※この作品はR-18です。

がっこうぐらし with ローンワンダラー R-18エピソード集   作:ナツイロ

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 サブタイトルが身も蓋もなくて酷い。
 本編に絡むというより、探索したラブホで事に及ぶ、ただそれだけの話。
 以下、濡れ場までの簡単な前フリ。

 亜森と胡桃が久しぶりの校外探索に出た日、コンビニで幾つかのコンドームを見つけた。
 その後、再びホームセンターへ向かうために運転していた最中、亜森が少し寄り道すると言って脇道にそれる。
 辿り着いた先は、ラブホテル。
 ラブホ内の備品倉庫にて大量のコンドームやローションなど、ホテルの備品等を発見。
 他に何かないか、ホテル各部屋のクリアリングをしながら最上階の角部屋まで。
 角部屋で一旦休憩となり、二人が携帯していた装備やリュックサックなどをテーブルへ置いた後、亜森は胡桃を後ろから静かに抱きしめるのだった。
※誤字報告ありがとうございます。修正適用しました。


R-18 IF-第19話分岐ルート ホムセンではなく、さらなるコンドームを探しにラブホに行った話

 大きな一枚鏡が設置されている洗面台を興味深く眺めていた胡桃は、突然後ろから抱きしめられた。

 亜森の身体が密着し、腕は胡桃の前に回され、包み込まれるようにがっちりと抱きすくめられている。

 唐突な抱擁に胡桃は驚きを覚えたが、二人っきりになってからの軽いスキンシップはあの日以来、何度も行っている事でもあったため、これもそうなのだろうと認識していた。

 

「もう、アモ。いきなり過ぎ」

「――胡桃」

「ねぇ、なに……が」

 

 胡桃の耳元に顔を寄せ、囁くように言葉を吐き出す亜森は、洗面台の鏡越しに見ても少々いつもと様子が違っているように見えた。

 さらりと流れる胡桃の髪の香りを吸い込むように呼吸する亜森に、胡桃は恥ずかしさを感じたが、自身のスカート越しに当たる亜森の硬くなってきた下半身を感じた時、羞恥心はさらに高まる。

 

「アモっ、ちょっと……当たってるんだけど」

「爆発しそう」

「ねぇ、待って。ここで?」

 

 学校のように安全が確信できる場所ではなかったし、胡桃としてはまだ一度しか致していないのだからもう少しばかりムードがある空気が欲しかったのだ。

 場所こそおあつらえ向きなのは、重々承知していたが。

 

「玄関は封鎖したし、ここまでの階段はロープを張ってきただろう? それに、この部屋は角部屋で非常階段に一番近い」

 

 それで階段の手すりにロープを結びつけていたのか、非常階段も真っ先に確認していたし、部屋に入ってからは内鍵が閉まるか何度も確かめていた。

 胡桃は呆れたように鏡に映る亜森を見るが、その肝心の彼は怒張したそれを押し当て、胡桃の頬や耳、顎のライン、喉にキスをして、唇を介しその素肌の触感を味わっている。

 その大きな両手で、胡桃の身体を妖しく弄り始める。

 

「あっ……、ちょっと。んッ」

「胡桃……ダメか?」

「ダメっ……じゃ、ない。ん、けどぉ」

「けど?」

「あっ……ん、はぁ……お腹、だめぇ」

 

 胡桃の吐息混じりの力ない抗議も、既にスイッチの入った亜森の行為は止められず、制服のブラウスの裾をスカートから引き出し、胡桃の素肌を直接擦り始めた。

 

「胡桃」

「うぅんっ、はぁ……。な、に?」

「あれから一度もしてないんだ。今直ぐ、胡桃が欲しい」

「……そ、そんなこと言われたら。ダメって、言えないじゃん……」

「すまん」

 

 その言葉に抱きすくめる力が少し抜けたのか、胡桃は身体を反転させ亜森と向き直った。

 亜森の瞳をまっすぐ見つめれば、切なく見つめ返す姿があった。

 胡桃は胸がきゅっと締め付けられる感覚を覚え、亜森の両手をそっと自身の掌で包み込んだ。

 

「アモ、その。あたしも……」

 

 恥ずかしそうに、はにかむ胡桃。

 もごもごと言葉を続けようとしている姿に、亜森は静かに待った。

 

「胡桃……」

「ご、ゴムは使ってよ?」

「うん」

「ぎゅって抱きしめて欲しいし、キスだって……」

「もちろん」

「まだ慣れてないから。……優しくして、欲しいし」

「あぁ」

「……それなら、いいよ。あたしが……その、アモを全部受け止めてあげるから」

 

 自分の大胆なセリフに羞恥心が収まらない胡桃は、耳まで真っ赤に染めて亜森を見上げる。

 その潤んだ瞳を受け止めた亜森は、両手で胡桃の頬を包み込み、額を合わせた。

 鼻先で、熱い吐息が交わされる。

 

「胡桃がいい女過ぎて、困っちゃうな」

「うぅ、恥ずかしくなってきた……」

「俺だって、ほら」

 

 亜森はそう言って、胡桃の片手を手に取り、自身の首筋に当てる。

 掌に激しく脈動する血管が、感じ取れた。

 

「アモも……ドキドキしてる?」

 

 自分に負けず劣らず興奮しているらしい亜森の心拍を感じて、共通点を見つけたような気になり、少しばかり嬉しかった。

 

「あぁ、胡桃が欲しくて、興奮が止まらない」

「もうッ、すけべ」

「はは、それは諦めてくれ」

 

 拗ねるような表情の胡桃を宥めながら、亜森の指先は彼女の顔にかかる前髪をすぅっと払い、耳に掛ける。

 あっ……と、耳元に触れる亜森の熱を感じ、首筋に添えられた大きな手がゆっくりと肩へ滑り、優しく包み込まれる。

 言葉が途切れた二人は見つめ合ったまま、少しずつ顔を寄せていった。

 何度か躊躇いがちに動きが止まったが、亜森は胡桃の後頭部を掻き抱くように手を回すと、徐ろに唇を重ねた。

 亜森に身体を寄せて少し踵を上げた胡桃は、瞼を降ろし彼のシャツ越しに腕を掴みこんで、亜森の求めるままに艶やかに濡れる唇を小さく突き出した。

 

「んむ、……はぁ。んぅ」

(アモの、キス……。頭がふわぁってなって、胸が切なくて……。あぁ、もっとこうしてたい)

 

 唇が触れるだけのキスから、徐々に熱がこもり、互いの柔らかな唇を感じ合う。

 おずおずと胡桃の舌が歯列の隙間から差し出され、亜森の熱く弾力的なそれに触れる。

 亜森の舌が胡桃の舌と絡み合う度に、胡桃から漏れ出す吐息は熱を持っていく。

 舌先がチロチロと蠢き、唇を食まれ、混じり合った唾液を嚥下する。

 口づけを交わす間にも、二人の身体は相手を求めるように密着し、片手は指同士を絡み合わせ柔らかく握り込まれ、もう片方の手で相手の身体を確かめるように弄った。

 

 次第に激しくなる接吻にのめり込んでいた胡桃は、スカートのホックが外されサスペンダーが肩からすり抜けていく事に気が付いていなかった。

 気が付いた時にはブラウスを脱がされる寸前で、亜森自身もズボンのベルトをカチャカチャと外してしまった後。

 しかもいつの間にかシャワー室に隣接する洗面台から、部屋の一角を占めるやや演出過剰なベッドに膝裏が触れている状態だった。

 上着とシャツを脱ぎ去った亜森の、古傷の目立つ素肌に直接触れている感触に、胡桃はブラウスと一緒にアンダーシャツを脱がされながら昂奮が滾り始めたのを深く認識した。

 

「いつの間に、んぅ……脱がせたの?」

「胡桃が、身体をくねらせながらアンアン言ってる間かな」

「そんなことっ、……してない」

「それにほら、まだ最後の関門がのこってる」

 

 胡桃をベッドに誘い、膝立ちで向かい合った亜森は、彼女の腰元や背中を撫で回していた手をブラの輪郭沿いに添わせ、可愛らしくしつらえてある刺繍を指腹で撫でる。

 片手で腰元から脇腹、脇下、肩甲骨と手を滑らせると同時に、もう片方の掌はブラカップ越しに乳房に押し当てられる。

 上気し始めた胸元を押し上げられるように、張りの良い乳房が形を変え、揉みしだかれていった。

 

「ンぅっ、待って……今、外すから」

 

 乳房を覆う亜森の手を一旦自身の手で止めると、胡桃は背中に手を回してホックを外した。

 だらりと下がるブラ紐が亜森の視界に入り、それを摘むとさっと胡桃から引き剥がす。

 

「あっ……」

 

 薄く静脈の見える白い乳房に、桜桃色の乳頭がつんと突き出している。

 自分の胸がさらけ出され、恥ずかしさで隠してしまう胡桃だったが、亜森の手によって阻まれ敏感になりつつある乳房は大きな掌に包み込まれていく。

 

「ンぅ……あっ、はぁっ」

 

 亜森の手には胡桃の弾力のある乳房の触感が直に伝わってきており、指が埋まらんばかりに妖しく蠢かせると、それに合わせて胡桃の口から漏れ出る喘ぎに更に熱がこもり始めた。

 やんわりと指腹と手のひらを押し当てれば、亜森を誘惑して止まない乳房が形を変えては戻るを繰り返す。

 指先で硬くしこる乳首をつまめば体を震わせ、指腹で撫でるように転がせば悩ましい吐息が洩れる。

 亜森がキスで口を塞いでも、刺激に翻弄される様が唇や舌を通して彼に伝わっていた。

 亜森の腕を必死に掴み、快楽で崩れ落ちそうになる身体を必死に支える胡桃。

 それでも亜森の執拗な愛撫は、胡桃の反応が官能的に熱を持つほど激しさを増す。

 

 ゾクゾクとした快感が神経を侵犯し始めるのを、胡桃は感じた。

 そのまま甘い快楽に飲み込まれるのも魅力的ではあったが、一旦その誘惑を退けた胡桃は、自分の指を亜森の盛り上がった筋肉の溝をなぞり上げるように、そろりと滑らせていく。

 指の腹を通して亜森の熱が伝わり、滲み出す汗が指先に溜まる。

 それを舐め回すように口に運ぶ姿は、亜森の性衝動をさらに熱く滾らせる。

 亜森はきめ細やかな素肌を堪能していた手を、胡桃のまろやかな臀部へと伸ばし、その柔らかく引き締まった魅惑の塊を両手で揉みしだく。

 

「あっ……ン。お尻……広げちゃだめぇ」

 

 自身の臀部で蠢く亜森の指一本一本から熱を感じ、反射的にきゅっとすぼませるが、それに反応してか亜森の両手は反するように妖しく動き続けた。

 胡桃はお返しとばかりに亜森のお尻へと手を伸ばしたが、自身のそれとは対照的に薄い脂肪の下は筋肉の塊であったためか、思ったような反応は返ってこなかった。

 くくくと喉を鳴らす亜森を見上げてみれば、面白そうに胡桃を見る彼がいた。

 胡桃の魅惑のお尻から手を撤退させた亜森は、彼女の二の腕を擦りながら宥め始める。

 

「わ、笑うなっ」

「ごめんごめん、俺のケツはどうだった?」

「アモっ!」

 

 抗議を込めて、亜森の横腹に平手打ちを喰らわせる。

 バチンという音と共に、イテテとその箇所を撫でる亜森。

 その少しばかり滑稽な様子がおかしかったのか、二人は肩を震わせ笑い始めた。

 

 そのまま身体を寄せ合い、激しく求めるような口づけから、優しく重ねるだけのものへと移り、二人は鼻先をこすり合わせ互いの首筋を伝う汗を舐め上げる。

 その間も、亜森の堅く膨張した男根は、ボクサーパンツ越しに胡桃の恥丘や腰元に突き立てられていた。

 胡桃もその熱を持った肉茎に下腹部を押し当て、亜森を刺激するように無意識ながら腰をゆっくりと押し当てる。

 

「胡桃……そろそろ」

「うん、……下着汚れちゃうから」

 

 脱がせて欲しいと、胡桃は潤んだ瞳で訴える。

 胡桃をそっとベッドへ押し倒した亜森は、彼女の頭の後ろに枕をはさみ、ゆったりとした動作で彼女の顔、首すじ、肩そして腰へと手を滑らせる。

 くすぐったさに身を捩る胡桃に、亜森も自然と優しい笑みが浮かんでくる。

 膝をすり合わせる胡桃の下着に指を掛け、そっと太腿へとずり下げていく。

 くるくると丸くなる布切れから、恥丘を薄っすらと翳らせる産毛状の陰毛、陰唇をヌメらせ始めた愛液が露わになる。

 お尻の曲線を完全に抜けると、恥部に密着していた部分が離れ、妖しく光る粘液が糸を引いた。

 その光景が更に亜森の欲望をふつふつと滾らせ、呼吸を荒くさせる。

 緊張のせいか足先をぴんと張る胡桃の両脚から下着を抜き去り、傍らに置いたブラに重ねた。

 すべてをさらけ出すことになった胡桃は羞恥心の余り、亜森の視界から秘部や胸を隠すように手を重ねるが、亜森によって両手首を握られ、ベッドへと組み伏せられる。

 

「まるで、今から犯される気分……」

「その言葉通りのことを、するつもりなんだけどな」

「えへへ……、んぅ」

 

 荒い呼吸で胸が上下する胡桃は、亜森を求めるように唇を差し出し瞼を下ろす。

 それに答えた亜森は覆いかぶさったまま、彼女の口内を貪欲に舐めまわしていった。

 ざらつく舌をこすり合わせ、歯列をなぞり、歯茎を舐め上げる。

 唇を喰み、混ざりあった唾液が音を立ててすすり上げられ、欲望の赴くままに胡桃の口内粘膜を蹂躙していく。

 顔を傾かせ唇が離れる度に、熱い吐息が漏れ出て、口角を泡立たせた。

 ジュルジュルと泡の混じる唾液を啜る湿った音が、二人の耳を打ち続ける。

 

 絡み合う唾液が舌を伝って胡桃の口内に溜まり、たまらず彼女は嚥下する。

 自分がそのような官能的な行為にのめり込んでいる状況に、胡桃は羞恥心よりも淫靡な身体の疼きが自身の深いところから、鎌首をもたげつつあるのを感じていた。

 濃厚な口づけに没頭していると、いつの間にか亜森の手は胡桃の手首から離れ、そろそろと彼女の下腹部へと伸ばされていく。

 

「ンンんぅぅっ!?」

 

 胡桃が気が付いた時には濡れそぼった縦割れに指が触れており、包皮の上からクリトリスを刺激されて、突然の電流にも似た快感に、胡桃は嬌声を止められなかったが、口をふさがれたままでは呻き声として喉を震わせただけだった。

 恥部をまさぐる亜森の手を、胡桃は内腿を硬く閉じて挟み込む。

 それでも亜森の愛撫は止めることが出来ず、腰に広がる疼きに、胡桃の下肢はひくひくと内腿を震わせながら割広がっていった。

 大陰唇をなぞるように指で押し伸ばし、親指は陰核に押し当て刺激する。

 口を開き始めた膣口の縁を指腹で解すようにに撫でまわし、にじみ出る分泌液が指を妖しくヌメらせた。

 

「んァ……っむ、……ンぅっ」

 

 口づけで塞がれたままの胡桃は、高まる性的な疼きがうねる度に身をよじらせ、喘ぎで喉を鳴らす。

 足の指先がベッドのシーツを掴むように広がり、膝を曲げ、寄せては引く波のような快楽に深く溺れつつある胡桃は、既に羞恥心を感じる余裕も無くなり、両腕を亜森の首に絡ませ更に深くつながろうと舌を差し出した。

 そして亜森の手が胡桃の恥部を蠢く度に、彼女の腰は快感にうち震え、さらに刺激を求めるように無意識にしゃくり上げられる。

 潤んだ瞳で亜森を切なく見つめても、胡桃の身体を蹂躙する事にのめり込んでいる亜森は気が付かず、本能の赴くままに彼女を攻め立てていった。

 後もう少しで絶頂が身体を支配しかけるという時に、亜森は手を引き離した。

 

「あっ……、はぁっはぁ」

 

 どうして止めるのと、胡桃は熱に浮かされた顔で亜森を見つめる。

 亜森は触れるだけのキスを落とすと、あられもない姿で開かれた胡桃の足側へ移動し、膝裏に手を当てぐいっと押し上げた。

 軽く広げるように持ち上げられ、愛液で濡れきった下半身を亜森の眼前にさらけ出すことになった胡桃は、普段であれば恥ずかしさのあまりに亜森を罵倒しかねない姿だというのに、まるで次に行われる官能的な行為に期待するが如く亜森を見つめたままだった。

 浮かんだ腰が亜森の太腿に乗せられ、徐々に顔が胡桃の恥部へと近づいて、熱い舌先が会陰からクリトリスの間の粘液を舐め上げるように触れる。

 

「っひゃぁ!! アぁっ」

 

 そのざらつく舌から生まれる灼けつくような刺激に、胡桃の膣粘膜はきゅうっと収縮し、快楽に内腿を震わせた。

 亜森はその反応を他所に、胡桃の秘裂を貪るようにしゃぶり、蜜液をすする。

 もはや胡桃を思いやる余裕が無くなるほどに興奮の渦にある亜森は、ただただ目の前の花弁と蜜を求めるだけの行為に没頭していった。

 

「あぁンっ、……んっ」

 

 舌が蠢く度に胡桃は声をつまらせ、膣粘膜に舌が差し込まれる度に嬌声が漏れ出る。

 反射的に股を閉じようとも、亜森の腕によって抱え込まれ、腰を打ち震わせることしか出来なかった。

 その半ば拘束された形に、胡桃は熱く火照る上半身をくねらせ、体の芯が熱い淫欲に浸されていく。

 狂おしい痴態を見せ始めた胡桃の様子に、亜森のクンニリングスは執拗さを増し、亀裂の熱く充血した内粘膜の凹凸をなぞり、とめどなくあふれる分泌液を口周りが濡れることも構わず吸い立てた。

 シーツをきつく握りしめ、苦悶の表情を浮かべて身体を犯していく快楽に身を委ねていた胡桃。

 

「あっあっ、それぇ……ダメぇっ!? んんぅーっ!!」

 

 亜森の舌が陰核を転がし吸い上げると、限界に達したのか胡桃は身体を大きく震わせ、背を仰け反らし身体に走る鮮烈な体験を感じていた。

 内腿が痙攣したようにひくつき、亜森の目の前に広がる胡桃の腹筋が小刻みに震えている。

 亜森の口の中にも胡桃から吹き出る体液が広がり、口元から溢れ二人の体を伝わりシーツを濡らしていく。

 全身の震えが収まった胡桃の身体は脱力し、下肢は亜森の上半身にしなだれがかる。

 腰は亜森の太腿の内側へと沈み、力が抜けた両腕は大きく広がり、荒い呼吸で胸元が上下していた。

 視線は宙を彷徨っていたものの、だらしなく広がった自身の両足の間でゴソゴソと何かをしている亜森に気が付いて、そちらに焦点を当てる。

 

 亜森は自分の下着を脱ぎ捨てており、その膨張しきったペニスをそそり立たせていた。

 そして本日のスカベンジングの成果でもある避妊具の一つの封を破り、薄くピンク色に色づいたゴムをくるくると被せていた。

 亜森の男根を直接目にしたのは、初めての夜を含めて二度目の経験であったが、凶悪なそれが胡桃自身の媚肉をかき分けていくのを想像しただけで、体の芯が熱くなるような気がした。

 準備を終えた亜森は、胡桃に膝をついたままにじり寄り、自身の腿を胡桃の下腿を持ち上げるように差込み、上体をかがませ、胡桃に覆いかぶさるように彼女の肩の隣に手をついて見下ろす。

 胡桃は熱く脈動する男の象徴が、自身の秘裂を擦り上げている感触を覚えた。

 

「胡桃……、いいかな?」

 

 亜森の、そのこの期に及んでの問いかけに、可笑しな感覚を感じ、ふふっと鼻を鳴らした。

 あれだけ、始める前に胡桃の身体を弄っていた男が、今まさに男の精の捌け口として、一心に受け入れようとしている女を気遣っているのだ。

 胡桃としても、そのように自分を思いやってくれて、女の部分を満足させてくれる亜森に、嬉しさと愛おしさが胸に広がって満たされていった。

 亜森をもっと全身で感じたい。

 ただされるがままに気持ちよくなるのではなく、自分自身が亜森を気持ちよくさせてあげたい。

 男女の交わりなど、亜森としか経験のない胡桃であったが、相手を思いやる感情は本物だった。

 そして今更他の凡百の男など、比較するだけ亜森に悪い。

 背が高い、容姿が優れている、気遣いができる、運動ができる。

 そんなもの、眼前で自身を覗き込んでいる男に比べたら、如何程のものというのか。

 胡桃は自分が求める以上のものを返してくれる亜森に、深い親愛の情を感じている。

 そして、亜森が自分を求めるのならば、その想いに答えたかった。

 自分が与えられた以上のものを、亜森に返してやりたい。

 胡桃は、先程の悦楽の余韻に浸るまま、そのようなことを考えていた。

 

 亜森を潤んだ瞳で見つめると、胡桃は彼の両頬に手を伸ばし、顔を下げるように言った。

 ベッドに付いていた両手を肘に変えて、亜森は胡桃の言う通りに顔を近づける。

 すると胡桃はふにゃりと表情を柔らかく崩すと、顔を少しばかり傾けて亜森の頬に口づけ、汗が流れる筋を下で舐めた。

 

「ふふ、しょっぱいね……」

「胡桃?」

 

 亜森は不思議そうに、胡桃を見つめる。

 二人の吐息が、鼻先で交わった。

 胡桃は亜森の首に両腕を絡ませて、彼の耳元で囁いた。

 

「……いいよ、来て? あたしで、いっぱい気持ちよくなって」

「我慢できなくなったら、痛くするかもしれないぞ」

「優しいのも、激しいのも……エッチなアモも、全部知りたい。あたしだって筋トレの成果が出始めてるんだから、ちょっとぐらい激しくたって大丈夫だよ」

 

 流石にアモと同じレベルとは、言わないけどね。

 耳元から離れた胡桃は、そう言ってふんわりと笑みを浮かべてみせる。

 その言葉に亜森も踏ん切りがついたのか、言葉無く頷いて、右手を自身の肉茎へと伸ばし、亀頭の先端を胡桃の秘裂へと擦り付ける。

 胡桃の小さな膣口のくぼみを探し当てたら、亜森はゆったりとした動作で腰を沈めていく。

 自身の膣口を押し広げ、秘肉をかき分けるように突き進む亜森のいきり立つ肉槍を、ひだが蠢く膣壁越しに感じた胡桃は、唇を半開きにして甘くとろける調べを吐き出した。

 

「ん、んぅ……はああぁぁぁ」

 

 埋没しきった男根をより深く感じ取れるように、胡桃は殆ど無意識に亜森の胴体に脚を絡めた。

 亜森の首に巻きつく腕にも力が入り、覆いかぶさる彼の体を自分に密着させるようとする。

 下肢に力が込められるたびに、胡桃の膣粘膜は亜森のペニスを絞り上げるように締め付け、肉同士で生じた刺激が胡桃の柔肉を責めたてる。

 快美感が胡桃の腰を震わせ両脚を弛緩させようと信号を発し続けるが、それに反するように胡桃の両脚は亜森を絡みとって離さない。

 突き刺した男根を刻み付けるように、亜森は腰をくねらせ、胡桃の最奥を押し開かんばかりに腰を沈めていく。

 

「ンぁっ、はあぁぁ……あっ。そこぉっ、だめ……ぇ」

「痛かったか?」

 

 胡桃は桜色に染まった表情で悩ましげにかぶりを振って、否定する。

 自分の深奥で、焼けつく肉茎が脈動しビクリと跳ねる度に声が震える胡桃は、熱のこもった潤んだ瞳で亜森を見つめ、か細い声で答えた。

 

「ああぁぁ……んっ。そこ……弱いからぁ」

「……良い事を聞いてしまったな」

 

 一度胡桃の頬にキスをすると、深いところまで腰を沈めきり先端部でかき回すように腰を上下左右に揺する。

 意図せず告白した弱点を突かれて、胡桃の顔がのけぞる様に後ろに引かれ、白い喉が晒された。

 目の前に差し出されたそれに亜森の唇は吸い付いて、しゃぶりつくのを止められなかった。

 顎のラインを伝うように舌を這わせ、耳朶を甘噛みする。

 顎関節を舌先で感じ、喉に唾液を纏わり付かせ、ギリギリ痕が残らない程度の力で汗が滲むきめ細やかな薄い皮膚に吸い付いた。

 一つ一つの愛撫に対して悩ましい反応を示してくれる胡桃を眼前に感じ、亜森の中で昂ぶり続けていた牡の本能が、理性を埋め尽くそうとしつつあった。

 そのせいか胡桃の性感帯を刺激するだけでなく、自身の欲望を吐き出す為の動きに変化していく。

 亀頭の傘が膣口にかかるまで腰を引き、再び深くヌルリと沈み込ませる。

 

「ンっ、んんぅ。……はああぁぁ」

「ふっ、んっ、くっ」

 

 引いては押し貫く、そのピストン運動のボルテージが高まるにつれて、肉を打ち付ける淫靡な音が二人の耳を叩いていった。

 二人が繋がる接合部から零れ落ちる愛液が、白濁し始めた。

 一瞬むき出しになる肉筒にネットリと纏わりつき、亜森の下腹と陰嚢が胡桃に打ち付けられる度に、二人の下腹部をテカらせ、赤く充血させた。

 ベッドに両手をついて上体を支え、亜森は一心不乱に抽送を続ける。

 前後に打ち揺すり立てる行為に反応するように、胡桃の秘粘膜はペニスを扱き上げ、男の精を子宮へ取り込もうと収縮を繰り返した。

 胡桃も無意識の内に、亜森の律動のリズムに合わせるように腰をくねらせしゃくりあげている。

 既に胡桃の下半身は、本人の意思ではなく女の本能に支配されていた。

 

 射精感が高まり、睾丸が吊り上がりつつあるのを感じた亜森は、きゅっと腹筋から下腹部、会陰にかけて力を込めて、この愛おしいパートナーとの交わりで生まれる快感に少しでも長く浸れるように、必死に堪えた。

 額から汗が噴き出し顎を伝って、真下でどこか恍惚な表情を浮かべて全身が快楽に蕩けそうになっている胡桃の唇に弾ける。

 

(しょっぱい……アモの……味がする、……?)

 

 徐々に高まっていく官能の海原に身を委ねていた胡桃は、白濁して鈍くなる思考の中、半開きで上ずった嬌声が漏れ出す唇から舌を伸ばし、落ちてきた汗を舐めとる。

 その間も、亜森によって突き上げられており、シーツを握りしめる両手を支えにずり上がる身体を必死に抑え、桜色に上気した乳房がリズミカルに揺さぶられ形を変えていた。

 胡桃はふと、彷徨っていた焦点を汗が落ちてきた先に向けた。

 玉のような汗が額に浮かび、鼻先や顎に溜まっては落ちてくる。

 眉を若干顰めて、何かに耐えるように苦悶する亜森の表情を見て、目の前の男も気持ちよくなっているのだと感じ取れ、胡桃は胸が温かくも切ない、それでいて決して不快ではない想いでいっぱいになるような気がした。

 そんな時、亜森の顔の更に向こう側が視界に映り込んだ。

 天井には、いかにもラブホテルらしい大きなミラーが設置されていて、終末世界ですらその機能を色褪せること無く十二分に発揮していた。

 そこには必死に腰を打ち立てる男に組み伏せられて、悦楽に溺れるまま、蕩けきった表情を見せ嬌声を上げる少女の姿があった。

 

(あれって……あたし?)

 

 男の腰を離すまいと、ひしと下肢を絡ませた少女。

 下腹部から快感がゾクリと背筋を走る度に、上半身を悩ましくよじり、上気した素肌を見せつけるようにくねらせた。

 完全に陶酔して蕩けきった表情からは、少女が本当に深い官能の渦に沈みきっていると感じられた。

 鏡の中の少女と自分自身が同一人物だと認識した瞬間、一気に羞恥心が蘇ると同時に、性的昂奮が急速に頂点へと駆け上っていく。

 

 胡桃の様子が変わっていくことに気が付いた亜森は、何事かと思うものの、自分自身の中で溜まりきった欲望を噴き出しかねない状況に、彼女を気遣う余裕も無く、ただ名前を呼び抽送を繰り返すだけだった。

 

「胡桃っ、くぅ」

 

 枕の両端をギュッと握りしめ、恍惚な表情を浮かべる胡桃は、徐々に強く打ち付けられる律動に合わせて乳房が揺れ、洩れ出る嬌声が部屋に響くのも構わずに、身体を支配する甘美な情動の為すがままに任せた。

 とめどなく滲み出す花蜜が避妊具越しの男根に纏わりつき、抽送の度に高まる射精感に、限界が近付きつつあることを感じた亜森。

 上体を支えていた両手をベッドから離して、胡桃のすらっとした曲線の腰を少し持ち上げる様に支え、自身の両手と腰を駆使してこれまでよりも更に強かに、胡桃の子宮口を穿つように肉槍を突き立てる。

 

 腰を浮かされ肩と頭で身体を支える胡桃は、より深くより強く挿入される刺激に、最後の理性の堰が穿たれ、快楽が先を争って噴き出すように、身体の奥底から全身に走る快美感を感じ、絶頂に達した。

 

「あっあっあぁ! アモっ、もうっ。いぃ……ああぁっ! っくぅぅうう!!」

「あぁっ! 胡桃っ」

 

 全身がひくつくように痙攣を繰り返し、背中が反り返る胡桃の膣肉が急激な収縮をみせ、亜森の限界寸前の肉棒がしごきあげられ、大きく打ち付けたと同時に亜森の背骨を電撃が走る。

 その痛烈なまでの快感に、亜森に膝から崩れ落ちそうになる感覚が襲ったが、ぐっと口を噛み締め堪えると、男の欲望の塊が睾丸から尿道を一気に駆け上がり、一斉に射出された。

 亜森の男根が何度も打ち震えるように脈動し、繰り返し吐精する。

 その最後の一滴に至るまで、亜森は胡桃の最奥に自身の怒張した先端を押し付けて、精液を吐き出していく。

 熱く滾る白濁の粘液がラテックスの膜越しでさえ、胡桃には灼熱に感じられた。

 コンドームの先端に濃い白濁液が溜まりきり、亜森の腰の震えが治まっていく。

 

「はぁっ……はぁっ、……ふぅ……はぁ」

 

 眉尻が下がり薄目を開ける胡桃は、全身を薄紅色に上気させた肌を晒し、狂おしいほどの絶頂の余韻に浸ったまま、時折内腿や腹部をひくつかせ、肩で荒く息をついている。

 枕を力の限り握りしめていた両手は、いつの間にかだらりとベッドに広がり脱力していた。

 

 二人の視線が重なり、ふふっと互いに口角をあげた。

 支えていた胡桃の腰をそっと降ろした亜森は、交わった体勢のまま覆いかぶさるように胡桃に身体を寄せて、触れるだけの口づけを交わす。

 

「ん……むぅ、はぁ。ねぇ、アモ」

「うん?」

 

 離した唇が二人の唾液で艶やかに濡れる中、胡桃の両手がするすると覆いかぶさる亜森の背中に伸びる。

 そっと背中に添えられた熱を感じた亜森は、胡桃の潤んだ瞳を見つめ返す。

 

「ぎゅって抱きしめて?」

「あぁ、いいよ。……ちょっと、肩を上げてもらえるか」

「うん」

 

 背中にまわした両手を支えにして、胡桃は自身の上体をベッドから僅かに浮かせた。

 その隙間に亜森の手がそっと差し込まれ、肘をベッドについて身体を支える。

 肩甲骨の辺りに亜森の熱を感じ、胡桃は満足そうな笑みを浮かべ、物理的に近づいた彼の表情を熱っぽく見つめていた。

 

「もっとピッタリくっついて」

「ちょっと待って、……これでいいか?」

 

 ベッド上で少しばかり膝と肘を広げ、亜森は自身の身体を下げて胡桃に寄せる。

 全身で亜森を感じ取った胡桃は満足げな顔をして、ぐっと両手に力を込めた。

 

「でも、アモ重いから触れるだけね。あたし、潰れちゃうもん」

「……フフっ、注文が多くて困っちゃうな」

 

 全く困った様子を見せないが、亜森はそう言って喉を鳴らすように笑っている。

 胡桃もそれにつられてなのか、満面の笑みを浮かべ、唇を突き出しキスを求めた。

 求めに応じ唇を重ね、ねっとりと舌先を絡ませ合う。

 

「むぅ……ン、あ、はぁ。我が儘で、ごめんね?」

「こんな我が儘なら、いくらでも叶えたくなるよ」

「あたしって、悪い女かな?」

「あぁ、俺の心を掴んで離してくれないからな」

「えへへ、本当?」

 

 照れた様子で上目遣いに尋ねてくる胡桃に、亜森は目線を合わせたまま頷いた。

 満足の行く回答だったらしく、弾けるような笑顔を見せる胡桃は、彼の存在を再確認するように、亜森を引き寄せる。

 全身に亜森の心地よい重みを感じ、胡桃は深く甘ったるい吐息を洩らしていく。

 そして肺一杯に、空気を取り込む。

 二人の汗と、唾液と体液が複雑に混ざりあった、むっとするような匂いが鼻腔に触れた。

 普段であれば鼻をつまむような匂いであったが、この瞬間は二人の行為の証のように感じられ、満足感が胸に広がっていった。

 

「胡桃、そろそろ……」

「ん、なに?」

「ゴムの始末をしないと」

「あ、あぁ。うん」

 

 亜森はそのように語りかけると、一度軽く唇を重ね、上体を持ち上げて、自身のコンドームを被せた逸物を胡桃の膣からボロンと引き抜いた。

 愛液にまみれ男の欲望をたっぷりと溜め込んだそれを、胡桃は興味深そうにじっと見つめる。

 亜森は胡桃から少し背をそむけると、取り外したゴムを根元付近でくくり、ベッドに放った。

 そして、ベッドサイドに備え付けとして残っていたティッシュペーパーを数枚引き抜くと、精液で濡れる自身のそれを拭っていく。

 その様子を、胡桃は亜森の背中にピタッと貼り付くようにして、興味津々な目つきで肩越しに観察していた。

 

「ねぇ、アモ」

「ん?」

「なんか、萎んじゃったね」

「おい、止めてくれよ。男にとっては、とてもデリケートなんだ。そういう言葉は、心に刺さる」

「ふうん、ちょっと小さくなって可愛いと思ったのに」

「俺を落ち込ませないでくれ……」

「ふふふ、冗談だって」

 

 クスクスと笑う胡桃は、そう言って亜森の汗の滲む頬に口づけをする。

 そして気になっていたのか、ベッドに放置されたコンドームを摘み上げ、たっぷりと吐精されたそれをしげしげと観察した。

 ゴムの表面は自分の愛液で妖しく濡れ、液溜まりを指で挟んでみれば、ヌルリとした感触と半ばゼリー状の部分もある濃縮された白濁液の感触が、指先に伝わってきた。

 

「うわぁ……。なんていうか、沢山出したね」

「そんなに見るなよ、何だか、恥ずかしくなってくるだろ」

「気持ちよかった?」

「あぁ、腰が砕けるかと思ったね」

「えー、ホントかよ」

「嘘じゃないさ」

 

 クシャクシャに丸めたティッシュペーパーを、ベッド脇の屑かごへと放り投げ、亜森は背中側にいる胡桃の方に身体を捩り、ほらおいでと手招きをする。

 その誘いに素直に応じた胡桃はコンドームを手放すと、向かい合う体勢で胡坐をかく亜森の脚の隙間に腰を降ろした。

 胡桃の両手が亜森の首裏で組まれ、半ば寄りかかる体勢で額をこすり合わせる。

 座りが良いように脚をもぞもぞとズラした亜森は、胡桃のしっとりと汗で湿る素肌の感触を楽しむように、手のひらで彼女の背中を撫でさすっていた。

 

「こうしてると、あの時みたい」

 

 身体を寄せ合い、亜森と鼻先をこすり合わせる距離で吐息をもらす胡桃は、何かを思い出すように語った。

 

「屋上の、ベンチのことか?」

「そっちじゃなくて……。アモの部屋のソファーでさ、こうしてたでしょ?」

「あぁ、あの時の。……服は、お互い身につけてたけどな」

「えへへ、そうだね」

 

 そう言って、胡桃は身体を押し付けるように身じろぎ、内腿で亜森の腰を抱え込み、顔を彼の首元に埋める。

 直ぐ真横に胡桃の艷やかな黒髪を視界に入れ、亜森は彼女の頭をやんわりと撫で続けた。

 互いの心音が、相手の胸を打つ。

 

「……あの時、強引にあたしの初めてを奪っても良かったのに。そのつもりだったんだから……」

 

 瞼を下ろしリラックスした様子を見せる胡桃は、少しからかうような調子で囁いた。

 亜森は一つ長く息を吐き出し、彼女の耳に口元を寄せる。

 

「据え膳に手を出せない男で、すまん」

「んーん。アモはそういう事しないって、知ってるから。もちろん、してくれても良かったけど」

 

 へへへと、顔を正面に向き直した胡桃は白い歯をチラリと見せて笑った。

 亜森は額をコツンと合わせ、表情を崩す。

 

「もっと強引な方が、好きだったか?」

「いっつもじゃ困るけど、まぁたまには良いかなって」

「今日みたいなのじゃ、駄目だったか……」

「壁ドンぐらいのことは、しても良いのに……。まぁ、アモがやったらドンじゃなくてドゴォだけど」

 

 そう言って、胡桃は肩を震わせ笑っている。

 

「ドゴォは無いだろ……、無いよな?」

「アモ……、鏡使ったこと無いの? その、あたしから見ると……凄くヤバイよ。色々と」

 

 亜森の鍛え抜かれた筋肉や、銃弾でえぐれたような古傷を指先で撫で、胡桃はヤバイヤバイと呟きながらどこか楽しそう表情で感想をもらす。

 

「なぁ、くすぐったいんだけど」

「も、もうちょっとだけ」

「……好きにしてくれ」

 

 興味津々な様子で身体を撫で回す胡桃の姿に、亜森は諦めた顔をして彼女の好きにさせることにした。

 まだ、日は明るい。

 

 




その2へつづく……かも?
でもIF分岐ルートだから、ここで終わるのも致し方ないか。
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