エロエロナ物語 -エロエロンナ物語R18編- 作:ないしのかみ
今回、海戦シーンがあります。
まさか、サッキュバスの館で海戦やるとは思わなんだ。
海軍だなぁ。
-サッキュバスの館4- その4
「んっ、んっ、んっ」
激しく突き入れられるペニスが子宮口を攻めている。
タンハーはその攻撃に耐えながら、艦長への逆襲に出た。
サッキュバスの膣は人間の物と違って、まるで一個の生物の様に壁面を蠢動させる事が出来る。
更に挿入された逸物に刺激を与え、快楽を引き出す為に締め具合や圧力を自由に変化させる事が可能なのだ。
きゅんきゅんと吸い付く様に密着し、膣壁をうねらせて擦り上げる。咥え込むが決して強くない適度な膣圧を調整するのも忘れない。
最大まで上げれば、ペニスを押し潰す程の圧力を与える事すら可能で、淫魔仲間達は時々、野菜や果物を相手に、その圧力を競ったりする事もある。
悪趣味だが、「搾り立てのニンジンジュースを召し上がれ」だの、「何の、こっちはバナナジュースよぉ」とか作った記憶もある(勿論、搾ったジュースは美味しく頂きました)。
「心、ここにあらずって感じだな」
リビエラ艦長の一言に、動揺するタンハー。
「感じてはくれているのは分かるが、上の空だ。何かあったのか?」
ぬちゃりと胎内から、逸物が抜かれる。
申し訳なさで恥ずかしくなる。しかし、個人的な悩みを相談して良いのだろうか。
「もしかしてゲス・ゲス少尉の事か?」
「え……いえ」
全く見当違いの人物の名に、タンハーは当惑する。
そのまま艦長はベッドに腰掛けると、傍らのサイドテーブルに手を伸ばして煙管を手に取った。
「ゲス・ゲスがキャメロン少尉の妹だとは聞いていないのか?」
意外な言に、タンハーは目を丸くした。
そして、ゲス・ゲスと出会って感じていた何処か欠けていたピースが填まった事に納得が行く。姉妹ならキャロンの事を知ってても当然だ。
「我が意を持って火種を表せ。【火口】」
艦長の火魔法。それは爪先に小さな火を灯す物であったが、タンハーは艦長が魔導士である事をここで始めて知った。
煙草に火を付けた炎はすぐにかき消える。「最新式なのは良いが、灯火まで魔法道具なのは不便だな。煙草が点けられん」とぼやきながら、改めて一服吸う艦長。
「何だ。キャメロンかゲス・ゲスに聞いてないのか?」
「初めて知りました」
紫煙を吐きながら、「ほぉ」とリビエラ少佐は呟く。
意外であった様だ。
「まぁ、本人としたら話したくない事なのかも知れんな。
だから、詳細は伏せておく。関係が聞きたいなら、直接、本人達に聞けよ」
タンハーは頷いた。
少佐とのベッドレスリングはその後再開されたが、結果は一方的にタンハーの負けであった。
突き入れられ、子宮口を突き破ると、遠慮会釈無く大量射精される。
濃厚なザーメンが溢れ、たちまちボテ腹にされてしまい、タンハーは意識を失って撃沈された。
◆ ◆ ◆
娼妓艦『バヤデール』は順調に航海を続けている。
夜空の下、タンハーは甲板に上がって夜風を受けていた。
無論、一人では無い。甲板上やマストにも操作用の人員が見受けられる。帆船は後世の汽船の様に機関のみセットすれば、艦橋に居る人員だけで自動的に航行は出来ないからだ。
常に帆を操作し、風向きに注意して操帆する必要がある。
「ご苦労様」
背中から声がした。
振り返るとそこにはゲス・ゲスが居た。
「少尉」
「珈琲を持って来たわ。どう?」
褐色の肌をしたサッキュバスがカップをこちらへと見せる。
「御免。今、お腹、艦長のザーメンで一杯なんだ」
「ああ、そっか」
「二十分もしたら吸精して引っ込むだろうけど、リビエラ少佐出し過ぎだよ」
しかし、当の少佐曰く「これでも遠慮してる」らしい。
本気になったらこの何倍も注いでしまうと聞いて、タンハーは怖気を振るった。
「あはは、9人だっけ、相手にする新人士官。だから押さえてるんだよね」
「どんだけ絶倫なのよ」
ぽっこり、膨らんだお腹を撫でる。
サッキュバスルックは、こうしてお腹が膨らんでも対処出来る様になっている。
腹部を大きく開けたデザインが多いのみならず、ヤシクネーの吐き出す魔糸で作られているので伸縮性があって、腹部が膨張してもかなり耐えられるのである。
単に露出度とか煽情さを強調した服では無く、機能的なのだとタンハーは悟った。
「美味しかった?」
「うん」
問われれば認めざる得ない。
精液の味、と言うより含まれている魔素の量をサッキュバスは感じる事が出来る。
濃厚で含有率が高い物程、精液は〝美味しい〟と吸精の際に味覚的に感じてしまうのである。
少佐が注いでくれた精は、その意味では一級品であった。
「艦長から合格点は貰ったの?」
「どうかな。イイ線は行ってるとは思うけど、注がれて気絶しちゃったからなぁ」
一寸落ち込む。
気が付いた時には副長のカリーナ大尉に介護され、艦長室では次の淫魔が試験を受けている最中であった。
かつて『風紗館』での実習で、親友のラーガやアラティーが百戦錬磨の先輩サッキュバス、マカエラに手も無く撃沈された事を聞いた時、「見掛けによらず、弱いんだ」とせせら笑った事を思い出す。
現役の娼妓士官も一線級の公娼に負けず劣らず、百戦錬磨であるのを思い知った形である。
「副長からも、駄目出しは出なかったから大丈夫よ」
「そう?」
「艦長に敵うサッキュバスなんて、私の知る限り、アーカーシャ少佐位だし…」
確か、娼妓艦『ケーニス』の艦長だ。
ゲス・ゲスにライバルだと教えられたのは昼間であったか。
「あのさ……」
言いかけて、タンハーは口ごもった。
今、キャロンの事を聞く絶好の機会なのであるが、何となく口出しにくかったからだ。
ゲス・ゲスは首を傾げた。
改めて見るとどことなくキャロンの面影がある。褐色の肌ではなく、黒い肌であるが髪の毛の色は同じ赤系だ。但し、キャロンの淡色に比べて、こちらは色調がかなり濃い。
蛍光色混じりのショッキングピンク。髪型はストレートに流している。
「…もしかして、シグルーンの事?」
「うん。でも、何故?」
「今回の人事の時、艦長に姉が来るって事情を話したから。
多分、艦長から、私の事を聞いたのでしょう?」
タンハーはかぶりを振り、「詳しい事情は直接、本人に聞けと伝えられた」と話す。
ゲス・ゲスは「そっか」と呟くと、手元のカップから冷めかけた珈琲を口に含んだ。
「私は姉さんを好きで好きで堪らないから、間違いを犯しちゃった」
カップの中身を飲み干すと、ゲス・ゲスは語り出した。
◆ ◆ ◆
ゲス・ゲスと言う名は中原系の命名法だ。
名を重ねるのは中原の一地方特有の物で、中原でも一般的な命名法とは言い難い。
だが、西方ではこの系統の名を持つ者が多い。それはその地方出身の者の子孫が多い為である。
新暦200年代、中原を平らげたゴーダー・カーンの軍勢が西方へ流れ込んだ際、その地方の者が兵として大量に動員されていたからである。
侵略を受けた西部域の各地に彼らは痕跡を残す。
カーンの軍勢は残虐で捕虜を取らず、抵抗する者は皆殺しにして突き進んだ恐るべき征服者ではあったが、平定した土地に入植した者は多かったからだ。
ディア男爵家の先祖も、そうして西方に封土を得た土豪であった。
故に人種的に見れば、西方人とはやや異なる中原人の血が混じっており、色黒の民が住むのが特徴になっている。
カーンの時代は一世紀にも見たぬ短期間であったが、西方に深い影響を与えているのだ。
『ディア男爵家は元々、カーンの子孫で貴族界からすれば、外様…か』
タンハーは上甲板で操帆班の指揮を執るキャロンを見詰めながら、思いにふける。
相変わらずの快晴。しかし、船の行き脚は鈍っている。
針路に対して逆風が吹き付けているからだ。
逆風に関しては強みを発揮する縦帆中心のバヤデールであるが、流石に切り上げ性能が下手回しになる為、効率が悪いのである。
艦長命令が飛び、風属性魔法の【送風】で推進せよとの命令が、つい先程発せられたばかりだ。
キャロンは風魔法使いであり、張り切って魔法を発動しようとしていた。
「貴族様の世界は、やっぱり良く分からないなぁ」
一応、タンハーだって貴族階級である士族なのであるが、これは海軍士官になったら自動的に受勲される地位である上、貰える特権や余録なんかも爵位持ちに比べれば低いので、余り自分が〝貴族様〟である体感が無いのだ。
しかし、王国内の貴族にも序列があるらしいのは、淫魔学校での教育から知ってはいる。
まず、頂点に居るのは王族だ。
続いて大公家なんかの王族に連なる血統の大貴族。グラン王国の八大公爵家がそれに当たる。彼らは貴族の中でも別格である。
続いて侯爵家。そして辺境伯。それ以下に伯爵、子爵、男爵。そして士族と続く。
侯爵家以下は王国で功を上げて取り上げられた者達だ。ゆえに血統には縛られないが、それでも純粋な西方系貴族家と、中原や南方の血を引いたり、半妖精や亜人と言った異種族系のいわゆる外様系貴族の間には溝がある。
系統としては西方系の方が上と位置づけられている。外様は王国が拡大した時、版図に入った新参者と見られており、貴族の中では格が落ちるらしい。
まぁ、最近ではシャルカーン侯爵家や、エロエロンナ伯爵家みたいな外様が力を持ち始めているから、その考えも徐々に薄れてはいるが、依然として偏見は根強い。
ディア男爵家も苦労したからこそ、一気に成り上がろうとして無茶をして没落したのであろう。
しかし、そのコンプレックスを自分より立場の弱い者に向けるのが、ディア男爵と言う男であったらしい。キャロンが話した通り、唾棄すべき性格である。
ゲス・ゲスの名も男爵が名付けたという。
自分が忌み嫌う、中原の名前を名乗らせたのはその為だ。
妖精語でゲスとは〝水子〟を意味する。よって、それを二つ重ねるのは生まれて来る事自体が間違いである、つまり忌み児と言う意味に近い。
酷い名だ。
世の中には幼い頃に死神に刈られぬ様に、ワザと酷い名を付ける習慣のある地方もあると聞くが、彼女の場合そうでは無かろう。
父親から付けられた名の他に、彼女は母親、この場合は淫魔の方のママから付けられた名も持っているが、彼女はこの名を封印していると言っていた。
昔、キャロンを犯してしまうまでは、普通にこの名を使っていたが、それ以降、キャロンはその名を一切呼んでくれなくなったからだと言う。
ゲス・ゲスは「これは、罰だから」と述べていた。
彼女が姉を犯した理由も聞いたが、それは正統的な理由だった。
「それを説明すれば、キャロンだってきっと分かってくれるのに」
「駄目だよ。私はどんな理由を糊塗しても、シグルーンを傷付けてしまったのだから」
昨晩、ゲス・ゲスは寂しく笑った。
発作的に我慢が出来なくなって、感情のまま処女を奪ったのは罪なのだそうだ。
その罪は覆らないと。
◆ ◆ ◆
忌むべき廃都を右手に見ながら、海岸線に沿って航行を続ける。
「話には聞いてたけど、大きな港町だね」
航海授業でもここまで脚を伸ばした事は無い。
望遠鏡で広がる廃墟の町を遠望しつつ、タンハーは絶句していた。
「何、寄りたいの?」
キャロンがからかう様に尋ねて来たが、「ご冗談を」をタンハーは返事する。
廃都は数百年の昔、グラン王国建国前に栄えた都であるが、今は人っ子一人住んでいない。
ある日、突然、アンデット化が始まって、住人の全てが忌むべき不死怪物へとなってしまったからである。
ヴァンパイヤ(吸血鬼)か何かの高位アンデットが居を構え、この都の王として支配しているとの説もあるが、未だ原因は不明である。
とにかく廃都は生者を寄せ付けず、人々は誰も足を踏み入れぬ死の都と化している。
廃都に上陸したら最後、生き物は全てアンデットへ変わってしまうと言われているからだ。
「淫魔でも不死怪物は怖いのね」
「当たり前だよ。悪魔なんてのは話が別だろうけど、サッキュバスだって生き物だからね」
怖気を振るうタンハーに、キャロンは面白い物を見た感じで冷やかした。
ちなみに悪魔は生き物ではない。別の世界から召喚された異次元の存在で、擬似的な肉体を持った思念体だから、アンデット化はしないのだ。
「操船を誤るな。風向きに注意しろ」
「行き足が鈍いです。流されている様な……」
副長から舵手に指示が飛ぶ。
廃都からかなり遠い沖を航行しているのだが、時として異様な事が起きる場合が有るからである。
廃都は船を呼ぶ、と言われており、時として異様な風や海流を弄して、仲間を増やすべく、生者の船を引き寄せる事がしばしばあった。
「右舷に船影。小型船です」
見張りの怒鳴り声に、タンハーも望遠鏡をそちらへ向けた。
それは多数のオールが舷側から突き出した漕走船。俗にガレー船と言われる類いの船である。
この大きさから分類するとガリオットクラスの小型船で、漕ぎ手の為に不経済だとして、帆船が主流となった最近では珍しい型の船になる。
しかし、タンハーには違和感があった。
「やけに汚いじゃないか」
船体に汚れが目立つ。櫂も半ばへし折れ帆もボロボロである。何より、風を受けて航行している様子も見られず(そもそもズタボロのあの状態では、まともに風を受けられない)、オールも動いていない。
それなのに、その船はこちらへ向かってくるのだ。
「この行き足の遅さ。奴のせいか、戦闘用意!」
「アイ・サー、戦闘用意」
艦長の命令が下ると同時に、真新しい船鐘がカンカン鳴らされる。
一瞬、何事かと戸惑うが、娼妓艦でも軍艦である。たちまち、甲板に人が上がると戦闘準備を整えて行く。
「弩砲、急いで!」
右舷甲板上にある弩砲(バリスタ)に取り付いたタンハーは叫びつつ、砲に被せられていた防水布を乱暴に剥ぎ取った。
「太矢(ボルト)これでいい?」
ゲス・ゲスが重そうに数本の太矢を持って駆け寄ってくる。
「助かる。転把回すから、装填宜しく」
クレイクイン(巻上器)のハンドルをぐるぐる回す。
バリスタが新品だけ合って、巻き上げがスムーズに回るのにタンハーは感謝した。
訓練時に使ったのは噛み合わせが悪く、おまけに油が切れかけで回しにくかったからだ。
「敵船、距離500m」
「まさか、このバヤデールで対艦戦をやるとは思わないかったな」
言いつつ、艦長のリビエラ・マレーンは敵船をしっかり見詰めていた。
敵はアンデットシップだろう。
船その物が不死怪物に変わってしまった存在で、人が操らずとも意志を持って勝手に動く。
それだけではなく、船内に忌むべき怪物が乗員として巣くっている可能性もある。まぁ、大抵は下級のゾンビやスケルトンだが、中にはグール(屍食鬼)、そしてそれ以上の厄介な奴らなんかも時には混ざっている可能性もあるので、始末に負えない。
少佐は敵艦上に人影を認める。どうやら悪い意味でのビンゴらしい。
「副長、どう思う?」
「相手が弓を持たぬ限り、こちらは射撃戦に終始すべきでしょう。
そして、不浄の化け物なら火で浄化すべきだと思いますね」
カリーナ大尉は意見を述べた。
「火属性使いは、あたしを含めてたったの二人なのが痛いな」
娼妓艦にだって魔導士は居るが、風や水属性と違って火属性の割合は低い。
通常の軍艦と違って、あくまで浮かぶ娼館でエッチするのが本業であるから、余り戦闘を考慮に入れていないせいでもある。
「火矢を用意させます」
「任せる。とにかく衝角(ラム)の突撃だけは避けたいな。こちらはまだ新品なんだ」
艦長の杞憂はもっともだった。
娼妓艦は普通の軍艦に比べたら、内装面に贅を尽くしているから高価なのである。新品ほやほやで、体当たりなんか受けたら堪った物では無い。
本来ならば、奴に関わらずに逃走したいのだが、何故か速度が上がらないのである。
既にアンデットシップの魔力の影響を受けている。と艦長は判断していた。
「あいつを沈めない限り、駄目臭いな」
タンハーは、近づく敵艦をきっと睨む。
このバヤデールを廃都のお仲間にしようとしているのだ。
廃都の港が定置港になるのだけは勘弁して欲しいと思う。
そこへ駆け寄る薄桃色の縦ロール。
「ラーパティ少尉」
「キャロン?! どうしたんだ」
「弩砲の砲手よ。先任に指示されたわ」
話によると操帆関連の風魔導士は足りてるから、弩砲の方に回れと命令されたらしい。
これには砲手としての訓練は受けているが、腕に自信が無いタンハーとしても助かる。同階級とは言うものの、キャロンの方が先任だけあって経験を積んでいるからだ。
「あっ」
「あ……シグル」
その時、褐色の肌を持った姉妹は互いに気が付き、そして沈黙する。
ゲス・ゲスは口に出しかけた名前を飲み込み、キャロンは妹の存在を無視するかの様に、砲手席へ転がり込む。
「今は任務優先よ。少尉」
その時、アンデットシップは距離200mまで迫って来ていた。
数百年前に流行った古い形のガレーの上には、武装した骸骨共の姿が蠢いていた。
〈続く〉
今回、やや短いです。
切りの良い所で切ったのだけど、もしかすると加筆するかも知れません。
グラン王国は完璧な国ではありません。
そこには差別も貧困もあって、序列も存在します。
貴族階級でもそれは変わらないのです。特に下級貴族では。
贅沢三昧して暮らせるのは大公家以上に限られますが、末端のビッチ様も苦労してるから、もしかしたら見栄を張ってるだけで、内情は苦しいのかも(笑)。