※この作品はR-18です。

逆転無双   作:((::X::))

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美醜逆転はネタの幅が狭く、華琳・蓮華・思春の三人は、コメディにあまり向いていない。
だからこの続きだけは書かないだろう。

そんな風に考えていた時期が私にもありました。






その後の話

酷い目に合った。

盗んでもいない馬が爆走し、それを追いかけたのはいいが、なかなか捕まらず。

遂には山の中にまで馬はその健脚で駆け抜け、足を滑らせた俺がプチ遭難したりと、とにかく災難に見舞われた一日であった。

それでも苦労して馬の再捕縛に成功し、俺ら四人が近くの村にたどり着いた頃には、すでに夜が更けていた。

本日はここで一泊する事となり、どうにか宿を手配したが、そこは酒場。

酒に酔った客が寝泊りするだけの簡単な就寝所であり、まともな食事にはありつけそうもない。

なので食事は外の屋台で済ませようと、馬を預けてラーメン屋のカウンターで四人。並んで座ってみたものの、不幸の出がらしがまだ余っていた。

出されたラーメンが、ぐちゃぐちゃでとにかく汚い。

 

「これはどうなんだ?」

 

「……商売を舐めているのかしら?」

 

地雷店に当たっちまったぜ。

と、俺と華琳が不満をこぼせば、困った顔をした店主がペコペコと謝ってきた。

 

「すいやせんね。四人分なんて、あんまり作った事がありやせんでして」

 

悲しいな。

店主のおっちゃんは時代劇をするなら、配役で柳生十兵衛くらいやれそうなナイスミドルなのに、仕事っぷりはうっかり八兵衛らしい。

てか、四人分でアップアップなら、この店のピークはどうなるんだよ。

常にプーピー閑古鳥が、ラッパを鳴らしているのではなかろか。

 

「まぁまぁ、冷めちゃうと美味しくなくなるし、早く食べてしまいましょう」

 

そう言って俺らをなだめる蓮華は、あろう事かハシとレンゲでさらにラーメンをかき混ぜ、ぐしゃぐしゃにする。

 

「これくらいはせめて、見た目に気を使ってもらいたかったのだけれどね」

 

「どれくらいだよ」

 

もっと混沌としたじゃないか。

何だろう。某山盛りラーメンで有名な店に初チャレンジしたけど、結局ギブアップしてハシを置いた、食べ残しのごとく有様である。

 

「余計に食欲が失せそうだわ。その醜いの、どうにかしなさいよ」

 

それとは対照的に、ハシで一本一本。ラーメンの具材を摘まみ、せっせと見た目を整える華琳が蓮華に文句をつけるが、どうにも世界基準でおかしいのは俺らだったみたいだ。

 

「華琳の方が変よ。子供のように具材を積み上げて、はしたないわよ」

 

すでに真名の交換をしていた蓮華が、華琳の名を呼びながら美醜逆転ならではのルールを口にした。

 

「麺と具が合わさっているのが美しいんじゃない」

 

それにこうすれば、一緒に食べられるしね。

と、ちゅるんっと麺をすすった。

美醜ならではの、あるあるなのだろうか。

浅いのやら、深いのやら。

どうでもいいけど、この麺。かてぇえ。

 

「固いよ、おっちゃん」

 

大事なので心と言葉で二回。

俺がこのラーメンのダメさを訴えると、やっぱり店主はペコペコと謝った。

 

「すいやせんね。四人分なんて、あんまり作った事がありやせんでして」

 

コピペか。そうじゃなければ雑なロボットか。

寸分たがわぬ台詞を投げかけられて、温厚な俺でもイラッとしそうだ。

疲れているから怒らないけど。

 

「はにー、私のと交換する?」

 

「……や、いい」

 

華琳から勧められたトレードであるが、売り物レベルに作り直されたパーフェクトジオングなラーメンと、足どころか手や頭が飛び散った俺のジオングなラーメンは、どう贔屓目に見ても成立しそうにない。

ましてや蓮華の褐色な悪魔に全壊させられた、ジオングラーメンなど論外であった。

 

「そ、それなら御遣い様は私のと――」

 

「それはもっといい」

 

偉い人にはそれがわからんのです。

 

「そ、そう……そうよね」

 

「気持ちは嬉しいんだけどな。ありがとう」

 

「う、うんっ!」

 

でも、ショボーンとした蓮華にフォローはしておく。

まだ出会って一日だけであるが、蓮華はどうにも感情の浮き沈みが激しい所があるからだ。

それでいて、イケメン認定な俺と仲良くなりたいのか。ちょくちょくこうしては気を回し、空振りをしては気を落とす。

俺からすると気を揉まされる困ったちゃんだ。

たぶん人付き合いの経験があまりないのだと思う。あるいは自分で醜女とか言っていたし、意図的に避けていたかだ。

もっともただのコミュ下手なぞ、淫乱・駄犬・幼児・趙雲の四暗刻に比べれば、まだ可愛い者。

これから先の、裏ドラ次第ではあるが、まだ慌てるような時間ではない。

 

「店主、替え玉をくれ」

 

そして何をテンパっているのやら今一つ不明な思春は、会話にも参加せず、黙々とラーメンを食しおかわりを追加する。

 

「はいよ」

 

次なる麺を器に入れた思春であるが、それをハシで掴むと、一玉まるまると持ち上がった。

 

「……麺が切れてないぞ」

 

「すいやせんね。四人分なんて、あんまり作った事がありやせんでして」

 

「もう四人分とか関係ないだろ」

 

仕込みの段階でミスってんじゃねえか。

 

「いい加減、キレるぞ」

 

「お代は勉強させて頂きやす」

 

「なら許す」

 

そんなつもりはなかったけれど、それくらいはしてもらわないと割に合わない。

こうして不幸のラーメンを完食した俺達は、きっと相場よりも安いであろう勘定を支払い、宿屋に戻るのであった。

そんな今晩の就寝所は、一言でいうなら狭い。

せいぜい二人で寝泊りする室内に、四人がいるのでそれも当然であるのだが。

 

「や、何で二人部屋を一室しか取ってないんだよ。三つ部屋をとればよかったのに」

 

「それで貴様を一人にするのか、無理な相談だな。二人部屋を二つにすると、今度は貴様と誰を泊めるかで問題がある。ならばこれが妥当だ」

 

一緒にお馬さんを追いかけた仲なのに、まだ信用されてないのか。

まぁ、俺は足を滑らせて迷惑をかけた記憶しかないけどさ。

 

「でもこれはしんどいだろう。あの布団、どう見ても一人用の奴だぞ」

 

二人で入ったら、寝返りも打てなさそう。

少しくらい体がはみ出しても、この時期に風邪はひかないであろうが、快適さからは程遠い。

 

「しかもどっちにせよ、男女混合になるし。俺、床で寝ないといけないのか?」

 

手厚く保護されていた御遣いだから、こうした捕虜扱いにはまるで慣れてないんだけど。

こんな板の下で横になると、俺の貧弱なボディが悲鳴を上げちゃう。

嫌だわぁ。

などと内心でオネエっぽく愚痴っていると、先に布団へ潜り込んだ華琳が、下心を秘めた間男のごとく満面な笑みで俺を招いた。

 

「私は一緒でも抵抗はないわよ。さ、はにー。」

 

「華琳……」

 

ポンポンと布団を広げて叩く華琳に、胸ギュッンする俺。

ここで甘えたら最後、俺の貞操が危ないと本能が告げている。

 

「じゃあ、遠慮なく」

 

それでも突っ込んだのは、床に寝るのが嫌だったに他ならない。

そもそも蓮華と思春の監視をかいくぐり、華琳も馬鹿な真似はしてこないだろう。と、高を括っていたのもある。

しかし相手の欲望が上回っていた。

俺に布団をかぶせると、華琳は二人から見えないのをいい事に、すかさず下半身をまさぐる。

 

「ふっふっふ、旦那さん。いいあそこしているじゃない」

 

だ、ダメ。俺には妻と子供が。

とか、ふざけていられるほどの余裕はない。

この女郎、躊躇いもなくズボンに手を侵入させ、直に俺のチンコを触ってきやがった。

ラーメンを喰って、ベルトを緩めたのがここで仇となるとは。

 

「……貴様ら、何をしている」

 

遊んでいると勘違いした思春にため息をつかれるが、俺は何もやっていない。

むしろナニかされているのだ。

つねってもどかそうとしても、華琳の手は離れない。

この処女痴漢、俺が出会った中で一番強い。

 

「無駄な抵抗はしないの。大人しくしていたら、極楽へ導いてあげるわよ」

 

「その自信はどこから溢れているんだよ」

 

お前、未経験だよな。

 

「いいな、楽しそう」

 

「……そう見えるか?」

 

まさに満員布団添い寝で、違法なタッチをされているというのに、呑気な感想だ。

蓮華の目は腐っているのではなかろうか?

 

「蓮華もする?」

 

「いいの?」

 

「ええ、構わないわよ」

 

「やった!」

 

腐ってすでに節穴だったよ、ちくしょうが。

もう一名様、ご案内でーす。

痴漢の提案に犯罪の片棒を担ぐとも知らぬ無垢な痴女が、おずおずと仲間入りを果たした。

 

「……はぁ。私は先に休ませてもらうぞ」

 

テンションの低い思春だけは俺らに無関心を決め、一人用の布団を独り占めにする。

いいな、あっちは。自由そうで。

こちとら質量的にもパンパンだけど、蓮華のパッツンパッツンな胸やら太ももやらを押しつけられて、窮屈でしかない。

 

「え、えへへへへへへ。お、奥さん。いい体しているじゃない」

 

奥さんちゃうわ。

 

「誰が奥さんだ」

 

「そうよ。こんな立派なのがあるのに、女性あつかいは失礼でしょ」

 

そういうや否や、華琳は蓮華の腕を俺の股間へと導いた。

おいおいおいおい、それはシャレにならんぞ。

 

「えっ、あ……こ、これって……」

 

華琳に悪戯され、カッチンコッチンになった俺のチンコを前に、蓮華が戸惑った声を上げる。

純粋に培養された処女らしい反応である。卑猥に加工された処女とはウブ度が違いますよ。

手コキ一つにも躊躇いがにじみ出て、ツンツンと突っついていた指先がスッと型を取るように下へ滑り、優しく根元を掴んだ。

って、いつまでしているんだよ。

 

「ねえ、御遣い様。ここ、どうしたの。私に教えてもらえる?」

 

何か変なスイッチが入っちゃったよ。

 

「思春」

 

いきなりエッチなお姉さんに変貌する蓮華に、悪い意味で心臓がバクバクしてきた俺は、思春バリアーを発動した。

あいつならこの淫気を吹き飛ばしてくれる。

しかし呼んでも、思春からのインターセプトはなかった。

 

「…………」

 

「お、おい。思春。思春さん?」

 

「すやぁ」

 

「寝るな!」

 

「はっ!」

 

目を覚ませ、寝たら俺の貞操が死ぬぞ。

俺の魂の叫びで覚醒した思春は、嫌そうに表情をしかめてから、ごろんと反対側に寝転ぶ。

 

「……明日も早いんだ。静かにしろ」

 

そんな仕事に疲れた親みたいに、塩対応をしないでくれ。

この二人、とんだエロガキなんだよ。

思春が起きた瞬間に、華琳はビシッと不自然なまでに背筋を伸ばして後ろ手を組んでいるし、蓮華は下手くそな狸寝入りをするし、やはり思春ガードは必要だ。

 

「急に体をほぐしたくなったわね」

 

「う、う~ん。むにゃむにゃ」

 

「……華琳と蓮華が怖いから、そっちに行ってもいいか?」

 

「お化けにおびえる、童か貴様は……仕方がない、好きにしろ」

 

「わーい」

 

やったぜ。

お許しの出た俺は、すぐさま思春のいる布団へと移った。

 

「お邪魔するわよ」

 

そうして横になろうとして、背後から華琳の声がしてギョッとする。

 

「何でお前までこっちに来ているんだよ」

 

「何事も共用するのが夫婦でなくて?」

 

病める時も健やかな時も、誓い合った仲ならな。

でも俺ら仮面で、マジもんの夫婦とはほど遠いだろう。

だから俺は適当に華琳を追い払った。

 

「悪いな華琳、この布団は二人用なんだ」

 

「それなら戻る。あっちの布団は三人用よ?」

 

ジャイアンとスネ夫がいるじゃん。

こんなに心が躍らない誘いも珍しい。

 

「すやぁ」

 

のび太もいたから、満員だな。てか蓮華、寝るのはやっ。

思春といい、似たもの主従か。

とにかく君らは、劇場版仕様になって出直してくれ。

 

「ね、はにー?」

 

「もうしょうがないな、華琳君は」

 

しなだれる華琳に、例のSEを口ずさみ服を脱いだ俺は、優しく肩に羽織らせてやる。

 

「てってけてってって~僕の上着~」

 

「これは?」

 

「今日一日。俺の汗と匂いが凝縮された一品だ。こいつを貸してやるから、思うがままに楽しみなさい」

 

「少し畑に水を撒いて来るわ」

 

そう言って俺の上着をなびかせて華琳は退室し、思春がポツリと呟く。

 

「貴様ら。天から来たばかりなのに、耕す畑などあるのか?」

 

「あれは便所に行く時の方便だ」

 

日本で例えるなら、花を摘まみに行くと同等の言葉である。

貞操逆転の世界は女ばかりで、盛んな農業も女の仕事であるから、こんな言い回しが生まれたそうだ。

まぁ華琳は、十中八九オナニーしに行ったのだろうが。

しかしこれが畑でよかったな。

田んぼなら死んでた。

 

「天にも色々とあるのだな。こちらとはえらい違いだ」

 

「こっちだと、どういうんだ?」

 

「花をむしりに行く」

 

「物騒」

 

どうしてそう陰湿なんだよ。

 

「このような顔であれば、恨み節の一つや二つはあるものだ。昔はそれこそ、本当に花をむしっていたみたいだが、今ではその手の隠語になったと聞いている」

 

闇が深くない、この美醜逆転の世界。

 

「男とか女が少なくて、結婚できないとか、そんなのはないんだよな?」

 

だったらこの後ろ向きな思考もわかるけど、それはないと思春は言い切った。

 

「だとすれば、国として成り立つはずがあるまい。大抵の男女は普通に結婚をする」

 

よかった。

独り婚期から取り逃される、可哀想な思春はいないんだ。

 

「もっとも、結婚をして幸せになれるかはまた別だ。若い身空で一緒になっても、お互いの容姿に不満を持って、喧嘩ばかりの家庭も多い。それでも時間をかけて夫婦になるが、子が授からないのもよくある話だ」

 

ここも大概、末期だな。

そしてまたこのパターンかい。

 

「子供が出来ないの、流行っているのか?」

 

「天にもそのような問題があったのか?」

 

「あった。男が少なく、妊娠しにくい。で、女を孕ませられる俺を取り合って、戦争にまで発展した」

 

正確にはチンコであるが、そこは明かさなくともいいだろう。

喋ったとしても、バカな冗談だと思われそうだし。

 

「気の抜けた空気をしていると思えば、貴様も苦労したんだな」

 

「雰囲気は放っておけ」

 

元々こちとら、争いとは無縁の世界の住人だ。

 

「それでだ。貴様はそんな天の国が嫌になって、華琳とこちらへ駆け落ちした。と認識していのか?」

 

「ご想像にお任せします」

 

その辺りに言及して、華琳の話と矛盾が出ても困るしな。

ならぼかして、受け取りてのイメージに任せるに限る。

 

「腑に落ちんがいいだろう。ところで貴様、どれくらいの子を作ったのだ?」

 

「産まれたのが九人で、さらに二人が妊娠していた」

 

「はっ?」

 

多いかな、多いよな。

うん、クッソ多いわやっぱ。

それでもマイサンに憎らしさはなく、可愛さしかない。

九人いるから九倍で、十一人になったら十一倍になるはすだ。

凄いぞマイサン。

苦労も十一倍であるが。

 

「俺とやれば確実に孕んだからな。ついでにいうなら、華琳とはしてない。だからあいつとの子供はいないぞ」

 

「それはそれで、どうなのだ。しかし本当であれば、蓮華様などのお世継ぎ問題が解決……いや、だが……」

 

俺の大家族っぷりに面を食らった思春が、ぶつぶつと不穏な単語を漏らす。

世継ぎとか、蓮華ってやっぱりいい所のお嬢さんなのか。

 

「私……綺麗、醜い……綺麗、醜い……綺麗……うふふふふふふ」

 

夢中で花占いをしていそうな蓮華は、眠っている癖に、だらしなく頬を緩ませている。

この姿を見るに、とてもそれなりの地位にいると感じられんな。

俺の人間関係から近い対象を上げるとするなら、白蓮と華琳でいいのか?

……何もおかしくなかった。

 

「ひとまず貴様の話した内容は、どうにも信じ難い」

 

「おっ、そうだな」

 

眺めていた蓮華から視点を思春に戻した俺は、素直に頷いた。

別にこちとら、信じてもらいたかった訳でもない。

聞かれたから喋っただけである。

 

「仮に本当であったとしてもだ。貴様をどのように扱うかは、私の判断する所ではない」

 

「そうか」

 

ここで蓮華の名がないという事は、蓮華よりまだ偉い奴でもいるのか。

うん……やっべ。今の俺、冴えてない?

 

「ただ、検証はするべきであろう。貴様、私を孕ませてみろ」

 

「どうしてそうなった」

 

訳がわからないよ。

人がこっそりかしこさを上げていたら、隣で頭の悪い台詞を吐きやがって。

 

「……やはり私のような不美人は抱けんか?」

 

「余裕で抱けるわ」

 

舐めるなよ。と睨んでやると、思春はマフラーに顔を埋める。

 

「そ、即答か……」

 

動揺するなよ。

純粋に初心い反応とか久しぶりだから、俺が揺れるだろ。

 

「あ、ああ。き、貴様は、下手物な趣味があるのだったな」

 

だが俺以上に不安定な精神状態になっている思春は、カチコチ。と立ち上がってからぎこちなく壁に手をやり、俺に尻を突き出す。

パンツが丸出しにって、あれふんどしだったのか。

変な所で男らしい思春は、潔く俺を誘った。

 

「ならば好きに使え。さあ」

 

さあじゃないが。

そもそも俺の妊娠率百パーセントは、あの搾取マンコのせいでもある。

しかしその人体構造を理由に説明しても、伝達率は五パーセントにも満たないであろうから、俺はもっともらしい理屈をこねくり回した。

 

「妊娠させるのなら、華琳が順当だろうが」

 

俺、あいつと夫婦ぞ。

仮初だけど。そして華琳は紛れもなく一発必中勢だから、絶対にやらないけど。

 

「私の方が、周囲からの信ぴょう性と説得力が得られる」

 

そりゃそうだ、俺らよそ者だしな。

これについては、ぐうの音もでない。

 

「それに貴様の有用性を証明できれば、それなりの安泰は保証されよう。なのにその機会をみすみす逃すつもりなのか?」

 

えっ、今回も引きこもりをやるんじゃないの?

天の御遣いだけで、また飯にありつけるポジションだと思っていたのに。

桃香達より思春が厳しい。

 

「孕ませないと、食べていけないのか」

 

「貴様の役に立つところなど、今はせいぜい天の御遣いなだけくらいだ。それでいて見てくれは悪くなく、子作りに自信があるのなら、そこを訴えるしかあるまい。他に秀でている部分があるのならまた別だが、貴様にあるのか?」

 

「ないな」

 

あったらもっと、歴史に名を残すような偉業を成している。

伊達にネットの掲示板にこれまでの半生を書き込んだら、草をはやされる人生を送ってはいないのだ。

 

「でも、それはちょっとさ……」

 

女を妊娠させて稼いだ金で食べるご飯は、美味しくなさそうっていうか。

 

「妻以外の女を孕ませたあげく、子供を置き去りに駆け落ちした人間が、何を悩む?」

 

アカン。

設定だけで語ると、俺はとんでもないクズだった。

けれどここで新しい赤ちゃんをこさえて、パパをやるつもりはないのだ。

 

「……蓮華が起きるかもしれないし、やってる最中に華琳が戻っても困るだろう」

 

桃香のオナニーとか、半端なく長かったから、華琳もかなりのロングソロプレイヤーかもしれんが、まさか思春も蓮華の存在は無視できまい。

重箱の隅をこれでもかと突っつき抵抗する俺に、思春が蹴っ飛ばすかのごとく暴論を発した。

 

「情事など、私のあそこに貴様のあれを擦り、膨らんで濡れたら入れて出すだけだろう。なに、蓮華様はお休みになると滅多な事では起きんし、そんなに時間はかからんし、すぐに済む」

 

「済まねえよ!」

 

カップラーメン感覚か。

セックスって、そんなパパっとやるものじゃないだろ。

 

「せめて女の体はちゃんとほぐせ。下手をしたらそれ、どっちも痛いぞ」

 

「しかしこれが普通だと、私は耳にしたのだが……」

 

耳なし芳一もビックリだよ。

これには怨霊も苦笑いして、与一の耳を持って帰るのを忘れるレベルだ。

つまりお話にならない。

 

「詳しく知りたいから、こっちの性事情を一から俺に教えてくれ」

 

「あ、ああ」

 

ついでに思春も、ずっと壁に手をついてないで、戻って来い。

俺が手招きすると、困惑しつつも思春は布団の上で正座になり、本当に厳しい美醜逆転世界のエッチを語った。

 

「まず行為中、顔で男の気分を萎えさせないよう、女は常に後ろ向きとなる」

 

こっちでは、バックが正常位かよ。

 

「そして男は、そのまま女の尻やあそこに性器を押し当てる。確か、ここで濡れやすい女は、醜女でもいい女として評判が高いのだとか」

 

「すぐに終わるからか?」

 

「ではないのか。そして男のあれが硬くなれば、しぼむ前に射精するのが、性交の手順となる」

 

「それ、女が気持ちよくなる時間ってある?」

 

「たまに、痛いとは聞いたりする。初めてほどではないみたいだがな」

 

ですよねー。

ちょっと淡白すぎではなかろうか。

五分のカップ麺を待ちきれず、三分で蓋を開けるみたいな事をしやがって。

ラーメンは固めんが好きって派もいるかもしれないが、基本マンコはぐつぐつに仕込んでどろどろにさせるだろう。

 

「いちおう確認するけど、嘘ではないんだよな?」

 

「嘘をついてどうする」

 

思春は冗談をいう奴ではなさそうだが、ここはマジで冗談であって欲しかった。

 

「どこが楽しいんだよ、その性行為」

 

「全くだ。しかし子を成すのに、必要不可欠でもある」

 

「だったら少しくらい、歩み寄る姿勢を見せろ。もっと男女の触れ合いを増やして。それだけでもだいぶ違うぞ」

 

「誰が私のような女を触りたがる。それに私だって触られたくもない」

 

人として、好みがあるのはわかる。わかるけど、えり好みし過ぎだ。

嫌いな物でも食べましょう。と、小さい頃に習わなかったのかよ。

 

「これだと口づけだけでも、かなり難しそうな位置付けになっていそうだな」

 

「いや、口づけはまだ軽い部類だ。互いの体が当たらなければ、さほど嫌悪感もあるまい」

 

「えっ、何。触られるのがダメなの?」

 

「誰かに触れられると、くすぐったくなるような、落ち着かない気分になるだろ」

 

敏感肌か。

これはあれだな。極端にボディタッチとかのコミュニケーションが進んでなくて、肉体が外部からの刺激に弱くなっているんじゃないのか?

利き手と逆の手でそれぞれチンコを握ると、感じ方が違う。あの原理と根っこは同じである。

セックスが淡白なのは、それが原因かい。

 

「なら俺に接吻したりチンコ舐めたりするのは、抵抗がないんだな?」

 

だったら存分にペロペロすればいいじゃない。と思ったが、イージーだからと言ってハードにならない訳ではなく、こいつはわかってないな。てな感じで、思春に呆れられた。

 

「……はぁああ」

 

うん、これもNGなのか。

 

「すまんな。バカな事を聞いた」

 

「全くだ。その手の愛情表現は、長い年月で培われた夫婦の間でする行為だ。出会って一日足らずの女に求めるのは、我儘な子供と変わらん。なのに貴様ときたら……さっきのお化けの件といい、図体しか成長していないのか?」

 

まさかの、作法もわからぬクソガキ扱いですよ。

チッ、うるせぇな。

 

「反省してまーす」

 

「本当に貴様ときたら……仕方のない奴だな」

 

そう言って拗ねる俺の頬に手を添えた思春は、不意打ち気味に唇を重ねてきた。

だが俺は、精神的には未熟でも性的要因ではすでに悟りを開いたチンコの仏。

たかだかキスごときで、いまさら狼狽えたりはしない。

すぐさま受け身に転じ、思春のテクニックを配点する余裕すらあった。

ただ、口を押し当てているだけ×。

目を閉じていない×。

何より、鼻呼吸が皆無×。

採点、死ぬぞ。

 

「ふう……はぁ、はぁ、はぁああ」

 

長いキスが終わってから、忙しく息を吸う思春に俺は大切なアドバイスを送った。

 

「どうだ?」

 

「口づけの最中は、鼻で息をするといいぞ」

 

「は、はな?」

 

「ずっと息を止めていると苦しいだろ」

 

「し、しようがないから……そ、それで息を鼻でするのか」

 

「正解」

 

さっきの会話から、何となく処女だとは察していたが、ここまで不器用だとはな。

なのにその自覚がまるでない思春は、なぜか上から目線になって、経験豊富な俺の頭をなでた。

 

「よしよし、よく教えてくれた。偉いぞ」

 

「何で俺が下に見られているんですかね?」

 

「大きい童のような者ではないか、貴様は。そう拗ねるな、もう一回してやるからな……んっ」

 

そう言って二回目のキスをする思春は、しかし即行で俺から離れた。

 

「よくよく考えれば、私が鼻で息をすると貴様にかかる。これは恥ずかしくてかなわん。止めだ止めだ」

 

「えっ、もう終わり?」

 

「誰もそうは言っていない。つまりは……ちゅっ、ちゅっ……こうすればいい。完璧だな」

 

自画自賛して小刻みなキスを俺に繰り返す思春は、慣れが出てきたのか。

次第に内に秘めた本性を、暴き始めた。

 

「ちゅっ……うぬ……ちゅっ――ん。位置取りが悪い……そうそう、その位置だな……はむ……うむ、よしよし。よくやった……んんっ、ちゅる。ふあっ」

 

もっと己に適した形を追及し、俺に指示を飛ばす。

そうして素直にこちらが従い、自分的に満足のゆくキスを達成すると、とにかく俺をなでる。

決まってその後の接吻は、心なしか長い。

何だかんだ理由をつけて甘えたいのか。

これまで人肌恋しい生活をしていそうだし、その願望が潜在的にあったとしても不思議ではない。

遂には俺へ抱き着き、チューチューする思春をそう分析するのだが、実におしい。

思春は甘えるのではなく、甘やかしたいタイプであった。

 

「こらっ。どうしてここは、こんなになっている?」

 

密着した事によりチンコの勃起に気が付いた思春が、下を向いて俺に問うた。

特に羞恥心のない俺は、正直に吐く。

 

「男なら、普通の生理現象だ」

 

「性欲はあるかもしれんが、ここまで旺盛ではない。私のような女に口づけされて膨らませるとは、貴様もたいがい変態だな」

 

俺の言葉尻を捕らえ、こちらの常識で物を語る思春は、それでもどこか柔らかい声音で語った。

 

「そう言えばさきほど、私に舐めてもらいたいと頼んでいたか。仕方がないな」

 

だんだん俺もわかってきた、仕方のないの合言葉。

これが飛び出ると、悪態をつきつつも思春は必ずやってくれるのだ。

オカン気質か。

それを本人がまんざらでもなさそうなので、もう何もいうまい。

頭を下げて若干、気分良くズボンを手にかける思春を俺はただ見守った。

もっともチンコのでっぱりにつっかえて苦戦し、すぐに思春から乞う眼差しを向けられたが。

 

「脱がせんぞ、どうなっている?」

 

黙ってチャックを開きチンコを放出すると、おおっと思春は感心する。

 

「便利な構造の服だな」

 

しかしそれもチンコを観察するまでの話。

チンコの根元を握った思春は、誰が見ても顔をしかめ、大きさを確かめる風に軽くシコッた。

 

「でかいし臭いもきつい。よくぞこれを、私に舐めさせようと思ったものだ」

 

「嫌ならしなくてもいいぞ」

 

まともな女ならチンコは不潔でグロテスクと感じるだろうし、処女ならなおさらその傾向は強いはずだ。

そんなおぼこにムリをさせるほど、俺も鬼畜ではない

しかしそのジュニアに対し、ギブアップという発想は思春お母さんに存在しないらしい。

あくまで俺の下世話にこだわった。

 

「全く……貴様だけ、特別だぞ」

 

そうして亀頭を舌で突っつく思春は、それからまんべんなくチンコへ這わせた。

 

「あむ……うぇ……糸くずがついていたぞ。綺麗にしておけ……ふぅ~……ここひゃ、どうだ……よしよし、ではこひら側わ……」

 

先端から竿元まで。また奥から先まで。

フェラよりも口内洗浄をしているようなやり方は、気持ちよさよりも、もどかしさが募る。

俺は失礼を承知で、思春に頼んだ。

 

「もっと手や口を、強めにしてもらってもいいか?」

 

「ん、こうか?」

 

「っ!」

 

指導によって動きを変えた思春の攻めに、俺は意表をつかれた。

力加減は絶妙なまま、いきなりトップスピードで俺の一物を扱いたのだ。

 

「ふむ、とうとつに跳ね上がったな。貴様、これがいいのか?」

 

唾液まみれな俺のチンコは、ジュブジュブと思春によって卑しい水音を奏でながら、ビクリと反応してしまう。

それに気をよくした思春が、亀頭へむしゃぶりついた。

目指すは手と口の連携だろうか。

しかし狙い通りにうまくやれない。

 

「はむっ……こりゃ、動くと舐められないだろう。だったら、こうひてやる」

 

激しい手淫で左右にぶれるチンコに業を煮やした思春が、大口を開けて先っぽを咥え込んだ。

そしてそのままこちらを見上げ、俺の顔色を探りつつ、あの手この口で刺激を与えてくる。

 

「ここの、くぼみがいいのひゃ……なら、いっぱいひてやりゅ……んっ、んっ、んっ、じゅるるるるるるる」

 

カリ首付近を舐め回された時に、下唇を噛んだのが不味かった。

その辺り一帯が弱点だと悟った思春は、強烈に吸い込んだあげく、手で執拗にそのポイントを擦る。

どうして俺の周りの処女は、こうゼロか百しかいないんだ。

強引にこみ上げられされた射精感に、竿が限界だと言わんばかりに痙攣した。

それを合図に口をチンコから離した思春は、さらに手コキを速めるものの、処女らしい無知さで俺に語りかけた。

 

「貴様のが私の手の中で、暴れているぞ。これはかなり気持ちいいのではないか。ああ、もっと気持ちよくしてやるから、安心しろ。ただ、出そうになったら教えてくれ。男は一度だすと、戻るのに時間がかかると聞く――へっ……はぁ?」

 

もうダメです。

豪快にチンコから吐き出された俺の精液は、思春の顔に飛び散って、褐色の肌を白く染め上げてゆく。

最初。それを茫然と眺めていた思春は、頬から垂れた精子が口に付着した瞬間。我に返った。

 

「に、にがっ……てっ、貴様。何を勝手に出している」

 

無茶だろ、加減しろバカ。

 

「我慢する暇もなかったし」

 

「ならばちゃんと報告しろ。どうするつもりだ。最後は中に出させる予定だったのに、台無しではないか」

 

そういやこれ、元は思春を妊娠させるのが切っ掛けだった。

俺、セーフ。

 

「これだけ出せば、孕んだのかもしれないのに、貴様ときたら。苦いし汚れるしで、最悪だ」

 

もっとも思春的には腹の虫が収まらない結果でもある。

ぶちぶちと文句をちぎっては俺に投げ、顔にべったりと着いた精液を指ですくい、己の股に運んだ。

 

「……何をやっているんだ?」

 

「こうすれば、万が一。孕むかもしれんだろう」

 

ここまで妊娠に執念じみた女は、お目にかかった事がない。

何度も何度も。俺が外に出した精をマンコに迎え入れた思春は、さらにかき混ぜ受精を目論む。

間接的な精子オナニーを目撃した俺の一物が、首をもたげる。

ただ、当の本人である思春は自身の快楽を度外視している節があり、お掃除フェラを優先させた。

 

「ここも処置してやらないとな……うぐっ……けほっ……不味い。もっと美味しくは出せなかったのか?」

 

「ムリするな。自分でするって」

 

俺のペニスをしゃぶって咳き込む思春を止めさせようとするが、あえなく断られた。

 

「……いい。これは全部、私がする。貴様は汚れるから、何もするな」

 

こう一方的に言いつけて、思春は精子清掃に乗り出した。

するなら徹底的にがモットーなのか。俺のチンコに残った精液すらもすすって綺麗にさせる思春。

けれど、そこまでされてしまうとな。

 

「……?」

 

デデーン、俺アウト。

まーたチンコが勃起したよ。

 

「一度なえれば、なかなか男は回復しないのではないのか?」

 

「男なら、連戦も普通だ」

 

「貴様だけではないのか。こんな短時間でそうなるのは、疎い私でも、常識から外れていると理解できるぞ」

 

さすがは天の御遣いだ。

と思春は感心して、俺のチンコに自身の下腹部を押しつけた。

 

「これならもう一度できそうだな。仕方がない。孕んでやるから、遠慮せずに出せ」

 

ぶっちゃけ、遠慮はしたい。

これで思春が妊娠したら、俺の家系図が世界を超えたカオスになってしまうからだ。

ならばこのタイミングで拒めるかと言われれば……ねえ。俺はブッダではないのだ。

だからせめてやりたい盛りの若者らしく、神に祈るしかない。

中には出しませんので、どうか的中しませんように、と。

こうして俺は覚悟を決めたが、心残りはあった。

 

「俺、ぜんぜん思春を感じさせてないけど、濡れているのか?」

 

「少しはな、ありがたく思え」

 

自分で弄っていたし、何だかんだで、奉仕するのが好きなのだろう。

申告された思春のマンコは、愛液と精液のブレンドでなかなかの蜜具合であった。

本来ならここでもう一押し。俺の愛撫も加えてやりたいが、他人が触ったらくすぐったいみたいだし、自分が主導でないと納得しなさそうなので、もう思春にぜんぶお任せする。

メイドほど献身ではないけど、完全に干渉の強いツンデレ気味の母親だわ、これ。

 

「私がまた気持ちよくさせてやるから、貴様は動くなよ」

 

俺の頭をなでる思春が、座ったままの体位でゆっくりと挿入する。

 

「うぐ……う、うう……はぁっ」

 

入り口の狭さに難儀をしていた思春だが、辛いのはそこだけであった。

最初さえ突破してしまえば、後は順調に奥まで到達する。

しかし痛みが皆無ではない。

股から血を流し、明らかに目元をうるませた思春は、それでもやせ我慢を口にした。

 

「初めては……痛いらしいが、大した事はない、な……」

 

「別に強がらなくても、いいんだぞ」

 

「強がってなど、いない……どうだ。私は、気持ちいいか?」

 

俺の一物で広がった分を戻そうとしているのか。

思春のマンコは初物らしく、俺のチンコを締めつける。

男の俺には当然、快楽でしかなかった。

 

「ああ」

 

「そうか……私もな、気持ち、いいぞ……」

 

微笑みまで浮かべ嘘をつく思春であったが、やはり体からの訴えには逆らえない。

薄っすら開いた瞳から、小粒の涙が溢れた。

たぶん、自分が泣くほど痛がっている。と、思春は知られなくいと考えた俺は、舌ですくい涙を消した。

 

「……ふっ、何だそれは。貴様は、本当に……」

 

吹き出した思春は、俺の頬を手の平で数度おうふくさせてから、優しくつねる。

 

「どうしてくれる。胸が、苦しいではないか……私を、傷つけた罰だ……」

 

いうや否や、思春は自分の服を握り、下からまくり上げて脱ぎ去った。

ほどよいサイズのおわん型な胸がさらされ、張りのある弾力の間に俺を抱き込む。

 

「治まるまで、舐めて直せ……当然、優しくだぞ……」

 

「はいはい」

 

「はい、は一回だ……全く……よしよし」

 

瑞々しい思春の胸は舐め上げると、舌が滑りそうだ。

小刻みに吸いついて、舌先で思春の女としての象徴を楽しむ事にした俺は、右の端からジワリジワリと中央へと寄り、いよいよその頂に口をつける。

 

「おいしいか?」

 

あいにく今の俺は喋れないので、愛撫によって伝えた。

一度、強く吸い立ててから、口内で幾度も乳首を弄ぶ。

それだけで身をよじり、熱い吐息を俺の耳に吹きかける思春は、どこか艶の含んだ声を上げる。

 

「はぁっ……そんなに吸っても、母乳は出んぞ……残念ながらな……」

 

痛みはまだ残るであろうが、それ以上に思春は俺におっぱいを与える事に酔っていた。

明らかに上昇した体温と共に、思春のマンコは新しい愛液によって濡らされる。

 

「しかし、だ……貴様しだいでは、私の母乳も……んっ、楽しめるように、なるぞ」

 

わかるか?

ゴクリと、思春が生々しく喉を鳴らす音が俺の鼓膜を震えさす。

 

「だから、いっぱい……ここに出せ……私が全部、受け止めてやる……」

 

それは思春の願望にも似た強制であった。

数秒かけてペニスをヴァギナから引きずり出す思春は、その倍の十数秒をかけて、また飲み込んでゆく。

 

「ふぅうぅ……ああああぁぁぁ…………」

 

拙いながらに腰を使い、俺に射精を催促する。

せめて思春の痛みくらいは軽減しようと、俺も気合いを入れて胸を攻めた。

思春が俺をなでる手の平に、力がこもる。

 

「……はっ、はっ……私の胸は平凡だが……これならっ……赤子に嫌われず……済みそうだ……」

 

確かに思春は手ごろのサイズであるが、肌とは違うピンク色の乳輪はエロいと思う。

しかも舌で舐めてやれば、もっと吸ってもらおうと先端が肥大化し、従順に俺の動きに合わせてグニグニと曲がる。

赤ちゃんもきっと大喜びだ。

 

「貴様のは、でかいからな……きっと、丈夫な子が……産まれるぞ……楽しみだ……」

 

気の早い未来を描く思春は待ちきれないのか、俺のチンコをマンコで締めた。

 

「……んくっ……こ、興奮したのか……さっきよりも膨らんだぞ……」

 

それは絶対、思春の仕業なのだが、そこまでの経験がないからか。俺のせいにされてしまう。

俺は軽く乳首を噛んで、思春の間違いを咎めた。

 

「くあっ――」

 

俺の口撃で背筋をしならせた思春は、ムッとした様子でゴチン。とおでこをぶつけ叱る。

 

「もう……貴様は、いたずらっ子だな……今度したら、私も、怒るぞ……」

 

具体的にどうなるのやら。

ちょっとばかし俺が興味を持つと、母性本能を剥き出しにした思春が、俺の手首を取ってお尻にリードする。

さらにそこから、成敗ならぬ性敗な脅しを俺にかけた。

 

「私が怒ると……怖いぞ……ここに触った指を、舐めさせてやる……どうだ、ばっちいだろう……それが嫌なら、いい子に戻るんだ……」

 

まるで俺が良い子だったような口ぶりである。

しかし美醜の価値が反転しても、ここの考えは共通の認識で助かった。

スカトロをありがたむ気はないからな。

もっとも俺は、美人のケツなら抵抗なくほじるのだけれど。

 

「て、手つきが怪しいぞ……ひっ、く、くすぐったい……よ、よせっ。あっ――ば、ばばば、馬鹿か貴様は……!」

 

もったいぶって尻をなぞると、思春がビクッと引っ込めたので、指先で追いかけて穴だけを集中的に狙う。

思春のアナルは強固に俺を拒んでおり、小指すら侵入させるのに苦労しそうだ。

本来の用途とは逆の使い方をしているせいか。くすぐったよりも違和感が先に来た思春は、俺の魔の手から逃げようとケツを揺らした。

当然、チンコはマンコに収まっているので、その動きに吸い寄せられる。

図らずとも本気のグラインドへとなった思春の腰つきは、肛門を閉じる力も作用して、グイグイと俺のペニスを絞った。

 

「ま、またぁ……太くして。こ、この……ひんっ」

 

またもやさっきと同じ勘違いをやらかす思春であったが、この肉体に対する無知によって、勝手に退路を断たれてしまった。

キツくなった膣圧により俺の一物から我慢汁が滲み出てて、それを射精と誤認したのである。

 

「こ、こんな時に……こ、こらっ……頑張れ……さっきよりも、子種が少ないぞ……ああ、もう……!」

 

なりふり構っていられなくなった思春は、俺にアナル攻めをされたまま、ヴァギナを躍動させてペニスを奮い立たせる。

いっぱい気持ちよくすれば、もっと精液が出ると考えたのだろう。

過程は違うが結論としては正しい。

だけどその、処女の身の丈に合わぬ大胆さが、思春の体温上昇に拍車をかけた。

 

「も、もっと、出せるだろ……ぐっ……これは、恥ずかしいぞ……わっ、私が……好き者みたいだ……」

 

熱いほど体を火照らせる思春は、弱音を零しつつも投げようとはしない。

快楽はまだでも、痛みはほぼなくなったからであろう。律義に俺の竿を出し入れして射精を目指す。

辛いセックスにならず、何よりだ。

思春のケツ穴にちょっかいをかけるのを中断した俺は、安心して胸に専念した。

次のセックスの為にも後は可能な限り長引かせ、思春の性感帯を開発しておこうと思ったからだ。

 

「いっ……待て……待て、待て……そこっ……不味いぃい……!」

 

そのつもりだったに、思春がとんでもない大当たりを掘り起こした。

 

「あぁあああああ……ひっ、ふっ、ふっ、深いぃいいいぃ……!」

 

Gスポットの奥にある、Aスポットだ。

ここはポルチオの手前にあるポイントなのだが、Gスポットと同様に、Aスポットは女性の前立腺を刺激する。

そして潮を吹くGスポットのごとく派手さはないが、Aスポットはちょくせつ子宮に快楽が響く。

孕みた願望満載な思春にとって、とんでもない弱点が眠っていたらしい。

 

「はんっ、やんっ、くあっ……ほっ、本気でやめろ……動くな……とっ、止まれ……はあんっ……」

 

ここがヤバいのは思春もうすうす気が付いているみたいで、繰り返し思春は警告を発する。

なのになぜか思春本人がストップしない。

未知の快感にどっぷりはまって、抜けられなくなったようだ。

グリグリと自らAスポットにチンコを擦り、ジュブジュブと溢れる愛液を泡立たせ、思春の知らない快楽へと体が導こうとしていた。

 

「はぁ、ふぅ、はぁ、ああっ……しっ、死ぬ……死んでしまう……ううぅううぅうう……・!」

 

「思春が死んだら、俺も一緒に死んでやる」

 

だから怯える必要はない。

この時ばかりは胸から唇を離し、思春をなだめる為。思春の目を見据えながら、俺は手放さぬよう抱擁した。

 

「あっ――」

 

キュゥウウウウと思春の膣が俺の一物に絡みつき、精を強請る。

色んな意味で限界が近い。

俺も今は我慢する事を忘れ、このままセックスの流れに全てを委ねた。

そして終わりを迎える寸前。思春は噛みつくような乱暴なキスで俺の唇を奪い、涙を流して罵倒した。

 

「お前はやはり、ばかものだっ」

 

そうかもな。

思春の言葉を受け入れた俺は、膣中へ精を放った。

ペニスがしきりに震え、二度、三度と止まらぬ射精が思春のヴァギナを満たす。

 

「んんっ、くっ……やっといっぱい、中で……」

 

やってもうた。

神様、仏様、俺様。中に出しても大丈夫なのでしょうか?

大丈夫だ、問題ない。そう信じるしかない。じゃなきゃもう、やってられない。

あたしって、ほんとバカ。

だから都合の悪い記憶は、消去してしまおう。

ひとまず思春の安否確認が大事。オッケー?

 

「おーい、生きてるか?」

 

「……はぁ……ふぅ……ふ~……死ぬかと、思った……」

 

「その台詞が吐けるのなら、ちゃんと生きてるな」

 

まぁキメセクでもしなければ、セックスで死ぬってほぼないと思うけどな。

あんまり大事にならず何よりだ。

 

「そうでもない。出産だけかと思ったが……性交がここまで大変だったとは……疲れた」

 

「乱れたからな」

 

「それは天の御遣いである……お前が原因ではないのか。まったく……」

 

グデーっともたれる思春がかなりしんどそうなので、俺は抱いたまま横にさせた。

でもどこが気に入らなかったのか、舌打ちされる。

 

「ちっ…………くすぐったい」

 

「ああ、そうだったな。離れるからちょっと待て」

 

「いい……今日くらいは、辛抱してやる。寛大な私に感謝しておけ」

 

「何でだよ?」

 

「それくらいは、自分で考えろ」

 

そう言って俺の頭をなでた思春は、ポンポン。と叩いて言いつける。

 

「童はもう、寝ている時間だ。私も休むから、お前も眠れ」

 

それはそれで困るのだが。

俺と思春は裸のまま、横向きでくっついている訳で、さらにチンコがマンコに入ったままな訳で。

 

「……どうしてまた、膨らんでいる?」

 

うん、こうなるわな。

 

「自分、天の御遣いですから」

 

「…………仕方のない奴だな。私の体を好きに使え、満足するまで付き合ってやる」

 

やったぜ。

ついでに一回。中に出しているし、もう外とかにこだわらなくてもいいだろう。

一回やれば、二回も三回も変わらない。

俺はお疲れ気味な思春の体力も考慮し、上になってセックスを再開するのであった。

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

「すー……すー……」

 

慣れないセックスの連続で疲弊した思春は、俺がまた射精するとそのまま落ちるように眠った。

そしてまだ起きている俺が一人で何をしているのかと言えば、後始末である。

いっぱい出したり飛んだりしたからな。

酒場に降りて、店長からいらない布と水が注がれた桶を用意してもらい、それを片手にあれこれと掃除する。

身綺麗にした思春には服も着せてやりたいけど、そのせいでまた目を覚ますかもしれないし、ひとまず布団をかけてエッチの証拠を隠匿しておく。

これで華琳が戻っても平気だな。

 

「で、あいつはいつ戻って来るんだ」

 

セックス二回分でも未だ帰らぬ華琳は、ひょっとして円環の理に導かれ、逝ってしまわれたのかもしれない。

イッちゃって、イッちまってるだけだと思うけど。

だが華琳よりも剛の者が、すぐ傍にいた。

 

「蓮華も相当だけどな」

 

思春が言った通り、本気で蓮華の眠りは深い。

隣でギシアンして、さらにドタバタと清掃作業を行っているのに、一度も起きずにスヤスヤしていられるとか。

 

「私……醜い……嘘、醜い……やだ、醜い……何で、醜い……うっ、うっうっうっ……ぐすっ」

 

さらに蓮華は、まだ夢の中で花占いを継続している模様。

絶賛、悪夢中みたいだけど。

 

「ふぁ~あ」

 

俺も疲れた。

片付けもやっと済んで、俺も思春と同じ布団に入ると、あくびが出る。

そのまままぶたを閉じれば、スムーズに睡魔が俺の意識をさらった。

そんなこんなで翌日。

小鳥のさえずりで俺が覚醒すると、いるはずだった思春分のスペースがぽっかり空いている。

さすがに華琳は帰還していたみたいだが、俺の上着を羽織ったままかけ布団を全部。自分の所有物にしてくるまり、蓮華が素の状態で放置されていた。

華琳の寝相に性格が表れているな。

俺は使っていた布団を蓮華にかけてから、散歩を兼ねて思春を探してみる。

と、考えていたら、階下に思春を発見。

朝の酒場はやはり閑散としており、そこにポツンと佇む思春は、イスにも座らず朝食らしき物を立ち食いしていた。

おはよう。とテーブルに着席しながら挨拶をして、俺は思春に聞いた。

 

「座ればいいのに、どうして立ったまま何だ?」

 

「……腰かけると、あそこが痛い」

 

「あー……」

 

膜が破れたしな。

ついでに二回も、ムリさせたし。

言外に、俺のせいだぞ。と言わんばかりに鼻を鳴らした思春は、レンゲをすくって食事を摂る。

 

「ふんっ……それにしても意外だ。お前が最後に起きると思っていたが」

 

「朝になると、自然とこうなるんだ」

 

育児があったし、短時間の睡眠にすっかり体が馴染んだ感じだ。

おしめを替えないってのは楽でいいが、少しばかりしんみりする。

パパは寂しい。

 

「ところで、何を喰っているんだ?」

 

その隙間を埋めようと思春お母さんに絡むと、レンゲを突きつけ思春は答えた。

 

「お粥だ。いるか?」

 

「じゃあちょっとだけ」

 

「仕方がないな。では、口を開けろ」

 

あーん。を仕掛ける思春に、俺は目頭を揉んだ。

サン扱いをしてもらいたかったのではないんだけど。

 

「や、自分でするから」

 

「あーん」

 

「だから、自分で――」

 

「あーん」

 

すると決めたら梃子でも譲らない思春は、喰い気味に俺の言葉を封じ、あーん攻勢に回った。

根負けした俺は、素直に口を広げ、思春にお粥を運んでもらう。

 

「どうだ?」

 

これがお粥?

新触感な味わいに、俺の顔が引きつる。

お粥というのは、ドロドロだけどサラサラというか。とにかく口当たりは悪くないはずなのだが、ここのお粥はかなり特殊だ。

まず口内に入れても分離せず、飲み込むには米の塊を細かく噛みちぎる必要がある。

水片栗粉でも混ぜて調理したのかよ。病人食の味方がどこで裏切った。

 

「…………」

 

時間をかけて一口分のお粥を食した俺は、やっとの事で感想を語った。

 

「薄い」

 

「それを私に言われてもな。作ったのは店主だ」

 

「後、ちょっと熱い」

 

「我儘な奴め……ふー、ふー……」

 

もういらないんだけど。

次なるあーんの準備を始める思春が、レンゲに盛られたお粥を冷ます。

さて、どうやって断ろうか。

 

「ほらっ、あーん……」

 

再びお粥らしき物体を思春が俺に差し出すと、そこでバットタイミングな事故が発生した。

 

「ふぁあああ~おはよう。二人とも、早いのね」

 

「ぶっ!」

 

起床し階段を下りた蓮華が俺らの前に現れ、驚いた思春がお粥ボールを吹き飛ばす。

それが見事、俺の顔面にヒット。俺は熱さに叫んだ。

 

「あづいっ!」

 

「えっ……えっ?」

 

「ああ、もう。お前は何をやっているのだ」

 

お前が俺にデッドボールをぶつけたんだろうが。

 

「少し赤くなっているな。店主、水をくれ」

 

しかし俺の症状を確認してからの対処は素早く、テキパキと思春は治療にあたった。

店長が用意した水の器に手を浸し、俺の火傷した箇所を手当てする。

 

「思春……いつの間に御遣い様と仲良くなったの?」

 

この光景を驚いたまま、ずっと眺めていた蓮華がそんな疑問を呟いた。

 

「はっ――い、いえ。これは、違うのです」

 

これでようやく、誰が来てこうなったのか。誰の前で何をしたのか。

全てを思い出した思春が、ワタワタを水を切って蓮華に言い訳をする。

 

「わ、私はこ奴の心配をして、水を準備させたのではないのです。私の喉が渇きましたので……んぐっ、ごくごく……ふう。つまり、そういう事です」

 

「つまり、どういう事?」

 

わからないよな、傍から聞いたら意味不明だもん。

照れ隠しをしているのだと読み取れるかもしれないけど、その理由と経緯まで把握していないと、どうして思春が焦っているのかサッパリである。

 

「ですから、その……~っ!」

 

苦しい建前なのは自覚があったのか、思春は拳を強く握りしめ――、

 

「う、馬の様子を見てまいります」

 

強引に逃げだした。

ポカーンと思春を見送った蓮華は、眉を寄せ、改めて俺に尋ねる。

 

「思春と何かあったの?」

 

「さあな」

 

思春が蓮華に黙っておきたいのなら、俺が喋る訳にもいかない。

呆けてお粥を食べようとし、蓮華にレンゲを向ける。

 

「いる?」

 

「お粥? うーん……少しだけ頂くわ」

 

思春の態度が謎のまま放置され、しっくりしない蓮華は少し悩んだみたいだが、それを飲み込んで俺との席を囲んだ。

 

「はい、あーん」

 

「えっ……い、いいの?」

 

「悪いのか?」

 

「悪くない!」

 

「お、おう」

 

バンッ。とテーブルを叩いて身を乗り出した蓮華に、俺はビクつきつつも、お粥を与えた。

ちょっと垂れたが、指でそれを拭った蓮華は、モニュモニュと口元を覆って咀嚼する。

嬉し恥ずかし。素敵なあーんのイベントに最初、蓮華はニコニコだったものの、お粥を噛みしめる度に、ドヨドヨとした表情となる。

これは、ひょっとするとひょっとするのか。

このお粥のおかしさの同士を見つけた俺は、期待して蓮華の言葉を待った。

 

「薄いわね、このお粥」

 

「そうだよな」

 

「それに粘り気も足りないわ」

 

「そうなのか……」

 

美醜逆転の世界における最大の敵は、この食事情かもしれんな。

食通を気取るつもりはないけど、毎日ゲテモノグルメだと俺の胃が小さくなりそうだ。

どうするかな。

深刻な問題に俺が危機感を募らせていると、外から思春の悲鳴が店内にも届く。

 

『いたいっ!』

 

続けざま、馬の鳴き声も木霊する。

何をしているんだ、思春は。

 

『あっ、暴れるな……あれに障る……お、落ち着つけ!』

 

声から判断するに、まーた馬を暴走させたのか。

たぶん、股の痛みにどれだけ耐えられるか。試しに乗馬してみたらって感じなのだろう。

そんなじゃじゃ馬なBGMをバックに、上の部屋から誰かが床ドンをした。

 

『あーもう、うるさい!』

 

犯人は華琳だった。

 

『朝っぱらひひーんひひーんと、発情した馬みたいに。これだから田舎は嫌いなのよ!』

 

そこは田舎、関係ないだろ。

 

『空気が澄んで、声が響く。私は昨日おそかったのよ。もっと静かにしないと、寝られないじゃない!』

 

華琳が寝不足なのは、確実にオナニーのせいだと思う。

つまり自業自得だ。

 

「今日も楽しい一日になりそうね」

 

それを耳にしていた蓮華は、笑顔で俺にそう言った。

騒がしいだけではないのか。

何とも言えない俺は、すっとお粥の皿を蓮華の方へ移動させるのであった。

 

 

 

 







設定はおおむね出来上がったので、美醜逆転編を投稿させて頂きました。
続きはまったり速度になると思いますが、よろしくお願い致します。

そして気が付けば、思春がお母さんに。
似たような性癖なのに、白蓮とのこの差はいったい。

世界観の違いって、怖いな。と思いました。


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