神谷奈緒が中◯二のころ一緒に夏祭りに行った男友達(オリキャラ)との恥ずかしい体験を告白します。

※オリジナル設定を含みます。

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中◯二でも押しに弱い(神谷奈緒の場合)

 あたしは中◯二のころも普通にニチアサのアニメとか観てたんだけど、そのくらいの歳になると、男でも女でも、まわりは音楽だとかおしゃれだとかほかのものに興味が移ってきて、気兼ねなくアニメの話ができる友達はだんだん少なくなってきてた。

 

 ただ、そんな中でもひとりだけ、気軽にアニメの話ができる相手がいた。同級生の男子で、名前は西野っていうんだけど、あたしと西野は、学校でお弁当食べるときに最近見てるアニメの感想を言い合ったり、休みの日に一緒にプ◯キュアの映画を観に行ったりする、そんな仲だった。西野はアニメ好きだけどオタクっぽい感じはなくて、そういう点もあたしは好感が持てた。あっ、だからって別にあたしが西野を好きだったとか、西野とあたしが付き合ってたってわけじゃないからな! そこんとこは勘違いすんなよ? 西野もあたしも、わりと男女関係なくみんなで遊びにいくタイプだったし、お互い、たくさんいる女友達、男友達のひとり、くらいに思ってた……と思う。

 

 だからその年の夏祭りも、西野とふたりきりじゃなく、女三人、男三人の六人グループで行ったんだ。メンバーは、女のほうはあたしとユキエとナナコ、男は西野、塚本、沖の三人。このメンバーではそれまでにも何回か一緒に遊びに行ったことがあった。当時はみんな同じクラスでさ。一学期の終業式の日に、来月の夏祭り、みんなで行こうって話になって、夏休みに入ってからはラインで連絡を取り合ってみんなの予定を合わせた。

 

 私たちが出かけた夏祭りは、近所の結構大きな神社で毎年八月の頭に開かれてたやつで、地元ではわりと有名なお祭りだった。神輿は出なかったけど、大太鼓の演奏はやってた。夜店も賑わってて、あたしは子どものころから毎年欠かさず行ってた。帰り際のどさくさに紛れてプリ◯ュアのお面を買うのが恒例で、その年もあたしは境内の入口近くに出てるお面屋に目をつけていた。

 

 プリキ◯アはともかく……私たちはその日、夕方の五時に鳥居の前で待ち合わせをしていた。あたしたち女グループは先に集まって準備をしてて、あとから男グループが合流することになってた。

 

 駅前に最近新しくできたカフェ行ってみたけどいまいちだったとかそんな話をしながら(あたしだってそんな話くらいできるっつの)、十分くらい待ったかな? 石階段を並んで上がってくる三人組が見えた。西野たちだった。

 

「よお、奈緒。おまえら、もう来てたのか」

「おっす。遅かったじゃん」

 

 こちらに気づいて片手を上げた西野に、あたしは同じように挨拶を返した。

 

「てか遅刻~。電話しようかと思ったじゃん」

 

 ふざけた感じで唇をとがらせたのはユキエだ。緩くウェーブさせた毛先をいじりながら、ユキエは近づいてきた塚本の胸を指でつつく。

 

「まだ五時前じゃん。そっちが早すぎるんだって」

 

 塚本が、なあ、と両脇のふたりに同意を求めると、西野も沖もうんうんとうなずいた。まあ、たしかにそうだけど。

 

「てか、女子みんな浴衣なんだな?」

 

 沖があたしたちの格好を見てそう言った。

 

 ユキエはその言葉を待ってましたとばかりに、パッと表情を輝かせる。

 

「そうなの! お揃いだよ、お揃い! えへへ、かわいいでしょ?」

 

 ユキエはなぜかあたしを前に押し出した。

 

「お、おい、ユキエ……」

「奈緒、浴衣持ってないって言うからさ、この前一緒にマ◯イへ買いに行ったんだよね」

「着付けはウチのお母さんにやってもらったんだ」

 

 恥ずかしがるあたしを尻目に、ねー、とうなずきあうユキエとナナコ。そのときあたしが着てた浴衣は、薄紫の生地にあじさいの柄が入ったやつだった。こんなかわいい柄あたしには似合わないって言ったんだけど、強引に勧めてくるふたりに押し切られて結局買うことになってしまった。

 

「へえ、こういう和風の格好も似合うんだな、奈緒」

「ば、ばか……、い、いいよ、そんなお世辞は……」

 

 あたしは思わず西野から顔をそむけてしまった。いまも昔も、面と向かって褒められるのは慣れてない。

 

「ほら、下駄と巾着もナナコのママが貸してくれたんだよ」

 

 ユキエは赤い巾着を掲げながら、ファッションモデルみたいにその場で一回転。ナナコも調子を合わせてしなを作る。ユキエの浴衣はピンクと白と青でヒルガオの柄が大きくあしらわれたデザイン。ナナコは紺の生地にリボン結びのグラフィックの浴衣だ。あたしも含め三人で色違いの巾着を持たされていて、ユキエが「お揃い」を強調するのはこのためだった。

 

「おお、超いいじゃん! かわいいよマジで!」

 

 塚本が軽い調子であたしたちを褒めそやした。塚本は西野と同じ剣道部だけど、わりとチャラいタイプだった。西野と沖もノリはいいけど塚本ほどチャラくはない。ちなみに沖は男子バレー部。塚本と西野はバカだったけど、沖は結構頭が良かった。共通点ありそうでなさそうな三人だよな。なんで仲良かったんだろ? 男子の友情なんてそんなもんなのかな?

 

「あんたらも着てよかったのに、浴衣」

「うちのお母さんに言えば男用も貸してくれたよ、きっと」

「え~、いいって、俺らは。メンドイし」

 

 ユキエとナナコの勧めに、渋い顔を返す西野。まあ西野たち男子組もズボラな格好してるわけじゃない。塚本と西野も、ちゃんとサイズの合ってるTシャツにハーフパンツ、オールスターのスニーカー。沖は半袖シャツの前を開けて、下は七分丈のチノパンにデッキシューズを合わせてた。ソックスはみんな抜かりなく足首丈。

 

「ま、いっか。三人とも隣で歩いてても恥ずかしくないそれなりの格好だし」

 

 自分で提案したわりにあっさりと引き下がったユキエは、塚本にかわいらしく腕を絡めた。塚本も「んだよ、それ」なんて文句を言いつつもまんざらでもない様子。ふたりは付き合いだして三ヶ月くらいになってた。

 

「仲良いよな、あいつら」

 

 並んで歩きだしたユキエと塚本を見て、西野が苦笑した。ユキエと塚本が付き合ってることはクラスのみんなが知っていた。

 

 ユキエと塚本のカップルに続いて、ナナコと沖も並んで境内へ入っていった。ナナコと沖は別に付き合ってなかったけど、なんか楽しそうにしゃべりながら歩いてた。あたしと西野はいちばんうしろから前の二組を追いかけた。

 

 あと一時間くらいしたら恒例の太鼓演奏が始まる。それもあって境内はだいぶ賑わいを見せはじめていた。夏休みだからかあたしたちみたいな学生グループも結構見かけたし、家族連れも多かった。小学校低学年くらいの女の子がお父さんにプリキ◯アのお面を買ってもらっているのが見えて、あたしも帰りに絶対買おうと心に決めた。

 

「そういやさ、奈緒。最近なんかアニメ観てる?」

 

 ちょうどそんなふうによそ見をしてたとき、西野が声をかけてきた。

 

「今期? ん~……プリキ◯ア?」

「そりゃ言われなくても知ってる。プリ◯ュア以外で」

「夏から始まったのでちゃんと見れてるのは二、三本かな~。でもほかのもとりあえず録画はしてあるからそのうちチェックはするつもり」

「おっ、さっすが。俺、最初の一、二話見逃してるやつあるんだよね。今度見せてくれよ。また家行くからさ」

「ああ、いいぜ」

 

 仲良くなってから西野は何度か家に来たことがあった。親にイジられると恥ずかしいから親が留守のときに呼んで、リビングのテレビで録画してあったアニメを一緒に観た。もちろん、あたしの部屋には入れてないぞ。

 

 そのあと、太鼓演奏が始まるまであたしたちは目についた露店に寄って買い食いをしたり遊んだりした。カステラ焼きが結構おいしかった。西野と塚本は射的で賭け勝負をして、西野が負けて塚本にたこ焼きをおごったりしてた。

 

 そうこうしているうちに六時になって、境内奥の特設ステージで太鼓の演奏が始まった。

 

「きゃー、すっごーい!」

 

 ユキエは大きな音にはしゃいで塚本に体をくっつけたりしてた。ナナコと沖も肩を寄せ合って楽しそうに言葉をかわしていた。ユキエと塚本、それにナナコと沖も、なんかそれぞれあたしたちをチラチラうかがっている気もしたけど、そのときはその視線の意味にあたしは気づけなかった。

 

 大太鼓の演目がひとつ終わって、ステージを取り囲んだ観客から拍手が上がったころだった。

 

「ごめん、私ちょっと、トイレ」

 

 ユキエがちょっと申し訳なさそうな顔であたしたちにそう告げてきた。ユキエは食べかけだったかき氷のカップをあたしに預け、そそくさとあたしたちに背を向けた。

 

「道、結構混んでるよ? あたしらもついていこうか?」

「いや、俺がついてくわ」

 

 と、あたしの申し出を遮ったのは塚本だった。塚本がユキエに駆け寄り、ふたりは人の流れに逆らって鳥居の方角へ歩いていった。トイレは境内の外にある。

 

 彼氏の塚本がエスコ―トを買って出たんだから、ユキエのことは任せればいいか。あたしたちがそんなふうに考えたのは当然だったと思う。

 

 ところが、次の演目が始まり、それが終わるころになっても、ユキエたちはまだ戻ってこなかった。こういうイベントのときに女子トイレが混み合うのはしょうがないけど、それにしても帰りが遅かった。さらに、ユキエたちだけでなく――。

 

「……遅いな、沖たちも」

 

 西野がうしろを気にしながらぽつりとつぶやいた。そう、ユキエたちがトイレへ向かったあと、ナナコと沖も飲み物を買ってくると言ってこの場を離れ、それからまだ戻ってきていないのだ。

 

「どうしよう? 一回連絡入れてみる?」

「うーん……、とりあえずグループライン打ってみたんだけど、レスないんだよな」

 

 あたしはあわてて自分のスマホを取り出し、ラインの画面をのぞいた。西野が十分くらい前に送ったメッセージが表示された。でも既読マークはあたしの分だけ。つまり、ほかの四人はまだ画面を開いていないということだ。

 

 四人揃って連絡がつかないなんて。あたしは急に不安になってきた。

 

「で、電話、ユキエにしてみる」

 

 あたしは普段はあまり使わない通話アプリを立ち上げ、スマホを耳にあてた。

 

「……ダメだ、出ないよ、ユキエ」

 

 あたしは単調な呼び出し音を繰り返すばかりのスマホを耳から離した。

 

「塚本ともつながらないな。沖もダメだった」

 

 ナナコにもかけてみたけど、こちらもやはり応答はなかった。こうなるとますます不安は募る。

 

「どうしちゃったんだろ、みんな……」

「ん~、まわりがうるさくて着信が聞こえないとか、そんなとこだろ、きっと。でもまあ、念のため探しにいってみようぜ」

 

 西野が楽観的なことを言ったのは、心配そうにしてるあたしに気を遣ってくれたからかもしれない。

 

 もといた場所から離れる旨をグループラインに打ってから、あたしと西野は四人を探しに出ることにした。まず行き先のはっきりしているユキエと塚本から探そうということになって、あたしたちは鳥居のほうへ引き返していった。うまくすれば途中で鉢合わせできるかもしれない。

 

 だけどその目論見は外れてしまった。境内のすぐ脇にあるトイレの前まで来ても、ユキエたちの姿は見えない。ひょっとしてまだ中にいるのかもと考えてしばらく待ってみたけれど、やはりユキエたちが出てくる気配はなかった。

 

「……ステージのところまで戻るか。入れ違いでみんな帰ってきてるかもしれんし」

「うん……」

 

 とりあえず境内へ戻ることにしたけど、さすがにあたしたちの口数は少なくなっていた。ユキエたち、ホントどこ行っちゃったんだろう……。

 

 時刻はもう七時前で、夏場とはいえ日はだいぶ傾いて周囲は薄暗くなっていた。もう帰路に着く人、逆にこれから境内に入ってくる人、双方が入り乱れて参道はかなり混み合っていた。下手するとあたしと西野まではぐれてしまいそうだった。だからなのか、あたしと西野はどちらからともなく互いの手を取り合っていた。

 

「奈緒、こっち」

「うん……」

 

 対向してくる人ごみを避けて、あたしたちが道の端へ流れた、そのときである。

 

「……あっ! これ」

 

 ちょうど本道からそれる脇道の入口のところ。そこに、赤い巾着袋が落ちていることに気づいた。

 

「これ、ユキエのだ!」

 

 あたしはすぐに駆け寄って、自分が持っているものと色違いの巾着袋を拾い上げる。間違いない。ナナコのお母さんが貸してくれた、お揃いの巾着袋だ。

 

「マジでユキエのなのか?」

「うん、たぶん……いや、絶対そうだよ」

 

 巾着の中身をあらためると、スマホはなかったけど見覚えのある財布や化粧品などが入っていた。やっぱりユキエの持ち物だ。

 

「落とした……ってことかな? でも、なんでこんなところで……?」

「ひょっとして、こっちの脇道を下りていったんじゃねえの?」

 

 西野は首を曲げてゆるやかに下っている脇道を見やった。この脇道の先には、どこかほかの神社から移されてきた神様を祀っている小さな祠があるらしい。普段はお参りに行く人もいるけど、薄暗いし、祭りの日にわざわざ下りていく人はいない道だ。

 

 あとから考えてみれば、ユキエが単にそこで巾着を落としただけという可能性もあったはずだ。だけどそのときは早くユキエたちと合流しなきゃってことしか頭になかった。ようやく手がかりが見つかって気が急いていたこともあったのかもしれない。

 

「……そうだな、ちょっと見にいってみよっか」

 

 あたしと西野はうなずきあって脇道に足を踏み入れた。本道には人がたくさんいたけど、あたしたちを見咎める人はいなかったと思う。

 

 脇道は林を切り開いて作られたようで、少し蛇行していた。でも一本道だったから、あたしたちは迷うこともなく、そしてユキエたちと会うこともなく、祠の前まで来てしまった。

 

「いないか、やっぱり……」

「……待った」

 

 落胆して引き返そうとしたあたしを、西野が突然呼び止めた。

 

「なんか聞こえないか?」

 

 見れば西野は真顔で人差し指を口の前に立てている。

 

「え……なんだよ。怖いな」

「そういうんじゃないって。人の声だよ」

 

 おばけ的な話ではないのか。耳を澄ますと、たしかに話し声みたいなのがそよ風に乗ってかすかに聞こえてきた。

 

「ユキエたちかも」

「え、お、おい西野」

 

 西野は声のするほう――祠の先に続いている雑木林へ身を入れた。こんな不気味な場所にひとり取り残されるのも嫌だし、あたしは仕方なく西野のあとを追いかけた。

 

「なんだ、明るいじゃん」

 

 草木のあいだを抜け、少し広い場所へ出ると、西野が拍子抜けしたようにそう漏らした。まわりは木で囲まれているけど、石灯籠があってちゃんと電気も来てるみたいだった。あたしはちょっとホッとした。

 

「あ、建物もあるんだ」

 

 目の前に細長い平屋が見えた。あとで知ったのだけれど、それはもう使われなくなっていた社務所だったらしい。

 

 あたしと西野はなんとなくその社務所に近づいた。すると、建物の角から、見覚えのある浴衣の裾が覗いた。

 

「ユキエ?」

 

 やっと見つけた――そう思ってあたしはユキエのことを呼ぼうとした。

 

 ところが、声を出す直前で、あたしは突然うしろから口をふさがれた。

 

「むぐっ!?」

 

 びっくりして振り向くと、西野が見たこともないような怖い顔であたしに向けて首を振った。西野はあたしの口をふさいだまま、近くにあった灯籠の陰へあたしを引き込んだ。

 

「……ぷはっ! な、なにすんだよっ!」

「バカッ、でかい声出すなっ!」

 

 狼藉に抗議したあたしを逆に声を殺してたしなめると、西野は必死の体で顎をしゃくった。気が立っていたあたしはうながされるまま前方へ目を向けた。

 

 そして、とんでもない光景を目撃してしまった。

 

「あっ、ふぅん、ふぅぅんん……」

 

 着物の前をはだけさせ、塚本におっばいを舐められているユキエの姿を、見てしまったのだ。

 

 

 *

 

 

「ンフぅ……、あ、はあ……」

「なっ……!」

 

 あたしは我が目を疑い、一瞬でその場に凍りついてしまった。

 

 あたりはもうすっかり暗くなってたけど、明かりがあるからはっきりわかった。あれは間違いなく、ユキエと塚本だ。

 

 ふたりは社務所の裏手にいた。ユキエは建物の壁にもたれかかり、塚本に乳首を吸われていた。塚本が唾液を鳴らすいやらしい音がこっちまで聞こえてくる気がした。

 

「ちょっ……」

 

 あたしはとっさにその場から逃げようとした。ふたりがなにをしてるのかくらい、あたしにもわかった。

 

 しかし、立ち上がりかけたあたしの腕を西野がつかんだ。

 

「今出てったらバレるって!」

 

 西野は声を押し殺して叫んだ。

 

「の、覗きなんてよくないって」

「わ、わかってる。でも……」

 

 そう言いつつも、西野は目をぎらつかせてユキエたちの様子を凝視していた。そこだけ別の生き物が棲んでいるかのように大きく動く喉元が、なんだか妙に艶めかしかった。

 

「ん……んん……はあ……」

 

 あいかわらず塚本に胸を攻められていたユキエは、中◯生とは思えないほど色っぽい喘ぎ声を漏らしていた。ふたりとも行為に夢中なのか、あたしたちの存在にはまるで気づいていないようだった。塚本はユキエにキスをしながら、ユキエのパンティーに右手を入れた。

 

「あっ! んんっ」

 

 塚本がパンティーの中で手を動かしはじめると、ユキエは即座にビクビクッと体を震わせた。恥じらいのためか、ユキエは下唇を噛み締めて声を我慢しているようだった。

 

 こんな姿、ユキエだって見られたくはないはずだ。頭ではそうわかっているのに、気づけばあたしもふたりの行為に見入ってしまっていた。

 

「ユキエ、かわいいよ……」

 

 塚本は普段の軽い様子からは想像もできないような甘い声でささやくと、ユキエをうしろに向かせ、自分はゆっくりとその場にしゃがみこんだ。ユキエは壁に両手をついてお尻を突き出す。塚本はユキエのパンティーを降ろし、さらに浴衣の裾もたくしあげた。中◯生らしい、まだ肉のつききっていないお尻が丸見えになった。

 

「くそ……よく見えねえ……」

 

 ユキエの痴態を食い入るように見つめていた西野が悔しげにつぶやいた。なにか覗き込もうとしているのか、西野はしきりに頭の位置を動かしていた。そんなに動いて塚本たちに勘づかれやしないか、あたしはハラハラしていた。

 

「ユキエ、もう濡れちゃってんな」

「うん、なんかいつもより興奮してるかも」

 

 でも塚本もユキエもまわりなど気にしてはいなかった。熱い視線をかわしたあと、塚本はなんの躊躇もなくユキエの股間に顔をうずめた。

 

「な……っ!」

「うお、クンニ……!」

 

 衝撃的な光景に目を丸くするあたしの横で、西野は興奮気味につぶやいた。塚本がユキエの股間を舌で舐め回している。あれを「クンニ」というのだと、あたしはこのときはじめて知った。

 

「ああン、うんっ、あああン……」

「チュプヂュプチュパ……やっばいつもより濡れてるな、ユキエ」

 

 塚本はユキエのアソコから口を離すと、今度は指でそこを触りはじめた。最初は外側をこすっているだけだったが、塚本はすぐに中へ指を挿し込んだ。

 

「あふん、膣内ぁ」

「イカセっぞ」

 

 塚本はそう言うと、ユキエのアソコに入れた指を激しく動かしはじめた。アソコを指でほじくるみたいな動き。激しすぎて、ユキエの体はガクガクと揺らされていた。

 

「ああああんっ! ダメダメダメダメェ~ッ!」

 

 ユキエが金切り声で絶叫した瞬間――ぷしゃあ!

 

 ユキエの股間からいきなり液体が吹き出した。

 

「なっ!?」

 

 あまりの衝撃に、あたしは目玉をひんむいた。塚本が小刻みに指を動かすたび、ユキエのアソコから液体が飛び散る。ユキエの足元にあっというまにシミができた。塚本がユキエから指を引き抜くと、塚本の手からもぽたぽたと雫が垂れた。

 

「うはぁ、すげえ潮。あいかわらず盛大な水芸だな、おい」

「ちょっとぉ、浴衣着てるんだから吹かせないでよ。裾濡れちゃうじゃん」

 

 文句を垂れつつも、ユキエはまんざらでもない様子だった。

 

「潮吹き、リアルで……、マジか……!?」

 

 西野はかなり興奮してたらしく、目を真っ赤に充血させていた。下手するとすぐにでも暴れだしそうだ。あたしは西野のことが心配になってきた。

 

「な、なあ、西野……」

「しっ!」

 

 西野は食い入るように前を見つめたまま、あたしの呼びかけを遮った。あたしは気圧されて視線を戻すと――。

 

 いつのまにか塚本がズボンを降ろし、下半身を露出させていた。

 

「ひっ……!?」

 

 角みたいに股間に反り立った肉の棒を目の当たりにし、あたしは悲鳴を上げかけた。口に手を当てて声を噛み殺したのは、ほとんど本能的な反応だったと思う。男子が勃起してるのを生で見たのなんて、もちろんそれがはじめてだった。

 

「ユキエ……入れさせて」

「うん、イイよ……」

 

 緩慢にうなずきあう塚本とユキエ。そしてユキエはまた壁に両手をつけ、くいとお尻を突き出した。

 

 そのお尻めがけて、勃起ちんこを握った塚本が腰を寄せていく。下を覗き込んでゴソゴソと身をよじりはじめたところで、塚本がなにかに気づいたらしくはたと顔を上げた。

 

「そういや今日はナマでやっていいの?」

「ん~、いいよ。ゴム持ってたけど、ナナコにあげちゃったし」

「え、なんで?」

「ナナコ、今日、沖とヤリたいんだってさ。あの子、彼氏と別れたばっかだから溜まってるみたい」

「彼氏って、車持ってる大◯生ってやつか?」

「それは前の前の彼氏。この前まで付き合ってたのは、三十のリーマンだって」

「おっさんじゃんw てか、沖たぶん童貞だぞ? いきなりナナコ相手ってハードじゃね?」

「だからこそのゴムでしょ。あっ、こっちはナマだからナカには出さないでね」

「わかってるって」

 

 軽い調子で返事をすると、塚本はふたたびユキエに照(・)準(・)を(・)合(・)わ(・)せ(・)はじめた。

 

 目の前でいよいよコトが始まろうとしていたというのに、あたしのほうはすっかり唖然としてしまっていた。ユキエと塚本がしていたさっきの会話に、理解が追いついていなかったのだ。ナナコが彼氏と別れた? 車持ってる大学生じゃなくて三十歳のサラ◯ーマンと? それで、今日は沖とエッチしたくてユキエからゴムを譲ってもらって、いまごろどこかでふたりもエッチしてるの? ユキエたちと同じように。ていうか、ゴムってなに? って感じでこんがらがって頭がクラクラしていた。

 

「あんっ」

 

 ユキエの短い嬌声で、あたしはハッと我に返った。見れば、塚本がユキエの腰をつかみ、ユキエに下半身を押しつけていた。さらによく目を凝らすと、ふたりがつながっている部分をわずかに見ることもできた。

 

「やべ……っ、ナマやっぱ超気持ちいい」

 

 塚本はそんな声を漏らすと、ユキエのお尻を鷲掴みにし、滑らかに腰を前後させはじめた。本当に人目をはばかっていないらしく、その動きにはまるで遠慮がない。肉が打ちつけあう音に混じって、クチュクチュと湿った水音も聞こえてくる。

 

「やばっ、私も気持ちいい!」

 

 ユキエは吐息混じりの喘ぎ声を上げ、塚本に突かれるがまま首をカクカクさせていた。

 

 ふたりは時折悩ましげな声を漏らしながら激しく腰を打ちつけあった。やがて、塚本が息継ぎをするように顎を跳ね上げた。

 

「やべ、もうイキそう」

「ああん、いいよぉ、ユキエもイキそうだからぁ、一緒にイこっ?」

 

 ユキエの言葉がスイッチになったのか、塚本はさらに勢いを増して腰を振りはじめた。

 

「アアアアんっ! すごい激しいっ! イクイク、イッちゃうん……っ!」

「ああああっ! 俺も! 出るっ!」

 

 叫ぶと同時に、塚本は大きく腰を引いた。その刹那、ユキエはくるりと体を反転させ、塚本のちんこをすばやくつかんで口の中に引き入れた。

 

「うお……、出るっ……くはっ」

 

 塚本はユキエの頭をつかみ、しばらくのあいだぶるぶると震えていた。

 

 やがて塚本の震えが収まると、ユキエは塚本のちんこからゆっくりと口を離した。

 

「ん……」

 

 ユキエは塚本から離れると、うつむき加減になって、口からなにかドロッとしたものを吐き出した。

 

「あれ? この前は飲んでたじゃん」

「今日はダメ。飲んだら匂いで奈緒たちにバレるじゃん」

 

 バレるもなにも、じかに目撃しちゃってるんだけど……。ユキエたちは私たちの存在にまったく勘づいていないみたいだった。

 

 ユキエがティッシュでアソコを拭いて下着と乱れた浴衣を整えるあいだに、西野は自分のスマホをのぞいた。

 

「うわっ、西野から電話かかってきてるわ」

「こっちも奈緒から着信きてる。あっ、てかあたし、巾着は!?」

「ここに来る途中で落としたんじゃね? 戻るときに拾えるだろ」

 

 ごめん塚本。ユキエの巾着なら、あたしがいま持ってる。なんて言って出ていけるはずもなく、あたしと西野はユキエたちがその場を去るまで息を潜めてじっと灯籠の陰に隠れていた。今から考えると、あのときユキエか塚本があたしたちに電話をかけてたら絶対バレてた。

 

 ふたりの姿が完全に見えなくなってから、あたしはようやく大きく息を吐いた。人心地つける――と思ったが、隣に西野がいることを思い出し、途端に気まずさで一杯になる。

 

「は、はは……なんかすごいモン見ちゃったな」

 

 とりあえず、笑ってごまかそう。そう思ってあたしはそそくそとその場を離れようとした。

 

 が、西野があたしの腕をがしりと掴んできた。

 

「な、なあ、奈緒……」

 

 西野は切羽詰まったような表情であたしを見つめていた。

 

「ど、どうしたんだよ、西野?」

「どうしたもこうしたも……あんなの見せられたら、もう……我慢できねえよ!」

 

 突然叫んだかと思うと、西野はいきなりあたしに抱きついてきた。

 

「きゃっ! ちょっ……やめ……っ!」

 

 あたしは必死に西野を引き剥がそうとしたけど、西野の力は強くて、ぐいぐいとうしろへ押しやられた。西野はそのまま、さっきまでユキエたちがいた社務所の裏へあたしを押し込んだ。

 

「い、いいだろ? ちょっとだけ! ちょっとだけだから」

「い、痛っ、ちょっ……」

「奈緒、奈緒っ! お、俺、ずっとおまえのことが……」

「こ、この状況でそんなこと言われても……」

 

 あたしはお腹のあたりに硬い棒みたいのが当たっているのをずっと感じていた。それがなにかくらい、当時のあたしにもさすがにわかっていた。

 

「頼む! ちょっと触らせてくれるだけでいいから!」

「わ、わかった! わかったから、ちょっとおちつけって!」

 

 そう言うと西野はようやく体を離してくれた。

 

「い、いいのか!?」

「さ、触るだけ……なんだよな?」

 

 上目遣いで見上げると、西野は目を血走らせながら何度もうなずいた。

 

「む、胸だけだぞ! あと、ふ、服の上からだからな!」

「わ、わかってるって。じゃあ……触るぞ?」

 

 西野はごくりと生唾を飲んで、さっそくあたしの胸に手を伸ばしてきた。あたしは恥ずかしいから顔を横にそむけて、ぎゅっと目を閉じた。

 

「んんっ……」

 

 浴衣の薄い生地越しに西野の手の熱が伝わってくる。服の上からとはいえ、西野に胸を触られていると思うと変な気分になった。

 

「すげえ……、柔らけえ……っ」

 

 西野は感動したようにつぶやき、あたしの胸を下からぎゅっと揉んできた。

 

「い、痛っ。も、もっと優しくしてよ……」

「ご、ごめん」

 

 最初よりもいくらか冷静になってくれていたのか、西野はあたしの要望を素直に聴き入れてくれた。一瞬悩む素振りを見せたあと、今度は手のひらで円を描くみたいにして胸をまさぐってきた。

 

「あんっ」

 

 ブラジャーと乳首がこすれるのが気持ちよくて、あたしは少し声を漏らしてしまった。

 

「奈緒……感じてるのか?」

「ち、ちが……っ! そ、そんなんじゃ……」

「もうちょっとだけ……いいだろ?」

 

 切なげな声でつぶやくと、西野は合わせ目からあたしの浴衣の下へ手を滑り込ませてきた。

 

「ちょっ……! ふ、服の上からって約束だろ!?」

「ご、ごめん! でも、奈緒がめちゃくちゃかわいいから……」

「なっ……!?」

 

 不意に「かわいい」なんて言われたあたしが不覚にも固まっている隙に、西野はあたしの浴衣を大きくはだけさせた。さらにブラジャーまでをも手荒にずりおろされ、あたしの胸はいよいよ西野の前で露わになった。

 

「お、おお……っ」

 

 西野は大きく目を見開いて、そんなに大きくはないあたしのおっぱいをまじまじと見つめた。その視線に当てられたように、あたしは顔中がかあっと熱くなった。

 

「ううう……、恥ずかしくてもう死にそう……」

「奈緒のおっぱい……すげえ綺麗だ」

「き、綺麗とか言うな、ばかあ!」

 

 あたしに怒られても、西野はもはやひるまなかった。西野はひとしきりあたしのおっぱいを眺めると、さっきと同じように手のひら全体で胸をまさぐってきた。ただ、じかに触られているぶん、服の上からよりもずっと刺激が強かった。特に、指で乳首を転がされると、しびれるみたいな快感が体に走り、変な声が上がるのをこらえられなかった。

 

「ひゃうんっ」

「乳首が感じるのか?」

「わ、わかんない……」

「じゃあ、舐めてみてもいいか?」

「な、舐めるって……ひゃ、ひゃあっ!」

 

 有無も言わさず、西野は乳首に唇を寄せてきた。

 

「ん、んん、ちゅぱちゅぱ」

「こ、こら、変なところ……な、舐めるなあ」

 

 口では抵抗してみたものの、舌先でチロチロと乳首を弾かれるのがすごく気持ちよくて、あたしの声はとろけていた。

 

「こっちも……」

 

 あたしが息を乱している隙に、西野はあたしの股に手を伸ばしてきた。

 

「ちょっ! そっちは……」

「い、いいだろ?」

 

 あたしの手を強引に振りほどき、西野は浴衣の隙間から手を滑り込ませる。

 

「あ、あんっ」

 

 パンツ越しにアソコを触られただけで、あたしの体はびくんと反応してしまった。

 

「あ……濡れてる……」

 

 西野があたしの股間から手を引き上げると、その指に透明な汁が少し付着していた。あたしは恥ずかしさでかあっと耳を赤くする。

 

「そ、それは……さっきユキエたちを見てたから……」

「な、奈緒も興奮してたってこと?」

「ち、ちがっ……」

 

 違わなかった。ユキエと塚本の行為を見ている最中から、あたしは股が湿るのを自覚していた。

 

「よ、よし。奈緒のことも気持ちよくさせてやるからな」

「ち、ちょっと……」

 

 妙な決意表明をすると、西野はあたしをうしろ向きにさせ、股と対面するようにその場にしゃがみこんだ。

 

「な、なにする気?」

「舐めるから……奈緒のま◯こ」

「え!?」

 

 驚きを隠せないあたしにかまわず、西野はあたしのパンティーを一気にずりおろした。いきなりだったから抵抗もできなかった。

 

「うお、すげえ……! 奈緒、結構毛深いんだな」

「ば、ばかっ! そういうこと言うなっ!」

 

 たしかにあたしは体質的に毛量が多いこともあって、下の毛もわりと濃いほうだ。今はもう人と比べるもんでもないって割り切ってるけど、当時はまだ気にしていたから、西野に言われてちょっとショックだった。

 

「でも俺、このくらい濃いほうが好きかも……ん」

「ああああっ!?」

 

 躊躇なくアソコを舌でつつかれ、あたしは思わず嬌声を上げた。感じたことのない生温かさがアソコに広がって腰が抜けそうになってしまった。

 

「ハッ、ハッ、ハッ……」

 

 犬みたいな息を漏らしながら、西野はあたしの割れ目を舌でベロベロと舐め上げた。ヌメっとした柔らかい舌で割れ目をなぞられるのはむずがゆいような気持ちよさがあったし、舌先がときおりクリトリスに当たるのが特に気持ちよくて、体に電流が走ったみたいになった。

 

「んんんんっ!」

「ハァ、ハァ、奈緒……」

 

 ようやくアソコから口を離すと、西野は今度は割れ目に指をあてがってきた。円を描くような動きで西野は割れ目を何度か指でこする。

 

「う、ん……あっ!」

「指……入れるからな」

「あっ!?」

 

 なにか侵入される感覚に驚き、あたしは一瞬体を硬直させた。

 

「うわ……指一本でもキツキツ」

「ちょっ……、ダメ、そこは……あんっ!」

 

 体の中になにかを入れられている。そのときはオナニーでもクリトリスをいじるくらいでせいぜいだったから、指一本でも入れられると違和感が大きかった。苦しさから逃れようとあたしは身を捩った。でも西野は逆に私を逃すまいとさらに深く指をアソコに突っ込んできた。

 

「えと、こう……か?」

「ひうっ!」

 

 膣内に強烈な刺激が走り、あたしは思わず背をのけぞらせた。西野が中で指を折り曲げたのだ。

 

「あんっ! に、西野……、ダメ、それ……! 怖い……っ」

「だ、大丈夫。気持ちよくするから」

 

 あたしの言葉はもう西野には届いていないようだった。西野は残った手であたしの太ももをつかみ、アソコに突き入れた指を激しく動かしはじめた。

 

「ひやぁああああっ!?」

 

 アソコの内側を強くこすられ、あたしは悲鳴に近い絶叫を上げてしまった。

 

 だけどそれで西野はあたしが感じていると思ってしまったらしい。

 

「奈緒っ! 吹きそう!?」

「うんんんんんっ!?」

 

 あたしは必死で首を横に振って中止を訴えたけど、やはり西野には通じなかった。それどころか、西野はさらにスピードを上げて指を動かしてきた。痛みこそ強くなかったものの、体内を激しく掻き回されるのはとにかく怖かった。

 

「ダ、ダメダメダメッ! やめっ、やめてっ」

「あっ!?」

 

 さすがに勢いをつけすぎたのか、あたしがなんとか身をよじると、西野の指はアソコからすぽっと抜けた。ようやく解放されたあたしは、しかしあまりの衝撃にもう立っていられず、地面にがくりと膝を落としてしまった。

 

 ゾワゾワゾワ、と別な感覚に襲われたのは、その刹那だった。

 

「んんっ!?」

 

 なんとかこらえようとしたけど、無駄だった。細かな震えに体中をくすぐられると、抵抗する術もなく股が緩む。

 

 あたしはそのままおしっこを漏らしてしまった。

 

「いやぁぁ……」

 

 あわてて裾を持ち上げたからなんとか浴衣は濡らさずに済んだけど、勢いよく噴射された尿はあっというまに地面に水たまりをこしらえていった。ここに来る前、かき氷とか食べていたからきっとおしっこが溜まっていたんだと思う。そこへきてアソコも刺激されちゃったから、一気に尿意が高まってしまったのだ。あたしは膝立ちのまま、放尿が収まるのを待つしかなかった。

 

「し、潮……?」

 

 ようやくおしっこが止まりかけたころ、背後から戸惑いぎみのつぶやきが聞こえてきた。意味はよくわからないけど、たぶんこれは西野が思っているようなものじゃない。ていうか、単純におしっこだ。

 

「み、見るなよぉ……」

 

 羞恥のあまり手で顔を覆いたかったけど、浴衣の裾を上げているからそれも叶わない。このままじゃアソコも拭けないし、ホントどうしよう……。困り果てて、とうとうまぶたにじわりと涙が浮かぶ。

 

「……うう」

「あ……そっか」

 

 すると西野は、なにを思ったのかあたしをふたたび立ち上がらせ、またアソコに口をつけた。おしっこまみれのあたしのアソコに、だ。

 

「ちょっ……!? な、なにしてんの!?」

「ん……、お掃除?」

「き、汚いって!」

「だから綺麗にするんだろ?」

 

 西野はなんか正論っぽいことを言って股を濡らしていたおしっこの雫を丁寧に舐め取っていった。敏感な部分をザラザラとした舌が這い回るのは妙にくすぐったく心地よかったけど、舌に絡まった陰毛を西野が口から取り出す姿を見てしまったときは、さすがに恥ずかしさで顔から火を吹きそうになった。

 

「ううう……もういいだろ……?」

「あ、あのさ……」

 

 羞恥に悶えていると、ごそごそと衣擦れの音が聞こえてきた。西野がズボンを下ろす音だった。

 

「な、なにやってんだよ!?」

「なにって……ぬ、抜いてほしいから……」

 

 西野が反り勃ったちんこを握りしめてにじり寄ってくる。「抜く」って言葉の意味は知らなかったけど、西野がなにを望んでいるのかくらいはだいたい想像ができた。

 

「ダ、ダメダメ! ダメだって、これ以上は……」

「ちょっとだけ! ちょっとだけだから! な?」

「ダ、ダメだよ! あたしたち、そういうんじゃないじゃん……」

「このままじゃ家に帰れねえよ! す、すぐ終わるから! 頼むよ!」

「そんなこと言われても……」

 

 あたしは西野の下半身にちらっと目を落とした。西野のちんこはもう完全に勃起していて、はちきれそうなほどに張りつめていた。男が勃起するとちんこから精子を出さないと収まりがつかないって知識くらいは当時のあたしにもあった。西野の言うとおり、あんな状態じゃズボンもまともに履けないだろう。

 

「~~~~、ホ、ホントにちょっとだけ……なんだよな?」

「ヤラしてくれるのか!?」

「ヤ、ヤラ……っ!? い、いや! エ、エッチはダメだぞ!? それだけはホントに怖いから……」

「……わかった。じゃあ、せめて手とか口で抜いてくれよ」

 

 西野は少し残念そうに言うと、あたしの手首をそっと掴んだ。

 

「さ、触ればいいの?」

「うん……頼む」

 

 西野は自分の下半身へあたしの手をゆっくり導いていく。その段階でもう指先に熱を感じた。びくびくと震えて天を突き上げている先端を、あたしはおそるおそる指で触れた。

 

 その瞬間だった。

 

「あっ!?」

 

 西野はいきなり硬直し、ちんこのほうは同時にびくびくびくと暴れ出した。あたしがびっくりして手を引いたその刹那、先端の割れ目からビシャッとすごい勢いで白い液体が飛び出した。

 

「きゃっ!」

「う、ううう……」

 

 驚愕してあとずさるあたしの目の前で、西野は腰を震わせて先端からびゅっびゅと乳白色の液体を放出しつづけた。数回に渡る発射を終えると体の震えもようやく収まったようで、西野は虚脱感たっぷりのため息を落とした。

 

「え……? だ、出した……の?」

 

 地面に落ちた粘液を見て、あたしは思わずそう口にしてしまった。

 

「ご、ごめん……」

「いや、謝ることないけど……」

「で、でも、もう一回できるから!」

 

 西野はキッと顔を上げると、あたしに向けてまた腰を突き出してきた。本人の言葉どおり、いちど精液を出したというのにちんこはまだ全然小さくなっておらず、反り勃った状態を保っていた。

 

「じゃ、じゃあ、触るからな?」

「頼む……今度は我慢するから」

 

 あたしはさっきみたいな不意の発射を警戒して、背後に回って西野のちんこを掴んだ。その瞬間、手のひらの中でまたちんこがビクビクって暴れたけど、今度はいきなりの射精はこなかった。

 

「う、動かして平気?」

「う、うん、たぶん……」

 

 言葉とは裏腹に西野は固く目を閉じてあまり余裕がなさそうだったけど、かといってこのままなにもしないのも生殺しなんだろう。あたしはゆっくりと西野のちんこをこすりはじめた。西野のちんこはそんな大きくはなく、細長いって感じだった。先端部分のエラもそれほど張ってなくて、皮が半分くらいかぶってた。だから自然とあたしも、こするっていうよりはその皮を剥いたり被せたりするように手を動かした。

 

「こ、こんな感じでいい?」

「ぐあ……っ、気持ち……いい! 自分でやるのと全然違う……!」

「そ、そうなのか? つ、強すぎない?」

「大……丈夫っ……、あっ! ダ、ダメだ!」

「え!? ひゃっ!」

 

 またも突然だった。西野がびくっと全身をこわばらせた瞬間、ちんこの先から勢いよく白濁液が飛び出した。しかも一発だけじゃとどまらず、ガン◯ムのビー◯ライフルみたいにビュビュンと連発。三発目は勢いが衰えてドロっと先端から溢れ出る感じだったけど、その分は先端から流れ落ちてあたしの手を白く汚した。

 

「うわ、あったかい……。け、結構すごい量出るんだな……」

 

 手がベトベトになっちゃったけど、不思議とそこまで嫌な感じはしなかった。正直、男の射精ってぴゅってちょっと出て終わりだとぼんやりイメージしてたから、こんなふうにどくどく出るというのは予想外だった。当時はエロい同人誌とかも読んだことなかったし。

 

「うう、わりい……、またこんなすぐに……」

 

 いまから考えると、西野はいきなり漏らしちゃったことをかなり申し訳なく思っていたようだ。でもあたしは正直、なんで謝られるのかわからなかったんだよな。びっくりはしたけど、別に怒るようなことでもなかったし。

 

 それよりもあたしとしては西野の局部の汚れのほうが気になっていた。

 

「あっ、垂れちゃう」

 

 先端から溢れ出した白い粘液が裏筋を伝って玉のほうへ流れ落ちていくのを見て、あたしはとっさにしゃがみこんで唇を竿へと寄せた。自分でも驚くほど大胆な行動だったと思う。でもそのときは、汚れが広がるのを阻止しなきゃ、ってそういう考えしか頭になかった。さっきあたしがおしっこを漏らしてしまったとき西野がアソコを舐めて綺麗にしてくれた記憶が、頭の片隅に残っていたのかもしれない。

 

「え!? な、奈緒!?」

 

 西野もあたしの行動にびっくりしてるみたいだった。でもあたしはかまわず、裏筋に舌を這わせたあと、つづけてちんこを頭から口に含んだ。ぐぐぐっとできるだけ根元のほうまで咥え込んで、ついでゆっくり引き抜いていく。フェラチオなんて上等な真似をしているつもりはさらさらなく、ちんこについた精液を唇で舐め取るためにそうしただけだ。

 

 けど、西野にとってはこれも刺激が強すぎたようだ。

 

「ちょっ……、奈緒っ、ヤバイって……っ! あっ!」

 

 西野が突然ブルっと強く腰を震わせ、そして――。

 

 

「……ぶっ!?」

 

 突如、あたしの口の中に大量の液体があふれた。また射精!? と一瞬思ったけど、今度のは精液とはあきらかに感じが違った。精液みたいにドロッとはしてなくて、むしろサラサラとした液体だった。

 

「ぶえっ!」

 

 あたしはとっさに西野のちんこから口を離し、出された液体も一緒に吐き出した。やっぱり粘り気はまったくなくて、びちゃびちゃって感じで液体はあたしの顎から下に落ちた。胸にも少し垂れた。

 

「う、うう……」

 

 西野のほうを見ると、西野は前かがみになって、ちんこから透明な雫をぽたぽたと漏らしていた。

 

「え……な、なにこれ……? お、おしっこ?」

 

 ちんこから出る精液以外の液体というと、それくらいしか思いつかなかった。

 

「ち、違う! おしっこじゃないって! 潮だよ潮!」

「し、しお?」

 

 あわてて弁明してたけど、でまかせってわけじゃなさそうだった。ユキエがさっきアソコからびちゃびちや汁を出してたときも潮とか言ってた気がするけど、同じものなのかな?

 

「奈緒の口が気持ちよすぎて……俺のほうが吹いちまった」

「そ、そうなんだ……。びっくりしたぁ……」

「ご、ごめん……」

「いや、いいけどさ……西野、普段からこんな感じなのか?」

「い、いつもじゃないけど……ときどきは吹く……かな?」

「そっか……、すごいんだな……」

 

 いつもじゃないけどときどき吹くっていう西野が普通なのかどうかあたしにはわからなかったけど、男が射精以外にも気持ちよくなって出すなんて全然知らなかったからあたしは素直に感心した。口の中に少しだけ残っていた西野の潮ってやつは、ほのかにしょっぱかった。精液のほうは少し苦味があったからやっぱり違う種類の汁なんだろう。

 

「あ……それで、西野……、もう収まった……かな?」

 

 あたしは西野の下半身へちらりと目をやった。二度も射精して潮まで吹いた西野のちんこは、さすがに一時よりも硬度を失いかけていた。

 

「う、うん、でも……」

 

 西野は切なげな表情であたしをうかがうと――。

 

 意を決したように正面からあたしに抱きついてきた。

 

「ひゃっ! ちょっ……な、なにすんの!?」

「ごめん、奈緒! 俺、やっぱ奈緒に入れたい!」

「い、入れるって……やっ!」

 

 西野はあたしの体を反転させ、壁のほうへ押しやった。あたしが壁に両手をつくと、突き出したお尻に自分の腰を寄せてくる。敏感な女の割れ目に硬くて熱いものが触れる。

 

「ダ、ダメッ! エッチはダメって言ったじゃん!」

「頼むよ! 奈緒もちゃんと気持ちよくさせるから!」

「そ、そういう問題じゃ……」

 

 あたしは身をよじって抵抗しようとしたけど、西野はあたしの腰を掴んでぐいぐいとちんこを押し当ててきた。

 

 このまま入れられるんだと思った。こんな、神社の片隅で処女を失うことになるなんて夢にも思っていなかったから正直怖かったけど、相手が西野なのがまだ救いかもとも思った。無理やり自分にそう言い聞かせてただけかもしれないけど。

 

 あたしが抵抗をやめると、硬い先端がついにあたしの割れ目をぴたりととらえた。

 

「ハアハア……いくぞ。な、中には絶対出さないから」

「ああ……っ!」

 

 西野はいちど腰を引き、勢いをつけてちんこを突き出した。

 

 が、その動きがかえって余計だったらしい。

 

「うっ!」

「あんっ!」

 

 西野の低いうめき声が聞こえた瞬間、クリトリスをこすられる感触があって、あたしは思わず声を上げた。と同時に、お腹のあたりに生温かいものがかかるのを感じた。

 

「……え?」

 

 頭を下げてお腹を覗くと、へそのあたりから白い汁が垂れてきていた。これは潮じゃなくて精液だ。

 

「う、あ……、くそ……また……」

 

 西野は腰を引いてあたしから離れた。そのままよろよろとあとずさり、腰が抜けたみたいに地面にぺたんと座り込んだ。

 

「イ、イッたの?」

 

 あたしはお腹に出された精液を指ですくった。さっきよりも少し粘り気が少ない気がした。

 

「ちくしょう……、もうちょっとだったのに……っ」

 

 どうやら西野は三度目の射精をしてしまったらしい。一気に挿入しようとなまじ勢いをつけたのがよくなかったみたいで、ちんこは穴に入らず前のほうに滑り、クリトリスをこすりあげてしまったようだ。その刺激で西野は射精してしまった、と。

 

 この時点で西野のちんこはさすがに小さくなっていた。それでも西野はまだエッチを諦めきれかったらしく、なんとかもう一回勃たせようと自分でちんこをしごいたけど、三回――潮ってやつを含めると四回なのか、それだけイッたあとでは、やはりもう完全には硬くならなかった。それに、たとえもう一回勃起してもあの当時じゃやっぱり西野は挿入まではできなかったんじゃないかな。なんとなく、そう思う。

 

 西野のちんこが復活しないうちにユキエから電話もかかってきて、あたしたちは急いで後始末をして、大太鼓のステージの前へ引き返さざるをえなくなった。そこにはユキエたちと、ナナコと沖もすでに戻ってきていた。四人ともになもなかったかのような平然とした顔をしていた。ユキエには巾着袋を返したけど、おおげさなお礼を言われただけでそれ以上はなにも訊かれなかった。あたしたちはそのあとも少しお祭りを見て回った。ただ、西野だけはあからさまに落ち込んでいたから、あたしはほかの四人をごまかすのに苦労した。

 

 そんなふうだったから、その年は結局,プリキ◯アのお面を手に入れることができなかった。

 

 

 *

 

 

 そのあとのことをかいつまんで話す。

 

 その日以来しばらくのあいだは西野とはさすがになんとなくぎこちない感じになった。だけど、夏休みが開けて、二学期の中間テストが終わるころにはまた普通にアニメの話をできるくらいにはなった。ただ、西野があたしの家に撮りだめたアニメを観にくることは、もうなかった。

 

 中三になるとあたしたち六人はクラスが分かれてしまって、あまり一緒に遊ばなくなった。一学期に京都へ行った修学旅行のとき、ナナコが西野に告白したって噂を耳にしたけど、ふたりが付き合ったのかどうかは知らない。ナナコとも西野ともしゃべる機会が減っていたし、わざわざ確かめるのも気が引けた。その後、西野が早漏だという噂が一時期女子のあいだだけで流れたけど、これについてもあたしは沈黙を貫いた。

 

 高校はみんな別々のところに進学することになり、それでいよいよあたしたちは疎遠になった。あたしがアイドル活動を始めたのを知って、ユキエとナナコはラインで激励のメッセージをくれたけど、塚本たちは特になにも言ってきていない。西野からも連絡はない。ただ、デビューしたてで、あたしの趣味がアニメ鑑賞とかあまり公言もしていないはずのころに、匿名のファンレターに、祭りで売っているようなプリ◯ュアのお面が同封されていたことがいちどだけあった。そのときにはあたしもあの手のお面が公式グッズじゃないフェイク商品と気づいていたけど、そのプレゼントはなんとなく今も大事に取ってある。

 

 ……とまあ、「ひと夏の思い出」ってテーマで思いつくエピソードっつったら、こんなもんかな。……って、よく考えたらこんなの、テレビじゃ絶対話せないだろうが! 今度出演させてもらうトーク番組のアンケート用紙に書くネタを考えてたはずなのに、なんでこんな恥ずかしい話してんだ、あたしは……。

 

 い、いいか? この話はぜ、絶対内緒だからな! 絶対誰にも言うなよ! 特に、凛とか加蓮とかにしゃべったら、マジで承知しないからな! こんな話知ったら、あいつら絶対イジってくるもん……。

 

 こんな話するの、あんただけなんだからな……プロデューサー。

 

 

(了)


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