※この作品はR-18です。

Kaleid/Burn Out   作:てんぞー

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三の界

「で、その女の子を殺せばいいのか」

 

「あぁ、そうすれば流れが変わるであろう」

 

 女帝のその言葉に疑問が浮かぶ。何か、何かが引っ掛かり見えそうなのだ―――だがその先へと踏み出す方法が解らない、という感じがある。おそらくは視えている物が違うのだろう。となるとやはり、《千里眼》が鍵なのだろう、と思う。そういえばこうなる前にやっていたのも《千里眼》の鍛錬だった筈だ。ただ視る能力を伸ばす、というのは結構難しいところなんだよなぁ、と思わなくもない。

 

 ともあれ、

 

「流れ?」

 

「然り。世界にはそれぞれ流れというものが決まっている。それは観測された時点で確定したものとなり、世界そのものの形となる。そしてこの世界はある形で流れが決められている。我がこのような性別で役者を演じるのもそれが理由になっている」

 

 女帝のその言葉にあぁ、と納得するものがあった。

 

「そういえば爺から平行世界や未来は観測されることでその未来が確定されるって話を聞いてたっけ……という事は俺以外にも魔法使いがいるのか……?」

 

「魔法使いよりも悍ましいものだ。あのイシュタルめを思い出す女が今、この街にはおる。其奴が自分に好ましい未来を取得し道筋を構築しておる。この我自らが出ても良いがそれでは予想された道筋を歩んでいるに過ぎん。だが貴様の様な境界歩きの者であればそもそもそういう因果に縛られずに行動できる」

 

「つまり手駒としては都合が良い訳か」

 

「解っているではないか道化」

 

「道化って……いや、まぁ、うん、道化っぽいけどさぁ」

 

 はっはっはっは、と女帝が笑う。いや、別に美人さんだし笑われてもいいんだけどね? とは思わなくもない。しかし見た目や雰囲気に反して結構喋りやすい相手だなぁ、とは思う。なんというか、()()()()()()()()()()()とでもいうべきだろうか。ただ魔法というので時間軸の移動ができる事を考えれば、この女帝とは今から過去の未来に、会っているのかもしれない。

 

 しかし過去の未来ってなんだろう。哲学だろうか?

 

「では必要な言葉は全て伝えたぞ、雑種。貴様が間桐桜なる少女を殺せばそれで全てが元の線路に乗る。多少の逸脱はあるが許容範囲内だ。我とてこの街を消し去る様な抑止力との相対は御免被る故な」

 

「桜ちゃんってのを殺せばいいんだな、解ったよ王様」

 

「うむ、殺した後でどうしようが我は気にしない。殺すという一点において成功すればそれで十分だ」

 

 腕を組んでいる女帝がニヤリ、と笑ってから背を向けた。これで話は終わりらしい。話していて結構面白かったのでもうちょっと話したかった気分だが、何よりも彼女の気分を害するのが恐ろしい故に引き留めるのは止める事にする。それに桜ちゃんなる人物をぶち殺せばまた話す事も出来るのだ。そこまで難しい事じゃない。

 

 人間一人殺すのなんて今の世の中、欠伸が出る程簡単なのだから。

 

 

 

 

 人を探している? どこにいるか解らない?

 

 戸籍登録という凄く便利なシステムが日本には存在するのだ。冬木担当の市役所へと向かい、そこで間桐桜と言う人物を調べさせ、そして住所を割り出す。魔術師には暗示や催眠術があるのだ。態々情報屋なんてことや聞き込みなんてしなくても、軽く催眠で頭をあーぱーにしてから個人情報を抜き出せばそれで情報収集は完了してしまう。

 

 魔術、こういう時は本当に便利である。

 

 そんな事であっさりと間桐桜という人物に関する情報を獲得する。

 

 間桐桜XX歳。女性、そして学生でもある。人当たりが優しく、旧姓は遠坂。だが桜と言う少女以上に重要なのは今の家、彼女が間桐の家の娘であるという事になる。間桐の人間である間桐臓硯はこの冬木市の名士として名が通っている他、稲群原学園、つまりは桜が通う学園のPTA会長でもあるらしい。金を持っており、表と裏の顔を両方持っており、その住所は霊地の上にある。

 

 まず間違いなくこの冬木の街の魔術師だ。おそらくはサーヴァントも召喚しているだろう。となると奇襲から必殺するのが一番楽になるだろうと思う。

 

 金はあるから冬木の中で一番良いホテルを金を出して借りて、そこでベッドの上に座りながら考える。こういう時、ソシャゲが遊べないと不便である。

 

「毎日ちゃんと学校へと通っているみたいだし―――学校の中に入ったのを確認してから破界す終焉の枝(レーヴァテイン)で学校諸共の防御させずに消し飛ばすのが一番安全か」

 

 まぁ、と呟いて、

 

▽属性:混沌・善

 

「……流石に学校規模で吹っ飛ばすのはダメだよな」

 

 もうちょっと魔術師として吹っ切れていたのであれば、学校だけをピンポイントに消し飛ばす、何て事も出来ただろう。一度に人間の一人や二人を殺せても、流石にそれが100人規模とかになってくると躊躇する様になる。というか流石にそこまで吹っ切れられない。という事は必然的に学校か、或いは通学路で桜を殺す必要が出てくるという事だ。

 

 シチュエーション的に中々面倒だね? と自分に言うが、ジャックから学んだ《気配遮断》があるのも事実だ。攻撃する瞬間までは完全に相手に気取られずに接近できる筈だ。問題は相手がサーヴァントを連れているか否か、という所だ。連れていたらやばい。連れていなければイージーだ。

 

 やはり暗殺するのが一番簡単だろうと思う。となると遠距離からの狙撃が一番だろうか? いや、狙撃だと攻撃した時にサーヴァントにバレるだろう。あのアーチャーみたいなとんでもない奴が出てこないとは限らないし。

 

「となると人混みに紛れて一瞬でぶち殺すのが一番か」

 

 やはり一番油断していそうな学園で殺すのが楽かなぁ、と考える。人が多いから目撃者が多い分魔術師は即座に行動に移せないし、人の数そのものが壁として機能する。そして狭い逃げ場のない場所での戦闘は俺が得意とするものだ。何せ、逃げ場が存在しないのだから適当に炎をぶっ放せばそれだけで埋まる。

 

 ……まぁ、そこまで簡単に事が運ぶとは思わないが、一回殺せばそれでおつかいクエストは完了する。だったらそれでいいではないかと思う。めんどくさい事は極力考えたくはないのが事実だ。なるべく脳味噌が死んだ状態でソシャゲしてそれだけで生きて行く生活万歳。

 

 ……なのに、どーしてこんなことをしているのだろうか。帰りたくてしょうがない。

 

 とはいえ、魔術師として倫理観なんてものは死んでいるようなもの。サクッと今生にバイバイして貰って、そのままこちらも帰る手段を教えて貰おう。というか早く帰らないとこっちで時間を過ごしている間にイベントが終わってしまう。それだけでは回避しなくてはならない。

 

 限定キャラ、限定アイテム、そしてシナリオ。それを逃すなんてとんでもない。イベントを走る為なら何人だって殺すぞ!

 

「ま、ネタは抜きにしてこんなもんか……レティはそこらへん、忌避感あるか?」

 

 視線をテレビの方へと向ければ、テレビの前に座ってアニメを見ているレティの姿が見える。姿は大分成長したもので、15歳前後に姿は少なくとも見える。大分育ったなぁ、と思いつつ、此方の言葉に反応してレティは言葉を作った。

 

「ど……ぃ……ぉ?」

 

「どうでもいいよ、か。まぁ、そうだよな」

 

 知らない相手に対して一体どう思えばいいのだろうか。どうせ殺すのは知らない、殺してもこれから一生関わる事もない相手なのだからぶっちゃけ、殺しても問題はない。魔術の世界的には割と何時もの事だし。それに殺して指名手配されたところでぶっちゃけ、世界を渡ればその事実は適応されなくなるのだから。罪悪感を感じる必要もないだろうと思う。

 

「ま、とりあえずは殺しに行くか、レティ」

 

「……ん」

 

 レティの姿が消え、テレビも画面から色が消える。礼装用のカードがベルトのホルダーに装着されているのをちゃんと確認してから良し、と呟く。可能なら銃が欲しかったところだがそんなものがここで手に入るとは思えないし、まぁ、これだけあれば十分だろうという考えの元、レティを刀の状態に変容させて出現させ、左手で掴みながら転移を行う。

 

 ホテルから稲群原学園へと向けて。場所は既に地図で確認してある。《気配遮断》を行う事で魔術的な痕跡さえも残さずに一気に移動し、学園前の道路に着地する。

 

「時刻は12時過ぎ……昼休憩ってところか」

 

 グラウンドの方から学生たちの声が聞こえる他、学園内を覗き込めばそこにも昼食を取る学生たちの姿が見える。間桐桜の年齢を考えれば……おそらくは一年の教室だろうか? と考える。確認した彼女の写真はアクティブには見えない、影のある女だった気がする。

 

「ま、サクサクやろう」

 

 よっと、声を零しながら校門を飛び越えてグラウンドに入る。アサシン・ジャックの戦闘を通してアサシンとしての技能、動き、技術を軽く学習できたおかげで飛び越えながらも一切音を立てずに着地する、などという無駄に洗練された無駄な動きで入る。《気配遮断》によって認識不能な状態に陥っている今、校門を堂々と飛び越えた所でそれに気づける人間はいない。

 

 軽く透明人間になった気分だった。

 

―――いや、待て。

 

 校門を超えた所で腕を組んで考え始めた。

 

「《気配遮断》は攻撃判定扱いじゃなきゃ解除されない―――つまりセクハラの類で攻撃の範囲に入らなければ永続できる……?」

 

 今、物凄い頭の悪い事を言った気がする。というか普段から頭の悪い事ばかり言っている気がする。というかそもそも、そういう頭の悪いキャラだったはずなのに、最近はどうも難しい事ばかり考えている気がする。出来る事ならもっと頭の中を空っぽにしたいのに、なぜだろうか。

 

 これは一回、馬鹿になる必要がある。そう、セクハラしよう。《気配遮断》で。何のための《気配遮断》だ。無論、セクハラの為だろう!

 

「これで《気配遮断》が使用中セクハラしても途切れなければアサシンはドスケベクラスである事が実証されてしまうな―――良し!」

 

 どこかの教会で誰かが大爆笑している気がする。先に桜を殺そうかと思ったが、アサシンのクラスが実はドスケベクラスである事を証明する方が自分の中で今、最も重要な事になって来た。何よりもここで気配を遮断してセクハラをする事が出来る事に事実を見出せば、時計塔に帰ったらオルガマリーちゃんを虐める為のネタが増えるのだ。後ルヴィアの胸を一度でいいから揉んでみたい。

 

 激しくどうでもいいことかもしれないが、高貴な女性を一方的に喘がせてみたいとは思わないだろうか?

 

 俺は思う。

 

 その夢が今、《気配遮断》にかかっているのだ。そう、これは新しい痴漢ネタ、或いはエロネタの為の行いである。なぜ今まで思いつかなかったのだろうか? 思いついたからには実行せねばなるまい。

 

 その覚悟を胸に今、魔法を使って学園内へと一気に移動する。ひゃっほぅ! というるんるん気分で学舎に入り、踊り場からそのまま視線を左右へと向ける。学生たちが談笑する姿が見えるが、どれもこれも見た目は普通に見える。残念。

 

 そのまま廊下を歩いて1年生の教室を探す―――そんな広い校舎でもないので、そこら辺の苦労はほぼない。

 

 教室を一つ一つ覗き込みながら確認すれば、そう難しくもなく、教室内に居る間桐桜の姿を見つける事に成功する。そして改めてみる―――いい体してるなぁ、と。教室の中で椅子に座り、机の上に弁当箱を広げている姿を見て、そのプロポーションを軽く教室の外から眺めるように確かめた。

 

「で、デカい―――D……いや、Eはあるな……」

 

 制服の下で隠されているとはいえ、その圧倒的ボリュームを間違える事はない。そう、なぜなら《千里眼(魔法)》であれば見抜けるからだ。やっぱり歴史上最もくだらない魔法と千里眼の使い方をまた生み出してしまった気がするが、それでもやっぱり使わざるを得ない。というか凄い。

 

 胸が机に圧迫されるとかマジであるのか、と目を疑う。これがリアルなのか? 漫画やアニメとかではなく? という事はEカップ以上とかが胸をテーブルの上に乗せるアレとか、風呂で胸が浮かぶとかリアルなのか。マジなのか。

 

 ちょっと困惑が隠せない。やっぱり女と男って別の生物だよこれ。

 

 だって俺の胸だって結構自信があったのに、アレはないわ。アレはないわー……。

 

 軽く呟きながら壁に手を叩きつけて体を支える。

 

「え、いや、だって明らかにサイズおかしいしプロポーションもいいし、成程、これが神に愛されているという奴か……ふふふ……良し、こうなったら負けない様に人体改造するしかねぇな。魔術師……否、魔法使いであらば不可能を可能にするのだ! ん? なら爺はなんで爺のままなんだろう。姿ぐらい変えるの問題ないだろう、あの爺」

 

 はぁ、と溜息を吐く。この体になってからシャワーばかりで風呂には一度も入っていない。

 

「今度風呂入ったら浮かぶかどうか確かめよ」

 

 トップで重要な事だよな、これ、うん。自分にそう言い聞かせた所で、ちょんちょん、と肩に感触を得た。あれ? と思いながら正面、手を叩きつけてしまった壁と、そして横、眼鏡をかけた青年がそれを押し上げながら片手で肩を掴んでいるのが見えた。

 

 あ、攻撃判定―――。

 

「見た事のない者だがゲストIDは発行しているか? 部外者が校内に入る場合、事務室で貰って首からかけておく必要があるのだが―――うむ、ないな」

 

「……そっすね」

 

 不法侵入だからある訳ないぜ、と心の中で呟くが、物凄いくだらない事で《気配遮断》を解除してしまった為、恐ろしいほどに後悔している。はぁ、と溜息を吐きながらカードを1枚取り出す。元々俺がスマートに進めようとすること自体が間違いだったのだろう。それとも途中から痴漢の事を考え始めたのがダメなのだろうか。

 

 《気配遮断》痴漢に関しては電車の中でやる事を考えよう。満員電車で。

 

「それならば職員室まで同行願おうか」

 

 そうだなぁ、と呟きながらトランプを一枚取り出した。取り出したトランプの絵柄はキャスターのクラスカードへとその姿が変質した。

 

「うむ―――眠れる森の美女の眠りは深い。深い、深い夢に揺蕩い王子の到来を待ち続ける。あぁ、深き眠りよ……君は起きない。あらゆる喧騒の中でも眠り続ける」

 

「うん? 一体何を―――」

 

 ばたん、と音を立てて目の前の眼鏡の学生が倒れた。だが倒れたのはこの学生ではなく、周囲にいる学生全てが―――校舎内の学生全員が次々と倒れて眠り始める。それもかなり深い眠り、横で爆音でギターをかき鳴らしたとしても起きないような眠りだ。【魔力】A+ともなればそれはもう、人類としてはトップクラス、これを超える相手も数えられる程度しかいないレベルの魔力だ。あのバーサーカーのマスターのデビルロリの様な特殊な存在でもなければ超えられるような魔力ではない。

 

 ここまで来ると特化キャスター級の魔力になる。それで強引に魔術を強化、増幅させる。昔は触媒や手順なんてものが必要だったが、今、【魔力】がここまで上昇したのなら少し多めに魔力を支払えば効果を増幅させた状態で手順は簡略化できる。だがそこらへん、魔法と言う概念で非常に複雑かつシンプルな事になっている。手順やなんやらを無視して魔法の概念で魔術を発動させる、という状態になっている。

 

 そういう訳で、効果は一瞬で学園全体を包んで、一気に人を眠りに送り込む。と言っても、数時間の間ぐっすり眠っているだけだ。

 

―――だが間桐桜は眠っていなかった。

 

 教室の中を覗き込めば、桜という少女が困惑した様子で眠り出した周りの学生たちを見ている。どうやら彼女は何故かレジスト出来てしまったらしい。まぁ、魔術師はこういう干渉の類に対するレジスト方法を一番最初に叩き込まれる。当然と言えば当然かもしれない。とはいえ、困惑している様子を見ると戦い慣れていないか、或いは―――聖杯戦争を知らないか。

 

 どちらにしろ、チャンスだ。

 

 ぶっ殺せる時にぶっ殺すのは大事だ。アサシンドスケベ疑惑はその後で確かめよう。

 

「ふぃー、面倒だなぁ」

 

 ジャケットのポケットから煙草を一本引き抜きながらそれを口に咥え、魔術で火を付ける。そのまま教室の中へと入って行けば、唯一起きていて、困惑している間桐桜の姿が見える。彼女は此方へと視線を向け、立ち上がりながら数歩、窓際へと後ずさる様に下がった。

 

「あ、あの、貴女は―――」

 

「いや、見て解るでしょ? 集団昏睡事件の犯人って奴だ。現行犯の。ちなみに欲しいものは君の命―――まぁ、痛みすら感じずに一瞬で逝かせるから安心してくれよ。流石に苦しめるのは可哀想だし」

 

「えっ」

 

 そんじゃ、さようなら、と言葉を口にしながらレティを一瞬で取り出し、赤い剣身の両手剣姿を片手で振るい、桜を殺すために振り下ろす。流石にサーヴァント級の【敏捷】に踏み込んでいるだけあって、桜は避けようと動き出すも、此方の速度について来れず、回避しきれない。

 

 殺すための一撃が振り下ろされる。

 

 そして火花が舞う。

 

 両手剣が弾かれるのと同時に素早く二撃目が入り込んでくる。顔面目がけて飛翔するのは金属の杭だった。素早く剣を振るいながら後ろへと跳躍し、衝撃で机や眠っている学生たちを教室の端へと吹っ飛ばしながら着地する。そうやって見えたのは桜の横に立つボディコンの様な服装姿に眼帯を装着した、長い菫色の髪をした女だった。臨戦態勢で姿勢を低く、腰を折る様に鎖で繋がった杭を握っている。

 

「ら、ライダー!」

 

「無事ですか桜」

 

「は、はい。ですけど兄さんは……」

 

「シンジならレジストすらできずにあっさりと眠っています」

 

 ふむ、と呟きながらライダーと呼ばれた女を観察する。胸のサイズは―――

80を余裕で超えている。これは桜級のバストサイズだ。しかも姿勢的に胸の谷間を強調する様なポーズ。背は結構高いが、それはそれ、モデル体型と言う奴だ。実に悪くない。寧ろいいぞ。こういう女性にはリードされて甘えたい。

 

「実に豊満であった……ベネ、実にベネ……聖杯戦争最高かよ……」

 

 俺も欲しかったなー! あんな風に自己主張して心配してくれるサーヴァント欲しかったなぁー! と、心の中で思ったが、やっぱりレティが一番だな! スタイル可変だし! うん! と結論付ける。やっぱり我が家のサーヴァントがナンバーワン。それはそれとして、ライダー女子のステータスは看破した内容で上からC、E、B、B、Dと見えた。筋力敏捷敗北、耐久幸運引き分け、魔力勝利というとこで大体素のステータスによる勝負は此方がちょっと分が悪い感じだろうか。

 

「……」

 

「おいおい、そう睨まないでくれよ。俺だって別に殺したくて殺しに来ている訳じゃないんだ。殺さなきゃこっちが困るから殺すってだけの話なんだからな」

 

 両手剣を握りなおし、後ろへと引く。その剣身を炎が一瞬だけ走る。

 

「うーん……後はスキルと宝具の相性次第か」

 

 聖杯戦争に出てくる女って大抵が美人だけど、聖杯って美人じゃなきゃ英霊にしなかったり、マスターとして認めなかったりするのだろうか? だとしたら聖杯君とはきっといい酒が飲めるな。そう思いながら軽く教室の床を二回足でタップする。

 

 窓、入り口、壁を覆う様に炎が全てを遮る。桜が単独で逃げ出そうものならその瞬間に燃え尽きるだろう。それで逃げ場を奪ったところでさて、と口を開く。

 

「サクサクと終わらせようか」

 

 宣告し、前へと一気に飛び出した。




 という訳で次回、vsメドゥーサ・ライダーさん。ひむてん時空なのでHFベースなのですが、まだセイバー召喚前なので共通ルート状態。つまりは奴も学園に居るぞ、という事なのだが。

 それはそれとして、ステータスが人外っぽくなってきたけど、FGOではこれでも即死出来るしSNでも十分即死出来るから原作の聖杯は魔境。
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