2~5→1→6の流れです
アドルとフィーナが一応いたしておりますが、ほぼエロ無し回・説明回になってます
鏡に映る光景にダレスが満足そうに笑う。愛とは真に愚かしいものだ、と。感情に任せて合理性を失う。それだけに絶望や薬の影響を受けやすい。そして、今それが目の前で行われている。先ほどまでレアに行っていた激しい陵辱行為とは間逆の行為。双子の女神なのに、まるで違う境遇は双子の姉妹で表裏をなすものといえた。
女神を堕落させるのは思ったよりも骨が折れる。快楽に落とすのは容易い。だが一人には女神としての理性を残して貰わねばならない。新しい黒真珠やそれに類するもの。これらを生み出す創造の女神の存在としてあって貰わなければならず、そうでもなければ、わざわざこの様な面倒な事を計画も実行もしない。創造をするのに色に狂い、快楽溺れた女神では意味がないのだ。一人だけ。そうレアだけなら新たな魔王を生む母として必要もあるのだから、存分に快楽に狂わせれば良い。だがフィーナには本来の創造の力を維持せねばならない。その為には愛する男がいる事。そして同じ時を生きているという状況は一番役に立つ事だった。
アドルとフィーナの淫らな交わりは再開されていた。薬の効果で心こそ堕ちなかったが、フィーナの体は既に陥落していたのだ。拘束された中で何度目かわからない程、アドルもフィーナも、飽きる事なく互いを求めて交わり、そこから生まれる快楽をむさぼっていた。
もうフィーナには黒真珠の封印という考えは欠片もなかった。愛する男の為に生きて、子供を産み、育て、愛する男の為に死ぬ。その為に世界が滅びてもアドルが無事なら、アドルといられるのなら、全てはもうどうでも良い事なのだ。
結果的に、世界を救う事がアドルの命を守る事に繋がるのならば、世界を救うかもしれない。アドルの為に命を投げ出さないとならないのなら、命を投げ出すだろう。アドル以外に体を穢されるのなら死ぬ事も厭わない。その位まで、現在を生きる人間達の価値は女神の中から引き下げられ、フィーナが命をかける事象は変化していた。
体をアドルに求められて、男性器に貫かれる感覚が堪らなく心地よくて気持ち良い。愛されている感覚。愛する男を受け入れる感覚。全てが女神としての存在を忘れさせていく。
フィーナの中では羞恥と、屈辱を与えた行為。どうして人間から女神である自分を、女神でなかったとしても抵抗する事も出来ない娘を、男達は笑いながら陵辱できたのか。全てが理解できなかった。過去の自分と、現在の自分がした事の結果が魔の復活とこの仕打ちなら、もうイースや黒真珠といった問題の全てを人間達が自力で対処すれば良いとフィーナが思うのは、行われた陵辱行為を考えれば当たり前となっていた。
それと同時に、過去レアが恋を諦めた事がフィーナの記憶の中から思い出される。魔を封印する前にあった激しい戦い。女神の加護や寵を受けて魔と戦った青年の武勲。あれは誰しもが英雄と称えるだろう。
そして、あの時の彼と、今のアドルの活躍は遜色しないものだ。アドルが勝利すれば彼と同じように偉大な人物と知られる事になる。そして誰しもが英雄と称えるだろう。
だがだからこそ、レアは黒真珠の封印する事も大きな理由だったが、あの時恋を封印する事を選んだ。もし黒真珠の封印が無かったとしたら、世界が平和になって、女神の夫になると定まった時、大きな問題に繋がる。神であるレアがただ一人を愛すればどうなるか。
いくら英雄とはいえ、成し遂げるために女神の寵愛と加護を一身に受け、そして夫となる。英雄という立場はちょっとした事で妬みと反発に変わる。過去の人間達や魔に進んで落ちた者を見れば明らかな事。元凶の封印と、絶対的な公平を守る選択だった。
女神としてレアの行動は正しいのだろう。でも、人として間違っている。だからこそ、フィーナが悩み続け、想いを殺しきれなかった事であり、アドルと結ばれた喜びを思えば、人として生きる事の方が正しいとフィーナには感じられたのだ。
アドルも、フィーナと交わる事に胸に溢れる程の愛情を感じる。フィーナが陵辱されているのは神殿内部に配置された鏡で把握していた。その時に初めて気がついた自分自身の中にある感情。ファクトとの戦いが終わった時、全ての出来事をフィーナに話したいと思った。それが何故なのか、それをこの時理解したのだ。そしてアドルの為に処女だけは守り通そうとした姿は嬉しさを感じた。
だがフィーナの前にリリアが陵辱を受けていた。まだ年若い娘が何人もの男達に、自ら男を求める状態まで激しい程の行為。普通ではありえない事から、薬物を使用したのでは? と推測出来た。続けざまに見せ付けるようにフィーナをダレスに陵辱し、男達に輪姦させた。
リリアの実例を見ていただけにアドルの心には絶望しかなかった。惚れている。そう自覚した時にフィーナが陵辱されている姿は好きな女を抱いている相手への嫉妬と憤怒に染まっていた。
リリアの様にフィーナも快楽に負けるのではないか。そんな恐怖と未来の予感がアドルに絶望を与えていた。そのお陰かダレスの仕掛けた天使の雫やモンスターの罠の効果をよりそれを高めていた。
それでも女神がアドルの名前を呼び、アドル以外はいらないと最後まで否定してくれた。男が純潔を失ったフィーナをアドルが愛するわけがないと言われても、最後まで拒否していた。フィーナの抵抗が無ければ互いの想いを伝え合う事も、フィーナを得る事も無かった。
フィーナを助けた事で後は女神を陵辱した者に惨たらしい報いをくれてやろうと思う。アドルの思考もまた、薬により冷静さを失っていた。
女神と女神の剣士、二人の情愛が世界を破滅させる。人間らしい最後だとダレスが笑う。全ての人間を滅ぼす事は出来ない。だからこそ魔が勝利したのは二人の愛が戦いを放棄したからと知らしめる必要がある。そうなったのは女神を浅はかな欲望で陵辱した人間ら自分達の同胞の為とも。
一連のフィーナが女神としてダレスに辱めを受けた。過去に助けた人間達の子孫に陵辱された。アドルに助けられてゼピック村以降女神の中に宿った想いが成就した。この結果は、あらゆる複数の可能性を踏まえた上で、ダレスが画策した通りに全ては動き、その結果女神ではなく女である事を選ぶ意思決定がフィーナ自身によってなされた。ダレスにとってフィーナを犯す機会が失われたのは勿体無い。と思う所もある。だが、自らの生命と、今後の勢力の拡大を考えれば些細な事である。
そもそも、人間達が自ら進んで女神を陵辱したのだ。どの道殺す。殺す前に快楽を味わいたいと思わないか? そう囁いただけ。そしてその囁きに人間が乗ったに過ぎない。人間の心は脆いもの。
ただアドルだけは最後まで落ちきっていない。ダレスにとってそれだけが脅威である。姉神の手前、殺す事もたやすいとは言った。だが実際アドルとフィーナが交わっている時に奇襲のタイミングを見計らっていたが、最後までなかった。射精のタイミングを狙うのも、転移におけるタイムラグ、魔力の動きで察知されるのは確実であり、レアからも吸精を行ったが、現時点で勝つのは難しい。
フィーナがいる状態で戦えば、剣を捨てさせる事も叶うかもしれない。と思ったが、人間同士の戦いではなく、人間より手ごわい多くの魔王を殺してきたアドルを前に、剣を捨てさせても勝てるとは限らない。
もうひとつ厄介なのはフィーナ自身がアドル一人の為だけの女、伴侶になると決断したが、それだけにアドルの為に出来る事があるなら、自らの死すら受け入れる覚悟をフィーナが持っていると言うことだ。女神として出来なかった自決。だがそれがアドルの為にとなれば簡単にする事は予想出来る。
「最後の一押し。決断させるだけ、か」
危険が伴うが、こればかりは正面に立つ必要がある。鏡にはアドルの動きが速まって行く姿が見える。それに合わせて女神が淫らに歌い、結合部から発せられる淫らな水音と淫靡なハーモニーを奏でる。薬の効果がなければあの場所で何度も性交はしないだろう。それだけに、薬の効果は今後も使えるかもしれない。それでも落ちきらないアドルの実例もある。今後の改良は必須ではあるが。
アドルの動きが止まる。フィーナからは甘い絶叫。結ばれてはならない立場の人間が結ばれた事でフィーナには薬以上に快楽があるはずである。アドルも惚れた女が奪われかけたのを、自分のものにしたという感覚がある。フィーナ同様に通常では考えられない快美感があるだろう。
頃合と見てダレスが姿を消す。愛欲に身を任せた元女神と剣士の元へ移動したのだ。
反応は劇的だった。狂楽に堕ちきってなどまったくない。アドルの反応はフィーナの中に自らの精を注いだ後に、彼女を慈しむ様に何度も頭を撫でていた。が、本能レベルの反応。飛び跳ねる様に盾と剣をもつとフィーナを守る様に身構える。ダレスが姿を現す数瞬前には完全に臨戦態勢を整えていた。
(やはり、奇襲はあきらめて正解か)
姿を現した時のアドルの殺意の篭った目にダレスが笑う。深々とフードを被っているためにアドルはダレスの表情は読めないが、不気味なものを感じフィーナの周囲にも気を配る。
「正直、これ以上お前らの交わりを見ていてもつまらん。と思ったが存外晴らしい見世物だったぞ。
女神と人間という、あってはならぬ結ばれてはならぬ禁忌の関係だ」
笑いながら倒れている男達を踏み越えてゆっくりとダレスが鏡の方へと歩いていく。
「禁忌?」
アドルの小さな言葉にダレスがさも驚いた様にアドルを見る。
「双子の女神、その妹神が人間全てに慈悲を与え愛情を注ぐ事はあっても一人だけ特別に愛する事は無い。
過去、魔との戦いで立場や能力に応じて力を与えても、偏愛は無かった事。それはフィーナ。貴様が一番知っている事だろう?」
少しずつ絶頂の頂から思考が戻ってきたフィーナを見て、そう問いかけると、ダレスの言葉から姉神が口にし、自らも先程まで戒めていた事だ。とフィーナが理解する。そして、それは事実だけに否定は出来なかった。
「アドル・クリスティン。貴様にとってはただ愛する女を手に入れただけだろう。だが、女神においてはそうではない。
今の世でも、貴族といった身分の高い者や金持ちの娘と農民如きが結ばれる世ではあるまい?」
ダレスの指摘にアドルが初めて理解する。フィーナがただの村娘であれば誰しもが祝福したろう。貴族や犯罪者らがフィーナの容姿から奪いにくる可能性がある。だがその位である。
だが、貴族だった場合話は変わってくる。血筋を尊ぶ社会であり、政治や権謀の世界で愛や恋は二の次になる。時には愛する者を愛妾と、政略結婚をしながら関係を持てるかもしれない。その程度であり、結ばれる事はそうそうない。
まして血統は当主の継承権を生む。例えば自分の血筋に王族の血が加わるとなれば、家の中での価値を高めるだけでなく、王室にも縁戚となり、直径が全滅すれば王権の継承する可能性が生まれる。そこから勢力バランスを変えるのだ。そして一門にも大きな影響力を与える。お家騒動の切欠にもなる重大な事だ。
貴族や王族ですらややこしく、多くの思惑が絡むのに女神であればどうなるか。ダレスの言う通り、一人だけ贔屓も偏愛してもならない。魔とアドルが戦うから、全ての民を守る為に力を授け加護を与える事はあっても、常に一人だけ特別扱いは出来ない。
「愛し合っていても結ばれてはならぬ。フィーナが私との賭けで、お前の為に処女を守りきり、捧げる事が出来たというのに、何と言う残酷な世の中か。不条理な世界をお前は生きているのだよ」
ダレスの手が鏡にかざされるとリリアの乱交している映像が切り替わる。そこに映っていたのは多くの人間達の姿。何事かと思っていると鏡から人間の声が聞こえてくる。
『女神が魔に勝てない所か、犯されて快楽に溺れるなんて……』
『人間を見捨てるとは……女神は勝手すぎる……』
『一人だけ愛する何て、女神としてあってはならない事だ』
口々に鏡に映る人間達がフィーナをそう非難する。無論人間全てがこんな風に思うわけではない。だが、多くの人間たちにとって女神が人間の為に魔と戦う事が彼らにとって当たり前なのだ。女神は全ての人間に公平でならなければならない。その言葉にフィーナが体を震わせている。
これが彼女が常に背負ってきた重みか。アドルが初めてフィーナが背負っていたモノを目の当たりにする。最初にフィーナの子宮へと自分の精を注いだ時、諦めるなんてもういやだ。というフィーナの発した言葉が、アドルがここまで重い意味があったのだとは考えてもいなかった。
『でも、わかっているでしょう? 今のフィーナは、ゼピック村で過ごしたただの村娘のフィーナではないの。イースの女神の一柱のフィーナ。それが今の貴方。
だからその想いは決して口にしては駄目よ。心に止めておきなさい。ゼピック村に残すの。村娘フィーナとともに。
そうしないと貴方の想いは女神フィーナの弱点になる。
それにね。私達女神とされる者が、たった一人を人間を愛したらどうなるか。きっと辛く、そしてアドルさんを決して幸せにする事が無いわ』
地下水路でフィーナに対して、姉神のレアがそう語る映像が流れる。レアのこの言葉にアドルが息を呑む。この人間達の反応を考えてのレアの言葉なのだろう。彼女の言葉は正しい。正しいが、だからと愛する事を諦める等アドルには出来るはずは無かった。互いに想いあっていた。なのに結ばれないというのは不条理過ぎる。愛する娘、それも神である事を除外してもアドルの中で完璧に近い存在。それを汚されかけた。その上で手に入れた者を手放す等、アドルには無理な事だ。
『あの男が女神の愛を独占してる』
『女神を狂わせた、この浮遊する大陸に住む人間の敵だ』
『魔物と戦うのを理由に女神の加護を自分のだけのものにした』
フィーナだけではなく、アドルにも向けられる悪意、妬みや憎悪。考えてもいなかった事態。特別扱いと言われれば確かにそうだろう。だが、女神の加護が無ければ、神官の力が無ければここまでたどり着けなかった。それ位は理解して然るべきなのだ。アドルが戦わなくても魔と戦い、勝てるのであれば贔屓や偏愛と言われて当然だが、アドルしかいない状態でこの発言はアドルには困惑を生む。
カシャリ
フィーナの方から音が聞こえ、視線だけ向けるとどうやらフィーナの四肢を拘束していた拘束が外されたのだろう。体が起き上がり、衣類の残りであらわになった体を隠していた。そのまま立ち上がるのを確認してアドルがフィーナの前に体を入れる。最後までフィーナを守る動き。フィーナもアドルの後ろにあって背中の衣服をきゅっと握りながらダレスを睨み付ける。先ほど犯されたのだ。この反応は当たり前である。とダレスが笑う。
「そう怒る事もなかろう。女神よ、恥ずかしい思いはしたが、貴様の勝利の上に、愛する男と添い遂げる事が出来るのだ。貴様は賭けに勝ったのだ。
純潔でなくなったのは悪いとは思うが、処女は捧げられたし、唇も捧げる事は叶った。女の大切なものを捧げるための必要経費と思えばよい」
「ふざけるなよ! フィーナにあれだけの事をして、僕が許すと思うな」
アドルの怒気がビリビリとした圧迫感を与える。あれだけフィーナと、そしてレアから吸精を行ったのにもかかわらず、感じるのはアドル・クリスティンから本能のレベルで生命の危険を感じる程の殺意。やはり、正面きって戦うのは危険な相手だとダレスが改めて感じる。
「私は戦う意思はない。だからこそフィーナの拘束を解いているのだがな。別にアドル、貴様が戦いたいのであればそれは構わぬ。だが良いのか?
私と、貴様とでここで遠慮なく戦えばダーム様により力を失っている女神なぞ、私の魔法の影響を受ければひとたまりもないのだが?」
「……」
狭い空間で戦えば、例え台の後ろに隠れてもフィーナに危険が及ぶ。その指摘にアドルが戸惑いを覚える。確かに戦う気であればあのままであればよかった。話などせずに攻撃すればアドルの行動はフィーナを守る為に制限される。有利な立場をダレスが捨てているのは事実だった。
「それに私と貴様が戦った後の事を考えたらどうだ?
もし、貴様が勝ってダーム様にも勝利したとしよう。次にあるのはお前と女神フィーナを認めぬ者達がいる。まして黒真珠を封印ともなれば愛するフィーナ。それを手放す事になるのだぞ?
もし貴様が女神を守りながら戦い、そして負ければ、私は再び女神の体を楽しむだけだ」
「アドルさんがいないのなら、ま、またあの様な辱めを受ける位なら、私は自らこの命を絶ちます!」
想像した通りのフィーナの反応。やはり女神フィーナとしてよりも、ただの村の娘フィーナとしての思考や行動は変わってくる。愛する男がいない世界で、汚され続けながら魔の封印の機会を待つ位なら、愛する男と共に死ぬ方が良い。
女神ではないただの健気な村女の願い。処女は守れたがダレスに存分に純潔を穢されたからこそ、これ以上穢されまいという悲壮な程の決意。覚悟が決まれば人間とは大きく変わるものだと、フィーナをたっぷりと陵辱をした時との違いを実感する。
「封印の為にフィーナを手放すとは、どういう意味なんだ?」
アドルの疑問にフィーナの表情が辛さでゆがみ、服を掴んでいた手の力が強くなる。
「我らがどの様に封印されていたか思い出してみろ。過去女神は女神を守る神官や騎士達とともに我らと戦い勝利した。だが黒真珠は破壊できぬ。だからそこで封印を選んだ」
ダレスの言葉にアドルがはっとして思わずフィーナを振り返る。ダレスを前にしてこんな行動がでるほどに、驚きがあったのだろう。確かに黒真珠は封印されていた。女神二人が自ら石となって封印の役目を背負って。ダルク=ファクトによって封印が解かれた時、魔は復活して女神達は肉体を取り戻したのだ。そしてフィーナの表情を見てアドルは自分の把握している内容が正しいという事を、フィーナを見て理解する事になった。
「黒真珠を封印せぬ限り、我らは復活する。それはダルク=ファクトが封印を解いたのを考えればわかるだろう?
あれは黒真珠の封印を解けばダーム様を操れるとおろかにも考えていたがな。それに、貴様の愛する女を端女として使うと称していたが、女神を犯し、子を孕ませて生ませるつもりだったのだろう。
もし我らを操れぬとあれば、我らに対抗する為の切り札として、何より美しい二人の女神だ。そこの男達同様に己が性欲を満たし、快楽を楽しみたいという考えもあったのだろう」
愚かな男だとダレスが笑う。だが、アドルはファクトを考えて複雑な顔になる。魔人と化したのは魔の復活を両親が警告した事で、欲深い人間達に殺されたという経緯は単純に割り切れるものではない。だがダームの塔での戦いでは魔人化した事で人間性がほぼ失われ、魔と化していた。ダレスの言う通りの事を女神の事を含め考えていた可能性は高いのは事実でもある。
「いずれにせよだ。アドル、貴様が勝てばそれは女神を封印に犠牲として差し出さねばならない。それを貴様は受け入れるのか?
フィーナと貴様に憎悪を見せた人間達は犠牲を求めるだろうな。自らの安寧の為に、歓喜に震えながら女神の剣士と女神の悲恋を永遠に語り継ぐだろう」
吟遊詩人の考えそうな事だろう。そんなダームの言葉は真実を突いている。きっと世界を救った。救ったと思われなかったとしても、この大きな事件を解決したと英雄と思われる。それだけでもアドル・クリスティンの影響力は大きなものになるだろう。
だからこそ、魔を倒したアドルにこれ以上の力は与えたがらない。アドルの伴侶に女神をなどともっての外だ。何よりも、美しく古代王国のイースを栄えさせた女神は手に入れたいと思う者は世界中にいる。争いは避けられず、女神が手に張らない者達は争いにならない様に封印で石になってくれたほうがありがたく思うだろう。
「そして貴様は石と化した愛する女を眺めながら、老いて死に行く。失った愛する女を前にその長き時間を一人で生きていくのは辛かろうなぁ。
もしからしたら新たな愛を見つけるかもしれぬ。死ぬまでに多くの女と出会うだろうからな。だが自ら封印の礎となって双子の女神が揃って石化しているのに、フィーナを捨て新たな女を見つけられるのか?」
ダレスの発する内容にアドルの言葉が詰まる。実際あの悪意を前にしてそんな犠牲は払いたくない。それは人間として当然の感情。だが、自分だけ幸せになれば多くの無辜の人間も死ぬ。ジェバ達だってそうだ。
でも一人の女の子を、それも自分が愛した、そして愛してくれる女の子。それを犠牲にするのは承服できなるものではない。
「そもそも、人間達の為にお前達が犠牲になる必要もあるまい。
愛する者と結ばれ、愛する者の子を残す。これが人間の営みならば、お前達はそれを否定している事になる」
アドルの心の隙をつくダレスの言葉。
「心配するな。私は戦うつもりは無いといっただろう。我ら魔と女神フィーナがもう争うべき理由はなかろう。人間を守る為に我らと対抗しないのであれば我らは女神にも、アドル貴様にも手出しはせぬ。
ただし、我ら魔の為に協力はしてもらうがな」
ダレスの言葉に真っ先にフィーナが反応する。
「……私が、あ、あの様な事をされて、あなた達に協力すると思うの?」
フィーナが陵辱の記憶が蘇った事で顔面蒼白になり、声が震えながらも敵意を込めてダレスをにらみつける。アドルに比べて何とも可愛らしいものだが、自然とそうなるとダレスが笑みを浮かべる。
「ならば、お前達をこのまま解放してやろう。我らと争わぬと言うならば、手出しもせぬ。戦う必要がないのだからな。
我らと争わぬ二人、仲良く子をなして愛を育むが良い。だが、我らと戦うにしろ、戦わぬにしろ、お前達の関係を知ったものはどうなるかな? この大陸に住む者が見た光景は直ぐに世界の人間に広まるだろう。私が何もせずとも人の口を通じてな。
我らに対抗せぬ場合、対抗できる女神とその剣士が二人。我らとの戦いもせずに平和に暮らしていればどうなるだろうな? お前達が戦いを捨てたと思えばどの様な行動に出るか、あの光景を見ればおのずとわかろう。
何せ、自分の仲間が女神を陵辱した事を問題視していない連中だからな」
先程の人間達のアドルと女神フィーナに向けられていた悪意、敵意、軽蔑や侮蔑、絶望や、裏切られたといった感情を思い出せば、二人の生活は厳しいものになる。果たしてそんな人の為に命をかけてまで戦う事が正しいのかとアドルが思う。
勝っても、フィーナが封印の為に失われるのであれば戦う意味がない。破壊する事を当時しなかったのは出来なかったとみるべきだろう。
「黒真珠は破壊出来ないのか?」
「は、はい……。出来ているのなら、あの時に破壊していました」
アドルの確認にフィーナ表情に絶望が浮かび、それがアドルに伝染する。
「破壊する手立ては……今から見つけるにも時間もない、か」
力なく頷くフィーナにアドルも押し黙る。封印を解いてからそれほど時間かからずに復活を始めた魔物を見れば、ダームを倒しても時間もかからず復活を果たすだろう。その都度戦うのは厳しいものになる。
女神が封印にその力を使ってしまえば、黒真珠を破壊する方法も当時の技術も魔法もない現在で、女神無しで黒真珠の破壊を達成させるのは不可能だ。
「我らに協力すれば互いに戦わずに済む。人間達からお前達を守ろう。悪い取引ではあるまい?」
「レアはどうなる? それに何をフィーナにさせる気だ」
アドルの反問にダレスが含み笑いを見せる。
「貴様と妹神の間を裂こうという言葉を口にする姉神が気になるか?
いや、愛する女と瓜二つの姿だからこそ、気になるというべきか。我らにとって女神は一人健在であれば良い。ただ二人はいらぬ。何、殺しはせぬ。フィーナとは違う役割がレアに与えられるがな」
「何をさせる気だ!?」
「フィーナとは別の新たな創造を行うだけの事。我らをより強固な勢力にする為のな。苦痛を伴う事もないから心配の必要はない」
(そう、ダーム様と交わり続けて、その御子を孕み産むだけ。苦痛ではなく快楽だけ感じるだけなのだからな)
全てを教える必要はない。実際にレアは肉体的に死ぬ事は無い。快楽に溺れて交わりから与えられる快楽だけ感じるのだ。幸せだろう。その頃には自我が残っているかはわからない。愛しい男が"アドルの様に生きていない"レアが、自分とは間逆の愛あるアドルとフィーナの交わりを見せ付けられて、いつまでそれを持たせられるか。そして今行われている陵辱。これは姉神レアの心を砕く一撃となっているのは間違いない。
「フィーナには、新たな黒真珠。それに類するモノの生成をして貰う。我らは魔の眷属を生み出せても、それが限界。我らの為に必要なそれを作る事が出来るのは女神のみ。
フィーナも覚えておろう。過去一度お前を捕らえた時、殺す事無く拘束した事を。それに今回も殺しはしなかったのも、それが理由だ」
記憶を遡れば確かに、結界内に幽閉されただけで命を奪われる事はなかった。それは嘘ではない。そして今回も同様だ。黒真珠やそれ以上のものを作れるのは女神である自分達だけ。当然施設も必要だが、知識や技術、魔力という面で女神の力は必須なのだ。
「そうだ。アドルだけいれば本当によいのかな女神よ? お前が地上で住んでいた村。あそこにいる者達にも縁の出来た者もおろう」
ダレスが思い出したようにフィーナへと投げかける。その瞬間、村での生活が頭の中に蘇ってくる。ジェバや同世代の娘達。フィーナにとって楽しい時間。その村の人々の顔が浮かぶ。
「我らとお前達とでの対立が無くなれば、眷属どもはこの島の村々を手始めに壊滅させるだろうな。何せ一番我らとの距離が近い場所のひとつだ。
だから良く考えるが良かろう。時間はたっぷりとあるのだからな」
ダレスが何事か呪法を唱えようとして、それをとめる。そして思い出した様にフィーナに笑みを向けた。
「もうひとつ忘れていた。フィーナ、貴様を陵辱したこの男達だが、別に我が配下ではないのでな。好きにするが良い。
私はただ人間狩りで集めた人間を何れ殺す。だが死ぬ前に良い記憶が欲しければ、あの小娘を陵辱してよいといっただけだ。
フィーナに関しても同様にな。女神を陵辱する事を選んだのはこの者達だ。選んだ事への代償は、当事者のフィーナ。貴様が決めても良かろう」
今度こそ、ダレスが姿をかき消す。本当に戦う事無く、ダレスが引き下がった事に驚くアドルだが、先程のダレスの言葉で知った事実を前に、衝撃が大きく決断に迷う。そんな状態の所へフィーナがアドルに寄り添う。
「成就してはならない。そんなのってありか……」
敗北したらもちろん全てを失う。だが勝利しても封印でフィーナを失うのだ。封印を施さない訳にはいかない。だが、それをすればフィーナを失う事を認める事になり、もし封印をしないままであれば、常に魔が蘇る危険のある時を、多くの人間が女神と女神の剣士の関係を認めぬ中で、二人生きるのだ。それにはこの世の中は酷く狭いものになってしまった。その中で互いを守り幸福に生きていけるだろうか。ダレスの言う通り、この浮遊大陸全土に女神の選択が知れ渡ったのだ。ダレスがこの浮かぶ大陸の人間を皆殺しにせずに地上に解き放てば、二人の関係は一気に広まっていくだろう。
自分が何故冷静になれなかったのか。まさか道中に理性を失わせる罠があったと思わぬアドルだが、フィーナを失う恐怖を味わって、堪える事はアドルには薬の効果とわかっても出来なかった。
「ごめんなさい……私…………、知っていたのに……。こうなると解っていたのに……」
ぽろぽろと涙を流すフィーナを抱きしめる。重い立場に居た事を考えると我慢してきた事が多かったのだろう。わがままをいう事もそう多く無かった筈だ。きっと、自分を忘れようとしていたのだろう。封印という面で生きて陵辱を受けなければならない現実を味わった。それでも、アドルの為だけの人間になると選択した少女。そんな少女を惚れているにも関わらず何故捨てる事が出来るだろう。
「惚れた女の子を守れずに、何が男だ」
惚れた女を守れずして何が男か。父親が冒険をやめた時に母親にいった言葉と聞いている。それと同じ事をアドルが口にする。結論は既に出ていた。
至極どうでも良いお話ですが
艦隊これくしょんというゲームをしていての三隈ってキャラの水着をみてると、虚ノ少女の某キャラに似てるよねって思いました
あのゲーム会社の作品の絵師さんとか、作品的に好きですが
時代考証とか、推理パートとかもうちょっとこう、どうにかしてほしいかなというのがありましたが、自分が創る立場になってからは言い難い
主題歌も関係性もたせたり、全作品が一応ダンテとかキリスト教系のお話にあわせていたりとか、作り込みが好きですが、たぶん影響を受けているはずなのに、ああいった雰囲気を真似るのはなかなか難しい
自分もそうですが、あそこのゲームは色々元ネタからの影響うけているなという作品がわかるのである意味自信を持てます
作中(本編・番外編含)のフィーナのスケベシーンに関して
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和姦比率多いの方が良い
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凌辱の比率多い方が良い
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もっと甘い内容の方が良い