深夜の艦娘寮。その一室、月明かりの差し込む部屋に、断続的な粘性の音と雌の匂いを振り撒く少女が一人。
『ほらッ! イきなさい! 貴方がパパになるのよッ!!』
『やめっ、止めてくれ……! ああっ……♡』
部屋着のズボン、ショーツをずり下げてベッドに横向きに寝る少女──龍田。彼女はイヤホンを接続したスマートフォンを顔の真正面に寄せ、空いた手で秘所をまさぐっている。
指先で触れるのは、控えめに顔を出す
「ふっ……っ……」
びくり、と膝が曲げられる。肉の重みでぴっちりと閉じられている彼女のクレバスからは、滲み出るように溢れた愛液が腿へ垂れていく。
眼前で広がるのは、裸の男性を組み敷いて行為に及ぶ──
『大きくなってるわ♡ このまま射精して!』
『い、嫌だ……!』
「はぁ……っ!」
吐息を漏らしつつ画面を凝視する龍田の顔は、液晶の光に照らされ、欲情している様が良く見て取れる。微かに熱を持つ頬、額に滲む汗。……しかし、その目はどこか冷静さを帯びていた。
『イってしまう……! 頼む、離れてくれ!』
『ダーメ。 早くオスアクメを見せなさい!』
『ああ……くっ、もう……出るっ!』
男性の懇願は跳ね除けられ、破裂音を響かせながら激しく女性の腰が打ち付けられる。やがて、彼は身体を数瞬硬直させ……大きく跳ねた。
『あああっ! んぐっ! は──』
吐精しているのだろう、男性が声を震わせる。──が、ここで動画は一時停止。
「ここね……」
ボソリと呟くのは龍田の声。陰核への刺激はそのまま維持しつつ、動画のシークバーを30秒ほど前に巻き戻した。そして、再生。
『やめ、止めてくれ……! ああっ……♡』
「……」
男性が絶頂への兆候を示すシーンから再び視聴する。龍田の自慰が少しだけ勢いを増した。順調に性感が段階を昇って行き、水音がより空気を震わせる。
『ああ……くっ、もう……出るっ!』
「……っふ……!」
男性の言葉で更に興奮を増した彼女。太ももは力み、陰部全体から小さな肉芽へ痺れが集約されていく。
『あああっ! んぐっ! はあ! ああ……!』
そして訪れる、男性にとっては初、視聴する龍田にとっては二度目の絶頂のシーン。
彼の苦悶の表情。悩ましげな眉。野太い声が悦楽を訴える様を前に、龍田の腰も爆ぜる。
「んっ! はぁっ!」
びくっ、びくっ……目をぎゅっと閉じ、思考を侵食する快楽に震えて耐える龍田。その最中も、駄目押しのように人差し指と中指で蕾を擦る。
「んぅ〜……♡」
これが気持ちいいのだ。理性を手放しそうな、何とか留まりそうなぎりぎりで揺れる龍田だったが、やがて頂から降りるとその刺激も止まった。
「はあ……はあ……」
肩で息をしつつ、パタリ、とスマートフォンを倒す。視線の先には、離れたベッドの上で眠る天龍の顔。よかった、起きてない。絶頂の余韻に浸りながら、そうぼんやりと見つめていたが──
「ふぅ……」
深呼吸一つで落ち着きを取り戻し、むくりと彼女は起き上がる。イヤホンを外し、枕元に置かれた箱ティッシュから二、三枚をまとめて引き抜くと、慣れた手付きで糸を引く指先、濡れた股間、尻肉を拭う。控え目の陰毛にも絡んだ愛液に眉を顰めつつ、もう一枚も手元に足した。
ショーツとズボンと穿き直すと、ティッシュをゴミ箱へ投げ入れ、スプレー型の消臭剤をそこに吹きかける。窓を若干開けて海風で空気の入れ替えを促すと、箪笥から寝間着と替えの下着を取り出して廊下へと歩みを進めた。
「お風呂、お風呂……」
これが、龍田が自慰をする日のルーチン。
同室の天龍が寝静まった頃、事を済ませると……入浴し、就寝。週の半分はこの通りに秘部を濡らす。彼女のストレスを発散させる行為として、決して小さくない割合を占めているのである。
†
な〜んか、物足りないのよねぇ。
最近、いつも通り遠征任務を遂行する
というのも、自慰に満足出来なくて。天龍ちゃんの入れ知恵でその気持ち良さの虜になって以来、二日に一回くらいの頻度で繰り返しているけれど……ここ一週間くらい、何故だか作業の感が強くなってしまっている。
「はぁ……」
「ん? どうした、龍田?」
つい大きな溜め息をついてしまうと、隊列的に私の一つ前を駆ける天龍ちゃんがそれを拾って気遣ってくれた……もう遠征の帰路、おまけに彼女は旗艦を任されてヘトヘトの筈なのに。
そんな優しい姉の愛に、ちょっとだけ甘えちゃおうかしら。
「天龍ちゃんって、毎日オナ……自慰してるじゃない?」
「はっ……? なんだよ急に!? やめろよ! チビ共の前で……」
「あら? 天龍ちゃんが私に教えてくれたのに、質問もさせてくれないのかしら」
ぼっ、と顔面を真っ赤にする天龍ちゃんは、慌てて私達の後ろに続く駆逐艦へ目を向ける。弄り甲斐があるわぁ。
「天龍さんが龍田さんの手ほどきを……」
「それは誤解だからな電!」
生唾を飲み込む電ちゃんの視線が、天龍ちゃんの手と私の股間を行き来する。そんな中「Gって何?」と割り込んできたのは暁ちゃんだ。
「
「電もだろ!」
「なっ……け、経験あるもん! セックスセックスぅー!!」
「お前ら静かにしろぉぉ!」
収拾がつかなくなりかけたギリギリのラインで天龍ちゃんが声を張る。息も絶え絶えに私達を睨む彼女は、観念したように口を開いた。
「はあ……はあ……そうだよ。毎日ヤってるよ」
「だよね〜。友達と大浴場に行く10分前に、お手洗いでしてるんだよね?」
「あっおい! 何もそこまで言う必要は──……もういいよ。根掘り葉掘りオレのオナニー事情聞いて楽しいかよぉ」
「もぉ〜ごめんごめん、拗ねないで天龍ちゃん」
いけない、ついからかい過ぎちゃった。ふくれっ面でそっぽを向いちゃった彼女の視界に回り込みつつ、私はやっと本題に入る。
「でさ……天龍ちゃんは毎日スッキリ出来てる?」
「は? どういう事だよ」
本気の声色に気づいてくれたのか、ツンとした態度を解いて私と向き合う天龍ちゃん。
「最近、イっても物足りないというか、モヤモヤが残るのよ」
「い、イっ……ても、か。オレはそうなった事ないな」
「オーガズムを感じても……。あんなに気持ちいいのにですか?」
顔を赤らめてちょっと口ごもる天龍ちゃんと、スパッと発する電ちゃんの対比が少し面白い。絶対に口には出さないけれど。
「うん……気持ちいいのは気持ちいいのだけど……」
「あ、分かったかもしれないのです」
そんな中、さながら某少年探偵のように鋭い顔で顎に手を当てていた電ちゃんが何かを閃く。そのままこちらを振り向いた。
「天龍さん、この間自分のフェチを、"コンドームをつけたおちんちん"って言ってましたよね」
「ぶっ! ……んあぁ、あの時は深夜のテンションで口を滑らしちまったんだ……そうだよ。悪いかよ」
「悪いなんて言ってないのです。つまり
確かに以前、ゴムが好きと言ってたっけ。「オレを弄りたいだけだろ!? そうなんだろ!?」と騒ぐ天龍ちゃんを尻目に、電ちゃんは続ける。
「どうどう。推理ショーは順序が大切なのです。……で、龍田さんはイキ顔と言っていました」
「ええ、そうね」
「
……え、何? 私、フェチを否定されたのかしら。
「ひっ……か、勘違いしないで欲しいのですが、イキ顔は電だって大好物なのです」
少し後ずさる電ちゃん。いけない、恐い顔をしていたわ。
「ただ、龍田さんの好きな"イキ顔"っていうのは、女なら誰でもオカズにする類のものなのですよ。つまり、電に言わせれば──
「どういう意味だ? まあオレだってそれにはそそられるけどよ」
「電は男を快感で泣き喚かせるのが好き。天龍さんは穏やかな愛のあるセックス。これは中々に解り合えません。でも、イキ顔は二人とも通じている。……尖っていないのです、イキ顔は」
ハテナを浮かべるのは私だけじゃなかったみたい。天龍ちゃんも彼女に問いかける……が、直後に天龍ちゃんはその膝を叩くことになる。
「例えるなら、性癖を
「ん? ……っあぁ〜〜〜〜っ!! そういうことか! なるほど!!」
突然大声を上げて納得する彼女。でもごめんなさい、全然分からない。
「だっからよ龍田、お前は自分の本当のフェチを知らない可能性があんだよ」
「私の、本当の……?」
「はい。もっと自分にあった性癖を見つけられていないせいで、気持ちはいいけど心が満たされなくなっているのです」
電ちゃんは続ける。
「自分との対話で、性癖の
「見つけるって言っても……」
「多分龍田は業者が制作したまともなAVしか見て無いんだろ。適当なサイトのURLを後で貼っとくぜ」
「あ、ありがとう……?」
そうと決まれば、と天龍ちゃんが戦速を最大に引き上げる。そのお陰もあって、帰投したのは夕食の前。こうして、私の性癖探しは始まった。
食事を済ませ、私と天龍ちゃんも自室でくつろいでいた。もうそろそろ消灯時間というところで、天井の照明は切っている。
天龍ちゃんがメッセージアプリで送信したリンクをタップし、アダルトサイトへ足を踏み入れる。数々の動画のサムネイルの下に、少し怪しい日本語で説明が書かれていた。
「海外のサイトだけど、日本の動画もたくさん載ってんだぜ」
にしし、と笑う天龍ちゃん。もう入浴(と自慰)を済ませた彼女は、私がベッドの上でぺたりと座る様を見ていた。
「ありがとう。色々探してみるわね」
「おう。んじゃ、ごゆっくり〜」
彼女は私の様子に満足すると、枕元の照明も消し、ベッドへ潜る。
「……」
つつ、と適当にスワイプしつつサムネイルを眺める私。
性癖、かぁ……。自分で分からない以上、このデータの海から見つけ出すしか無いとしても、余りにも骨が折れる作業のような気がしてならない。
取り敢えず見てみようかしら。そう思い立ってサムネイルを開いていく。
和漢モノ、時間停止モノ、陵辱モノ……。色々と渡り歩くものの、一向に琴線に触れる動画に出会わない。
そんな中、一つの動画が目についた。
「"自撮りオナニー"……」
サムネイルを上下に貫く浅黒い棒。その圧倒的なインパクトにつられた私は、思わず動画のページへ飛んだ。
ところで、自撮りって何かしら?
†
『……ん、撮れてますか……?』
……え? え?
暗転した画面、ガサゴソと端末を弄る音。しばらくすると、質素な部屋とベッド、そこに腰掛ける青年の姿が映された。マスクで半分は隠れているものの、顔はそこまで悪くなさそう。
画質が少し粗い。今までしっかりとしたサイトで動画を購入・視聴していた私にとっては、これも新鮮に映った。
「あ、自撮りってそういう……」
アマチュアの投稿動画なのね。やっと意味を理解しつつ、男性の次のアクションを待つ。
『それじゃ……』
おもむろにチャックを下ろし、しなやかな指で中から秘部を導き出した。
「……っ!!」
現れたのは、
「……!」
言葉を失った。だって、今まで利用していた動画は、ただの一つだってモザイクの無いものは存在しなかったから。規制だか何だかで、ピンクと肌色の組み合せとしか認識していなかったそれ。
今までだってもちろん生で見たいと思うこともあったけど、法律だからと諦めていた。
その規制を、さも当たり前かのように無視した動画が目の前で再生されている。
「はっ……はっ……」
『誰かに見られてると思うと、興奮するな……』
シームレスという言葉でしか表現できないような滑らかさで、彼の海綿体が大きくなっていく。血が通っていくのが見て取れる。まず茎部が怠そうに立ち上がり、真っ赤な先端も張りを得る。
『触るね……』
青年の手が竿を握り、ゆっくりと上下する。血流を促すような手付きで表面を撫でるそれ。更に怒張を増していく、おちんちん。
「……」
ゴクリ、と生唾を飲み込み、私は股間に手を伸ばした。興奮の度合いが今までと違う。もういつものように横になるのも、ズボンを下ろすのももどかしい。下着の隙間から手を差し入れ、茂みの下へ滑らせると柔らかな肉を揉む。
だ、駄目……。まだ天龍ちゃん、絶対寝てない。気を使って向こうを向いてくれているのだけど、きっと
ほんの少しの理性が訴える。けど、もう無理。熱を持った私のあそこから滲む、普段より粘り気のある液体が指先に絡む。止められない。
『あ、気持ちよくなってきた……』
彼の手の勢いが増す。もうすっかり剛直と呼べるような形になったおちんちん。
「ふっ……!」
それを眺めながら、私は
『んっ……』
しゅっしゅっしゅっ──
「はぁっ……っ!」
──くにっ、くりゅ、くりゅっ。
陰茎を扱くリズムと、お豆を圧迫するリズムが合致する。き、気持いい……。この人も、私と同じような快感がお股に走っているんだろうか、そう考えるや否や
とそこで、青年が思い出したかのようにカメラを見つめる。
『あ、ごめん。遠かったよね』
火照った顔で艷やかに笑いながら、手がこちらに伸びる。録画機器が移されたのは、彼の腿と腿の間。……おちんちんの真下。
「……っ!!」
『ここでいい?』
画質が粗かろうが、ここまで近づけばそんなのは些細なもの。少し湿った先っぽの割れ目、そこから伸びる赤い筋、若干余り気味の肌色の皮──おちんちんの全てが私の目に飛び込んでくる。
やばっ……やばい……!!
その何もかもを初めて見る私には刺激が強過ぎた。暴れる指、背筋を駆け上がる電流。もう鼠径部が痺れを訴えている。最中、抑えの利かない指が勢いよく私のお豆を弾いた。
──ぺちり。
「んあっ……っ! っ!」
駄目! 声、抑え──っ!
スマホを手放し口を抑える。漏れそうになる声を喉元で殺しながら指先で割れ目の甘い収縮を感じ取った。
……か、軽くイっちゃった。おちんちん、見ただけなのに。
ちょっとだけの絶頂に落ち着きを取り戻し──たのは、私の頭だけ。お股を弄る指はまた刺激を始め、手放した先で再生され続ける動画に再び目を落とす。ベッドに片手をついて、覗き込むような格好。
『ほら、分かる? もう……イくかも……』
鈴口から垂れた汁が上下する彼の手によって引き伸ばされ、てらてらと光る。私は荒れた息を整える事すらできずにそれに魅入った。
そして、気付く。
竿と先端を繋ぐように走る筋。そこへ繋がるように伸びる皮の肌色と、亀頭の赤色──その
「あ……あっ……」
──どくん。心臓が大きく鳴る。理由は分からない。分からないけれど、目が離せない。目が離れない。
まるで材質が違うかのような棒と肉。けれど、引き伸ばされた皮はその2つの色合いを併せ持ち、下から見れば肌色から赤、上から見れば赤から肌色と自然な階調を見せる。
こ、こんなの……なんでこんな……!
指の先──クリトリスの硬さが増した。びくりと震えるそれを中指で上に引っ張れば、包む皮から目一杯顔を出す。我慢ならなくて、直接指で押しつぶした。
「うぅっ!」
普段ならこんな弄り方、絶対しない。刺激が強すぎるから。でも今は、これでも頭の中の沸騰に快感が追いついてこなかった。
止めどなく溢れてショーツを濡らす液を掬って、上に擦り付ける。でろんと撫でるように指の腹で触れても、敏感に感じ取ったお豆がチリチリとした刺激に変換して脳髄を焼く。
もう青年の悩ましげな表情なんて眼中になかった。きゅうっと寄せられる睾丸より、びくりと跳ねるおちんちんより、皮の境目。肌色と赤。
「はあっ! っうぅんっ! 無理、無理い……!」
声を抑える余裕がない。身体を支えていた腕から力が抜け、肘をつく形になる。もう画面も見ず、ひたすらに腰からの快感に震える。
「い、イく、また……!」
て、天龍ちゃんに聞こえちゃう。どれだけ声が漏れたって、イってる時のそれだけは絶対に聞かれたくない。
焼かれるように熱いお豆の先っぽに私の意識が侵されていく。背筋を走っていた痺れは今や下腹の、
「イっ、ううぅ……!」
歯を噛み合わせて耐える。イく、イくっ──!
あ────
「──ゔゔっ! ん゛っ! んぐっ!」
溜めに溜めた性感が、暴力的に腰から全身へ拡がった。
意識が吹き飛ばされそうな快楽に、思わず腹筋に力が入る。ベッドに顔を埋めたまま背筋をくの字に曲げて、何度も訪れる波に跳ねる身体を抑え込んだ。
「ゔゔゔ〜〜っ!」
シーツを握り込む手、力む腿とふくらはぎ。 軋むベッドの音。
な、長っ……! まだイくの? ああ──
視界が真っ白なのか、真っ黒なのか分からない。脳裏に動画の光景がちらつく度に新たな絶頂へ押し上げられる。
口端から涎が垂れていた。ベッドのシーツに染み込んでいるのはこれか、それとも愛液なのか。私にはもう考える力は無い。
「ゔっ……はあ……はあ……」
何秒か何分か。時間間隔も無くなった頃、ようやく頂から降りた私。ずるっ、とお股に伸びていた手を抜く。その際にほんの少しクリに触れた刺激でまた腰を震わせながら、私はベッドにうつ伏せになった。
や、ヤバかったぁ……♡
電ちゃんの言ってた通り、私の性癖ってイキ顔じゃなかったみたい。私の本当のそれは……おちんちんの……。
そこまで思考したところで、また身体の奥が疼き出す。でも、もう今日は無理。……眠い……あ、お風呂……入らな……いと──。
†
「おい龍田、龍田! ……ったくどうしたもんかな……」
困り顔で頭を搔く天龍が見下ろしているのは、もう起床の時間だというのに、幸せそうな顔で寝息を立てる龍田の姿。朝日が差し込む部屋、彼女の指先には粘性の糸がきらめいている。
昨夜、冗談めかして「ごゆっくり〜」という言葉を妹に贈ったのだが……まさか直後に獣のようなうめき声を上げて自慰を始めるとは思ってもいなかった。
その一部始終を耳にしてしまった天龍。痴態を思い出すと、同性とて、姉妹とて流石に恥ずかしいというもの。
「おーい、起きろって……」
「ん、ん……」
正直、顔を合わせるのも気まずさを拭えない。そんな気持ちから控えめに肩を揺すっていると、当の彼女が薄っすらと目を開ける。
「
「え? えっ……どうしたよ」
寝ぼけているのか、幼い頃の呼び名で天龍を見る。
「ふぇち、見つけた……」
「……は?」
そんな彼女から、口調に全くもってそぐわない内容が飛び出した。
「ちんちんの……
「……あ、そう……」
……
…………
………………こいつ、睫毛長いな……。
唐突に開示された龍田の真の性癖を前にして──現実逃避しか、天龍には手立てが無かった。
性癖の核心を掴んだ龍田さんのお話でした。
しかし龍田さんが動画で興奮している間に、鳳翔さんは提督のグラデーションを目にしている(前話参照)という格差社会。
……ただの官能小説となってしまいました……。新たな扉を開いた龍田さんの日常を補完する形で、後日続きを書くかもしれません。