※この作品はR-18です。

げすぶるっ!   作:有機なす

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01話:プロローグ 旅の始まり

 

「はぁ……どこで人生間違えましたかね」

 

 港の桟橋の端に座り、薬草と香草を摘めたパイプの先から薬臭い風を吹き出した。

 港といっても海では無い。

 こっちに来てから池とか湖くらいしか見ていません。

 港といってもただの船ではなく、空を飛ぶ飛空挺が集まる桟橋です。

 足下は風が渦巻く空が広がっている。空の底がどこまでも広がっている光景はスリルを駆り立てる……と思うのですが、いい加減慣れました。

 海と違って落ちたらそれまでですが、海との違いはその程度です。

 

 ごろんと桟橋に寝そべりながら、今ポートブリーズの港で出港準備をしているのは、ティアマト騒ぎの時に帝国軍からパチ…もとい、徴発した中型の貨物飛空挺『タロス』。

 その出航準備に忙しく荷物を運んでいる湾口労働者の方々を眺めていました。

 

 

「んー………お姉さんの見るところ、12歳の時くらいじゃない?」

 

 鈴の音が転がるような声でくすくすと笑うのは、黒い魔女服に身を包んだ豊満な肉体を持つ女性、マギサさん。一応副団長です。

 大胆なスリットこそ入っているものの、ロングスカートなので寝転んで見ても幸せな禁断の領域は見えそうにありません。

 

「あ゛ー………やっぱりその辺ですか」

 

「なぁに、人生なんてすぐに間違えるものです。元に戻す苦労を笑える人と笑えない人がいるだけですよ」

 

 ケラケラと笑っているのは医務官兼操舵士のシャオさん。

 旅商人にしか見えないし、一見人の良さそうな人に見えますが色々と融通が利く上に、本人は不慣れと言っていますが操舵士―――飛行艇のパイロット―――までこなす器用な人です。

 ピンと尖った獣耳につい手が伸びそうになりますが……

 

「あれは男、男の獣耳なので手を出しません。どうせ出すなら女の子の獣耳に手を出します」

 

「声に出てますって、失礼だなぁ。こんなお手入れをしてある自慢の耳なのに」

 

「なら私に触られて嬉しいですか?」

 

「ヤだな、男に触られるなんて寒気がしますね」

 

「「ハハハハハ」」

 

 のんびりとした、かつ丁寧な口調なのにお互い毒を仕込んだ会話ができる貴重な人です。

 

 

 

「さて、私達の騎空団『紅空』の目的を再確認しますか」

 

「ええ」「はい」

 

「うちのケダモノ娘ことジータが率いる騎空団『蒼穹』の裏仕事、汚れ役、その他影仕事全般。ただしその分お給料が良いので期待してください」

 

「まぁ、私みたいな魔女には今更よね」

 

「私も似たようなものですね。手を汚す覚悟がないと薬師なんてできません」

 

 頷くマギサさんとシャオさん。『蒼穹』からこっちに回されてきた納得の人選です。

 

「では最初のお仕事です。今ポートブリーズの港町にいる……種族がクリスなんちゃらのリリィさん。この方をとても素直な、私達のお仕事を素直に手伝ってくれる仲間にします」

 

 手にした似顔絵付きの絵をひらりと見せながら説明すると、2人の瞳が若干曇る。

 マギサさんは嫌悪と諦観。シャオさんは憐憫でしょうか。

 

「最初から酷い仕事ねぇ。誰が誑かすの?」

 

「私が誑かしますが、とりあえず連れ込んでここの港を出発。後はバルツ公国に行くまでの旅路の中で『説得』する方針です」

 

「ヤダヤダ、悪事を聞いていると心が病んでしまいそうですね。で、私の薬は入り用ですか?」

 

「これが必要な分の処方です。準備しておいてくださいね」

 

 傷薬に火傷の治療薬、睡眠薬に媚薬と言った薬品が書かれたリストをシャオさんに渡します。

 

「ではお二人は夕方までに出航の準備を進めておいて下さい。私達の初仕事です」

 

 

 

 

 さて、世間知らずな女の子一人誑かすなんて慣れたもの。

 あまりにチョロかったので、どんな流れだったかダイジェストでお送りします。

 

「こんにちはお嬢さん、何をお探しですか?」

 

「こんにちは、おねえさん! リリィは暖かい人を探してるの!」

 

「暖かい人ですか、心当たりは無いですが良かったらご飯でもどうですか。おなか空いているのは寂しいですよ」

 

「あう……でもお金があんまりないの」

 

「ごちそうしますよ。お仕事でお金が入った所ですし、お嬢さんみたいな子を放っておいたら心が痛みます」

 

 

「……すぅ」

 

「口当たりの良いレディキラーとはいえ、本当に無防備に飲みますね、この子………」

 

 

 

 

 お食事を奢って、ついでにジュースのような口当たりのカクテルを飲ませて酔いつぶした所をお持ち帰りしました。

 

 この子を裏で使えると色々便利そうですし、初仕事を頑張りましょう。

 

 

 

 ―――そして、初仕事に行く前に少し自己紹介と回想をさせて頂きます。

 

 

 私は騎空団『紅空』の団長クレハと申します。

 

 種族はヒューマン、外見は「その見た目で男とか詐欺」と良く言われます。

 背丈は幼馴染みのジータより若干低い程度、筋肉がつきにくい体質らしく、私の方が線が細いくらいですね。

 長い黒髪を後ろで一つに縛り、腰に小剣を二本下げているせいで「剣士風の女性騎空士」によく間違えられます。

 まぁ、都合が良いのであえて間違いを否定しない事も多いのですが。

 

 さてさて、どうして私がこんな所で汚れ仕事の騎空団の団長になったのか、シャオさんに近い丁寧語ばかり使っているのか、少し長いけど回想させて頂きます。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 「前」の私は男で、大学生……か社会人なりたて位だったと思います。

 多分住所は日本の関東地方ですね。

 

 曖昧なのは簡便して下さい。

 こっちの世界に来てから20年近く経っているのもありますし、固有名詞や地名といったものが特に記憶から欠落しているんです。

 

 日本国憲法や、遊んだ事があるんだろうエロゲのシナリオなら今でも口にできるんですけどね?

 

 そんな私は、ある日気がついたら「この世界」の子供の体になっていました。

 思わず股間にモノがついているかどうか確認して、あった事に少しホッとしたのを良く覚えています。

 

 この世界の 第一印象は……うん「衛生的じゃない」でした。

 染めてない麻のような質素な布の服、体は垢っぽくて髪は油染みていました。

 「自分の事を思い出す」と、風呂なんて高級品は村に無く、二週間前に近くの池で水浴びをしたのが最後、髪の毛に至っては洗った記憶が無い状態でした。

 

 しっかりと「自分」を認識した私は近くの池に飛び込んで全身をくまなく洗うのが、この世界での2番目の記憶です。

 

 我が家には田舎の村にしては立派に誕生日なんて習慣があったので、誕生日に風呂に使う大きめの桶と石鹸と洗剤を要求したら、『こっち』の両親に変な顔をされました。

 

 

 村には魔法を使える大人もいたし、西洋ファンタジーっぽい世界に来たなら普通は喜ぶ所なのでしょう。

 けど、もしこれが転生というものなら、私は前世の私を小一時間どころか半年くらいは問い詰めたかったです。

 記憶を持ったまま転生するなら、せめて産業革命後の先進国にしておきなさいと。

 

 日本人の綺麗好きは生まれ変わってもそのままでした。

 

 

 

 そのままならきれい好きの村人その1で終わっていたのでしょう。

 私の人生に大きな変化を訪れるきっかけが8歳の時に起きました。

 

 村人達が協力して育てていた身寄りの無い子供、前の里親が足を悪くしてうちで預かる事になった少女の姿を見て私は固まりました。

 赤いヘアバンドをつけた明るい金髪の子供、周囲の大人はその子の事を「ジータ」と呼んでいました。

 

 

 その時、私は崩れ落ちそうになりました。

 空を船っぽいものがたまに飛んでいる魔物のいるファンタジー世界だと思っていましたが、彼女が主役の物語―――あるいはゲームのタイトル「グランブルーファンタジー」を思い出したのです。

 

 彼女とあまり関わらなければ村人その1でいられるか。

 彼女が出て行った後に外に行けば、彼女の物語に巻き込まれず冒険もできるかもしれない。なんて甘い考えをしていたのですが。

 

 彼女―――当時は幼女だったジータにがっつり懐かれました。

 まだ物心つく前だったのでしょうか、私の事を「おにいちゃん」と呼んで、抱きついたり、顔をすりつけたりしながら「いいにおい」と日だまりみたいな笑顔を浮かべてくれました。

 

 ええ、あれは卑怯です。ただでさえ「前」はロリ系も好きだったのに、こんな天使みたいな幼女に懐かれて、冷たく引き離せる訳もありません。

 空飛ぶトカゲが何か言ってましたが正直記憶にありません。

 あの頃は天使のような幼女を愛でた幸せな記憶で隙間無く埋まっています。

 

 朝ベッドに潜り込んでくる、食事も散歩も一緒にしたがる、その際には食べさせて貰いたいとか手を繋ぎたいとかわいらしいわがままを言う、一緒に掃除洗濯をすると私にべったりでした。

 ……あの子に武術を教えるのだと言われて、離れたがらないために、私まで一緒に武術の稽古をやるはめになりましたが。

 

 

 ただ、あの頃から鱗片はあったのです。

 ゲームでは村にいる頃の「ジータ」は武装こそしているものの、ピンク色のかわいらしいドレスアーマーを着ているはず。

 それに基本色の「ファイター」で、剣や斧を使うはずだったのですが。

 こちらのジータは薄着のドレスに短剣の二刀流、そして投げナイフや仕込みナイフを使ってました。

 後から思えば、最初から華麗な外見の下に幾つもの凶器を隠している「アサシン」だったのでしょうね……

 

 

 そしてマギサさんに「視られた」通り、12歳の時にその後の人生を決める事件が起きました。

 

 事件の前から「お兄ちゃんは可愛いからお化粧をしないと」とか「私と一緒にダイエット、お兄ちゃんのここのお肉落とすの」とか予兆はあったのですが。

 

 あれは私が12歳の時、ジータの誕生日プレゼントを悩んで悩んでいた時の事です。

 

「ジータ、今度の誕生日プレゼントは何が良い?」

 

「うーん、何にしよう。どのくらいお願いしていいの?」

 

「僕にできる範囲なら何でもいいよ。一年に一度の事だしね」

 

 ……ええ、この言葉がうかつでした。タイムマシンとかどこかにないでしょうか。

 

「ほんと!? じゃぁ―――お兄ちゃんの童貞が欲しいな♪」

 

 天使の笑みでジータが言った言葉、最初は理解できませんでした。

 

「そっか、どう…………………えっ?」

 

 いいですか、私が12歳の時です。その時に5歳下の幼女にこんな言葉を言われて混乱しない訳がありません。

 そのまま訓練の成果が生かされた動きで、服を使って私の手首と手足を縛り、逆レイプされました。

 ケダモノの目とメスの顔をした幼女とか見たくなかったです。ちょっとファンタジーのジャンルが違うんじゃないですかね?

 

 それから長い間、私はジータの性欲処理に使われる生活を送る事になります。

 家族での食事中にズボンの中に手を突っ込まれて弄られるとか、一緒に寝ると延々とディープなキスで嬲られた後、起たなくなるまで絞られるとか。

 さらに服装も女の子っぽいものにされ、男の娘へ徐々に改造されていきました。

 

 私も抵抗しようとしたのですが、そのたびに。

 

「言う事聞かないと、避妊薬飲まないでパパにしちゃうぞ♪」

 

 ……と、言われて抵抗できず、されるがままになってました。

 

 今から思えば、いっそ孕ましてしまった方が色々な所への被害が少なかったんじゃないかと思います。

 

 この丁寧語も「私」という一人称もあの頃のジータによって作られたものです。

 もう治せる気がしません。

 

 一番怖い所はジータは私のように「前世」の記憶の類いは持って無く、天然でやらかしてくれたという事でしょうか。恐ろしい幼女です。

 

 

 

 

 ジータがある程度大きくなってきたら、今度は色々な女性を口説いて抱くことになりました。

 ……ジータの命令で。

 

 猟師のリーダーをしている村でも発言力の高いおじさんの幼妻とか、村長さんの一人娘とか、同世代でも発言力がある村の子とか片っ端からです。

 

 本当の家族という後ろ盾がいない寂しさがあったので……いや無理がありますよね。というかそんな可愛さとかあったらもう少し私の境遇がマシに……おっと。

 失礼。きっと寂しさから村に居場所が欲しかったのでしょう。

 ジータを擁護する人脈を増やすのにジゴロの真似をさせられました。

 

 自分の命令で他の女の子を抱かせるというのに、誰かを抱かせた後は必ず「上書き」と言って抱き直すのだから、女の子の理論はわかりません。

 乙女心から来る嫉妬心? そんな可愛いものは存在しないでしょう。

 

 

 

 

 

 だから運命のあの日、グランブルーファンタジーというゲームのプロローグ。

 空からルリアという名の少女が落ちてきた時。

 

 蒼い髪の少女は私にとって救世主にしか見えませんでした。

 

 早くこのケダモノを引き取って…! と

 

 

 

 まあ、ゲームシナリオ通り帝国と戦ったり、ジータが死にかけたりというイベントを消化した後、私まで一緒に旅立つことになるのですが。

 やはり帝国兵を3ダースほど始末したのはまずかったようです。

 

 

 

 

 ポートブリーズ諸島で夢に挫折した騎空士と出会ったり、星晶獣ティアマトと戦うのはシナリオ通りでした。

 いいですね、シナリオ通りって。

 

 特に夜間、性獣ジータの餌食になるのはもっぱらカタリナさんらしく、たまに嬌声が聞こえてきますが聞こえないふりをしていました。

 ぐっすり眠れるとはなんと素晴らしい事でしょうか。

 

 

 そして運命の旅立ちの日、ポートブリーズの港から旅立つグランサイファーを見送っていました。

 

 

 ジータは自分の騎空団を立ち上げて。

 私は裏仕事に向いてそうな2人と一緒に、ジータの騎空団をサポートする裏仕事専門の騎空団を立ち上げる事になったのです。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

オリジナルキャラステータス

 

レアリティ:- 【飛剣】クレハ  LV42/80

属性:主人公の属性に従う  ヒューマン ☆特殊タイプ

 

奥義:サイレントアサシン+

属性ダメージ(特大)/敵の(自)属性防御力中ダウン/防御力中ダウン/+で魅了効果

 

アビリティ1:ピュア・フェイス CT:8→7

敵単体に攻撃/防御ダウン(中)・魅了効果を誘惑効果に置き換える/+で攻撃/防御ダウン(大)

 

アビリティ2:ポイズンニードル CT:4→3

敵単体に毒効果/敵単体の毒効果を猛毒効果に置き換える/+で猛毒効果を石化効果に置き換える。効果時間180秒

 

アビリティ3:マリオネット・コマンド CT:6→5

味方全体(女性のみ)の精神系デバフを解除。

 

サポートアビリティ:壊された人形

自分及び敵全体の弱体耐性ダウン(大)

 

 

 

とある過激な月刊レディースコミック雑誌とのタイアップキャラクター。3年以上の定期購読を申し込むとシリアルコードを入手できた。それ以外の入手方法は現在の所無い。

あまりに過激な内容のためにわずか1年で廃刊に追い込まれ、現在は入手不可能。

アビリティ2とサポートアビリティが設定ミスとしか思えない壊れ性能で、極希にマルチプレイで猛威を震うが、所有者があまりにも少ないのでまず見かける事は無い。

また、フェイトエピソードを見る場合は年齢認証が必須。タイアップした雑誌から察しよう。

もしシリアルコードを入手できたら、プロフィールからジータちゃんに切り替えてフェイトエピソード見てあげよう。お兄さんとの約束だぞ。

 コメント>だが断る、あえてグランで見るのが通よ!

      >腐ってやがる……遅すぎたんだ。

       >いやレベルの高い男の娘だからこれはこれでイイ…

        >きくうしさまの(何とは言わないが)レベルが高すぎる件について。

 

 




捏造設定:シャオさんに操舵士技能
ラカムっさん以外できる人がいなかった…

捏造設定:騎空団の名前
デフォルトだと自分で名前つけるタイプですので…!
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