エロエロナ物語 -エロエロンナ物語R18編- 作:ないしのかみ
別のサッキュバス、この場合はファナがどんな生活を送っているのか、公娼生活を描いた日常エピソードです。
少し改稿。
台詞に♪を付けたり、説明文を追加しました。
サッキュバスの館
公娼館『風紗館』の昼下がり。
売れっ子娼婦であるファナは、ふうっとため息をついた。
来年、ようやく公娼としての年季が明ける。これから先の針路としては、娼婦を続けるか、海軍に入るか、それとも市井に出て、商売をするかのいずれかだ。
「ファナぁ……」
豪華な内装が売りの『薄桃の間』。その寝台上で今日の相手であるメリリンが袖を引く。
彼女の産んだファナの子供が、隣のベビーベッドに寝かされている。
サッキュバスであるファナは子を産めない。その子宮は吸精の為に使われる精の貯蔵容器と消化器官であり、自分の子を成す為にはサッキュバスが股間を男性化して、女性に精を注ぎ込む必要があるのだ。
この為、淫魔は男女両方に対応する、優秀な娼婦となるのである。
「メリリン。苦しくない?」
「大丈夫よ。嬉しかった」
また子供が欲しいと哀願され、ファナはメリリンを妊娠させる為に頑張ったのである。
淫魔が相手を懐妊させる確率は低い。そして相手と波長が合っていないと妊娠させる事も出来ない。それは互いに好意を持ち、相思相愛の関係でないと受胎しないのだ。
だから行きずりのサッキュバスに強姦されても、子を授からない。
これは娼婦としての利点でもあった。女性客としても安心して膣内射精(なかだし)セックスが味わえるのである。逆に男性客にとっても、膣内射精しても絶対に子供が出来ないサッキュバスの存在は有り難かった。
「ちょっと身重だけどね」
「ごめんなさい」
メリリンのお腹は異様に膨らんでいた。
臨月間近の妊婦もかくやと言う膨張っぷりである。これは本気になったファナが、目一杯射精をした結果であった。
サッキュバスは相手に子供を孕ませる際、その子宮へこれでもかと精液を注ぎ込むのである。
受胎確率の低さを量でカバーすべく、確実に妊娠させる為だ。
犬や狼と同じく、一旦本気になったら、長時間射精を続ける。その結果、ぱんぱんに膨れ上がった子宮は、リッター単位のザーメンを飲み込むスペルマタンクと化すのだ。
無論、普通に考えたらこれは異常事態だ。だが、サッキュバスは相手の母体に子宮が破裂しない様に肉体強化の魔法を施す。
これにより、子宮は幾らでもサッキュバスの吐き出す精液を受け止められる様になる。同時に体内に入った精液が逆流しない様に、逆止弁の働きを持った魔法を掛ける。
折角出した貴重なスペルマが腹圧で膣口から逆流せぬ様に、また、胎内で長期間留まって、受胎確率を上げる為である。
無論、タイムリミットはあり、一週間もすれば解けてしまう。しかし、その期間内に子供を授からねば、失敗と見做す他はないので諦めるしかなかった。
ちなみに普通は逆止弁の魔法の方が早く解ける。解けた後は腹圧に押されて滝の様に精液が膣口から流れ出すが、お腹を押して出来る限り早く、溜まったザーメンを排出しなければならない。
お腹を破裂させないためである。半日もぐずぐずしていると解けた魔法によって強化され、拡大していた子宮が急激に元に戻ろうと収縮を始め、スペルマが溜まったままだと極限まで高まった腹圧との均衡を崩すのだ。
空気を入れすぎたゴム風船が破れるのと同じく、限界以上の精液の詰まった子宮はその許容量に耐えられずに爆発してしまうのである。
無論、周囲の内蔵を巻き込んでだ。
恐ろしい事に古代王国期、魔族の尖兵として残虐な嗜好を持ったサッキュバスは、捕虜の女達を嬲り、ワザと魔法のタイムリミットを逆にして、慰み者にしていた捕虜を処刑していたともされるのを、ファナは教科書で読んだ事がある。
破裂する人間を見て、笑いながら喜んでいたらしい。
悪趣味すぎる。ファナだったら、そんなスプラッタ見たら気絶すると思うのだが、千年以上前のサッキュバスの感覚は、今の自分達とはまるで違うのだろう。
「でも嬉しいよ。また、ファナの子供が産めるんだもん」
「ありがとう。でも、無理しないでね」
おでこにキスをするファナ。
本来ならば、むらむら湧いた劣情のまま、ベッドに押し倒して第2ラウンドへと行きたい所だが、これ以上注ぎ込むのは、流石に無理だろうから我慢する。
となると手淫による自己処理かなと思った時、タイミング良く、ベビーベッドに寝ていた愛娘が目を覚ました。
「あ、メルルーが目を覚ました」
「葡萄酒みたいな名前で好きじゃないんだけど」
メリリンの名付けセンスは変だと思う。この分だと、次の子はキャベルヌか、ミースリングとか葡萄の品種が名付けられそうだ。
「名付け親になるくらい、いいでしょ?」
ぷうとむくれるメリリン。
ファナは腰を屈めると膝を着いて中腰になり、スカートをめくって下着をずらすと逸物を露出させて、赤ん坊の口に股間を突き出す。
「まぁね。はぁ、お前の名前はメルルーに決定だね。
あっ、あん♪」
赤子が亀頭を咥え込んだ感触。思わず声を上げてしまう。
ちゅぱちゅばと口をもごもごさせながら、やがて口全体を使って母親の男根を力強くストロークする。小さくても淫魔であり、快感を与える方法を本能的に身に付けているのだ。
「あんっ、あっ、あっ、で、っ出るぅ!」
ペニスの芯に熱い物が駆け上がってくる感覚。ファナはそれに耐えながら、出し過ぎない様に細心の注意を払う。出の勢いが強すぎて、かつ量が多すぎると赤子の口に収まり切れず、むせたり、最悪、窒息してしまうかも知れないからである。
どくっどくっ、どくっ、どくん。
「ああーっ♪」
それでも結構勢い良く、ファナの濃厚な白濁が発射される。
同じ淫魔に与える精液であるから、客に出す物と違って媚薬濃度は調整されておらず濃厚である。しかし、サッキュバスには同族が出す催淫成分に耐性があるので、他種族なら一発で行き狂ってしまう程の媚薬成分満点の原液でも大丈夫だ。
「あむ、あむっ、あむ……」
それを愛娘は一心不乱に飲み干して行く。ファナはがくがくと身体を震わせながら、射精を完遂した。
媚薬混じりの甘ったるい匂いが部屋中に充満する。
「ふぅっ、毎度ながら授精は緊張するわね。毎回、飲んでくれるので安心だけど」
サッキュバスは男性の精を糧とする種族だ。当然、子供だって精を摂取する必要がある。
しかし、子供のサッキュバスの膣はサイズ的に小さく、子宮から精を受け取る訳には行かない。ある程度。大きくなるまでは膣内射精で糧を得る事は出来ないのである。
だから、膣が使える様になるまでは、男根を咥えさせて出される精子を口内で飲む必要があり、淫魔はこれを授精と称していた。
口内摂取は、膣内射精に比べて吸精効率が落ちる。一回に飲める量も少ないので、ある程度、頻繁に精を与える必要が悩みである。ここらは授乳期の母親と同じであった。
昼間だろうが夜中だろうが、こちらの都合に関係なく、空腹から泣き出したら、我が子に精を与えねばならない。
「人間だと授乳だけど、サッキュバスだからね。あそこから赤ちゃんの御飯を与えるのって不思議よね。ファナのその大きな乳は、やっぱり飾りなのね」
メリリンはメロンの様なファナのバストを眺めつつ、ため息をついた。胸の小さなメリリンにとって羨ましい。
「ん、そんな事ないわよ」
「授乳器官としては、機能してないんでしょ?」
「いや、良く勘違いされるのよね」
メリリンは首を傾げる。淫魔の乳はサッキュバスにとって男性を魅了する為のパーツに過ぎず、形だけの物だと思っていたからである。
ファナは面白がって、服と言うにはいささか布が少ない、あの煽情的なサッキュバスルックの胸部分を露出させた。
ホルターネックをX字状の繋げたモニキニタイプの布地をずらし、ずいっと乳を見せつける様に突き出すと、「吸ってみて」と声を掛ける。
「ん」
「ふんっ、あはっ♪」
言われるまま、餅みたいにすべすべの肌。乳輪の先にあるニップルにむしゃぶりつくと、ファナは艶っぽい声を上げた。まるで射精直前みたいだとメリリンは思う間もなく……。
ずびゅ。びゅるるーっ。
豊かなバストから母乳が、いや、違う。別の何かが猛烈な勢いで発射された。
「ぶわっ、げほっ、こっ、これ」
メリリンの口から垂れるのは白い液体。しかも、濃厚でゼリー状のそれは、先刻、自分の胎内と赤子の口に、これでもかと注ぎ込んだ精液その物である。
ねっとりとして芳醇な独特の香りを放ち、それでいて何処か甘い味がする。媚薬成分混じりの淫魔の精液であった。
ファナは「驚いた?」と語りながら、再び、そのバストを服に収める。
「そう、サッキュバスの双房はね。実は超大型の精巣なのよ。
玉の付いてない淫魔が、何処であれだけ大量のザーメンを製造すると思う?」
普通の生物にはあり得ない膨大な精液を生産する為に、サッキュバスの乳房は特大の精巣として機能する。
だから特濃の精液をリッター単位で生産するとか、常識外れの大量生産が可能なのだ。
無論、この身体的な構造だけではなく、その精子製造能力はその身に流れる魔法の力も作用しているらしい。
男共から搾り取った精液を吸精し、魔素に転換して身体の中に貯蔵しておいて、必要になった時は、それを逆プロセスで精液へと還元するのである。
「当然、男根ではなく、今みたいにおっぱいから出す事も可能よ。時々、飲みたいって相手も居るからサービスで出してあげる事もあるわ」
「あたしは飲むなら、やっばり下の方が良いかな?」
「だよね。赤ちゃんも普通は下から飲ませるよ」
いずれ、成長したら殿方の男根を扱う事になるので、慣れさせる為でもある。
ファナは深呼吸すると、ふたなり状態だった己の男根を変化させる。
ミニスカを持ち上げて存在を誇示していた巨根が、見る見る内に縮んで行き、元のクリトリスへと変化してラヴィアの一角に収まる。
「あ、勿体ない。元に戻す事ないのに」
メリリンは残念がる。
「これ結構、敏感なんだよ。服の裏地とかでも刺激を受けると勃っちゃうし……。下手すると無駄射ちしちゃうから、勿体ないでしょ。
だから、私は不必要な時はなるべく女性体で居る方が楽なの」
「へぇ」
「ま、個人差あるけどね」
中には、ずっとふたなりのまま過ごしている淫魔だって居る。女性に人気のある娼婦で、本人曰く『元に戻す手間が惜しいし、こっちの方が自然体だから』だそうである。
ファナの客層は男女半々だが、あの娘は女性専門だから、分からない訳でもない。
「あ、そろそろ時間ね。来週の予約、入れとくわね」
各部屋に置かれている置き時計を一瞥したメリリンが、寝台に腰掛けていた身重の身体を起こして。んしょと立ち上がった。
天蓋付きの寝台がぎしっと音を立てたのは、それだけ彼女が重い証拠である。まぁ、娼館の寝台は丈夫で、ヘビー級の相手でも壊れない程頑丈なのだが。
とぐろを巻いていた長い尻尾を引き摺りながら、ラミアであるメリリンは直立しつつ、赤い鱗の生えた下半身は床を滑る様に這う。
「一週間したら、妊娠の結果は出てる筈だからね。
その……もし、種なしだったら予約をキャンセルしてもいいのよ」
前回は上手く行ったが、今回は不発だって事は充分有り得るのだ。これだけ念入りに孕ませる為の準備を行ってるにも関わらず、サッキュバスの受胎率は低い。メリリンだって三十数回のまぐあいで、ようやくメルルーを授かったのだから。
「馬鹿ね。それでもキャンセルは無しよ。もう一度、子作りに来るんだから。
確か受胎したら胎児が成長の為に、周囲の精液を吸精するから、膨張しているお腹が凹むだったわよね。一度、経験してるから大丈夫よ」
子宮内の淫魔の胎児は自分の周囲に充満する魔力たっぷりの精液を吸精し、自らの成長の糧とするので信じられない速度で成長する。
精液を目一杯注ぐ理由の一つである。かつ、精液の魔力を栄養源にする事で母胎への身体的な負担を減らす効果があるのだ。
折角受胎したのだから、母親が赤子を産む為に体力を消耗し、生命の危機に直面する事態になっては本末転倒だからである。
成長スピードは驚異的で受胎して三日もすれば、臨月を迎えて出産してしまう程だ。
これは周囲の人間に堕胎させない措置だと言われる。
今でもこの街以外ではサッキュバスは忌み嫌われている。だから、子を成す為に恋人をさらい、数日間神隠しにする間、サッキュバスの子を孕ませて手早く出産させてしまうのだ。
ようやく不明者を発見しても既に淫魔は産んだ子供と共にとんずらしており、行方をくらませるゲリラ出産が、長らくサッキュバスの繁殖方法であった為だ。
妊娠中、胎児は胎内で分泌した媚薬成分を放出し続ける。これは母胎を快感の虜にさせ、夢見心地のまま出産させてしまう為らしい。
妊娠に付きものの悪阻などの弊害をこれで無くす事で、理想の出産環境を整えさせる訳であるが、出産時にとてつもない快感に襲われる(女性が味わう事のない、男性の射精に近い快感らしい)為に、出産中毒に陥る者さえ居る。
「……メリリンがそうだったら嫌かも」
「何か言った?」
「いえ。送るわね」
ベビーベッドを抱え、笑顔を作ってエスコートするファナ。
実際、メリリンが出産中毒になっている可能性は高い。だが、それを表に出さないのが客商売の秘訣である。恋人同士であっても、まだ客と娼婦との関係にあるのは間違いないのだから。
早く、年季が明けて、普通の恋人関係になりたいと思う。
「じゃ、またね」
「ご利用有難うございました」
出口まで送って一礼する。次の客が来るまで、僅かな時間だけど休憩が入れられる。
既に先程使っていた、『薄桃の間』にはスタッフが入ってベッドメイクを筆頭に入念に手入れが施されている筈である。
「次の予約客は……。ああ分かったわ。湯浴みをするから用意宜しく」
報告を行い、育児所に我が子を預けると身を整えるべく湯殿へ向かう。
さぁ、まだ、ファナの商いは始まったばかりなのである。
〈FIN〉
以前の予告(ナイデンヌの妖女)と違って、初雪の話ではなくて御免なさい。
その内、初雪のエピソードも掲載する予定なのでご勘弁を。
サッキュバスの出す精液自体も媚薬成分が入ってます。でも、ファナ達娼婦は意図的にその薬効を弱めています。
本来は強力な媚薬で身体の自由を奪い、快楽以外は何も考えられなくしてしまうのですが、お客さんを媚薬で冒して廃人にする訳には出来ませんからね。
そんな物を大量に胎内へ収めているのですから、メリリンは身体が常に火照って、ふわふわと気分良く酔ってる感じになってます(笑)。