(いや、しかしルビィが本名だったとは……)
少し前の事を思い出して、車内で表情がくだける。
喫茶店を出て、ルビィちゃんマルちゃんを送ってる道中に……。
「マルは、国木田花丸っていいます♡ あの岬の上にある浦の星女学院の1年生ずら♪」
「ルビィは、黒澤ルビィですぅ♡ マルちゃんと同じ学校だよぉ♪」
生徒手帳を俺に差し出しながら、そう言ってきたのだ。
「おいおい、援交相手に本名明かしちゃまずいでしょうに……ルビィちゃんだって言ってたじゃないか」
「おじさんなら、大丈夫だよぉ♪ ルビィね、人を見る目はあるんだよぉ」
「マル、おじさんの名前知りたいずら♪」
「ああ、そうだね……(俺だけ知るのは良くないよな)……俺は、
「ルビィはあきらおじさんって呼ぶねぇ♡」
「マルは輝さんって呼びたいずら、いいですか?」
「すきに呼んでくれて良いよ。 俺は今までどうりに呼ぶね」
そんな話をしていたら、前に送った時に下ろした階段下に着いたのだが……。
「あっ、輝さん。 この先にある脇道を入ると境内傍の駐車場迄入れるずら……いいずら?」
マルちゃんの上目遣いで聞いてきた。
(全く……そんなに心配そうな表情しなくていいのに……)
「それじゃ、道案内宜しくねマルちゃん」
「お任せずら♡」
「む~っ! ルビィの家も直ぐ傍だから宜しくね、あきらおじさん♡」
マルちゃんばかり構っていたから、ルビィちゃんは頬を膨らませていたが、甘い声色でおねだりしてきたのだった。
「勿論、ルビィちゃんもね……行くよっ」
~~~~~
「マルちゃん、送って来てくれた方はどなたずら?」
家に入るとばーちゃんが唐突に聞いてきた……やっぱり、ばーちゃんには隠し事はできない。
「あの……春休みに東京でルビィちゃんとお世話になった叶輝さんずら……マルとルビィちゃんのあの事も話したよ……それでも優しかったずら」
「そうかい。そうかい。 なら、今度はご挨拶しないといけないずら……可愛い孫娘を宜しくと……」
ばーちゃんの言葉に頬が熱をもつのが分かる。
流石は、ばーちゃんずら……。
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「ルビィさん、送って来てくれた殿方は何方ですか?」
お母さんが玄関口で聞いてきたの。
「ルビィ達が東京に行った時にお世話になった叶輝さんだよ」
「ルビィさん、貴女は……また……」
お母さんの表情が曇る。
「あきらおじさんにはね、ルビィ達の事もちゃんと話したし……それでも、優しかったもんっ! だから、ルビィ……」
思わず声を荒げたルビィに一瞬驚いた顔をしたけど、お母さんはふう~っと息を吐くと……。
「ルビィさん……今度、正式に挨拶しませんといけませんね……」
お母さんの言葉にびっくりしちゃった。
まさか……認めてくれるなんて……。
「家の若い衆を全滅させたルビィさんが満足させられた御相手なのですからね……早めに確保しないと……」
お母さんには、あきらおじさんの事をちゃんと話すのは初めてなのに……ルビィの気持ちまでバレてるなんてぇ~~。