※この作品はR-18です。

BLEACH -とある少年の女難-   作:朱夜

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第2話 「拾っちゃいました」・「拾われました」

はてさて、悲劇の主人公っぽく卯ノ花さんに連れて行ってと懇願した俺だが、その前に教えておかなきゃならないことがある。

 

1、尸魂界に来た当初は前世の事は全て覚えていた

2、尸魂界で生活するうちに前世の記憶は忘れた、こりゃまたサッパリ、おそらく原作を崩壊させないため?

3、覚えている事は転生した事と「天才」だったこと

 

以上だな。

一応転生した経緯は覚えている。

 

まぁ、猫を被ったつもりはない。

前世の自分を覚えていないのだから、前世の自分がどんな性格で、何が好きで、何が嫌いか、まで忘れてしまったのだから。

 

 

卯ノ花さんに連れられ、俺は瀞霊廷の門の一つ、青流門を通って瀞霊廷内へと入った。

隊長が瀞霊廷内を歩いているのが珍しいのか、向かって歩いてくる隊士達が頭を下げたり驚いたりして道を譲っている。

そして、その傍でおどおどしながら歩いている俺を隊士達が不思議な目で見ていくのだ。

 

 

たどり着いたのは、四番隊隊舎だった。

診察室らしき場所に連れていかれると、副隊長の虎徹さんが部屋の奥へ入っていく。

 

「さて、千歳さんには申し訳ありませんが、健康診断を受けていただきます、御召し物を脱いでいただけますか?」

 

「へっ?」

 

御召し物って、この汚いボロ布のことか?

 

「どうしたのです? 恥ずかしがる必要はありませんよ? 医療を収めた身ですので、男性の身体的構造は熟知しております」

 

有無を言わさない笑みと言葉で詰め寄られ、着物の首元を綺麗な指で肌蹴させられ、俺の顔は恐らく真っ赤だ。

 

「下着を着けていないことが恥ずかしかったのですか? ご心配なさらず、これは診察です、いかがわしい事は致しません」

 

さぁ、さぁ、とどこか面白がっている卯ノ花さん。

分かっててやっているのか、それとも天然なのか。

目の前に絶世の美人がいて、勃たない訳がない。

 

既に俺の肝のは両腕にかかっており、肩から胸にかけてはオープンになっている。

最後の抵抗とばかり股間部分を隠そうとしても、さっと払いのけられ、脱がされてしまった。

 

 

「おやおや……千歳さんも、男子ですね」

 

ふふふ、と考えの読めない笑いをされ、俺の羞恥心はメーターを振り切っている。

もうどうにでもしてくれ……。

 

 

 

 

小一時間して、診断は終わった。

診断結果は問題なし、至って健康。

ただ、少しだけ栄養が足らないせいか、足や腕が細いのが問題だと言われた。

一つだけ言っておく、何もなかった! 本当だぞ? ナニもなかったんだからな?!

 

卯ノ花さんが虎徹さんに「私が診察します」とか言って強制退室させ、二人きりになってまずは、「体を清めましょう」とか言って体を洗われたりはしたけど、前は触らせてないからな。

細い指が首や耳の後ろをなんかヤラシイ感じに触っていたとか、肩甲骨から腰にかけて撫でられたとか、それぐらいだ。

 

ちょっと耐えられずに男の子が痛くなったけど、本当に何もなかったんだ。

俺は無罪だ、信じてくれ。

 

 

と、まぁ……。

診察が終わった俺はいつの間にか用意されていた深緑色の着物と下着に驚きながらも身に包み、今は卯ノ花さんに手を引かれて一番隊、つまり総隊長のいる所へと向かっていた。

 

「卯ノ花隊長……”ソレ”は何だ?」

 

ソレ呼ばわりかよ……誰だ、このオッサン。

 

「朽木隊長ですか、挨拶もなしに私の弟子をソレ呼ばわりとは、四代貴族が聞いて呆れますね」

 

卯ノ花さん、俺をかばってくれたことは正直嬉しい。

だけどね、弟子ってなに? 俺聞いてないよ?

 

俺がそんな視線を卯ノ花さんに向けていると、視線に気づいた卯ノ花さんがニコリと笑いかけてくれた。あぁ、綺麗だなぁ。

 

「弟子? そんな細っこい小僧がか? カカカッこりゃ傑作、四番隊に弟子? 雑用がかりの間違いではないか?」

 

貴族でありながら礼儀を欠いた事を指摘されながらも、それに対して意図的に無視をして俺を馬鹿にするオッサン。

 

ちょっと腹が立つ。

 

「ねぇねぇおじさん」

 

だから、ちょっとだけ遊んで貰おう。

 

「ん? なんだ?」

 

「おじさん、弱そうだね」

 

挑発と同時に、一気に霊圧を上げる。

膨れ上がった霊圧が卯ノ花さんに当たるのは心苦しいが、少しだけ我慢してもらおう。

卯ノ花さんは理解したのか、瞬歩で下がっていた。

 

「な、なんじゃ? この霊圧は……」

 

「おじさんさぁ、俺を馬鹿にするのは良いんだけど……卯ノ花さん馬鹿にしないでくれる?」

 

瞬歩はできないから、精一杯の一歩を踏み出し、朽木隊長と呼ばれたオッサンのがら空きの脇腹に回し蹴り。ちゃんと方向は壁じゃない方にしたよ、中に誰かいたら大変だから。

 

「ぐぉっ!」

 

蹴り飛ばされながらも、空中に霊子の足場を作って体勢を整えた。

 

(なんなんだ、この小僧は、この以上な霊力の高さ、隊長より低いとは言え、既に一般隊士を超えている……霊術院の天才並の逸材だな)

 

「何考え事してんの?」

 

体勢を整えた状態で考え事に耽っていたオッサンの顔を蹴りぬこうと跳躍。

しかし、寸前で右足を掴まれた。

 

「わっ」

 

「速さは中々、しかし如何せん戦い方がなっとらんな小僧」

 

「よいしょっっと!」

 

右足を軸に半回転、左足でオッサンの側頭部を狙った。

それもまた、気づかれ、防がれたが思いのほか蹴りが強かったのか、右足の拘束は外れた。

そして、霊子の扱い方など知らない俺は落下。

途中にあった柱を蹴って廊下に着地した。

 

「千歳さん、いい加減にしませんと、騒ぎを聞きつけた者がやってきますよ?」

 

「……ヤダ、だってあのおじさん、卯ノ花さんに謝ってない」

 

「私は馬鹿にされたとは思っていませんよ、むしろ、貴方が馬鹿にされたことが、私には許せないのですが……」

 

背中にゾクリと感じ、後ろにいる卯ノ花さんに振り返った。

卯ノ花さんは笑っている、笑っているけれど、般若の面が見えるのは何故ですか?

 

「どうした小僧? もう終わりか?」

 

気付いていないオッサンが哀れに思えてくる。

 

「朽木隊長、仮にも隊長が、隊士でもない子供を挑発し、怒らせ、揚句に攻撃を受けても、まだこの子を馬鹿にすると言うのなら、私がお相手いたしますが?」

 

「卯ノ花隊長、ご存知かと思うが、隊長同士の戦闘はご法度ですよ?」

 

オッサンはまた、卯ノ花隊長を馬鹿にした、あぁ、こいつ殺してもいいかな?

しかし……飛び出そうとした俺を卯ノ花隊長は肩をそっと掴んで押し留めた。

 

「えぇ、ご存知ですとも……しかし、隊長に就任したばかりの、文字通り若造の貴方の代わりなら、幾らでもいらっしゃいますのよ?」

 

瞬歩でオッサンの背後に回り、何かを囁いた。

オッサンは突然腰の斬魄刀を抜いて後ろへと一閃。

しかし、そこに卯ノ花隊長はおらず、代わりに一人の老人が、頑丈そうな杖で刀の一太刀を受け止めていた。

 

「朽木隊長、死神でない子童に発破をかけた上、更に隊長に向かい刀を抜いた所業、見過ごす事は出来まいぞ……」

 

「そ、総隊長殿?! し、しかしこれには訳が……」

 

「黙れ! お主には隊舎にて謹慎を申付ける、儂の前から消えよ!」

 

腹の底に響くような怒声を浴びせられた朽木隊長は傍に控えていた中年男性に斬魄刀を渡し、しょげた背中を見せながら帰っていった。

 

「して、卯ノ花隊長、訳を聞こうかの?」

 

言葉の節々に、お前にも責任があると言う、重みのある言葉に、俺は咄嗟に前に出た。

 

「俺……、僕が、卯ノ花隊長を馬鹿にされて、怒って先に手を出したんです、怒るなら、僕を怒ってください」

 

そう言って頭を下げる。

目の前からは押しつぶさんとする重い空気。

その空気が動き、俺の頭に手が置かれた。

 

「カッカッカッカッカッカ! 見たか雀部、儂の言ったとおりじゃろう」

 

ガシガシと頭を撫でられ、明るい声で後ろに控えていた男性、雀部へと振る総隊長と呼ばれたおじいちゃん。

 

「まさか、元柳斎殿に正面から頭を下げ、謝るとは思いませんでした、思ったより胆力があるみたいですな」

 

撫でられていた手が離れ、「顔を上げよ」と言われ、顔を上げる。

にこやか、とは言い難いが、柔らかい表情を浮かべていた。

額に傷があり、皺が目立つが、その目は鋭い光を帯びている。

 

「恩人を馬鹿にされ、それを良しとせず手を出したことは確かじゃ、死神であれば掟通り罰するところ……じゃが、お主は死神ではない故、今回のことは不問とする、さて……卯ノ花隊長の話しを聞こうかの」

 

総隊長のおじいちゃんはそう言って俺の頭を撫でた。

傷だらけでゴツゴツした手だけど、あったかい。

それから、総隊長のおじいちゃんと、雀部副隊長の後についで、一番隊隊舎の隊長室へと入った。

 

 

 

 

卯ノ花さんは、俺を東流魂街80番黒沼の外れ、山の中で俺を見つけたこと、

途中虚が現れ、俺が一人で倒したこと、その時感じた霊圧の高さと戦闘能力の高さから、放っておくには惜しい人材だと判断。

俺自身の願いもあり、瀞霊廷に連れてきた。

霊術院に通わせることも考えたが、自分で育てたいので弟子と言う形で報告に来たのだと、総隊長のおじいちゃんに話した。

 

「ふむ……しかし、隊長としての仕事もある、霊術院に編入させたほうが良いと思うのじゃがな……隊士達も良い顔はせんじゃろう?」

 

総隊長のおじいちゃんが話すには、真央霊術院は死神・鬼道衆・隠密機動を育成するための学校であり、そこで死神になるべく必要な教えを学び、

更に死神の戦闘術である斬術、白打、歩法、鬼道からなる斬拳走鬼を学ぶ場所であるとの事。

雀部副隊長も、霊術院に通わずして現隊長の弟子とするのは周りへの示しがつかないのでは、との弁。

それには卯ノ花さんも少なからず懸念を置いていたと言う。

 

結果、俺は霊術院を卒業後、本人の希望がないかぎり四番隊への配属を考慮されることとなった。

その後、総隊長のおじいちゃんと雀部副隊長、卯ノ花隊長の前で現段階の霊力の高さを見せた。

全力で見せた霊力の高さに総隊長のおじいちゃんは将来が楽しみと零し、雀部副隊長も同意した。

ただ一人、卯ノ花さんだけが何かを気にしている様だったが、「素晴らしい素質ですね」と褒められた。

 

 

明日から編入となるので、急遽、制服を作ってもらい、

それを受け取り今日の所は卯ノ花さんがいる四番隊舎にて寝泊まりすることになった。

 




お待たせいたしました。
R18タグは保険でつけただけですので、そこまでエロチックなお話を書くつもりはありません、多分ね。
でもまぁ、やることはやります。
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