ダークエロよろず短編集 作:カード読み込み
やっぱり、プロは取捨選択の腕が違いますわ
大国同盟の内情なんていちいち書いてられないよね
素人の暇潰しなんで、私は書きますけど
熱気。
ねっとりと肌に張り付く、脂の乗った熱気。
湿気。
肺の奥底まで塗り込めてくる、粘度の高い湿気。
ここはどこなのか。
地球なのか。
それとも、何処かの巨なる牝の胎内なのか。
蛮場流輝は、口の端をにぃっ、と吊り上げた。
笑うしかない。
そう、笑うしかないのである。
眼前に拡がる光景。
森だ。
樹海だ。
ただの樹海ではない。
一本一本の巨木が、まるで孕みたる女の腹のように大きく膨らみ、
そこから気根という名の無数の陰茎を垂れ下げている。
その気根が、地中へ、いや、
大地という名の女陰へと突き刺さり、精なる養分を貪り吸っているのだ。
ざわり。
ざわり。
風が吹けば、木々が揺れるのではない。
木々が喘いでいるのだ。
淫靡な摩擦音を立てて、樹皮と樹皮が擦れ合い、樹液という名の蜜を滴らせて。
「……すげぇ所っすねぇ」
隣を歩く小柄な影、フー・シャオリーが呟いた。
その声さえも、この湿気の中では鈍く響く。
流輝は眼をすぅっと細めた。
央佳(おうか)。
中華大陸を数千年間仕切る枠組み。
その言葉の重みを、今、肌で理解したのである。
数千年。
気の遠くなるような時間だ。
しかし、この大地はその時間を、ただ過ごしてきたわけではない。
愛されてきたのだ。
何度も、何度も、何度も。
王朝が代わり、旗色が変わろうとも、根本は変わらない。
そう、この大地は「女」なのだ。
誰のものでもあり、誰のものでもない。
ただ、強い男の精を受け入れ、新たな命を孕み続ける、底無しの女なのだ。
無数の勢力。
無数の個人。
彼らが好き勝手に時空を弄った。
時空魔法?
そんな生温いものではない。
もっと根本的で、もっと暴力的で、もっと淫らな干渉だ。
時空そのものを犯し、ねじ曲げ、己の都合の良いように産み変えたのだ。
その結果どうなったか。
地球の表面積に数倍する領土。
信じられぬ話である。
だが、目の前の異様な自然を見れば、頷かざるを得ない。
空が歪んでいるのだ。
雲が、あるべきはずの高さではなく、手が届きそうな低さを這っている。
太陽が二つ見えるかと思えば、次の瞬間には三つに増え、また一つに戻る。
幻覚ではない。
これが「常識」なのだ。
人類国家最大の人口。
百二十億とも言われる。
百二十億の人間が、この濃密な羊水の中で蠢いているのか。
想像するだけで、背筋がぞくりとする。
いや、背筋だけではない。
股間の奥底から、高圧の熱が湧き上がってくるのを感じる。
百二十億の人間がいながら、あちこちに未開拓の辺境を持つ。
それも当然だ。
広すぎるのだ。
この女の胎内は、計り知れないほど深い。
大西洋に匹敵する海洋が複数拡がっているという。
海だ。
塩水の海ではない。
体液の海だ。
麝香(じゃこう)と獣脂が練り合わされた禁制の芳香が満ちた、欲望の海だ。
樹海がある。
砂漠がある。
氷原がある。
環境が多種多様だ。
これもまた、この女が数千年に渡って様々な精を受けてきた証左であろう。
氷の精を受ければ冷たい女になり、火の精を受ければ淫乱な女になる。
その全てが、一つの胎内に共存しているのだ。
そして、仙人(せんにん)。
魔人とは似て非なる進化を遂げた人類。
彼らは不老である。
精神の崩壊。
あるいは昇華。
自然との一体化。
様々な理由で減っては入るものの、
その質と量は他国とは比較にならない。
流輝は思う。
彼らは「到達者」などではない。
彼らは「適応者」なのだ。
この濃密すぎる羊水に適応し、
その中で溺れることなく泳ぐ術を身につけた者たちだ。
彼らは呼吸をしない。
この世界の「気」そのものを吸い込み、吐き出しているのだ。
疑う余地無く人類最古にして最強の国家。
そう言い切っていいだろう。
……仮に、一致団結すれば。だが。
にぃっ。流輝は再び口の端を吊り上げた。
一致団結など到底無理な話だ。
この国は内向きである。
常に内向きだ。
お互いに鎬を削ることに夢中なのだ。
五覇七雄。
殷・秦・漢・元・華。
魏・呉・蜀・五丈・智・倭寇・匈奴。
これらの勢力が互いに牽制し合い、
潰し合い、
そして時には結び合う。
その摩擦こそが、
この国の活力であり、
同時に毒でもある。
余力で夷狄に対する為、歴史的に影がイマイチ薄い。
当然だ。
彼らにとって外敵など、ただの「前戯」に過ぎぬからだ。
本番は常に内側にある。
だが、若い伐刀者(闘士)の中にはソレを歯がゆく思う者もいるのだろう。
外に出たいと渇望する若き獣たち。
彼らはこの閉塞した羊水から飛び出し、外の世界で己の「技」を試したいのだ。
横にいる、シャオリーのように。
流輝は歩みを進める。
足元の土が、ぬるりと蠢いた気がした。
まるで歓迎しているかのように。
あるいは拘束しようとしているかのように。
央佳。
たまらぬ国であった。
流輝はふと思う。
己もまた、この国の濃密な空気に当てられつつあるのかと。
肉の内側から湧き上がる熱は、決して不快なものではなかった。
むしろ心地よい。
この場所は、「技」を研鑽するにはこれ以上ない環境かもしれない。
けひぃぃぃ。
喉の奥から、抑えきれない笑いが漏れそうになった。
さあ、行こうか。
この淫らなる胎内の最深部へと。
踊る。踊る。踊る。
思考が踊る。
技術。技。修練。肉体。限界。敗北。勝利。
全てが混ざり合い、発酵し、甘美な芳香を放ち始めている。
たまらぬ。
流輝は一歩、強く大地を踏みしめた。
しゅっ。
足元から衝撃波が走り抜けた気がした。
さあ、宴の始まりだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
央佳。
七雄の一角、呉。
その大地に降り立った瞬間、流輝は悟った。
ここは「外」ではない。これは「内」だ。
何者かの、あまりにも巨大な、牝の胎内だ。
「……すげぇっすねぇ」
隣のフー・シャオリーが、汗で額に張り付いた前髪をかき上げながら呟いた。
「自分も久しぶりに帰ってきたけど、
この湿気はやっぱり応えるっすよ。服がもう、ぐっしょりっす」
そう言って、胸元をパタパタと扇ぐ仕草をする。
その動きに合わせて、小ぶりな乳房が微かに揺れた。
彼女はすでに戦闘服を脱ぎ、この気候に合わせた軽装に着替えている。
薄い麻の生地は汗を吸い、その下の鍛え上げられた肢体を透けさせていた。
流輝は眼をすぅっと細めた。
シャオリーの肉体を観察する。
六つに割れた腹筋。
それが呼吸に合わせて、まるで別の生き物のように蠢く。
汗の粒が臍の窪みに溜まり、溢れて股間へと流れ落ちていく。
彼女は今、戦闘態勢ではない。
だからこそ、その肉体は正直だった。
この土地の空気が、彼女の子宮を直接、震わせている。
呉。
その名が示すもの、それは水だ。
水の国。
いや、正確には「体液」の国と言うべきか。
流輝は歩を進めながら、この国の歴史を反芻する。
央佳という巨大な枠組みの中で、呉は常に南方の雄として君臨してきた。
数多の勢力が凌ぎを削る央佳において、
呉はその気候ゆえに、独特の文化を育んできた。
高温多湿。
この四文字が、すべてを決定づけたのだ。
熟れる、という言葉がある。
果実が熟れるように、肉が熟れる。
その熟成の速度が、北方とは根本的に違う。
街に入る。
途端、視界に飛び込んでくる褐色の肌、肌、肌。
女たちだ。
そのほとんどが、薄衣一枚を纏うのみ。
いや、纏っているとは言えぬかもしれぬ。
布地は汗を吸い、肌に張り付き、
その下の肉体を隠すどころか、かえって強調している。
乳房だ。
褐色の乳房。
大きい。
とにかく大きい。
豊満という言葉では足りぬ。
それは「魔乳」とでも呼ぶべき質量である。
重力に従って垂れ下がることを拒否し、
大地に向かって杭を打つかのように、前方へと傲然と聳え立っている。
乳肌は汗と樹液とで濡れた薔薇のごとき艶を帯び、歩くたびにぷるん、と震える。
その震えが、見る者の脳髄を直接揺さぶるのだ。
乳房だけではない。
尻もまた、圧倒的。
馬鞍すら悲鳴をあげると言われた肉付きが、今、目の前を闊歩している。
尻を包む布地は、その豊満な曲線に負けて食い込み、深い谷間を形成している。
ぷりん、と弾む。歩くたびに弾む。
その弾む様が、まるで別の生き物のように視覚に訴えかけてくる。
叩いたらどんな音がするのか。
抓ったらどんな悲鳴を上げるのか。
想像しただけで、肉の内側から高圧の熱が湧き上がってくる。
彼女たちの目鼻立ちは、深い。
彫りが深く、エキゾチックだ。
切れ長の瞳は、情が深いと同時に、どことなく獰猛な光を宿している。
男を見る目つきが、獲物を値踏みする雌豹のそれなのだ。
何故、これほどまでに官能的なのか。
それはこの国が、常に「死」と隣り合わせだからだ。
央佳は広い。
広すぎる。
地球の表面積に数倍する領土。
人類国家最大の人口、百二十億。
それだけの人間が、いがみ合い、奪い合い、殺し合ってきた歴史。
その中で、呉という国は、決して最強ではなかった。
常に他国からの侵攻に晒され、明日の命すら約束されぬ日々。
だからこそ、彼らは「今」を生きる。
生の証として、激しく、深く、繋がり合う。
死の影が濃ければ濃いほど、生の輝きは増す。
彼女たちの褐色の肌が放つテカリは、その生の輝きそのものなのだ。
戦場での淫靡さも、これで合点がいく。
彼女たちは戦場でさえ、情欲の炎を燃やすという。
四肢を捩じ切りながら喉笛を裂き、血煙の舞う中で交接する。
相手の悲鳴が甘美な喘ぎとなる刹那こそ、至福の瞬間。
そんな倒錯した性癖が、なぜ生まれたのか。
答えはこの大地にある。
この空気を吸い、この水を飲み、この歴史を背負えば、そうなるしかないのだ。
ふと、鼻腔を突き刺す匂い。
麝香(じゃこう)と獣脂が練り合わされた禁制の芳香。
これは女の匂いか。
それとも、この国そのものの匂いか。
嗅いでいるだけで、意識の奥底がじわりと蕩け、
剥き出しの本能だけが鎌首をもたげてくるのがわかる。
「くっ……」
抑えきれない笑いが、喉の奥から漏れた。
たまらぬ国であった。
「シャオリー」
「なんすか?」
彼女の琥珀色の瞳が、流輝を見上げる。
その瞳の奥にもまた、この土地特有の、どろりとした熱が宿っている。
「お前も、この国で育ったな」
「……まあ、そうっすね」
シャオリーは少しだけはにかんだような笑みを浮かべた。
「自分の故郷はもっと北の方だったんすけど、それでも南方の血は濃いって、
老師に言われてました。だから自分、こんなにちっちゃくても、この通りムラムラするんすよ」
彼女は自分の下腹部をポンと叩いた。
さりげない仕草だが、その奥にある子宮の熱が、流輝には手に取るようにわかる。
「見せてみろ」
「へ?」
「お前の故郷の<技>をだ。この淫らな空気の中で、どこまで己を保てるか。それこそが修練だ」
にぃっ。
流輝は口の端を吊り上げた。
これは試練だ。
自分自身への試練であり、同時に、シャオリーへの再教育でもある。
この濃密な空気の中で、武の本質を見失わずにいられるか。
それとも、獣に堕ちるか。
シャオリーは一瞬きょとんとしたが、すぐに獰猛な笑みを浮かべた。
「いいっすねぇ。そういうの、大好きっす」
彼女はゆっくりと両手を掲げ、藍色の籠手「蛮鬼」を顕現させる。
その瞬間、彼女の周囲の空気が変わった。
熱気が、湿気が、まるで彼女を中心に渦を巻くかのように集まってくる。
「いきなりぶっ放すっすよ! 仙氣発勁!」
くそっ、と叫ぶ間もなく、彼女の掌底が流輝の腹に突き刺さる。
だが、当たる瞬間、その手が寸分の狂いもなく止められた。
流輝の人差し指が、彼女の手首の一点を、正確無比に押さえている。
「甘い」
「ぐっ……!」
流輝はそのまま彼女の手首を捻り上げ、耳元に唇を近づける。
「テメェの<技>は、過去の模倣だと言ったな」
「……っす」
「この大地は、その<過去>でできている。
数千年分の戦いの記憶が、この空気の中に溶け込んでいる。それを感じろ」
「感じる……っすか?」
「五感を開け。見ようとするな。嗅ごうとするな。聴こうとするな。ただ、感じろ」
流輝は彼女の手首を離した。
シャオリーは、ゆっくりと目を閉じる。
その顔から、先ほどの獰猛な笑みが消え、
代わりに、研ぎ澄まされた集中の表情が現れる。
周囲の空気が、さらに濃密になっていく。
無数の女たちの嬌声。
断末魔の叫び。
男たちの雄叫び。
大地が精を吸い込む音。
それらがすべて、渾然一体となって、彼女の中に流れ込もうとしている。
「……なに、これ」
彼女の両目が、驚愕に見開かれた。
「すげぇっす……何が見えるっす。自分が、何度も、何度も、この場所で死んでる……!
殺してる……! 犯してる……! 犯されてる……!」
彼女の身体が、がくがくと震え始めた。
股間を押さえ、その場にしゃがみ込む。
透明な液体が、太ももを伝って地面に落ちた。
「気持ちいい……! 怖い……! でも、気持ちいいっす……!」
アヘ顔。
いわゆる、アヘ顔である。
舌を突き出し、白目を剥き、子宮が歓喜に震えている。
流輝は眼をすぅっと細めた。
「それがお前の<実>だ。過去の模倣ではない。
この大地に刻まれた無数の死と生を、己の肉体で受け止め、己の糧としろ」
たまらぬ。
流輝は思う。
これが央佳だ。これが呉だ。
歴史だけでできているのではない。
精液と、愛液と、血液だけでできているのでもない。
これらすべてが、高圧の熱となって、人の子宮を震わせ、新たな命を孕ませるのだ。
踊る。
踊る。
踊る。
大地が踊る。
シャオリーが踊る。
そして、俺もまた、この狂乱の宴に、招かれているのだ。
ずん、と。
一際大きな地響き。
さあ、始めようか。
流輝は、熱く滾る己自身を自覚。
さあ、俺の<技>を、見せてやろう。
この淫らすぎる央佳という名の牝に。
その胎内に潛む、すべての獣どもに。
ごうっ。
一陣の風が吹き抜け、世界が、獣のように吠えた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ずん、と。
大地が鳴いた。
いや、これは地鳴りではない。
もっと深い、臓腑の奥底から絞り出すような呻きだ。
さきほどシャオリーが地面に滴らせた透明な蜜を、
央佳そのものが啜り上げているのだ。
ぶるり、と。
流輝の背筋を何かが駆け抜ける。
目前には、まだ余韻に震えるフー・シャオリーの姿。
大地に手を突き、肩で息をしながら、虚ろな目で割れ目を見つめている。
わなわなと震える膝。
その内腿を伝い落ちる幾条もの銀糸。
あの鋼の腹筋を有する魔人が、今やただの牝の貌を晒していた。
アヘ顔という痴態。
舌を突き出し、白目を剝き、よだれを垂らしながら、
何度も、何度も、子宮の痙攣を繰り返しているのだ。
「……すげぇっす……刻が見えるっす……」
彼女の口から漏れるのは、意味を成さぬ喘ぎと、ただの感嘆。
その声にさえも、粘ついた熱が混じっている。
ぞくり、と。
流輝の股間の奥底から、高圧の熱が湧き上がる。
抑えきれぬ衝動。
しかしそれ以上に、冷徹な観察者の眼が、この状況を愉しんでいた。
何故、この地はこれほどまでに淫らなのか。
流輝は思う。
答えは明白、あまりにも単純な性の力学である。
呉という国は、常に修羅の巷であった。
五覇七雄が鎬を削る央佳の南方。
高温多湿の密林、毒蛇と瘴気に満ちた未開の地。
明日の命すら知れぬ戦場で、彼女たちは何を信じ、何を次代へ遺すのか。
血統だ。
力ある者の遺伝子だけが、この過酷な大地を生き抜く武器なのだ。
だから女たちは、強い雄を見定める。
自己の子宮を最強の精子で満たすために、その審美眼は常に研ぎ澄まされているのだ。
強い雌は良い。
それは強き次代を孕む器だからだ。
されど、強い雄はもっと良い。
それは雌を蹂躙し、その最も深き場所を己の形に抉り変え、
絶対の悦びという名の支配を刻み込む征服者だからだ。
ざわり、ざわり。
髪の毛を逆撫でるような、湿った風が吹き抜ける。
その風に乗って、嗅ぎ慣れぬ匂いが、周囲から集まってきた。
麝香(じゃこう)と獣脂、
そして汗と愛液を煮詰めたような、強烈な牝の匂い。
流輝は眼をすぅっと細め、音のした方へと顔を向けた。
街路の向こう。
物陰から、
路地の奥から、
無数の視線がこちらを注視している。
女たちだ。
褐色の肌を薄衣に包み、
その豊満な肢体を惜しげもなく晒した、呉の女たち。
その数、十や二十ではない。
三十、四十。
いつの間にか、周囲は彼女たちの熱気で、さらに密度を増していたのだ。
彼女たちは皆、飢えた獣の瞳をしていた。
爛々と輝く双眸で、流輝の身体を舐め回すように凝視している。
白磁の肌。
神殿の彫像から引き剥がしたような、完璧なる筋肉の鎧。
汗一つかかず、汚れを一切寄せ付けぬその肉体は、
この蒸し暑い呉の地にあって、余りにも異様で、余りにも眩い。
そして彼女たちは見ている。
流輝の足元で、絶頂の余韻にヒクつくシャオリーの痴態を。
最年少魔人と恐れられた武人が、
まるで子犬のように地面に這いつくばり、
尻を突き出し、まだ何かを欲しがるように腰を振っている。
ごくり、と。
誰かの喉が鳴った。
最初に口を開いたのは、一人の若い女だ。
年の頃は二十代半ば。背中に朝焼けのような桃色の髪を鬣のように結い上げ、
琥珀の瞳を爛々と輝かせている。その体躯もまた、この土地の女らしく、
山脈のごとき起伏を持つ爆乳。浅葱色の乳暈と紅珊瑚の乳首が、
薄布越しにもはっきりと主張していた。
当代「雷虎」、雪蓮(しぇれん)だ。
「……こりゃあ、たまらん雄が迷い込んだものね」
にぃっ。彼女もまた、口の端を吊り上げた。
「見て、あの立ち姿。あの熱の孕ませ方。ただ者ではないわ。
あんな雄、央佳広しと言えど、そうそう拝めるものではない」
「……は、はい。姉さま」
雪蓮の後ろから、おずおずと顔を出したのは、さらに若い少女だ。
透き通る淡水のような長い淡桃髪に、赤銅色の瞳。
掌一杯に収まるか否かの高密度な乳房が、初心な蕾のように震えている。
妹の蓮華(れんふぁ)であった。
「あの女の人……すごく強いにおいがするのに……
まるで赤ちゃんみたいになっちゃってる……」
「あれはな、蓮華。いい雌の顔だ」
雪蓮は、妹の顎をくいっと持ち上げながら、蠱惑的に囁いた。
「あの女は強い。間違いなく。だが、それを上回る雄に、
子宮の髄まで蹂躙されたの。技を競い合う戦いではない。
女と男の、もっと根源的な闘いで、完膚無きまでに負け。
あの震えは、屈辱ではない。歓喜。
命の髄まで征服されたことが、嬉しくて、嬉しくて、たまらないのよ」
蓮華の小さな喉が、ごくり、と鳴った。
初心な蕾のような乳首が、ぎゅっと硬くしこるのが、布の上からでもわかる。
まだ誰にも触れられたことのないその未踏の秘所が、熱い蜜をトロリと一滴、溢れさせた。
空気が変わる。
単なる好奇心の視線が、明確な目的を持った熱へと変貌していく。
これは値踏みだ。
商品を品定めするのではない。
これは雌である自分たちが、この雄の精を受け止めるに値する器かどうかを、
逆に見定められているのだ、という本能的な畏怖と渇望。
その二つが混ざり合った、ぞくぞくするような快感が、
周囲の女たちの子宮を一斉に震わせる。
別の方向から、杖を突く音がした。
「……ほう。これはこれは、厄介な若虎が迷い込んだものじゃのう」
五十路半ばとは到底考えられぬ、弓弦を張るように引き締まった肢体。
苔色の瞳が柔和な温もりを湛えつつも、その奥に宿るのは歴戦の弓兵の眼光。
「白竜弓姫」祭(さい)。
グレーの混じる短い髪を汗で張り付かせながら、
彼女はゆっくりと一歩、前に出た。麦藁色の乳首が、
重力に負けず前方へと高く突出する盛り胸。
その胸の谷間には、汗の結晶が溜まり、日の光を反射してキラキラと輝いている。
「祭さま」
と、その背に控えるは、黒檀櫛で梳られた長髪を静かに揺らめかせた金縁眼鏡の女。
当代筆頭軍師「妖狐姫」冥琳(めいりん)。
彼女は翡翠の瞳を細め、値踏みするように流輝を観察する。
「あれは、最近方々で噂の、破軍学園の『七星剣王』。蛮場流輝です。
学園に現れたとは俄かには信じがたい、とんでもない傑物とのこと」
「ふむ」
祭は、にぃっ、と口の端を吊り上げた。
「成程、成程。道理であの娘っ子も、あんなに善い貌で失神しておるわけじゃ。
見よ、冥琳。あの白磁の肌を。この地に来てなお、汗一つかかぬとは、
体内の熱を完璧に制御しておる証拠。それだけの魔力を内に滾らせながら、
無駄は一切漏らさぬ。あれはただの戦士ではない。
一個の『システム』じゃ。しかも、とびきり美しい、のう」
言葉に、女たちの間から、ため息にも似た熱い吐息が漏れる。
流輝は振り返った。
にぃっ、と、今度は彼が口の端を吊り上げる番であった。
その一瞥だけで、周囲の空気が、ぴりっ、と張り詰める。
先程まで好き勝手に品定めしていた雌豹たちが、
まるで蛇に睨まれた蛙のように、一瞬硬直する。
その蒼穹の瞳。
そこには、怒りも、苛立ちもない。
ただ、純粋な好奇心と、「楽しませる道具」を見る絶対者の余裕。
「……よかろう」
流輝の口から、初めて言葉が漏れる。
「そこまで期待されたならば、応えねばな。蛮場流輝の<技>、見せてやろう。ただし」
ごうっ、と。
彼の周囲の空気が、いきなり唸りを上げて渦を巻いた。
固有霊装《無創》が、その形を変える。
ドロドロとしたスライム状の半流動体。
それが一瞬で固まり、形作るは、雪蓮の腰に佩かれた大小の氷刀。
いや、それではない。
それはその形でありながら、刃はより薄く、
切っ先はより鋭く、魔力的に遥かに洗練された、「理想形」へと変貌している。
「覚悟は出来ているな? 呉の雌ども」
たまらぬ雄であった。
祭は、思わず膝を震わせた。
彼女は知っている。
これは戦いではない。
これは淘汰だ。
この男は今、この場で最も優れた牝の子宮だけを己の精で満たすために、
不要な女を切り捨てるつもりなのだ。
恐怖。
そして、それ以上に、圧倒的な期待。
空気が、爆発した。
しゅっ。
最初の一刀が、虚空を薙ぐ。
真空の刃。
向かった先は、群衆の中でも一際強い魔力を放っていた女、当代筆頭当主、雪蓮。
「んなっ……!」
雪蓮はとっさに腰を落とし、自慢の霊装「双牙の氷刃」を交差させて防御。
だが、完璧に模倣され、改造された一太刀は、
防御を紙のように切り裂き、肩口に薄く朱の線を描く。
致命傷ではない。
これはまさに、挨拶代わりの、洗礼。
「ひぃっ……!」
「雪蓮さま!」
周囲から悲鳴が上がる。
されど、雪蓮の琥珀の瞳は、恐怖一色ではなかった。
その奥底で、爛々と輝く炎があった。
傷口を指でなぞり、舌で舐めとる。
血の味。
征服者の刻印。
「……素敵」
膣口が、きゅんっと音を立てて締まる。
脊椎を這う蛇龍めいた腰遣いが、期待にのたうつ。
ああ、この雄にならば、戦塵舞う中での輪姦も悪くない。
この方天戟に貫かれ、子宮を粉砕されるのも一興。
被虐嗜好の蕾が、今、まさに綻び開こうとしていた。
「次じゃ! 次を俺にも寄越せぇ!」
叫んだのは、爆乳を揺らした別の女武将。
手にした長大な双頭剣を唸らせ、流輝に襲い掛かる。
流輝はそれをあえて受け止めた。
ゴム毬のように掌を押し返す硬質な乳を受け止め、肉を鷲掴み。
女はその刺激だけで、あっけなく膝を落とした。
「だめ、イ、イク……!」
プシュッ。
彼女の尿道から潮が吹き出る。
戦う前の敗北。
その醜態すらも、周囲の女たちの興奮を煽る。
次は自分だ、と誰もが思っている。
強い雄に狩られたい。
技の前に屈服したい。
この場にいる誰もが、ただの雌の貌を晒していた。
「……なるほど」
冥琳が、ぼそりと呟いた。
震える指で眼鏡の位置を直しながら、努めて冷静に分析しようとしている。
だが、彼女の腹は、ぐぅ、と深海の潮流にも勝る音量で鳴っている。
無意識に太腿を擦り合わせる仕草。
肛門と膣口の位置関係が尋常ではない角度で配置され同時に刺激可能な珍奇な構造も、
今は熱を持って疼いている。理解してしまった。
この男の支配は、肉体だけでなく、思考すらも「改変」してしまう類のものだと。
「ひ、ひぁっ!?」
突然、蓮華が小さな悲鳴を上げた。
流輝が一瞥で放った微弱な殺気、それだけで未熟な子宮が過剰に反応し、
蜜口から透明な橋梁を吊り下げそうになったのだ。
慌てて股間を押さえるが、その幼い仕草が、流輝の嗜虐心をさらに刺激。
その瞬間であった。
「……面白い」
重く、低い声。
それは大地を這うような、それでいて場の空気を一瞬で支配する声。
ざわり。
人垣が割れる。
そこから現れたのは、一際強烈な「牝」の匂いを放つ、一人の女。
瞳は溶岩の如く灼熱を湛え、髪は朝焼けのように鮮やかな桃色が背中へ流れ落ちる。
四十路を迎えても衰えを知らぬ彫りの深い美貌。
それ以上に、ただ歩いてくるだけで、
周囲の男たちが苦しそうに股間を押さえて蹲るほどの、強烈なフェロモン。
呉の先代当主。
「炎虎の女傑」、炎蓮(いぇんれん)。
一歩踏み出すごとに、大地がミシミシと軺む。
いや、これは比喩ではない。
彼女の魔力が、文字通り地面を震わせているのだ。
全長三米超の禍々しき槍斧、霊装「方天戟」すら顕現させず、
素手で、ゆっくりと、流輝の前に立った。
彼女の見上げるその眼。
灼熱の瞳が、流輝の蒼穹の瞳を真正面から射抜く。
値踏みするような視線ではない。
これは歓喜。
百余人の将帥を斬り捨て、無数の牝を孕ませてきた女傑が、
初めて出会った同類の雄を見つける視線。
「炎蓮さま……!」
「先代が、直々に……!」
女たちの間に、興奮と緊張が走る。
これはもはや、市井の喧嘩ではない。
呉の宝、最大戦力が動く。
そうなれば、これは国を挙げた闘いの一幕だ。
「……良い匂いがする」
炎蓮が口を開いた。
その声は、思ったより若々しく、澄んでいたが、
そこに込められた質量は、まるで別次元だ。
「麝香と獣脂だけではないな。お前のそれは、もっと根源的な『無』の匂いだ。
混沌。すべてを飲み込み、己の形に変えてしまう、
恐ろしいまでの無。央佳の大地が、欲しがっている」
にぃっ、と流輝は笑った。
「御託はいい。来いよ、年増。お前のその経験ってやつ、とくと味わってやろう」
「減らず口を。その若い子種の一滴残らず、この子宮で搾り取ってくれるわ!」
ごうっ、と。
二つの絶対的な魔力がぶつかり合い、周囲の建物が悲鳴を上げた。
逃げ惑う女たち。
されど、その誰もが、決してその場から離れようとはしない。
むしろ、その衝突の余波を受け、さらに顔を紅潮させ、
股間からぶちゅりと淫猥な水音を立てている。
これは、お披露目だ。
央佳という巨大な牝の胎内に迷い込んだ、新たな絶対者の。
その生産性は、その支配力は、本物かどうかの。
呉の誇る最高級の牝が、自らの肉体を賭けて、
その「味見」をしようとしているのだ。
フー・シャオリーは、地面に這いつくばったまま、その光景を震えながら見上げていた。
「……すげぇっす」
彼女は、自分の下腹部に手を当てる。
さっきから、ずっと痙攣が止まらないのだ。
これは恐怖か、歓喜か。
わからない。
ただわかるのは、自分がこの男に生かされているという事実だけ。
そしてこの央佳という大地では、
こういう繋がりこそが、最も正しい秩序なのだということ。
踊る。踊る。
女たちの子宮が、戦慄きながら踊る。
炎蓮の魔乳が、重力を嘲笑って踊る。
流輝の無創が、混沌のままに踊る。
央佳の時空が、ねじ曲がりながら踊る。
さあ、始めようか。
この淫らなる胎内に、新たな絶対者の種は根付くのか。
それともこの土地の熟練の猛毒に、その若木は枯らされてしまうのか。
たまらぬ夜の始まりであった。
けひぃぃぃ!
獣のような笑い声が、歪んだ空にこだました。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
空気が、飽和していた。
麝香と獣脂。
汗と愛液。
そして硝煙と血腥さ。
それらが煮え立つ鍋の中でぐちゃぐちゃに混ざり合い、
粘度を増して肺の奥底まで塗り込めてくる。
呼吸をするたびに、子宮がきゅんっと痙攣するような錯覚。
ここは戦場か、それとも閨か。
答えなど最初から存在しない。
央佳・呉において、その二つは等価なのだから。
「……ほぅ」
蛮場流輝は、ゆっくりと瞬きをした。
その蒼穹の瞳に映るのは、目の前で灼熱の闘気を滾らせる一人の女傑。
呉の先代当主にして「炎虎」、炎蓮(いぇんれん)。
彼女は方天戟すら構えていない。
ただ立っているだけだ。
それだけで、足元の石畳がミシミシと悲鳴を上げ、
背後の空気が陽炎のように歪んでいる。
灼熱。
熔岩の如き瞳が、流輝を舐め回すように見つめている。
その視線に含まれるのは、殺意か、それとも発情か。
間違いなく後者だ。
この女にとって、殺戮とは交尾の前戯に過ぎぬのだから。
「其の方天戟、振るわねぇのか」
流輝が問うた。
声には笑いが滲む。
愉悦だ。
これほどの手練れ、これほどの牝。
久しくお目にかかれぬ極上の獲物を前に、
体内で《無創》が疼くように蠢いた。
「初対面で手を抜くような無粋な真似、せぬよ」
炎蓮が口角を吊り上げる。
四十路を迎えても衰えを知らぬ美貌に、獰猛な笑みが張り付いた。
「だが、その前に一つだけ聞いておきたい。
其方、何者じゃ? 呉に仇成す者か? それとも……」
言葉は最後まで続かなかった。
空気が、割れたからだ。
キィンッ!
鋭い金属音が、湿った静寂を切り裂く。
炎蓮の背後。路地裏の暗がりから、影が躍り出た。
いや、影ではない。
黒だ。
闇をそのまま裁断して貼り付けたかのような漆黒の装束。
顔を覆う仮面から漏れる息は白く、手には鋭利な短剣が握られている。
その数、五。
いずれもがしなやかな肢体を持ち、その胸元は不自然なほどに膨らんでいる。
女だ。
「……秦(しん)か」
炎蓮が忌々しげに吐き捨てた。
五覇の一角。
常に覇権を狙い、周辺諸国へと侵略の爪を伸ばす軍事大国。
その刺客だ。
「狙いは……その小僧か」
炎蓮の琥珀の瞳が細められる。
秦の狙いは明白だ。
この場に渦巻く異常な魔力反応。
新たに現れた「七星剣王」という名高い雄。
あいつらはこの男を拉致し、自国へと連れ帰るつもりなのだ。
自国の牝たちに種付けさせ、最強の子孫を量産するために。
「ふん、あいにくじゃ」
炎蓮が一歩踏み出す。
揺れる魔乳。
その質量に呼応するように、周囲の大気が焼け焦げる匂いがした。
「其方は俺の獲物。秦風情に出涸らしさせるつもりはない」
しかし、刺客たちは止まらない。
彼女たちもまた飢えているのだ。
国威発揚という大義名分の裏で、
自らの子宮を満たす最強の種を求めて欲望に駆られている。
五つの影が、散華のごとく流輝へと殺到する。
「死ね! ……そして我らの子を産めぇっ!」
叫び声と共に繰り出される刃。
それは暗殺術特有の無駄のない軌道。
しかし、その動きには淫らな艶があった。
股間を擦り付けながら刃を振るうかのような、粘着質な殺意。
流輝は動かない。
右足を半歩引くのみ。
その顔に浮かぶのは、失望でも恐怖でもない。
ただの呆れだ。
「……雑魚が」
呟きと同時、《無創》が形を変える。
ドロリとした半流動体が一瞬で凝固し、
流輝の右手中に一振りの剣となって現れる。
それは先ほど雪蓮が振るった氷刀……ではなく、もっと禍々しい形をしていた。
秦の刺客たちが持つ短剣。
それをスキャンし、無駄を削ぎ落とし、限界まで鋭角に研ぎ澄ませた『理想形』。
「模倣(コピー)……? 早っ!」
雪蓮が驚愕の声を上げる。
しかし流輝は応えない。
ただ振るった。
しゅっ。
真空波すら生まぬ速さ。
ただ白銀の線が走った。
ズタズタだ。
黒い装束が裂け散る。
だが肉は裂けていない。
切り裂かれたのは衣服のみ。
露わになる褐色の肌。
弾けるように飛び出す豊満な乳房。
引き締まった腹筋。
そして何より、すでに濡れそぼっている股間。
「ひっ……!?」
刺客たちは己の裸体を晒し、硬直する。
防具も衣も意味を成さなかった恐怖と、
肌に直接触れた冷たい刃の感触に、背筋が凍りつく。
「お前ら、邪魔だ」
流輝は剣を消し、ゆっくりと歩み寄る。
その歩調は悠然としていて、まるで庭園を散策するかのよう。
「だが……まあいい」
にぃっ。
流輝は口角を吊り上げた。
「見下すことと見捨てることは別次元だ。
俺様はな、自分のテリトリーで無様に踊るモブを見捨てるほど狭量じゃねぇ」
右手を掲げる。
指先から、《無創》がドロリと溢れ出した。
「……再教育が必要だな」
その言葉は、死刑宣告よりも重く響いた。
ドロリとした半流動体が、刺客たちに襲いかかる。
彼女たちが抵抗しようとする前に、その肢体を舐めるように絡みつく。
口元を塞ぎ、鼻孔を埋め、耳孔まで侵食する。
そして最も深き場所へ。
股間から直接侵入する《無創》は、子宮口を強引にこじ開け、
粘膜にこびりついた恐怖という名の不純物を綺麗に舐め取っていく。
『あぐっ……んむぅ……!?』
『いやぁ……何か……入ってくる……お腹の中に……!』
悲鳴が嬌声へと変わる瞬間である。
《無創》による浄化(クレンジング)。
物理的な汚れだけでなく、精神的なノイズまで洗い流し、
ただ雄を受け入れるだけの「完全な清浄状態」へと上書きする究極の調教。
「あぁぁぁっ! すごい……頭の中が真っ白に……なっちゃうぅっ!」
「イキすぎぃ! もうイッてるのにまたイクぅぅっ!」
五人の女刺客は一瞬にして戦意を喪失し、その場に崩れ落ちた。
両脚を大きく開き、虚ろな目で天を見上げながら、ビクビクと全身を痙攣。
アクメだ。
抵抗するだけ無駄なのだとメスに理解させる最適な行為。
拷問的な快楽と痛みが脳髄を焼き尽くし、
意思とは関係なく絶頂し続ける地獄……いや天国。
「……素晴らしい」
その光景を見ていた祭(さい)が、うっとりと呟いた。
弓弦を張るように引き締まった肢体が震え、
麦藁色の乳首から母乳がじわりと滲む。
「あのような支配……これぞまさしく王者の技」
冥琳(めいりん)もまた眼鏡の奥で瞳を潤ませている。
肛門と膣口が同時に刺激されたかのような想像に身悶えし、太腿を擦り合わせた。
そして炎蓮は。
彼女は怒っていた。
「……秦の狗どもには悪いが」
炎蓮の方天戟が燃え上がる。
「焔翼葬(えんよくそう)」発動の予兆だ。
劫火が翼のように背中へ広がり、
周囲の酸素ごと敵を灰燼と化す広域殲滅技。
「其方も俺も邪魔立てはさせぬ!」
ドォォォォン!
炎が奔った。
だがその矛先は流輝ではない。
空から降ってきた更なる追加兵力だ。
秦の本隊。
屋根瓦を蹴って飛び交う数十名の傭兵たち。
彼らもまた流輝を狙っていたが、炎蓮にとっては邪魔なハエでしかない。
劫火が屋根を舐めると同時に瓦が爆ぜ、舞い上がった熱風が傭兵たちを薙ぎ払う。
焼け焦げる装束。
露わになる肌。
熱風による軽度の火傷は痛みではなく強力な催淫剤となり、彼らを即座に発情させた。
「あちっ! あちっ! ……あぁ?
アツイ……アツイのが子宮に入ってくるぅっ!」
男でありながら女のように叫ぶ傭兵もいれば、
既に自ら衣服を引き裂き股間を掻きむしる女傭兵もいる。
カオスだ。
阿鼻叫喚の中で欲望だけが整然と並ぶ狂乱の宴。
流輝は笑った。
ケヒヒッという奇妙な笑い声が漏れる。
「……いい眺めだ」
足元にはアクメで白目を剥く元刺客たち。
周囲には炎虎による虐殺……否屠殺の歓びに浸る女傑とその部下たち。
そして空から降ってくる新しい玩具たち。
「さて」
流輝は《無創》から新たな形を作り出した。
今度は鞭だ。
鞭として機能する部分だけを抽出し極限まで洗練させた理想形。
「俺様による再教育の続きだ。抵抗するだけ無駄だと理解するまで……叩き続けてやるよ」
ずしりとした鞭を振るう度に空気が鳴いた。
央佳・呉という巨大な牝の中で更なる雄叫びと嬌声が木霊する。
踊る。踊る。踊る。
誰も彼もが本能に従い踊り狂う中で
ただ一人流輝だけが冷徹な眼で世界を見下ろしていた。
これは戦争ではない。
これは交尾だ。
そして彼こそがその支配者(サディスト)なのだから。
さあ夜はまだ始まったばかりだ。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
央佳・呉。
大地が孕んでいた熱狂は、
灼熱の女傑がその腕を振るうことで、一瞬にして真空へと変わった。
「雑魚掃除は終わりじゃ!」
炎蓮(いぇんれん)が吼えた。
方天戟が唸りを上げる。
それは武術の型などという生易しいものではない。
ただの暴力。
破壊。
蹂躙。
戦場とは閨(ねや)であり、
敵とは交合(まぐわい)の相手。
故にその一撃は、
殺し、征服する愛撫。
劫火の翼が広がる。
伐刀絶技「焔翼葬(えんよくそう)」の亜種。
全方位へと放たれた灼熱の波動は、秦の傭兵たちを瞬く間に灰燼へと帰した。
いや、灰になどなってはいない。
彼らはまだ生きている。
肌という肌を紅蓮の炎で焦がされ、
肺の奥底まで熱気を塗り込められ、
戦意どころか理性の大半を焼き払われた淫婦。
地に伏し、あるいは仰向けに倒れ込み、
誰彼構わずその身を擦り付けるケダモノに堕す。
男は男で、
女は女で。
肉塊と化し、快楽という名の地獄の中で永遠に踊る狂乱の使徒。
流輝はその光景を見て、ふむ、と頷いた。
なるほど。
これが呉の戦い方か。
殺すにしても、ただ殺すのではない。
相手の尊厳ごと根こそぎ焼き払い、ただの牝と牡へと堕とす。
徹底した支配欲こそが、
この国を数千年に渡って支えてきた支柱。
「……良い芸だ」
流輝が呟くと同時に、《無創》がその形を変える。
鞭として機能していた半流動体がドロリと溶け落ち、
一瞬にして凝固し、新たな形を成す。
それは炎蓮が手にした方天戟と寸分違わぬ形状。
いや、違う。
オリジナルは確かにそこにある。
だが流輝の手にあるそれは、刃はより薄く、柄はより細く、
そして何より質量がまるで違う。
あらゆる無駄を削ぎ落とし、ただ「貫く」ことだけに特化した理想形。
模倣にあらず、それは原典すら凌駕する完璧なる写本。
「其方も……」
炎蓮が流輝を見つめ、舌なめずりをした。
「良い男じゃ。俺の炎を浴びてなお、その涼しい顔をしていられるとは」
彼女は方天戟を地に突き立てた。
武器など必要ない。
そう宣言するかのように。
そしてゆっくりと、その歩みを進める。
一歩踏み出すごとに、肉が揺れる。
重力すら嘲笑う豊満な魔乳。
馬鞍すら悲鳴をあげる肉付きの臀部。
それらが連動し、波打ち、互いにぶつかり合いながら、
唸りを上げて流輝へと迫ってくるのだ。
吠えるほどに漏れる牝臭。
鼻腔を突き刺すそれは麝香(じゃこう)と獣脂が練り合わされた禁制の芳香。
嗅げば忽ち意識が拐われ、本能が裸体を暴きたくなる魔力。
だが流輝は動じない。
むしろその匂いを肺の奥底まで吸い込み、
愉悦に浸るかのように目を細めた。
「其方が望むなら」
炎蓮が両腕を広げた。
「言葉などいらぬ。肌と肌で語り合おう」
それは招手だった。
雌が雄を誘う、古くから変わらぬ合図。
炎蓮の体術が始まった。
踏み込みではない。
ただ前に出るだけだ。
だがその一歩には、彼女の全てが込められていた。
灼熱の魔力が全身を包み込み、
自身が一つの炎の塊と化す。
「焔翼葬(えんよくそう)……亜種」
彼女の背後で劫火が爆ぜた。
だが今回は翼ではない。
それは彼女の胸元から溢れ出した炎であり、
彼女自身の魔乳を模したかのような、二つの巨大な火球であった。
火球は流輝の左右から迫る。
避けることは不可能。
だが流輝は避けなかった。
ただ右手に持った模倣の方天戟を、ゆっくりと掲げたのである。
激突。
炎と鋼。
牝と雄。
二つの異なる質量がぶつかり合い、世界が軋んだ。
「……ほう」
流輝は感心したように声を漏らした。
熱い。
だがそれは物理的な熱ではない。
肉と魂から発せられる、圧倒的なまでの生命力の熱。
魔乳が流輝の胸板に押し付けられる。
プニュリとした柔らかさと、鋼のような弾力。
その二つが同時に存在する異常な感触。
それが布越しと言えど、流輝の肌を通して伝わってくる。
「どうじゃ?」
炎蓮が耳元で囁く。
熱い吐息が耳朶を舐める。
「俺の炎は。其方のその冷たい体に……染みるか?」
流輝は答えない。
ただ笑う。
にぃっ、と口角を吊り上げるのみだ。
「悪くない」
その瞬間、《無創》が再び形を変えた。
方天戟からドロリと溶け落ち、流輝の右手に吸い込まれるように消えた。
代わりに現れたのは、素手だ。
だがその手には見えない力場が纏われている。
《無創》による強化。
物理法則さえ無視した絶対的な握力。
流輝はその手で、炎蓮の腰を掴んだ。
「……なっ!?」
炎蓮が驚愕する。
自分の炎が押し返されたからではない。
この男が自分の腰を掴んだ瞬間、
子宮の奥底から熱いものがこみ上げてきたからだ。
「ひぅっ……!」
小さな悲鳴。
それは歓戦の女傑からは決して出るはずのない声。
流輝の手が動く。
腰から背中へ。
背中から臀部へ。
そして再び腰へと戻る。
その動きは愛撫ではない。
検分だ。
肉の質量を確かめ、その弾力を測り、
自分の手に余るかどうかを見定める征服者の所作。
「……重いな」
流輝が言った。
決して貶しているわけではない。
むしろ称賛だ。
これほどの質量を持ちながら、これほどまでに引き締まった肉体であることへの。
「其方は……」
炎蓮が喘ぐ。
「其方は……何者じゃ……!?」
問いかけに対する答えはなかった。
ただ流輝の手がさらに動くのみだ。
腰から脇腹へ。
脇腹から肋骨へ。
肋骨から腋へ。
そしてついには彼女の最大の武器である魔乳へと到達した。
「あぁっ!」
炎蓮が仰け反った。
彼女自身も驚いていた。
自分の乳房は敏感だ。
だがそれは戦闘における弱点ではなく、
相手を誘い込むための囮であるはずだった。
しかし今やその囮ごと鷲掴みにされ、
自ら快楽の淵へと引きずり込まれようとしているのだ。
流輝の手が蠢く。
《無創》によって強化された指先が、
彼女の乳房を形変えるかのように深く沈み込みながら揉みしだく。
重力すら抗えぬ質量が、流輝の手の中でのみ形を変え、
鋼の弾力と沼のような柔らかさが交互に掌を震わせる。
乳暈(にくるい)が擦れる。
朱鷺羽(ときのは)のような色彩を持つ円弧が、
布越しとは言え摩擦によって熱を持ち始める。
「くぅっ……ぅぅっ……!」
炎蓮が唇を噛み締める。
声を出してはいけない。
声を出せばそれは敗北だ。
そう本能が告げているのだから。
だが流輝は容赦しない。
さらに指先に力を込めながら、耳元で囁いた。
「見下すことと見捨てることは別次元だと言ったな」
その言葉は彼女自身への警告でもあり、同時に宣言でもあった。
「俺様はな、良い雌を持て余すカスじゃねぇ」
ごくり、と炎蓮の喉が鳴った。
「其方が優れた雄であることは認めよう。だが……」
問いかけはそこで途切れた。
代わりに指先がさらに奥へと潜り込む。
乳首だ。
衣服越しでありながらも既に硬く屹立しているその頂を見つけ出し、
指先で摘み上げたのだ。
「ひぃぃっ!!」
悲鳴。
もはや抑えることはできなかった。
彼女自身も信じられぬほどの快楽が背骨を駆け抜け、
脳髄を白く染め上げていく。
「だが……まだ足りねぇ」
流輝は冷酷に言い放った。
「お前はまだ『雌』として未完成だ。俺様の手で……再教育が必要だな」
再教育。
その言葉が持つ意味を理解した瞬間、
炎蓮の膝から力が抜けた。
ずしりとした質量を持つ彼女の肉体が流輝に寄りかかる形となる。
支える流輝の手だけが頼りない世界の中で唯一の支柱。
これは前戯か?
それとも戦闘か?
答えなどどうでもよかった。
ただ一つ言えることは
この男に触れられただけで自分の子宮が歓喜に震えているという事実だけだ。
踊る。踊る。踊る。
央佳・呉という淫らなる胎内において
二つの絶対者が交わった瞬間
世界そのものが二人の為だけに回り始めたのである。
さあ宴の続きじゃ。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
「みてるだけじゃぁ、退屈だろう?」
蛮場流輝がそう漏らしたのは、
炎蓮の魔乳を鷲掴みにしたまま、ゆったりと視線を巡らせた時。
周囲には百を超える女たちが蠢いている。
無力化された秦の刺客たち。
炎蓮の麾下に連なる女武将たち。
そして、この場の異様な熱気に惹きつけられた呉の民衆。
その悉くが、飢えた獣の眼差しでこちらを──
いや、流輝と炎蓮の淫らなる格闘を、凝視。
瞳は爛々と輝き、口元からよだれを垂らし、
股間からは麝香の混じった甘い汁を滴らせて。
彼女たちは待っているのだ。
自分たちもその宴に参加させてくれと。
己が虚しき子宮に、絶対者の精を注ぎ込んでくれと。
流輝はその欲望の渦を見て取り、冷徹なる笑みを深めたのである。
「些細な前戯には、些細な道具が似合う」
言うや否や。
流輝の右手から、《無創》が爆ぜた。
ドロリ。
ドロリ、ドロリ。
先ほどまで流輝の掌に宿していた半流動体の混沌は、
まるで生き物のごとく脈動し、そして分裂。
一つが二つに。二つが四つに。四つが八つに。
幾何級数的に増殖する漆黒の粘液。
それは触手であった。
スライムであった。
或いは、人の欲望そのものを具現化した淫魔の触手であった。
無数の漆黒が、
蛇のごとく、
蛭のごとく、
そして何より男の性器のごとく、
のたうち回りながら四方八方へと迸る。
「なっ……!? 其方は魔術師か!?」
炎蓮が驚愕の声を上げる。
当然だ。
目の前の男は剣士ではない。
魔人ですらない。
これはもっと異質な、
この央佳という歪んだ世界にこそ相応しい、歪んだ支配者。
「嬲れ」
流輝の号令一下、無数の触手が女たちへと襲いかかった。
媚獄。
阿鼻叫喚。
いや、歓喜の咆哮か。
悲鳴は忽ち嬌声へと変わり果てた。
先ず翻弄されたのは、当代「雷虎」雪蓮である。
彼女が応戦せんと抜刀するより速く、
触手がその刀身に絡みつき、瞬く間に絡め取った。
武器を封じられた彼女に、別の触手が襲いかかる。
浅葱色の戦袍を、粘液が溶かすごとく侵蝕する。
露わになる山脈のごとき爆乳。
触手はその双丘にむしゃぶりつき、乳脂を形変えるほどに圧迫。
「あぐっ!? な、何これぇっ!?
溶ける……服が……肌が溶けるぅぅっ!」
抵抗など許されぬ。
触手は侵蝕するのみならず、
乳首という最も敏感な頂を見つけ出し、強引に咥え込んだ。
吸引である。
赤子が母乳を啜るごとき強烈な吸引が、乳首の芯を抉り、乳腺を直接刺激。
「ひぃぃっ! おっぱいがっ……吸われるぅぅぅっ!
あつっ、熱いっ……お乳が出ちゃうぅぅっ!」
雪蓮の琥珀の瞳が剥き上がり、舌が悶え。
吸引されるたびに背骨が反り返り、尻肉が痙攣。
かつてなく激しい潮を吹き上げながら、ただの噴乳する牝へと堕ちた。
隣には妹蓮華。
初心な蕾ごとき彼女は、なすすべもなく触手の餌食となっていた。
ドロリとした粘液が、その小ぶりな臀部へと侵入し、
未踏の秘所を丁寧に、執拗に、なぞり回す。
尻割れをなぞる感触。
菊門の皺を数え上げる蠢き。
そしてついに、処女の門そのものをこじ開けんとする先端の圧力。
「あ、ああ……だめ……お腹の中に何か入ってくる……!
おしっこ……しちゃう……お漏らししちゃうぅぅっ!」
蓮華の口から羞恥の告白が漏れる。
排洩の恐怖が快楽へと反転し、透明な飛沫が太腿を伝って迸る。
脳髄を白濁させ、子宮の震えを止める術すら奪う。
彼女はただ泣きじゃくる赤子のごとく、触手の愛撫に全身を委ねた。
「くっ、これほどの数を同時に……!」
冥琳が戦慄する。
妖狐姫の冷徹なる理性も、生半可な抵護など通用せぬであろう。
彼女の金縁眼鏡は、己が吐く熱い吐息で白く曇り始めていた。
触手はその曇った鏡片ごと顔面を覆い、鼻孔と口腔を塞ぐ。
窒息の恐怖と同時に、粘膜を直接まさぐる淫らな感触。
墨汁混じりの体香が、
触手によってかき混ぜられ、より濃郁な媚薬へと変質していく。
「んむぅ……! ぐっ……むぐっ……!」
脂ぎった音が響く。
彼女の喉奥へ、太い触手が脈動しながら侵入し、食道を犯していく。
軍師としての喉ではない。
只是、雄を受け入れるための肉穴でしかない。
否応なく呑み込まされた粘液が、胃袋から腸へと駆け下り、
全身を痺れさせる劇薬として浸透していく。
そして、祭。
白竜弓姫の体躯には、数多の触手が群がっていた。
乳房、腋、臍、太腿。
肉の慰みには事欠かぬ豊満なる肢体の、ありとあらゆる部位に吸い付き、
蠕動し、己が子宮への入り口を拡げようと先天子的な奉仕を続ける。
特に乳房への執着は凄まじく、麥穂色の乳首からは既に白濁の母乳が搾り取られ、
触手がそれを啜り上げては自らの養分としている始末。
「はぁっ……はぁっ……坊主……坊主のように吸いついておる……!
ああっ……乳(ちち)が……乳が軽くなっていくぅぅっ!」
産み落とす側が、逆に貪り食われる。
そんな倒錯した栄養循環の中で、祭は眩暈めいた恍惚に身を委ねていた。
それは、地獄絵図であった。
けれど、そこに悲嘆はない。
ただ、貪欲な交接の歓喜があるのみだ。
秦の刺客たちも、野次馬の娘たちも、老婆たちすらも。
雌であることを捨てていない百を超える人間たちが、
一斉に触手に貫かれ、まさぐられ、搾り取られているのだ。
淫靡な水音。
肉が打ち鳴らす卑猥なリズム。
絶頂の痙攣が波紋のごとく伝播し、
広がり、
やがて渦となって央佳の夜空へと咳き上げられていく。
「ふむ」
流輝は炎蓮の魔乳を鷲掴みにしたまま、その光景を一望した。
彼の蒼穹の瞳に映るのは、紛れもなく「世界」である。
《無創》によって書き換えられ、浄化され、支配された歓喜の世界。
「これが俺の再教育だ」
言下に、流輝は炎蓮の耳元へ唇を寄せた。
炎蓮は目の前の惨状──いや、歓喜の坩堝を見つめたまま、わなわなと震えていた。
怒りではない。
彼女は分かってしまったのだ。
この男の圧倒的な資質を。
百人の雌を同時に啼かせ、牝堕ちさせながら、
なお自分一人を手中に収めて余りある「器」を。
「……其方は」
炎蓮の声が震える。
「其方は、化物か」
問いかけは称賛であった。
流輝は不敵に笑う。
「化物などではない。俺様はただの『システム』だ」
システマティックな支配。
セオリー通りの蹂躙。
だからこそ、完璧である。
「さて、雑魚どもの世話は終わった。次はお前だ、炎虎」
ずしり。
流輝の手が、さらに深く炎蓮の肉体を侵食する。
《無創》の影響か、衣服はいつの間にか消え失せ、褐色の肌が露わとなっていた。
重力に抗う魔乳。
その芯にある鋼の弾力を、流輝の指が捉え、捏ね回す。
「ひぐっ!」
炎蓮が仰け反った。
呉の女傑。
百余人の将帥を斬り捨ててきた歴戦の勇者。
だが、今の彼女はただの女でしかない。
強い雄に組み敷かれ、子宮の奥底を直接叩かれる悦びに、震える牝。
「来い、流輝! 俺を……俺の子宮を征服してみせよぉぉっ!」
炎蓮が咆哮する。
それは雌雄を決する歓喜の叫び。
百の牝が啼く媚獄の中で、二匹の王が交わらんとしている。
夜はまだ深い。
いや、これはもう夜ではない。
混沌である。
央佳という名の胎内に充満する、濃郁たる欲望の混沌である。
はっ。
流輝の喉の奥から、歪んだ笑いが漏れた。
宴の本番は、これからなのだから。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
央佳・呉。
熱狂と肉欲が煮えたぎるこの淫らな胎内において、
蛮場流輝は未だ炎蓮の魔乳を鷲掴みにしたままだった。
ねっとりとした褐色の肌が掌に吸い付き、
鋼のごとき弾力と沼のごとき柔らかさが指の隙間から溢れ出す。
朱鷺羽に染まる乳暈が擦れ、硬くしこった乳嘴が掌紋を抉るように脈打つ。
「あぁっ……! 其方の手……熱い……!」
炎蓮が首を反らし、溶岩のごとき瞳を潤ませて喘ぐ。
歴戦の女傑は、今やただの牝として雄の愛撫に身悶えていた。
だが、流輝の蒼穹の瞳は、
この目の前の極上の獲物だけを見ていたわけではない。
彼は感じていた。
湿った空気の中に混じる、別種の「視線」を。
ざわり。
ざわり。
肌を逆撫でするような視線は、明らかに殺気ではない。
もっと粘着質で、
もっと暗愚で、
そしてもっと湿っぽい視線だ。
「……ふん」
流輝は鼻を鳴らした。
口角をにぃっと吊り上げる。
笑ってしまったのだ。
こんな極上の交合の最中に、盗み見とは粋な真似をする奴もいたものだ。
視線の主は路地裏の暗がり。
いや、もっと正確に言えば、「結界」の中だ。
七雄の一つ、「智(ち)」。
技術と策略を以て央佳に覇を唱えるその国の工作員が、そこに潜んでいたのである。
彼女はアンダーリムの眼鏡をかけ、
冷徹な面持ちでモニターを凝視していた……つもりだった。
だがその額には玉のような汗が浮かび、太ももは無意識に擦り合わせられている。
映像に映る流輝の白磁の肌。
神殿の彫像のごとき筋肉の波紋。
そして炎蓮を嬲るその指先の一つ一つが、
あまりにも芸術的で、
あまりにも淫らであったから。
「……対象の戦闘データ……及び交合データを採取中……」
彼女は震える声で報告する。
だがその声には、隠しきれない興奮が滲んでいた。
カメラは回っている。
不可視の魔力糸が結界を張り、
現場のあらゆる角度からこの神聖なる獣姦を捉えようとしている。
「良い眺めだろう?」
突然、モニターの中の流輝がこちらを見た。
いや、違う。
モニター越しではない。
彼は結界の中にいる彼女を、直接見抜いたのだ。
「ひっ……!?」
工作員が息を呑む。
バレるはずがない。
智が誇る最高位の遮蔽結界である。
しかし流輝は、確かに彼女を見て嗤っていた。
「盗み見か? 器用な雌だ」
流輝は炎蓮の乳首を摘み上げたまま、余裕綽々で言い放った。
炎蓮はその刺激に仰け反りながらも、流輝の言葉に目を見開く。
「智の狗か……! 何をする気じゃ!」
「する気? 決まってるだろう」
流輝は《無創》を変化させた。
触手として嬲っていた半流動体の一部が、ふわりと霧散する。
それは不可視となり、空間を伝う情報の波──
映像回線そのものへと同化していったのだ。
「見るのは良い。だがな、対価は払え」
その言葉は呪いであった。
逆探知である。
いや、ハッキングだ。
流輝という絶対的なシステムが、
「智」という下等なシステムへと侵入を開始したのだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
同時刻。
遠く離れた「智」の王都。
玉座の間では、高官たちが円卓を囲み、この作戦の行方を見守っていた。
巨大なスクリーンに映し出されるのは、呉の地での淫らなる光景。
「ふむ……流石は七星剣王か。その支配力は折り紙付きだな」
責任者の老年の男が顎鬚を撫でながら頷く。
その目には好奇心と、下世話な欲望が混じっている。
「これだけのデータがあれば……我が国の
『人造伐刀者計画』も飛躍的に進むであろう……」
だがその時である。
スクリーンが突然ノイズを走らせたかと思うと、
画面いっぱいに流輝の顔面が映し出された。
『よぉ、モブども』
声音が直接脳内に響く。
高官たちが驚愕し、席を立つ間もなく。
ぶしゅぅっ!
スクリーンから……
いや、スクリーンの中からドロリとした黒い粘液が噴き出したのだ。
「なっ……何だこれは!?」
悲鳴を上げる間もなく粘液は高官たちに襲いかかる。
それは触手であった。
スライムであった。
そして明らかに男の性器を模した淫魔の腕であった。
『俺様の写真はプレミア物だぞ? タダで見ようなんて100年早いんだよ』
流輝の声が哄笑する。
触手は容赦なく高官たちの衣服を溶かし剥ぎ取っていく。
露わになる白い肌。
無駄に贅肉のついた腹。
そして萎えた男根……
いや、それすらも蹂躙するかのように触手は股間へと潜り込む。
「ぐあぁっ!? 何を……何をするかぁ!」
「やめろ! やめろぉぉっ!」
抵抗など意味を成さない。
触手は尿道口から侵入し前列腺を直接刺激し始めたのだ。
「ひぃっ! あぐっ! そこは……そこはダメぇぇっ!」
威厳も何もあったものではない。
高官たちは床でのたうち回りながら、次々とアクメへと達していく。
白濁液を噴き出し、
口から泡を吹きながら、
彼らはただの肉便器へと堕ちた。
そして奥まった部屋。
そこには一人の少女がいた。
智(ち)王女。
国政に関心などなくただ本を読むことを好む
内向的な姫君であったが、
今日は珍しく会議の場に同席していたのだ。
彼女もまた例外ではなかった。
スライムが彼女の清楚な装束を溶かし割る。
露わになる華奢な肢体。
まだ発展途上の乳房。
無毛に近い秘所。
「いやっ……見ないで……見ないでぇぇっ!」
姫君は涙ながらに訴えるが、誰も彼女を助けなどしない。
なぜならこの光景こそが、
今まさに全国民へ向けて配信されているからだ。
カメラは回り続けている。
工作員が設置したカメラは逆に利用され、
「智」国民全てにこの恥態を見せつけるための中継端末。
触手が姫君の脚を開かせる。
未踏の処女地へドロリとした先端が触れる。
「あぁっ……お父様……助けてぇぇっ!」
絶叫と共に貫かれる処女膜。
痛みと快楽が同時に走り抜け姫君は白目を剥いた。
ぬぷっ!
ぐちゅっ!
卑猥な水音が玉座の間に響き渡る。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そして現場に戻ろう。
路地裏の結界の中で工作員もまた逃げ場を失っていた。
彼女自身もまたカメラを向けられていたのだ。
本国からの映像回線だけではない。
流輝が飛ばしたスライムは結界内にも侵入し
今や彼女自身もまた被写体となっていたのである。
「いやぁっ! 撮らないで! 私まで……私まで映ってるぅぅっ!」
アンダーリム眼鏡がズレ落ちるほど涙を流しながら彼女は訴える。
しかしそれは無駄であった。
スライムは彼女の尻肉という尻肉をまさぐり回し腟内へと侵入する。
「あぐっ! 来るっ! お腹の中に来るぅぅっ!」
冷徹なる軍師面はもうどこにもない。
ただ快楽に翻弄される哀れな牝だけだ。
「いい眺めだぜ? お互いにな」
流輝は炎蓮を背後から抱え込み耳元で囁いた。
炎蓮は目の前で展開される「智」の惨状を見つめながら
自身もまた興奮して震えていたのだ。
「秦も然り……智も然り……所詮他国はこれよ」
炎蓮は愉悦に歪んだ笑みを浮かべた!
「自ら招いた破滅で溺れおって! 愚かだ! 余りにも愚かじゃ!」
その言葉は嘲笑であったと同時に羨望でもあったのだ。
今や画面越しとは言え他国の貴人や姫君までも
流輝という絶対者に犯されているのだから。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
ごうっ、と。
央佳・呉。
淫らなる胎内の奥底で、空気が再びその密度を変えた。
流輝の掌は未だ炎蓮の左乳房を捉えたままだ。
指が沼底へ沈み込むように深く埋没し、鋼の弾力を内部から刎ね返す感触が、
本能の奥底で疼く何かを刺激する。
朱鷺羽に染まる乳暈が擦れ、硬くしこった乳嘴が掌紋を抉るように脈打つ。
「ひぅっ……! 其方の手、まるで溶鉄……俺の肉が溶ける……!」
炎蓮が仰け反り、溶岩のごとき瞳を潤ませて喘ぐ。
四十路の熟練なる女傑の貌は既に剥がれ落ち、
そこにいるのは熱い雄を欲してやまぬ一頭の牝虎。
重力すら嘲笑う魔乳が、流輝の指の動きに合わせて卑猥に形を変え、震えが全身へと伝播。
──しかし、流輝の蒼穹の瞳は、眼前の獲物だけを映してはいなかった。
ざわり。
ざわり。
湿気を含んだ熱風に乗って、別の何かが迫り来る気配。
それは遠方より届く断続的な嬌声と、無数の牝たちの子宮が同時に痙攣する震え。
そして何より、この場にはいないはずの者たちの「視線」だ。
流輝は、にぃっ、と口角を吊り上げた。
精密に制御された魔力糸が
肉眼では捉えられぬ情報の波──映像回線そのものへと同化。
「……なんじゃ、今の感覚は」
炎蓮が身を硬くする。体内を這い回っていた熱が、
一瞬だけ遠くへ飛び去ったかのような虚脱感。
「対価の取り立てだ」
流輝の声は愉悦に震えていた。
◆◆◆
時同じくして、遠く離れた「智」の王都。
玉座の間は、もはや異界と化していた。
巨大スクリーンには依然として呉の地での淫らなる光景が映し出されている。
しかしそれだけではない。
スクリーンそのものから溢れ出した漆黒のスライムが、部屋中を埋め尽くしていたのだ。
「ぐぁっ! も、もう出ない……許してくれ……!」
老年の宰相が床に這いつくばり、無様によだれを垂らして命乞いをする。
触手が尿道口から侵入し、前立腺を直接握り潰さんばかりに圧迫。
白濁液はとっくに搾り尽くされ、今や血の混じった体液が滴るばかりだ。
『許す? 何を勘違いしてるんだ、モブが』
スクリーン越しに流輝の声が響く。
それはもはや声ですらない。
魂に直接刻印を打ち込むかのような、絶対者の意志。
『俺様は寛大だからな。テメェらには特別に“愉しみ”を提供してやろうと思ってるんだよ』
「愉しみ……だと……?」
声を発したのは、部屋の中央で触手に磔にされた姫君だった。
智王女──央佳七雄が一角「智」の、末の姫。
華奢な肢体は既に衣服を溶かされ、無防備な裸体を晒している。
まだ発展途上の小さな乳房は、触手の吸盤に吸われて鬱血し、無毛の恥丘は淫らに濡れ光っていた。
『ああ。愉しみだ。見せ物ってのは、演者が多ければ多いほど盛り上がる。
テメェら智の国民全員に、今から特別な“主演”を務めてもらう』
言下に、スクリーンが分裂した。
一つではない。十、二十、百。
玉座の間を埋め尽くす無数の画面が次々と開き、
そこには「智」の各都市、各拠点、各貴族の屋敷内が映し出される。
『通信網を掌握させてもらった。これでお前たちの恥態は、
智全国民どころか央佳全土へと垂れ流しになる。──ほら、張り切ってどうぞ』
姫君の顔から血の気が引いた。
「やめ……やめて……!」
しかし懇願は無駄だった。
次の瞬間、姫君の秘所を異物が貫く。
ぬぽぉっ!!
「ひぁぁぁっっ!!」
あまりにもあっけなく処女膜は破られ、姫君の細い肢体が弓なりに仰け反った。
涙と涎とが同時に噴き出し、白目が剥かれる。未成熟な子宮口へ、
ドロリとしたスライムが容赦なく侵入し、粘膜を擦り上げる。
『さあ、他の連中も始めようか』
その号令と同時に、分裂した画面の向こう側で、同様の悲鳴が一斉に上がった。
智第一皇子。
彼は自室で側室と情事に耽っていたが、
突如現れたスライムに後孔を貫かれ、側室諸共に串刺しとなった。
智第二皇女。
彼女は浴室で身体を洗っていたところを、
排水溝から這い出た触手に両脚を裂開され、乳房を激しく吸引されながら失禁絶頂。
智軍務大臣。
彼は地下シェルターへ避難しようとしたところ、警備兵たちの放尿を浴びせられ、
その勢いで尿道まで犯されながら、命令権ごと簒奪された。
玉座の間では、姫君の嬌声が木霊する。
「あぅっ! お腹、お腹の中で何かが動いて……!」
スライムはただ貫くだけではない。
侵入した触手が、彼女の子宮内壁を形変えんばかりに蠕動し、
まだ誰も触れたことのない未熟な臓器を“開発”。
『痛みだけじゃ退屈だろう? だから特別に快楽神経を増設してやってるんだ。感謝しろよ』
「やめ……やめ……あぁぁっ!? 何これ……脚が……腰が勝手に……!」
姫君の腰が、カクン、カクンと痙攣を始める。
初めて味わう快感に、脳が焼き切れそうになる。
排洩の感覚と絶頂の感覚が混ざり合って、太腿を生温かい飛沫が伝っていく。
「漏らしちゃう……おしっこ……止まらな……ひぁぁっ!」
勢いよく吹き出す黄金水。
その飛沫が、床に無様に倒れる高官たちの顔へ降り注ぐ。
しかし誰もそれを咎めない。
なぜなら彼らもまた、同様の痴態を晒し続けているのだから。
◆◆◆
一方、呉の路地裏。
結界を張っていた「智」の工作員もまた、地獄の只中にいた。
「うぅっ……そ、そんな……本国まで……!」
彼女は結界越しに映し出される「智」の惨状を見つめ、わなわなと震える。
自分が採取していたデータが、逆に本国を滅ぼす刃となるなど、想像だにしなかったのだ。
「お前は運がいいな」
すぐ背後から声がした。
振り返る間もなく、首筋に熱い吐息がかかる。
「お前は直接、俺様の手で再教育してやれる」
工作員の全身から血の気が引く。
「ひっ……!?」
次の瞬間、背中から無数の触手が侵入した。
衣服を溶かすことすら面倒とばかりに、直接肌の上を這い回る粘液体。
腋の下、乳輪の縁、臍の窪み、
そして最も敏感な場所──尿道口と膣口を同時に貫かれる。
「いぎぃぃっ!!」
彼女の肢体が電撃を浴びたように跳ね上がった。
同時に結界が弾け飛び、彼女の痴態が白日の下に晒される。
「いい眺めだな、クソ眼鏡」
流輝は、眼前の炎蓮と、背後で崩れ落ちる工作員と、
それからスクリーン越しの智王女と、全てを同時に掌握していた。
《無創》のスライムは今や央佳全土へと拡散しつつある。
呉を拠点に、智を足掛かりに。
この淫らなる胎内めいた大地の、あらゆる情報網が、
流輝という絶対的支配者の手中に堕ちようとしていた。
◆◆◆
「……罪な男よ」
炎蓮がぼそりと呟いた。
自慢の魔乳を揉みしだかれながら、画面越しの惨状をじっと見つめている。
そこに映るのは、泣き叫びながら絶頂し、
子宮を汚され、尊厳の全てを破壊される隣国の貴人たち。
「其方、百年遅いぞ」
炎蓮の頬が緩む。
それは嘲笑か、それとも羨望か。
おそらくは両方だった。
「智の連中など、俺が一人で屠ってやっても構わぬものを。
何故、わざわざ情報網などという回りくどい真似を?」
「鑑賞だ」
流輝が即答した。
「殺すだけなら簡単だ。だがそれじゃあ面白くないだろ?
見せ物ってのはな、観客も演者も、全員が愉しまなきゃ嘘だ」
言下に、流輝の右手が炎蓮の子宮口から引き抜かれた。
ぬちゃり、と淫靡な水音が響き、赤黒く充血した秘所がぱっくりと口を開ける。
その奥からは、まだ熱を帯びたスライムの先端が覗いていた。
「なんじゃ……物足りぬのか……?」
炎蓮が不満げに眉を顰める。
まだ一度も達していない。
それどころか、本番すら始まっていないのだ。
しかし流輝は、そんな彼女の不満を一笑に付した。
「今、一番美味い獲物が届いたところでな」
蒼穹の瞳が、路地の奥へと向けられる。
ざわり。ざわり。
風が変わる。
雷鳴に似た低い唸り。
そして濃密な殺気──否、これは発情の匂いだ。
「見つけたぞ……七星光の蛮人……!」
割れた声が響き、路地の闇から躍り出たのは一人の女だった。
背丈は流輝の肩ほど。
引き締まった四肢はしなやかで、無駄な肉は一切ない。
銀の短髪が汗で額に張り付き、蒼玉の瞳が殺意と……
明らかな発情の熱を帯びて輝いている。
その手に握られていたのは、全長二米近い大剣。
刃渡りだけで一メートルはあろうかという大質量が、
まるで枝切れのように軽々と構えられていた。
「蜀(しょく)が誇る『武神』の一人、姜維英(きょうゆうえい)……推して参る」
姜維英と名乗った女は、大剣を正眼に構えながら、
わなわなと肩を震わせている。怒りではない。これは歓喜だ。
「貴様のせいで、智の情報網が崩壊した。
我が蜀も多大な被害を被った。──だが今は感謝している」
「感謝?」
「ああ。これでやっと……口実ができた」
にぃっ、と口角を吊り上げる姜維英。
次の瞬間、彼女の大剣が唸りを上げた。
「戦争だ! 貴様という最強の雄を奪い合う、
央佳全土を巻き込んだ牝たちの戦争がなぁっ!!」
伐刀絶技「山嶺崩し(さんれいくずし)」──
発動と同時に、無数の岩塊が地面から隆起する。
路地裏の石畳が砕け、周囲の建物が傾ぐ。
それはもはや剣技ではない。
大地そのものを武器と化す、絶対質量の暴力。
「きゃぁっ!?」
結界の残骸に蹲っていた工作員が、崩れた壁の下敷きになりかける。
だが──ふわりと彼女の身体を持ち上げたのは、スライムだった。
触手がとっさに彼女を保護し、安全圏へと放り投げる。
「……ふん」
流輝は鼻を鳴らした。
「見殺しはしねぇよ。俺様の美学に反するんでな」
一方、炎蓮はと言えば、眼前に迫る岩塊の雨を見て、昂奮に身を震わせていた。
「ははっ! 蜀の小娘! 良いぞ良いぞ! もっと俺を愉しませろ!」
彼女は方天戟を顕現させると、劫火を纏わせて岩塊を粉砕。
粉々になった岩石が、周囲へと降り注ぐ。
「これが央佳だ」
流輝は一人ごちた。
絶世の武人がひしめき合い、
奪い合い、
殺し合い、
交わり合う。
現代どころか地球ですらないこの異界で、やはり笑うしかない。
ずん、と一際大きな地響き。
姜維英の足元が盛り上がり、彼女の身体が跳躍。
大剣が唸りを上げ、流輝目掛けて振り下ろされる。
「もらったぁっ!!」
『もらった? 何をだ?』
流輝の姿が掻き消えた。
いや、掻き消えたのではない。
過程を無視して、姜維英の背後へと移動。
「なっ……時空掌握だと……!?」
「少し、遊んでやろう」
流輝の手が、姜維英の尻を鷲掴みにした。
「ひぁんっ!?」
武神の口から、およそ戦場に相応しくない甘ったるい悲鳴が漏れる。
「な、何をする……!」
「対価だ。戦争を吹っ掛けてきたんだ、相応の代償は払ってもらうぞ。
戦乱を望む牝虎どもよ──まずはその胎内に、俺様の種を刻み込んでやる」
言葉と同時、周囲のスライムが一斉に姜維英へと襲いかかった。
四肢へ絡みつく触手。
装甲を溶かし、直接肌を這い回る粘液。
敏感な箇所全てが、
同時に愛撫され、
開発され、
調教されていく。
「やめっ……そこは……乳首はだめぇっ……!」
断末魔じみた嬌声が木霊し、姜維英の腰ががくがくと震えた。
◆◆◆
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
湿った空気は、
呼吸を阻害するほど
重く、粘る。
麝香と獣脂。
硝煙と血の鉄錆。
そして数多の女たちの発情の芳香。
それらが鍋の中でぐちゃぐちゃに煮えたぎり、
鼻腔の奥底から脳髄へと直接塗り込めてくる。
流輝は笑った。
嘲笑でも狂笑でもない。
ただあまりにも当然の帰結として、
この倒錯した世界に与えられた肯定の笑み。
「ふん」
鼻から漏れた息だけで、蜀の武神・姜維英の抗いを封じた。
《無創》より生み出された無数の触手は、ただ貪るのみ。
彼女が誇る堅牢な戦装束は、ドロリとした粘液に触れた瞬間、
魔性の胃液に溶かされ跡形もなく消え失せたのだ。
露わになる、蒼白な肌。
引き締まり、無駄のない筋肉の鎧。
だが、その硬度も今や無意味。
触手は筋肉の隙間という隙間に舌を差し入れ、
リンパの流れをなぞり、神経の節目を突き刺激。
鍛え抜かれた「武神」の肉体は、
ただ雄を受け入れるためだけの性感帯へとリビルドされていく。
「はっ……あぐっ! 乳首がっ……乳首が毟り取られるぅぅっ!」
姜維英の口から漏れたのは、武神の咆哮ではなく、ただの牝の悲鳴。
触手の先端が、硬くしこった乳首を吸い上げ、回転しながら乳腺を直接吸引。
その摩擦熱は甘い毒となって脊髄を駆け上がり、脳漿を白濁に染め上げた。
「俺も……俺も其方の獲物じゃ! 構わぬ、二匹纏めてくだされぇっ!」
隣で炎蓮が喚いた。
先代「炎虎」の三十八歳女傑は、方天戟を放り出し、
自ら流輝の胸板へとその豊満な魔乳を押し付けている。
重力すら抗えぬ褐色の肉塊が、流輝の白磁の肌にむしゃぶりつく。
朱鷺羽の乳暈が擦れ、赤子の拇指ほどもある巨大な乳嘴が、
流輝の肋骨を抉るように押し付けられた。
「生意気な雌だ。お前はまだ準備が足りねぇよ」
流輝が冷淡に言い放ちながら、右手を炎蓮の股間へと滑り込ませる。
下着などとうの昔に溶けている。
暴かれた秘所は、既に爆発寸前のダムのごとく熱く濡れていた。
流輝は躊躇いもなく、中指と薬指をその奥底へと突き入れる。
「あぁぁっ!! 爪が……爪が子宮口に当たるぅぅっ!!」
炎蓮が仰け反る。
四十路の熟れた膣壁は、流輝の指を逃すまいと蠕動し、きゅうきゅうと締め付ける。
だが流輝の指は止まらない。
膣壁の皺襞一つ一つを数え上げるかのように執拗に撫で回し、
最も敏感な前壁の奥、ポルチオの稜線を爪先でカリリと引っ掻いた。
「ひぎっ!! そこっ、そこはダメェェッ!! 壊れる! 子宮が裏返るぅぅっ!!」
絶叫と共に潮が噴き出す。
熟女の牝汁が、生暖かいアディションとなって路地裏の石畳を濡らす。
だが流輝は気に留めない。
むしろその体液を潤滑油として指の動きを加速させ、更なる深淵へと指を埋め続けた。
「ああっ! いいっ! そこを更に奥をほじくってぇっ!
俺のトロトロになった子宮を、其方の太いのでぶち破ってぇぇっ!!」
炎蓮は最早正気を失っていた。
歴戦の女傑は、今や快楽の渕で喘ぐだけの母犬と成り果てている。
自ら腰を振り、流輝の指をさらに奥へと誘い込もうと、卑猥に尻を振り回す。
一方、姜維英の方はと言えば。
武神としての誇りは、触手による執拗な開発の前に崩壊しつつあった。
触手は乳首への吸引を解き、今度は脇腹から臍、そして下腹部へと這い降りてくる。
無毛の恥丘をなぞり上げ、未踏の処女地へと触手の先端が触れた。
「や……やめろ……そこはまだ……っ!」
姜維英が初めて恐怖に喘いだ。
処女膜という物理的な防壁など、この魔力の塊にとっては紙切れ同然だ。
しかし流輝は、即座に貫くような野暮な真似はしなかった。
触手の先端を、少しだけ膣口へ潛り込ませ、
処女膜を押し広げるギリギリの圧力をかけたまま停止させるのだ。
それが限界点。
破瓜の痛みと快楽の境界線。
「どうする? 突き破って欲しいか? それともこのまま寸止めで泣き叫ぶか?」
流輝が耳元で囁く。
武神の涙が、蒼玉の瞳から溢れ出た。
「……ぶっ……破って……くれ……」
消え入りそうな声での懇願。
それは武神の敗北宣言。
そして牝の嘆願。
「心が貧しい雌だ。お望み通りにしてやるよ」
流輝が《無創》の質量を増幅させる。
主幹となる触手が、姜維英の眼前へと悠然とそびえ立つ。
それは人間の男のそれを模してはいるが、
質量、
硬度、
そして生命力において比較を絶している。
「頂戴します……っ!!」
姜維英が叫び、自ら腰を突き出した。
熟女の炎蓮が横で「俺もじゃ!」と喚きながら尻を突き出す中で、
武神の少女が自ら破瓜を選ぶ。
その禁忌の光景に、央佳の空気はさらに濃度を増し、淫靡な蒸気が立ち籠めた。
ぬぷぅぅっ!!
重厚な水音と共に、姜維英の処女膜が弾け飛ぶ。
鮮血が石畳へと滴る。
だが痛みに喘ぐ間もなく、触手は最深部へと到達。
未成熟な子宮口を強打。
「あぁぁぁっっっ!!!!!」
姜維英の背骨が弓なりに反り、白目が剥かれる。
絶頂。
初体験での強制絶頂。
肉と魂が同時に焼き切れるような快楽の奔流が、脳裏で炸裂。
「いいざまだ」
流輝は片手で姜維英の腰を支え、もう片方の手で炎蓮の魔乳を再び鷲掴みにした。
二匹の猛獣。
過去の英傑と現代の武神。
その両方が今、蛮場流輝という一人の絶対者の下で 牝として喘ぎ 蹄を鳴らしている。
踊る。踊る。
央佳の夜が踊る。
否、這はもう夜ではない。
混沌だ。
物理法則すら矯められたこの歪んだ世界で、
最も純粋な支配劇が今、幕を開けたのである。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
央佳・呉。
この国は何もかもが湿っている。
大気は蒸し暑く、肌に張り付く。
路地裏の石畳は、何かの体液で濡れ光っている。
そして今、この場にいる二人の女傑の股間からも、止めどなく愛液が溢れ出し、
まるで湯沸かし器が壊れたかのように周囲の湿度を爆上がりさせていた。
「あぁぁっ! いいっ! そこを更に奥をほじくってぇっ!
俺のトロトロになった子宮を、其方の太いのでぶち破ってぇぇっ!!」
炎蓮(いぇんれん)。
かつては「炎虎」と恐れられた女傑は、今や正気を失っていた。
四十路を過ぎた豊満な肉体は、汗と愛液でぬめり光り、
重力すら抗えぬ魔乳が、自ら流輝の胸板へと押し付けられている。
朱鷺羽の乳暈が擦れ、巨大な乳嘴が肋骨を抉るように脈打つ。
彼女は自ら腰を振り、流輝の指をさらに奥へと誘い込もうと、
卑猥に尻を振り回していた。
その様は、まるで発情期を迎えた猛獣。
理性などとっくに焼き切れ、本能のままに雄を求めて喘ぎ叫ぶただの牝。
「ぶっ……嬲って……くれ……」
隣で姜維英(きょうゆうえい)もまた、武神としての誇りをかなぐり捨てていた。
処女膜が弾け飛んだ鮮血が石畳へと滴る中、
触手によって子宮口を強打され、背骨を弓なりに反らして白目を剥いている。
初体験での強制絶頂。
肉と魂が同時に焼き切れるような快楽の奔流が、脳裏で炸裂。
武神の涙が、蒼玉の瞳から溢れ出た。
「心が貧しい雌だ。お望み通りにしてやるよ」
流輝は冷淡に言い放ちながら、右手で炎蓮の魔乳を再び鷲掴みにした。
左手では姜維英の腰を支え、《無創》の触手をさらに奥へとねじ込む。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
二つの肉。
右と左。
峻別すべき二つの世界が、今、掌中にある。
左手には炎蓮(いぇんれん)。
四十路を迎えし、呉の地で数多の雄を喰らい尽くしてきた女傑の肉塊。
その魔乳は、ただ重いだけではない。
指が触れた瞬間、吸い付くような熱と、底なし沼のような柔らかさが掌を包み込む。
だが、その奥底には鋼線のごとき弾力が潜んでいるのだ。
熟れきった果実。
いや、熟れ過ぎて腐る直前で結晶化した、極上の蜜肉である。
右手には姜維英(きょうゆうえい)。
蜀が誇る武神。
未だ誰にも触れさせたことのない、白銀の処女地。
引き締まった腹筋。
無駄のない筋肉の鎧。
それが今、初めて異物を受け入れ、恐怖と快楽の狭間で微細な痙攣を繰り返している。
未開発。
だからこそ、反応が素直だ。
触れるだけで跳ねる。
抉るだけで悲鳴を上げる。
その初々しさが、嗜虐心を鋭利に研ぎ澄ませていく。
二つの肉体。
年齢も、経験も、性癖も、何もかもが違う。
だが、これからわからせるのは「違い」ではない。
「同調」だ。
にぃっ。
口の端を吊り上げた。
さあ、始めようか。
二つの異なる楽器を、指揮者のもとで一つの旋律へと組み上げる、
悪魔的なオーケストレーションを。
左手が動く。
炎蓮の魔乳を、更に深く捏ね回す。
指先が乳暈(にくるい)を擦り上げ、乳嘴(にくずい)を摘み、
親指で圧迫しながら、その奥にある乳腺を直接揉みほぐす。
「あぁぁっ! そこっ……そこぉ! 俺の芯を抉るぅっ!!」
炎蓮が仰け反る。
その声には、長年の経験に裏打ちされた「雄を貪る悦び」が溢れている。
彼女は知っているのだ。
自分のどこを責められれば最も気持ちよいかを。
そして、それを雄にねだることで、自らも快感を得る術を。
指は、そんな彼女の欲望に安易に応じない。
与えるのは、あくまで「寸止め」の焦燥感のみだ。
右手が動く。
姜維英の最奥へと侵入した触手が、蠢く。
処女膜を突破した先端が、未成熟な子宮口という扉をノックする。
硬い。
出産を知らぬ子宮口は、頑として門を開こうとしない。
だが、それだからこそ面白い。
触手に回転を与えた。
ドリルのように、あるいは楔のように、
その硬い扉の隙間に先端を食い込ませていく。
「いっ……! 痛っ……! でも……何か……熱いのが……入ってくるぅっ……!」
姜維英が涙を流す。
痛みと快楽の狭間で揺れる蒼玉の瞳。
武神としての誇りと、初めて味わう雌の本能がせめぎ合っているのだ。
容赦なく触手を前進させた。
子宮口の皺襞一枚一枚を数え上げるかのように丁寧に、そして残酷に。
左と右。
二つのリズムが生まれる。
炎蓮の「貪り」。
姜維英の「拒絶」。
これらをどう同期させるか。
答えは簡単だ。
「波」を作ればいい。
左手で炎蓮の子宮口を掻き回すと同時に、
右手で姜維英の子宮口を突き上げる。
逆もまた然り。
交互に、あるいは同時に。
ランダムに見えて、そこには厳密な法則性がある。
それが「支配」という名のシステムだ。
「あっ……あぁっ……! 何じゃ……俺の中が……熱い……! 熱いのが溢れてくるぅぅっ!!」
「ひぐっ……! 足が……足が痙攣して……止まらないぃぃっ!!」
二つの嬌声が重なる。
最初はバラバラだった波長が、次第に近づいてくる。
手の動きに合わせて、二人の呼吸が同調し始めたのだ。
踊る。踊る。踊る。
炎蓮の魔乳が踊る。
姜維英の筋肉が踊る。
ごうっ。
二人の子宮から発せられる熱が、共鳴し合い、渦を巻く。
これはハッキングだ。
個別の最適化ではない。
二つの異なるOSを、管理者権限で強制的に同期させ、
一つのエラーログも許さぬ完璧なシステムとして再構築する作業。
「いいぞ。その調子だ」
囁いた。
その声だけで、二人の背筋が電撃に打たれたように震えた。
「もっと啼け。もっと溺れろ。お前たちの違いなど、俺の手の中では無意味だ」
左手の人差し指と中指を、炎蓮の秘所から引き抜く。
ぬちゃり、と粘着質な音が響くと同時に、
右手の触手を姜維英の最奥から一気に引き抜いた。
「あぁぁっ!!」
「ひぃぃっ!!」
空虚感による絶叫。
だがそれも一瞬。
次の瞬間、全てを「真ん中」へと叩き込んだ。
左手は炎蓮の子宮口へ。
右手は姜維英の子宮口へ。
左右同時に、生涯最高のタイミングで、最も残酷な深さまで貫いたのだ。
けひぃぃっ!!
二人の喉から、獣のような叫びが同時に迸った。
それは交歓ではない。
それは征服だ。
絶対者によって、二人の牝は同時に「死」へと追いやられたのだ。
びくんっ! びくんっ! びくんっ!
二つの肉体が同じリズムで痙攣する。
炎蓮の褐色の肌から噴き出す熟女の汗。
姜維英の蒼白な肌から溢れ出す処女の蜜。
それらが混ざり合い、路地裏の空気をさらに濃密にしていく。
「あふぅっ……! イクっ……俺も……イクぅぅっ!!」
「あぐっ……! 私も……私も……イッチャうぅぅっ!!」
同時昇天。
二つの魂が、同じ瞬間に快楽の坩堝へと叩き落とされたのだ。
笑った。
にぃっ、と口角を吊り上げながら、その余韻を掌で味わう。
たまらぬ味わいであった。
右と左。
違うようでいて同じ快楽の波形に飲み込まれていく二人の牝たち。
これこそが支配だ。
これこそが「再教育」だ。
絶頂の余韻が、路地裏の湿った空気に溶けていく。
二つの肢体が、まだビクビクと小さく痙攣を繰り返していた。
炎蓮の褐色の巨躯は、石畳の上に崩れ落ち、豊満な臀部を無防備に突き出している。
姜維英の白銀の肢体は、壁に寄りかかるようにして、膝をがくがくと震わせていた。
流輝は、両の掌をゆっくりと眼前に掲げた。
右手には、炎蓮の熟れきった愛液が、糸を引いて絡みついている。
左手には、姜維英の処女の血と蜜が混ざり合い、薄紅色に染まっていた。
「良い」
一言だけ呟く。
その声は、満足と、更なる渇望が入り混じった、歪な響きを帯びていた。
ずりゅっ。
流輝は、右手の中指と薬指を、炎蓮の秘所から一気に引き抜いた。
ぬちゃり、と重たい水音が響き、熟女の蜜がぽたりぽたりと石畳に滴る。
同時に、左手の触手を、姜維英の最奥からゆっくりと引き抜いていく。
処女膜の残骸を擦り上げ、未成熟な子宮口が異物の離脱にきゅうっと収縮。
「あふっ……」
炎蓮の口から、名残惜しげな吐息が漏れた。
しかし流輝は、そんな彼女に見向きもせず、姜維英の顎を掴み上げる。
「どうだ、初めての味は」
武神の蒼玉の瞳は、涙で歪み、焦点が定まっていなかった。
舌がだらりと垂れ、唾液が糸を引いて胸元まで滴っている。
完全なアヘ顔。
処女を散らしたばかりの少女とは思えぬ、淫らな貌であった。
「……まだ……足りぬ……」
か細い声で、姜維英が呟いた。
それは武神の矜持か。
それとも、快楽に目覚めた牝の本能か。
「良い答えだ」
にぃっ、と流輝は口の端を吊り上げる。
「その意気だ。だがな、お前だけに構ってやるわけにはいかねぇ。
俺様は公平な男でな」
言下に、流輝は炎蓮の方を振り返った。
彼女はまだ余韻に浸っているのか、
うつ伏せに倒れたまま、尻だけを高く持ち上げている。
馬鞍すら悲鳴をあげる肉付きの臀部。
その谷間からは、透明な蜜がとめどなく溢れ出し、
太腿を伝って地面に水溜りを作っていた。
「何が『まだ足りぬ』じゃ、この小娘が」
炎蓮が顔だけを上げ、姜維英を睨みつける。
「其方は一度達したではないか。俺はまだ一度も……」
「大人げねぇな、年増」
流輝の一言で、炎蓮の顔がかっと紅潮。
「なっ……! 年増とは何じゃ年増とはぁっ!!」
抗議の声は、しかし最後まで続かなかった。
流輝の右手が、再び彼女の臀部を鷲掴みにしたからだ。
柔らかな肉が指の間から溢れ出し、拳で打てば鼓膜を劈く音が立つその質量が、
今はただ雄の手の中で弄ばれる玩具と化している。
「二人とも、まだ足りねぇんだろうが」
流輝は、二つの肢体を同時に見下ろしながら、静かに言い放った。
「ならば、これからが本番だ」
ごうっ。
彼の周囲で、空気が渦を巻く。
《無創》のスライムが、再び脈動を始めたのだ。
今度は触手ではない。
それはもっと根源的な形。
混沌そのものの姿に戻り、流輝の全身を包み込んでいく。
「其方は……何を……」
炎蓮が戸惑いの声を上げる。
「特別だ」
流輝は言った。
「お前たち二人には、俺様の『素』を見せてやろうと思ってな」
《無創》が凝固する。
いや、これは凝固ではない。
流輝の肉体そのものが、《無創》と同化し、その質量を増大させていくのだ。
白磁の肌が、
神殿の彫像のごとき筋肉の鎧が、
より一層輝きを増し、より一層その密度を高めていく。
そして、彼の股間。
そこに顕現したのは、もはや人間の男根の域を超えた、異形の肉塊であった。
太く、
長く、
血管が網目のように浮き上がり、
先端からは透明な汁が滴っている。
「ひっ……」
姜維英が息を呑んだ。
さきほど自らを貫いた触手よりも、はるかに凶悪で、はるかに生命力に溢れている。
あれが自分の胎内に入ってくる。
その想像だけで、彼女の子宮は再びきゅんっと収縮し、新たな蜜を溢れさせた。
「俺を……俺を先に……」
炎蓮が懇願するように腰を振る。
四十路の熟女は、目の前の凶器に、歓喜と恐怖が入り混じった視線を向けていた。
「焦るな」
流輝は、その肉塊をゆっくりと炎蓮の眼前へと近づける。
「二人まとめて相手をしてやる。それが俺様の流儀だ」
二人まとめて。
その言葉の意味を、二人が理解するより早く。
流輝の肉体が動いた。
炎蓮の背後に回り込みながら、その太い腕で姜維英の腰をも抱え上げる。
二つの肢体を、まるで羽根でも扱うかのように、同時に抱え上げたのだ。
「これより、お前たちは一つの肉だ」
流輝が宣言する。
「炎蓮、お前の熟れた子宮で、俺様の種を受け止めろ。
姜維英、お前の未熟な子宮で、俺様の熱を味わえ」
ずん。
大地が鳴いた。
これより、蛮場流輝という絶対者の、真の「再教育」が始まろうとしている。
「さあ、啼け」
一言。
それだけで、二人の子宮は同時に震えた。
絶対者の命令に、抗うことなどできはしない。
雌であることの悦びを、雄に支配される幸福を、これから徹底的に刻み込まれる。
その予感だけで、二人の膣口はひくひくと収縮し、次の貫通を待ち侘びていた。
踊る。
踊る。踊る。
央佳の夜は、まだまだ終わらぬ。
否、これは始まりに過ぎぬのだ。
この淫らなる胎内で、新たな絶対者の種子が根を下ろそうとしている。
たまらぬ夜の、たまらぬ幕開けであった。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
ごうっ、と。
空気が鳴いた。
いや、空気ではない。
世界そのものが、軋んでいるのだ。
央佳・呉。
この湿っぽく、ねっとりと欲望に塗れた胎内において、
蛮場流輝という男は、ただ立っていた。
ただ立っているだけなのに、その存在は余りにも異様で、余りにも眩い。
白磁の肌は汗一つかかず、
古代ギリシャの彫像から剥ぎ取ったかのような筋肉の鎧は、
微塵の揺らぎも見せない。
だがその股間のみが、猛然と充血し、
人間の枠を超えた異形の肉塊として屹立していた。
右手には炎蓮(いぇんれん)。
四十路を過ぎし、呉が誇る「炎虎」の女傑。
左手には姜維英(きょうゆうえい)。
蜀が誇る「武神」の白銀の少女。
二つの肉体。
年齢も、経験も、質量も何もかもが違う。
だが流輝は、その二つを同時に抱え上げていた。
まるで二枚の羽根でも扱うかのように、
あるいは二つの球を掌で弄ぶかのように。
「さあ、啼け」
一言。
それだけで、二人の子宮が同時に震えた。
ずぷっ!!
ぬぷぅっ!!
重厚な水音が二つ、同時に響いた。
流輝の異形が、炎蓮の熟れた秘所と、姜維英の未成熟な蜜壺へと、
生涯最高のタイミングで、最も残酷な深さまで貫いたのだ。
「あぁぁぁっ!!」
「ひぎぃぃぃっ!!」
悲鳴が重なる。
いや、これは悲鳴ではない。
歓喜だ。
征服されたことへの、魂の底からの震える歓喜。
炎蓮の褐色の肉壁は、流輝を受け入れた瞬間、
まるで生き物のように蠕動し、その異形を締め上げにかかった。
熟れきった果実のごとき弾力。
底なし沼のような吸着力。
長年の経験が生み出した極上のテクニックが、雄を貪ろうとする。
対する姜維英の膣内は、まだ未開発。
侵入された異物に戸惑いながらも、
本能的な反射で収縮し、異形を吐き出そうとする。
だがそれが逆に、男の嗜虐心を煽る摩擦となる。
二つの異なる反応。
貪欲な受容と、拒絶的な収縮。
それらが流輝の一本を通じて、互いに干渉し合う。
「くぅっ……! 左右で勝手が違う……! これが……これが再教育……!」
炎蓮が喘ぐ。
彼女は感じていた。
自分の子宮が貫かれる快感と同時に、
もう片方で姜綮英が貫かれる衝撃までもが、
何らかの回路を通じて自分の中へ流れ込んでくるような感覚を。
「あぐっ……! 私の中に……彼女の中に……何かが入ってくるぅっ……!」
姜綮英もまた気づいていた。
自分だけが犯されているのではない。
自分と炎蓮が、同じ雄によって同時に繋がれ、
快楽という名の電流で並列接続されているのだと。
流輝は動かない。
ただ二人を貫いたまま、その質量を感じ取っている。
左右の子宮口の位置関係。
そこにある皺襞の数。
分泌される愛液の温度と粘度。
すべてをスキャンし、《無創》の脳内ネットワークに取り込んでいく。
「ふん」
鼻から息を漏らす。
そして動いた。
左右同時に。
逆さまの振り子のように腰を揺らす。
打つ。打つ。打つ。
真ん中へ。
左右どちらにも逃げ場を与えぬよう、
正確無比なストロークで子宮口を殴打する。
ぐちゅっ! ぶちゅっ! ぬちゅっ!
卑猥な水音が連打される。
汗と愛液が混ざり合い、飛沫となって路地裏の石畳へ降り注ぐ。
「ひぃっ! いいっ! 子宮が! 子宮が叩き潰されるぅぅっ!!」
「あふぅっ! 熱いっ! 頭がおかしくなるぅっ!
またイクッ! またイッチャうぅぅっ!!」
二人の嬌声が共鳴する。
最初はバラバラだった波長が、次第に近づいていく。
流輝という絶対者のリズムによって、
強制的に同調させられていくのだ。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
矛盾であった。
物理法則の崩壊。
常識の逆立ち。
一本の肉棒が、二つのオマンコを同時に貫くなど、
人類の生殖器学において説明不可能な艶技である。
だが、ここは央佳(おうか)だ。
時空がねじ曲がり、
因果がねじ伏せられ、
欲望だけが整然と並ぶ狂乱の世界。
ならば、一本が二つを犯すなど、
朝飯前の奇跡ですらない。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
人間の枷が、焼け切れた。
音など聞こえぬ。
だが、確かに聞こえたのだ。
精神と肉体を繋ぎ止めていた鎖が、
沸騰した快楽の奔流によって溶かされ、千切れ飛ぶ音が。
央佳・呉。
湿り気を帯びた路地裏の空気は、
もはや水ではない。
それは汁だ。
麝香と獣脂。
硝煙と愛液。
そして、人間の限界を超えた牝のフェロモンが煮えたぎり、
粘度を極めたスープとなって肺の奥底まで流れ込んでくる。
呼吸をするたびに、脳漿がとろりと蕩けそうだ。
「ひぎっ……! くるぅっ……! くるぅぅぅっ!!」
姜維英が絶叫する。
だがその声は、もはや少女のそれではない。
鋭利な金属音が混じり、
鼓膜を劈くような、肋骨を震わせるような、
「異質」な響きを帯びていた。
彼女の蒼玉の瞳が、ぎらりと発光する。
雷だ。
身体の中で雷が鳴っているのだ。
蜀が誇る武神の闘気が、
快楽という名の触媒を得て、
異常なベクトルへと変質を遂げたのだ。
「あぁぁっ! 熱いっ! 子宮が! 子宮が溶けて……別のものに変わっていくぅぅっ!!」
炎蓮もまた嘶く。
四十路の熟女が放つ嬌声は、
猛獣の咆哮であり、
地獄の業火が爆ぜる音であった。
彼女の褐色の肌に、
朱鷺羽のごとき紋様が浮かび上がる。
呪いである。
快楽が臨界点を突破し、
肉体そのものに呪刻として刻印されたのだ。
ぐちゅっ!
ぶちゅっ!
二つの蜜壺が、流輝の異形を一滴残らず搾り取ろうと、
けた違いの圧力で締め上げる。
人間の牝ではない。
これは別次元の生態系だ。
右と左。
熟女と処女。
それらが流輝を媒体として完全に同調した瞬間、
生まれるエネルギーは臨界点を超え、
質量保存の法則すら無視した反応を引き起こしていた。
変異だ。
二つの肉体が、人間を超えた存在──
央佳における「仙人」、あるいは「魔人」に近い段階へと、
一時的に覚醒・変異してしまったのだ。
「……おお?」
流輝が初めて、感嘆めいた声を漏らした。
彼の異形が、悲鳴を上げている。
二つの魔性の膣壁に搾精され、
根元から先端までが、
まるで生き物に嚼まれるかのような刺激を受けているのだ。
炎蓮の膣壁。
それは蠕動する、灼熱の泥沼。
摩擦するたびに火傷しそうな熱を帯び、
底なしの吸引力で流輝の肉を溶かし、
原型を留めぬほどにねっとりと絡みつく。
姜維英の膣壁。
それは電化された氷の迷宮。
十万ボルトの電撃が走るような痺れと、
絶対零度の冷気が入り混じり、
流輝の神経を逆撫でするような快感を刻み込む。
「くっ……! これは……」
流輝の額に、初めて汗の粒が滲んだ。
痛みではない。
これは過剰な供給だ。
二人の女傑が、
快楽の臨界突破によって手にした魔力が、
流輝の体内へと逆流し始めているのだ。
「─────────っ!!」
炎蓮が叫ぶ。
その瞳は、溶岩よりも灼熱に満ちていた。
彼女の肉体から迸る炎は、
方天戟の劫火など可愛いものだ。
焼き尽くすのではない。
これは支配だ。
快楽という名の絶対的な支配力で、
雄の理性を焼き払い、魂ごと征服する業火。
「喰らわせろォッ!! 其方の精も! 魂も! 全部俺の腹ん中にぶち込んでえええッ!!」
炎蓮の腰が、凄まじい速度で旋回し始めた。
ただ貫かれるだけの牝ではない。
自ら動き、
自ら搾り取り、
雄を征伐する牝虎。
その腰遣いは、
螺旋。
あるいは、竜巻。
摩擦されるたびに、
流輝の異形が音を立てて変形しそうなほどの遠心力。
「あぐっ……! 負けない……! 私は……武神だァッ!!」
姜維英もまた吠えた。
彼女の肢体から放たれる雷撃は、
路地裏の石畳を粉砕し、
周囲の建物を瓦礫の山へと変えるほどの出力。
だがその破壊のエネルギーは、
全て二つの肉体の接合部へと収束していた。
子宮口という最前線で、
直接雷撃を受けているのだ。
膀胱が破裂するかと思えるほどの刺激。
そして、それがたまらぬ快楽へと変換されていく。
二人の牝が、動く。
逆襲だ。
単なる交合ではない。
これは求愛であり、同時に戦争だ。
魔人へと堕ちた二頭の猛獣が、
絶対者の王座を奪い取らんと、
牙を剥き、
爪を立て、
膣壁という最も卑猥な武器で、
流輝を嬲り殺しにしようとしているのだ。
「ひゃはっ! 面白えぞ!」
流輝が笑った。
冷や汗を流しながら、
しかし蒼穹の瞳は爛々と輝いていた。
痛みすら快感。
この過剰な供給こそが、
彼の求めていたスリルなのだから。
「来いよ! その化け物じみた腰つきで、俺様を絞り尽くしてみせろッ!!」
挑発に応じ、
炎蓮の魔乳が波打ち、
姜維英の筋肉が躍動する。
ねっとりと。
しつこく。
粘着質に。
二つの魔性の穴が、流輝を貪る。
あふぅっ!
いぎゃぁっ!
嬌声と咆哮が混ざり合い、
央佳の夜空を震わせる。
これは人間のセックスではない。
神仙の闘いだ。
快楽の極致においてのみ顕現する、
異界の儀式。
ふと、流輝は気づく。
自分の異形が、二つの膣壁の圧力に耐えきれず、
限界まで膨張していることを。
射精ではない。
これは爆発だ。
二人の魔人が引き出すエネルギーに呼応し、
彼の中にある混沌が、
更に質量を増していく予感。
ざわり。
空気が震える。
二人の女傑が放つ魔力が、
流輝を中心に渦を巻き始めたのだ。
もし今、彼が白濁を放てば、
それは単なる体液ではない。
混沌を内包した、
新たな世界の種となるだろう。
たまらぬ雌であった。
右も左も。
熟女も処女も。
魔人へと堕ちた二匹の牝虎は、
ただの人間だった頃よりも、
遥かに美しく、
遥かに恐ろしく、
そして何より、
ひたすらに淫らであった。
まだ終わらぬ。
否、これからが本番だ。
魔人化した二匹の牝を満足させるためには、
もっともっと、
深く、
激しく、
残酷なまでの支配が必要なのだから。
けひぃぃ!
歪んだ笑い声が、
ねっとりとした夜気の中へと溶けていった。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
熱い。
熱いのだ。
ただの熱ではない。
物理的な温度などという生易しいものではない。
二人の魔人───灼熱の泥沼と化した炎蓮と、雷鳴轟く氷の迷宮と化した姜綮英───
から流れ込んでくるエネルギーが、流輝の中にある《無創》という名の混沌を刺激し、
彼自身の内側で眠っていた何かを暴力的に叩き起こそうとしていた。
(これが……央佳か……)
流輝は目を閉じた。
見えてくるものがある。
この歪んだ大陸の根底にあるシステム。
時空を弄り、因果をねじ伏せ、欲望だけを整然と並べるこの世界のコア。
それが二人の牝を通じて、流輝の中へと直接語りかけてくるのだ。
(面白い……ならば俺様が……)
《無創》が震える。
ただの霊装ではない。
それは流輝自身の魂の拡張。
二人の魔人を吸収し、そのエネルギーを燃料として、
彼自身が更なる高みへと至ろうとしていた。
「あぁっ! 俺の中に……何か……デカいものが入ってくるぅぅっ!!」
炎蓮が直感する。
彼女の熟れた肉体は、
ただ肉棒を受け入れているだけではないことを理解していた。
これは接続だ。
央嘉という巨大なサーバーへと、流輝というハッカーが不正侵入を試みているのだ。
その際のデータの奔流が、彼女の子宮というポートを通じて流れ込んでくる。
「ひぎぃっ! 頭の中に……直接……何かが書き込まれていくぅぅっ!!」
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
接続だ。
ログインだ。
ハッキングだ。
蛮場流輝は、目を閉じたまま笑った。
まぶたの裏で爆発する情報の奔流。
それは単なる快楽などではない。
央佳(おうか)という巨大なサーバーから流れ込んでくる、
無数のユーザー(仙人)たちが蓄積した莫大なログデータ。
時空を弄った痕跡。
因果をねじ伏せたパッチファイル。
欲望だけを整然と並べたデータベースの構造体。
それらすべてが、二つの肉穴を通じて、
流輝の《無創》という名のOSへと直接流入してくるのだ。
「ひぎっ! のーみそが……フットーしちゃうぅぅっ!!」
姜綮英が絶叫する。
彼女の脳漿は沸騰し、雷撃となって全身を駆け巡る。
だがそれは破壊ではない。
フォーマットだ。
彼女という個体を構成していた古いOSが、
流輝という絶対管理者によって強制的にアンインストールされ、
新たなシステムへと上書きインストールされているのだ。
「あぁぁっ! 俺の中に……何か……デカしゅぎりゅぅぅっ!?」
炎蓮もまた喘ぐ。
彼女の熟れた肉体は、ただ肉棒を受け入れているだけではないことを理解していた。
これは接続だ。
央佳という巨大なサーバーへと、流輝というハッカーが不正侵入を試みているのだ。
その際のデータの奔流が、彼女の子宮というポートを通じて流れ込んでくる。
「面白い……」
流輝は目を開けた。
蒼穹の瞳が爛々と輝く。
彼は今、央佳の深層にアクセスしていた。
この歪んだ大陸の根底にあるシステム。
五覇七雄と呼ばれる勢力が、数千年にわたって蓄積してきた魔力のデータベース。
それらすべてが、二人の魔人化した牝を通じて、流輝の中へと流れ込んでくるのだ。
「これが……殷の……秦の……漢の……元の……華の……」
流輝は呟く。
五覇。
央佳を支配する五つの巨大勢力。
そのすべての魔力式が、彼の《無創》によってスキャンされ、
解析され、そして吸収されていく。
「魏……呉……蜀……五丈……智……倭寇……匈奴……」
七雄。
五覇に次ぐ七つの勢力。
それらの秘術もまた、流輝の手の中にあった。
ぐちゅっ!
ぬぷぅっ!
二つの蜜壺が、さらに激しく流輝を締め上げる。
炎蓮の灼熱の泥沼。
姜維英の氷の迷宮。
それらが交互に、あるいは同時に、流輝の異形を搾り上げていく。
「くっ……ははっ……!」
流輝は笑った。
痛みではない。
これは快感だ。
央佳全土の魔力が、自分の体内へと流れ込んでくる感覚。
それはまさに、世界そのものを掌握する悦びであった。
「其方……何をしておる……!」
炎蓮が喘ぎながら問いかける。
彼女は感じていた。
流輝がただ交合しているだけではないことを。
その奥にある、もっと深い何かを。
「何をって……決まってるだろう」
流輝はにぃっと口角を吊り上げた。
「この国を、俺様のシステムに組み込んでるんだよ」
言下に、《無創》が爆発的に増殖する。
触手ではない。
それはもっと根源的な形。
混沌そのものの姿に戻り、
流輝の全身から溢れ出し、周囲の空間を侵食し始めた。
「なっ……!?」
炎蓮が驚愕する。
流輝の肉体が、まるで央佳そのものと同化しようとしているかのようだった。
いや、同化ではない。
これは支配だ。
流輝という絶対者が、央佳という世界を、
自らのシステムへと書き換えようとしているのだ。
「俺の国を……其方は……」
炎蓮の声が震える。
それは恐怖か、それとも歓喜か。
おそらくは両方だった。
「安心しろ。お前たちの国を滅ぼすつもりはない」
流輝は言った。
「ただ、俺様のものにするだけだ」
ずん。
大地が鳴いた。
流輝の《無創》が、央佳の地脈へと接続されていく。
それはまるで、巨大なネットワークに侵入するウイルスのようであり、
同時に、新たなOSをインストールする管理者のようでもあった。
「あぁっ! 何かが……俺の子宮に……直接……書き込まれて……!」
炎蓮の胎内で、何かが変わり始める。
流輝の魔力が、彼女の子宮というハードウェアを通じて、央佳の大地へと浸透していくのだ。
「私も……私の中にも……!」
姜維英もまた震える。
彼女の未成熟な子宮が、流輝の魔力を受け止め、そして大地へと伝達していく。
二つの肉体は、もはや単なる牝ではない。
それは中継端末だ。
流輝という絶対者が、央佳という世界を掌握するための、最も重要なインターフェース。
「さあ、もっと啼け」
流輝は腰の動きを加速させた。
「お前たちのその声が、この国を書き換える鍵だ」
ぐちゅっ! ぐちゅっ! ぐちゅっ!
卑猥な水音が連打される。
それに合わせて、《無創》が大地へと浸透していく。
路地裏の石畳。
周囲の建物。
そして、央佳全土の地脈へと。
「あふぅっ! イクッ! またイクぅぅっ!!」
「ひぎぃっ! 私も……私もイッチャうぅぅっ!!」
二人の絶頂が、大地を震わせる。
それは地震ではない。
これはシステムの再起動だ。
央佳という巨大なOSが、流輝という新たな管理者によって、
強制的にリブートされようとしているのだ。
「ふん……いいぜ……その調子だ……」
流輝は汗を滴らせながらも、笑みを絶やさない。
彼の異形は、今や限界まで膨張し、今にも爆発しそうだった。
だが、まだ足りない。
央佳全土を掌握するためには、もっと多くのデータが必要だ。
「まだまだ……これからだ……!」
流輝は二人をさらに深く貫きながら、央佳の深層へとアクセスを続ける。
五覇七雄。
無数の仙人たち。
数千年の歴史。
それらすべてが、彼の手中に収まろうとしていた。
踊る。踊る。踊る。
央佳の夜は、まだ終わらない。
否、これは終わりではない。
新たな始まりだ。
蛮場流輝という絶対者が、この歪んだ世界を掌握するための、
壮大なインストールが、今まさに進行中なのだから。
「さあ……次はどの国を堕としてやろうか……」
流輝の嗤い声が、ねっとりとした夜気の中へと溶けていった。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
大地が、震えた。
いや、震えているのは央佳という大陸そのものか。
それとも、蛮場流輝という絶対者の内側で渦巻く混沌のエネルギーか。
境界はすでに融解している。
路地裏の石畳はひび割れ、そこからは無数の根のようなもの──
《無創》のスライムが浸透した地脈そのものが露出し、脈打っていた。
それは、まるで胎盤だ。
央佳という巨大な子宮に張り巡らされた、新たな命を育むための血管網。
そしてその中心で、流輝は二匹の牝を同時に貫きながら、静かに笑っている。
「そろそろ、刻み込んでやる」
声は、凪いでいた。
これから起こることの凄絶さに比べて、あまりにも平坦な宣言。
だがその一言で、炎蓮と姜維英の子宮が、恐怖と歓喜にぎゅうっと収縮。
わかっていたのだ、雌の本能が。
これから注ぎ込まれるものが、単なる白濁液などではないことを。
ぐぽっ。
流輝が、わずかに腰を引いた。
異形の肉塊が、二つの蜜壺から同時に引き抜かれる。
空虚感に、二人の女傑が「あふぅっ」と同時に喘ぐ間もなく。
ずんっ、と。
生涯最高の質量で、
生涯最高の深さまで、
再び同時に貫かれた。
「ひぎぃぃっ!!」
「おごぉぉっ!!」
悲鳴が重なる。
その瞬間、流輝の異形が、最奥で爆発的に膨張。
射精だ。
いや、これは噴出だ。
灼熱の泥沼と化した炎蓮の子宮口へ、
雷鳴轟く氷の迷宮と化した姜維英の子宮口へ。
ドロリとした、
しかし途轍もない圧力を伴った白濁の奔流が、
直接、叩き込まれていく。
どぷっ! どぷぷぷぷっ!!
「あ"ぁ"っ! 熱っ! 熱すぎるぅぅっ!!」
炎蓮が絶叫する。
彼女の熟れた胎内は、注ぎ込まれた精液を異物として認識できなかった。
熱すぎるのだ。
それはもはや体液ではない。
溶岩だ。
液体化した恒星の核だ。
灼熱の子宮を、さらに超える熱量で内側から焼き尽くされ、
彼女の褐色の肌が、内側から朱鷺羽色に発光し始める。
「お腹が……! お腹の中で雷が鳴ってるぅぅっ!!」
姜維英もまた、のけぞる。
彼女の未成熟な子宮に注ぎ込まれた白濁は、嵐。
十万ボルトの電撃を帯びた無数の精子が、卵管を駆け上がり、
卵巣を直接焼き、腹膜を貫いて内臓全体へと拡散していく。
その刺激は、痛覚を遥かに超越し、
脳髄を直接こね回されるような異次元の快楽へと変換されていた。
どぷっ! どぷどぷどぷっ!!
流輝の射精は止まらない。
彼は、央佳の地脈から吸い上げた無尽蔵のエネルギーを、
そのまま精液という形に変換し、二人の牝へと注ぎ込み続けているのだ。
路地裏の湿度が、さらに跳ね上がる。
石畳にできた水溜りは、もはや愛液や汗だけではない。
二人の女傑の口から溢れ出した涎、鼻水、
そして失禁した黄金水までもが混ざり合い、強烈な牝臭を放っていた。
「ほら、もっと絞れ。一滴残らず、その子宮に刻み込め」
流輝が命じる。
その声は、直接、二人の魂に響く。
《無創》のスライムが、二人の全身の毛穴という毛穴から侵入し、
体内の神経網を流輝の支配下に置いているのだ。
炎蓮と姜維英の腰が、命令に従い、自動的に動き始める。
流輝の異形をさらに深く咥え込もうと、
淫らに、
卑猥に、
円を描くように旋回する。
「あ"っ! あ"っ! 自分で……自分の腰が……止まらないぃぃっ!!」
「あぐっ! 精子が……子宮の壁に……刻み込まれていくぅぅっ!!」
二人の女傑は、自分の意志とは無関係に腰を振り続けながら、
その異変を感じていた。流輝の精液が、ただ子宮を満たすだけではない。
それは、細胞の一つ一つに侵入し、
その遺伝子情報そのものを書き換えようとしているのだ。
侵食。
書き換え。
上書きインストール。
炎蓮の褐色の肌に、銀色の紋様が浮かび上がる。
それは、流輝の《無創》が具現化する際の幾何学模様だ。
彼女の肉体が、流輝というシステムに最適化されたハードウェアへと作り変えられていく。
姜維英の蒼玉の瞳にもまた、同じ紋様が浮かんだ。
雷を帯びた彼女の魔力は、《無創》の混沌と融合し、
より凶悪で、より淫らな性質へと変質していく。
「う、生まれる……俺の腹の中で……何かが……とんでもないものが……!」
呻く。
妊娠ではない。
これは、製造だ。
子宮という工房で、混沌と央佳の地脈が混ざり合い、
新たな“何か”が錬成されようとしているのだ。
それは、兵器か、それとも新たな生命か。
いや、その二つに違いなどない。
流輝にとっては、全てが支配のためのツールでしかないのだから。
「私も……私のお腹も……熱い……熱いのが渦巻いてるぅぅっ!!」
姜維英もまた、未成熟な子宮に宿った異物の胎動に、恐怖と悦びに打ち震える。
武神としての誇りも、蜀への忠誠も、今は遥か彼方だ。
魂は、精液によって塗り潰され、上書きされようとしている。
「そうだ、その恐怖も、その悦びも、全部俺様に捧げろ」
流輝は、射精を続けながら、二人の髪を鷲掴みにした。
「お前たちは今日から、俺様のものだ。この央佳という国ごと、
俺様のシステムの一部として生まれ変わるんだよ」
宣言と同時に、最後の一滴までを搾り取るかのように、彼は腰を深く押し込んだ。
どぷんっ、と、くぐもった爆発音が、二つの胎内から同時に響く。
それが、全ての終わりであり、全ての始まりだった。
炎蓮と姜維英は、もはや声を発することもできず、
白目を剥いて全身をガクガクと痙攣させるだけだ。
その胎内では、《無創》の種子がしっかりと根を下ろし、
央佳という大地へと向けて、無数の隷属の根を伸ばし始めていた。
央佳・呉の、湿度の高いねっとりとした夜気の中を、
新たな絶対者の支配の波動が、
静かに、しかし確実に、伝播していく。
[◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆]
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
大地が震えたのは、つい先刻のことだ。
いや、時空がねじ曲がったこの歪な大陸にあって、
時間の感覚など当てにはならない。
ただ一つ確かなのは、蛮場流輝という絶対者が放った《無創》の種子が、
炎蓮と姜維英という二匹の牝の胎内に深く根を下ろし、
央佳全土の地脈へと隷属の根を張った、という現実。
路地裏の湿度は、もはや飽和していた。
呼吸をするたびに、肺が水を吸う。
いや、これは水ではない。
熟れきった牝たちの汗と、愛液と、失禁の名残が蒸発し、
大気という大気を淫らなスープへと変貌させているのだ。
その中心で、蛮場流輝はただ立っていた。
筋肉の鎧は、微塵の弛みも見せない。
股間の異形だけが、未だ硬く屹立し、
二つの子宮に注ぎ込んだ白濁の残滓を、先端から滴らせている。
足元には、二匹の雌が転がっていた。
呉の先代当主、「炎虎」こと炎蓮。
四十路の豊満な褐色の肢体は、石畳の上にぐったりと横たわり、
重力すら嘲笑う魔乳だけが、呼吸に合わせてゆっくりと上下している。
その下腹部──朱鷺羽の紋様が浮かび上がった子宮のあたりには、
流輝が注ぎ込んだ白濁が未だ収まりきらず、
どろりとした精液が太腿を伝って水溜りを作っていた。
溶岩のごとき瞳は虚ろに見開かれ、口元からはだらしなく涎が垂れている。
蜀の武神、姜維英もまた、壁に寄りかかるようにして崩れ落ちていた。
白銀の肢体は、いまだ微細な電撃に痙攣し、未成熟な秘所からは、
処女の鮮血と精液が混ざり合った薄紅色の液体がぽたりぽたりと滴っている。
蒼玉の瞳は涙で歪み、焦点が定まっていない。
二匹とも、まだ息はある。
だが、意識は遠い。
快楽の臨界点を突破し、魔人へと一時的に覚醒した反動で、
魂が肉体に追いついていないのだ。
「ふん」
流輝は鼻を鳴らした。
さて、どうしたものか。
このまま放っておいても、いずれは目を覚ますだろうが、それではつまらない。
せっかくの央佳だ。
もう少し、この歪んだ世界を堪能したい。
「……流輝、さま」
不意に、背後から声がかかった。
振り返ると、そこにはフー・シャオリーが立っていた。
流輝の下僕である少女は、いつの間にか路地裏の惨状を片付けていたらしく、
その手には水の入った桶と、清潔な布が握られている。
「おお、シャオリーか。どうした、その桶は」
「み、水です……少しは、体を拭かれた方がよろしいかと」
シャオリーは、流輝の股間から滴る白濁をチラリと見て、頬を赤らめた。
流輝が二人の女傑を同時に相手取る一部始終を、物陰から見ていたのである。
その間、自ら慰め、惨めさに啼泣しつつ幾度ともなく絶頂した。
「気が利くな」
流輝は、シャオリーの頭をポンポンと叩いた。
その仕草は、まるで子犬を褒めるかのようで、
しかしそれがたまらなく嬉しいと感じてしまう自分が、シャオリーは少し悔しかった。
「それで、だ。この二人をどこかで休ませたいんだが、適当な宿はあるか?」
「は、はい。呉には、気功治療を専門とする療養所がございます。
そこならば、個室もございますし、流輝さまの邪魔にもならないかと」
「よし、案内しろ」
流輝は、地面に転がる二匹の牝をひょいと抱え上げた。
片腕に炎蓮、もう片腕に姜維英。
二人分の質量など、彼にとっては羽根も同然だ。
シャオリーが案内したのは、路地裏からほど近い場所にある、
木造三階建ての古びた建物だった。
表には「回春堂」と書かれた看板が掲げられている。
なるほど、ここが療養所か。
「店主は、私の父の知り合いでして。央佳の外の人間にも理解のある方です」
シャオリーが扉を開けると、中からは漢方薬の独特な香りが漂ってきた。
老齢の女医が一人、カウンターで薬草を調合している。
流輝の姿を見ると、ナニかを悟ったらしく、頬を赤らめつつも深々と頭を下げた。
「これはこれは、遠方よりの客人。話はシャオリーから伺っております。
どうぞ、最上階の部屋をお使いください。誰にも邪魔はさせませぬ」
「助かる」
炎蓮と姜維英をそれぞれ別の部屋に寝かせると、最上階の広間に通された。
大きな窓から呉の街並みが一望できる、開放的な空間。
中央には、大人数が横になれるほどの巨大な寝台が置かれている。
「流輝さま、何か必要なものがございましたら、何なりとお申し付けください」
シャオリーはそう言って、部屋を出て行こうとした。
だが、その手首を、流輝が掴む。
「お前も、一緒にどうだ」
「えっ……」
シャオリーの心臓が、跳ねた。
流輝が何を言っているのか、すぐには理解できなかった。
いや、理解したくない自分がいた。
だって、あの二人の女傑を同時に相手取った直後だ。
普通なら、疲れているはずだ。
それなのに、この人はまだ、足りないと言うのか。
「遠慮するな。お前も、ずっと見ていたんだろう?
それで、その太腿はびしょ濡れだ。慰めてやる」
流輝の蒼穹の瞳が、シャオリーを見透かす。
ぎゅっと目を瞑った。
もう、抗うことなどできない。
この人に逆らうことなど、誰にもできないのだ。
「……はい」
シャオリーは、小さく頷いた。
流輝の前でゆっくりと衣服を脱ぎ始める。
肌が露わになり、小ぶりな乳房と、引き締まった腹筋が晒される。
その股間は、彼の言う通り、とめどなく愛液を溢れさせていた。
「いい子だ」
流輝は、シャオリーを抱き寄せると、その唇に自分のそれを重ねた。
深く、深く。
舌を絡め、唾液を交換する。
シャオリーの膝から力が抜け、流輝に全てを預ける。
しかし、その濃密な口付けが終わる前に、異変は起きた。
どんっ。
階下から、何かが破壊される音が響いたのだ。
それも、一つや二つではない。
何かが壁を突き破り、
建物の中へと雪崩れ込んでくるような、
けたたましい轟音。
「な、何!?」
シャオリーが慌てて身を離す。
流輝は、チッと舌打ちをした。
「せっかくの良い雰囲気だったのによ……どうやら、邪魔が入ったらしい」
窓の外を見る。
街の通りから、無数の人影がこの療養所目指して殺到してくるのが見えた。
いや、あれは全員、女だ。
しかも、只者ではない。
その身に纏うオーラは、央佳の伐刀者特有のもの。
「あれは……呉の女武将たち!?」
シャオリーが叫ぶ。
そう、彼女たちは、つい先ほど流輝に蹂躙された、炎蓮の麾下に連なる者たちだった。
先ほどは流輝の触手に嬲られ、地面に這いつくばっていたはずだ。
それがなぜ、今になって攻めてくるのか。
答えは、すぐにわかった。
女武将たちの先頭に立つ、一人の女傑の姿が目に入ったからだ。
「……雪蓮(しぇれん)」
当代「雷虎」。
炎蓮の娘にして、呉国筆頭当主たる若き女傑。
彼女は、雷光を纏う大剣を手に、真っ直ぐに療養所を見上げていた。
その琥珀の瞳は、怒りに燃えている。
いや、違う。
あれは怒りではない。
嫉妬だ。
そして、独占欲。
「蛮場流輝ッ!!」
雪蓮の咆哮が、窓ガラスを震わせる。
「貴様、よくも母上ばかりをッ!! 私もだ! 私もお前の子種をよこせぇぇっ!!」
それは、戦線布告であった。
いや、これは宣戦布告などという生易しいものではない。
発情した牝の、雄を奪い合うための本能の叫び。
母親である炎蓮だけが流輝の精を受け、自分が取り残されたことに、
嫉妬と憤怒で我を忘れているのだ。
「雪蓮様! お待ちください!」
「我らも! 我らもあのお方を!」
「あの御方の子種を腹に宿すのは、この私だ!」
後続の女武将たちも、口々に叫びながら療養所へと突入してくる。
彼女たちもまた、雪蓮と同じだ。
一度は流輝に嬲られ、その絶対的な支配力の味を覚えてしまった牝たち。
今や彼女たちは、自ら進んでその手に堕ちたいと願っているのだ。
「ふはっ!」
流輝は、思わず笑い声を漏らしていた。
「いいぞ! 実にいい! そうでなくてはな!」
窓辺へと歩み寄る。
階下では、既に十人を超える女武将たちが、
流輝を目指して階段を駆け上がってきていた。
その全員が、目を血走らせ、股間を濡らし、獣のような呼吸を繰り返している。
「望み通り、相手をしてやる。ただし……一人ずつ、順番にな」
流輝は、《無創》を発動させた。
彼の右手から溢れ出した漆黒のスライムは、
無数の触手となり、階段を駆け上がる女武将たちへと襲いかかる。
「きゃあっ!」
「あぁっ! またこれか!」
「でも……これが……これがたまらないのぉっ!」
女武将たちは、悲鳴を上げながらも、その顔には明らかな歓喜が浮かんでいた。
触手に手足を絡め取られ、壁に磔にされながら、
自ら腰をくねらせ、その侵入を待ち侘びている。
雪蓮だけは、さすがに当代当主だけあって、
触手の数本を雷撃で焼き払いながら、一直線に最上階を目指していた。
山脈のごとき爆乳が、激しい動きに合わせて揺れ動く。
浅葱色の戦袍は、既にはだけ、紅珊瑚の乳首が顔を覗かせていた。
「逃げても無駄だぞ、流輝! 私は、貴様を必ず手に入れる!」
どんっ!
彼女は、最上階の扉を蹴破り、流輝の前に躍り出た。
琥珀の瞳が、爛々と輝いている。
その全身からは、雷の魔力が迸り、空気を焦がしていた。
「逃げる? 誰が?」
流輝は、振り返りもせずに言った。
「待っていたんだよ、お前たちのような、飢えた雌犬どもをな」
その言葉に、雪蓮の子宮が、きゅんっと疼いた。
唇を噛み締めながら、雷を纏った大剣を構える。
だが、それは戦いのためではない。
これは、求愛のダンスだ。
彼女は、自分の全てを賭けて、この絶対者の気を引こうとしているのだ。
「その意気や良し。さあ、来い。お前が何発耐えられるか、試してやろう」
流輝は、ゆっくりと雪蓮の方へと向き直った。
その股間の異形は、先ほどまでの射精が嘘のように、再び猛々しく屹立している。
窓の外では、央佳の夜が、ますます深まっていた。
療養所の中は、女武将たちの嬌声と、触手の蠕動する水音が満ちている。
そして今、最上階の広間で、新たな牝と雄の、命がけの交尾が始まろうとしていた。
それは、まさに「大乱舞」。
呉という国を挙げての、ただ一人の絶対者への、
狂おしいまでの服従と、そして独占欲の表明だった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
陽が落ち、深更の帳が下りる頃。
央佳・呉の一角は、すっかり静寂に包まれていた。
先ほどまで鳴り響いていた嬌声も、爆音も、今は遠く彼方の残響に過ぎない。
ただ一点──街の中心広場だけは、違った。
そこには人だかりができていた。
いや、人ではない。
雌たちだ。
老若を問わぬ無数の女たちが、裸身を晒し、広場の中央を見つめて跪いている。
広場の中央には、巨大な「玉座」が築かれていた。
しかしそれは石や金属でできた王座ではない。
姜維英。
《無創》の半流動体が凝固し、四つん這いを強要。
主上の椅子と成れる栄誉に恍惚とし、常に甘イキしている。
玉座には蛮場流輝が腰掛けている。
左手には葡萄酒の杯。
右手には手綱。
手綱の先には、項輪を嵌められた四つん這いの女が三人。
炎蓮。
雪蓮。
そして蓮華。
三人とも裸身を晒し、尻を高く突き上げたまま、
流輝の股間へ奉仕する牝犬の姿勢を取らされていた。
「さて」
流輝の低い声が夜気を震わせる。
「秦が動いた。智は機能を停止した。蜀が参戦を表明した。──他の国はどうする?」
問いかけは、誰に向けられたものでもない。
だが玉座の周囲に跪く雌たちは、皆一様に子宮を震わせてその声を聴いていた。
「魏、五丈、匈奴、倭寇……。それから五覇の漢、元、華……。全員かかって来い」
にぃっ、と流輝は口角を吊り上げた。
「相手をしてやろう。いや──再教育してやろう。
この央佳という淫らな胎内の全てを、俺様の色に染め上げてやる」
歓声が上がった。嬌声が轟いた。
それはもはや戦などではない。これは──
──新たな「秩序」の誕生。
最強の雄を奪い合う、央佳全土を巻き込んだ牝たちの戦争が、
今、ここに幕を開けたのである。
更新希望の原作
-
魔弾の王
-
落第騎士
-
ハイスクールD×D
-
月姫
-
モブせか
-
マジエク
-
のんびり農家
-
新妹魔王
-
八男