話し声と騒がしさでガディアは目を覚ます。視線を会話のする方へ向ける。そこには、シーファーと精霊達が楽しく談笑していた。シーファー達が、視線を向けるガディアに気付く。
「あっ、起きたわ。もう、大丈夫?」
言いながら近付くシーファー。ガディアはゆっくりと身体を起こし、怪訝な表情でグロムとウィケッドを見た。
「何であいつらがいるんだ?」
「グロムとウィケッドの事?もしかして、ガディア覚えていないの?」
首を傾げシーファーが言う。ガディアは何の事を言っているのか分からない。頭を少し横に振り、シーファーに話を促す。シーファーは、ガディアに今に至るまでの経緯を話した。
「そんな事があったのか」
シーファーから話を聞いて、ガディアの表情が曇り、しばらく沈黙。シーファーはガディアをただ黙って見つめた。
「俺の中に、ウー・ニウェルスムがいるって事か」
言って、自分の腕を見つめるガディア。シーファーはガディアの手を取り、横に座る。側には精霊達が同じ様に膝をつき、ガディアを見つめていた。
「……それで?お前達は、シーファーを護れと言われたんだな?」
『ああ』
ガディアの問いに、グロムが言う。ウィケッドも同じ様に頷く。他の精霊達も同様だった。ガディアはシーファーを見る。
「ウー・ニウェルスムが言うラディウスというのは?」
『それは……、ウィケッド。お前が話すべきじゃないのか?』
ウェントゥスが視線をウィケッドに向ける。ウィケッドは小さく溜め息をつく。
『俺の双子の弟だ。アイツは、俺と違ってなかなか表に出て来ないからな』
『ウー・ニウェルスムも微かに感じたって』
ウィケッドとヴァッサーが口々に言い合う。ガディアは頭を掻く。
「……ウェントゥスが風で。アルバは土。カエルムが空。イグニスが火だろ。ヴァッサーが水。ウィケッド、お前が闇で。グロムが雷。ラディウスは何だ?双子だから……」
『光だ。アイツは光、生命を司る精霊。俺は闇だからな。死を司る精霊なんだ。属性が正反対の精霊なんだよ。俺達は』
そう言って、少し笑うウィケッド。ガディアの表情がようやく和らいだ。シーファーがガディアにもたれ掛かる。
「ちょっと待てよ?シーファーからラディウスの気配を感じたって事は」
「……まだ、分からないけど、近い内に赤ちゃん出来るのかもね」
シーファーが微笑む。ガディアの表情が一瞬固まった。
『遅かれ早かれ、次のアフィユーカスの国王が誕生するのは確定だな。心配するな主よ。シーファー様は我々が必ずお護りする』
淡々とカエルムが言う。
「……カエルム、お前。俺の時より嬉しそうなんだが」
『……そ、そんな事は、ないぞ』
『今、一瞬間があったな』
カエルムの言葉に、すかさずウェントゥスが突っ込む。ガディアは呆れた表情でカエルムを見る。
『カエルムは、美人に弱いからな。ガディア、気を付けとけよ』
「言われなくても分かってるよ。」
ガディアがシーファーの手を握り、立ち上がる。精霊達も同じ様に立ち上がり、レオ国城に向かった。
一方、ダウは。
アフィユーカス城内の自室で右往左往するダウ。表情は曇り焦っている。そこに、リースとジュギが訪問してきた。
「どうした。落ち着け」
「これが落ち着けるか。グロムとウィケッド。戻って来ないのだぞ」
グロムとウィケッドが出て行ってから、すでに数時間経過していた。苛立つダウを怯えた表情でジュギが見つめる。
「すぐに帰って来るだろ」
リースの言葉と同時に、扉をノックする音が聞こえ、兵士が一人部屋の中に入って、ダウにそっと耳打ちしてきた。その言葉を聞いてダウの表情が一変する。怒りのオーラが全身を包んだ。
「裏切りやがった!」
物凄い勢いで剣を振り上げるダウ。怒りで我を忘れている。部屋の中の物を壊し、リースとジュギに襲い掛かる。リースはさっと避けた。しかし、ジュギは反応に遅れ、頭から切り付けられる。大量の出血でジュギが悲鳴を上げた。リースが止めを刺す。ようやく怒りが落ち着いたダウが、床に転がるジュギの死体を見下ろした。
「……悪かったな。お前の」
「いや、良いんだ。元々、いらない奴だったからな」
自分の血を分けた息子に、リースの冷たい言葉。ダウは満足そうだった。互いに剣をおさめ、椅子に座る。
「今後の計画はどうする?」
「そうだな、一先ず。ダリオの小倅に挨拶しないとなぁ」
二人はほくそ笑み、グラスに赤い酒を注ぐ。乾いた音が部屋の中に響くと、一気に飲み干した。
レオ国城内
ガディアとシーファーは、城内の寝室にいた。ガディアがシーファーの寝室で寝泊まりしている事は、城内の使用人、兵士達も把握している。それと言うのも、フォル王の一言で、みな納得したからだ。
「ガディアをシーファーの婚約者と認める」
十二連合の会議で話した内容だ。最初は、不信感の視線が多く、ガディアは居心地が悪かった。しかし、精霊達がガディアを護り、付き従う姿を度々見てから、ガディアに対する視線は、憧れと羨望の視線に変わる。
「違った意味で困るんだがな」
当のガディアは困り顔でシーファーにそう溢した。今、二人は裸のまま、シーツの中に潜り込んでいる。アツい視線を絡めては、唇を重ね合う。
「……グロムとウィケッドが戻らない事を知って、ダウは今頃、苛立ちと焦りで大変だろうな」
「……ん…ガディア、あまり自分を過信しちゃ……ダメ…よ」
「分かってる」
シーファーの乳房を揉み、首筋に舌を這わせながらガディアが言う。
「……や…最近…ガディア……あん…んふ……エッチし過ぎ」
ガディアのペースは今のところ、ほぼ毎日。その事にシーファー自身に不満はない。むしろ、求められている事に喜びを感じてはいるが。ウー・ニウェルスムの言葉が気になっていた。『もしかして、妊娠しているのかも知れない』という思いである。それなら、エッチの回数を減らせば良いのだろうが、ガディアの愛撫はその思考を鈍らせ、シーファーは感じてしまうのだ。
「シーファーが可愛いのがいけないんだ」
「……あぁ…ガディア………んん」
ガディアの舌が乳房を舐め、指先が秘所に向かった。イヤらしい音が奏でられ、シーファーの中を、ガディアの長い指が掻き回す。グチュグチュと愛液が滴り落ちる。ガディアは性急にシーファーの足を広げると、そそり立つ分身を宛がい、一気にシーファーの中を貫いた。ガディアの腰が動く度に、シーファーの口から甘い声が上がり、ガディアは一晩中シーファーを抱き続けたのだった。
次回、いよいよダウと対決です。