どうもみなさん、おはこんばんにちは
作者のセインツです
今回、『Fate/Apocrypha』と『Fate/Grand Order』に登場するアタランテがバイオハザードの世界に召喚されたら?と考えて書きました
誹謗中傷のコメントは控えてほしいです、あと何かアドバイスがありましたら遠慮なくコメントお願いします!!
それでは長らくお待たせしました、本編どうぞ!!
自然豊かな山々や山林に囲まれた都市、ラクーンシティ
ひと昔まではただの田舎町だったが、『アンブレラ社』の工場が郊外に建設されたことで急激に発展した都市である
そんな都市がーー今は『地獄』と化していた
「はぁ・・・はぁ・・・!!シッ!!」
スパン!!という音と共に、目の前の死人の頭に風穴が空く
貫通して壁に突き刺さった矢を回収しながら、少年ーー武部 一(たけべ はじめ)は『地獄』の中を駆け抜ける
道行く道は死人達に埋め尽くされており、死人達が生きている人を貪り食べていた
「シッ!!ーーちくしょう!!誰か、生きている奴はいないのか!?」
一は目の前に現れた新たな死人を倒しながら、生存者を探していた
だが辺りを見渡す限り死人ばかりで、1人も生きている人に出会っていない
このままでは埒があかない、そう考えた一は一先ず休める場所へと急いだ
一が何故こんなことに巻き込まれたかというと、元々は自然豊かな風景を一眼レフカメラに収めるために訪れたのがきっかけだった
通っている高校は夏休み真っ只中、弓道部に所属していた一は次の世代に弓道部を任せて引退した
夏休み中もあってか、暇になった一はテレビで報道されていたラクーンシティに目が付いた
親に土下座でお金を頼みこんで仕事に着いた際に少しずつでも構わないから返済するという条件のもと、アメリカ合衆国へと旅立った
滞在期間は10日間、英語は普通に喋れたため難なくラクーンシティへと辿り着いた
今のご時世、自然豊かな風景はあまり目につかなかった一にとってはラクーンシティはまさに天国だった
思い思いのまま風景を一眼レフカメラに収め、一の心はまさに絶頂に達していた
一応自衛のために幼い頃から手にしている弓矢を持ってきたが、何事もなく平和な日々を過ごしていた
だが状況は一変した
滞在8日目、一は何気なく夜の街をぶらついた
首に一眼レフカメラをぶら下げて肩に袋包みの弓矢を担ぎ、一は夜の街へと足を踏み入れた
最初に感じたのは違和感だった
これまで過ごしたラクーンシティの夜は騒がしく、人々が常に賑わっていた
しかし今日に限ってそれがない、これはおかしいと感じた一は弓矢を袋包みから出す
いつでも射抜けるように警戒しながら探索していると、男の悲痛の悲鳴が響いた
その場所へ駆けつけると・・・人が、人を貪り食べていた
思わず顔を青褪め、震えるように弓を構えた
一は直感したーーアレは、もう人ではない・・・と
キリキリと弓を引く音が静かに響き渡る
貪り食べていた人が一に顔を向けると・・・白目を剥いており、口にはべっとりと血が付いていた
ソレはゆっくりと立ち上がり、おぼつかない足取りで一に近付きながら『アアア』とまともな言葉を発せない雄叫びを上げる
このままでは食べられる!!
一は覚悟を決め、ソレの頭に向けて矢を放った
矢はソレの頭を貫通し、脳漿を後ろに飛び散らせながら壁へと突き刺さった
ソレはゆっくりと膝をつき、そのまま前のめりに倒れた
一は次の矢を放てるように構えながら、ソレに近付く
足で反応がないかを確かめ、ソレの死を確認した
安堵した瞬間、思いっきり胃の中の食べ物を地面にぶちまける
暫く吐き続け、落ち着いたところでソレを調べる
ソレの首には食い千切られた跡があり、運転免許証から名前と住所が判明した
他にも情報がないか確認しているとーーソレがついさっきまで貪り食べていた人が、ソレと同じように起き上がってきた
一は驚きのあまり尻餅をつき、ソレから離れようとする
ふと手に何かが触れ、見ると拳銃だった
一は拳銃を構え、起き上がってきたソレに1発お見舞いする
凄まじい音と共にソレの頭は吹き飛び、衝撃で体が後ろへと吹き飛んだ
程よい衝撃を感じながら、一は呆然としていた
そして改めて拳銃を見る
弾は残り7発、大事に使わなければと思い懐へと収納する
地面に置いていた弓と壁に突き刺さった矢を回収し、生存者を探しに走り始める
そして冒頭へと戻る
一はクタクタになりながらも、とある一室に転がり込む
鍵を厳重に閉め、窓から外の様子を伺う
以前も死者達が餌を求めて歩いており、一には気付いていない様子
安堵の息を吐き、窓から目を離す
部屋の中を探索していると、血だらけの床に何か紋章みたいなモノが描かれているのを見つける
近くには死体があり、拳銃で頭は撃ち抜かれていた
おそらく自殺したのだろう
開いていた目を閉じ、その人の冥福を祈る
紋章の上に途中で拾った大きな布を広げ、その上に寝っ転がる
そして・・・静かに泣き始める
先日までは平和で豊かな街並みだった
街にいた人達もいい人ばかりで、常に笑顔があふれていた
だが一晩で変わってしまった・・・『地獄』へと
一が射抜いた死人の中に顔見知りの人物も数多くいた
泣きそうな自分を押し殺しながら、死して尚彷徨い続ける人達を解放した
悲しかった、辛かった
だからこそ、あの人達の笑顔を心に刻みつけた
それと同時に一は誓った
この事件を起こした犯人を突き止めーー必ず仇を取る、と
一はそのまま眠りについた
微かに床に描かれていた紋章が輝いていたのを知らずにーー
「む・・・」
とある神聖の場
そこは『座』と呼ばれており、とある女性が何かに反応していた
「どうした?」
「いや・・・微かにだが、誰かが吾々を呼んだ気がしてな・・・」
女性の言葉に、向かい側にいた男は首を傾げる
「俺は何も聞こえないが・・・気のせいじゃないか?」
「・・・そうだろうか」
男の言葉に女性は首を傾げながらも納得する
男は苦笑いしながら言う
「気にし過ぎだ、実際何も聞こえなーー」
男の言葉に割り込むように・・・声がはっきりと2人に聞こえる
ちくしょう・・・ちくしょう・・・
「「!!」」
今度こそはっきりと声が聞こえた2人は、聞き逃さないように耳を澄ます
あの人達の笑顔を奪った・・・この街を『地獄』に変えた犯人を・・・見つけたい・・・!!
「・・・聞こえたか?」
「・・・ああ、俺も聞こえた」
「『地獄』に変えた犯人・・・一体、人界で何が起こっている?」
「ふむ・・・嫌な予感がする。だが、この声も放っておけないな」
「吾も同意見だ、しかも・・・この声の主はまだ幼い」
「ああ、確かに。おそらく成人する前ぐらいの人間だろう・・・どうする?」
男の問いかけに、女性は力強く頷いた
「結論は決まっている、吾が行く」
「だろうと思った、君はそういう人だ」
男は苦笑いしながら、女性を抱きしめる
「気を付けてなーーアタランテ」
「汝もなーーヒッポメネス」
女性ーーアタランテは淡い光に包まれ、その場から姿を消した
男ーーヒッポメネスは妻の無事を祈りながら、妻の帰還を待った
薄暗い部屋に光が突然差し、アタランテが舞い降りた
「む・・・なんだ、この濃厚な『死』の匂いは・・・」
彼女は顔を顰めながら、紋章ーー魔術陣の上に寝ている一を見遣る
彼からパスが通じているのを確認し、一がマスターであることを確信する
それと同時に、目を見開く・・・一の服が血だらけだったことに
すぐさま駆け寄り、息があるのを確認する
どうやら普通に眠っているようだ
安堵の息を吐き、次に近くにある死体へ目をやる
どうやら何かで頭を射抜かれてようだ、近くにそれらしき凶器が転がっているのを見る
それから・・・彼女が先ほど言った『濃厚な『死』の匂い』がする扉へ目を向ける
すぐさま弓を展開し、警戒しながら扉を開ける
何もいない部屋を歩き、窓に近付く
そこで彼女が見たものは・・・まさに、この世の『地獄』だった
「なんて・・・ことだ・・・」
窓を開け、ベランダへと足を踏み入れて絶句する
所々から悲鳴が聞こえ、銃声が横行する
建物から火が吹き出し、全てを焼き尽くそうとしている風景
下へと目を向け・・・彼女の怒りが頂点に達する
彼女の目に映ったのは・・・複数の人間が1人の子供に群がり、体を貪り食べていた光景だった
彼女は自身の経験から、子供にはかなり弱い
だからこそ、彼女にとっては耐え難き光景だった
弓を握る手に力が入り、噛み締めている唇から一筋の血が流れる
食われている子供は意識を朦朧させながらも、彼女に手を伸ばす
ただ一言・・・『たすけて』、とーー
ブチン・・・と、何かがキレる音が彼女から聞こえた
彼女は弓を天に向け、矢を最大限引き絞る
「・・・手加減はせん、その身をもって思い知るがいい・・・我が弓と矢を以って太陽神(アポロン)と月女神(アルテミス)の加護を願い奉る。この災厄を捧がんーー『訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)』!!!!!」
一筋の光が天に放たれーー数千の矢が『地獄』へと降り注がれた
死者のみを貫き、爆風で火を消しーー辺りは静寂に包まれた
彼女は引き返し、一のいる部屋へと戻った
一の隣に腰を下ろし、可愛らしく寝ている彼の顔を見ながら頭を撫でる
彼女の表情は先ほどの憤怒の表情ではなく、優しさに満ち溢れた表情だった
「・・・あの声は、汝のモノだったんだな・・・よく頑張った、今はゆっくり休め・・・汝に敵対する者は、吾が屠ろう」
彼女は改めて誓い、一が目覚めるのを待った
ここから彼と彼女の物語は始まる
彼等を待ち受けているのは果たして『絶望』か、それともーー微かなる『希望』の一筋か・・・
次回予告
疲れ果てて寝ていた一は、初めてアタランテと対面する
「・・・あの、どなたですか?」
「吾はアタランテ、汝の召喚に応じて参上した。よろしく頼む、マスター」
突然のことに驚きながらも、一はアタランテに事情を説明する
この街で起こった『地獄』を解き明かすために協力してくれ、と頭を下げる
アタランテは戸惑っていたが、快く了承する
一の提案で、警察署へと向かう彼等
そこで一組の男女と出会う
「初めまして、俺はレオン・S・ケネディ。今日着任することになった警官だ」
「私はクレア・レッドフィールド、兄さんを探しにこの街に来たわ」
新たな仲間を加え、『地獄』の中を奔走する一達
そしてーー『真実』へのキップを掴み取る
「これは・・・」
「そんな・・・」
「・・・許せん」
「・・・くそったれが」
彼等が見たモノとは?
そこで知る『裏の事情』
果たして、彼等はこの『地獄』から脱出できるのか?
次回、第2話「新たな仲間、そして掴む『真実』」