バスを待っていると、ルビィの携帯が鳴ったの。
携帯を取り出し画面に視線を走らせると、ルビィはタメ息を衝きながら会話を始めたんだけど……。
「……ああ、私だ。 何かあったのか?」
え?
今、喋ってるのってルビィよね?
普段の雰囲気とは違い……冷たい……感情の無い低い声。
「仕事モードルビィちゃんずら」
「仕事モード?」
ズラ丸の言葉に、思わずおうむ返ししてしまったわ。
「解った……迎えを寄越して……もう来たか。 着いたら直ぐに取りかかる、準備を。……花丸ちゃんゴメンね……後、よっちゃんに説明を……」
私に振り向いたルビィは、何時もどうりで……。
「お任せずら!!」
其れだけ聞くと、ルビィはやって来た黒塗りの高級車に乗って行ってしまったの。
「どういうことなの? ズラ丸」
「本当の黒澤家の次期当主はルビィちゃんずら」
「ルビィの家って……内浦の元網元でしょ? 生徒会長が……お姉さんが居るじゃない?」
「ルビィちゃんが本妻さんとの娘ずら。だからお家の仕事を手伝ってるずら」
「ああ……成る程ね……」
ズラ丸の言葉から私は察してしまえた。
そう……ルビィも大変なのね……。
「って、何でズラ丸がそんな事知ってるのよ?」
「ルビィちゃん家は、マルの家のお寺の筆頭檀家ずら。 そんな訳で、所謂幼馴染みずら」
ドヤ顔してるんじゃないわよっ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お姉ちゃんったら……こんな簡単な事を失敗するなんて……。
全く、ポンコツなんだから……。
あ〜あっ。
ルビィの計画台無しだよぅ……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さあ、よっちゃん!! ルビィちゃんはお家の仕事だし、服を乾かすのにマルの家に行くずら♪」
「何でそんなに嬉しそうなのよっ!」
よっちゃんの手を取って、丁度来たバスに乗る。
マル達は濡れているので座れないから、よっちゃんは手摺に、マルはポールを掴んだんだ。
「その昂りも治めなきゃいけないしね♪」
チラッと、幾分か低くなったスカートの盛上がりに視線を向ける。
「ズラ丸! 此処バスの中よっ!! それとあんた、もっと自分を大事にしなさいよっ!!」
幾ら、マル達以外には運転手さんしかいないからって、声が大きいずら。
それと、やっぱり、よっちゃんはわかって無いずら!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「えっ!?」
私の言葉に、ズラ丸の目が点になる。
「えっ!? じゃないわよ!」
ああっ!!
もう、何なのよっ!!
「よっちゃんは誤解してるずら」
「誤解って?」
何を?
「マル……よっちゃんの事が大好きずら……」
「何よそれ……まさか、月が綺麗ですね。 なんて言わないわよね……」
「おお! よっちゃんって意外と読書家?」
「意外とって何よっ!!」
ズラ丸のくせにぃ〜!
「そのとうりって言ったら、どうするずら? いくらマルでも好きでもない人に、あんな恥ずかしい事見せないよ」
確かに。
そのとうり何だけど……。
う、嘘よね?
で、でも本当なら?
何時の間にやら、ズラ丸の最寄りの停留所に着いていて……。
「さあ、よっちゃん♪」
ズラ丸に手を引かれてバスを降りていたの。
私……。
どうすればいいのよ〜っ!