※この作品はR-18です。

色欲の花嫁(番外編)   作:スカイリィ

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第一話 愛欲の褥

 

 立香に連れられて初めて彼の実家を訪ねた時。その二日目にしてマシュはデンジャラスビーストと化していた。

 

「せんぱい。早く子作りしましょう」

 

 ベッドに腰掛け、脚をパタパタさせながらマシュはほろ酔い気分の声色で立香を呼ぶ。視線の先にいる彼は部屋の窓に鍵がかかっていることを確認して、それからきっちりとカーテンを閉めていた。

 

「んー、えへへ、私、せんぱいとの赤ちゃん、産んじゃうんですね。何人くらいが良いでしょうか」

 

 そう言って自身の下腹部を撫でるマシュ。普段の彼女なら絶対に口にしないであろう言葉の羅列が、アルコールの力によってその口から流れていく。

 

「せんぱいとぉ、子作りぃ。せんぱいのぉ、赤ちゃん。うふふ、早く欲し──きゃ!」

 

 謡うように卑猥な言葉を並べていたマシュの身体が立香によってベッドに押し倒される。肩を掴まれ、枕ではなく捲られた布団の方に倒されたマシュの背中が柔らかな布団に包まれる。

 

「あの、せんぱい……?」

「令呪を持ってマシュ・キリエライトに命じる。俺とセックスしている間だけは、筋力を普通の女の子と同じ力にダウンさせて」

 

 立香の右手の甲が輝くと、マシュの身体からわずかに力が抜ける。デミサーヴァントである彼女は成人男性を軽々と持ち上げるほどの力を持つが、それが抜けて彼女本来の筋力にまでダウンしたのだ。

 

「これで、もう逃げられないよ」

 

 ニヤリ、と立香は笑顔を浮かべる。いやらしい笑みにも見える彼の表情だけれども、その頬は真っ赤になっていて、今にも火を噴きそうなほどだった。それゆえ、いやらしいというよりも、いじらしい表情に近いものになっていた。

 

 その顔を見て、マネをするかのようにマシュも笑みを浮かべた。お互いの顔が近くて、相手の吐息すら感じ取れるほどだった。当然逃げるつもりなど毛頭ない彼女は、身体の力を抜いて彼に身を任せようとした。

 

 その時、不意に彼の顔から笑みが消えた。その変化を不思議に思うマシュだったが、次に起きた事象でそんな戸惑いなど無くなってしまった。

 

 彼の唇が自分の唇に触れる。柔らかくて、どこか暖かい感触。それから甘いチョコレートの味と香りが口内に広がった。

 

 それがマシュのファーストキスだった。

 

 ほんの数秒の出来事で、彼女は目を閉じることもできなかった。初めての感覚に目をぱちくりさせるマシュ。一拍置いてから、彼にキスされたのだと気づいた。

 

「チョコ味でおいしいよ、マシュの唇」

 

 ペロリ、と自身の唇を舐める立香。先ほどまで食べていたチョコレートの風味が互いの口に残っていたのだ。マシュも唇を舐めてその味を確かめる。立香の唇から移された甘い風味が口に広がった。ほろにがくて、とろけるように甘い。

 

「……せんぱいの唇も、おいしいですよ」

「そう?」

「もっと、いただけますか?」

 

 肯定の返事の代わりに再びのキスが唇に落とされた。今度はちゃんと目を閉じてそれを味うことができた。

 

 暖かくて、優しくて、甘い口づけ。なんて心地よいのだろう。マシュはその感覚に身を委ねつつ、肩を抑えている彼の手に指を添えた。

 

 手が触れると、彼はすぐに自身の指を絡ませてくれた。互いに指を絡ませて、優しく握る。

 

 唇も優しいが、彼の手もまた優しかった。その温もりが自分の手に伝わるだけで、心臓の鼓動が跳ね上がる。唇が離されてもその高鳴りは続いていた。彼の唇との間に唾液の橋が繋がって、数瞬間ののちに切れて消えた。

 

 呼吸が浅く、早くなるのをマシュは感じた。自分と彼の、両方の。苦しいのだけれど、嫌ではないその感覚が思考を鈍らせ、マシュに欲望のまま彼の唇を奪うよう仕向けさせた。今度は口を開けて、彼の唇をついばむようにふさぐ。

 

 ぬるりと湿ったものが自分の口に侵入してくるのをマシュは感じた。立香の舌だった。マシュも自身の舌をそれに合わせて突き出すように彼の口に入れる。

 

「ん……んう」

 

 舌と舌が絡み合い、唾液まで混ざり合う。舌の触れる角度が変わるたびにゾクリとする感覚が背中を走った。

 

「服、脱がすよ」

 

 唇を離した彼は身を起こしてそう告げる。けれどもその時間すら惜しいと感じていたマシュは、彼に合わせて身を起こし、その唇にキスを落とす。

 

「……自分で脱ぎますから、もっと、してください」

 

 立香はそれに頷いて、自身の服を脱ぎ始める。マシュも手早く服を脱いでいく。眼鏡をはずし、靴下を脱ぎ棄て、シャツもスカートも手早く畳んで、羞恥さえも忘れて下着を外す。胸と下腹部が冷めた外気に触れたことで、完全な裸になってしまったことを実感する。

 

 脱いでいる間中、ずっと立香の視線を感じていたせいで、鼓動はさらに早くなっている。お返しとばかりにマシュは立香の身体を見て──そそり立つ『ソレ』に息を飲んだ。

 

 海水浴をした時の水着姿で、彼の身体が同年代と比べてもたくましいのは知っていた。しかし水着によって隠されていたソレを見るのは、マシュの人生で初めての経験だった。

 

「せんぱいの、おっきいです」

 

 あれが、男性の性器。医学書などを読んで知識としては理解していても、本物を見るのは初めてだ。とても大きくて、びくびくと脈打っている。マシュはそれに目が釘付けになってしまう。

 

 あれが、私の中に入るのだろうか。下腹部が熱くなるを感じながらマシュは戸惑った。一番太いところなど自分の手首くらいあるではないか。

 

「マシュの身体、綺麗だよ」

 

 立香がキスをしようと顔を近づけてきたので、マシュも目をつむって唇を重ねる。だが彼は唇だけでなく彼女の胸にも関心を抱いていたようで、両の手でそれを包み込むように触れてきていた。

 

 マシュにとって、自分以外の誰かが直に胸へ触れてくるのは初めてだった。優しく撫でるように触れてくる彼の手を嫌でも意識させられる。乳首に手が触れるたびに小さく声が出るのだが、その声は彼の唇で塞がれているため響くことはない。

 

 マシュの手も彼の胸に添えられていた。だがそれは彼へ刺激を与えるためではなく、その逞しさに惹かれたことによるものだった。

 

 なんて逞しくて、鍛えられた身体なのだろう。マシュはその感触にうっとりしてしまう。硬くて、がっしりしていて、とても男性的だ。自分の身体にはない格好良さに満ちている。

 

 胸の真ん中あたりに手を押し付けてみると、彼の心臓の鼓動が感じ取れた。普段よりずっと早いのが分かる。立香がこの自分の身体で興奮しているのだとマシュは考えて、心が暖かくなるのを感じた。

 

 魅力的な女性とたくさん知り合っているのに、それでもなお彼はこの自分を選んでくれている。それが、たまらなく嬉しい。

 

 嬉しさを伝えるように、マシュは口内へ侵入してきていた彼の舌を軽く吸った。するとお返しに彼の舌が彼女の舌を探しあて、優しくなで回す。

 

 数分間に渡って互いの口内を掻き乱した後、酸素を求めるように二人は唇を離した。酸欠と、それから興奮による荒い息が二人の間をしばらく満たした。

 

「吸っても、いいかな」

 

 呼吸を整えた立香がマシュの胸に目を向ける。その視線の先にはふっくらと大きくなった乳首があった。彼が触れる前より固く、その存在を誇示するように勃っている。

 

 どうぞ、とマシュが了承すると彼の唇がその胸に触れた。

 

 ついばむように乳首を口に含む立香。乳飲み子のように時折強く吸い付いてきて、そのたびに塞ぐものの無くなった口から声が漏れそうになるをマシュは必死にこらえた。

 

「あ、んう……。せんぱい、赤ちゃん、みたいですね」

 

 そう笑いかけると、立香は片手を空いている方の胸に這わせてその乳首をつまんできた。不意打ちのようなそれに、ひゃう、とマシュの口から声があふれ出た。

 

 くすぐったいのとはまた違う、神経を喜びで満たすようなその感覚にマシュは身体を震わせる。これが、性の快楽というやつなのだろうかと漠然とした思考が頭をよぎった。

 

「マシュのおっぱい、大きくて、きれいで、美味しいよ」

「あ、あんまり引っ張らないでください……」

 

 引っ張らないで、と言うと立香は乳首をつまむのを止めて、再び手のひらで胸を撫でまわし始める。彼の手のひらが乳首とこすれ、その快感からマシュは身体をよじった。

 

 胸を撫でまわされながら再び唇にキスをされ、そのまま布団に倒される。たくましい彼の身体が密着し、マシュの心臓が跳ねた。彼の体温が直接伝わってくる。

 

「せんぱい、キス、して」

 

 我慢できなくなったマシュは立香の背中に腕を回して抱きしめ、彼の唇を強引に奪った。それから互いについばむようなキスを繰り返す。舌を絡ませ唾液を混ぜ、激しく優しく求めあう。

 

 そのうちマシュは下腹部に違和感を感じた。硬くて棒状のものが自分と彼の間に挟まっている。それが彼の張りつめた性器であることに気づいたのは数瞬間経ってからだった。

 

 彼のモノだけではない。自分の股間にも違和感がある。粗相をしたわけでもないのに、股全体が濡れているのだ。

 

 先ほどまで座っていたためにわからなかったが、今は押し倒されて股が外気に触れてひんやりとしているのが感じとれる。脚をわずかに動かすと、ニチャリという水音が聞こえてきた。

 

 医学書からの知識でそれの正体は知っている。膣分泌液。俗に愛液とも言われるそれは、性的に興奮した際などに顕著に分泌され性交時の潤滑剤の役割を果たすものだ。

 

 それが身体から出ているということは、すなわち自分の身体は彼を受け入れようとしているのだ。マシュはその事実に嬉しさを覚えた。身も心も、彼に捧げようとしているのが、とても喜ばしい。

 

「胸しか触ってないのに、もう濡れてるね」立香もそれに気が付いて、マシュの股間に手を這わせていた。手の動きと共に水音が響く。「マシュはエッチだね」

 

 違います、と反論しようとしたマシュの口を立香が自身の口でふさぐ。けれど彼のキスはとても優しくて、ただそれだけでマシュの心を刺激した。チョコレートの残り香が薄くなってきているのがわかるが、それでも甘くて、心地よい。

 

 キスしながらも立香の這わせた手がマシュの秘所を優しくなぞり、彼女の身体がびくりと跳ねた。

 

「痛い?」

「いいえ、続けてください」

 

 はあはあ、と荒い息が続く。キスによる興奮だけでなく、淫らな思考が彼女の呼気を乱す。

 

 胸は服の上から触られたことが何度かあるけれども、「そこ」だけは自分しか触ったことのない、文字通りの秘所だ。

 

 少女が絶対に隠さなければいけない大切なところ。そこに彼の手指が重ねられている。それを考えただけでマシュの顔は耳まで赤くなってしまう。

 

「マシュの大事なところ、もっと良く見せて」

「きゃあ……!」

 

 胸から離れた彼の両手が、マシュの太ももを内側から掴んで広げた。両脚が開かれて、彼の身体がその内側に滑り込む。

 

 とんでもなく恥ずかしい出来事が急に起きてしまって、マシュは小さく悲鳴をあげた。

 

「あ、うう、せんぱい」

「恥ずかしい?」

「いいえ、せんぱいに見られてるって思ったら、私、わたし……」

 

 自分の女性器が、彼の眼前にさらけ出されている。それを実感したマシュは震えながら顔を手で覆った。

 

 恥ずかしいのは確かなのだけれど、自分ですらまともに見たことのない場所を彼に好き放題されるという淫猥な想像が神経を高ぶらせてしまう。

 

「マシュのここ、きれいだね」立香はマシュの秘所、そのすぐそばの脚の付け根にキスをしていく。小さめのリップ音が響くたび、少しずつキスが移動していく。「まだ成長途中って感じ」

 

 さっきまで秘所に触れて刺激を与えてくれたというのに、とたんに彼は性器ではなくその周囲を触るようになってしまった。

 

 脚の付け根も触られるたびに気持ち良い感覚があるのだけれど、物足りない。もっと彼にめちゃくちゃにしてほしい。

 

 それがいわゆる「焦らし」であるとマシュが気づくには今の蒸発した理性では足りなかった。

 

「せんぱい、さわってください」

「……どこのことかな?」

「わたしの、いちばんエッチなところです」

 

 とぼけるような立香に痺れを切らしたマシュは、両手で自分の秘所を広げ、立香に示した。思い切り開いたせいでわずかに痛みが走るが、その感覚は羞恥と興奮で掻き消されてしまう。

 

「ここを、お願いします。せんぱい」

「どんなふうに、触ってほしい?」

「キス、してください」なおもとぼける立香に、マシュは思い切って言ってやった。「せんぱいのしたいように、してください。舌も、指も入れて、めちゃくちゃに、してください」

 

 わかったよ、という立香の声とほぼ同時に、マシュの脊髄を快楽が走った。とっさにベッドシーツを掴んで声を抑えるも、打ち寄せる波のように快感が登り詰めてくる。

 

 立香はマシュの秘所へ優しい口付けを繰り返す。口先を秘裂に割り込ませ、そっと上下に動かす。くすぐるようなその動作だけで、マシュの身体はびくりとはねる。

 

 彼の手つきは優しすぎるのだ。優しすぎて、余計に感覚が鋭敏になってしまう。

 

「せんぱい、もっと」

「痛かったら、言ってね」

 

 そう言いつつも、彼の舌はマシュの性器を刺激しはじめていた。最も敏感な陰核──クリトリスを舐められた途端にマシュの身体から力が抜けてしまう。淫らに性器を拡げていた両手も今や弱々しく彼の頭に添えられるだけになった。

 

「あ、う……うう……、せん、ぱい」

「ここが、気持ち良いんだ?」

「はい、そこが──あんっ」

「だいぶ濡れてきたね。すごくエッチだ」

 

 立香の唇が陰核から少しずつ動いて、とうとうマシュの胎(なか)へ続く道に舌が触れる。

 

「ああ、あああ……!」

 

 彼の舌が中へと入っていく感覚にマシュは目を見開いて声をあげる。

 

 自慰すらまともにしたことのない彼女の膣に、初めて外部からの侵入が行われて、今まで体験したことのない感覚が彼女の神経へ流れ込んだ。

 

 舌が入っているのはほんの数センチ程度だというのに、痛みや快楽などの感覚がごちゃまぜになって身体を震わせる。

 

「せんぱい、せんぱい、そこ、やあ、ああああ……」

「舐めても舐めてもきりがないね。そんなに俺としたいんだ」

「ん、んうう」喘ぎ声をこらえながらコクコクと頷くマシュ。「うう……だって、せんぱい、優しいですから」

「……やらしいからじゃなくて、優しい?」

 

 視線を感じたマシュが自身の下腹部あたりを見ると、立香が秘所に唇をあてがいながら彼女の顔を見上げていた。

 

「俺はマシュのエッチなところ、好き放題にしているだけなんだけど」

「だって、せんぱいの手つき、エッチですけど、すごく優しいですから」マシュの右手が太腿に添えられた立香の手に触れる。「暖かくて、優しくて、ドキドキします」

「……そっか」

 

 返事はそっけないものに思えたけれど、彼は添えた右手の甲にキスをしてくれた。小さなリップ音が聞こえ、マシュは微笑んだ。

 

「わたし、うれしいです」笑みを浮かべながらマシュは彼の手を撫でた。「せんぱいと、こんなことできて。ドキドキします」

「俺も嬉しいよ。マシュとセックスできるなんて」

「はやく、こづくりしたいです」

「うん。でもちゃんと慣らさないと痛いから」

「せんぱい、いじわるです。──ああああ……!」

 

 立香の指がクリトリスを刺激し始め、マシュは強い快感に身をよじった。包皮の隙間から覗くクリトリス本体が、彼の指によってグリグリといじくられる。

 

「やあっ、ううう、やだぁ……!」

 

 上下にしごくような単調な動き。しかしそれがさらに快感を増加させた。変則的な動きより規則的で連続した刺激の方が彼女の喘ぎ声が強くなるのだと立香が気づいたからだ。

 

「あっ、あっ、んう、あっ……!」

 

 意味のある単語を発する余裕もなくなり、マシュの口からは嗚咽にも似た短い喘ぎ声が響く。

 

 力を込めているわけでもないのに、自然と下腹部の筋肉が疼いてしまう。身体の奥底から快感の波がすごい勢いで押し寄せ、思考をあっという間に蹂躙していく。

 

「あっ、あっ、やぁ、あぁ……!」

 

 マシュは直感的に理解した。何かが「来る」のだと。今まで感じたことのない「それ」が、身体の中を駆け巡ってめちゃくちゃにしてしまうのだと。

 

「せん、ぱい……!」

 

 頭の中が真っ白になった状態でも、その言葉だけは口にできた。その言葉以外、なにも意識できない。そして彼のことを考えたとたんに意識が一気に遠退いていく。

 

「あ、あ、……せんぱい、せんぱい……」

 

 空を飛んでいるような、ふわふわとした感覚がマシュの全身に広がる。意識が遠退いたまま、何も考えられないまま、マシュはうわ言のように彼を呼んだ。

 

 意識がはっきりし始めた時には、マシュは彼の腕に抱き締められていた。

 

「大丈夫?」彼は優しい声色で囁き、頭を撫でてきた。「痛くなかった?」

 

「……へいき、です」マシュはすりすりと彼に頭を寄せた。「きゅうに身体がふわっとして、なにも考えられなくなって……」

 

「俺もこういうことするの初めてだったから、ちょっと不安だったんだ」

「……その割には、慣れていましたけど」

 

「男はそういう本、たくさん読んでるから」子供っぽい笑顔を見せる立香。「イクときのマシュ、すごいエロかった」

「せんぱいのせいです」

 

 えい、と彼の顎に軽い頭突きを入れるマシュ。うぐっ、と立香は呻いたものの、優しく彼女を抱き締めた。

 

 ああ、自分は性的絶頂を迎えたのだ、とマシュは彼の言葉でその事実に気がついた。

 

 あれが、オーガズム。彼が「イク」と表現した快楽の最高潮。気持ち良くておかしくなってしまいそうだった。彼にあの絶頂へ導かれたのだと思うと、ゾクゾクする。彼の手でもう一度あれを体験したい。

 

「でも、私ばかり気持ちよくなってしまって……」マシュは恐る恐る立香の下腹部に手を伸ばすと、太くて熱くて固い異物が触れた。そこには大きく膨れ上がったままの彼の性器が鎮座していた。「せんぱいにも、気持ちよくなってほしいです」

 

 すると立香は身を起こして、再びマシュの股に下半身を滑り込ませた。とても大きくて、狂暴にも思える彼のイチモツがそそりたっているのが見えた。

 

「じゃあ、いいかな?」

 

 期待感と、それから不安がないまぜになった顔で立香が尋ねる。それに対しマシュは笑顔で返答してやった。

 

「わたし、せんぱいとひとつになりたいです」

 

 マシュの両手が、自身の性器を広げる。膣内から愛液が溢れ出しているのが彼女自身にもわかった。

 

 彼と、ひとつになれる。その期待感がマシュの心と身体を淫らな女性へと変えていく。

 

「どうぞ。せんぱいの、ください」

「痛かったら、ごめんね」

 

 マシュの胎内、その入り口に立香の性器があてがわれる。とても熱くて固くなっているそれが、愛液と肉をかき分けて入ってくる。

 

 これで、彼とひとつになる。マシュの心臓がこれまで以上に高鳴った。

 

 その時だった。マシュの下腹部に強い痛みが走ったのは。

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