※この作品はR-18です。

十二連合国   作:氷野心雫

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 若干、読み辛い部分があるかと思いますが、頑張って書きます!


プロローグ

 夕暮れ時、深い山奥で赤ん坊の泣き声が木霊していた。おびただしい血を流す一人の傭兵。その傭兵に赤ん坊は抱き抱えられている。すでに大量の血が流れたのか、傭兵の足取りは重く、息も絶え絶えであった。遠くから、獣が遠吠えしているのが、傭兵の耳にも届く。逃げようと足を動かすが、その体力はなく、とうとうその場に崩れ落ちた。衝撃でさらに泣き出す赤ん坊。

「グルルル……」

 声の方へ視線を向ければ、すでに無数の獣に囲まれ、行き場をなくす。傭兵は残り僅かな体力を振り絞り、立ち上がる。剣をしっかりと握り、赤ん坊をゆっくりとその場に下ろした。

「この方は何としても護る」

 そう言って、攻撃体制をとった。じわじわと詰め寄る獣たち。傭兵の視界がボヤけた。その隙を逃さない獣たち。一斉に傭兵に襲い掛かった。

(……もう、ダメか)

 死を覚悟した傭兵だったが、なんの衝撃もない。恐る恐る目を開ける。すると、そこには、一人の旅人が傭兵の前で、獣たちを蹴散らしていた。手には細身の短剣。

「大丈夫ですか?」

 旅人は肩越しに視線を向け、傭兵に言った。無言で頷く傭兵。相変わらず、赤ん坊は泣いている。獣たちは、相手が強いと感じ取ったようだ。情けない声を出し、その場を逃げ去った。

「ふぅ、行ったか」

 溜め息をつきながら、短剣を鞘に戻す旅人。旅人は傭兵の傍らに座る。その身体には、明らかに先程の獣たちが付けたものではない傷があった。それは、人に切り付けられた傷。そして、その傷口からおびただしい血が流れ続け、その傭兵の命はもう長くない事を示している。

「……お…お願い…です」

 傭兵が旅人のマントを弱々しく握る。

「この方…を護っ……て下さい」

 そう言って、側で泣き疲れて寝ている赤ん坊を差し出す。旅人は赤ん坊を受け取った。

「この子は?」

「……そのお…方は…、アフ……ィユー…カス国の……」

 そのまま口を閉ざし、事切れた。旅人は傭兵の亡骸を見つめ、赤ん坊を抱き締めた。赤ん坊の首に、ある国の紋章が刻まれたペンダントが掛かっている。

「これも何かの縁か」

 そう言って、傭兵の亡骸をそのままにし、その場を後にした。旅人が去った森に、静けさが戻る。そこには、ただ冷たく凍えそうな風だけが吹いていた。

 

 

 

 

 この星には、大小様々な国が十三あった。十三の国々は、互いを尊重し、有益な関係を築き、繁栄していた。しかし、その繁栄はある国の異変によって崩れ落ちた。互いを尊重していた国々は、小競り合いが頻発し、互いの領土を広げようと画策する国すらあった。だが、ある国が立ち上がる。その国を中心とした連合国が誕生。その連合は大きくなり、十二の国々がその連合国になった。たった一つを除いては。




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