※この作品はR-18です。

東京キングダムでイき抜く魔族さん   作:ヤトラ

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●本日の予定
・初の奴隷であるシュレイ&フィルにイ・グーの生活リズムを叩きこむ事。

今回はエロは殆どありません。ゴメンよ……。

※対魔忍も米連も魔族も、決戦アリーナのように簡単に堕ちはしないという認識追加。


来訪:イングリッド

 AM6:00……傭兵組織「イ・グー」構成員の起床時間にして奴隷達を起こす時間……つまりは地獄の一日の始まりである。

 

 彼らの朝は、シャッターから漏れる朝日が広々とした空間を照らし、軽快なリズムで場を盛り上げる事から始まる。

 

「……ねぇシュレイ、私達……何やっているんだろう」

 

「見て解るでしょ、ラジオ体操してるんだよ」

 

 目を点にしているフィルが問い掛け、隣のシュレイは淡々と答える。シュレイの声色は「どうでもいい」と言わんばかりに平坦だった。提供された服装はスポーツブラにスパッツと非常に簡素。

 

 フィルとシュレイだけでなく総勢18名のオークがラジオ体操に勤しんでいる。一糸乱れぬ、とは言えないが、いずれも程々に(何名か寝ぼけている)真面目に取り組んでいる。

 それは組織のボスであるオスカーも同じことで、CDラジカセを背後に立つオスカーは、フィルとシュレイ、オーク達を前にラジオ体操を行っている。服装は白シャツに半ズボンと子供らしい。

 

「健康的な身体は生存に欠かせませんからね。それに貴女達のしなやかな身体を維持する為にも、奴隷でいる限りは毎朝参加してもらいますよ」

 

 電流装置付き首輪を装着しているからか、それとも武装を持たない人間相手に勝てると自負しているのか、オスカーは手足が自由な元米連兵士を前にしても平然としている。

 そもそもフィルとシュレイの周囲には筋骨隆々なオークが勢揃いしている為、身体能力が高かろうとも諦めざるを得ないのだ。オスカーが例の触手の化物だと判った以上、勝てない相手だと解っているし。

 

((言っている事は解らなくもないけど……))

 

 オスカーの熱弁に納得するフィルとシュレイ。確かに動ける体は戦場を生き抜く資本となる。軍人であった彼女達も日々の鍛錬と柔軟は欠かせなかった。

 

 だが2人は思う……オークが真面目にラジオ体操している姿は違和感しかない、と。

 

「オデも最初は馬鹿馬鹿しいと思ってたんだが、ラジオ体操してからは腰が軽くなってよ。グラインドテクニックが磨かれたぜ」

 

「オラなんか射撃のブレが直っただ」

 

「肩コリが解消した」

 

「何その嬉しい結果!」

 

 口々にラジオ体操の成果を伝えるオーク達を横目にフィルは突っ込まざるを得なかった。

 

 

―――

 

 イ・グーの今朝の朝食は……ヨーグルト・ハムとチーズのサンドイッチ・牛乳・トマトサラダ。

 

「……なにこれ」

 

「量多いね」

 

 唖然とするフィルを横目に、分厚く切ったハムとチーズと野菜を挟んだ大きめのサンドイッチに齧りついたシュレイが答える。その目に光は無かった。

 今度は手錠こそされているものの、手錠同士を繋ぐ鎖は程々なので食事の邪魔にはならない。しかもオーク達は時々やらしい眼で胸や尻を見るものの、食事を優先していて襲う気配もない。

 

「食事は朝と夜の二回。その体のラインを維持する為にも必ず食事を取ってもらいます。昼に空腹だったら各自、自腹か自炊です」

 

 三角巾を被りエプロンをつけたオスカーが厨房より現れる。まさかボスが自炊しているとは思わず、フィルとシュレイの顔が作画崩壊を起こした。

 

「あ、まさかとは思いますがアレルギー持ってたりします? 小麦か乳製品の」

 

「変な気遣いをありがとう」

 

 そう答えたフィルはヤケクソだと言わんばかりにサンドイッチに豪快に齧り付いた。

 

「サラダにはシーザードレッシングだな、やっぱ」

 

「あぁん? 胡麻ドレだろJK!」

 

「青じそドレッシングのサッパリ感には敵わねぇべ」

 

「和風ドレッシング取ってください」

 

「シュレーイ!?」

 

 

―――

 

 先日に牝犬プレイを強いられたフィルは、いつか絶対殺してやると心に誓った時もあった……今まさにそれが叶おうとしている。

 

 ありったけの殺意を、この手に!

 

「うらららららー!」

 

「いでででで!」

 

 全身にプロテクターを装備したオークボにフィルの竹刀が叩きこまれる。その竹刀捌きは瞬く間にプロテクターの防御数値を削り、オークボにダメージを与えていく!

 同じプロテクターを装備しているとはいえフィルは小柄だ。反撃の暇を与えず、右へ左へと跳躍してオークボを惑わし、一気に畳みかける!

 

『100Atp(アタックポイント)超過しました。シミュレーションを終了します』

 

「うっしゃー!」

 

 警告音と同時にアナウンスが入って試合終了。結局オークボは一振りもできず完敗、その勝利を喜ぶフィルは竹刀を掲げてガッツポーズ!

 

「あのガキめっさつえぇ」

 

「オークボの旦那ですら勝てねぇとはなぁ」

 

 観戦していたオーク達がそんなことを言う。反逆者用の首輪が無ければこんな呑気な事は言えないだろう。

 

 ここは「イ・グー」の訓練室。元米連の物とあって結構なトレーニングマシンが揃っており、オークボとフィルが使用している戦闘シミュレーションも人気トレーニングマシンの1つだ。

 その他にも、ベンチプレス、ランニングマシン、サンドバック、果てはボルダリングと筋トレやストレス解消にも役立つものばかり。因みにシュレイは一心不乱に、それこそ何かを忘れたいかのようにサンドバックを蹴り上げている。

 

『ふむ、流石はカラドボルグの所有者と言いますか、身体能力が凄いですねぇ。オークボ、まずは耐える事から始めましょう』

 

「へ、へい……チクショウ、ここまで強ぇたぁ思わなかったぜ」

 

「……あのさ、オークボ……さんだっけ? 怒らないの?」

 

 オスカーは社長室で事務処理中らしく、天井から伸びる眼玉付き触手がプロテクターを脱いだオークボに声をかける。

 ボコボコにされて悔しそうではあるが、奴隷の首輪をされているフィルに対してオークボが暴力を振るわないのを不審に思い、恐る恐る質問してみる。

 

「公私混同はダメだってボスがよぉ……まぁ鍛えてっと生存率上がるしな、ワガママ言っていられねぇよ」

 

 そう言ってオークボはフィルの頭をポンポンと軽く叩く。手が大きく厚いので、ドスドス、と音を立てているが。

 子ども扱いされているようでフィルはムっと来るが、散々竹刀を叩きつけた後なのと、今だけは自由にさせてもらっているという現状もあってか、不思議と火山のような怒りはわかなかった。

 

「ま、この後の性処理で少しぐれぇは仕返ししてやっがな」

 

「少しぐらい見直してやろうと思った私の気持ちを返せ」

 

(見直そうと思った時点で負けているよフィル……)

 

 

――

 

 これまでのイ・グーは運動後にシャワーと休憩をし、9時には各自仕事へ向かう。警護・ならず者の取り締まり・情報交換など東京キングダムの治安に少しでも関わる小さな仕事ばかりだが。

 しかしシュレイとフィルという恒久的な肉奴隷が手に入った今、オーク達の性処理は豪華な物となった。

 

「んぶ、ぶっ、んぶぉぉ!」

 

「おら、しっかり咥えろ!」

 

「れる、あむ、んぁ……んれぇぇ~」

 

「げへへ、こっちの姉ちゃんは随分とフェラが上手くなってるじゃねぇか」

 

「仕込んでやった俺らに感謝しろよ?」

 

「オークラはマンコに出すまではフェラさせてばっかだったからなぁ」

 

 二人の牝奴隷はギロチン台に首と両手首を拘束され、前後をオーク達のチンポで満たされていた。調教を兼ねた凌辱ではなく、オーク達の性処理を優先している為にさっさと射精する事が多い。

 犯されているシュレイとフィルにとっては苦しいし恥ずかしいと災難には違いないが、18名全てを満足させれば解放されるので、さっさと射精して欲しいと懸命にオークチンポをしゃぶっている。

 

―べしっべしっ

 

「んぶ、んお、おおぉぉっ!」

 

「ぐへへ、さっきの仕返しだ、おらおら!」

 

 オークボ専用肉奴隷という扱いな為、フィルへの多少の乱暴は許されている。先程の竹刀滅多打ちの恨みを晴らさんと、腰を乱暴に振ってチンポを膣内で暴れさせながら尻を叩く。

 たっぷり吐き出されて頬一杯にザーメンを頬張りながら、フィルは恨めしい目をギロチン台越しにオークボへ向ける。ついでに足蹴にしたいが、足枷で上手く動けないので空振りだ。

 

「オレのザーメン頬ばって睨むフィルたんカワユイよハァハァ」

 

「久々に見るなオーバシのキモオタ風」

 

ふぃふもああなんでふか(いつもああなんですか)?」

 

「おおう咥えながら喋るな阿呆キモチイイぞコンニャロ。オーバシはオタクなんだよ」

 

 昨日の輪姦と本日3人目のフェラで慣れてしまったのか、シュレイはチンポを咥えながら話しかける。お隣でハァハァ言ってるオークがキモいと思った故に。

 因みに腰を大きくグラインドさせると、シュレイは気持ちよさそうに身を揺らしながらフェラを再開、目の前のオークのフェラ講座を受けながら舌で絡めるのだった。

 

 

―――

 

 総勢18名、それぞれ9名のオークの性処理を終えた後の2人はシャワーを浴びて膣内の精液を洗い流した後、専用奴隷の牢屋へと放り込まれる。見張りは留守番組のオーク2名。

 

「く……時代遅れのポンコツの癖に……」

 

「意外とハマるねぇ……!」

 

 牢屋にはスプリング付きのベッド2つに格子窓1つ、ベッドを分かつ遮光カーテンに壁に設置した棚2つ、替えのシャツとスパッツが入った籠など色々ある。

 そして2人が夢中になってやっているのは……中古テレビに繋がれているスーファ●の某赤い配管工カートであった。檻越しにオーク2名も観戦して楽しんでいた。

 

『この後お2人には魔族の種類や東京キングダムにおける勢力図を勉強してもらいますからね。お偉いさんに粗相の無いよう教育します』

 

 天井から伸びるオスカーの触手が声をかけるが、ゲームに夢中になっている2人には聞こえていないようだった。代わりに見張りオークが後で伝えるとの事なので、そのまま目玉触手もゲーム画面を鑑賞し出した。

 

(フィル……あたい、凌辱を除けばココでの暮らし悪くないかなって)

 

(ダメだシュレイ考えたら! 米連の誇りとか女の威厳とかを思い出すより先に、ココでの居心地の良さを考えるとか捕まった身としてどうなの!? しかもまだ半日しか経ってないし!)

 

 ボソボソと互いの心境を明かすフィルとシュレイ。そんな2人の内緒話を耳にしたオーク2名は勝ち誇ったかのようにニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

 

イ・グー(ここ)での暮らしは快適だろう……と。

 

 

―――

 

 うーむ、やはりと言いますか簡単には堕ちてくれませんか。流石は米連の戦士といいますか、当たり前といいますか、一日凌辱された程度では簡単に堕落しませんよね。

 経費処理を終えた私ことオスカーは、触手越しに見える2人の牝奴隷を見て考えます。見張りも兼ねていますが、置いてあった●ーファミにハマってます。それでいいのか米連の特殊兵。

 とはいえ私が転生した世界は、私が前世で知っているエロゲーに限りなく近いとはいえ、やはりチョロくは無いようです。対魔忍も魔族も、雑魚を除けばチョロくはないんでしょう。

 

 まぁそれは置いておきましょう。これからの予定を練らなくては。

 

 私が今日やるべきは組織の収入を安定させること、そして依頼主と連絡を取り続ける事だ。

 前者に関してはドローンの残骸と一日凌辱した米連兵士を売り出しに出かけたオーク達に任せている。相手は信頼のおけるノマド業者なので心配はいらない(ちょっとケチですが)。

 問題は後者だ……倍出すとか言っておきながら未だに連絡が取れない。応答しないのではなく繋がらないのだ。ワザと出ていないのか、それとも途中で殺されたのか……そこんとこ解らない。

 前払いだけでも貰えただけラッキーと考えるべきか……そう考えて社長椅子に体重を預けると、机上の受話器が鳴った。内通用の電話だ。

 

「私です」

 

『オークボでやす。ボスに面会を求める客人が来てやす』

 

「こんな時間に珍しいですね……解りました、通してください。因みにどのような客人で?」

 

『そ、それがでやすね……』

 

 何やら歯切れの悪いオークボ。心なしかいつも以上に緊張しているような……それだけ強そうな客人なのだろうかか?ちょっと怖い。

 

『ノマド本社のイングリッドと名乗ってやした。ありゃ本物の、魔界騎士イングリッド様でやすぜ』

 

「Oh……」

 

 

 

 訂正。滅茶苦茶怖くなってきました。

 

 

 

―――

 

 少し狭い客室に配置されたオークボとオーハラの心は一致している……早くこの場から逃げたいと。

 

 2人の眼前にはソファに腰かけるオスカーの後姿。背筋をピンと伸ばしているが、首筋には冷や汗が浮かんでいる所を見ると緊張しているようだ。

 そのオスカーと机を挟んで対面しているのは、薄紅色の長髪に褐色肌の魔族……かの有名な「魔界騎士」にして「エドウィン=ブラックの右腕」ことイングリッド。今は客用のソファに悠々と腰かけ、此方の機会をうかがっている。

 

 東京キングダムで相当な知名度を誇る魔族・イングリッド。その忠誠はエドウィン=ブラックにのみ捧げられ、ノマドに敵対する数多を炎で屠ってきた魔界の剣士。

 そんなノマドの幹部が、このような小さな組織に居るのか。そして何故、自分達を威嚇するように見ているのか。

 オスカーもオーク2名も冷や汗が止まらない。できればこのまま事を終わらせたいが放っておけば何を言われるか解らない……そう思ったからか、イ・グーのトップとしてオスカーが口を開く。

 

「改めましてイングリッド様、我々のような小さな組織に、どのようなご用件で参られたのですか?」

 

 挨拶と自己紹介は既に済ましていたので、なるべく自然体を崩さないようオスカーは問いかける。

 するとイングリッドは眉を顰める。何かやったのかとオスカーはピクリと反応するが、彼女は面倒くさそうに小さな溜息を零し、言葉を紡ぐ。

 

「先日、米連の特殊部隊がノマドの傘下を襲い、貴様らが防衛の依頼を受けたと報告を受けた。これに相違は?」

 

「……ありません」

 

「では、傘下のトップが奪った米連の新兵器を貴様らに横取りされた、という報告に相違は?」

 

「……? それは違います。我々の到着時には依頼主は逃走中で、その時間稼ぎを依頼されました。我々が略奪した米連の武装や人材は我々の取り分である事も了承しました」

 

 イングリッドの凛とした佇まいと声色に惚れ惚れしつつも、オスカーはしっかりと彼女の問いに応える。

 元々イ・グーに依頼された内容は鹵獲であったが、到着した頃には米連の襲撃を受けていて、依頼主は逃走するから守れと言われたのだ。

 元よりイ・グーにとっての最大の目的は略奪。略奪の機会と品の権利さえ得られればそれだけで儲かり物なので、依頼内容の変更については問題なかった。

 

 しかしまさか上司に嘘の報告をするとは……そう思うとオスカーは、依頼主への怒りを腹の中で煮えたぎらせた。

 

「やはりか……安心しろ、奴は此方で始末した。余りにも粗雑な言い訳ばかり並べてきたのでな……」

 

 イングリッドは忌々し気に言葉と悪態を吐く。しかし当たり前のように始末とか言っちゃうとか、ノマド怖い。

 

「格下が起こした不始末とはいえ、正当な働きに応じた報酬を支払わないのはノマドとして恥だ。金は後日、口座に振り込んでおく」

 

「それはありがたい! 感謝いたします」

 

 思わず深々と頭を下げるオスカー。前払い金だけでは心もとなかったので嬉しかったのだ。だが顔を上げると、イングリッドは変な物を見るような目でオスカーを睨んでいる。

 

「……貴様は少し軽率すぎる。貴様も組織のボスなら軽々しく頭を下げるな」

 

「あ、はい……」

 

 完全な悪という訳でもないが、イングリッドは厳しい。騎士の称号を持つ魔族なら当然と言えば当然か。

 

「次の要件だが……件の新型兵器とやらを見せてもらおう」

 

「そうおっしゃると思い、用意させてきました」

 

 即座に微笑みと共に応じれば、客室のドアにノックが掛かる。入るよう促せば、米連の兵器「カラドボルグ」を持ったオークの姿が。イングリッドが客室に来ると聞いて事前に頼んだのだ。

 オークはテーブルにそっとカラドボルグを置き、その柄をイングリッドが持つ。流石は剣の使い手なだけあって、カラドボルグは軽々と持ちあがり、その刀身を眺める。

 

「……成程」

 

 何度かカラドボルグを傾け様々な角度から見た後、イングリッドは何事も無かったかのように再びテーブルの上に置いた。何が成程なのか、何故興味が薄いのかとオスカーは首を傾げる。

 

「オークを斬り殺しやすくなる程度の玩具も当然だな……あの者め、このような物の為にノマドから金を毟り取っていたのか」

 

 先ほどよりも忌々し気に眉を顰める。その表情からは怒気と殺気が入り混じっている為、オークどころかオスカーですらビビってしまったほどだ。流石イングリッドさんやで。

 するとイングリッドは胸ポケット(ぽよんと変形してオーク達の視線を集めてしまった)から何かを取り出し、それをテーブルに投げ出す。どうやら写真のようだ。

 

「話はこれで最後だが……ここ最近、東京キングダムを中心にノマド傘下の娼館や人身売買組織に襲撃……いや窃盗事件が相次いでいる」

 

 カラドボルグを寄越せと言われなかった事、怒りが此方へ向かわなかった事に安堵の溜息を洩らしつつ、オスカーはテーブルに広がった写真の内の一枚を手に持って見る。

 

「窃盗事件……噂の魔族怪盗ですか?」

 

 オスカーは写真に写っている人物……完全にカメラ目線でウィンクしている魔族の美女を眺めながら口を開く。

 

 魔族怪盗ロージィ・ザ・ファントム。人身売買組織を中心に、商品である美女を盗んでいく女怪盗。

 

 襲われた組織の人間は彼女の手によって幻や催淫に侵され、盗まれた美女達はより淫乱となって東京キングダムに放たれるという傍迷惑な怪盗だと、情報通であるベルベットから聞いていた。

 いずれの写真もカメラ写りが良く、まるでノマドを挑発しているかのようである。余裕綽々な表情から見ても、余程の自信家か無鉄砲な馬鹿としか思えない。

 

「そうだ。未だ捕らえていないとなればノマドとしての沽券にも関わる為、こうして情報を拡散させている」

 

 イングリッドとしてはライバルであるノマド幹部が1人・朧を出し抜く目的もあり、ノマドの被害を抑える為にも幅広く情報を集めているらしい。

 

「我々ノマドは貴様らの働きを多少だが評価している。今後も働きを期待している」

 

 「多少だが」の部分に力が入っているのは気のせいだろう。それよりもオスカー達は、ノマドの幹部に評価されている事に感激していた。

 そのままイングリッドは立ち上がり「では失礼する」と言って客間を後にした。その後ろ姿でさえ凛々しい何かを、オスカー達は感じ取っていた。

 

「すげぇですぜボス! ノマドの幹部に認められちまったぜ俺ら!」

 

「驚きですねぇ……」

 

 騒ぐオーク達に対し、オスカーの気持ちはホッコリしていた。小さな組織で細々と暮らしていたつもりが、いつのまにか東京キングダムの支配者に少しながら認められていたとは。

 ふとオスカーは手に持っていたロージィ・ザ・ファントムの写真を見る。

 

「……魔族怪盗、ねぇ」

 

 魔族は欲望に忠実とはいえ、人身売買組織から人を攫う……いや盗むとは変な魔族だ、とか思っちゃったり。

 いずれにしても、あのイングリッドに評価され、女怪盗の存在を知った以上、頑張って運営していかなければと改めて気を引き締めるオスカーであった。




●本日の成果
・依頼料の後払い分
・ノマドの評価
・魔族怪盗ロージィ・ザ・ファントムの出没情報

因みに本日の夕飯は具沢山シチュー(お代わり自由)にバケット、デザートにプリン。

フィル「エロい芸を仕込まれて傷ついた心に沁みるよ……美味しいよ……」
シュレイ「あたいはお尻の穴がヒリヒリするよ……」

イ・グーはボスの意向により健康的な生活を心がけています。変な組織ですね。

フラグになるかどうかは別として、ロージィえろかわ。

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