「起きた?」
「ん……」
ベッドから体を起こすと、エプロンを付けた紗季がいた。どうやらお昼になっているようで、作ってきたのか今から作るのかはわからないけど。
それはそうと寝る前にいたずらでブラをはずしたまんまだっけ。なんか違和感あると思った。
「っお姉ちゃん!?」
「ん、何?」
服を脱いでブラをつけ直そうとしたら何故か顔を赤くした紗季がいた。なんで? エロイ子と思ってたけどここまで初心だったかな、この子。
気にせずブラをつけ直して服を着る。
「前みたいにセックスしたとか言わないの?」
「……言って欲しいの?」
「ざーんねん。言ってくれればシたのに」
試しにそう返すと心底惜しそうな顔をされた。そんなにシたかったのか、この子は。
「お姉ちゃんのいじわる」
「しばらくは一人エッチで我慢ね」
「……」
顔を赤くした紗季はそのまま下に降りて行った。もう、かわいいなぁ。
まあ、ベッドにあのまま押し倒されてキスでもされてたらシてたかもしれないけど、やっぱ妹だしね。
服を綺麗に着直して下に降りるとエプロンを着けてお昼の支度をしてる紗季がいた。やることもないからソファに座ると、テーブルの上にプリントが1枚。
「……3者面談?」
「んー、今度あるんだけど……」
「んー」
明日か。休みだし、ちょうどいいかな。
「普段から姉にセックスしたいとか言ってくる妹がどんなものか、見ものね」
「したいんだからしかたないでしょ。させてよ」
「さっきタイミングのがしたクセに~」
「……襲えばいいの?」
「バカな事言ってないで手元」
恨めしそうにフライパンに目を落とした紗季。あんまりにも言うようだったら前戯定度くらいなら……んー。
でも歯止め絶対効かないよね、この子。
「ねえ紗季、気持ちよかったからシてそのまま寝たんだと思うけど、アレ奥までいれたの?」
「え? あっ」
紗季にあげたのはカプセル型じゃなくてディルド型だから奥までいれようと思えばいれられるタイプ。でもいれたとなれば処女膜破ってるって事だし……んー。あとでカプセル型の方に渡しなおそうかな?
「……奥までいれてない」
「じゃあ途中まではいれたんだ。ねえ、あって何?」
「う、ん……調味料の量間違えた」
途中まで、ね。
欲望にはある程度忠実っぽいから、近いうちに全部いれちゃうんだろうなぁ。んー。
「お、お姉ちゃんは……いれた、の?」
「うん。その方が気持ちいいし」
奥にすりつけるように動かして、クリにもグリグリ押し当てて……セックスもいいけど、1人でするのも気持ちいい。
というか、茉莉みたいに研修で社長に散らされたんだけど。
紗季は紗季で黙々と料理してるけど、多分顔赤いんだろうなぁ。
「……ねえ、お姉ちゃん」
「なに?」
「バイブ……奥までいれてって言ったら、いれてくれる?」
「やだ」
「ケチ」
「妹の自慰を手伝う姉がどこにいるのよ」
サイトとかバイブはあげたとしても、そこから先は紗季自身が好きにするとこだし。
「じゃあセックス」
「だーめ。機会はもう逃してるでしょ」
「もう、生殺しじゃない」
皿に盛った炒飯を持ってきた紗季。うちの昼食の定番でもある炒飯。でもさっき調味料の量間違えたとか言ってたっけ。
「機会逃してなかったら、させてくれたの?」
「まあ、一応」
寝込み襲われる危機とかになったら嫌だし、そこまでシたいならって感じかな。でも妹相手かー……。
「むー……じゃあ、キスとかならいい?」
「そこまでしてシたいの?」
「うん」
キス、か。
んー……まあ、大丈夫かな?
「したい?」
「うん、したい」
キラキラとした目でしたいって返って来た。そこまでキスしたいのか、この子は……。
「ちなみに男相手とかは――」
「やだ、気持ち悪い。男相手とか気持ち悪い。絶対にやだ」
「ねえ、将来結婚とかは?」
「しない。主婦になる。お姉ちゃん専属の主婦になる」
「専属って何よ、専属って……」
男とヤるつもりはないけど、子供だけは欲しいからなぁ。種なしの社長とか鏡香はともかく、やっぱ椎奈かな……体外受精する分においては妊娠は出来るって言ってたし、精液自体も濃いらしいからシ続けたら出来そう。体外受精よりセックスして自然妊娠したいし出来るまで椎奈とシ続けようか……。
そうなると紗季の主婦の話は手間になるんだけども。
「まあいいや、おいで」
「うん」
正面に座っていた紗季が横にきて、そのまま抱きよせてキス。
唇の感触を楽しむように優しく触れるようなキス。
「はい、おしまい。冷めちゃうから食べようか」
「う、ん……お姉ちゃんの唇、柔らかいね」
顔を真っ赤にさせた紗季がちまちまと炒飯を食べだした。女子高とかならノリでしそうなレベルのキスだったのに、ここまで赤くなるのか……。エロイのか初心なのかわかんないな、この子。
「ね、ねえ。今度、お風呂一緒に……はいって、いい?」
「ん、いいけど?」
小さい子がうれしい時はこういう風に笑うんだろうなって笑顔が見れた。
*** *** ***
「ふむ」
今私は母校でもある高校の校門にいる。
黒のマキシスカートに水色の猫のシルエットの入ったプリントTシャツと薄手のカーディガンの格好できてる。
さすがに3者面談にカジュアルすぎるな格好で来るのもまずいだろうし、こんな格好で来たけど、まあ大丈夫でしょ。
事務室のある所まで歩いて行って、持参した履物に履き替えて校内にはいる。
「はぁ、3年の教室が3階にあがらなきゃいけないってのは面倒よねー」
在校生だった頃から面倒だったけど、今になっても面倒なのはかわならい。
途中で生徒とすれ違いながら階段を昇って、紗季のクラスまでたどり着いた。あー、エレベーターとかなんでないのかな。
教室前には自分の番を待っているのか、何人か生徒がたむろしてる。その中にも紗季がいたりする。
「あ、お姉ちゃん」
「公衆の面前で抱きつくのはどうかと思うんだけど?」
私を見つけるなり抱きついて来た紗季。当然、さっきまで話していた友達は呆気に取られてるし周りにいる生徒も同じような顔をしてる。
胸に顔をうずめてニヤニヤしてる紗季を見れば当然といえば当然のような反応。
紗季を抱きとめて飽きれてたら服の裾を誰かにつままれた。誰?
「……お姉ちゃん」
「ん? ……柚ちゃん?」
あれ、なんで柚ちゃんがここにいる……あ、制服きてる。柚ちゃんってここの生徒だったんだ……あはー。
「お姉ちゃん、柚ちゃんと知り合いなの?」
「この前仕事場に来たからね」
「うん」
「ほうほう……でもなんでお姉ちゃん?」
「お姉ちゃん欲しかったけど、妹しかいないから」
へえ、柚ちゃん妹いるんだ。でも柚ちゃんが姉か……いろいろ大丈夫かな。
「で、柚ちゃん? なんで抱きついてるの?」
「だめなの?」
正面からは紗季、後ろから柚ちゃんの完全にサンドイッチ状態。なんなのコレ。オフでも百合百合なんだけど……。
そこの男子連中、なんで顔を赤くして目をそらした。そして女子、興奮するな。
「おっぱい、大きくなった……どう?」
「柚ちゃん? それの報告はここで必要?」
やたら背中に当ててきてると思ったらそう言うことか。十分大きかったと思うけど、また大きくなったのか……。明後日行く時がちょっと楽しみかも。
「お姉ちゃん、私も大きくなったばかりなんだけど」
「紗季も便乗しない」
おい男子ども、視線を泳がせるな。女子は……うん、もう何も言わない。
柚ちゃんと紗季に挟まれて好き勝手されてると教室の扉が開いた。
「次は……あら、由奈ちゃん久しぶり」
「みーちゃんも元気そうで」
私が在校生だったころの担任。宮城美月(みやしろみつき)こと、みーちゃん。でも何故か私がみーちゃん呼びしたら空気が冷え込んだ気がする。なんで?
「お姉ちゃん、それ今禁句」
「にゃんこみたいだから禁句」
「さあ、お二人さん教室にどうぞー」
底冷えのするような笑みと声で入るように言われたけど、まあみーちゃんだしなんともない。
さすがに柚ちゃんも放れてくれたし、紗季と一緒に教室に入る。
「ではでは、面談ですが。紗季さんの所は由奈ちゃんが保護者、という事でいいですね?」
「いいですよ」
海外にいる両親をわざわざ呼ぶ事でもないし。
「ではまず成績ですが……、まあ良くもなく悪くもなくですねー」
「でも欠点取ったことないよ!」
「取ったらどうなるか覚悟しろって脅したからでしょ」
脅さなきゃ欠点取りまくってたでしょ、この子。
「まあ、その調子で脅し続けていれば卒業は問題ないですねー。交友関係も問題なし、異性間では……まあ、いろいろ」
「せんせー、しつこい方が悪いんだよ? ビンタとかグーパンとか、金的くらいしかやってないでしょ」
「こんな感じで」
「はぁ、そんなこったろうと思ってたわよ。で、彼女いるの?」
「いないよー。いちゃいちゃするくらいだし」
そのいちゃいちゃって言うのもどんなもんか妖しいけど。てか、彼女ってとこは反論しないのね。
「交友関係は、まあいいでしょう。これと言って問題もないですし……面談するほどの事もなかったわね」
「教師が言っちゃだめでしょ、それ」
積めて言えば取り言って問題はないと。問題がないのはいいことだよ、うん。
「いいのよ、別に。由奈ちゃんの方から聞く事がなかったらこれで終わりだけど」
「あー、紗季にしつこい生徒って複数ですか?」
「まあ、最初はそうだったけど今は1人かしら」
「へぇ……」
1人か……。
「お、お姉ちゃん?」
「シスコンなのはどっちかしらねー。今にも探し出して病院送りにしそうな目つきしてるけど」
「気のせいですよ、気のせい」
かわいい妹に付きまとう塵芥を血祭りにしてやろうとか……ねえ? 人脈を駆使して駆逐とか思ってないわよたぶん。
「はぁ、在学中はやたら同性にモててたけど今はシスコンも併発させてんのねー。何、今でも同性にもててんの?」
「さっき柚ちゃんに抱きつかれてたよね?」
「百合百合してたあれね」
だってあれは、ほら。あれだし。
「ま、いいわ。これにて面談は終了します」
面談に来る必要があったのかわからない面談が終わって教室を出ると、さっき思い思いに興奮していた面々がまだいた。おい、何もしてないのになんで興奮しだしてんの。ねえ。
「……」
「柚ちゃん、私止まり木じゃないよ」
何もしてない。してないけど柚ちゃんが教室を出たと同時に抱きついて来た。服越しに胸に顔をうずめる形で。
ねえ、それ窒息しない?
「じゃあ私はこっち~」
「紗季も張り合わなくていいから」
背中に張りついてる紗季をどかそうにも柚ちゃんが邪魔でしょうがない。3者面談に来ただけなのに何なの一体。
それと、なんで外野もヒートアップしていくわけ……。
「お姉ちゃん、お昼どこで食べるの?」
「家で食べるって考えはないわけ?」
「ないよ」
即決だよ、この子。
「私は?」
「まだ面談残ってるでしょ?」
「面談、ない。来ないもん」
あー、そういえばそういう家庭って言ってたっけ。じゃあなんで柚ちゃんは学校に残ってたの?
「……来る?」
「うん」
あれー、妹増やした憶えはないんだけど。
それはそうといい加減放れてほしい。他の親御さんも来だしてるから好奇の目で見られてるんだけど。ねえ、公衆の面前でいちゃつくのはさすがに抵抗あるんだけど。
ねえってば。
*** *** ***
「ねえ、ここボックス席」
いろんな目にさらされながら学校を出て、近隣にあるファミレスに来てみたけど……うん、ボックス席なんだよね座った所。
なのになんで私挟まれて座ってるんだろ。柚ちゃんと紗季に挟まれて座ってるんだけど、狭い……。
「うん、こういう席でしょ?」
「密着」
「いや、違うと思う。狭いし」
そうはいっても身動きとれないし、動こうとしたら両方からがっちり抱きとめられるから動けない。
「はぁ、何食べるか決めた?」
「チーズドリアがいいー」
「ミートパスタ」
「後ね、フライドポテトとティラミス」
「太るわよ」
「胸に行くから問題ないよ」
平然というわね、この子。実際太らない体質の姉妹だけどさ。
「柚ちゃんは?」
「……ミルフィーユ」
「ん」
各自のオーダーを聞いて近くを通った店員に注文をして料理が来るのを待つ。これでも月に30万すこしは稼いでるから財布も懐も全然平気。
まあ、平均して30万だけど。
一時バブルみたいな時は倍近くは行ったかなぁ。なんであんなにコールが入ったのかわかんないけど。うちとしても警察の手入れとかを疑ってたけど、例の情報ルートで白ってわかったから普通に受けてた。
社長の相手はするけどガールとして出向く時はシた事ないなぁ。その時もシなかったし。んー……そろそろシてみようかな?
「ねえ柚ちゃん、この前妹がこっち遊びに来るとか言ってなかった?」
「ん……来月、来る」
「会った事あるの?」
「写真で見ただけ。でも似てるよ?」
そう言うと柚ちゃんがスマホをいじって写真を見せてくれた。
「あ、似てる。でも活発そうだね」
「でしょ? ちょっと垂れ目のとことか、あと胸」
柚ちゃんと同じくらいかな? でもなんで私の周りって大きい子が多いんだろ。
「性格は……似てない」
「まくしたてるように喋るの?」
「お姉ちゃんが柚ちゃんの事どう見てるかよくわかるね」
だって無口っぽいし。似てないっていうならそうい事じゃないの?
「よく喋るけど……うるさい」
「あー、そんなに喋るんだ」
「このまえ掛ってきた時ってそれだったの?」
「うん」
「延々と喋ってたね」
「ほっといたら何時間でも喋るよ」
柚ちゃんと正反対の妹かぁ。ちょっと会ってみたいかも。
ぽつぽつと喋る柚ちゃんの話を聞いていたら注文していた料理が届いた。
紗季が頼んだチーズドリアとフライドポテト。柚ちゃんの頼んだミートパスタに私が頼んだシーフードリゾット。
デザートは後からくるようにしてある。
「じゃ、食べようか」
横並びで随分と食べにくいけどとりあえず食べる。食べさせたり食べさせられたりしながらあれこれ食べて、締めのデザート。
うん、途中で柚ちゃんになんでかキスされそうになったけど、どうにかかわしてデザートを食べ終わった。なんで食事するだけでこんなに疲れるんだろ。
店を出てさてどうするかと思ったら正面から柚ちゃんに抱きつかれた。胸に顔をうずめられて通行人の目を引いたけど、すぐに放れた柚ちゃんはそのまま帰って行った。
「待ってる」
そう、言い残して。
「ねえお姉ちゃん、さっき柚ちゃんにキスされそうになってたよね?」
「そう?」
「私もキスしたい」
「はいはい、今日の夕飯なににしようか」
「お姉ちゃんっ!」
8話になります(⊃`ω´⊂)
早くも感想と評価をいただきありがとうございますヽ(・∀・)ノ