※この作品はR-18です。

女神が堕落する時   作:濡れ書生

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お久しぶりです
年末年始と決算期前で半額セールの英雄伝説Ⅰのベタ移植購入したもののプレイする時間も書く暇もなくてきつかった……

濡れ場書きたかったのですが、長くなったので分割しました
いろいろなVerでグラや声優さんが変わってますが
個人的には岩崎さんグラ、CVまーちゃん事飯塚さんのフィーナさんをイメージしてますが、上手く描写出来てなくて反省中です


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「しかし、アドルもなんだかんだ男なんだね」

 

 翌朝、起床し朝食を取った後フィーナが片付けが終わるのをアドルとジェバがフィーナが入れたお茶を飲みながら待っていた。そこに自然とフィーナの後姿に視線がいくアドルにジェバがそう口を開く。

 

「ん?」

 

 言葉の意味を汲み取りきれず、アドルが視線をジェバへと向けると、苦笑に近い笑みをジェバが見せているのが見える。

 

「冒険ばかりで女に見向きもしないと思っていたが今の姿といったら、飢えた獣とは言わないが、切なそうにフィーナの後ろ姿を追ってるからね。

 私が来る前から、よくだらけ切った放蕩生活にならなかったもんだ」

 

 ジェバの言葉から、確かに朝から晩まで淫欲に塗れた生活を送っていた可能性あったと気がつく。アドル本人が自認する程に凄まじい程の努力の賜物なのだ。初めて結ばれた時何故この努力が出来なかったのか、それはアドル自身も思い返しやはり何らかの薬物なりがあったのではないか、とそう考えている大きな要因であり、正しい分析であった。

 フィーナやリリアだけでなく、自分も薬物に犯されていれば正常な思考や判断力は失われる。あの時よくダレスが攻撃を仕掛けてこなかったと、今ですら内心冷や汗をかくほどだ。

 ただジェバの言葉から自分がそんな表情でフィーナの後ろ姿を見つめていたのかと、アドルの表情がジェバに釣られて苦笑を見せる。互いに惚れている男女。しかも若い二人が同じ屋根の下で一緒に生活したらどうなるだろうか? 若い情熱と想いがあればどんな生活になるか、想像も容易く、浴場での行為だけで済ませている自分を考えると、禁じられた関係に溺れる事なく生活している事は、禁欲的な性格でもないし、一般的な男と思っていただけに改めて意外だと思う所もある。

 

「毎日、フィーナと生活して食料は魔物達が定期的に運んでくる。その気になれば一日中ベットの中でフィーナと過ごしていても問題はあまりないね」

 

 アドルの言葉はアドルの本音が四割程含まれていた。大切だと気がついた娘。生きがいを捨てて、怨まれる中で手に入れた。だからこそ大切にその存在を腕の中で収めて愛でていたいとも思うし、溺れていたいとも思う。だが、アドルの中にはもう一つ違う本音もある。

 

「でも僕だって一応男さ。フィーナに嫌われたくない。ずっと好かれていたい。だから格好良い男でありたいし、頼れる男でありたいから必死なんだよ。

 この辺り、ゼピック村で隙を見つけては逢瀬を重ねてる男連中とかわらないさ」

 

 村でペアとなっている者達は暇を見ては二人きりになって愛を語らう。時には人がいないと大胆に男女の行為にも及ぶペアもいる。そんな男達やペアのいない者達も常に好きな娘には格好の良い自分を見てもらいたい。そんな男達とアドルはそんなに変わらないと笑う。

 フィーナが例え女神でなかったとしても、惚れた女の子なのだ。普通に好意を持ったのだから触れ合っていたいと思うのは当然だと思っていた。そういった意味でアドルは本当に普通の若者なのだ。ただ、冒険をアドルから奪えばアドルの魅力が大きく損なわれてしまうのではないか? とジェバは考えてもいた。

 未知なるモノを追いかける姿。好奇心に溢れ、常に目を輝かせている姿は同年代の娘達に眩しく映っていたのは事実であり、土地に根付く事無く、新しいものを伝え、新しい感覚を持っているからこそであった。アドル土地に根付く事になれば、アドルのそれらの魅力が失われるのだ。

 だが、冒険へ傾けられていた情熱は、今はフィーナにのみ捧げられており、特殊な二人の状況でフィーナがアドルに依存しきる程頼れるものとなっていた。アドルの頼れる男という雰囲気と逞しさを見ていると、きっとアドルの父親も、腰を落ち着けて家庭をもった時、頼り甲斐のある男だったのではないか。とジェバが不思議だが、そう想像できた。

 

「ダレスはきっと、僕とフィーナが放蕩生活を送ってくれる方が楽なんだろうけどね」

 

 フィーナに必要な物。黒真珠はクレリア、それに代わる物を作らせれば、魔がアドルとフィーナと敵対することなく、そうなれば適当にアドルとの色恋に、情欲に溺れていてくれたほうが扱いやすい。昔フィーナを捕らえる等した事もある様だが、女神を単に従わせるのは中々難しいのは、その経験から学んでいたのだ。

 それこそ欲望や快楽に狂わせるか、人質を取るか、積極的に協力させる形を作る必要がある。現状は後者、その中でもアドルとフィーナの二人が自分達だけを考えている今の方が更に扱いは断然楽なのだ。その点アドルの読みは正しかった。

 アドル自身冷静さを取り戻してから何度も考えている。おそらくダレスはフィーナが快楽に堕ちる事も視野に入れ、どうなっても自分の有利に事を運べる準備を整えてあの陵辱を行っていたのは間違いないだろうと。フィーナ本人も陵辱されている中、心が折れかけ快楽に身を任せようとしていたと、そう口にしていた。恐怖と絶望の中にあったと、最後に否定したが、次は完全に快楽降る可能性が高かった。そう毛布の中でアドルに恐怖に青ざめて呟いた事もある。

 あの時フィーナが快楽に狂う事で黒真珠の生成に問題があるならば、レアを使う事を考えていたのだろうか? ダレスとフィーナの言葉から黒真珠が生成が出来なくても、最悪フィーナが快楽に狂う事で黒真珠の封印が行えなくなれば、破壊の出来ぬ黒真珠の脅威は続く。一時的な敗北があってもまた蘇る魔と、アドルが死した後の世界なら魔が勝利する可能性がある。これだけでもダレスにとって十分な勝利である。

 アドルの推測は大よそでは正解を導きだしていたが、全てではない。ダレスが考えていたのは更にいくつかの状況に応じてのパターンがあった。フィーナが快楽に堕ちる事があればレアではなくフィーナに新たな魔王を生み出す役割が与えられるはずであったのは事実であった。

 そしてレアには入れ替わりに黒真珠の生成の役割が与えられる。もしそれらが適わぬなら、姉妹二人新たな魔王を生み出す役割が与えられるか、見せしめに陵辱され続ける映像を人間に見せた上で、あわよくばダレスに女神と女神の剣士の撃退の褒美としてフィーナを貰い受け、アドルの生死は別に、目の前で陵辱しフィーナを孕ませる事で自らの欲望を満たし、子を産ませて新たな戦力を増やしていただろう。もしアドルが生きているのであれば、魔をアドルに埋め込んだ上で目の前で愛する女を犯し孕ませる事で赤い髪の剣士を狂わせ、多くの魔王やファクトを屠った実力者を新たな魔人に生まれ変わらせる事も考えていた。

 ダレスはアドル本人以上にアドルを正確に強い人間と評価を改めていたのだ。そしてダレスがフィーナに陵辱前に言った、戦況を有利に。勝利した後の繁栄。これは冗談でも誇張でもなく事実であり、女神と女神の剣士の堕落を常に考えていた。

 そしてそれらの考えがアドルやフィーナ、レアにとって馴染みのないものだけに予測する事は不可能だっただけなのだ。逆にこれを推測していたら、アドルもフィーナもレアも日のあたる世界を歩いて来たとは言えないだろう。それほど、陰湿で、邪悪な分野であった。

 

「まぁ……私としては若い男女が目の前で盛っているとか考えるだけでも困るからねぇ……」

 

「盛るって、そこまで僕はそんな目をしていたのか」

 

 からかうジェバだが、そこまで言うからには何だかんだ暇を見てはフィーナを視線で追いかけているのかもしれない。少し自重しなければ。そう思うのだが、惚れた娘が目の前にいて、精神的な脆さを抱えているのだ。止める事の方が難しい。

 

「私が見ている前でしなければ、いくらでもしてくれていいさ」

 

 危ういフィーナと一緒にいる事で、あの娘の精神が少しでも安定するのであればそれは問題ないのだ。そう笑ってカップをテーブルに戻すと、ジェバの表情が真面目なものへと変わる。

 

「明日、一度村に戻る為に出発しようと思ってね。ゴーバンとルタも心配だしね。

 それまでにお前さん達と行動を共にしない者をどうするか、アドル、お前さんが決めてくれるかい?

 決めておけば、帰り道やゼピック村、ミネアの街に伝えて今後の方針を決める指針にもなろうさ。それに一度村に顔をだしてくれるとありがたいのだけどね」

 

 ゴーバン達の怪我や村の状況が気になる事。それはアドルもジェバが心配しているのはわかっていた。他にもデミらフィーナと仲の良かった娘達も心配している。ジェバの想いも考えもわかるアドルとしては止める事は出来ない。だが、やはりジェバが去るというのは精神的な喪失感は大きい。アドルですらそうなのだ。フィーナにはもっと大きなものになるだろう。

 何よりも問題なのは、神殿地下でのフィーナが陵辱された事が下に伝わる。避ける事は出来ない問題だが、間違いなくフィーナの心を傷をえぐるもの。仲の良いデミ達に知られる事。見知った村人の男達に知られる。負担は大きいが、アドルに出来る事は傍に居る事しか出来ないのも辛いものがあった。

 

「どうするか、か。前々から度二人で考えてたし、その話はしたけど、本当にそれでいいかフィーナともう一度話をしてみるよ」

 

「いいや、アドル。これはお前さんが決める事だよ」

 

 一瞬の迷いからアドルが言葉を選んだ答えだが、ジェバはあっさりとそれを否定する。

 

「あの娘は、アドルが決めた事なら何でも今は従うさ。

 例えそれが辛い事でも、苦しい事でも、アドルの為と思って嫌われるのを恐れてね。

 今あの娘の意思は出てこない。だから今はお前さんが選びな。あの娘を守る選択はアドルの肩にかかっているんだ。

 大体、前に話し合った時もアドルがリードしてたんじゃないかい?」

 

 ジェバがフィーナがアドルに告げた『アドルさんが望むならどんな事も大丈夫です』という言葉を知るわけではない。ただ今のフィーナの状況から、状態を正確に把握していた。だからこそアドルを叱咤し、フィーナの状態が落ち着くまでアドルが牽引していかないと行けない。そう把握させる為にアドルの頭を少し乱暴に、まるで昔ゴーバンにした様に頭をガシガシと撫でる。

 そんなジェバに勇気付けられて以前から考えていた内容を改めて確認する様に口に出しながら纏めて行く。

 

「そうだね……フィーナが思う助けたくない。という考えは理解出来る。

 でもだからといって、僕がどうこうするとかもしたくない」

 

 もし、殺すなどの言葉がアドルからでたらどうしようかと思っていたが、迷いながらもそういった考えに行き着いていない事にジェバが内心安堵する。

 

「ダレスはこのイース、エステリアを僕たちに任せると言っている。

 助けたい人の世話は自分達でしろって事なんだと思う。生きていくにも二人だけじゃどうにもならないだろうから。

 安全と引き換えに食料や生活に必要な物を納めさせろといってたよ」

 

 このダレスという魔王が随分と人間らしい事をアドルに言ったものだと正直ジェバが思う。元が人と知らないジェバにとってダレスは異質な魔物の認識しかないが、普通よりも頭が切れるのは間違いないのだろうと改めて思う瞬間でもある。

 

「僕は、その方法に乗ろうと思う」

 

「……現代にイース王国をエステリアで復活させて支配者になる。という事かい?」

 

 意外そうな表情のジェバ。人間をやめるといっていた言葉と合わせると、その様にも考えられるのだ。ただアドルに野心がある様には見えない。だが、確かに二人だけでは日々の生活も大変になるだろう。アドルが病をえたら? フィーナとの間に子供が出来たら? 考えれば、考えるほどに、時が経過すればする程問題は多く、更に増えていく可能性があるのだ。だが答えは思っていた以上に簡単なものだった。

 

「精々、生活に必要なものを納めてもらうだけで、今まで通り村長や町長に任せる事になると思う。

 安全と生活の安定のトレードだよ」

 

 支配者や領主なんて柄でもないし、治める事での責任は取れない。アドルも自分の能力は把握していた。フィーナならもしかしたら? と思うが、今の状況じゃそれもとても不可能だ。ならば互いに出せる物を出して生活するのがベターだろう。そうアドルが考えていた。結果的に領主に近い事になるだけで食料と安全を取引にすると思えば、難しい交渉もいらないとも考えられる。

 外界との色々な交流が失われる事で生活水準が下がる、技術の停滞が生まれるのは間違いない。大きな公共事業もできなくなるだろう。だが、今後アドルによって減衰した戦力が復活すれば、魔が大陸に打って出るのは間違いない。そんな魔の存在を考えれば、予めここで女神の庇護の元で生活するのもそれ程悪い取引ではないだろう。もし大陸の諸外国が魔を討伐出来るのであれば? とも考えたが嵐の結界を越えられない現状では、魔を倒す等夢物語でもあるのだ。

 

「ただ、それが嫌ならエステリアから離れてもらうしかないと思う。

 住み慣れた土地を離れるのと死ぬ事を比べたら、どっちがマシかという問題は究極の選択だけど、ね。

 問題は多くの人が動いた事による問題と、フィーナの事が外に広がるって事だけど、こればかりはどうしようもないと思ってる」

 

 あっさりとした表情のアドルだが決してこの選択が最善とは思っていない。それでも、不満がある人間を抱えているだけの余裕は今後ないだろうとも解っている。それはジェバも解るだけに酷いとは、アドルとフィーナの二人と関係があるだけに言う事は出来なかった。ただ自分が発破をかけた傍からアドルが決断をする姿に前々から考えて結論は出していたのだろうとも見て取れる。アドルなりに暗中模索の中で、表情にこそ出さずに必死に考えていたのだろう。

 若く、冒険にだけ夢中だった青年が抱えるには大きすぎる問題。何とか自分も支えてやらねばと思うが、ジェバも答えを見つけるのは難しいだけに出来る事を一つ一つしていくしかなかった。

 

「何だかんだ、ちゃんと決断を下せてた様で安心したよ。

 でも、そこまで考えているのなら私も話をし易い。道中伝えていくよ。それからどうするか決めるのも簡単だろうさ」

 

「なんだか、フィーナを預けて以来ジェバには迷惑かけっぱなしだな」

 

 しみじみとアドルが呟くと、何を今更とジェバが笑う。

 

「そんな心配や迷惑をかけていると思うのなら、フィーナをちゃんと守っておやり。私にはそれが一番だ。

 所で……」

 

 言葉を区切るとジェバがアドルをまじまじと見つめる。本題に切り込む為に姿勢を少し正す姿を見るとアドルも少し身構える。真面目な話と感じたのだ。

 先ほどのアドルの決断も良い。だが、アドルとフィーナの二人の話だけでなく、生活を見ても実感していたが、アドルがフィーナに対して大切な儀式をいまだ行っていないのではないか? そんな疑念がジェバに生まれていたのだ

。

 

「一つ気になっていたんだけどアドル。お前さんはフィーナに愛してるの一言でも気持ちを言葉として伝えたかい?

 大体、一緒の時間を生きる一つとっても、お前さんの決断は普通に考えれば求婚だという事理解しているのか、不安に思えてね?」

 

「……あっ」

 

 思わず声を漏らしたアドル。冷静に思い返してみればフィーナに「虜になってる」と口にしたりとはしている。だが明確な好意や愛情表現は言葉ではしていない。それをジェバの言葉を聴いて思い至ったのだ

 

「まったく、女の扱いに慣れている割にそういう所は本当だめだねぇ」

 

「いや、それは普通だろうと思うけど? 大体、女の子と接する時にどうしたら良いかとか、教わった事の実践しかしてないんだよ。

 そもそも恋愛とか、気になる子何ていなかったから、そういった関係の子はいなかったし」

 

 言動や、実際のアドルの行動を見ているとちゃんと女遊びはしているのは間違いないのはジェバはわかっている。単に紳士的なだけではない。日頃冒険心で一杯の為に見向きもしていないが、交流がある娘達への対応を見れば女の喜ばし方を知っている。恋愛経験はないと言う事だが、誰かしらアドルに女の扱い方を教えた者がいるのは簡単に予想が付く。

 それも、心を恋愛よりも冒険に支配されているアドルが慣れているのは場数で培ったものではない。となれば天性のものも無論あるだろうが、間違いなく女が教えたのだろうというのもだ。

 

(まぁ、女を知っている事を考えると商売女が仕込んだのかねぇ)

 

 言葉にこそ出さないが、ジェバにはそう感じられた。男女の色恋に無頓着なのにエスコートしたり、リード出来る点はそれ位しか思い当たらない。元々旅にはかなりの資金が必要になる。色々な町で資金集めで仕事をしていたとも聞いていた。その中でアドルのこの容姿もある。関係を持った相手がアドルを気に入り、若いアドルを色々と自分好みの男に育てようとした可能性は十分にある。

 だが、今の様にエステリアにアドルがいるこの状況、これはきっとアドルを男として育てようとした者が自分の元において置く事ができなかっただろう。アドルの冒険心は常に一つの場所に留まる事を知らない。それにアドルからそれを奪えばただの優男と変わらないという問題もあったのだろう。

 おかげで半端に恋愛を知らないまま、女慣れしてしまった。本来なら若い男女の恋愛。普通に二人の間に問題がないのであれば暖かく見守るのが一番なのだが、フィーナとアドルの置かれた状況と、フィーナの精神的な問題からそうも言ってはいられない。

 

「フィーナに限らず態度で示す事。同時に言葉でも示す。それを何度も示してあげないと女なんて不安になるものさ。

 大体、フィーナはゼピック村で同世代の少女と触れ合って、人の営みを理解しているはずだよ。女の幸せや結婚観だってそうさ。アドルが人間なのにそういった事に踏み込んで来ない所を不安に思っているはずだよ」

 

 それにあの一件がある。不安を元々抱き易い立場にあったフィーナの体験した事を考えれば尚更なのだ。まして、アドルが決めた事はアドルが娶る事なのだ。大切な瞬間。大切な言葉をちゃんとアドルから伝えさせなければならない。女心を理解してない部分もフィーナを落ち着かせるのが上手くいっていない部分ではあるだろう。他にも問題はあるがこの問題は早期に是正させる必要をジェバは感じる。

 

「といっても、もう一緒にいると決めてずっといるのに今更また口にするのもどうなんだろう?」

 

「わかってないねぇ……」

 

 頭を振るとジェバがアドルの眼をしっかり見据えながらこんこんと説明をしていくと、アドルには逃れる事は出来ない。ゴーバンをお説教する中で培った部分であるが、ゴーバン同様にアドルも逃れる事適わず、ジェバのお説教を受ける事になった。

 

「結婚は男も女もただ一緒に生活するだけじゃない。お前さんの両親だってそうさ。覚悟も色々あったんじゃないかい?

 そういった問題を想いを伝えるという儀式で何度も超えてきたはずさ」

 

「それは……確かにそうだけど」

 

「結婚が最終的な儀式さ。だけどその結婚の前に想いを確認するのも大切な儀式だし、そこから結婚に向けたプロポーズも大切な儀式。

 二人の場合は色々問題もあって最初の儀式は飛ばしている状態なんだ。まずはそれを一つずつ確認して超えていくのも大切なのさ。

 特に女はそれを大切にする。フィーナだってデミ達と変わらないよ。私だって女なんだ。それ位は過去の経験からフィーナを見ればわかるってものさ」

 

 ジェバが笑っているが眼は笑っていない。ちゃんと結婚の事を言葉にしろ。という圧力にアドルが苦笑しながらも頷く。確かに一緒に生きる事は結婚と同じなのだから、求婚という儀式をしてないのならするべきだ。本来なら村の娘達の様にささやかでも式考えねばならないが、今はとてもではないがそんな心理的な余裕がない。なら、今出来る事はちゃんとしていかねばならないだろう。

 

「あの娘は私の娘なんだ。いいかい? もし不幸せにしたら許さないよ?」

 

 と、念を押す様に口にするとアドルとしては頷くしか出来ない。

 

「フィーナにはこの事は直ぐに伝えるんだよ。フィーナは今ちょっとした事でも不安になってしまう。伝えるのは早いほうが良い。

 どうせ、お前さん達の事だ、二人きりになりたいだろうしね。

 私が入浴して、その後は一人で先に寝室で寝るから時間を使いな。入浴を済ませたらベルを一度鳴らすからそれでわかるだろう?」

 

 どうせ会話だけではすまない。そう予想してジェバが笑う中で、何とか我慢しないとな。そう心に決めるアドルではあるが、果たして時間があるのをわかって会話が終わった後、そのまま何もせずにいられるだろうか? ジェバの予想した通りの結果になりそうで、結局反論は控える事にした。

 

「そうだ、戻るのならまだゴーバンが間に合う可能性もある。空中庭園の花壇にある花を使えば薬を用意出来るかもしれない。

 今から花を摘んで来るから、その花とロダの実をランスの村にいるラルっていう医者が居るんだけど渡して薬を作ってもらうといいよ」

 

「ラル先生なら知っているよ。それにしてもそんな良い薬草があるのかい?」

 

 まさかジェバがラルを知っているとは思わず驚いたが、それならば話が早いと頷く。

 

「セルセタの花の薬効は凄いからね。ただ今では殆ど咲いてる場所がない。ランスの村の近くの廃坑と、庭園位だよ。

 とりあえず行って来るからフィーナと待っていてくれ」

 

 立ち上がるとフィーナに声をかけて庭園に行く事を告げる。ジェバが残ると聞いて安堵はしているが、やはりアドルがいなくなる事に不安を覚えるのだろう。ジェバが近くに来る事で強張った表情から力が抜けていく事を見て改めてまだまだフィーナには時間が必要なのだと思い知らされる。

 

「……村に帰るの?」

 

 アドルがセルセタの花を摘みに行くという事。それの意味を考えればジェバが村に戻るという事は想像が付く。けが人を治す目的。自分のせいで怪我をさせたゴーバンやルタのため。そうわかっていてもフィーナにはジェバが離れる事は不安でしかない。せっかく受け入れてくれた母親の様な存在の人間がまた離れる。そう思うだけで不安に彩られるフィーナの表情を見てをあやす様にジェバが優しく抱き寄せる。

 

「ちょっと村に帰るだけなんだ。そんな表情をしないでおくれ。

 家の馬鹿息子がちょっと心配だしね?」

 

 背中をさするとフィーナの体の緊張が抜けていくのがわかるが、精神的な脆さをアドルが常に不安視するのはこういう所からも見て取れる。何をするにも、まずはフィーナの心の傷を癒す時間は必要だろう。何かするにもこのままではフィーナが潰れる。壊れる。そんな未来がジェバには予想できてしまう。

 

「大丈夫。私がいない間はずっとアドルがいるんだ。

 落ち着いたらまた戻ってくるし、フィーナが私の家に来ても良いんだから、ちょっとの辛抱だよ?」

 

「でも……」

 

「何を心配してるんだい? アドルは前からずっとフィーナ、お前に夢中なんだ。自分に自信をもっと持っていいんだよ」

 

 不安を隠せないフィーナにジェバが笑顔を向ける。そう、アドルが自分の心に気が付く前からフィーナに惹かれていたのはジェバが手に取る様にわかった。年を重ねても女であり、若い頃もあった。過去色んな娘達や男達をみた事からもアドルの考えなど簡単に理解できた。それは今も変わっていない。例えどんなにフィーナが穢されていても変わらずにフィーナの傍にあるのだからよりわかりやすいものだ。

 

「色々されて……アドルさん以外の人間に気をやって……誰にでもそうなる女の子なんて、いつか飽きられるんじゃないかって。

 ただの同情じゃないかって」

 

 アドルが傍にいても、好意を向けられていても、それが同情じゃないか、そう疑ってしまう状態。体と心の乖離を体験して自分自身を信じていない。そして女神だった故の潔癖さ。これらが存在する為に相当に根が深いが、だからこそ、根気強く何度もフィーナに教え、安心させていかねばならない大事な所だった。

 

「大丈夫。さっきまでだってずっとアドルはフィーナ、お前の後姿をうっとりと見つめていたんだよ。

 あれは、私がいなければフィーナに手をだすスケベ男と同じ眼だったよ」

 

「そ、そんな」

 

 アドルはそんな事ない、と言いたいが自分が水を向ければちゃんと女としてフィーナをアドルが抱く。ちゃんと相手として見ている。普通の男として自分を見てくれるというのがわかり、ジャバからみてもそうなのだとわかると安心感がある。でも不安は常に心の中にあるのだ。

 

「私がいない間にアドルの事だ。我慢しながらでも私の可愛いフィーナに色々してたんだろう?」

 

「あ……えっと、その……」

 

 まさか夜な夜な自分からアドルが自分から離れない様に積極的に誘っていたとは恥ずかしくて言えない。そのフィーナの様子からジェバがやっぱりという表情になる。フィーナとしては必死に否定しないと。とそう思うのだが、顔が真っ赤になって二の句が告げられずにいる。だが、ジェバを勘違いさせる程にアドルが、そういった眼で自分を追っていたというのは素直に嬉しい。普段はそんな素振りを見せないのは、それを必死に隠しているだけなのだろう。

 

「アドルは紳士然としてもあれでも男なんだ。フィーナが目の前にいたら触れたいだろうから仕方ないだろうけどね。

 ただそうやってフィーナを女としてみてるんだから、安心おし。

 将来的には体の繋がりより、心の繋がりが強くなっていく事で生活に変化が生まれるだろうけど心配するものじゃないさ」

 

 ただ、少しずつ進んでいくにも大きな壁がある。それをまずはフィーナに教えないと行けない。ジェバが呼吸を整えるとフィーナの瞳を見つめる。

 

「でも、まだしばらくは辛い日々が続く。フィーナ、お前に何があったのか多くの人間に知られてしまうだろうね。

 だけどアドルはちゃんと考えて決断しているし、フィーナを大切に思っているから一緒にいる。私もね。

 だから今はアドルを信じて一緒にいるんだよ?」

 

「うん」

 

 搾り出す様に答えるフィーナにジェバが微笑して、隣室に誘うと長椅子に腰を降ろす。アドルの決断を伝える為の下地は作った。後はアドルが上手くやるのを信じるだけ。残念だが自分に出来る事はこれ位しかない。だが、神官の末裔以上に、母親に近い感覚からフィーナの為ならその僅かな事を骨惜しみせずやっていくしかない。アドルが戻って決断を伝えるまでジェバはフィーナの精神を支える事に全力を費やしていた。

 

 

 

2

 

 

 

「私は先に風呂を頂いて寝室にはいるよ。

 基本的に浴場、寝室、厨房、トイレ、それに通じる廊下しか出歩かない。

 風呂から出た時と、寝室に入る時はベルを鳴らすから、それを合図にしな」

 

「合図って、そんなに僕は血走った目でフィーナを見てるのか?」

 

「若い男女が二人、深刻な話をして、大事な儀式をすませれば人肌寂しくなるもんさ。

 お前さんにも私にも気まずい思いをしないようにちゃんとわかるようにしてやるって事だよ」

 

 夕食を食べた後、アドルとジェバの会話である。本来なら重要な会話の後、その様な事は起きないだろう。だが冗談としてアドルの緊張を解く効果を狙い、口では実際フィーナの精神状況においてはアドルと一緒にいて、行為に及ぶ事で精神の均衡を保てるのなら、それは十分に行うべき行為だと、そう告げる。

 何よりちゃんとアドルからその儀式を済ませる事が出来れば、気持ちが高ぶってそうなる可能性も考えられる。

 伊達にアドル以上に長く生きているわけではない。その言葉はフィーナだけではなく、アドルがわからない所でしっかりと行動や精神的な余裕を与える効果で、大きな支えとなっていた。

 

 そしてそれが、今アドルとフィーナが向かい合いながら話をする状況へとなっている。

 

「ジェバが村に一度戻るから、その時頼んだ事があるんだ……」

 

 アドルにしっかりおやり、そう告げて浴場にルーをともなって歩いていくジェバを見送って、残されたアドルがフィーナに向き直る。

 フィーナもジェバの言動から、何かあるのではないか? そう予感していたのだろう。勤めて冷静な表情でアドルを見る。そして機先を制して言葉を紡ぐ。

 

「アドルさんが望むなら、私はどんな事も大丈夫です」

 

 笑顔でそう口にするフィーナを見ると、まるでジェバだけでなくフィーナにも勇気付けられているなと、フィーナの言葉にアドルが感じる。女というものは時に強い。一度穢されたという認識がフィーナにある。これも大きな影響を与えているのだろう。こうやって後押しをしてくれるとアドルとしては精神的な負担が大きく軽減され、フィーナの手を繋ぐとしっかりとフィーナの瞳を見つめる。

 

「僕はダレスの言う通り、エステリアの領主みたいな立場になるしかないと思う。

 僕は安全を、エステリアに残る人は僕達に生活に必要な分だけの物資を提供する。ただそれが嫌ならエステリアから出て行ってもらう」

 

 アドルがはっきりとした考えを示した。これは以前から話し合っていたがアドルには迷いがあった。それを決断したのだ。そしてアドルが決めた以上、フィーナはそれを拒む事はなく静かに頷くだけ。ただその先にあるのが何か。それは把握している。

 エステリアを奪取したアドルがイースの復興を目指していると思われるだろう。女神を虜にして王になろうとしていると思われるかもしれない。そして女神が存在した事が周辺国に知られるだろう。魔の脅威と、それに敗れ、無残に陵辱された女神。愛する男に受け入れられて戦いを捨て、一人だけに寵愛を注ぐ女。

 決して楽しい未来ではない。それでもアドルを選んで、アドルに任せた以上、フィーナは異を唱える事はなかった。

 

「嫌な思いをさせる事になると思う」

 

「あの時いっぱい話し合ったし、アドルさんが決めたのなら私なら大丈夫です」

 

 そうフィーナが微笑む。まだまだ自分の意思を表さない。あの時の影響からアドルと喧嘩したり嫌われたら? という想像が萎縮させている現状はそう簡単には改善されない。ジェバの言う通りだ。暫くは自分がフィーナをリードしないといけない。そう改めて思う。

 

「それに合わせて、というのもおかしいけど」

 

 言葉を切って、呼吸を整える。緊張した表情のアドルに小首を傾げるフィーナ。その姿が何とも可愛らしく、眼を奪われるが直ぐに軽く自らの頬を叩いて気合を入れる。

 

「くすっ。どうしたんですか?」

 

 そんなアドルに笑みが漏れるフィーナにアドルも釣られて笑顔になるが、真面目な表情を勤めて作る。

 

「僕はフィーナと同じ時を生きたい。

 ただ生きるだけじゃなくて、死が二人を別つまででもない。

 一緒に生きて、一緒に生活して、一緒に子供を育てて、一緒に死にたい」

 

 アドルの言葉を聴いて、数回の呼吸を置いてから意味を理解したフィーナが、自分の瞳が嬉しさで潤んで行くのがわかる。ずっと言って欲しかった言葉。ダレスの言った言葉はただ一緒に生きる。それだけ。だがアドルの言葉はそれ以上の言葉。デミ達が描いていた幸せな結婚生活。伴侶からの求愛、求婚。それが今アドルが自分にしている。

 女神故に自分に縁がないと思っていた事。アドルから言葉として好きや愛という単語がなかった。そこから無意識の恐怖もあった。行為だけ、肉体だけの関係ではなくこうしてちゃんと想いを告げられる。互いの想いを確認できる喜び。そして緊張や照れといった色々な感情で顔中が上気するアドルの頬にフィーナが手を触れる。きっと、自分が望む言葉をこの口から紡いでくれる。そう思うと愛おしさがフィーナの中に沸き起こる。プロポーズされてキスをするという話は、ただ嬉しさだけではない。こういった愛おしさもあるのかも知れないとフィーナに思える。

 

「だから、その……なんというか。

 好きだ! 結婚して欲しい」

 

 気の利いた言葉や気障な台詞を考えていても、いざこの状況を前にしてアドルの頭の中にあったものは全て吹き飛んだ。恥ずかしさをごまかすのは無理なのだから、想いの全てをただ簡単な言葉にして伝える方が確実だ。だからこそ、このアドルの中から言葉にするとこの言葉になる。

 

「カッコいい事を本当は言いたかったんだけど全部頭から抜け落ちた。

 ありふれた言葉でごめん。こんな簡単な言葉でしか伝える事しか出来ないんだけど、愛しているから」

 

 その言葉にフィーナがアドルに抱きつく。どんなに行為で伝えても、言葉で伝えても結局簡単に真摯に伝えるのは気持ちの篭った簡単な言葉。ただただ嬉しい。あの一件以来流してきた涙の中で一番不幸な涙があった。それと間逆の嬉しい涙が今流れている。激変する環境に戸惑い、だからこそ確認の為にフィーナが口を開く。

 

「ありふれた言葉でも、他の人達とと大差のない言葉でも、一般的な人達と変わらないものだとしても、凄く嬉しい」

 

 涙を流しながらそう微笑む。

 

「でも、私で本当に良いんですか?」

 

 短い言葉の中に色々な意味が込められた確認。陵辱を受け穢された体。女神故に多くの人間からどの様に見られるか、色々ある問題。だが一緒に同じ時間を生きるという言葉の意味の確認に。

 

「勿論。一杯考えないといけない事が山積みだけど、まずは一つずつ解決していないといけない。その為にはフィーナが必要なんだ」

 

 酷くあっさりとした簡潔なアドルの言葉。簡潔だがしっかりとした視線にフィーナが本気だと改めて理解する。

 

「私はきっと、魔に堕落した女神と言われるかもしれません」

 

「なら、僕はフィーナを堕落させた上に、魔に自分の意思で堕落した剣士だね」

 

 フィーナの予想した未来を理解してアドルが安心させる様に笑顔を見せる。どんな時も一緒だという意志表示にフィーナが微笑を浮かべる。

 

「前にも言いましたけど……浮気は絶対だめですからね?」

 

「はい」

 

 フィーナの言葉にアドルが真面目な表情で直ぐに頷く。

 

「これから毎日、私にご飯作らせてくださいね?」

 

「フィーナが出来ない時は僕が作るよ?」

 

 アドルの答えに嬉しそうにフィーナが涙を拭いながら頷く。

 

「もっと色々あるはずなのに、直ぐに出てこないです」

 

「思い浮かんだらその都度話して決めよう」

 

 これから時間はいっぱいあるから。というアドルの言葉にフィーナが頷く。まだまだやるべき事。気にしている事は多い。それはアドルが言った様に少しずつ解決していくしかない。今それを気にして立ち止まるより、アドルが必要として動こうとしているのなら、その邪魔はしたくなかった。

 何より一緒にいる事。それがある意味結婚の様に思えていたが、それを怖くて確認ができなかった。それを人間のアドルが自分の意思で求婚をしてくれた。これがフィーナに大きな幸福感を与えていた。

 

「もっと……もっと早くこの言葉を聴きたかったです。

 ただ一つ気になっている事があるんです」

 

 言いよどむフィーナにアドルが首を傾げる。腕の中には甘えた様子のフィーナがアドルに潤んだ瞳で見上げる。最近アドルの反応から理解していてのこの所作をするのだ。フィーナにとってアドルが照れたり、興奮している。それがわかるのがただただ嬉しい。

 

「アドルさんの事ですから、ジェバにちゃんといわないと駄目だっていわれたんじゃないですか?」

 

 あっさりとフィーナに見抜かれている事にアドルが苦笑する。

 

「うん。元々僕が一緒に生きる。手に入れるという事で結婚的に考えていてそんな気が回っていなかった。

 凄い駄目出しされたよ」

 

 アドルらしい回答にフィーナも苦笑いを見せる。

 

「あとアドルさんが……私の事をジェバの前なのに飢えた男の眼で見てたって聞きました」

 

「ああ……」

 

 まさかジェバが自分のそんな姿をフィーナにも言っているとは思わなくて困った様に頬をかく。必死に隠していた部分。あまり獣欲を丸出しで迫ったりすれば、あの時の事を思い出してフィーナを怖がらせる。そう思っていたが故に抑えていた。

 それだけではなく、少しでも余裕のある男であろうと必死に取り繕っていたアドルの仮面。好きな女の子を前に痩せ我慢をしている姿をばらされた事で羞恥心で頬が赤くなるのを感じる。

 

「我慢しなくても良かったんですよ? 今だって……」

 

 そう妖艶に微笑むフィーナ。自分から大丈夫なラインを教える為に迫っていたし、アドルが受け入れてくれている。そこから接するラインがわかっていないだけだと思っていたが、アドルもそんな雄の部分を堪えているとは思わなかった。

 そして、今のこの状況である。まさかジェバがいる傍でそんな事に及ぶわけにもいかない。だが事前にジェバからああ言われて、フィーナにこんな表情でこう言われるとアドルの我慢の限界点まで欲望の水位が上昇していく。そうなるのはある意味当然だった。

 

「格好悪い部分はフィーナに知られたくなかったんだけどなぁ」

 

「格好悪いなんてないのに……。

 凛々しい姿も、冒険に心を躍らせている顔も、一緒に湖で遊んだ時の表情も素敵だし、その……エッチの時の意地悪な笑顔やイクの我慢して真っ赤にしてる顔も、子供っぽいけど……か、かわいいですし」

 

 フィーナに照れながら可愛いと言われて、遂にアドルの欲望が限界を超える。苦笑いを見せながらフィーナを抱え上げると、所謂お姫様抱っこに驚くフィーナをそのまま少し離れた普段使われていない部屋へと連れて行く。談話室兼ねた護衛の騎士達が過去に詰めた一室。華美でも質素でもない質のよい家具や調度品で纏められた部屋は、旅暮らしのアドルに不思議な安心感とおちつきを与える場所でもある。

 

「えっ、ア、アドルさん?」

 

 戸惑うフィーナ。普段は浴場でしか交わる事がないが、この場にフィーナをアドルが運んだ事。アドルの雰囲気から何が起きるか、何となく理解したのだ。

 

「ジェ、ジェバがいるのに……」

 

 口ではそう言葉にしたが、アドルを拒否するだけの力はない。嬉しさもあったが、やはり今も拒否する事でアドルに嫌われる事を無意識に考えて否定出来ないのだ。

 

「大丈夫」

 

 ジェバとのやり取りで時間的な余裕も大丈夫な場所も把握している。本来はフィーナの方でもし何かあったらと考えていたはずなのに、何故か自分の理由でこうなる事になったが、丁度よいタイミングでもあった。

作中(本編・番外編含)のフィーナのスケベシーンに関して

  • 和姦比率多いの方が良い
  • 凌辱の比率多い方が良い
  • もっと甘い内容の方が良い
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