刹那──床板が微かに震えた。
「──っ!」
アリィは跳ねるように腰を浮かせる。見えぬ何かが蠢く影が伸びた。
光素粒子を模した薄靄が部屋の隅で歪曲し、ゆらりと蛇のように這い上がる。
(幻術? いや、違う──……?)
思考を巡らせる間もない。
霧のような塊は無数の糸状に変貌すると、
疾風のごとく襲いかかりアリィの四肢を封じた。
「離せ……っ!」
蹴り払おうとした踵が宙を掻く。
柔軟でありながら鋼索の如き拘束具が踝を巻き、
膝裏を吊り上げるように引き上げる。
「く……っ!」
強制的に開脚された足の間に冷気が滑り込む。
反射的に秘裂を手で覆うが遅い。
繊維状の霧が絡み付き甲殻のように硬化すると同時に──
ズンッ
突如として腹部の奥底に疼くような衝撃が走る。
「んあッ!?」
未知の刺激に息が詰まった。
霧の中に潜む"芯"が確かに彼女の核を探り当てていた。
柔らかな脂肪を貫き温もりを確かめるかのような鋭敏な振動。
(まさか……魔力干渉で子宮を直接──!?)
「いや……やめろ……!」
首を振るたびに汗粒が弧を描く。
怒りと羞恥に焼かれながらも肉体は裏切る。
熱が胎内から噴き上がり太腿が痙攣した。
シュルシュル……
新たな霧が二つの突起を包囲する。
丁寧に補正下着の紐を解き、晒された胸房を掌状に覆い尽くした。
「──んうっ」
重量感のある双丘が無遠慮にこね回される。
乳暈に沿って螺旋を描く細糸が敏感な頂きに辿り着くと──
カリッ
「ひッ!?」
甘噛みのような疼痛が雷火となり脊椎を駆け上がる。
柔肌を抓む繊毛の感触と裏腹に強烈な痺れが乳腺を溶かし、
滲み出た乳蜜が霧の中に吸収されていく。
(な……舐められてる……のか……?)
信じがたい妄想に頬が燃えた。
それでも指一本動かせず蹂躙に喘ぐしかなかった。
霧の舌先が乳輪を這い上がり乳嘴を啄むたび、
背筋に電流が走る錯覚に囚われる。
「やっ……やだ……ぁ……ああっ……!」
羞恥と屈辱が混濁する快感の淵で溺れながら、
彼女は額から滴る脂汗とともに否定の呟きを洩らした。
だが──
その拒絶とは裏腹に、
己の下半身が濡れていることは明らかだった。
裂帛の蜜液が敷布に沁み出し、淫靡な染みを広げている。
「こんな……こんなの……わた……わたしは……!」
涙混じりの声が虚空に消える。
拘束を破ろうと藻掻くたびに霧が更に深く沈殿し、
乳嘴の奥──乳腺の管さえ探り当てる。
「やあぁっ!」
内側から搾り上げられる感覚に戦慄く。
母乳は未だ溢れないが
乳腺そのものが官能器官に変じたかのような灼熱に焼かれた。
ジュクッ……
乳嚢の内部で何かが膨張し始めた。
それは魔力か、あるいは幻覚作用に因る錯覚なのか。
確かなのは、今まで知らなかった深みから湧き上がる
"女の疼き"が止めどなく湧出することだけだ。
(認めたくない……私の中にこんな……飢餓があるなんて……)
「うっ……ううっ……!」
呻吟が途切れ途切れになる。
霧の触手がさらに密集し乳房全体を強く揉みしだく。
痛痒と愉悦の境界が曖昧になる中、
尖りきった乳首が弾かれるように刺激され続けた。
ビクンッ……ビクッ!
腰が大きく跳ねた。絶頂はすでに目前に迫っている。
喉奥から押し出される悲鳴を堪えきれず──
「あっ……! あぁぁぁんっっ!!」
高く澄んだ悲鳴が狭い室内に谺した。
震える内腿の合わせ目から透明な泉が迸り、
敷布をじっとりと濡らしていく。
霧はそれを嘲笑うかのように啜り上げ、
なおも執拗に乳頭をねぶり続けていた。
(終わった……終わりたくない……もっと……)
相反する欲求が渦巻く脳裡。
アリィは脱力した四肢を投げ出したまま天井を見上げた。
淡い蝋燭の炎が揺れるたびに乳房の稜線が官能的に煌めく。
アリィは天井を見つめていた。
漆黒の彫刻が施された梁が蜘蛛の巣のように横たわり、
そこにかかる仄白い蝋燭の炎が、静かに揺れながら、
彼女の肌を琥珀色に染めていた。
「んっ……」
押し殺した喘ぎが喉の奥で熱い吐息となって漏れる。
(これが……こんなにも……)
彼女の目の前には鏡があり、そこには剥き出しの乳房が映っていた。
褐色の球体は重力に従って垂れ下がりながらも、若々しい張りを保ち、
乳首は桜貝のように淡い紅潮を帯びて硬くなっている。
鏡の中の彼女が身じろぐたび、その乳房もまたぷるりと弾んだ。
「ふっ……あっ」
不意に伸びてきた手が、臀部から腋へかけて撫でてくる。
柔らかな触れ方は羽毛のように軽やかで、それでいて確かな意図を持っている。
触れた箇所に熱い火花が散り、胸の鼓動が加速する。
その手はゆっくりと彼女の下腹部へと降りていき……
突然止まった。
アリィははっと息を飲む。
(まだ……待ってくれるのか?)
期待と恐れが交錯するなか、その指先は再び動き出す。
焦らすように腰骨を円を描いて擦りながら……
ついに茂みの境目に到達した。
「やっ……!」
驚愕と甘い困惑に彩られた声が漏れる。
(ダメだ……ここまで来てはいけない……)
指が蠢く。茂みをかき分け、蜜壷の入口を見つけた。
次の瞬間—―
冷たく堅い棒状の物体が膣口に押し付けられた。
「ひぃっ!?」
心臓が飛び跳ねた。恐怖と甘美な戦慄が体内を駆け巡る。
そのものはぬるりと滑りながら、彼女の最も深いところへと進み始めた。
「ああっ! んんっ!」
熱い。体内で溶鉱炉のような灼熱が沸騰している。
外側の摩擦感と内側の充填感が異なる信号を送ってくる。
快感と苦痛が合わさって麻痺したような感覚になる。
結合部から大量の蜜液が溢れ出し、椅子の座面を濡らした。
(なんで……こんなに感じる……?)
「ぁぁぁ……」
次第に規則的な律動が始まる。
緩慢な上下運動が深い陶酔を呼び起こす。
圧倒的な充足感で思考が停止し始めたとき……
突如として指先が乳房の尖端を挟んだ。
「んぁ!?」
予期せぬ刺激に弓形に仰け反る。
痺れるような快感が脊柱を走り抜け、腰が浮き上がった。
同時に陰部を抉るモノの質量が増し、肉襞がより強く圧迫される。
酸欠状態の魚のように呼吸ができなくなる。
全身の毛穴が開き、汗が滝のように流れ落ちた。
「もっ……無理っ……これ以上は……!」
悲痛な訴えにも関わらず動きは止まらない。
その時だった。
乳首を摘んだ指が軽く捻りながら引かれた刹那—
「ひゃあっ!?」
胸の奥底から眩い閃光が走る。
まるで乳腺そのものが開花したような衝撃だった。
その快美感が性器へ伝播し、子宮が爆発的に収縮する。
全身の毛穴が開き、汗腺から水分が噴き出す。
膣壁が痙攣し、硬いものを搾り尽くす。
「あっ! ああぁぁぁっっっ!!!」
絶叫と共に視界が真っ白に染まった。
◇ ◇ ◇
意識を取り戻したときには既に手遅れだった。
半開きの瞼の裏に火花が散る残像があり、
身体のどこにも力が入らない。
汗と体液でぐっしょり濡れた衣服が不快に貼りつく。
「はぁ……はぁ……」
荒い息遣いしかできない。
それでも……なぜか心は満たされていた。
(これも女の悦びなのか……)
不思議な感覚だった。憎き敵であるはずの存在に全てを委ねた結果、
肉体だけでなく精神まで洗浄されたかのような爽快感がある。
女の器として完成した自分を誇りに思う反面、
それを享受している自分が情けなくて泣けてくる。
「……アリィ」
呼ばれた瞬間、凍りついた。
低い声音だった。それもすぐ眼の前から聞こえる。
慌てて身を捩じろうとしたが叶わない。
四肢に重い枷のような倦怠感があり指一本動かせない。
「感じてくれたようで嬉しいよ」
首筋に掛かる吐息にゾクリとする。
耳朶に唇が寄せられ囁かれた言葉。
「次は君の番だ」
(次……?)
一体どういう意味か理解する前に彼の腕が腰へ回り込んだ。
逞しい胸板に押しつぶされる形で抱き寄せられる。
互いの体温を介してお互いの心拍が共鳴する。
その暖かさに安堵しながらも、一抹の不安を覚えた。
(待ってくれ……僕は男装した王子だ……!)
ここで応じてしまえば男装の矜持どころか王国の尊厳まで失ってしまう。
必死に抗おうとする意志とは裏腹に、身体は意思に逆らい始める。
男の厚い胸元に顔を埋めたまま小刻みに震えていた。
彼の大きな手が臀部へ回り込んで揉みしだいて来るにつれ、
またしても子宮がきゅっと収縮してしまう。
「ふふっ」
小さな笑い声が漏れた。
そしてゆっくりと耳元へ囁かれること。
「綺麗だよ……アリィ」
その一言で抵抗が無に帰した。
乳肉が悦びに満ちて大きく波打つ。
悦楽の奔流に身を任せることでしか
生き延びられない現実を悟ったのである。
ポロポロと大粒の涙が零れ落ち続けた。
一六年。望まぬ虚飾が剥がれ落ち、素の顔が曝け出される。
オシャレを楽しんだり、素敵な恋もしてみたい。
父王に強制された男装のバカバカしさなど誰よりも自分が理解していた。
「─────────だって。このオッパイで男装は無理でしょ……?」
父上は正気なのか、或いは私を辱めたいだけなのか。
思い悩まぬ夜は無かった。
だが、こうして乳辱を受ければ全てオシマイ。
性別偽装など、土台無理があった、ソレだけなのだ。
「んひぃっ♡♡だめ、ちくびぃ……いじめなっ、あぁああっ!?」
褐色肌の胸乳がタプンッと大きく弾み、
男の視線を釘付けにしてしまう。
女らしい丸みを帯びたボディラインや
プリンのように柔らかく震える乳房。
華奢な肩幅とは裏腹に豊満すぎるヒップ。
どれをとっても見る者を魅了する色気がありすぎて堪らない。
「……っぅ……♡♡」
アリィは恥ずかしさのあまり俯いてしまった。
それでも視線は自然と男に向かってしまう。
欲望に塗れた眼差しでこちらを見る姿を見ると
胸が締め付けられるようだった。
本来ならば嫌悪すべきであろう相手だというのに。
「お、お願い……します。もう許してください……」
懇願しながらも内心では期待している自分が居たことに気づく。
しかし今さら後悔しても遅かった。
一度火をつけてしまった以上簡単には消せないのだ。
ましてやまだまだ
余裕そうな態度を取り続けている相手である以上尚更だった。
乳肉が指に媚びて躍り狂う。
(やっぱりそうなんだ……私はもう逃れられない運命にあるんだ)
運命論など非科学的だが今の心境を表す言葉はそれしかないと思った。
自分はただ道具として消費されるだけなのだと。
(やめて……それ以上は本当に……)
嫌な予感がした。
これから起こることは想像通りだろうと思う。
「ぃ……や……」
弱々しい声音で拒否の言葉を発するものの効果はないようだ。
そのまま胸を鷲掴みにされる。
「きゃうんっ!?」
思わぬ力強さに驚く暇もなく乱暴に扱われてしまう。
しかしながら一方的な蹂躙にも関わらず、
何故か抵抗する気が起きなかった。
(どうして……どうしてなの? どうして抵抗出来ないんだろう……)
アリィは涙を流しながら問い掛け続けるしかなかった。
答えなど分かりきっているのに
馬鹿げているとも思ったけれど止まらなかった。
ただただ哀しみだけが積もり続ける中、残酷な時間が過ぎていく。
「ひゃうぅ……っ!」
敏感な部分を集中的に責め立てられ腰砕けになってしまう。
身体の自由が利かない状態で強引に乳房を
犯され続けてしまっているせいもあり意識朦朧としている状況だった。
(助けてください。誰か……誰でも……)
薄れ行く意識の中で助けを乞うことしか出来なかった。
せめてもの救いとして
最後を迎える直前に気絶出来るように祈るのである。
「んんんん゛♡♡おっぱいが、おっぱいがぁ♡♡!」
乳肉が淫らに形を変えてしまう。
グニグニと蠢く男の右手は完全にお乳に夢中になっていた。
指の隙間から乳白色の液体が滲み出てきたのが分かる。
乳首を摘んで引っ張ったり捻ったりすることで強い刺激を与え続ける。
その度にビクンッと身体が跳ねる。
「んぎっ!?」
唐突な痛みに仰け反ってしまった。
痛くて辛い筈なのに気持ち良くて仕方が無いなんて……
こんな体に改造されてしまっては
最早元には戻れないだろうと思えてしまうくらい強烈だった。
(あぁ、駄目……だめぇえ……)
僅かばかり残っていた理性の糸さえも断ち切れてしまう。
(こんなの……耐えられるわけないよぅ…………♡)
屈服の宣言と同時にイキ散らかす褐色巨乳美少女。
「~~~~~ッッ!!」
声にならない絶叫と共に盛大に達してしまう。
頭の中でパチンッ! という音が聞こえて何も考えらず、
全身の力が抜けて倒れ込む寸前で支えられる感触があった。
「女の子に生まれてよかった……♡」
アリィは恍惚とした表情を浮かべていることしか出来なかった。
(ああ……好き……好きぃいい……)
無意識のうちにそんな事を呟きながら
自分から唇を重ねてしまう。
本能に支配された獣同然の行動を取っていた。
歯列を割って口腔内へ侵入してくる分厚い舌を迎え入れてしまう。
唾液を注ぎ込まれても飲み込み続けてしまう有様だ。
「ふーっ、ふーっ」
息継ぎをする為に一旦離れると名残惜しそうな声が響き渡った。
乳肉が喜びに打ち震えている。
左手を伸ばして乳首を捏ねくり回す様子を見せつけながら
もう片方の手を使ってクリトリスを刺激し始める。
三点同時責めによる拷問めいた快楽地獄に悶絶していた。
「んぉおおッ!? そこだめっ、ほんとにダメなんだからぁ……♡」
絶え間ない連続アクメに翻弄されるメスを躾けるべく
パンッ! と乾いた破裂音と共に叩かれた尻たぶが赤く腫れ上がる。
ズキンとした痛みの後にジンワリと広がる甘美な痺れ。
それを何度も繰り返すことによってどんどん
性感帯として作り変えられていった。
「~~ッ!?!」
「さぁ、真実の貌を自覚するが良い」
言われた通りに鏡の方へ視線を向けてみると
信じられない光景が広がっていた。
(これが……本当の私……?)
今まで見たことも無い程卑猥な姿になっていた。
肌は朱色に染まっており、瞳孔は完全に開き焦点が合っていない。
涎まみれになっている口元と開閉を繰り返している膣口。
尿道からはおしっこが垂れ流しになっている始末。
そんな醜態を晒しているというのに何故か興奮していた。
(私はなんて愚かだったの? もっと早く知りたかった♡)
身体の奥底から湧き出てくる喜悦を抑えられなかった。
もっと虐めて欲しいという欲求に駆られ、
褐色巨乳を揺らして媚びるメスの仕草。
診療室の錆びた蝶番が軋む音は、まるで死刑執行を告げる鐘。
ゴツゴツした指が張り詰めた乳房を這い回り、
押さえ込まれていた官能を強制的に解放される快感に身悶えした。
禁断の甘美は男装を強いられた少女を蕩けた沼に沈め、
女体を捕らえて離さんとばかりに嬲り尽くす。
「ひっ!? ひぃ……う、ぁ……」
唐突に見せつけられた勃起チンポに絶句するアリィ。
淫水焼けしたメス殺しの凶悪ペニスが顔面を威嚇し、
カリ高でズル剥けの亀頭を鼻先にグリグリ押し付けると、
「くんくん……ちゅぽっちゅぱっ♡」
反射的に匂い嗅ぎとしゃぶりを開始してしまう浅ましい牝犬の如き痴態。
屈辱より快楽の方が上回ってしまっているのは明白だった。
「んぶぼっ♥おぶぅ♡」
根本まで咥え込ませようと頭を鷲づかみされ
喉仏が歪むほど串刺しにされても
愛液を垂れ流しながら嬉ション寸前なのが嘘みたいだ。
巨大な睾丸が喉を塞ぎ窒息寸前で酸素不足に喘ぎながらも
一心不乱に舐めしゃぶる姿は実に哀れで滑稽である。
「……っごほ!! げほ! ……ぅげっ!!!」
唾液と先走り汁で泡立ちながら
噎せ返るアリィを蔑みつつも腰振りは決して止まらない。
チンポのカタチと味、匂いを覚え込ませ脳に焼き付ける鬼畜の所業。
舌の使い方を刻み込み、オスへ屈服する唇奉仕を叩き込む。
「おっき……ぃ♡んお゛ぉ❤️」
血管が浮き出て猛々しく脈打つソレを愛おしそうに握り締め、
フェラを続けたまま唾液でヌチャヌチャにする搾精マッサージ。
先端から溢れる我慢汁をお口いっぱいに溜め込んで嚥下すれば
さらに濃厚なエキスで栄養補給完了となるのだ。
全身が熱くなりクラクラして来たところで一気に口の中に噴射!
ドビュルルゥウウッッ!!
勢い余って鼻まで届く濃厚ザーメン。
独特の風味と粘つきが口腔内を満たし幸福ホルモンを分泌させていく。
「ちゅぽんっ……♡……ぷぁ〜〜♥」
口を開けばドロォっと糸引くスペルマと共に
妖艶な微笑を浮かべる褐色巨乳美少女。
唇の周りは白濁に汚れ、乳房からも滴っている始末である。
アリィは羞恥で潤んだ瞳のまま
男を挑発するかのように身を捩らせた。
露わになった双丘は柔らかな稜線を描き
玉露色の皮膜に包まれた突起物がわずかに震えていた。
官能中枢は溶解寸前のとろとろプリン状態。
脳内の快楽神経網がショートし快感物質がどばっと放出されれば
もはや自意識など微塵も存在せず
只々性に溺れて乱れる雌犬そのものになるほかない。
男の股間に顔を埋めたままのアリィが
チラチラと上目遣いで様子を伺いながら舌を這わせていく。
密かに読んだ官能小説で覚えたパイズリまで自発的に行う堕ちっぷり。
太腿を擦り合わせ腰をくねらせながら媚びる姿には
すでに王族としてのプライドなど欠片も残されていなかった。
「ふぅ……ぅぅっ……?」
困惑と怒りを滲ませるアリィだったが
媚肉の疼きに追い討ちをかけられ思考は曖昧模糊としたままだった。
熟した果実のごとく膨らみ切った褐色乳果実が激しく震え
甘い芳香が漂うほど発情しきっているというのに抵抗ができない。
(どうして……どうしてなの?)
乳首を摘まれ指先で弄ばれるだけで
鋭敏になった神経末端が反応してしまう始末。
「ふぁっ? はあん!?」
硬くなった豆を抓られ引っ張られる感覚だけでも昇天しそうになる。
「はあん……そ、そんな風にされたら私……わたし……」
(このままじゃダメェ……)
理性ではわかっていても身体が言うことを聞いてくれないのだ。
無意識のうちに股間を触ろうとしてしまう手足。
淫欲の坩堝で煮凝り固まった愛液がシーツに沁みていく有様だった。
跪き自分で腰を浮かせるアリィは
恥ずかしそうに目を逸らしつつも口角を吊り上げて嗤っていた。
もう彼女には他者など眼中に無いに等しく
自らの肉欲のみに囚われている様子は狂気にしか見えないだろう。
「わ……私が欲しいならお前の方から望むべきだろ」
反吐が出そうな傲慢さを装いつつも内心では期待している矛盾。
その証拠と言わんばかりにマンコからトロトロと蜜を垂れ流す始末だし。
「ぐっ……ううぅ……!」
押し潰されて悲鳴を上げる柔乳が悲しくもある。
柔軟性と張りを両立した肉塊が、巨根を挟んで歪み潰れ、
乳首が引き千切れんばかりに伸びるのは絶対的暴力の象徴。
(やめて……痛い……のに……)
なのに乳頭は充血したまま立ち上がり続けていた。
乳輪全体が火照りはじめ紅潮していく気配すらある始末。
乳肉が破壊的に虐められ嬲られる快感に脳漿を煮沸される。
涙交じりに喘ぎながら身悶える褐色肌は艶かしく輝き
牡の嗜虐心を煽り立てる以外の役割を放棄していると言ってもいい。
アリィは男の太ももに縋りつきながら自ら巨乳を揺らし
逞しい剛直を呑み込みにかかるのだ。
朱唇を割って捻じ込まれる圧倒的存在感に呼吸困難すら覚えてしまう。
「んぎゅううぅうッ!?!」
喉奥を塞がれ、息苦しさに悶える中、
それでもなお愉悦を得ようとする生物としての浅ましさよ。
(これが……女の幸せなんだ……)
敗北を受け入れたメス豚らしい諦観の眼差しで
犯されるアリィの表情は慈母めいた聖女すら超越しているのではないか?
口内に収まりきらない
長大な男根によって最奥部まで貫通させられるアリィ。
あまりの質量に咽喉を直接圧迫され苦痛と紙一重の快楽を味わう羽目となった。
「メス顔をして蕩けきっておきながら、王子を自称するか……」
嘲笑うかのように嘲弄され
悔しさから涙腺が緩んでしまう。
しかし……そんな状況すらも快感に変換されてしまう自分への嫌悪感が止まらない。
「いやぁあぁああぁ……♡」
肉竿を根元近くまで迎え入れ
雁首によって頬の粘膜を削られ掻き混ぜられて
アリィは呆気無く絶頂に至るしかないのであった。
褐色肌を穢す白濁の汚れが聖域を侵犯している様は
見る者に背徳感を与えるに違いない。
それでもなお
被虐願望に取り憑かれた肉体は貪婪に悦楽を貪っていった。
(女の身体って、最っ高……♡)
膣口が収縮と弛緩を繰り返しあさましい汁を噴き出す。
床には大量の粘液溜まりができあがっていくなか
褐色の裸体が愉悦に浸って痙攣し続けていた。
「ほお゛ぉ~~~……♥」
男根の抽送に合わせるように腰を振るメスブタの呻き声が響き渡る。
巨大な亀頭冠に喉を殴打されるたび
脊椎を通じて電撃のような衝撃が伝わり脳髄に到達していった。
「ン゙ッ!? んぶ、ぅっ……お゙、お゙ん゙ん゙ん゙ん゙ッ……!」
雄叫び混じりの咆哮と共に弓なりにしなる体躯。
視界全体が虹色に煌めくと共に
思考能力の一切を失ったまま連続したアクメ地獄に突き落とされたのである。
乳肉が激しく上下左右へ暴れ狂いながら揉み潰される。
母乳が噴き出し乳腺も痛んでしまいそうになる。
「ふぅ……くぅ……ぐうっ……」
肉竿に吸い付く唇の隙間から洩れる吐息が妙に扇情的。
快感という名の鎖に繋がれ永遠に抜け出せない檻へ
幽閉されてしまう未来を暗示するかのようだ。
そして再び訪れる嵐の前触れ……
(もうダメェ!! イクゥッッ!!)
待ち焦がれた瞬間への期待で心臓が高鳴る中
ついにその時は訪れた。
「アヒィイイイン♡♡♡♡♡!!!!」
強烈な射精とともに迸る精柱で頭蓋骨ごと打ち貫かれる絶頂。
パイフェラ奉仕するだけでイクほどに調教完了したアリィ。
愛おしそうに肉棒を愛撫しながら
ドクンドクンと脈打つ鼓動を愉しむ姿には
「ふむ……まさかこれで終わりだと?」
当然のように追加オーダーが舞い込んできた。
「ヒッ!!?」
怯えるような反応を見せつつも従順な奴隷のように傅く。
自ら舌先を使い亀頭から根元まで
丁寧に掃除していく献身ぶりには脱帽。
「次は何処を慰めて貰いますかな?」
嫌らしい笑みを浮かべながら見下ろす相手に対し
憎しみを募らせる一方でその視線だけで感じてしまう始末。
「クク……お望み通りたっぷり可愛がってさしあげよう……」
全身に鳥肌が立つのを感じながらも抵抗できずにいた。
むしろこれから先に待ち受けている快楽を想像すると
下腹部がきゅんきゅん疼いてしまうのである。
(どうすればいい……? どうしたらいい……!?)
焦燥感の中、己の乳房を掴み上げ愛撫し始める。
(あぁ……これが私の望みなのか?)
いや違うと言い聞かせようとするも
身体が言うことをきいてくれない現実を噛み締めるしかなかった。
こうやって男に弄ばれイキ狂わされる事が
運命であり人生そのものなのだと理解するまで時間は掛からないだろう。
(……好き……好きぃ……♡)
理性を消失させたアリィは
目の前の存在へ対する愛情と忠誠心すら芽生えさせていた。
男の眼の前でM字開脚ポーズを取り股間を晒すアリィ。
陰裂を中心に開ききった大陰唇内部からは大量の愛液が溢れだしていた。
ヒダ一枚一枚まで丹念に唾液と絡み合い光沢を放っている。
「はぁっ……はぁっ……」
荒々しい呼気を漏らしながらも恍惚とした表情をしているアリィ。
(なんでこんなに嬉しいんだろう)
普段ならありえない感謝の言葉を口走ってしまうほどの
心情の変化はある意味劇的とも言える。
エロ蹲踞でチン媚する恥辱も完全屈服した褐色娘にはご褒美だ。
おねだりするように媚びて腰をくねらせ
男に股座を見せつける淫猥すぎる下品なダンスで誘惑。
完全に屈服し、
マゾヒスティックな性感に酔い痴れるメスブタ状態となったアリィ。
乳首を強く抓られるたびに悶絶してしまう。
痛みすら快楽信号へと書き換えられてしまう肉体。
狂おしいほどの快美感に支配されて
自分から進んで巨根を受け入れ、処女を捧げるべく誘惑する。
脳細胞全てが破壊されかねない快楽超過で壊れていく中
アリィは魂レベルで啼哭するしかなかった。
しかしそれこそが生きるために必要な事なのだと信じて止まない。
(女って素晴らしいよね)
腰を振って巨乳を揺らしながら自慰行為に勤しむアリィ。
既に子宮頸管は降りてきており亀頭とキスする準備万端。
外国から派遣された老人の仔を孕む国辱すら望む王家失格のメス。
一晩の成果としては上々だと、満足したゼフィロス卿は……
「それでは、今日はコレまで。あぁ、言うまでもありませんが
コレはアナタが勝手に見た淫夢ですからな……?」
フッと、エインセルを解除して消える老体。
「……えっ!?」
唐突に梯子を外されて呆然としたアリィは、
異変を察して駆けつけたフェイムが扉をこじ開けたのにも気が付かず、
無様な痴態を晒し続けていた……
更新希望の原作
-
魔弾の王
-
落第騎士
-
ハイスクールD×D
-
月姫
-
モブせか
-
マジエク
-
のんびり農家
-
新妹魔王
-
八男