「お、おおおおおかえりなさい! はぁ、はぁ……」
家に帰るとひとみが出迎えてくれた。無駄に息が荒いけれど、少し肌が赤いあたり慌ててぶつけたのだろうか。
引っ越しも滞りなく進み、だんだんと増える荷物は本人曰くプレイ用だという見慣れぬ衣装ばかりだった。
崩れた笑みを浮かべている彼女は二面性で済まないほどの豹変を見せるがゆえに外では自粛しているため、なるべくこうしたわがままは受け入れることにしている。発散させなければと。
「ま、まず着替え、ふ、ふふ……今日は共用だったからね! あー楽しみ!」
彼女とは誰とでもしているわけではないといえど下着をたまに共有している。目の前の美しい姿も服を脱ぎ捨てると普通ならばがっかりしてしまうことだろう。慣れたけれど。
彼女の尊厳のために最初は女性ものを、わが身を削って着てはいたものの、さすがに限界だとボクサーパンツも買い始めてしまった。それはそれで! と返す彼女にはさすがとしかいいようがない。
玄関でまてをされた犬のように待つひとみにまさかこの場で、と尋ねようにも目は爛々と光り、真剣そのものである。噛みつかれるよりはましかとゆっくりとベルトを外す。
かちゃかちゃという音に合わせてすぅはぁと息をするひとみに今ベルトを投げたら取ってきそうだなとか埒もないことを頭に浮かべながらどんなプレイかと思いつつ脱ぎ、このまま半裸で歩くという想像を無視してパンツを渡した。
「わぁー……」
受け取った彼女は宝物を手に入れた子どものように無邪気に笑い、パンツに顔を埋めた。
「すぅー……ん……はぁー……あー……はふ……死んでもいい……」
下半身裸で玄関に立たされるという苦行が数分、やっと正気に戻った彼女と部屋に向かった。なぜかパンツは咥えたままだった。
「あーひょうはひんはひはいし、ほはんほうふふ?」
まるで理解できない。もぐもぐと口を動かし続け、唾液が口に含んだ場所以外にも染み出ていて、しかもときどき視線がどこか遠くに飛んでいる気がする。
「んー……あ゛ー……はぁ、ん、ごめんね、感想まだだった。こほん」
口からだらんとほぼ唾液で黒く濡れたパンツを抜き取ると。持った手をぐっと握りしめ、少し溜めるようにしてから拳を高々と上げた。
「……はい! 80点です! 味はまぁまぁ、トイレ何回行った? キチンと拭いたのもいいけれど座ってしてるよね? それだとちょっと薄いというかしかたないんだけどちょっとがっかりで減点、匂いはいい感じ、走ってがんばって籠ってるのは格別でああーほんと最高! くるまって寝たい! 私の匂いが消えてるのは征服感があっていいよ? でもちょっと残念、さながら二人の愛の結晶、なんて、もぉっ! はぁはぁ……あっちょっと下脱いできていい?」
まくし立てる彼女を無視して食事買ってきたんだと持ってきた寿司を見せると首をかしげていた。
「……そんなの持ってた?」
パンツにしか目が行っていなかったようだ。その目はただひたすらに純真だった。
着替えをしてからよし食べようと、椅子を引いてくれた彼女がそのまま自然な動きで椅子になったところをパカンとはたくと、大きいお尻がわざらしく揺れた。
「ああ! 愛を感じる! でも椅子にもなりたい!」
いいから食べるよと言っても動かないので命令するとぴしゃりと立ち上がり、すとと座った。
こうしたふるまいは命令されるためにやっているのか、素なのか。きっと両方なのだろうと思う。
「はい、あーん」
食べさせてくるのを受け入れる。一口食べると指を引くかと思ったらそのまま入れっぱなしで、にへらにへらと笑うその顔はさぁ私の指ごと噛み砕けと言っているようだった。
「おあずけ?」
ぷっと吐き出すとそれはそれで、と自分で完結していた。あ、この寿司美味しい。と目をそらさなくては自分が舐めた指をひたすら舐め続けるひとみは直視するには厳しいものがあった。
お返しにあーんとするとそのままかじりついてきた。
「あむ……んー……ぁも……」
思わず手を引くと心底残念そうに舌を出した。
次はと彼女がまた食べさせてくるので交互にやらざるをえず、結果として毎回捕食の危機に陥っていた。
「おいしかったー……とくに……はぁはぁ……」
指を見ると赤くなっている。皮膚が捲れるまではいかなかったようで、安心はするけれど唾液はべっとりとついてしまった。
隣に座る彼女に見せつけるようにお返しにぺろりと舐めてみるとブリッジするようにばたんと椅子ごと倒れた。
「あっ……あー……へへへ……」
よだれを垂らしながらうわごとを呟く彼女を抱き上げ、そのままベッドに運んだ。しっかりと付いた筋肉は重さよりもここにいるという安心感の方が強かった。
長い廊下の先の、大きめの何人も眠れるベッドを有する寝室は特に大きい。なぜか怪しげな照明までついている。気が付いたら付いていた。
「あれ……これは夢……? マネージャーのパンツ……ああ……」
起きろと揺らすとはぁはぁとうるさい。正気に戻ってやっと状況を掴めていた。
そしてこんなふうな彼女であったが、これが初夜である。
「それにしてもやっと……やっと……はぁ……予定合わないしもーいつ押し倒すか悩んでたんだけどやっとだよ! 抱いて!」
ペッティングは繰り返したけれど、やはり本番は自宅でゆっくりとと我儘を通してしまった。
彼女はワクワクしながら、背中からどすんと倒れこみ、両の手を大に広げた。
「……あなた……? いや被る、ダーリン、いやそれも……ご主人様も……。ハニー、ハニーって……蜂蜜、じゃなくて――」
囁く彼女と目を合わせると名前を呼ばれた。
うん? と首を傾げた瞬間、ひとみはあっと声をあげ、そのまま気絶する前兆のように眼球が揺れ動き、口の端に泡を浮かべて腰を少し浮かせ――そのあたりで慌てて正気に戻した。
刺激がだの呟いている彼女にキスを交えてなんとか落ち着かせる必要があった。
そしてやっと落ち着き、顔を正しく、熱狂といった分類でない少女らしい朱に染めたあたりで見つめ合った。
じぃと潤んだ目を見ながら互いに頷き、照明は明るいままでいいという彼女の前で脱ぐと、これが目的であったかのように穴が開くほど見つめられた。
そしていざと彼女のパンツをゆっくりと下ろすとくち、と小さな音だけが静かな部屋に響いた。下げると黒く濡れ、てらてらと光っている。
思わず顔をあげるとひとみは初夜の少女のように、実際そうなのだけれど、まくらを抱いて不安そうにしていた。
「緩くない緩くないオナニーしてないしああつらいけどゆるくないよね指いれて膜破れたりとかあんまりいや指でなら破ってほしいけどあああああ」
ぶつぶつと呟く彼女を無視して上着を脱がす。ぼろんと音がするほどの巨乳、形のいい乳輪に張りつやも抜群、と見とれている場合でないとスカートも脱がせると、縦に割れた肉が姿を現した。
戯れに両手で広げるとぬらりと輝きを伴って開き、ぷちゅと糸がわずかに見え、消えた。
指をゆっくりと入れて彼女を見ると、顔を隠している。それでもくぽくぽと動かすとじわりと愛液と、肉がうごめいた。
濡れやすさは抜群だけれどと一応指をもう少し、不安がらせない程度に入れながらクリトリスに優しく触れ、れろとぎりぎりの距離で舐めると、腰がくいといやらしく浮いた。
ゆっくり手を動かしながら徐々に快感を与えると足はくったりと開き、弛緩して受け入れるがままになっている。
それではとぐにと亀頭を添えると今度はお互いに力強く見つめた。ある程度乱暴にすべきか、いやと悩む前に足がゆっくりと絡められ、最速のようなそれにままよ、とどすと突き入れた瞬間、ぎゅうううという強烈な膣の締まりに腰を引きかけて、暖かくじんわりとした感触がした。
「お゛っ……あっ……あ? ……あっ」
ひとみは思い切りのけぞり、弱点の喉を晒しながら簡単に達していた。痛みよりももっと激烈な状態で、下に見える血も意に介している暇はなさそうだった。
潮をまき散らし、膣は複雑な動きと、呼吸するかのような締まりを繰り返し、潮に流される前にまた次々と愛液が沸いた。
そしてまた軽くつくと星が飛び出るような瞬きと、がくがくと定まらないような首の動きを繰り返した。
「はっ、えっ……ぁ……ふっ……ひっ……あ? ……あー」
壊れた蛇口のようにしゃっしゃっと吹き出し、最初恥ずかしげに絡めかけていた足は、もはや力なくベッドに沈んでいる。入れやすいように足に添えられた両手はそのままだらんと垂れ、支えにすらなっていない。
どこを付いても鳴き声をあげ、無様にぐちゃぐちゃと水音を立てている。
起こそうにもふにゃりと崩れた顔は笑ったままで、活を入れてもぼんやりとしている。
しかたなくクリトリスを、いけないことだとわかっていても強めに、べっとりと付着した愛液で宝石のように光るそれを、指ではじいた。
「ひぐっ! はッ、あがっ! あっ……うあ……」
腰が跳ね上がり、がくんとスイッチを入れたかのように膣全体がまとわりつき、目に光が戻った。
朝目覚めたかのようにぼんやりと、今度はまた緩いおしっこをじゃあああともらしながら、寝小便だなという様子で、ふにゃと笑った。
「……あれ? ……あー……ひぐっ! ふあっ!?」
寝耳に水だという反応に少しおかしくなりながらも、自分だけ勝手に気持ちよくなってというふうに腰を振る。
何度も何度も起こすと正気を取り戻し、唇を合わせると両手を背中に回してきた。
「んちゅ……んー……ぷぁ、ちゅっ、あむ……ふぁ……あー」
柔らかい唇、主導権がこちらにあり、弱っているからか舌は力なく、こちらが伸ばしたものに添える程度である。膣口はきちんと締まり、ぞりぞりと狭い膣をほぐしていく。こんどはゆっくりと。
「はぁー……すご……死にそう……私が死んだら……家具に……」
大丈夫と今度はリズミカルに、くいくいとこすりつけるような、愛液の伸ばし合いのような動きになるとようやく本領か、多少元気になっていた。
「んっ、はぁ、ふぅ……あー……臭いすごい……トびそ……」
よだれまみれの口をべろりと舐めると、雰囲気に酔っているのか快楽を受け入れ、すでに腰の動きを2人で合わせていた。
そしてひっくと何度もいってはぱちぱちと目をみっちりとつぶって耐え、射精を待っていた。
「もっと私を、使って、あー……あ、頭、何も考え、ああ……またっ」
何度目かの絶頂に合わせて射精した。どくんと肉棒が震えるたびに目を見開いて全身をうねらせ、一つになったような感触がする。
「あ゛っ……イって、あ、あいしてる! ひあっ頭が、あああっもっと! あっ、ああああ゛ッッ」
射精しながら愛を囁くと思い切り舌を吸われ、視線がぎょろぎょろと、どこを見ていいのかわからないのか混乱していた。
どくどくと精を腹の中にこすりつけると、相手も潮をかけてマーキングしてくる。どちらの臭いだかわかったものではないが、他人が嗅いだらそれはおぞましいものだろうと思った。
「あー……。あっ、あー……」
もう一度ひとみがばたんと倒れると、今度は本当に限界なのか、出す水分もないのかぴゅっと残り汁のような潮を吐き、絡まった足をそのまま落としたようなカエルのような無様な様子で、腹筋は脂肪の下に詰まった筋肉がひきつるようにびくんびくんと動き、それもまた実験のようでどこか面白ささえあった。
手を繋ぎ、あとは背中に回していたため触らなかった胸を今思い出したように、重量感のある胸をむにりと重力に押されているところを横から支えるように持ち上げると、少し乱暴に握るようになってしまった。
そしてそれは搾乳のように、股間からまたじわりと漏れ、握ってはまた漏れと直結しているようだった。
ずるんと抜き取った性器はいまだに力強く猛り、それでも意識を失った彼女には酷かと悩んでいるとドアの隙間からメイドが覗いているのが見えた。
初夜だからと口パクで伝えるとそのまま陰のように消えた彼女は有能で、お手付きである。しかしさすがにひとみに吐き出した精液以上の数を今日彼女にぶつけるのはと諦め、あるいはもっと残酷な選択を、彼女の足を持ち上げ、よいしょと準備をした。
上からどずんと打ち下ろされた亀頭は、そのまま彼女の奥深くをえぐり、ぴぎっという鳴き声のような音を生み出した。
ごちゅごちゅと付き続けるとお゛っお゛っとただの生理現象のような反応になり、精液を子宮にぶちまけられてもただ大切そうに吸い込んでいた。
その精液が泡立ち、ペニスに押しつぶされては精をまた充填する。すりこぎのように腰をうねらせて吐き出すこと数回、彼女の子宮口を無遠慮に使って我が物顔でまき散らし、膣内のみぞすべてに浸透させるほどの前後運動を続け、最後にもう一発、と出してから抜き取ると、だらしなく開いた膣口は精液で泡立ち、中は白く染まり、子宮口からは泡が、それと入れ替わりで精子が入っていくという証が見て取れた。
隣にごろんと横になると、ばたりと投げ出されたひとみの股間からぶじゅ、うじゅという少しの距離からも聞こえるほどの下品な音がこぼれていた。
横から伺い見たその顔は崩れきって少々下品で、だらしなく舌が出ていても、この上なく美人であった。