※この作品はR-18です。

女神が堕落する時   作:濡れ書生

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もともとマリアとザレムの濡れ場は入れたかったんですが、ボリューム増えすぎてマリアの所少しカットしました……
かなり内容として薄くなってると思うので、マリアとか可愛いので何とか
次の話か、番外編Part2でも作ってマリアの陵辱部分補填したいと思います(不完全燃焼のため)

それにしても、アドルさん
リメイクしたらやたら女性にプレゼント攻勢で粉かけたり、ベットにもぐりこむとかそら現地妻増えるよなと思い出した今日この頃


○ 8

 女神程ではない。だが、先に人間達に輪姦させた娘に勝るとも劣らぬ美しい娘が手かせを嵌められたまま、尻を高々と突き出してダレスの肉棒を深々と女陰に受け入れていた。

 

 ぐちゅり ぐちゅり

 

 と規則正しく、リズミカルに潤った女陰に肉棒が刺さり、かき混ぜる音が響く。同時にパン、パンと男の腰と女の尻肉がぶつかり乾いた打音が合わさる。

 

「あっ、あっ、あっ、うぅっ」

 

 その動きに連動して娘から、男が聞けば性欲を高ぶらせるだろう喘ぎ声が漏れる。当初は声を堪え、快楽など感じていないと装っていた。それはこの娘にも見せていたフィーナを陵辱していた時の女神のささやかな抵抗を示す姿。だが何度も繰り返す事により、徐々に快楽を覚え、体が陥落し、今では限界を超え悦楽を隠しきれぬ嬌声を上げては、それに気がついて何度も堪える。だが限界に向かい始めるとまた嬌声を上げる。これを繰り返し続けており、いまだ無駄な努力をしていた。薬を使わずともこの反応である。随分と体の反応は良い娘なのだろう。

 この娘が鐘撞き堂にてどうやって生存したか、まったくわからない。だが、この娘が生きていた事にはダレスが心底驚いた。鐘撞き堂を巡回していたヴァルキリーが生存を確認した時に、理由がわからないが生存した以上理由がある。それが判明するまでは危険を考えて地下に幽閉していた。だが、どうやらメサ家と神官の末裔だったともアドルを監視していた時に知ることになる。何れにせよ、意外とマリアが拾い物であると改めてダレスがマリアの使い方を考えたのだ。

 神官の末裔ともなれば、魔力の潜在能力だけみれば申し分ない程に高い。魔に落ちたダルク=ファクトを見ればしかり、ダルク=ファクトが殺害したサラ=トバの様に戦い向きでこそないが、優れた先読みの能力。これらは神官の血がどれほどの能力を秘めているか示している。神官の末裔を魔に落として開花させれば過去の神官達と同等の魔の眷族の誕生させる事が出来る。

 だが、フィーナの堕落と、レアを堕落させるのにダレスが何度も二人の美しい女神を犯してきたが、ほぼ計画通りに推移した状況もあり、快楽をむさぼる様な陵辱もしなかった事。そこでたまりにたまった己が欲望を発散させても余裕も出来、楽しみたいと思う余裕も出来た。

 レア同様に、自らの褒美として神官の末裔の娘を犯し、自らの血と神官の血を掛け合わせた魔を作り出そうと決めた。これが今のマリアの陵辱に繋がっている。これは本来サラ=トバが生きていれば、あの異常な程の未来を見る事が出来たサラを母体にして強力な魔の眷族を生み出そうと考えていたが、ダルク=ファクトが殺害してしまった事でマリアに回ってきただけに過ぎない。恨むなら同じ神官の末裔のファクトを恨めとダレスが笑う。

 

「しかし、お前がどの様な能力を持っているかわからんが、ファクトの末裔やトバの末裔の様に優れた能力を持っていてくれるとありがたいのだがな」

 

 ダレスが腰を大きく振って深く突きさすとマリアが思わず大きな声を上げ腰を反らす。だがダレスはそれに構わずにマリアの細い腰を掴むと、バックから勢い良くパンパンとマリアの尻肉を叩く勢いを強める。マリアがダレスの言葉に冷静さを多少取り戻したのか、一度声を上げたきり、無言で耐え始めていた。

 

「んっ……、んっ、あっ」

 

 暗黒の世界。壁にある松明が明るく照らす中、ただ広いだけでなにもない神殿地下の一室で、ダレスの息遣いと、快楽を押し殺すマリアの激しい呼気、肉がぶつかり合う乾いた打音が響く。ダレスは腰の動きを止める事無く神官の末裔の胸元に手を伸ばすと引き裂かれた赤い服から覗くフィーナやレア程ではないが、程よく綺麗に実った二つの果実を絞りあげる。

 

「いっ……いたい………」

 

 マリアが苦痛で顔を顰める。その顔はまるで魔物から追い立てられて全力で逃げてきたかの様に真っ赤にそまり、湿度こそ高いが地下水路のお陰で涼しいはずの地下の一室で汗が体中滝の様に流れている。乳房を絞り上げながら、ダレスが乳首を抓ると神官の末裔は体を痛みから逃れようと仰け反らせる。

 

「どうした? サダという男を助けたいのだろう? そうだ、もっと強く締め付けて射精を促せ」

 

 愛する男の名前を口に出されてマリアがいやいやする様に顔を振る。ダレスが薄く笑いながら神官の末裔に覆いかぶさるように体を重ねて更に腰を打ち付ける。マリアは声を押し殺して激しい息遣いで必死に自分の手を拘束する鎖を掴んで耐え続けていた。

 

「愛する男の石化を解きたいのだろう? ならば早く約束通り我が子を孕めばよい」

 

 スカートを捲り上げられた状態で豊かな尻を突き出し、破けた胸元から見える豊かな胸を揉まれるあられもない姿の神官の末裔に、ダレスは容赦なく何度もペニスを奥へと叩きつける。何度も女神を陵辱し、吸精を行った為か性欲が高まって収まる気配がまったくなかった。

 神官の末裔の汗と、愛液が混ざった液体を肉棒にまとわりつかせながら、ダレスの肉棒がマリアの中を我が物顔で白い尻から出入りする。その陵辱行為を行う男の姿は、フィーナを最初に犯していた男とはまったく違う人間に見える程、若返っている様に見えた。

 

「そろそろ注いでやろう」

 

 ダレスの言葉に神官の末裔は両目を強く閉じ、声を必死に押し殺して喘いでいるだけ。愛する男の助命の為、この魔性の子を孕まなければならない。何度も中に注がれた事で、精神的な嫌悪感は残るものの肉体的な苦痛は大分薄れたのか、最初の頃の様な抵抗も見せぬまま、獣の交尾の様な姿勢でダレスの責めを受け続けていた。

 

「孕め」

 

 ダレスが神官の末裔にそう命じる様に宣言すると、マリアの柔らかな乳房を握りしめたままきつく抱き寄せる。同時にダレスのペニスから凄まじい勢いで精液が吐き出されマリアの膣内を侵す。

 

「ふっ、ううぅ」

 

 マリアが涙を流しながらダレスの精を受け止める。ダレスとマリアの二人に交わされた約定。ダレスの魔法により石と化したサダを助ける為に、マリアがその体を捧げ、ダレスの子を孕み産む事。愛する男への裏切り。でも何としてもマリアはサダを助けたかった。その一身でそれを受け入れ、何度もダレスの吐精を受け止めていた。

 自分が神官の末裔というが、本当に魔法の力などあるのかわからなかった。ただ言えるのは自分が理由があって犯され、孕まされる事。それでサダが助かるという事。僅かな希望の為に、マリアは受け入れるしかなかった。

 

「いい具合だ。まだまだ注いでやろう」

 

 ダレスが一滴残らずマリアの子宮へ注いだが、まだまだ男根は硬さを維持している。続けてまた犯されるのかとマリアが諦めた様に体を弛緩させる。まざまざと見せ付けられた妹の女神の方の陵辱は、自分を助けようとしてくれた男、彼が女神の愛する男とは知らなかったので驚いたが、彼が女神が貞操を奪われる前に間に合った。愛する男に助けられて、女として心も身体も全てをその男に捧げる事が出来たのを見て知っていた。まるで物語の騎士と姫の様だ。自分とのあまりの落差に羨ましくあり、嫉妬する。

 何故女神フィーナは助けられて、自分は魔性の子を産まなければならないのか。だが逆らうだけ無駄なのだ。石と化した愛するサダの前、ダレスに犯される事はかわらない。快楽を感じて絶頂を迎えもした。何をしても無駄なのは理解している。マリアは続けて行われる陵辱に体を震わせて備える。

 ダレスが神官の末裔の体を後背位から反転させて正面から向き合う形をとる。乱れた髪が汗で張り付いているのを手で払い、マリアの表情を見える様にすると、涙に濡れた快楽に染まっている瞳が見える。何度も体に精を注ぎ、絶頂を味わっていた証である。その表情にダレスが満足すると、手枷と壁を繋ぐ鎖を外し、手枷だけにすると神官の末裔の腰を掴んで体を起こし、猛然と下から挿入を開始する。

 

「ああっ……」

 

 再開された行為に神官の末裔が精神的な苦痛と快感に顔を歪めて仰け反る。石となったサダを前に、逃れる事は出来ない。体を汚され孕まされる屈辱と絶望に染まった顔で、それでも聞こえるとは思えないがサダの前でふしだらな声は上げない様に唇を噛み締めて目を閉じてダレスの子供を孕ませる為の行為を受け止める。そんなマリアに快楽の声をあげさせてやろうと、マリアとダレスの体液で白く汚れた膣に男根を勢い良く突き上げていく。

 

「あっ、あぁ……だめ……っ」

 

 リズミカルなダレスの突き上げに、限界を超えた神官の末裔から僅かに口が開いて喘ぎ声を漏らす。マリアの体がびくりっと震え始め、膣は荒々しい程に猛るダレスのペニスの挿入を受け入れていた。ダレスから送りこまれる快感に、マリアから溢れる愛液がが白く染まり、ダレスの体までも白く染め上げていた。

 

「ううっ……はぁ」

 

 ダレスが神官の末裔の腰を思うままに突き上げ、マリアの腰を強く掴むと自分の腰とマリアの腰が密着させ、我が物顔で膣内部を壁をこすり回す様にマリアの腰を動かす。その刺激に神官の末裔は体を震わせながらいやいやをする様に頭を振る。

 

「感じているな。お前の男は何も見えぬ。何も感じる事もない。好きなだけ素直に快楽を味わうといい」

 

 ダレスの言葉に感じていないとマリアが首を振るが、ダレスとマリアの結合部から鳴り響く姫鳴りは粘着性の高い音となって大きく鳴り響いている。破かれている胸元からは、激しく揺れる形の良い乳房が上下に揺れてダレスの欲望を刺激していた。

 

「また中に注いでやる。嫌ならさっさと、我が精をしっかりと受け止め受精せよ」

 

 ダレスが興奮に染る声を漏らすと、マリアの体に力が入り、無意識にダレスの射精から逃れようと体がうごめくが、結合部から起きる快感に力は入らず、しまいには快楽に連動するかの様に腰が連動していた。ダレスが腰を限界まで突き上げる。マリアは体を弓なりに反らせて勢いを殺そうとするが、徒労と終わった。そして同時に二人ともぶるぶると震える。愛する男との性交でもないのに、快楽を味あわされ、中出しされながら同時に絶頂に登る屈辱をマリアは必死に耐えていた。まだまだダレスの魔の宴は終わる気配がなかった。

 

 

 何度目か計算するのをあきらめた程のダレスと神官の末裔マリアの淫らな交わりが続いており、ダレスがまたも吐精する。それを把握し、魔に落ちた女性騎士が部屋に入ってくる。何事か、人間の言葉ではわからない言語でダレスに報告している姿が快楽で意識が朦朧とするマリアからも確認できた。

 

「生ある人間とは、何とも面倒な事よ」

 

 ヴァルキリーから報告を受けていたダレスがマリアを犯すのを止めて、近隣の村に魔物を出す様に命じる。まさか食料調達をする羽目になるとは。そうダレスが思わず苦笑いが浮かぶ。ヴァルキリーが持ち込んだのはアドル達の食糧事情である。

 アドルが調達の為に、アドルの傍を離れるのを嫌がるフィーナと神殿から外に出ようとしていたのが発端である。それをみたヴァルキリー達がダレスの命令の為に二人の行動を止めたのだ。戦いに発展こそしなかったが、多少緊迫した状態にもなったのも事実である。ダレスの部屋にヴァルキリーが報告に訪れて来た事でお楽しみが中断になったが仕方がない。と、ローブを纏い宮殿そばへと移動する。この様な事が切欠で面倒になる事は避けたい。誰かしら世話役でも置くか、速めにこの二人に守る人間を決めさせて、予定をかなり前倒しするが村なり街なり統治させるのが良いのも知れないとダレスが思う。

 

「まさか、女神の剣士が飢えに喘ぐとはな。人ならざる身故、不便をかけるとは思わなかった」

 

 姿を現した時にダレスが発したのは自嘲気味な言葉。ダレスの指示にアドルの行く手を阻むヴァルキリー達が道を開けると未だ緊張を解かないアドルと、700年前の服に身を包んだフィーナが見える。

 

「ふむ。どうやら食料以外にも色々と問題がある様だな」

 

 どういったものか、アドルが言葉を選んでいるのがわかるがダレスが今度は苦笑いを見せる。

 

「この程度の些細な行き違いで互いが争うのは馬鹿らしい。一々気にするな。せっかく出来た我らの関係が崩れる方が私には問題なのでな。

 今配下を人の村に行かせた故、食糧は手に入るだろう。今後必要なものはヴァルキリー達に言えば調達させる事を命じてある。お前達二人が出歩く必要はない。今しばらくは宮殿の中、精精宮殿周囲の回廊位まで出歩くのは控えて貰いたいがな。

 まぁ、お前達が人間の前に進んで出て行くのであればそれはそれで構わんぞ? ただ、何事か争いが起きて妹神だった方の娘の身に大事があって困るのは我らとて同じ。

 何れお前達が守るべき人間達を率いる立場になるのだ。それまでは少し狭い宮殿内だけの暮らしに耐えてもらおうか」

 

 ダレスが笑うが、アドルが最後の言葉に怪訝そうな表情になる。

 

「率いるって、僕らが他の人をって事か?」

 

「助ける人間が多くなれば、当然誰かが率いるのは当然。魔であれ、人であれ、野生の動物であれ、な。

 お前達が責任を持って自分が助けると選んだ人間位、管理はしてもよかろう?」

 

 女神フィーナが異性としてその愛を捧げたのはただ一人、アドルだけである。だが他のそれ以外の人間もアドル程ではないが、該当する人間は女神が選別して選んだ事になる。これに選ばれた人間は魔物の脅威から守られる。女神が庇護するのだ。この恩恵に預かれる人間がいて、受けられない人間は魔物に怯え、殺される側になる。差別に感じ不満を持つものが多いだろう。中には女神の収める領地に入り、平和に暮らしたいと思う者も出てくるだろう。

 上手くいけば人間と女神が争う事になる。女神が人間どもの手に掛かるとは思えぬが暫くは護衛も付ける。これで人間同士、女神と人間の争いでフィーナは益々、一部の人を除いた人間不信になるだろうし、人間も女神が魔に降ったと思い対抗の象徴として扱えず、魔と女神が結託したと見る者もでるだろう。

 これが破壊や魔の神であればこの様な制約はないのに。そう思うが、せっかくフィーナにはそれが存在するのだ。精々ダレスはフィーナの置かれた状況を最大限に利用するつもりであった。

 

「それにお前達の必要なものも、庇護下に置く人間から、お前達が我らから襲われる事はないという安全と交換とすれば容易く集まろう」

 

 人の営みを考えるとこの二人だけでは今回の様に問題がでる。フィーナがどの様な形にしろ人間を治める国を作れば、安全を守る対価として住人から衣類や食料を提供させればダレスの手間も省ける。住人となる人間もフィーナから、魔から教われないという安心と安全を提供されるる事で互いに利益を享受するのだ。双方の益を考えれば人間にとっても、アドルとフィーナにとってもさほど問題はないだろう。

 

「ただ、それはこの大陸を地上に降りてから。ダーム様も先の一件からフィーナ、貴様に魔力を抑える封印を解く事はお認めになられた」

 

 大陸を地上に降りる。その言葉にアドルがあまり良い顔をしていない。鐘撞き堂あたりから、降下しているという気配は確かにあった。だが実際降下すれば、それはこの前の二人の関係が間違いなく、下の住人に拡散されるのは間違いのない事実。もし嵐の結界が健在なら外への拡散はそこで何とか抑えられるだろう。だがフィーナのあの時の事が、ゼピック村に広まる事はフィーナの精神的な事を考えるとそれは避けたかった。

 

「村娘フィーナに起きた事を知られるのが不安か? 口を封じたければこの大地の人間全てを殺すしかなかろうな?

 村娘フィーナに起きた事で人間を見捨てた事が広まるのを恐れるか? 逆に考えれば、それで見捨てたと思う人間はそれまでの者だったに過ぎん。篩いにかけていると思えばよかろう。

 それとも、お前達と縁のある者は、その程度の話に惑わされる程度の人間なのか?」

 

 ダレスの言葉にフィーナが口を開きかけて閉じる。ダレスの論調がかなり嫌なものであり、フィーナが反論しようとして窮した。結局アドルが同意して宮殿に引き返すと、この様な事で頭を悩まさせられる自分に馬鹿らしくなる。計画の前倒しの為にゼピック村にすむトバの末裔の老婆を呼び寄せる事も必要に感じて直ぐに控えるヴァルキリーに命じる。

 黒真珠をコントロールし、新たな黒真珠を生成できる女神を手放すわけにもいかず、ダレスとしてもこの様なくだらないやり取りは今暫く続きそうでザバが生きていれば、とダレスが真剣に考える瞬間でもあった。

 

 

 

2

 

 

 

 浮遊大陸の降下は地上にもはっきりとその姿が視認出来る段階を過ぎていた。既にバギュ=バデットと、神話上の山脈と思われた大空に浮かび上がったとされるプレシェス山が、接続する寸前となっている。それはふもとのゼピック村に限らずミネアといった街からも同様に見えており、突如訪れた天変地異とも言える光景で大騒ぎは未だに続いている。

 その騒ぎの中ジェバは一人家の中にある。本来は二人でアドルの帰還を待っているはずが、ともにいるべき娘は行方知れずになってかなりの日数がたったしまった。かなりの時間捜索を行ってもいたし、ミネア等にも使いを出している。それでも未だ、実の娘の様に可愛がっていたフィーナの安否が確認されていないのだ。

 サラを失って以降、フィーナをその分可愛がっていただけに、姿を消した事でジェバは不安を隠しきれなかった。もし、フィーナの身にサラの様な事が起きたら? そんな不吉な未来の予感が、ジェバから普段の元気を奪っていたのだ。

 更に伝説となった浮遊した大地が降下してくるのをゴーバン達は何らかの手段で知った事で、ルタと共に装備を整えて部下の盗賊達となにやら戦う準備を進めていた。女神からのお告げといっていたが、そんなゴーバン達を魔物が急襲し、ゴーバンは生死をさ迷う大きな怪我を負っている。駆けつけた医者からはゴーバンはもう助かる見込みはないとまで言われている程の重症。ルタは辛うじてゴーバンの機転で、命からがら逃げ帰ってきたが、怪我は深くアイリスがつきっきりで看病していた。

 今何かが起きているのは間違いない。そして、それは非常に不吉なものだとジェバは理解していた。アドルが登ったダームの塔から放たれた閃光までは特に問題は無かった。一時的にダームの塔や村や街周辺の魔物の活動が沈静化したが、恐らくアドルの奴だろうとゴーバンが言っていたからだ。

 だが暫く後、魔物がまた活発に動き出した。同時に上空から巨大な山脈が一つ、降下してくるというありえない光景。状況が一気に動いたのは間違いなく、その変化が魔物の出没以上の危険を伴うものだともわかった。

 

「私は十分に生きた。でも、フィーナはまだまだこれから明日があるんだ。

 サラ、お前に頼むのも勝手だとわかっちゃいるけど、あの子を守っておくれ」

 

 サラを失い、ゴーバンを失いかけている今、フィーナだけは無事であって欲しい。その為なら老い先短い自分の命だってかけてもよいとジェバは思っていた。そんなジェバの家に変化が訪れたのは巨大な地響きが聞こえて数時間たった後である。恐らくプレシェス山がバギュ=バデットに接地したのだろう。音や喧騒で理解はしたが、とてもそれに構う余裕はジェバにはなかった。

 そんなジェバの家に駆け込んできた娘がいる。フィーナと仲良くなったデミが激しく息を乱しながら扉を勢い良くあけると

 

「大変、ジェバ逃げる準備をして!」

 

 と大きな声でジェバを椅子から立たせようとする。

 

「一体どうしたんだい?」

 

「何か知らないけど、バギュ=バデットと繋がった山から魔物の騎士がこの村に向かってきてるの!

 今村の男総出で迎え撃とうといってるけど、ゴーバンさんの手下が、ゴーバンさんを怪我させた相手だっていってて、とてもじゃないけど時間稼ぎも出来ないから皆避難しろって!」

 

 まくし立てるデミだが、ジェバは首を横に振る。もし、このままここを逃げればゴーバンを老いて行く事になる。それだけではない。ルタもとても今移動できる状態じゃない。アイリスも恐らく残るだろう。愚息に付き合ったルタとその妻のアイリスを残して逃げる事は出来なかった。

 

「私はいいさ。もう十分生きたし、私が一緒だと走れない老婆なんて足手まといさ。それにゴーバンもルタも置いてはいけないよ」

 

「で、でも……」

 

「デミ、お前はお行き。私の代わりにフィーナを探して出迎えてあげる子は必要だからね」

 

 デミに早く村から逃げるように促すが、既に村に魔物が入り込んだのか、各所で悲鳴が上がる。遅かったか、諦めの表情になりかけたジェバだが、想像していた以上に村は静かであり、住人達が虐殺されている様子もない。ガシャガシャと甲冑の鳴る音が自分の家の前で止まるのがわかり、ジェバが立ち上がるとデミを後ろに隠す様にしてゆっくりと開け放たれている扉へと向かう。

 

「なんなんだい、これは?」

 

 数々の魔物を従える様に魔物の騎士が数名、ジェバの家の前に並んでいる。その姿はまるで神話の女神の騎士達の様な豪奢な鎧。だが、明らかに禍々しい気配がある。村の中央ではアドルを前にして引く事をしなかった村の男達が一人残らず捕らえられたのか武器を取り上げられた上。村の中央に並ばされている。見た限り死人は出ていない。それだけに不思議だった。何故皆殺しにしないのかと。

 

『ジェバ=トバ、我が主の命である。共に来てもらおう。この村とお前の命の安全は保障する。フィーナ……の願いでもある』

 

 魔性の騎士から放たれた言葉。それをデミが意味がわからない言語だったが、ジェバにはわかる。失われた古代王国の言語のそれだと。イースの本に書かれている言語を口にする。この魔性が神話の時代に関係するものだというのがわかった。そして驚いたのはフィーナの名前を出した事。聞き取れなかったが、様と敬称をつけていた様にも思えたのだ。

 

「デミ、少しのこの魔物達と出かけるから、その留守の間ゴーバンの事頼んでいいかい?」

 

 この魔性の言葉を全て信用は出来ない。だが、本気で村を滅ぼす事は簡単に出来たのに、何故かそれをしなかった。自分だけを捕らえるのなら、向かってくる男は皆殺しに出来たのにも関わらず、それすらもせずに、わざわざ手間のかかる生け捕り。この魔性の騎士や魔物達がフィーナが何かに関係しているのは間違いない。ならば一緒に行って確認するしかないだろう。拒否しても強引に連れて行かれるだけならば、村の安全もある。自分から行動した方がまだ良いだろうと思えたのだ。

 

「な、なにいってるのジェバ!」

 

 とんでもない事を言い出したとデミが慌てるが、ジェバはいたって平静で笑っている。

 

「もうこんな状態さ。私達を殺す気なら最初から殺してるし、私だけが目当てなら老人だとわかってるんだ。やっぱり他の皆は殺されているさね。

 わざわざ手間が掛かる事をしたんだ。理由があるんだろうし、見極めてやろうじゃないか」

 

 それにフィーナの名前を口にしたのだ。ジェバには従う以外の道はなかった。その返答を見てヴァルキリーが合図をすると、魔物の群れの中にひときわ巨体な魔物が姿を現す。その背中には大きな椅子がくくりつけられているのが見える。ジェバを運ぶ為に用意されたのだろう。一人のヴァルキリーがジェバの家に入ると毛布やクッションを取ってきている。随分と手馴れているが、女神の護衛の騎士が魔に堕落する前にしていた事なのだろうか? ジェバが不思議に思うがヴァルキリー達が準備した椅子に腰掛けるとジェバが転落しないように固定して魔物を立ち上がらせる。いまだ不安そうなデミを見て、ジェバが安心させる様に笑顔を見せる。

 

「老い先短い命さ。心配しないでもいい」

 

 ジェバが笑うと同時に、ヴァルキリーの指示の元、魔物が地上へと舞い降りたプレシェス山へと向かって歩き出していく。四方をヴァルキリー達が固めているが一人のヴァルキリーが遅れて合流を果たす。荷物と水筒を持っている事から、食料と水を持ってきたのだ。ジェバの長い旅に備えてのものだろう。何故ここまでするのかわからないジェバだが、よほど重要な、もしかしたらフィーナやアドルに対して人質に使うのではないか? そんな不安がジェバの中に芽生える。

 

「魔物の背中というのもぞっとしないけど、見える光景は美しいもんだねぇ」

 

 若い頃神殿まで脚を伸ばした時見た光景。今では体力的に登る事がめっきり減り、見る事がなくなった高い場所から見る麓や、その先のミネアの街の方まで一望できる光景。若い頃なら当たり前の様に飽きる程何度も見た光景だが、ミネアの街が記憶の頃に比べて発展している様に見えるのは、やはり銀のお陰なのだろう。そして、魔物をはじめとする問題もこの銀から始まった。銀の採掘において、自分と同等に長い歴史を有するファクトの家系の人間が反対をし、惨殺されてしまったが、彼らの発言が正しかったと今更ながらわかるというものだった。

 

『ここから先、暫く揺れる。しっかり掴まっておれ』

 

 物思いにふけるジェバに騎士が古代の言葉で声をかける。仮設で組まれた橋。そこを渡るのだろう。そしてその先はゴロゴロとした岩の多い山道なのを振り返って視界に見える範囲で把握出来た。ただ子供の頃から親から聞かされた伝説のプレシェス山を歩く事が出来ないのはジェバにとって残念ではある。

 

「どうしてここまで良くしてくれるんだい?」

 

 ジェバの疑問を口にすると単純な答えが返ってくる。

 

『時間が惜しい』

 

 存外魔性も時間を大切にするという事におかしさを感じる。だがそれほど急ぐ理由があるのだろうか。いずれにせよ老人の自分が歩くよりもかなりの速度で一行は山を登り続け、夕刻までには最初に目指していた山村、ランスの村にたどり着く事になる。

 

 

 

3

 

 

 

 ランスの村。アドルが天空の飛ばされて辿り着いた時にリリアに保護されて運ばれたのがこの村である。そんな事など知らぬジェバであるが、魔性の騎士に、フィーナとアドルの知り合いとは口外するな。古代王国の神官のジェバ家の末裔らしく、それが理由で連れてこられた。それだけしかわからないとだけ言え。と念を押されてから、村人と交流する事になった。

 

 その理由は夜に実感する事になる。

 

 ジェバが一夜の宿に宛がわれた家は魔物の襲撃で一家が全滅した家。決して多くない人口の村を魔物は簡単に制圧しているが、それ以上の殺戮は行われていない。妙だと思うジェバであるが、村人達はそれに気がついていない。それ以上に村人達の意識を奪う事態が発生していたのだ。

 

「ばあさんあんた、下の世界から来たのかい?」

 

「ああ、麓にある村の住人さ」

 

 酒場で食事を取っていたジェバに若い男達がジェバの周り集まってくる。外界の情報を知りたいという思いが強いのだろう。護衛に魔性の騎士が二人、常に寄り添っているが特に危害を与えるものではないと判断して静かに壁際に控えている。

 

「何で婆さんを魔物たちは護送してんだ?」

 

「私も良くわからないんだ。滅びた王国の神官の末裔って事らしいから、こんな婆さんをとっ捕まえて運んできてるらしいけど」

 

「へえ。女神レアとフィーナ以外にも神官の子孫も生き残ってたのか」

 

 男達が納得したように、そして哀れんだ目でジェバを見ている。わざわざ下界まで降りてジェバを連れてきた。恐らく王国に連なる者を捕らえた理由など、処刑する以外はないだろう。そう考えたのだ。

 だがジェバには驚きがある。知っている名前、フィーナが出てきたのだ。無論同名なのかも知れないのだが、その可能性を無視するほどに、娘の様に可愛がっていたフィーナの正体が女神だ。そうと言われたら自然と納得してしまう何かが、フィーナにはあった。。

 

「女神は……生きていたのかい?」

 

 そんなジェバの驚きを男達は違う様に取ったようだ。

 

「地上ではあの光景は見えなかったのか。婆さんが泊まってる家の鏡に手を触れてみな。

 女神が俺達を見捨てたのが一発でわかるぜ」

 

 男が吐き捨てるようにそう口にすると、手にしていた杯をテーブルに叩きつける。この男だけではない。この村の男達全員が同様に怒りを抱えていた。他にも給士の娘も同様にである。

 

「女神とあろうものが、男に現を抜かし、男一人を愛して戦いを忘れてやがる。

 女神のせいで俺達がこんな辛い状況にあるってのにだ!」

 

「バノアさん所のリリアちゃんなんて、大勢の男に犯されてるのに、女神様って良いご身分よね」

 

「アドルって奴、リリアの薬材料を集めたり、いい奴だと思ってたけど女神の加護を独占して戦わないんだからな。

 大体、リリアがアドルに惚れてたのに、犯されてるのを知っててあいつは見捨てたんだ」

 

 村人達から尽きぬほどあふれ出てくる憎悪と悪意。何がアドルとフィーナにあったのかはわからない。だが少なくてもこの村においてあの二人は完全に敵となっている。魔性の騎士が念を押した理由であろう。

 娘の様に思っていたフィーナの身に何かが起きた。それを確かめなければならないだろう。食事を終えて、宿代わりの家に向かって足早に歩くが「見ない方が良い」そんな予感がジェバの心に警鐘を鳴らしていた。周囲を魔性の騎士が警護についている家の中に入ると姿見の鏡がある居間へと足を向ける。

 

『見るな、今なら見ないで終わらせる事が出来る』

 

 そんな警告が強まっていく。だが、見ずにはいられない。知らない事が良いというという事もある。それは間違いない。でも知らないという事が怖い。ジェバがフィーナに何が起きたのか、大切だったが故に男に教えられた様に鏡に手を触れる。そして、その夜に大きな後悔をする事になった。

 

 泣き叫ぶフィーナを犯す魔性の男。途中で液体をフィーナの不浄の穴から腹に注入して、体から全てのものを放出させられていた。あまりの事に理解が追いつかない。陵辱され、この様な事をされているフィーナを、何故この村の人間はあそこまで憎悪の念を向けれるのか。

 その後、魔性がフィーナの不浄の穴を犯した後に、鏡からは6名以上いるとわかる男達がフィーナに群がり陵辱を始めた。嫌がるフィーナの不浄の穴を、ただただ陵辱の限りを尽くしていた。悲鳴を上げてアドルの名を叫ぶ娘を見てただ涙が溢れた。何度も拒否しても、願っても止まる事のない行為。アドルがフィーナを選ぶ事はない。そんな言葉があの娘をどれほど傷つけたか、想像をするのも嫌な言葉。

 そんなフィーナの姿を見てジェバの目から涙が止まらなかった。同時に腹の奥からせりあがってくるのは嘔吐感。信じられない。認めたくない。そんな光景を見て体が自然と先ほど食事したものを吐き戻していた。激しい動悸い眩暈を覚える。大切なフィーナが酷い責めを受けている事を見て胸が締め付けられる。呼吸が乱れ意識が遠のいていくのを何とか堪えようとするが、視界が黒く染まり、ジェバがそのままゆっくりと意識を失っていた。

 

 

「よかった。気がついたね」

 

 ジェバが目覚めると、いつの間にか寝台に寝かされていた。そばにいるのは魔性の騎士と髭を蓄えた痩せた男。恐らく医者なのだろうというがわかった。

 

「サリナ、この方の着替えを適当に何か見繕ってきてくれ」

 

「はい」

 

 少し離れた所にいる看護婦に指示を与えると男がジェバへと向き直る。

 

「まぁ、その、女神様のあれをみてしまったんだろう? あまり見て気分が良くなるものじゃないから、二度と見ない方が良い」

 

 この医師も村人同様に見ていたのだろう。だが、不思議とこの男と、看護婦からは他の村人同様に

フィーナに対して憎悪している様なそういった感情が見られない。

 

「しかし驚いたよ。夜分いきなり扉が破られたと思ったら、あんたを抱えたこの魔物が乗り込んできたんだからな」

 

「そうか……迷惑をかけたね」

 

 元気のない返事に医師が笑う。

 

「何てことはないさ。人助けが医者の仕事だからね。

 それよりも大丈夫かい? まだ体がだるいとかあるのかね?」

 

「大丈夫だよ。ちょっと衝撃的なものを見てしまったからまだ心がおちつていないだけさ」

 

 娘の様に思っていたフィーナがイースの女神の一柱だとは思わなかったし、行方不明になってから、あの様な辱めを受けていたなど考えもしなかった。あの惨い行いを思い返すと激しい怒りが湧き起こる。あの男達と魔性は、この身に変えても老い先短い命で良いのなら刺し違えてでも、命を奪ってやりたいとジェバが思っていた。事実、あの男達を前にしたら行動に移ろうとも覚悟を決めていたのだ。

 

「女神様って、あんた達は他の村人みたいに恨みとかないのかい?」

 

「女神といったって、ただの女性なのは私達と変わらないわ。それをあんな風にして何で私らが見捨てられないと考えるんだろうね。

 女神様が見てるから悪い事はするなって、小さい頃ならってるはずなのにさ」

 

 着替えを持ってきたサリナの表情に怒気がある。本当にフィーナを陵辱した男達に対して怒っているのだ。そもそも女神であろうとなかろうと、一人の娘を陵辱する事、それ事態が問題だとサリナは考えていた。

 

「同じ村の住人でも、思う事は色々なんだね」

 

「そうだな。アドル君は危険を覚悟で私を助けに来てくれたし、リリアの為の薬の材料も集めてくれた。

 彼は少なくても、彼らが思う様な独占してどうこうする男じゃないと思っているよ。だからこそ女神様が夢中になるのも、彼を見ていたらわかるさ」

 

 アドルと短い間だが村で生活する上で交流を持って、リリアの為に骨を惜しまず働いたのは知っている。だからこその言葉だろう。リリアを結果見捨てる形になっているが、医者として重症の二人の患者を同時に見る時といった究極の選択を迫られた事がある。それと似たような選択、女神フィーナと人間という選択をアドルが迫られたに過ぎない。事実、姉神をアドルは諦めているのを見れば、苦しい選択を迫られたのは間違いないだろう。

 

「でも、よかったわ。アドル君が間に合ってくれて。あのままだったら女神様が私達を見捨てるだけじゃすまなかったかも知れない」

 

 サリナの危惧は至極全うなものでもあるとジェバには感じられた。もし女神であるフィーナが復讐の為に人と対立したら、そんな未来を考えたくもなかった。そしてその言葉から、アドルがフィーナを助け出してくれたのだとわかる。ジェバが心の底から安堵した。あの娘が無体な目にあったが、それでもアドルが間に合ってくれたのだ。神殿の地下の時の様に。これもある意味運命なのかも知れない。そうジェバには思えた。

 

「明日にはまた出立するんだろう? 本当は一日安静にしていて欲しいが、止める事も出来ない。今のうちに体をしっかり休めておいてくれ」

 

 サリナに着替えを手伝う様に指示して医師が部屋の奥へと姿を消す。どうやら村の中でこの医師とサリナは極少数の考えなのがわかる。あの様な目にあっている娘を見れば、本来二人の様な反応にならないとおかしいと思ったが、フィーナの前に陵辱されていた娘がこの村の出身でアイドル的な存在だったとも聞いた。そんな娘がアドルに恋慕していたとも言う。そういった関係もあるのだろう。

 ただこの大地を空に浮かして民を逃がし、魔を封印した女神をここまで憎悪するのは何故なのだろうか。不思議に思えたがこの大陸での生活は非常に苦しいとも、色々な問題があるともサリナが教えてくれたが、ジェバにはわからぬ複雑な理由がありそうで、ジェバにはそれ以上聞く事は諦めるしかなかった。

 

「さぁ、今日はもう休んでくださいな」

 

 サリナが優しく微笑むとジェバを寝かせて毛布をかける。明日も早い。だが、フィーナが受けたあの恥辱を思えば、ジェバの心に自分の事の様に悔しく思え、結局ジェバは一睡も出来なかった。

 

 

 

4

 

 

 

 翌朝、出立を前にジェバを心配した医師から薬を渡され、更に厚手の衣類とコートを渡される。どうやらこの先地上に降りた事で大分マシになったとはいえ、かなり積雪のある場所を通るからと注意を受ける。実際、ジェバの座る椅子の周囲を風除けがつけられているのを見れば対策をしていたのだろうというのがわかり、積雪のある山岳地帯を通るのにそれなりに覚悟が必要だろうとジェバが覚悟を決める。

 ノルティアの氷壁。魔物たちが通るのはアドルが通ったルートとは違い険しい、普通の人間ではとても踏破出来ないルートである。風も強く、防寒対策を整えていたがそれでも尋常ではない寒さがジェバを襲う。この様な気候の場所をアドルが駆け抜けたというのは何とも信じられないが、そこはやはり男なのだろう。激しく揺れるのは足場の悪さもあるが、魔物達は苦もなく登り続ける。医師とサリナの用意してくれた防寒具がなければとてもではないが耐えられなかったあろう場所を進むと巨大な岩穴が見えてくる。

 

『ここから環境が変わる』

 

 魔性の騎士の言葉にどういう事かと思ったが、それは直ぐにわかった。岩穴をくぐると周辺を凍りに包まれながらも妙に熱気のある広場に出る。冷気と暖気が混在する異様な空間。そして漂う硫黄の香り。もっともジェバには硫黄がわからぬため、何かの腐敗臭かと思っていたが、魔物達は洞窟内部に向かって歩みを進めていく。

  バーンドブレス。そう呼ばれる溶岩地帯は人間が生活するのに適さない空間である。でもこの浮遊する大地で空間が少ない事から、人間は確かにこの劣悪な環境で生活している。そうとは知らず、魔性の騎士がジェバの周囲を囲っていた風除けを取り払い、魔性の騎士が厚手の服から薄手になる様に促してくる。確かに、進めば進むほど冷気は失われて異様な熱気が体を包む。彼女らにとってもジェバの身に何かがあっては困るのだ。

 

「極寒から、業火の地帯。こんな所あるけるとは思えないし、助かったよ」

 

 あまりの両極端な場所を自力であるけなど言われたらジェバには到底不可能だ。素直な思えが口に出るが、周りの騎士達は特に表情を変える事がない。確かに時間が惜しいからこそ、この様に自分を運んでいるのだろう。時折差し出される水筒から温くなった水を口にするが、灼熱地帯で噴出す汗はいくら拭っても一向に止まる事はない。

 

『宿となる村までもう少しだ。もう暫く耐えよ』

 

 生のある人間とは何と脆いのだろう。魔に落ちた騎士がジェバを見て思う。お役目に忠実なのは昔の、生ある頃の名残なのだろう。老女を翼を持つ魔物に運ばせるにも難があるとしてこうやって神官の子孫を運ぶ。本来のザバの指揮の下神殿深部を守るエリートである自分達に似つかわしくない役目。つまらぬ任務だ。小さなヴェルキリーの呟きは溶岩の流れる音にかき消されていった。

 

 

 溶岩の村。このバーントブレスと呼ばれるあるただ一つの村。そう呼ばれるこの村にたどり着くとジェバの表情が灼熱地帯での疲労とは別の表情がある。ランスの村でのフィーナへの感情を見てきた。それだけにこの村でも、フィーナとアドルに対して悪意の塊を見るのではないか? そんな恐怖があった。

 だが意外にもつれて来られたジェバは、フィーナに対してというよりもアドルを信頼する者が多かった事を印象に強く持った。それは村の少年を助けた事に起因する様で、その子供と父親が特にアドルを擁護していた。

 

「アドルの行いがちゃんと評価されているんだね」

 

 ランスの村との差を感じてジェバが嬉しくなる。とはいえ、全員が全員同じ考えであるわけではない様なのは間違いない。中にはフィーナへの女神としての資質を問う声もある。女神としての立場がフィーナを辛いものとしている。村で生活していた時には思いもしなかった、責任ある立場というものにジェバが心を痛める。自分達人間が女神を陵辱しているというのに、何とも酷いとジェバは思う。

 

「アドル兄ちゃんは女神様を守っただけなのに、皆酷いよ!

 大体、女神様がアドル兄ちゃんを好きで、アドル兄ちゃんも女神様が好きなのに何でダメなのさ!」

 

 そう怒る少年を見てジェバが思わず笑顔になる。本当に、二人がただ人として結ばれる事が出来ない事。それが一番辛い。何故、女神という立場は相手を選ぶ事が出来ないのだろうか。代わる事が出来るならフィーナと交代して、フィーナにアドルと人の幸せを享受して欲しい。あんな良い娘なのだから。そんな想いがジェバの中に生まれる。だが神官の血筋でもそれは叶わない夢であり、願いだった。

 少年がアドルの事をどれだけ凄い男かまるで自分の事の様に語っていたが、勉強をサボっているのがばれた事で父親から怒られて自分の家に向かう。元気良く走っていくのを見送り、続けてその父親と会話を交わす。その中で、どうやらフィーナがアドルと本懐を遂げたというのは間違い無い様で、このプレシェス山に入山してからジェバにとって、初めての嬉しい情報な気がした。

 だが、フィーナとアドルがフィーナを陵辱した男達を惨たらしく殺したという話には驚きを隠せなかった。あの二人がそこまでするのだろうか? だが、あの光景を見た以上、そうなっても仕方ないともジェバは考える。だって自分ですら、刺し違えてでもあの男達を殺したいとランスの村で思ったし、今まで刺し違えてでもと考えていたのだ。それはアドルだって、フィーナだって「人」として考えれば同じだろうと。

 だがらこそ、この村でアドルを無条件に賞賛も信頼もしていないのは、そういった事があるから。難しい問題ではあるのは間違いなさそうで、ジェバの心が晴れない一因でもあった。

 

「こんな熱い中じゃゆっくり休めないかも知れないが、一日ゆっくりと休息を取ってくれ。

 この先はまた氷壁に繋がる。中々厳しい環境だからな」

 

 老体には厳しいとの言葉にジェバが頷くと、早めに休息を取る為にあてがわれた小屋に向かって歩き出した。正直、地上でフィーナと生活をしていた等と言える事ではない。その秘密を抱えてこの浮遊大陸にいた者達と会話をするというのはまるで、ここの住人皆を騙しているとジェバには感じていた為、無用な後ろめたいきもちも感じていた。

 

「おや?」

 

 そこへ不意に視線を感じ、つり橋へと視線を向ける。その先に何頭かの小型の動物が見える。周囲の村人は魔物だと口にしているが、ジェバにはそんな邪なものは感じず、妙な懐かしさを感じる。まさか目の前にいるのが神の使いと呼ばれている程穏やかで人と真の意味で共存できるルーという魔物とは思わなかった。

 ルーの中にはその性格から神官と共に生活した固体もいる。そんな長い生活の記憶がジェバを見て、その血筋から何かを感じたのだろう。三頭がジェバに近づいてくると周囲を囲んで臭いをかいでは周囲を駆け回る。魔性の騎士は特に問題ないとしている様子で、危害を加えるようなものではなく、安全であると確認したジェバが手を伸ばすと一頭がその腕に抱きついて喉を鳴らしながら甘えた様に頬を擦り付けている。

 

「魔物なのに、随分と人懐っこいんだねお前達は」

 

 心の中にあった暗い気分をルーたちが変えてくれて、フィーナが失踪して以降、久しぶりに笑った。そう思い返して気がついたジェバが改めて笑顔になる。この長い旅の先に何があるかわからない。だが、その最後まで行く着く為の元気を、このルー達のお陰で何とか取り戻せた気がジェバにはした。

 

 

 溶岩の村を出立する際に、ルー達が集まり、中にはジェバの膝の上に陣取るものやジェバを担ぐ魔物の肩に登るもの。騎士達の鎧をよじ登るものもいる。そんな光景に思わず村人達が笑い声を上げる。魔物でなければなんとものどかな光景なのだ。だが実際は生殺与奪の権限を奪われている。半ば諦めの境地にある村人達は自然と、目の前にある光景に笑顔を見せれるだけの余裕が出来ていた。

 

「ばあちゃん! 気をつけてね!」

 

 少年が水筒とロダの実を差し出す。父親から聞いたのか、もう二度と会えないかも知れないと知ったのだろう。涙目になっている。

 

「おや、ありがとうね。坊やならきっとアドルみたいになれそうだ」

 

「本当!? アドル兄ちゃんみたいに強くなりたかったんだ!」

 

 気のつく性格から、女性にもてるだろうなという意味だったのだが、少年にはアドルの強さと取ったのだろう。だが元気な姿にジェバは笑って訂正する事はしなかった。

 

「世話になったね」

 

「ああ、気をつけてな」

 

 少年の父親と握手を交わす。今生の別れの様に彼らが別れを惜しんでくれる。神官の血筋故にジェバが処刑される可能性。実際ジェバ自身がどうなるかわからないがその予測は一つとして頭の片隅にあった。だが、ジェバはそれよりも最悪も考えていた。もし、自分がフィーナにとって不利益になる取引に使われる位なら、自ら命を絶ってフィーナを守らねばならない。女神を守る為ではなく、一人の娘を守る為に。自分の娘の為に命をかける。親なら普通の事だった。

 

『これを口と鼻に当てろ』

 

 暫く歩くと魔性の騎士が二枚の瑞々しい木の葉をジェバに差し出す。何事かと思ったが、蘇生された魔物意外、生命ある魔物達は皆起用に鼻や口を葉で覆っているのが見える。ルー達のそんな姿は特に可愛らしさを覚えるものだった。

 

『毒が噴出している所がある』

 

 毒の対策かと理解したジェバが言われた通り鼻と口を葉で覆うとその香りからロダの木の葉だと気がつくが、どうもゼピック村周辺の葉とは微妙に形や大きさが違う。恐らくこのプレシェス山に自生しているロダの木なのかもしれない。

 そのまま暫く有毒なガスの吹き上げる回廊を魔物達に運ばれながら抜けると、道が上り坂になっていくのを感じる。どうやら氷壁に出る道に入ったのだろう。ここまでくると魔性の騎士が葉をとっても良いと指示して、荷物からジェバに着せる為の厚手の服や毛布を取り出している。

 

「魔物にこんな気を使わせる人間なんて私位だね」

 

 もう既に困惑する事はなくなったジェバの言葉にヴァルキリーの一人が思わず苦笑してしまうが、甲冑で体全体を包む為か、その表情は伺い知れない。ただ

 

『アドル・クリスティンも似たようなものだ』

 

 こんな返事が返ってきた事に驚く。あの青年、氷壁やこんな灼熱地帯を通過するだけでなく、魔物にまで気を使わせるとはいったいどんな事をしたのだろうか? 考えようとしてジェバが冷気を感じて体を震わせる。どうやら噂の氷壁に出るのだろう。服を着込み、毛布で体を包むとルー達もその中に入り込んでくる。魔物なのに彼らから感じる体温の暖かさと毛並みの柔らかさに不思議とジェバが安心感を覚える。そんなジェバを運びながら雪の混じる風の中へと一向が歩みを進めていく。

 

 

 ラミアの村。氷壁を歩いて直ぐに見えた村はサルモンの神殿の目の前にある村であり、元々は神殿を守る騎士達の家族が小さいながら商店を営んでいたりと必需品を揃える為にあった村である。だが、年月が経ち、魔物がサルモンの神殿を制圧して以降、この村は常に魔物の襲撃に怯える村となった。移住も何度も提案があがった。だがこの浮遊大陸で人間の居住が出来る場所は限られている。そうでもなければ溶岩地帯にも、氷壁にも人は住まう事はない。結局襲撃に怯え、時折連れ攫われたり、襲撃で死人を出しながらも、ここで細々と生活をしていくしかなかった。

 

「極寒の強風に晒される地にも、業火に包まれる地にも人は住まう、か。

 意外と人間も逞しいものだね」

 

 ゼピック村との差に驚きながら、それでも人はこの幻の霊峰、プレシェス山に人は多く根付き、生活を続けていた。だがジェバはランスの村とも溶岩地帯の村とも違う印象をこの村に感じた。

 

「随分と静かだね」

 

 確かにこの地域は寒い。風もある為人が中々外で活動している光景を見ないという事もあるだろう。だが家々から生活の感じがまったく無かった。生気がまったく感じられないのだ。

 

ランスの村では女神と女神の剣士への憎悪

 

溶岩地帯の村ではアドルへの理解と、残虐な行為への疑問

 

 魔物に支配されてこそいるが、それでも人間達はそれぞれ考えていた。それが原動力となって独特な色というべきか、考えが見えていた。だがこの村ではそれがまったくないのだ。

 ルー達が降り積もった雪の中を駆けて遊びまわる光景にジェバが思わず顔を綻ばせるが、改めて周囲を見回すとこの生気の無さはやはり異常だった。

 

『日も大分落ちた。今日はここで一泊し明日出発する。

 世話役を用意するから休んでいろ』

 

 古代のイースの言葉で告げられてジェバが頷くと、椅子から降ろされてヴァルキリーが示す家へと向かう。この家もランスの村同様、一家全滅したのか生活した痕跡があれど、そのまま放置されて暫くたった様子である。当然とばかりにルー達は玄関で体についた雪を体を振って落とすと、次々と家の中に入っては輪になって体を寄せ合い体温を下げないように団子になっている。

 

「お前達は気楽でいいね」

 

 ジェバの言葉にルー達の耳が一斉に揺れる。人間の言葉を理解はしているのだろう。だが寒さにはかえられないと寄り添っている姿は可愛らしいものである。

 

「はいはい、お邪魔しますよ」

 

 閉じていた玄関の扉がヴェルキリーに開け放たれ、外套で体を包んだ娘がジェバの今日の宿に入ってくる。手にはお盆があり、料理の材料があった。後ろには魔物が薪の束を抱えている。。

 

「私はザレムよ。宜しくお婆さん」

 

 生気のないこの村の中で唯一と言って良い元気のある娘が家の中にはいると群れているルーの姿に目を白黒させる。

 

「お婆さん、妙なのに懐かれてるのね」

 

「そう悪い子達じゃないよ」

 

 ザレムに笑うとジェバが近くの椅子に腰掛ける。その横でザレムがテーブルに盆を置いて外套を脱ぐと、思っていた以上に薄着に驚く。

 

「そんな薄着で寒くないのかい?」

 

「若いからね。じゃ、まずは暖炉と釜に火を入れるからお婆さんは座ってて」

 

 プレシェス山には珍しく、大陸から渡ってきたと思わせる様なエキゾチックさを感じさせる娘。スタイルも良い。きっとこの村一番の人気の娘なのだろうとは思う。

 

「お婆さん、もしかしてアドルさんの知りあいのジェバさんかい?」

 

「知ってるのかい?」

 

「もちろんさ。あのお客さんには家の店を贔屓にして貰ってたからね。

 鎧の修理とかしている時の待ってる間に、地上の色々話をしてもらったよ」

 

 その時の事を思い出したのか、微笑むザレムが中々魅力的な娘に見える。何故薄着なのか少しわかった気もする。見事なプロポーションも人目を引くが、ただアドルの話をする時に楽しそうな、普通の娘の表情に、どこにいってもアドルは粉をかけているのかと頭がいたくなる。

 

「そうだったのかい。それにしても、ここの村はこんな感じなのかい?」

 

「ああ……まぁそうだねぇ。元々この村は神殿に近くて、魔物の襲撃も激しかったんだ。その上に女神様が魔物達に敗北してしまった……。

 妹神様は私達をお見捨てになられたし、姉神様は今では……」

 

 気になっていた青年がまさか妹神の想い人と思わなかったが、あの二人の幸せな表情を見ると、二人が結ばれた事は喜ばしいと思う。だが、その為に起きた事にザレムは心が重い。

 そして一番の問題は姉神の方だ。最後の希望となる姉神は妹神同様に苛烈な辱めを受け、対抗する気力も失っている。それを見せ付けられ、この村では完全に希望を失った死せる村となっていった。

 

「そんな事が……」

 

「ダレスって魔法使いがいやらしいやつでね。鏡を見れば女神様達が辱めを受けた時の光景を見れるようにしてるのさ。

 私達が対抗するのに女神様が必要だとわかってるのさ。助けようにも妹神様はもう私達に味方はしてくださらないと見せ付けてるのも大きいよ」

 

「味方しないって、妹神の方はどうなったんだい?」

 

「アドルさんが助けに入ってね。二人とも好き合ってお互いの気持ちを確認して、妹神様は想いを遂げられたよ。喜ばしい事だと思うよ。あんな状況から助け出されたんだし。

 ただ、その時にね・・・・・・。でも女神様があんな事をされて私達の為に戦ってくださるとは正直思えないよ。犯人と私達は違うけど、そんなのは女神様には関係がない話だしね」

 

 大よその話はわかっておりジェバが頷く。この村では他の村と違い、諦めているのだ。生きる事事態、女神の無残な敗北を見た。姉神が心折られた状況、フィーナが人間を見限って魔との戦いを止めてしまった事。そんな状態で生き残れるとは誰も考えてはいない。だが三つの村でこんなにも反応が違うというのは予想も出来なかったジェバである。

 

「妹神が人間に恋慕したり、結ばれるのはどう思うんだい?」

 

 気になった疑問をぶつけてみると、ザレムからはあっけらかんとした返事が返ってくる。

 

「私は女として、女神様が人を好きになってもいいし、結婚してもいいと思うわ。その代わり、相手が人間であるならば、ずっと女神の傍にいて人間と関係を極力絶ってくれれば揉め事もないだろうし。

 でも他の皆はそうじゃないと思うわ。まぁ、実際神様が色々手助けをしてくれるのなら、人生順風満帆。飢える事もなく、仕事しないでも生活できそうだし、ね?」

 

 冗談めかしの言葉。だが、一面の真実でもある。誰しもが楽をしたい。幸運でありたい。先の見えない世の中だからこそ、そう思うのは当然なのだ。

 

「さってと、私は料理を始めるから、おばあさんは暖炉に火を入れてくださいな」

 

 薪を所定の位置に置いた魔物が家を出たのを見てザレムが台所へと向かう。人間を表す様に各村々は統一した意思決定がなされておらず、していても女神とアドルに対しての憎悪といったマイナスの感情が多い。フィーナ達の陵辱されていた光景をわざわざ公開したのは、こういう事を狙ったものだろうと思う。

 だが何故魔物達が人間を皆殺しにせずに、この様な手を打ったのか、ジェバにはそれがまったく予想出来ずに不気味に感じながら暖炉に薪をくべると種火を入れる。少しずつ赤々と燃え上がる炎を見ながら、果たして自分は何故ここに連れてこられたのか、疑問が深まるのを感じていた。

作中(本編・番外編含)のフィーナのスケベシーンに関して

  • 和姦比率多いの方が良い
  • 凌辱の比率多い方が良い
  • もっと甘い内容の方が良い
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