「マネージャアアアアァァァァ!」
少し疲れた頭を揺らしながらオフィスの扉を開けた瞬間、人影が見えた。
そして正しく認識する前にその人型は抱き着き、いや正確には飛びつくといっていい速度でタックルをしてきた。
「ハァハァ……すぅー……はぁ……はー……疲れが抜ける……あー……」
上気した顔をこすりつけながら荒い息をこぼす彼女、ひとみは愛すべき恋人で、大事なレスラーで、そして、度し難い変態であった。
「あ゛ー……」
呼び方は公私を分けてはいても、万が一があってはいけないと基本的に閨で囁くようにしか呼んではもらわないようにしている。その方が興奮する、とは誰の弁であったか。
「……ふ、ふふふ……やっと二人きりだね! あ、い、椅子になろうか? ほらほら、お尻おっきいから座り心地いいよ!」
先ほどから元気な彼女はすぐさま足元に跪きながら大きめのお尻を振っている。そんな彼女も最初はそっけなかった。
しかし練習と日常的な付き合い、人間関係の相談に乗って、少しずつ仲良くなるとある瞬間から突然の遠慮のなさ、パーソナルスペースに入り込んでからのあまりの距離感の近さに驚いた。
そして思わせぶりな視線に気付きかけていたある日のこと、爆発した。
二人きり、珍しいシチュエーションではなかった。彼女は本性を現し、こうなった。
どうしたものかと一瞬思っても、それでもいいかと思う程度には自分もまた彼女に惹かれていた。
「お尻に色残ってる? 残ってたら叩いて拭って! はぁはぁ……」
最初のキスで彼女は舌を入れてきた。それは慣れているのではなく、ただ欲望のままの一方的なもので、上からのしかかるようなそれに結局唾液をたくさん飲まされてしまった。
それ以来少し遠慮していたのだが、普段から虐げてほしいという彼女も本心の拒否は慮ってくれる。放置プレイ、などといって喜んでもいたけれど。
しかしそれでも慣れて行こうと本番以外のことを、この人のいないオフィスで行うことにした。
「ん? 帰る? 引っ越しの荷物片付けないと……え? 座れ? わん!」
しゃがんだ彼女に目の前に突然に性器をさらけ出すと、肉棒と顔を交互にいいのかと視線で示してきた。
まてというとくぅんと倒れる犬耳を幻視しながらも、亀頭を彼女の口に擦り付けた。
半勃ちのそれは彼女の柔らかな唇に触れるとすぐに力がこもり、彼女の瞳もそれにつれて輝いていった。
「……わん! わん!」
まだかと舌を出し、こすりつけるならここと揺らしている。しかしあえて外して頬にカウパーをなすりつけては焦らすと、それはそれで興奮するのかはぁはぁという声がより強く、乱雑になった。
そしてよしと合図した瞬間、下半身がひっこぬかれるほどの衝撃が襲った。
まず力が強い、腰を抱くように回された手は微動だにせず、逃げることは不可能だろう。
吸い込みが強い。抜群の吸い込みはトレーニングの厳しさを表している。
テクニックは稚拙だけれど、それを補ってあまりあるみっちりとした愛情のある、力強いフェラである。
「んじゅ、じゅる。んぼっ、んむ……むっ、はっ、あもっじゅう……ぅ……」
彼女の唇は精一杯締め付けられ、隙間ないそれはぬろぬろと口の力に追いつかない唇が遅れて移動して少しばかり間抜けになってさえいた。
舌は難しいのか、ただべろりとおかれたそれはそれだけでも抜群の快楽をほこり、こんこんと湧く唾液がべちゃべちゃと気持ちよかった。
「ふっ、ちゅ、ちゅううう……んばっ、は、あーむ、んっ……はふ、もごっ」
そして止まることがない。顎も疲れ知らずで、首を激しく動かして気持ちよくしてくれる。撫でるととたんに目はとろんととろけ、感想を口に出すとお尻を左右に振って興奮を誘ってくれた。
「もご、あむ……ぶは、ぷふ、っふは、ちゅっ、ちゅっ、じゅうううう……ぷぁ」
一通り文字通り味わうと、今度はじいと見つめ、キスを飛ばし始めた。
キスをする、見る、自分に合わせて動く性器が面白いのか、味が違うのか、知りたくもないことを彼女が開発していた。
「ちゅっ、あむ、じゅるる……んば、はぁ……んー……」
あまりの快楽の連続にもう射精してしまうと、精液を見たこともない彼女に頭を離すよう命じると以外にもくぽと唾液を垂らしながら外した。
「あーおいし……濃くて、えへ、ひひ、お腹にずんっ、て、もっろ、あー……はぁ……」
頭をふらふらと揺らしながら、酒に酔ったようになっている。とりあえず手で頼むというと両手で大事に支え、左右違う動きでこねこねと、絞り出された。
「……子種……はぁはぁ……」
唾液まみれになった竿をにちゃにちゃと二人きりで静かな部屋に響かせながら上目遣いでじっとこちらを見ている。
そしてそのまま射精すると、彼女は直前で舌を伸ばして皿のように受け止めてしまった。
「あー……あっ……あっふ……はぁ……」
どくっどくっと出しながらも手コキは続き、固定された亀頭は外すことなく彼女の口内に精子を吐き出した。慌ててティッシュを探すと足元からくぐもった声が聞こえた。
「ん、あー……ひへへ、んー……べぇ……はぁ……」
彼女は舌を伸ばし、上に乗ったこってりとした塊を見せつけてきた。重量感たっぷりのそれを平らな舌で受け止め、ゆらゆらと塊が舌の上を這いまわっている。
舌先はくいくいとうごめき、こぼさないように、それでもしっかりとアピールしている。
「んっ……んっ、く……ごく、ん……はぁー……へへへ……はぁ……」
そのまま一息に飲み込み、ごくんと響かせながら、胃の中に精液を送り込んだ。
飲んだ後もしばらくはもごもごと口の中を少しでも残りはないかと探して、ときどき探し当てては目を見開いて嬉しそうに口を開けて見せてはまた飲み込んだ。
「あー……おいしー……」
苦くはないかという質問にもぶんぶんと首を振り、舌を伸ばしてもっととせがんでくる。しかし一発出したことだし今度はこっちだと立たせ、スカートの中のパンツを脱がせようとして、不思議な感触に戸惑った。
ぼんやりとしたまま揺れる彼女を無視して下ろすとその黒いパンツであろう下着はべっとりと、糸を引いていた。またどろりと濁った愛液が垂れ、それを受け止めているとはいえないような、べっとりとしたパンツに落ちるというよりも沈み込んでいた。
「3回くらいイっちゃった……においで1回、舐めてて1回、飲んで……あーもっと飲みたい……」
スカートの中をのぞいていいものか悩み、手を差し入れるとぬちゃりと聞こえるほどの音が鳴った。べったりと濡れていた
びしょびしょの秘部はぬめり、手を離すとまた糸を引きながら音を立て、顔を真っ赤にしたままそれでも嬉しそうにひとみは笑った。
「ふー……い、いいいいじめて、ほら!」
ぐいと持ち上げられたスカートを見ると、陰毛はぐっしょりと濡れて光り、愛液は太ももまで垂れ流していた。
そのまま止まっていると部屋にむわりとしたいやらしい香りが広がり、思わずむしゃぶりついていた。
「あっえっ、はぁっ! あっ、ひっい、ぃあ、ああああああッ!」
べちゃりと口を付けた瞬間、口の周りすべてに愛液がまぶされ、臭いに包まれた。
平時であれば不快にも感じるそれは甘酸っぱさや塩気や色々な成分を含んでいて、股間が痛いほど勃起していた。
彼女はまた素直な反応で、べろりと外を舐めればがくがくと腰が震え、舌を中に沈み込ませてみると体を曲げるようにこちらの頭を抱きすくめてきた。
「あっ、あー……ふぁっ……あー……ひっ、ふぁ……」
腰ががっくと落ちて顔にぶしゃあと生温かいものがかかる。彼女は口では謝罪を述べてはいるが、顔を見なくてもわかるほど笑いを含んだものだった。
クリトリスをしゃぶると今度はのけぞり、両手で彼女を支えなければならなかった。優しく触れるか触れないかの舌先での愛撫でも苛烈すぎたのか、足は常に張り詰め、甲高い声をあげている。
「あ゛っ、ああ゛ッ、そこぉ! は、はぁ、わたしの、なめて、ふ、ふふ……」
何を言っているのかわからないのか、頭を押さえつけられてぐりぐりと気持ちいいところをこすりつけてはその弱点をほじくり、結局何回行かせたのか、息も絶え絶えになっていた。
さすがに顎が付かれたので離れると、ぐらりと揺れ、壁に倒れこんだ。
「あ゛ー……あっ、く……ふぁ……ひっ……ぇ……」
最後には床にずりずりと落ち、音を立てて小便を漏らしていた。
愛液を擦ったスカートがべっとりと肌に吸い付いていたため、音がしなかったのが少しだけ幸いか、ただただじんわりと液体と、臭いが広がった。
「ふぁ……ふふ……へへへ……」
口元が唾液でかたまり、目は情欲に濡れ、股間からはおしっこをまき散らしてそれを吸い込んだスカートは、それでもなお粘性をもつ愛液をほぐしきれず、よけいに強まった香りを見せていた。
着替えさせるのに非常に難儀したけれども、満足そうな彼女を見ていると少しだけ幸せな気分になった。
「すき……うん……もっと……はぁ……」
不穏な寝言は聞かなかったことにする。