※この作品はR-18です。

語られなかったその現実   作:烏羽 黒

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 あぁ、なんか不完全燃焼感が否めない…… 
 でもこれ以上のものが書ける気がしないというやるせなさ。

ですが、どうぞ 


やっとのことで想いは果たす

「ふぅ、一先ずは、これで問題なしか」

 

 ジャァーと高い水圧、もう慣れたもので、これくらいでも何ら気にしなくなった。

 キュゥッと線を捻る、その音もすぐに止み、ぽたっ、ぽたっと滴る水を払って、軽く付着した水をふき取った。浴室から脱衣所へ。

 鏡に映る、火照った身体。しなやかな肢体を晒している銀髪の少女は、何度見たところで別人にしか見えない。本当に私なのかと疑うが、結局私であると納得せざるを得ない。色気と言い、艶と言い、もう本当に何なんだか。

 全裸のまま髪の水気を払いとり、体の水気も取ったところで拭っていたタオルを物干しに掛ける。直ぐに乾くだろうから、洗うのはいつもその後だ。

 置いていた着替えを適当に着て、籠る熱をシャツの襟を何度か動かして空気も入れるその場しのぎ。ちょっとだらしなくなっているか。だがスースーして気持ちい。温度調節が下手なあのシャワーを浴びているのだ、仕方あるまい。

 

「ベルー、お風呂、空きましたよ」

 

「あ、わか―――――って、どんな格好してんのさ!?」

 

 ソファで疲れにぐだぁと寝転がっていた、アレだけの大荷物を運んでもらったのだ、仕方ない。といってもベルはかなり短距離だったのだが……やっぱり、重かったかな?  

 だが私の呼びかけにびくんっと跳ねて、そこから執成しいつもの調子で此方を向いた瞬間。理解で顔を、沸騰させんばかりの勢いで真っ赤にし、目元を手で隠しながら―――だがしかし、どちらも人差し指と中指の間が空いているという男の本能が丸見えで可愛らしい。

 見られて困るものは無いのだが、やはり小恥ずかしくはある。 

 

「ん? どんなって、昔と大差ないでしょう? 脚衣にシャツ一枚ですけど」

 

「それが問題って!? あわわわわっ―――! 見えてる見えてる!?」

 

「えっち」

 

「どっちがだよほんとに!?」

 

 わざとらしくして、ベルで遊ぶ。やはり初心で反応が初々しく、新鮮で非常に面白い。まだまだ飽きることは無いだろう。

 すたすたと逃げるように、浴室へとベルは駆けこんでしまった。

 股の少しだけの盛り上がりを、見逃すことはなかった。

 

    * * *

 

 どくんどくんと早鐘の如く細かく刻まれる律動を、胸を握り締めて押さえつける。

 

「ほんと……こっちの気持ちにもなってよ……」

 

 今、僕は認めがたい気持ちを抱えている。認めたくないだけで、否定することはできなかった。ただ、大好きなアイズさんを勝手に見限ったように思えて……胸が痛んで仕方ない。

 罪悪感、後ろめたさと言うのが強い。

 

「……うぅ、もういいや、とりあえず―――」

 

 服をぱぱっと脱いでしまい、持ってきたタオルを――――

 

「――あ、忘れちゃった」

 

 いきなりあんなことになったから、せっかく用意していたものを忘れていた。シオン……もといセアが持って来てくれることは無いだろう。だがしかし、また服を着るのも面倒臭い。

 

「って、あるじゃん」

 

 ラッキー、と呟きながら、物(・)干(・)し(・)に(・)掛(・)け(・)て(・)あ(・)る(・)タ(・)オ(・)ル(・)を(・)と(・)っ(・)た(・)。

 少々湿っていて、しかも仄かにいい香りがする……

 まさかとは思うが、これって……

 

「セアが使ってた、タオ、ル?」

 

 嫌まさか、と否定してくなるが思い出す。シオンはよく使った後のタオルを乾くまで放置して、乾いてから洗うのだ。何故かは知らないが、習慣化されていることは事実。ならば同一人物であるセアが同じようにしても可笑しくない。

 ただ、いつものシオンのタオルなら、臭くも無かった――むしろ無臭で怖かった――が、こちらは別だ。使用者が男性か女性かで、かなり見る目が変わって来てしまう。

 ごくりっ、唾を思わずしてのみ込む。  

 下半身が熱い、空気に熱いモノが触れて少しスースーする。くすぐったいくらい、久しぶりのこんな気分だ。

 

「……ごめんっ、我慢できないっ」

 

 セアのことがふと浮かび、その顔は微笑みだった。美しい、初めて一目惚れしたアイズさんとは違って、別の魅力も持った。比べるのは失礼だけど、つい。

 すっかり固くなった、いつも出番のない僕の子供――という表現が適切かはともかく――にそのいい匂いの布を被せた。湿った中に熱が感じ取れ、それが水なのかセアの熱かは、関係ない。頭の中ではセアの温もりであるとすっかり妄想(イメージ)が完成する。

 

「……やばいっ、いいかもっ……」

 

 真っ白いタオルを固くなった陰茎ごと掴み、沿って動かし始める。セアにバレないように、もう風呂場へと入って。躍起になって擦る、まだ数回しかしたことがなかったけど、その内の一つに実質的兄が相手となるとは思いもしなかった。これは本当に変態の道へと入ってしまったかもしれない。

 でもお祖父ちゃん……僕、勇気がなくて女の人とあんなことやこんなことなんて、ハードルが高くて実際にできないよ……

 だからこそ、妄想でしかダメなんだ……

 幸いお祖父さんから『えろほん』という秘書を借りて、知識は得ていたのだ。横でシオンも読んでいたことがあって僕は恥ずかしかったのだが、どうしてあんな真顔で真剣に読めるのやら……

 構図が出来上がっていく。想像力なら誰にだって負けない。それはこんなところでも発揮されてしまうのだ。

 

『あら、こんなにおっきくして。可愛いなぁベルは。お姉ちゃんが納めてあげよっか?』

 

『お、お願い』

 

 脳内で繰り広げられる会話。進められる場面(シーン)、タオルでこすり始めたのとそれは同時並行だった。

 何度シオンが女であったのならと願ったか。あんな容姿で、本当は男も漢。だからこそ、今シオンがセアとなり女であることは、非常に望ましかった。

 僕が『えろほん』で一番好きだったのは、兄弟家族でのイケナイ系であった。だがしかし、男だけのうちはそんな願望叶えられることはない。今も、神様に手を出すなんて言語道断だ。

 顔を真っ赤にして恥ずかしく思いながらも、どうしても『えろ』は止められない。神秘だ、神の領域だ、男の浪漫だ! 

 

『はぁ、あぁ、気持ちいい、気持ちいよセァ……とっても、上手だね……』

 

『ベルの為にお姉ちゃん、独りで勉強してたの。全部、ベルの為だよ?』

 

『うん、ありがとぉ』

 

 手で弄り、咥えて舌で嘗め回してくれたり……味わったことはないけど、ソンナ感覚が僕をしっかりと襲う。快感を、とくと妄想で感じ取れるのだ。

 本当に、こんな『えろい』姉が欲しかった……妹でも良かったけど。

 お母さんは……居て欲しいとは、思ったこと無いな。今は神様がそれに当たるけど。

 陰茎が疼く、言いようのない混濁(こんだく)した感覚になり熱が高まる。

 

『あぁ、イクッ!』

 

 同時に、現実世界の僕も陰茎から多量の粘性液体を放出する。びくんっ、びくんっと勝手に二度震えた。その度に少しずつ精子が流れ出る。タオル越しにもその熱を感じて、ちょっと気持ち悪い。

 

『うわっ……うぅ、ベル。くっさいぃ……出すなら言ってよ、もう。飲んであげたのにぃ』

 

『え……うん、ごめん』

 

 脳内のセアが精液で汚した顔のまま叱ってくる。なんともまぁ、素晴らしい光景であった。だがここで現実に引き戻され、気づく。

 

「……やべ」

 

 包んでいたタオルに精液全部、出してしまっていたことに。

 洗わなきゃぁァァ!? 心中で思いっきり後悔を嘆きながらも行動は迅速であった。

 

 

   * * *

 

「……ただいま」

 

 しっかりと着替えて、すっかり落ち着いた陰茎は下着の中でただいま賢者となりあらゆる欲望を断っている。たとえセアがソファに寝っ転がって、下着と胸が見えそうで見えないもどかしい状態にありつつも! 僕は全く興奮しない……

 

「何故そこまでどっと疲れているのかは、訊かないでおきますよ」

 

「うん、その、なんかありがと……」

 

 自慰行為といい、何故この兄はこれほどまでに無頓着なのか。性欲がないのか? それとも本当にただ興味がないだけ?

 だらしなく服を着て、かなりセクシーになっているセアを目の保養としながら、現在賢者である僕は決して疚しい気持ちは持たない。

 

「いえいえ、健全な男の子でよろしい。ですが今度からは、私の知覚外でお願いしますね♪」

 

「やめてっ、そんな笑顔、かなり応えるからさ!? てかよく気づいてて嫌な顔一つしないね……僕が言うのもなんだけど」

 

「別にいいですよ、仕方のないことです。私、世界で二番目に可愛いですし」

 

「それ自分で言う!? てか二番目なのその可愛さで!? 一番目が気になるんだけどぉ!?」

 

「んなの分かり切ってるでしょ。アイズ以外に誰かいますか?」

 

 あっけらかんと、然も当たり前のように告げられた。目を剥(む)くほどの驚きが襲う。 

 確かにアイズさんは可愛い。一目惚れした僕はそれを保証できる。だがしかし、悪いし失礼だとは思うけど……今はセアの方が、可愛く見えるのだ。目移りが速い、そう自分では思う。最低男だ。

 

「ねぇ、シオン、それ本気で言ってるの?」

 

「ほぅ、そう聞くか。えぇ、私は本気も本気。第一、惚れた女以上に可愛い女がいますか? いないでしょう、それは私だけかもしれませんが」

 

「……は? ほれ、た? 何を言って……」

 

「おっと、酒飲んで口が滑った」

 

 気づけば確かに、シオンの横にはガラス瓶が置かれていた。宴でも飲んでいたのに、まさか飲み直したと言うのだろうか……しかもアレ、かなり清酒高いワインだ……仄かに顔も紅いのは、納得がいく。だらしないのも酔っているからか。

 というかまさか……シオンもアイズさんに惚れている、ということなのか? 兄弟そろって、一人の女性を争奪? いや、もうそれはシオンの勝利に終わるか。アイズさんはシオンとの方が仲がいいし、何より僕は欠場するかもしれないから。

 

「えへへぇ、アイズは可愛いよねぇ……いっつもクールだけど、本当は子供で、誰に見せない幼いところも見せてくれて……ちょっと悪戯好きで、愛らしくて、何もかも可愛くて……でも偶に我が儘になるのも良くて……あはは、やっぱりべたぼれだぁ」

 

 ごくっ、ごくっと瓶を傾けて直のみしてから、話し出す。長く浴室に居たのでいつからお酒を飲み始めたかはわからないが、もはや泥酔する勢いだった。段々言葉も区切れて来て、吐息すら艶かしくなり、賢者と言う障壁に容赦なく触れて来る。

 

「ごめんべるぅ、今日は気分がいいからにぇりゅねぇ……」

 

「う、うん……」

 

 一方的に話が区切られてしまい、それ以上の追及ができなかった。

 いびきは立てることなく、静かに寝入ってしまった。ごとっと床に落ちて見た目以上の衝撃に辺りが少し揺れる。まだ飲みかけであろうワインも倒れそうになって、ギリギリ伸ばした手が先端を掴んだ。何とかセアを汚さずに済む。

 ふぅ、一息吐きながら向いた下は、セアの寝顔があった。実に愛らしく、だが所謂『えろく』緩んで耽った顔だ。賢者の障壁にひびが入る。

 

「……あいず」

 

 朧気(おぼろげ)に、ぽつんとその美しく比率の完璧と言える唇から漏れた。酒気の帯びられた生温かい吐息が、僕の鼻先をくすぐる。とても、いい匂いだった。

 ぱっと、正気になってから反射的に飛び退いた。手には瓶が握られている。

 

「もぅ、どうにでもなれっ」

 

 ごくっ、ごくっ、ごっ、セアの口をつけられた瓶をそのまま口に付けて、ワインの中身を呷(あお)った。宴で飲んだものより上質なものだと判り、本当にどこから入手したのか不思議に思う。

 だがそんな思考も、すぐに消し飛んだ。

 バキッ、バリンッ! 音を立てて賢者の障壁(りせい)が崩壊した。

 股間がきつく、脚衣のまた部分が盛り上がる。我慢できずにすぐに脱ぎ捨てた。パンツまでも。

 

「……これが、イケナイ恋、かな」

 

 シオンは今酒でぐっすりと眠っている。最低でも十分は起きまい、その間にやれるだけのことはやりたい。後で何か言われようと、その時はその時だ。甘んじて罰を受けよう。

 それが、漢の潔さだ。

 

 ほんの少しだけ開く唇を僕の口を以て完全に塞ぐ。

 

「ん……クチュ……チュチャ、チュクッ、クチッ―――」

 

 最高だ。仰向けに床で寝転がるセアの唇を勝手に奪って、それにちょっと体では感じているセアが優しい抵抗するのが更にそそる。無理に歯を舌で掻き分けて、ワインの味が仄かにする。セアの唾液と混ざって不思議な味がして、とても美味しい。口の中まで柔らかくて、ゆっくりと味わう。

 

「ぷはっ、はぁ、はぁ……」

 

 荒れた息。高揚してもう意識が正確ではない。エロい音で僕の陰茎は既に皮をむき、本性を露わにしている。賢者の化けの皮が剥(は)がれたのだ。

 獰猛な獣は今か今かと待ち受けている。己の初めてのその時まで。

 

「その前に……」

 

 雰囲気を作るには、まずベットに移動しようか。ソファもだめでは無いのだが、初挑戦の僕にはちょっと難易度が高い。

 お姫様抱っこ、というのも二度目か。その相手がセアとは……不思議な思いだ。

 

「重ッ」

 

 知ってはいた。だがこれほどまでとは思いもしなかったのだ。

 確かに長身だし、僕より鍛えてから重いだろうけど……ここまでか? 腰が悲鳴を上げているほどだ。腕も痛い。直ぐに滑り落ちてしまいそうだ。

 たっ、たっ、二歩で跳躍しベットに飛び込み(ダイビング)。セアを下にする形、いわば押し倒しというやつだ。実に興奮する、あぁ、堪らない。重かったのなんて関係ない。というかむしろ良かった。

 

「いい匂いして、柔らかくて……今なら、好き本題触っても、いいよね?」

 

 肯定はないが否定も勿論ない。ならば、今は欲望のままに動くだけだ。

 指先から肩へ、堪能するように揉んでいく。ギンギンと暴走する陰茎にはもう少し我慢してもらわなくては。少し蒸れる脇に触れ、何故かいい匂いを放つ汗を舐める。しょっぱくて、美味しい。実質的に兄だと分かっていても体は別人、ならば兄の汗ではない。これは『セア』という女性の汗だ。ならば最高なのも頷(うなず)ける。

 

「……初、おさわり」

 

 そして、未踏の領域。『おっぱい』へと、手を進ませた。我ながら情けないことに、服の上なのだが。

 やわら、かい……まさにその一言に尽きた感触だ。腕は柔らかくもカタイ筋肉の感触が強かったのだが、胸は段違いだ。張りはさることながら、手に食い込ませたときのこの弾力、これ以上に触り続けていたいモノが、この世のどこにあると言うのだろうか。神様はセア以上に大きいし弾力もありそうであれはあれで……いや、これ以上は考えない方が……だがしかしこの少しカタイ感触、まさか……

 

「……別に、いいよね。兄弟なんだし」

 

 こういう時だけ都合の良い言葉を使い言い訳する。

 もう起きようが知ったことか、殺されようがボコられようが、もう決めた。

 この夜、僕はセアで漢になる。

 

「……やっぱり、乳首勃(た)ってる。体は正直、なのかな?」

 

 白いシャツを捲り上げて胸の上まで持って行くと、何故か着けている下着を見つける。戸惑いながらも外して、なんとなしににおいを嗅いだが……たまらんッ。

 露になった『おっぱい』。白の慎ましやかな双丘の頂きで勃(た)つ桜色のモノ――コリコリと弄る度に硬い感触がして、『ぁっ……ぅん、へぁ……』とそそられる声を出させる作動装置のような乳首。   

 思わずそれを銜えた。『はふっぅ……』と心臓を跳ね上げる声が聞こえて、ぱっと確認した顔が美しい寝顔で心底安堵する。正直言うと、バレる前に終わらせたい。だが、じっくり堪能したい。

 二律背反を起こしながらも、じっくりと味わい……そして僕は、新たな段階(ステージ)に足を出す。

 

「……もうこれ、完全に強制猥褻(レイプ)だよね。最低なのはわかってるけど……もういいんだ。僕はセアとヤるんだ。お祖父ちゃん、僕、頑張るよ」

 

 遠い目をして、天井を見上げながら呟く。意を決して、セアの顔の上へ腰を下ろしていく。

 仰向けに寝転がるセアの唇と陰茎の先がキスをする。身震いするほどのその感触に、抑えることなく従った。陰茎が、セアの口内を侵し始める。

 

「これがほんとの……フェラチオ……」

 

 と言っても一方的な強引にやったものだが。だがしかし、極上の快感を得られている。悦楽に顔がふやけ、陰茎は尚も活発化を止めない。喉の奥まで突き、寝ながらにして苦しそうにするセアの顔が堪らない。腰を思い切り押し付け、へたくそでもただ快楽に溺れた。絡まれる舌、生温かい唾液……妄想よりもずっとずっと、様々な知らない情報が伝わって来る。どれも全て、最高だった。

 

「……胸も使ってみよっかな……」

 

 玩具を扱うような言い方だが、今のセアはまさにその状態。逆らうことなくされるがまま……セアが強いお酒を飲んでくれていたことが幸いした。いつもの警戒全開の様子も消え失せていることから、ナニカ抜けさせる要因があったのだと知れる。実に都合がいい。

 口から陰茎を抜いて、温度が低い空気に触れられビクンびくんっと震えながらも、それは少し下がって腰を落ち着かせたちょっとの先、胸の谷間で収まり落ち着いた。唾液でヌメヌメとなり普通なら気持ち悪がりそうな陰茎を、両側から胸で塞いだ。その圧力、実にいいっ……

 柔らかくも反発し合い、脈打つ陰茎を押さえつけようと躍起になる胸の弾力を陰茎は逃さず捉えている。

 そのまま胸を陰茎にひたすら擦ってみた。

 

「……さいこぉ~」

 

 気の抜けて声を出し、天井を仰ぎながらも胸を操る手は休めない。

 そしてさらにだ。それだけでは飽き足らず、腰も段々と動かしだす。胸はセアの腕を折りたたみ、膝を使って器用にも陰茎へ押し付ける。ぬめる陰茎が滑りよく谷間でできた疑似的な穴で模擬戦を行いだした。もう、一度始めたら止まらない。

 

「うおぉぉぉっ! セアァッ、イクッ!」

 

 本日二度目となる射精。腰を思いっきり胸に押し付け、精液の射出口は谷間をはみ出てしまった。よって谷間の中出しではなく、顔へのぶっかけとなってしまう。それも、かなりの量。

 セアの顔と髪は、妄想と重なるかのように、『えろく』、美しく装飾された。口の真上にあった精液が、口内へと流れ落ちていく様は圧巻の一言。

 

「……ぅ」

 

「げ……まさか……」

 

 うっすら、セアの長すぎず短すぎない眉が震えた。漏れた声、能動的に少しばかり動いた体。嫌な、予感がする。

 既に解放されていた右腕が動き、右手が目をゆるくこすった。

 

「……っ!? もうこうなったら!」

 

「……ベ、る? にゃはは、どうしたの? そんな可愛い真っ赤な顔しちゃってぇ~」

 

「それ、セアもほとんど同じだよ! そしてまだ寝てていいから!」

 

「ふぇ? にゃんでぇ?」

 

 朧気に笑い、疑問ははっきり首を傾げる。まだ、目は完全に開けられていない。意識も、絶賛混濁中だろう。ならば、潮時だ。絶好のチャンスなのである。

 

「先手必勝……少し痛いかもよ!」

 

 さっと引っ張ったら簡単に脱げた脚衣、純白の下着が濡れているのを見てちょっと嬉しく思いながら、脱がせること無く秘部を隠す透けた部分だけを避けて、もう感で突っ込む。

 抵抗は少しばかりあったものの、難なく奥まで一気に到達した。

 

「にゃんのこ……ッ!? ァ、な、に……」

 

「うぅぅ、ヤバイ、チョーきもちぃ……このまま動かすからね。もう起きたんなら、抵抗しないでいい感じにあわせてよ!」

 

「なに、が――あぐっ!? あっ、ひっ、なに、して……!?」

 

「見ての通りセックス! 少しくらいいいじゃん!」

 

「よくな―――あひっはぁっ!? やめっ、イたっぃ……こんな、強引になんてっ、いやぁ……!」

 

 痛みに苦しみ、寝起き早々の激しさに目を白黒させながらしっかりと拒絶する。だが、言葉と理性だけで、体はどうにも言うことを聞かないらしい。僕の陰茎をしっかりと味わっている子宮がここにあるのだ。可愛い顔を歪めるその様もそそられ、もう止めることなど不可能。 

 仰向けのまま見つめ合って、腰を快楽の赴くままに腰を動かした。時に激しく小刻みに、ゆっくりと奥深く。多種に切り替えながら『クチュッチャチャッ……ポンッ、ジュパッ―――』と『えろい』音を奏でて僕をひたすらに満たさせてくれた。だがセアは一向に、気持ちよさそうに喘いだりしてくれない。枕に顔を埋め、シーツを掴み、ずっとそのままされるがままなのだ。抵抗の様子も見られ無い。

 ちょっとだけ白けて、一度奥を突くと入れっぱなしで止めた。気づけば興奮で息はかなり上がっている。だがそれでも聞こえた。

 

「――さい……グズッ……ごめん、なさい……ごめんなさい、アイズ……ごめんなさい……ごめん、なさい……」 

 

 すすり泣きながら、必死に謝辞を想い人へ繰り返す、その声を。

 胸を突きさすその姿、顔を枕から離されると、くっきりと大粒の涙が伝う姿を目に焼き付けられた。くしゃくしゃに端正な顔を歪めて、僕の心を掻き毟ってきた。

 僕に目を向けない。何処かに居る、アイズさんへとその目は向けられていた。腕で覆われていても、そればかりは理解する。だからこそ、僕は見当違いにも憤激してしまった。セックスしている時はその人と向き合うことが礼儀だろうに、僕を向かないなんて。

 レイプしていることを棚に上げて、そう思った内にもう行動は起こしていた。

 

「そうやって泣いても、今僕とセックスしている事実は変わらないよ!」

 

 また容赦なく動かす。体は正直だから先程から陰茎がくすぐられて、ムズムズしていたことは事実だ。快楽を得ようと、なにより痛みを上塗りしようと躍起になってヤケクソ気味に腰を振った。ヌメヌメになっていく秘部を弄り、胸を貪り、もうはちゃめちゃに。

 

「……そう、だよ。変わんないよ。お前に犯されたことも私の不始末だ。警戒していなかった私の落ち度だ……でも、さ。彼女に全て捧げようと思っていたのに、もう、一つ失っちゃったじゃん……そりゃ、私だって泣いちゃうよ……泣くくらい、許してよ……この無能で愚かな、私が……自分の無力を嘆くことくらい」   

 

 突かれながらも、取り乱さない口調だった。だが酷く、悲しい声音だった。

 止めどない。大粒の涙は枯れることなく流れ続けている。拒絶は明確に現わされているのに、全肯定される腰の動きはどう説明すればいいのだ。

 

「ヤバっ、そろそろ出る……ッ。もうどうせ、中に出しても変わんないでしょッ」

 

「――――ごめん、アイズ。私、汚されちゃったみたい」

 

「イククッ!」

 

 初めての中出し、初めてのセックス。童貞卒業式は最悪な終わりだった。

 レイプで、しかも泣いている自分より今は幼く見える悲愴な少女で、僕は中出しをした。最低だ、クズだ、外道だ。だけど、全く後悔はしていない。だって、気持ちよかったから。

 こんなかわいい女の子とセックスできたなんて、最高だから。

 

「うわぁ、すごっ、こんな風に溢れて来るんだ……」

 

 落ち着いて、漸くまじまじと見られる秘部。ちょっとグロテスクな見た目だけど、不快には全く思わなかった。さっきはパンツを避けただけで観察もできなかったけど、中々に好い。 

 くちょくちょ、と弄ると音を立てた。だがセアは無反応。痛いなり気持ちいなり何かあるだろうに。一体何をして―――

 

―――堕ちた表情で、力無く嗤っていた。

 

 絶望しきった様に、もう諦めてしまったかのように。それが少し、ムカついた。

 つまんない。何の面白くない。少しくらいはセアにも鳴いて欲しい。

 だから少しばかり言葉で騙してみることにした。セアを――シオンを言葉でどうにかするのは難しいけど、やるしかない。全ては、僕がセックスでより快楽を得るために。

 お祖父ちゃん、僕、本当にヤるよ。やってやるよ。男になった、ならば漢になるまで。

 

「ねぇセア、これはレイプなんだ」

 

「―――それが何だよ。クソ野郎」

 

「そんな呼び方……まぁいいや。でさ、レイプではね、襲う側にも相手を気持ちよくさせる礼儀があると思うんだ。だからさ、セア。鳴いてよ、心を解き放って、ただ快楽を求めなよ。気持ちよくなろ、ね?」

 

「―――ふざけんなよっ」

 

 剣呑な声が、僕を串刺しにした。あまりの恐怖に身体が全く動かなくなる。

 固定された視界で、ほぼ全裸のセアが動き出した。

 憎悪、殺意、負の感情ばかりがあふれる視線に射貫かれながら、ぶつけられる。

 

「お前にそんなことが出来るかよ。あぁそうだな、確かにセックスは気持ちいいだろうよ。快楽に溺れるのは別に罪じゃ無ねぇだろうさ。だがな……私はそんな、軽い気持ちじゃないんだよ」

 

 蹲って、自分を抱えて、ふさぎ込んで、セアは続ける。

 震え、わななく声で。

 

「私が彼女を想う気持ちは! 生半可なもんじゃない……独りよがりも、もうなくなった。私はもうあの時から、私のものでも、お前のものでもない。アイズのものになったんだよ……だからさっ、お前に犯された事だってさ……今、私がどんな気持ちか教えてあげようか……?」

 

 ぎりっ、目だけを向けられた。その視線は一度外されただけで、何倍にも増した鋭さとなり、もう僕は震え上がって、何もできなかった。

 ゆっくりと、遅すぎるくらいの動作でセアが歩いて行く。その先には大太刀が壁に凭れていた。まさかっ、息を呑みながらも何もできない。

 

「お前をっ……殺したくて殺したくて堪んねぇよ!」

 

 キィィィッ! 甲高い、つんざく音が鳴った。

 首から痛みが走る。真正面でセアが、大太刀を気づいたら抜き放っていて、僕の首筋に切り込みを入れたのだ。全く、見えない速度で。

 こんな憎悪、向けられたとこなかった。頭から何かが吹き飛んだかのように、思考が鮮明になる。自分が何を、してしまったのかと。

   

「ガッ……」

 

 瞳を震わす僕、その先でまた唐突に、セアが苦しみ始めた。大太刀をありえないことに手から滑らせ、頭を抱えて悶える。訝しむ僕を差し置いて、一人演劇は続いた。

 そして、落ち着く。俯いていたセアが顔を上げると、僕は驚きに染まった。

 どばっ、ベットの上で呆然とする僕へセアが飛び込む。今度は逆に押し倒された。

 

「……べるぅ、セックスしよぉ」

 

「……は?」

 

 恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべ、頬を上気させて、息を熱く荒げて、そう告げた。

 幸か不幸か、僕の陰茎は元気いっぱいであった。まだ、イけるのだ。

 セアが僕の陰茎を掴んで、中へと入れようとして、ふと止まる。

 

「――んなこと、させて堪るかッ!」

 

 自分で自分を殴った。バキボキバキッ、ありえない音が鳴る。

 もう、わけがわからない。

 

「はぁっ、はっ……『欲の増幅』、忘れてたぞ畜生……」

 

 どういうことだ? 欲の、増幅……まさか、それでシオンの少ない性欲が増幅された? 殺意じゃなくて助かったけど……今、シオンは欲がかなり高くなっているってことは……もしかして、あの大太刀の所為? これは……利用できるかも。

 

「えぃっ」

 

「な―――しまっ」

 

 少し押すと、セアは簡単にベットから落ちていった。それだけでは足りないと、拳を握り本気で放つ。場違いなその攻撃に、セアは染み付いた精神で自然と、刀を執った。

 握った状態で暫し、床に寝転がる。

 ぐわぁーんと起き上がって、次の瞬間もう僕は襲われていた。

 

「来たァァッ! ベルの、弟の入って気持ちよくなるなんてっ! はぁ、私は変態だぁ! もっとぉ、もっとついてぇ、気持ちよくしてぇぇ!」

 

「……作戦大成功。うんじゃ、やろっか」

 

「自由に侵してぇ、虐めてぇ……! 何でも言うこと聞きましゅかりゃぁ、私だけに動かさせないでぇ。焦らさないで、いっぱいしてぇ!」

 

「犬みたいに鳴くねセア! なんか変になってるけど……もう知るか! わかったよ、尻尾振ってるいい子なセアには一杯してあげるよ!」

 

「ありがとうございましゅっご主人しゃまぁ!」

 

 絶対おかしいだろこれ……変わり過ぎでしょ。と内心で突っ込みつつも、この最高の好機を逃す気は無かった。こんな楽しい時間、逃すわけにいくか。

 さてどういう状況だ。要求通り激しく侵しながら考える。

 今セアはご主人様と言った、僕に、だ。ならば主従関係的条件で、何でもありということだ。ちょっとまてよ、つまりはさっきの殺意も、消させることが出来んじゃね? 今命令して従ってもらえれば、継続する可能性はないわけでは無い。

 あえて、腰を止めた。

 

「ねぇセア、もっと気持ちよくなりたいなら、僕の言うことに従ってね」

 

「もちろんですぅ、だから早く……」

 

「じゃあ、今日のセックスについては忘れて、これは『ご褒美』の遊びだったってことにして。何のご褒美かは自分で考えること」

 

「……ッ、ぁ、あぎ、あぇうあ……はい、記憶を消去しました。これはご褒美のセックス」

 

 まさか本当に消したのか? 流石にセアもといシオンはそんなことまでできるはずが……いや、今は気にしなくていいだろう。

 

「じゃあ、僕を気持ちよくして」

 

「はぃっ、もちろんです!」

 

 騎乗位になって、痴女のように腰を振り始めた。

 それだけではない、体を押し付け胸で僕を楽しませてもくれるし、キスもしてくれる。とっても、セアは上手で頭が真っ白になるかと思った。それほどまでに気持ちい。

 

「はっ、はっ、気持ちィ、でしょう? 私の中はとってもっ」

 

「うん、最高……ん、キュチャッ、クチュ……チャチュッ―――」 

 

 中から込み上げてくる。脈打ちあって、もう出そうだと言うことをセアが悟ったのだろう。少し焦らしながら、出そうで出ない辺りを保ちだす。もどかしくて、でも気持ちよくて、この間はかなり最高だった。

 だが、ピークは訪れる。たまりにたまった我慢(精液)が爆発した。アホみたいに精子が出る。頭がくらくらして、もうわけがわからなくなった。

 

「……はっ、いかんいかん。いくらご褒美といってもここまではダメだ」

 

「え?」

 

 一転し、筋の通らないことをセアが突然言い出した。

 陰茎を抜いて、中から溢れ出る精液をふき取る。その様子には憎悪も何もなかった。ただ本当に、ご褒美をくれただけという……

 

「あ、ベル。どうでした? ご褒美と言っても、結構高くつきますよ?」

 

「う、うん。最高だった……ありがと」

 

 あの刀の素晴らしさを、僕は今知った。

 背が催眠術に掛けられたかのように平然としている。アイズさんに謝っていた面影などどこにもなかった。後悔すら、して無い様で……

 

「もう、してあげませんからね。特別なんですから。はぁ、アイズになんて言おう……」 

 

 結局アイズさんについては考えているようだが、先程のように酷くはなかった。

 危機一髪、僕は得をしただけ。何ともまぁ、最高の時間、いや、最高の日だ。 

 流石に……もうしようとは思わないけど。

 

 

 





 純粋だと思われていた子を汚すって気持ちいよね……
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