ダークエロよろず短編集 作:カード読み込み
葉巻の煙が、揺らいだ。
いや、揺らいだなどという言葉では足りない。
部屋の空気そのものが、重く、粘り気を帯びて震えたのだ。
レヴィ・アスカリッドは、執務机の上で組んだ指に力を込めた。
皺の深く刻まれた顔立ちが、苦悶という名の泥に塗れている。
報告は簡潔であった。
されどその内容は、彼女の内臓を直接掻き回すほどに濃厚であった。
アイリス。
可愛がり、そして歪んだ母性をもって縛り上げた義娘。
その身体が影犬たちに嬲られ、淫核を剥かれ、母乳を搾られ、
アナルという聖域すら縦割れのケツマンコへと創り変えられたという事実。
「くぅっ……」
レヴィの喉から、低い呻きが漏れた。
怒りか。悲しみか。それとも——。
ウォルター。
男はたった一人であった。
だがその一人が、欧州騎士連盟という巨大な肉体を、
まるで前戯もそこそこに股間を弄ぶ若造のごとく翻弄しているのだ。
五つの基地を同時襲撃し制圧し、
増殖する影犬どもに老若男女問わぬ輪姦劇を強要し、
そして要塞騎士たるアイリスの身体すらドスケベボディへと書き換えた。
無様であった。
まったくもって無様であった。
連盟は老いたのか。腐ったのか。
それともこのウォルターという男が規格外なのか。
レヴィは葉巻を灰皿に押し付けた。
火種は消えたが、内側では怒りの焔がメラメラと燃え盛っている。
対策を練らねばならない。
あの影犬どもを鎮め、あの増殖する死神を刈り取るにはどうすべきか。
レヴィは手元の資料に目を落とした。
そこに記されたウォルターという男の生い立ちは、
まさに闇そのものだった。
北米の貧民街。
湿った路地裏で生まれ育ち、10代でギャングの下っ端として初めて人を殺した。
血の匂い。硝煙の味。そして女の悲鳴。
それらが混ざり合う泥沼の中で、彼は育ったのだ。
そして特筆すべきは初体験である。
12歳の時。
ギャングの情婦であった10歳年上の女性。
彼女の方から誘ってきて半ば強引に経験させられたという。
「ほう……」
レヴィは眼を細めた。
なるほど。
ここに彼の性癖の原点がある。
年上の女性への憧れ。そして束縛されない自由への執着。
彼は結婚せず子供も作らない。
特定の誰かに縛られることを何よりも恐れているのだ。
だからこそセックスにおいては相手を徹底的に縛る側に回る。
影犬どもを使い無数の手と舌で相手を雁字搦めにし
身動き取れなくするその瞬間に最も自由であることを確認するのだという。
嗚呼なんという皮肉。
自由であるために他者を縛る。
支配するために自らを孤独にする。
それはまるで影そのものではないか。
光があるからこそ影は生まれるが光そのものにはなれない。
ウォルターという男は常に誰かの影でしかあり得ないのだ。
影狩り。
増殖する死神。
固有霊装ケイニス・リュカオンは常に彼の影の中に潛み、
意思に応じて実体化する猟犬であり自身が使用する大鎌。
影から影へと自由に移動し、暗幕を発動し、
創造した影に潛み奇襲と攪乱を主体とする戦闘スタイル。
そして伐刀絶技・影刃氾濫を核とし自身の影から
無数の巨大なブレードを発生させるのみならず
増殖能力を霊装に適用することで際限なく増殖する猟犬の群れを生み出すのだという。
「増殖……か」
レヴィは呟いた。
中出しは大好物だが避妊魔術によって生殖能力は皆無であるという。
子種としての機能を持たない精液はただ女殺しの媚薬としてのみ機能する。
生命を繋ぐ行為を快楽を貪るだけの虚無へと変えてしまったのだ。
家族を持たず血を繋がない。
ただ己の欲望だけを増殖させ影のように広げていく。
それがウォルターという男の本質なのだ。
レヴィは再び葉巻に火を点けた。
紫煙が天井へと昇っていく。
対策は見えた気がした。
奴は影だ。孤独な影だ。
ならばそれを照らすほどの強烈な光で当たればいいのか?
いやそれでは影は濃くなるだけだ。
奴が恐れるのは縛られること。
特定の誰かに捕まること。
ならば——。
レヴィはニヤリと笑った。
口の端を吊り上げ皺だらけの顔に似合わぬ不敵な笑みが張り付く。
「アイリス……お前はよくやった」
呟きは部屋の空気を揺らした。
ドスケベボディに創り変えられようと不屈であった義娘。
その鋼鉄の意思こそが奴に対抗し得る唯一の武器なのかもしれない。
だがそれだけではない。
もっとねっとりとした対策が必要だ。
女の身体にされたアイリスへの教育のごとく
ウォルターという男への教育が必要なのだ。
「任せなさい……私が……叩き直してやる……」
レヴィの瞳には昏い光が宿っていた。
それは策略家としての冷徹さか
あるいは歪んだ母性による庇護欲か
それとも——ただの老いた女の嫉妬か。
答えの出ない問いの中で葉巻の火種だけが赤く明滅していた。
◆◆◆
フランスの片田舎。
石造りの壁が、雨の湿気を吸い込んで、黒ずんでいる。
安宿。
ベッドのスプリングが、きしむ音。
それはただの金属音ではない。
女の喘ぎの予兆であるかのように、粘着質に響いた。
「あぁっ…… もう…… 許して……」
未亡人。
齢五十を過ぎた彼女は、宿の女将であった。
夫を亡くし、この寂れた宿を一人で切り盛りしてきた。
頬には深い皺が刻まれている。だが、それがかえって
長い年月をかけて熟成された証であるかのように、爛れた色気を放つ。
髪は灰混じりのブロンド。
結い上げられてはいるが、数本が汗で張り付き、首筋を這っている。
その首筋には、年齢と共に浮き出た青い静脈が蛇のように這い、
まるで男に吸い付いてくれと誘っているかのようである。
そして何より特筆すべきは、その肢体であった。
年齢と共に重力に従い、見事に垂れ下がった乳房。
それは熟れすぎた果実のごとく、重たぐるしい質量を持っている。
一歩歩くたびに揺らぐその振動は、
若い女の弾力とは違う、どろりとした欲望を直接揺さぶる暴力であった。
乳輪は大きく、黒ずんでいるが、
それがまた男という生き物の加虐心を刺激するのだ。
腹部は出ている。
出っ張った下腹は、出産と年齢の証であり、
同時にその奥にある子宮が、どれほどの精を受け入れてきたかを物語っているかのようである。
尻もまた巨大であった。
椅子に座れば肉が溢れ出し、立ち上がれば波打つその質量は、
まさに安産型の極みであった。
ウォルターは、テンガロンハットを目深に被ったまま、
ベッドの縁に腰掛けていた。
その影から、数匹の猟犬が這い出している。
「いい夜だねぇ。お姐さん、名前はなんてんだ?」
「マ、マデリーヌ…… あぁっ……」
マデリーヌは答える間もなく、影犬たちに責め苛まれていた。
犬たちは彼女の豊満な肢体に群がり、
ざらついた舌で舐め回している。
垂れ下がった乳房。下腹部。そして太腿の付け根。
「ひゃぅっ……! そこっ…… ダメぇっ……!」
マデリーヌの声は、悲鳴でありながらも、どこか甘美な響きを持っていた。
長年の禁欲。
夫の死後、女としての自分を封印してきた彼女にとって、
この刺激はあまりにも強烈であった。
影犬の舌は、ただ舐めているだけではない。
その動きには、明確な意志があった。
乳首を噛み、内腿をこじ開け、
秘所へと鼻面を押し込む。
「あぁぁ…… おかしく…… なっちゃう……!」
マデリーヌの抵抗は弱々しい。
むしろ自ら腰を突き出し、犬の舌を受け入れようとしているかのようだ。
ウォルターはニヤリと笑った。
帽子の縁を指で弾く。
「年増の女はいいねぇ。自分が何を求めてるのかわかってる」
彼は増殖する猟犬たちをけしかけた。
無数の手。無数の舌。
マデリーヌの肢体は影に覆われ、
ただ快楽の渦の中へと引きずり込まれていった。
嗚呼。
なんたる惨状。
なんたる歓喜。
雨はなおも降り続いている。
石造みの壁からは水が滲み出し、
それはまるで女の愛液のごとく、生温く粘ついていた。
◆◆◆
ウォルターにとって、戦争とは仕事であった。
そして仕事が終わった後のバカンスほど、甘美なものはないのである。
先日の基地襲撃。
大国同盟からの依頼は、確かに完了した。
五つの基地を同時制圧し、連盟の足止めを行い、
その過程で鋼鉄の処女をただの牝へと堕としたのだ。
報酬は既に懐に入っている。
連盟と同盟がドツボを突き合うのを高みの見物。
「まあ、俺の手はもう汚さなくていいだろうがね」
ウォルターはテンガロンハットを目深に被り直しながら、
ベッドの上で悶える未亡人マデリーヌを見下ろした。
彼女は今、影犬たちの群れに埋もれている。
無数の舌がその熟れた肢体を舐め回し、
無数の前足がその豊満な肉を鷲掴みにしている。
それはまるで、餌場に群がるハイエナのごとき有様であった。
「あぁっ! あぐっ! もう…… ダメぇっ!!」
マデリーヌの悲鳴は、もはや言語としての機能を失い、
ただの雌の喘ぎへと変貌している。
年齢と共に垂れ下がった乳房は、影犬たちの玩具となり、
無惨に形を変えられている。
乳首は赤く腫れ上がり、そこから白濁とした母乳がにじみ出ているかのようだ。
いや、それは母乳ではない。
ただの体液である。
熟れきった女の身体から搾り取られた、欲望の蜜である。
ウォルターはそれを見て、満足げに鼻を鳴らした。
彼は女をイジめるのが大好きである。
メス堕ちさせるのが大好きである。
そして何より、適当な女を喰い散らかすことが大好きであった。
マデリーヌのような年増の女は格別である。
若い女のような青臭さはない。
自分が何を求めているのかを熟知しており、
そしてそれを拒絶するための虚勢もまた、実に心地よいのだ。
「いいねぇ。その表情だ。もっと啼け。もっと喚け」
ウォルターはベッドに身を乗り出し、
マデリーヌの顔に自分の顔を近づけた。
熟成したウイスキーのごとき琥珀色の双眸が、
彼女の虚ろな瞳を覗き込む。
「貴方なんかに…… 負けない…… うぅっ……!」
マデリーヌは弱々しく抵抗しようとするが、
影犬たちの拘束は解かれない。
むしろその抵抗が、更なる興奮を煽るだけである。
ウォルターは立ち上がった。
大国同盟には、気の合う友人が多い。
ナヴァールなどはその筆頭である。
あの飄々とした男とは、酒を酌み交わしながら女の品定めをしたり、
戦場での武勇伝を語り合ったりするのが楽しみであった。
連盟との決戦には当然参加する予定である。
それは仕事としてだけではない。
もっと面白い獲物が待っているかもしれないからだ。
アイリス・アスカリッドのような鋼鉄の処女。
レヴィ・アスカリッドのような冷徹なる女傑。
彼女たちを泣かせ、堕とし、ただの牝へと変貌させることを想像するだけで、
彼の股間にある凶器は鎌首をもたげたのである。
「まあ、それはそれとしてだ」
ウォルターは影犬たちに命じた。
マデリーヌの脚を大きく開かせる。
秘所はすでに濡れそぼり、
ひくひくと収縮を繰り返している。
「今夜はまだ長い。たっぷりと可愛がってやろう」
彼はズボンの前をくつろげた。
避妊魔術を施された凶悪な一物が露わになる。
生殖能力を持たない、ただ快楽のみを追求した女殺しの媚薬。
「さあ、お頂きだ」
ウォルターはマデリーヌの中へと侵入した。
熱い。狭い。そして粘着質である。
年増故の爛れた肉壁が、彼を歓迎し、締め付ける。
「あ゙ぁ゙っ!!」
マデリーヌの絶叫が響く。
それは悲鳴でありながらも、どこか歓喜に満ちていた。
彼女もまた求めていたのだ。
このような暴力的な支配を。
長年の孤独と禁欲を打ち砕く、圧倒的な暴力を。
ウォルターは腰を振り始めた。
影犬たちもまた、彼に合わせて動き始める。
乳房を舐め回し、首筋に噛み付き、耳元で荒い息を吹きかける。
それは群交劇であった。
一人の老獪なる男と、無数の影犬と、一人の未亡人による。
フランスの片田舎の安宿で繰り広げられる、
泥臭くも甘美な宴であった。
雨はなおも降り続いている。
石造みの壁から滲み出る水は、女の愛液のごとく生温く、
二人の交合する音と混ざり合い、より一層の湿り気を帯びていくのであった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
母が裂かれている。
その事実は、しかし、娘たちにとって恐怖だけを呼ぶものではなかった。
いや、むしろ逆であったと言うべきか。
血という名の呪い。女という名の宿命。
それらがdnaの二重螺旋のごとく深く刻まれているからこそ、
見聞きする母の痴態が、己の肉体にも直接的な波状を呼ぶのだ。
「お母さん……! あぁっ…… いやぁ……!」
マデリーヌの長女。齢三十路を数えるベルナデットは、
自らも影犬の一匹に背後から抱え上げられながら、母の姿を見つめていた。
彼女の肢体は母譲りであった。
豊満。グラマラス。目のやり場に迷うほどの肉量。
だが三十路という年齢は、母のような爛れた熟れ方ではなく、
むしろ熟しかけの桃のごとく、破裂せんばかりの張りを残している。
特に乳房が凄い。
母以上に質量を増したその双丘は、影犬の前足に鷲掴みにされるたび、
熟れた林檎のごとく形を変え、ぷるんと波打つ。
乳首はまだ淡い臙脂色。それが今は充血し、
熟しかけの蕾が開花せんとするかのように硬くしこっている。
「見ちゃダメ…… 見ちゃ…… うぅっ……!」
次女カトリーヌ。二十代半ば。
彼女は長女のような肉付きではなかったが、
それがまた別のエロティシズムを醸し出していた。
くびれ。腰のなぎ払い。そして爛熟した弾力。
引き締まった腹筋の上に乗る砲弾型の乳。
影犬の舌がその脇腹をなぞり上げるたび、
彼女は身をよじり、蛙のごとく痙攣した。
母と姉の悲鳴が聞こえる。だがそれが耳から脳へ、
そして臍の下へと直接響くのだ。
血の共鳴。三世代に渡る遺伝子の記憶。
「女は絶頂して開花するのだ」という、生物学的な真実が、
彼女たちの理性を粉々に砕いていくのである。
そして——孫たち。
十代半ばの乙女たち。
彼女たちはもっと無惨であった。
まだ発展途上の肢体。小鹿のごとき華奢さ。
乳房などまだ膨らみかけのレモンほどしかない者もいる。
だが、それがかえって影犬たちの嗜虐心を煽ったのだ。
無毛に近い秘所。まだ誰にも触れられたことのない処女の門。
そこへ冷ややかな鼻面が押し込まれ、
ざらついた舌が粘膜をこすり上げる。
「ひぃっ……! おしっこ…… 出ちゃうぅ……!」
十にも満たない少女が、涙を流しながら絶叫する。
排洩の感覚と快楽の感覚の区別がつかないのだ。
それはあまりにも残酷で、そしてあまりにも美しかった。
蕾が散る瞬間。雫が弾ける瞬間。
影犬たちの舌は、その純潔を容赦なく刈り取っていく。
「なんてこったい。一家総出じゃねぇか」
ウォルターは、その光景を一望もとらんばかりの位置で傍観していた。
テンガロンハットの下から覗く琥珀色の双眸は、
興味と鄙獗の色を明滅させている。
「母がイけば娘もイく。孫もまたイく。
血ってぇのは恐ろしいねぇ。
理性なんてものは、遺伝子の前では薄氷みたいなもんだ」
彼は独りごちた。
老人の婆が犬にやられ喘いでいれば、
娘もまた共鳴して乳を震わせる。
少女が舌に責められ涙を流せば、
それがまた母と祖母を煽り立てる。
三世代の輪姦。
連鎖する快楽。
それはまさに地獄絵図であったが、
同時にこれ以上ないほどの淫靡なる交響曲でもあった。
「あぁんっ! お母さん! 私もっ…… 私もおかしくなっちゃうぅっ!!」
「おばあちゃん……! すごい音がするぅ……! 私のの中にも…… 何か入ってくるぅっ!!」
「あ゙ぁ゙っ! ダメぇっ! 種付けされるぅっ! お腹に種がっ…… はひぃぃッ!!」
哀号。嬌声。水音。
それらが石造みの部屋の中で反響し、
濃密な水霧となって充満していく。
ウォルターは体制を崩し、椅子に深く沈み込んだ。
彼は今、最高のバカンスを堪能していた。
戦場での殺し合いとは違う、
もっと本能的で、もっと生々しい殺戮。
尊厳という名の命を奪い、
雌という名の器へと作り変える行為。
「まったく、いい時代になったもんだね」
彼は笑った。
かつてはここまで醜悪で、ここまで美しい宴は存在しなかった。
影犬たちは際限なく増殖し、
女たちの肉体を無限に貪り続ける。
マデリーヌはもう完全に堕ちていた。
娘たちもまた同様である。
孫たちだけがまだ抵抗を見せているが、
それも時間の問題であろう。
肉体が書き換えられ、本能が覚醒すれば、
最後には自ら腰を振り、犬の舌を求めるようになるのだ。
雨はなおも降り続いている。
安宿の中で繰り広げられている宴は、
まだ序章に過ぎないのかもしれない。
◆◆◆
影が、震えた。
フランスの片田舎。石造みの安宿の一室で、
三世代の牝を同時に堕とす愉悦に浸っていたウォルターの眉が、
ぴくりと動いたのである。
テンガロンハットの下の琥珀色の双眸がすぅっと細められ、
口元に貼り付いていた笑みが消えた。
「……なんだ、こりゃあ」
気配を感じたわけではない。
彼の放っていた探知網たる影犬どもの一匹が、
遠く離れた地点で異様な魔力反応をキャッチし、
その情報を主たる彼の脳裡へとダイレクトに送り込んできたのだ。
反応のパターンは既知のもの。
連盟が誇る要塞騎士、黒騎士アイリス・アスカリッド。
先日、ドスケベボディへと再教育してやった鋼鉄の処女。
その存在が、この近辺にいるという。
「追ってきたか? いや……違うな」
影犬が送ってくる映像には、確かにアイリスの姿が映っていた。
だが、どうにも奇妙である。
彼女は甲冑《オレイカルコス》を身に纏ってはいなかったのだ。
いや、そもそも戦闘服ですらない。
彼女が着ているのは、ドレスであった。
それも、夜会で着るような、深いスリットの入った漆黒のパーティードレス。
「……なんだ、ありゃ」
ウォルターは二度、同じ言葉を吐いた。
困惑しているのである。
彼が知るアイリスという女は、私生活を全て捨て去った戦士だ。
恋を知らず、遊びを知らず、ただ剣と盾だけを友として生きてきたような石女。
そんな彼女が、よりにもよって男の視線を集めるためのドレスを纏っている。
しかもそのドレスは、あまりにも扇情的であった。
映像を精細に読み取る。
共有された五感は視覚だけでなく、
まるで自分がその場にいるかのような臨場感すら伴っている。
ドレスは絹とレースで仕立てられていた。
漆黒の布地は彼女の肌の白さをより一層際立たせ、
まるで夜空に浮かぶ月明かりのごとき陰影を生み出している。
デザインは大胆であった。
背中は大きく開いており、肩甲骨の峽谷が露わになっている。
あの日、影犬たちに舐め回され、震えていた肩甲骨の谷間が、
今は無防備に外気に晒されていた。
胸元もまた、深いV字にカットされていた。
湖底の銀を梳いた髪が、鎖骨の窪みに数本落ち、
その先にある双丘へと男の視線を誘う。
あの瑞々しい林檎の実のようなCカップの乳房。
薄橙の頂きはドレスに隠されているはずだが、
布地の上からでもわかるほどに硬くしこり、存在を主張している。
「ここを吸え」と誘っているかのようではないか。
そして問題は腰から下である。
ドレスには深いスリットが入っていた。
歩くたびに、太腿の付け根、鼠径部がちらりと覗く。
あの時、影犬たちによって縦割れのケツマンコへと創り変えられたアナルは
見えていないが、それを包み込む臀部のラインは、
以前よりも柔らかく、しかし弾力を持ってドレスを押し上げている。
控えめな林檎舗装と評された尻は、
今や男の腰を受け止めるにふさわしい豊満な肉厚を獲得していたのである。
ウォルターは息を呑んだ。
鋼鉄の処女は死んだ。
今そこにいるのは、ただの牝だ。
俺の影犬どもが開発し尽くした、
雌としての悦びに目覚めたばかりの、危うげな牝。
しかし何故だ。何故こんな場にいる。
何故そんな格好をしている。
それは俺への挑発か。
それとも連盟の罠か。
「……面白くなってきやがった」
口元に再び笑みが戻る。
先ほどまでの三世代輪姦など、ただの前菜でしかなかったと言わんばかりに、
彼の内側で新たな欲望が鎌首をもたげ始めたのだ。
アイリス・アスカリッド。
あの夜、完全に堕としきれなかった獲物。
彼女が自らこのような姿で現れたというのなら、
今度こそその魂ごと喰らい尽くしてやろう。
ウォルターは影犬に命じた。
対象の監視、追跡、けして見失うなと。
安宿の空気は相変わらずねっとりとしていたが、
彼の意識はすでに次の獲物へと向けられているのである。
雨はなおも降り続いている。
それはまるで、これから始まる宴を予見しているかのようであった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
酒樽が、玉座であった。
いや、違う。酒樽などというものではない。
かつて葡萄の血を湛えていたであろう、年経たる樫の樽。
その上に、まるで己こそがこの場の王であると宣言するかのように、
ウォルターは腰を下ろしていた。
片田舎の安宿の一室とは思えぬ、堂々たる振る舞いである。
そしてその玉座の周囲を、彼の忠実なる臣下たちが埋め尽くしていた。
影の猟犬どもではない。もっと生々しい、血の通った臣下たちである。
マデリーヌ。齢五十を過ぎた宿の女将。
その娘たち。三十路のベルナデット。二十代半ばのカトリーヌ。
そして十代の孫娘たち。
三世代の女たちが、今や一糸まとわぬ姿で、
まるでペルシャ絨毯のごとく床に敷き詰められていたのである。
「あぁっ…… もう許してぇ……」
「あひぃっ…… お腹いっぱいなのぉ……」
「おしっこ…… 止まらないよぉ……」
嬌声と哀訴が、湿った空気を震わせる。
どの女も虚ろな目をし、だらしなく開かれた口元からは涎が糸を引いていた。
腹の上には、白濁とした精液の水たまりが、まるで恥辱の勲章のごとく輝いている。
彼女たちはもう、人間ではない。
雄の性欲を処理するための、ただの生きた肉壺であった。
その地獄の只中へ。
彼女は、歩み入ったのである。
アイリス・アスカリッド。
漆黒のパーティードレスを纏いし、月明かりのごとき女騎士が。
「ほう……」
ウォルターは、帽子の縁を指で弾いた。
その琥珀色の双眸が、スリットから覗く白い太腿を舐め回すように嘗め上げる。
先刻、影犬どもに報告させた情報と、寸分違わぬ姿であった。
背中を大きく開いたドレス。肩甲骨の峽谷。深いV字に切り込まれた胸元。
あの時、ドスケベボディへと創り変えてやった肉体が、
このような扇情的な衣装に包まれているという事実だけで、
彼の股間にある凶器は鎌首をもたげ始める。
「こいつは驚いた。まさか連盟の黒騎士様が、
こんな場末の宿に一人でやってくるとはね。
しかも、随分と気合の入った格好じゃねぇか。
俺を誘ってるのか?」
ウォルターの声は、嗜虐と困惑とが混ざり合っていた。
アイリスは答えない。
ただ蒼玉の瞳で、じっとウォルターを見据えている。
その視線には、かつての恐怖も、屈辱も、怒りもない。
ただ深い覚悟だけが、湖面のごとく静かに湛えられていた。
彼女は、ゆっくりと口を開いた。
「取引を申し込みに来た」
声は震えていなかった。
それはまさに、一個の独立した騎士の宣言であった。
「取引? あんたと俺がか?」
ウォルターはニヤリと笑った。
酒樽の縁に肘をつき、まるで演劇でも見物するかのように身を乗り出す。
「面白れぇ。聞こうじゃねぇか」
アイリスは、手に持っていた小さな箱を掲げた。
蓋を開ける。中に鎮座していたのは、一つの首輪である。
隷属の首輪。主人の命令に逆らえば締まり、逆らい続ければ死に至る。
伐刀者にとっては、固有霊装の展開すら封じられる、
文字通り「奴隷」となるための呪具。
「私が、お前の奴隷になろう」
アイリスは言った。
「その代わり、お前はもう二度と、大国同盟の仕事を受けないと約束しろ。
連盟との決戦にも、参加するな」
部屋の空気が、一瞬で凍りついた。
あれほど響いていたマデリーヌたちの嬌声すらも、今は遠く聞こえる。
ウォルターは、しばし沈黙した。
目を細め、アイリスの真意を測りかねているかのようである。
「なるほどな」
彼はぽつりと呟いた。
「つまりあんたは、自分の身体一つで、
俺という男を戦場から遠ざけようってのか?
連盟を守るために、一人で俺の相手をするってのか?
そいつは傑作だ!」
彼の閧笑が、部屋に響き渡った。
しかしアイリスは動じない。
「私の身体は、もうお前に開発されてしまった。
元には戻れない。それならばいっそ、お前の所有物となって、
連盟にこれ以上の被害が出るのを防ぐ」
ウォルターは笑うのをやめた。
酒樽の上から降り、ゆっくりとアイリスに近づく。
その足取りは、獲物を吟味する老獪なる狼のそれであった。
彼女の顔を覗き込む。蒼玉の瞳を覗き込む。
そこには、あの夜のような恐怖はない。
自らを差し出すことで、より大きなものを守ろうとする、
殉教者のような光が宿っている。
「面白れぇ。実に面白れぇ女だ」
ウォルターは、アイリスの顎に手をかけ、上向かせた。
彼は年上の女が好みだ。束縛されない自由が何よりも大事だ。
だが、しかし。
この鋼鉄の意思を持った牝を、自分だけの奴隷として所有するというのは、
今まで味わったことのない、全く新しい愉悦を約束しているように思えた。
「いいだろう。その取引、乗ってやる」
ウォルターは箱から隷属の首輪を取り上げた。
黒革に銀の鋲が打たれた、おどろおどろしい呪具。
それを、彼は恭しく、まるで婚礼の儀式のように、
アイリスの白い首筋へと巻き付けたのである。
カチリ、と小さな音がした。
鍵がかかる音。それは同時に、
一人の女騎士の尊厳が、男の掌中に堕ちた瞬間でもあった。
◆◆◆
その小さな金属音は、運命そのものを断罪する槌音。
ウォルターは一歩下がり、品定めする。
漆黒のパーティードレス。
背中を大きく開いたその布地は、ま白磁の肌を引き立てるための額縁。
首輪の存在が、そのドレスを一張羅から、牝の証へと変貌させている。
そう、これはもうドレスではない。これは所有物の証。
彼女は自ら望んで、首輪を嵌められた奴隷となったのだ。
「美しいねぇ」
ウォルターの呟きは、ねっとりと湿度を帯びていた。
彼は帽子を脱ぎ捨て、くすんだ金髪を揺らしながら、再び彼女に近づく。
指を伸ばし、首輪の縁をなぞる。その指先が、かすかに鎖骨に触れた瞬間、
アイリスの身体が微かに震えた。恐怖か、それとも昂奮か。
いや、おそらくその両方であろう。
「鋼鉄の処女と呼ばれた女が、よりにもよって、こんな淫らな身体になり果てて。
おまけに、自ら俺の奴隷になりたいとはな」
彼の言葉は嘲弄であったが、その声には明らかな愉悦が滲む。
背後に回り、肩甲骨の峽谷を露わにした背中を、じっくりと観察する。
あの日、影犬たちに舐め回された谷間は、今はしっとりと汗ばみ、
ランジェリーの紐すらも淫靡な線を描いている。
その線を指でなぞりながら、更に言葉を続けた。
「その身体、俺の影犬どもがどれだけ開発したと思ってる?
淫核は包皮を剥かれ、常に剥き出しだ。ちょっと歩くだけで、
太腿の内側に擦れて、濡れるんだろう?」
アイリスは答えない。ただ唇を噛み締め、耐えている。
しかし、その沈黙こそが、何よりもの肯定であった。
ドスケベボディは、すでに彼の手によって書き換えられているのだ。
胸元の深いV字。そこに収まる双丘は、ドレスの布地の上からでもわかるほどに硬くしこり、
存在を主張している。薄橙の頂きは、指を待ち焦がれているかのように、布を押し上げていた。
ウォルターは正面に回り込み、その顎に手をかけた。
蒼玉の瞳が、彼を見上げる。その瞳には、涙が滲んでいた。
しかし、決して流れはしない。まだ、己の尊厳を守っているつもりなのだ。
そのいじらしい虚勢が、嗜虐心を更に激しく刺激する。
「いいぜ、アイリス。お前のその意思、その魂ごと、俺が貰い受けてやる。
今日からお前は、俺の奴隷だ。連盟の黒騎士でもなければ、
誰かの義娘でもない。ただの、俺の牝だ」
首輪に指をかけ、ぐいと引き寄せた。
そして、その白い額に、おもむろに口づける。
契約を完了させる印章のようであり、同時に、
これから始まる陵辱の、ほんの始まりに過ぎないのである。
部屋の中では、相変わらずマデリーヌたちの嬌声が響き渡っていた。
三世代の牝たちが、虚ろな目で主人の新たな獲物を眺めている。
その視線には、嫉妬と、羨望と、そして連帯感が混ざり合っていた。
彼女たちもまた、この男に堕とされた牝なのだ。
アイリスは、その視線に晒されながら、初めて自分の置かれた状況の、
底知れぬ深淵を垣間見たような気がした。しかし、もう遅い。
首輪は嵌められ、契約は成された。彼女の身体は、もう彼女自身のものではない。
「さあ、奴隷の挨拶ってやつを教えてやろう」
ウォルターの冷酷な命令が、湿度を帯びた空気を震わせた。
アイリスの瞳から、ついに一滴の涙が零れ落ちる。
それは彼女の誇りが、音を立てて砕け散る瞬間の、あまりにも美しい旋律。
「奴隷の挨拶だ」
ウォルターの声は静かであったが、その一言一句がねっとりと空気に絡みつく。
「エロ蹲踞。知らねぇか? 簡単なことだ。
まず、しゃがめ。膝を開け。そして手を後ろに組むんだ」
アイリスの蒼玉の瞳が、大きく見開かれた。
その意味を理解した瞬間、白磁の頬にさっと朱が走る。
首輪が、ちりちりと熱を帯びた。命令への拒絶を察知しているのだ。
「や、奴隷の挨拶など…… 聞いたことが……」
「今、教えてやっただろうが」
ウォルターは酒樽の玉座にふんぞり返り、琥珀色の双眸を細めた。
三世代の牝たちが、その視線に気づき、息を呑む。
彼女たちもまた、これから始まる新たな調教の宴を、固唾を飲んで見守っているのだ。
「その身体はもう、てめぇのもんじゃねぇ。俺の所有物だ。
俺がこうしろと言えば、そうする。
それが嫌なら、今ここで首を吊るか、それとも首輪が締め殺すのを待つかだ」
アイリスは震えた。
唇を噛み締め、涙を湛えた瞳でウォルターを睨みつける。
しかし、抵抗はしなかった。できないのだ。
彼女は自ら望んで、この首輪を受け入れた。
連盟を守るために、己の尊厳を差し出すと決めたのだ。
ならば、もう迷ってはならない。
その想いが、彼女の身体をゆっくりと床へと沈ませていく。
漆黒のパーティードレスが、擦れる音。
まず、彼女は跪いた。
絨毯の上に、そっと膝をつく。
その仕草だけでも、あまりにも優雅で、あまりにも悲壮であった。
「膝を開け。もっと大きく。太腿の内側が見えるようにな」
ウォルターの言葉が、追い打ちをかける。
アイリスは震えながらも、その命令に従った。
深いスリットの入ったドレスが、左右に割れ、
白く輝く太腿が、根元まで露わになっていく。
それはまるで、貝が自らの意思で殻を開き、内側の柔肉を晒すかのよう。
鼠径部の窪み。そこに浮かぶ青い静脈。
そして、その奥にあるはずの秘所を覆う、わずかな布地の影。
「手を後ろに組め。背筋は伸ばすな。もっと前のめりに、俺に乳を見せつけるように」
命令は更に続く。
彼女は両腕を背中に回し、右手で左の手首を掴んだ。
これにより、肩甲骨が更に寄り、背中の開いたドレスからは、
その美しい骨の峽谷が一層深く刻まれる。
そして前傾姿勢になることで、深いV字に切り込まれた胸元が、
重力に従って大きく開き、瑞々しい林檎の実のごとき双丘が、
零れ落ちんばかりにせり上がってきた。
薄橙の乳首が、布地の縁から覗いている。
いや、覗いているどころではない。
半分以上、外気に晒されているのだ。
充血し、硬くしこり、今にもはちきれんばかりの蕾。
あの日、影犬たちに開発され、敏感になり果てた頂点が、
今、無防備に、男の視線に晒されている。
「そうだ。それでいい。それが、エロ蹲踞ってやつだ」
ウォルターは満足げに頷いた。
彼の視線が、アイリスの肢体を舐め回す。
首輪。開かれた太腿。晒された乳房。そして涙に濡れた蒼玉の瞳。
それら全てが合わさり、彼の嗜虐心をこれ以上なく満たしていく。
「どうだ、アイリス。騎士連盟の連中に見せてやりたい気分じゃねぇか?
あの鋼鉄の処女が、今、こうして犬みてぇに膝を開き、
俺に乳を差し出している姿をよ」
アイリスの瞳から、再び涙が零れ落ちる。
しかし彼女は、俯かなかった。
命令通りに前のめりになったまま、じっとウォルターを見上げ続けるのだ。
その視線には、まだ確かな反抗の火が灯っていた。
だが、それでいい。その火が消える瞬間こそが、
この男にとって最高の愉悦なのである。
「いいぜ、その目だ。さあ、もっとよく見せてみろ。
その淫らな身体の隅々まで、じっくりと拝んでやるからよ」
部屋の中の湿度が、更に濃くなった。
マデリーヌたちの嬌声も、今は遠く聞こえる。
ただ、この二人だけの、静かで、しかしあまりにも扇情的な時間が、
ねっとりと流れ始めていたのである。
エロ蹲踞。
それは奴隷が主人に捧げる、最も卑屈で、最も淫らな挨拶であった。
両膝を左右に大きく開き、臀部を床から浮かせ、背筋を反らし、胸を突き出す。
まさに雌犬の姿そのもの。獣の体勢。
アイリス・アスカリッド。
連盟が誇る超級伐刀者。無敵甲冑《オレイカルコス》を纏いし鋼鉄の処女。
その彼女が今、自らの意思で、その姿勢をとっているのである。
嗚呼、なんたる皮肉。
なんたる倒錯。
漆黒のパーティードレスが、重力に従って乱れている。
深いV字に切り込まれた胸元からは、
瑞々しい林檎の実のごとき双丘が零れ落ちんばかりにせり上がり、
薄橙の頂点はすでに外気に晒され、硬くしこり、今にもはちきれんばかりに充血していた。
あの日、影犬どもに開発された乳腺が、
じんじんと熱を帯び、母乳を分泌しようとしているのかもしれない。
そう思うと、乳首の先端が更に尖り、
まるで「吸ってくれ」と誘っているかのようである。
腰から下。
深いスリットの入ったドレスは、膝を大きく開いたことで完全に左右に割れ、
白く輝く太腿の内側が、付け根まで露わになっていた。
鼠径部の窪み。そこに浮かぶ青白い静脈。
その奥にあるべき秘所は、まだ辛うじて布地に隠されている。
しかし、その布地はすでに湿り気を帯び、ぐっしょりと濡れそぼっているのだ。
淫核を剥き出しにされ、常に敏感になった彼女の身体は、
このような羞恥の姿勢をとらされているだけで、愛液を滴らせてしまうのである。
「どうした、アイリス。奴隷の挨拶は、ただポーズをとればいいってもんじゃねぇぞ」
ウォルターは酒樽の上から、嗜虐的な視線を浴びせかける。
その琥珀色の双眸が、汗ばんだ彼女の肌を舐め回すように嘗め上げた。
背中の開いたドレスから覗く、肩甲骨の峽谷。
そこを一筋の汗が伝い落ち、臀部の割れ目へと吸い込まれていく。
あの時、縦割れのケツマンコへと創り変えられたアナルが、
その汗の感触にひくついているかのようだ。
「口上があるだろうが。『どうぞお使いください、ご主人様』ってな。
教えてやらなきゃわからねぇか?」
アイリスの肩が、ぴくりと震えた。
蒼玉の瞳に涙が滲む。唇を噛み締め、羞恥に耐えている。
その姿は、まさに純白の睡蓮が泥に塗れようとする瞬間の、
あまりにも美しい、そしてあまりにも残酷な光景であった。
だが、彼女はもう、退けぬのだ。
首輪は嵌められ、契約は成された。
彼女の身体は、もう彼女自身のものではない。
連盟を守るという大義のために、
この老獪なる男に身を委ねると決めたのだ。
「……ど、うぞ……」
搾り出すような声。
蚊の鳴くような声。
しかし、確かに彼女は言ったのだ。
「……どうぞ、お使い、ください…… ご主人、様……」
その瞬間、ウォルターの口元が、にぃっと吊り上がった。
部屋の中に充満していた湿度が、更に濃くなった。
三世代の牝たちが、羨望と嫉妬の入り混じった吐息を漏らす。
彼は酒樽から降り、ゆっくりと、まるで獲物をいたぶる猫のように、
アイリスへと歩み寄っていくのであった。
「よく言えたじゃねぇか。いい子だ。
じゃあ、ご褒美に、その淫らな身体をたっぷり使ってやろう」
ウォルターは、己の股間をまさぐった。
避妊魔術によって生殖能力を捨て、ただ女を殺すためだけに進化した凶器。
それが今、鎌首をもたげ、獲物を喰らわんとしている。
アイリスの涙が、ついに一筋、その白磁の頬を伝い落ちた。
それは彼女の誇りが完全に砕け散った瞬間であり、
同時に、牝としての新たな生が始まる瞬間でもあったのである。
アイリスの唇が、震えながらも、それを受け入れた。
鈴口。
それは男の最も敏感な部位のひとつ。
その中心のくぼみに、彼女は恭しく口づけた。
神聖な儀式のように。いや、これはまさに儀式なのだ。
一人の女騎士が、魂と尊厳を主人に捧げるための、淫らで厳かな降伏の儀式。
彼女の舌が、おずおずと這い出した。
先端が、鈴口の縁をなぞる。
カリ首の裏側に溜まった恥垢を、丁寧に、ゆっくりと掬い取るように。
その味は塩辛く、苦く、そして雄の匂いがした。
嗅いだこともない、原始的な獣の匂い。
脳が焼き切れそうなほどの羞恥と、それとは相反する、
身体の奥底から沸き上がる未知の悦び。
そのふたつが混ざり合い、意識をぐちゃぐちゃにかき混ぜていく。
「そうだ…… もっと丁寧に…… 根元から舐め上げろ……」
ウォルターの声は、まるで子犬をしつけるかのように優しいが、
その奥には絶対的な支配者の冷酷さが潛んでいる。アイリスは言われるままに、
舌を亀頭の先端から根本へと這わせた。びくん、と一物が震える。
口の中で、それはますます硬度を増し、熱を帯びていく。
まるで別の生き物のようだ。
舌が、裏筋を這う。その凹凸をひとつひとつ確かめるように、ゆっくりと。
影犬どもによって開発され、敏感になり果てた舌先は、
男の血管の一本一本の脈動すら感じ取ることができた。
奉仕されていることに昂奮し、脈打っているのだ。
「ん…… ふぅ……」
アイリスの鼻から、熱い吐息が漏れる。
目を閉じ、ただひたすらに舌を動かした。唇で亀頭全体を包み込み、
ゆっくりと吸引する。頬をすぼめ、真空を作り出す。
その拙いながらも懸命な奉仕が、かえって男の嗜虐心を刺激する。
「歯を立てるなよ…… もっと奥までくわえ込め……」
ウォルターは彼女の銀髪を鷲掴みにし、腰を突き出した。
喉の奥まで異物が侵入してくる感覚に、アイリスはえずき、涙を流す。
それでも彼女は拒絶しない。その涙に濡れた蒼玉の瞳で、
じっとウォルターを見上げながら、更に頭を前後させ始めた。
部屋の中には、嗚咽と、水音と、マデリーヌたちの嬌声が混ざり合い、
異様な交響曲を奏でている。漆黒のドレスから零れ落ちた乳房が、
動きに合わせてゆさゆさと揺れた。
薄橙の乳首が、空気を掻き、更に硬くしこっていく。
「いいぜ…… その顔だ…… 泣きながら、
それでも必死にしゃぶるその顔が…… たまらねぇ……」
ウォルターの口元が、三日月のごとく歪む。
彼は征服者であった。鋼鉄の処女と呼ばれた女の口を、自らのモノで満たし、
その喉奥を犯し、涙を啜らせている。この上ない優越感が、
彼の全身を駆け巡り、一物を更に膨張させる。
「出すぞ…… 一滴残らず飲み干せ…… お前への、初めてのご褒美だ……」
その言葉と同時に、アイリスの口内で、灼熱の奔流がほとばしった。
どくどくと脈打つそれは、避妊魔術により生殖能力を奪われた、
ただ快楽のためだけの毒液。彼女は咳き込みながらも、必死にそれを嚥下する。
喉を鳴らし、ごくりと飲み干すたびに、身体の内側から熱が広がっていくようだった。
それはまさに、彼女という一個の人格が、
ウォルターという毒によって侵食され、塗り替えられていく感覚。
長い射精が終わり、彼が一物を引き抜くと、
アイリスの口からは白濁とした液が糸を引いた。
その場に崩れ落ち、荒い息を繰り返す姿は、もはや騎士でも、女でもない。
ただ雄の精を啜り、悦びに打ち震える、一匹の美しい牝であった。
「上出来だ、アイリス。よくできたな」
ウォルターは彼女の頭を撫でた。それは飼い犬に対する労いのようでありながら、
どこか歪んだ愛情が込められているようでもあった。
そして彼は、次の命令を下す。
「だが、まだ挨拶は終わっちゃいねぇ。
次は、そのドスケベボディの、本当の使い方を教えてやる」
部屋の隅で、三世代の牝たちが、羨望と嫉妬のこもった溜息を漏らす。
彼女たちもまた、ああやって堕とされたのだ。フランスの片田舎の安宿で、
絶対者の雌として開花する儀式は、まだその序幕を終えたばかり。
雨はなおも降り続け、淫靡なる夜は更に深まっていくのである。
口内に残る雄の味と、喉奥にこびりついた白濁の感触。
それがまだ、アイリスの意識を朦朧とさせていた。
床に崩れ落ち、肩で息をする彼女の銀髪を、ウォルターは優しく撫でる。
その手つきはまるで仔犬をあやすようでありながら、
その実、次の陵辱への準備を整える合図に他ならなかった。
「いい顔だ、アイリス。だが、まだだ。挨拶はまだ終わっちゃいねぇ」
ウォルターはしゃがみ込み、彼女の顎をぐいと持ち上げる。
涙に濡れた蒼玉の瞳。それはもはや、鋼鉄の処女のものではない。
雄の精を啜り、雌としての悦びに目覚めかけている牝の眼だった。
「立て。そして、そのドレスを脱げ」
命令は絶対。隷属の首輪がちりりと熱を帯び、逆らうことを許さない。
アイリスは震える足で立ち上がり、ドレスの肩紐に手をかけた。
するり、と漆黒の布地が滑り落ちる。月明かりのごとき白い肌が、
安宿の薄暗い灯りの中に浮かび上がった。
ランジェリーだけを身に纏いし肢体。鎖骨。肩甲骨の峽谷。
くびれた腰から流れるようにして、尻へと至る曲線。
その全てが、男の視線を吸い寄せるように蠱惑的であった。
「これもだ。全部脱げ」
更なる命令。彼女はブラジャーのホックを外し、ショーツを下ろす。
薄橙の乳首が露わになり、下腹部の薄い陰毛が灯りに照らされる。
一糸まとわぬ姿。これが彼女の、奴隷としての本当の姿であった。
「ベッドに横たわれ。膝を立て、脚を開け」
アイリスは従った。古びたスプリングが軋む。
最も恥ずべき部分を、主人に向けて晒す姿勢。
それはまさに、これから行われる行為への無言の同意であり、
牝としての完全なる降伏であった。
ウォルターはその姿を見下ろしながら、己の凶器をまさぐった。
避妊魔術により生殖能力を捨て、ただ快楽のみを追求した、
女殺しの媚薬たる一物。それは先ほど口内で爆発させたばかりだというのに、
すでに鎌首をもたげ、獲物を喰らわんとしている。
「てめぇのオマンコは、まだ処女のままだったな」
ウォルターは独りごちる。あの日、影犬どもによる再教育。
淫核は剥かれ、アナルは縦割れのケツマンコに創り変えられ、
乳腺は開発され、全身を性感帯へと改造された。
しかし、処女だけは奪わなかったのだ。
最も敏感で、最も脆い部分をあえて残しておいたのは、
この時のため。自らの意思でそれを差し出させ、
その瞬間の絶望と悦楽を、じっくりと味わうため。
「今からそれ、貫いてやる。てめぇが何十年も守ってきた、
そのつまらねぇ純潔ってやつを、俺のチンポでぶち破ってやる」
アイリスの身体が、ぶるりと震えた。
恐怖か、それとも昂奮か。おそらくはその両方。
彼女は天井を見つめ、唇を噛み締めている。
ウォルターはベッドに上がり、彼女の脚の間に身を置いた。
そして、ぐいと腰を突き出す。凶悪な亀頭が、愛液に濡れた秘裂に触れた。
剥き出しの淫核をかすめ、ぬるりと滑る。そして、その先端が、
処女の門へと押し当てられた。
その瞬間であった。
「ひ、ぁ…… あ゙ぁ゙っ……!!」
アイリスの身体が、弓なりにしなった。
まだ挿入すらされていない。ただ亀頭が入り口に触れただけ。
それだけで、彼女は絶頂に達してしまったのである。
再教育された身体。ウォルターのチンポ用に開発され尽くしたドスケベボディは、
ついに主人の一物を受け入れる瞬間を迎え、その喜びに打ち震えていた。
愛液がどぷりと溢れ出し、亀頭をぬめる。
「挿れる前からイきやがった。どんだけ淫乱なんだよ、お前は」
ウォルターの口元が、嗜虐的に歪む。
彼はもはや躊躇わなかった。腰を一気に突き入れる。
処女膜が破れる感触。肉壁をかき分け、最奥へと至るまでの、
その一瞬の動きが、あまりにも生々しく、あまりにも扇情的であった。
「お゙っ…… ほぎゃあ゛っ……!!」
アイリスの口から、濁点混じりの絶叫が迸る。
破瓜の痛み。しかし、それ以上に、子宮の入り口を亀頭でこじ開けられた衝撃が、
彼女の全身を駆け巡った。涙が飛び散る。唾液が糸を引く。
両脚はガクガクと痙攣し、足の指がぎゅっと縮こまった。
それでも彼女は、ウォルターの背中に脚を回し、決して離そうとはしなかった。
自ら腰を押し付け、更に奥へと誘う。そのあまりにも淫らな動きに、
ウォルターは歓喜し、そして更に激しく腰を打ち付け始めたのである。
部屋の中に、肉と肉がぶつかり合う湿った音が響き渡る。
三世代の牝たちは、その光景をただ羨望の眼差しで見つめていた。
鋼鉄の処女は、ついにその純潔を奪われた。
否、自ら差し出し、自ら悦びを得たのだ。
フランスの片田舎の安宿で、牝としての新たな生を、
彼女は今、全身で謳歌しているのである。
雨はなおも降り続き、淫靡なる夜は、まだその深さを増していくのであった。
処女膜が破れる音は、しなかった。
いや、正確には聞こえなかったのだ。
アイリス・アスカリッドという一個の女の、あまりにも凄絶なる絶頂の嬌声が、
その微かな破裂音を掻き消してしまったのである。
「お゛っ……ほぎゃあ゛っ……!!」
濁点混じりの咆哮。
それはもはや、人間の言語ではない。
獣の、いや、発情した牝の断末魔。
白磁の喉が反り返り、湖底の銀を梳いたストレートロングが、
汗と涙と唾液でぐしゃぐしゃに濡れながら、枕の上で乱舞。
純白の睡蓮が、嵐の中で散り行く瞬間の、あまりにも美しく凄惨な光景。
ウォルターの一物が、彼女の処女膣をこじ開け、
子宮の入り口へと到達した、その瞬間。アイリスの身体は、
ウォルターのチンポ用に再教育されたドスケベボディは、
これまで経験したことのない、天変地異のごとき快楽の津波に呑み込まれていた。
「ひ、ぃ……ぁ、あ……!」
声にならない声。
痙攣する肢体。
子宮口を亀頭でノックされるたびに、全身を貫く稲妻。
それは痛みか、悦びか。
いや、おそらくその両方が、もはや分かち難く結びつき、
理性という名の薄氷を粉々に粉砕。
剥き出しの淫核は、亀頭が通過するたびに擦り上げられ、
鈴口から溢れ出るカウパー腺液と、処女血と愛液が混ざり合い、
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を奏でていた。縦割れのケツマンコに改造されたアナルは、
膣内を蹂躙される快楽に連動してひくひくと収縮し、
まるでそこからも何かを咥え込もうとしているかのように、物欲しそうに蠢いている。
「イったか? まだだろ? こんなもんじゃねぇはずだ」
ウォルターは冷酷に笑いながら、腰の動きを止めない。
むしろ、更に激しく、更に深く、最奥を穿つ。
腰が、豊満な尻肉にぶつかるたびに、ぱんぱんと小気味よい音が響き、
その振動が乳房へと伝わり、薄橙の乳首を震わせる。
その度に、開発された乳腺からは、白濁とした母乳がじわりと滲み出し、
白磁の腹の上に水たまりを作っていくのだ。
「あ゙……あ゙……し、死ぬ……死んじゃうぅ……!」
アイリスは、涙で歪んだ視界の中、天井を見つめながら、
それでも必死にウォルターの背中に脚を回し、自ら腰を押し付ける。
それは、もはや理性のない、条件反射的な動き。全身の細胞が、
主人の精を一滴残らず受け止めようと、子宮という名の聖杯を差し出しているのだ。
「ああ、殺してやるよ。俺のチンポで、てめぇのそのつまらねぇ自我も、
誇りも、何もかも、ぐちゃぐちゃにぶち壊してやる」
その間も、腰の動きは止まらない。
むしろ、より一層、速度を増していく。
それはまさに、殺意すら孕んだ、執拗なまでのピストン運動。
部屋の隅では、三世代の牝たちが、自分たちの時と同じように、
いや、それ以上に激しく、そして官能的に堕ちていくアイリスの姿を、
ただ呆然と見つめていた。マデリーヌの虚ろな目に、ほんの一瞬、正気の光が戻る。
それは、自分たちをこんな風にした男に対する、新たな獲物への、
あまりにも深い同情と、そして連帯感であった。しかし、それもすぐに消え失せる。
影犬の一匹が、再び彼女の秘所に鼻先を埋めたからだ。
鋼鉄の処女は、死んだ。否、生まれ変わったのだ。
ウォルターという絶対者の、精液と暴力によって、牝としての新たな生を、
今、全身で、そのドスケベボディの隅々で、謳歌しながら。
「出すぞ、アイリス。てめぇの子宮に、たっぷりとな。てめぇの一番奥に、ぶち撒けてやる」
その言葉と同時に、ウォルターは最奥まで一気に突き入れ、
そして、どくん、どくん、と脈打ちながら、灼熱の奔流を放った。
アイリスの身体が、再び弓なりにしなる。口からは、もはや声にならない、
ただひたすらに長い、雌の絶叫だけが迸った。
処女喪失。そして初めての膣内射精。
その二つの衝撃が、身体を、そして魂を、完全に塗り替えていく。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「焦るなよ、アイリス。男ってやつはな、
こうやってゆっくりと、女の身体に己の形を教え込んでいくもんなんだ」
ウォルターの声は、まるで愛しい者に囁きかけるかのように優しかった。
だが、その行為は、最も残酷で、最も甘美な調教に他ならない。
背面座位。
彼はアイリスの背後から抱きかかえるようにして、
その華奢な身体を自分の胸に預けさせていた。尻の割れ目に、
先ほどまで彼女の処女血と愛液で濡れそぼっていた一物を、
ゆっくりと、まるで味わうかのように擦り付ける。そして、その先端を、
まだ先刻の余韻でひくついている秘裂へと、再び沈めていった。
「ひ、ぁ……あぁ……っ」
アイリスの口から、押し殺したような嬌声が漏れる。
背面座位は、通常の正常位よりも更に深く、そして子宮口への圧迫感が強い。
ウォルターのチンポ用に再教育された彼女の膣は、
その侵入を悦び、肉壁を複雑に蠢かせて、自ら咥え込もうとする。
「そうだ、よく咥えるじゃねぇか。だが、まだ動くなよ。
まずは、てめぇのオマンコに、俺のチンポのカタチを覚え込ませるんだ」
彼は腰を動かさない。
ただ、最奥までずっぷりと埋め込んだまま、アイリスの身体を抱きしめる。
左手は、彼女の胸元へと伸びた。瑞々しい林檎の実のごとき左乳房を、鷲掴みにする。
掌いっぱいに溢れるその弾力。指の間からせり出す白い果肉。
「んっ……!」
「感じるか? お前の乳は、今、俺の手の中にある。お前のオマンコは、
俺のチンポを咥え込んでる。その全部が、俺のもんだ」
耳元で囁かれる声。その言葉だけで、アイリスの身体はびくびくと震え、
浅い絶頂に達していた。愛液が、結合部から溢れ出し、二人の太腿を濡らす。
「乳首も、ほら、こんなに硬くして……」
ウォルターの指が、薄橙の乳首を摘み上げる。
こりこりと指の腹で転がし、ぎゅっと抓り上げる。
そのたびに、開発された乳腺から、
白濁とした母乳がじわりと滲み出し、彼の指を濡らした。
「はひぃっ……! そこ…… ダメぇ……!」
「ダメじゃねぇ。もっと感じろ。乳首でイケ。
お前の身体は、そうやって悦ぶようにできてるんだ」
右手は、下腹部へと滑り降りていく。薄い陰毛をかき分け、
剥き出しになった淫核を探り当てる。包皮を剥かれ、常に敏感になったその真珠は、
触れるだけでアイリスを軽い絶頂へと導いた。
「ほら、クリトリスもイジめてやる。乳首と、クリトリスと、
そしてオマンコの中。全部同時に責められたら、どうなる?」
ウォルターは、そこで初めて、ゆっくりと腰を動かし始めた。
子宮口を亀頭でこじ開け、引き抜き、そしてまた奥へと突き入れる。
その動きに合わせて、乳首を抓り、淫核を弾く。
「あ゛っ……! あ゛ぁ゛っ……! や、やめ…… おかしくな…… あひぃっ……!」
アイリスの身体は、もはや彼女自身の制御を完全に離れていた。
背面座位で抱きかかえられ、身動き一つできないまま、
ただ与えられる快楽の波に呑み込まれ、何度も何度も甘く、深く、絶頂を繰り返す。
その度に、膣は痙攣し、ウォルターの一物を更に奥へと誘い込む。
それはまさに、快楽の刻印。彼女の女体に、
ウォルターという男の形が、一から教え込まれているのである。
部屋の隅に転がされた、彼の上着のポケットで、小型の通信機が震えた。
気配を察知したウォルターは、アイリスへの愛撫を続けながら、
片手で器用にそれを取り出す。相手は、ナヴァールだった。
『よう、ウォルター。楽しんでるか?』
声はいつものように飄々としている。
ウォルターは、アイリスの乳首を指で転がしながら、気だるげに応答した。
「おう、最高のバカンスだ。生憎と、てめぇにゃ分けてやれねぇがな」
『そいつは残念。で、例の黒騎士はどうした? 始末したか?』
「いや、飼うことにした」
ウォルターは事も無げに言った。
「こいつは俺の奴隷だ。隷属の首輪まで付けやがった。その代わりに、
連盟との決戦には出られねぇ。てめぇにゃ不義理をすることになる」
通信機の向こうで、ナヴァールがしばし沈黙する。
だが、すぐに明るい声が返ってきた。
『なんだ、そんなことか。連盟の魔人を一人、完全に封殺できるなら、
上層部も文句はあるまい。むしろ大手柄だ。俺からもそう言っておく』
「そうか。悪いな」
『気にするな。それより、終わったら二人でどっか遊びに行こうぜ。
潰れるまで飲み明かすのも悪くねぇ』
「いいねぇ。決まりだ」
通信が切れる。
ウォルターはそれを放り投げ、再びアイリスへと向き直った。
彼女は、通話している間もずっと、与えられる快楽に翻弄され、小さく喘ぎ続けていた。
「待たせたな、アイリス。友達との約束はできた。
だが、その前に、てめぇの再教育を終わらせねぇとな」
彼は再び、彼女を抱え直す。
背面座位という、最も深く、最も支配的な体位のまま。
「さあ、今夜はまだ長いぜ。てめぇの身体に、俺を刻み込むのは、これからだ」
◆◆◆
タント]
背面座位。
それは、あらゆる体位の中で最も深く、最も支配的な交合の形であった。
背後から抱きかかえるようにして、アイリスの華奢な肢体を胸に預けさせ、
尻の割れ目に己の一物を沈める。彼女の細い首に巻かれた隷属の首輪が、
汗と涙に濡れて鈍く光っている。その光沢を見つめるたびに、
ウォルターの内側で何かが、どろりと音を立てて動くのだ。
「はひぃっ……! あ、あぁ……っ」
アイリスはもう、まともな言葉を発することすらできなかった。
背面座位で抱え込まれ、身動き一つできないまま、
ただ与えられる快楽の波に呑み込まれている。乳首を抓られ、淫核を弾かれ、
そして子宮口を亀頭でこじ開けられるたびに、
身体はびくびくと痙攣し、浅い絶頂を何度も何度も繰り返していた。
ウォルターは、その反応を心底愉しんでいた。
年増の女が好みだ。束縛されない自由が何よりも大事だ。
そのはずであった。なのに、この鋼鉄の意思を持った牝を、
自分だけの奴隷として所有するという行為は、
これまで味わったことのない、全く新しい愉悦を彼に与えていた。
「いいぜ、アイリス……お前のそのマンコ、最高に俺好みだ……」
耳元で囁く。その声は、自分でも驚くほどにねっとりとしていた。
避妊魔術によって生殖能力を捨て、ただ快楽のみを追求してきた彼の精巣が、
今、別の欲求に疼いている。子種を、注ぎ込みたい。この牝の腹に、己の子を。
その考えが、頭をよぎった瞬間、ウォルターは自分自身に戸惑っていた。
子供など、作る気は毛頭なかった。
家庭に縛られる気など、さらさらなかった。
それが、ウォルターという男の根幹を成す哲学であったはずだ。
なのに、何故。何故、この女の腹は、
これほどまでに己の精を受け止めるにふさわしいと思ってしまうのか。
「孕ませたい……」
無意識に、言葉が唇から零れ落ちていた。
「ああ……お前を孕ませたい。俺の子種を、その子宮にぶち撒けて、
お前の腹を俺の子で膨らませてやりてぇ……」
避妊魔術を解除する。
それは彼にとって、これまでの人生全てを否定するに等しい行為であった。
しかし、それ以上に、この牝の腹に己の子を宿させたいという欲望が、彼を突き動かしていた。
「んお゛っ……! あ゛、あ゛ぁ゛っ……!」
アイリスの嬌声が、更に高まる。
子宮口をこじ開け、亀頭が最奥に到達するたびに、膣は喜びに打ち震え、
肉壁を複雑に蠢かせてウォルターの一物を締め付ける。
精液を一滴残らず搾り取ろうとする、牝の本能そのものの動きであった。
「出すぞ、アイリス……今度のは、今までと違う……
お前を孕ませるための、本物の種だ……」
腰の動きが、更に激しくなる。
ぱんぱんと尻肉を打つ音が、湿った空気を震わせる。
影犬どもが、主の異変を感じ取ってか、部屋の隅で静かに様子を窺っていた。
三世代の牝たちもまた、その異様なまでの執着を孕んだ交合を、ただ呆然と見つめている。
「受け止めろ、アイリス! お前のその聖杯に、俺の全てを注いでやる……っ!」
そして、最奥で、灼熱の奔流がほとばしった。
どくどくと脈打ちながら、子宮の入り口を直接叩きつけるような、激しい射精。
それは、これまでの避妊魔術によって無力化されたものとは、
全く違う、生命を宿すための重みと熱を持っていた。
「あ゛ぁ゛っ……!! あつい…… お腹の奥、あついぃっ……!!」
アイリスが絶叫する。その胎内に、ウォルターの種が注ぎ込まれていく。
受精の瞬間。卵子と精子が出会う、
その決定的な瞬間を、彼女の身体は確かに感じ取っていた。
子宮が、歓喜に打ち震え、その聖杯を差し出している。
「孕め……俺の子を孕め……」
ウォルターは、荒い息を吐きながら、アイリスの腹を背後から優しく撫でた。
その手つきは、これまでの彼からは想像もつかないほどに、慈愛に満ちていた。
それは、老獪なる影狩りが、初めて見せる、人間らしい感情。
「てめぇはもう、俺のもんだ。俺だけの、牝だ。誰にも渡さねぇ。絶対に離さねぇからな」
その言葉は、もはや奴隷契約の確認などではない。
それは、愛の告白。歪で、暴力的で、しかし紛れもない、
一人の男から一人の女への、魂の叫びであった。
フランスの片田舎の安宿で、影狩りは、ついに己の半身を見つけたのである。
それは、彼にとっての救済であり、同時に、彼という自由を愛した男の終焉でもあった。
─────────ソレは有る女傑の策略。
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