天の御遣い。
この世界に強制転移された際に得た、俺の称号だ。
大層な名で、その肩書に求められる期待値も、相応に高そうだとうかがえる。
三国の争いを終結させ、平和をもたらす存在。て、筋肉ダルマも言ってた。
まるで勇者詐欺のようなうたい文句であるが、こっちに来た頃。俺はいちおう御遣いをやる気ではいたのだ。
だって俺が桃香や愛紗と一緒なのも、レイプモンスターから救われた後、
『あなたが天の御遣い様ですか? 私は桃香で、隣にいるのが愛紗ちゃんです。どうか私達のご主人様になって、一緒に旅をしてもらえませんか?』
と、パーティー勧誘された訳だし。
だが、その後の俺は一体なにをしてきただろうか。
成し遂げたのは、山、山、山を旅しただけの緑一色。
まさか現代人から先祖返りにジョブチェンジするとは、誰が予想できようか。
もうこれ、天の御遣いじゃなくて、山の使者だろ。
しかも一週間前に、朽ち果てた小屋を発見してからは、そこを修繕。さらに居心地のいい空間へのリフォームに余念がなく、このまま定住してしまいそうな気配すらある。
違う、そうじゃない。
俺は天の御遣いだし、そろそろそれっぽい行動を起こすべきだ。
昨日に日曜大工を張り切りすぎ、今朝になって筋肉痛で動けなくなった俺は、丸一日。布団の上でずっとごろごろしながら、その結論を導き出した。
「ご主人様、ご飯が出来たよー」
「……ありがとう」
実は最近になって、俺は桃香と愛紗のヒモではなかろうか。とか、そんな考えがよぎって、心に焦りがあったりはしない。
やれることがなさ過ぎて、時間を持て余している?
まっぴら嘘だ。
「体、痛いんだよね。私が食べさせてあげようか?」
「だいぶマシになったし、食事くらい、一人で摂れるから」
「がーん」
「…………」
「ガーンとか口にする奴、初めて見た。そして愛紗、近い。黙って寄らないでもらえる?」
「……がーん」
「もうこれ、俺こそガーンって言いたいわ」
ただ、俺が湖で溺れて以降、物理的に距離を縮めてこようとする二人に、別のベクトルで視線を明後日の方向に反らしたいという気持ちは、紛れもない真実であった。
二人とも、妙に俺の股間へ興味津々だし、こちとら身の危険をビンビンに感じているのだ。
「ガーン」
という訳で食後。
俺はさっき決めた覚悟を、桃香と愛紗に喋ってみる。
「俺さ、天の御遣いにしか出来ない仕事を始めようと思うんだ」
「ご主人様にしか出来ない事ですか? 具体的にはどのようなものでしょう?」
「人材発掘」
不思議そうに尋ねてくる愛紗に、即答。
体力ザコ。知能ゴミ。カリスマゼロ、の三拍子が欠けている俺が、いずれ崇め奉るには、未来知識を生かし、有能な奴を引っ張って自陣の強化を狙うくらいがせいぜいだ。
我が天の御遣い軍には、桃香と愛紗しか在籍をしておらず、深刻な有名人不足であった。
やはり三国志と言えば、劉備・曹操・周瑜のネームドキャラ登用は必須だろう。この三本柱がそろえば、織田・豊臣・徳川のドリームマッチが突発しても、五分に持ち込めると俺は睨んでいた。
しかしここで、想定外の問題が発生していた。
「あの、ご主人様。それは今、ちょっと難しいかな」
「ん、何でだ?」
「近頃、賊が増えておりまして。旅をするには少々、危険なのです」
「この辺りの賊なら、愛紗ちゃんが倒してくれたから安全だし、しばらくは動かない方がいいと思うよ」
「ふーん、そうなのか」
てか、愛紗つよい。ただの異常性癖な、オナニー狂いの淫乱サイドテールではなかったらしい。
頼もしさを感じると共に、軽く絶望もする。
この非凡であろう愛紗すら歴史の闇に埋もれてしまう、三国志の魔境っぷりよ。
やはりいずれ、人材確保に走らねばなるまい。主に俺の、安全重視の為にも。
「なら、募集するのは情勢が落ち着いてからにするか」
「それについてだけど、やっぱり人を集める時って、ご主人様が天の御遣いだって宣伝するんだよね?」
「そりゃそうだろう。じゃないと、誰も来なさそうだし」
筋肉ダルマにたった一つの親切さがあるとすれば、この大陸中に天の御遣いの噂をばらまいた事だろう。
やったのはまた別人みたいだが、そのおかげで俺はただの案山子から、担げる神輿くらいには価値があるのだ。
もし噂がなかったら、桃香や愛紗とも出会ず、逆レで俺の人生はおわってた。
だというのに二人は、あんがい冷たい意見をぶつけてきた。
「私は、ご主人様が天の御遣いだと打ち明けるのは、まだ反対です」
「私も。やるにしても、こっそりやるべきだと思う」
「……理由、教えてもらえる?」
納得のいかない俺は、当然の説明を求める。
すると、あんまり聞きたくなかった事実が耳を殴った。
「みんな天の御遣いが男の人だって知ってるから、ご主人様の正体がばれると……女の人がたくさん、ね?」
「集まっちゃうか」
「百――いえ、千の数なら、私が必ずご主人様をお守りしますが、さすがに万を超えますと、自信がありません」
「むごいな、それ」
「それにたぶん、朝廷や太守の人達も捕まえようとしてくるから、軍の集団にも追い掛け回されるかも」
「……俺に安息の地ってあるの?」
もはや想像が悪夢を通り越し、地獄絵図と化す。希望を求めるように俺は問いかけた。
愛紗は露骨に目を反らし、桃香は首を傾げて疑問形だった。
「人の寄り付かない山の中?」
何という事でしょう。俺の自己防衛本能は、無意識ながらにも巧みに、最善解を選んでいたのです。
「って、冗談じゃあない!」
このままだと俺は、霞を食って仙人に至るしか道は残されていないのだが、どう努力しても途中で挫折する未来がありありと浮かぶ。
だって俺、邪念だらけだし。だから誰か助けて下さい!
「ヘルプミー、ヘルプミー!」
「え、ええっと、よくわからないけど、おいでご主人様」
「およよよよよ」
泣きすがる俺に、救いの聖女から手を差し伸べられる。その胸の中へ飛び込もうとすると、性女の乳首は突起していた。
おい。この流れで興奮する要素が、どこにあった?
炎上した感情が急激に冷めてゆく。
冷静さを取り戻した俺は、両手を広げた桃香から反転。さきほどまで座っていた定位置へと戻る。
「へっ、あれっ? ご、ご主人様?」
「とりあえず俺が、天の御遣いってのは隠す方向で。雇いたい奴だけに、ひっそりばらす流れが一番いいのか?」
「がーん」
「そういうのいいから、妙案はよ」
「ん、んん」
仕切りなおして話を戻すと、愛紗が咳払いをする。
いじけて床にのの字を書き出した桃香とさよならして、俺はこんにちは愛紗と顔を向ける。
「何かあるのか?」
「案といいますか、懸念がございます。ご主人様、一つだけお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「おう」
「起きておられる間も、ご主人様の……お、おちんちん。かたく、なるのですか?」
「おう?」
こいつはやばい。
何がって、愛紗の口からチンコの単語が出たのではなく、チンコと言った直後の様子がだ。
酔っぱらったように顔を赤くし、目線は定まらず泳いでいる。
「うぅぅぅぅぅぅ」
特に言い切った後は羞恥につまされて、腕や手で胸や股を隠し、うつむくのはポイントが高い。
毎日はぁはぁ言ってた愛紗に、こんな女らしい一面があったとは。
見慣れないレアな光景に、俺はついおかわりの要求をする。
「もう一回、言ってもらえる?」
「で、ですから、ごしゅ、ご主人様のおちんちんが――あ、あの……かたくなったりは、するのでしょうか?」
「愛紗はどうだと思う?」
「き、聞いているのは、私の方で……」
「さあ、どうだったかな」
「ご、ご主人様!」
からかいながらにじり寄ってみると、反射的に愛紗は腰を浮かし、後ろへと逃げようとした。
しかし力が抜けてしまったのか、その場で尻もちをついてしまう。
広げられた足から、白い下着が丸見えだった。そして恥部を覆うその布に、小さな染みを確認した俺は、愛紗がこの先にあるナニかを期待しているのを感じ取った。
普段ならその浅ましさも余裕でスルーするのだが、この時ばかりはいつもと違う。
だんだんとテンションが上がる自分がいる。
これはあれだ。
日頃から下ネタをがんがん言って、人一倍セックスに興味があった仲の良い友達が、いざ女と二人っきりになり、致す空気になったら、アホみたいに狼狽えだす。
そうした姿を、人事みたいに眺めている楽しさがある。
とは言え、愛紗が友達役であるのなら、俺は当事者の女役でもあるのだが。
さて、どうしようか。と少し悩むが、ひとまずは好奇心を満たす事にした。
愛紗の足の間に膝をつき、押し倒すような姿勢をキープしながら。目に見えて混乱している愛紗に、俺はそっと声をかける。
「俺の下半身事情を探って、愛紗はどうするつもりなのかな?」
「ご、ご主人様が、新たな者の登用をするとおっしゃられたからです。ですから私は心配をして」
「人を増やしたら、不味いのか?」
「男性と知られれば、その者は仕える対価として、ご主人様の……か、体を要求してくるはずです。その時にあれが不能ですと、困った事に。もちろん、ご主人様が嫌がられるのでしたら、我々が全力でお守りしますが」
「なるほど。そこは元気はつらつだから安心しろ。しかし俺の体をね……どんな事をされるんだろうな」
「ぶ、無遠慮に、手でなで回されたり――」
「こんな風に?」
「――ひあっ!」
ありかを主張して教えてくれる愛紗の乳首を、俺はキュッとつねった。
すでに限界ギリギリだったのだろう。たったこれだけの後押しで、愛紗は大きく体をのけ反らせる。
垂れ流れる愛液が床を浸り、俺の膝元を濡らす。
「はあっ、はあっ、はあっ」
荒い息を吐く愛紗を見下ろし、俺は軽くなじった。
「まさか、もう絶頂したのか? 処女だからって、早すぎだろ」
「ち、ちが――、急な事で、体が驚いただけです!」
「なら、俺にこうされても、ぜんぜん気持ちよくない?」
「あっ、くっ……気持ちよくなど」
強情だな。
右に左に回し、たまに意表をついて持ち上げてみたりと。愛紗の柔らかな巨乳を堪能しつつ素直な感想を求めると、涙目で愛紗は否定した。
即アヘすると思っていた俺は、ちょっとばかり肩透かしをくらった気分だ。
しかしそれも、愛紗のセックス感を聞いて、さっぱり不満はなくなった。
「だ、だいたい、このような行為は、女性の私が主導し、ご主人様を気持ちよくさせるのが当たり前で。んっ、こ、こんな風に、男性が率先して動くのは……」
「そういや、そうなるのか」
この世界が貞操逆転している自覚はあったつもりだが、俺もまだそこまで頭を回せてなかったらしい。
処女と言えど、男ならぬ女のプライドってのがあるのだろう。
だが俺に対し、その認識は誤りだ。よって愛紗には存分に逆攻めを受け入れてもらおう。
「俺はこうした方が性に合ってるし、愛紗にも好きになってもらいたいんだけど」
言って、今度は胸の形が変わるくらいに力強く握りしめてみる。
こっちでは俺を含め、男は非力あつかいされるので、女としてはひょっとして刺激が物足りないのでは。と思ったからだ。
すると期待通りの手ごたえが返ってくる。
「~~っ!」
言葉にならない声を発し、ビクンと愛紗が跳ねた。
それでも次こそは達しまいと、歯をくいしばって耐え忍ぶ愛紗の健気さに感心した俺は、どれだけ我慢できるのか内心で楽しみにしつつ、強めのタッチを続ける。
「こんなに気持ちよさそうにして。本当は、こういうのが好き何だろう」
「す、好きだなんて、そんな」
「いいから言えよ」
「あっ、あっ、あぁぁあ」
徐々に愛紗の眼差しはうつろとなり、口の端からよだれがこぼれる。
ここが正念場だと告げる勘に従い、俺は愛紗の価値観を壊す為、より深い快楽をその肉体に刻む。
無意識であろう、俺の片膝に押し当てられた愛紗の性器。そこに手をやり、ちぎれるくらい強引にパンツをくいこませた。
「イケ」
「す、す、す、好きですご主人様ぁぁああああ!」
俺の要望に沿った絶叫をし、愛紗は再び果てた。
連続でイッたせいか、床に広がる愛液の量は増し増しとなっており、愛紗自身もぐったりとしている。
そのやりきった成果に俺は満足し、ひとまず水でも飲もうと立ち上がり、後ろにいた桃香と目が合った。
「ふふっ」
桃香は黙って手拭いを噛みながら、キィーっと悔しそうに俺らを見ていた。
ずっとそうしていたのかと思うと、何だか笑いがこみ上げてきて、俺は桃香に手招きをする。
すると途端に顔をほころばせ、桃香はトコトコ、ピョンッと俺に抱き着いた。
「わーい、ご主人様」
「はいはい。待たせて悪かったな」
「本当だよ。私にもちゃんとしてくれるんだよね」
「まぁ、愛紗にはしたし」
「えへへ」
声は可愛さ満点だが、表情は下心満載な桃香は、ドロドロと欲望に汚れたパンツを脱ぎ捨て、スカートを俺の前でめくった。
これが俺にとって生マンコとの邂逅だが、記憶にある無修正画像よりも卑猥だと思った。
色は濃い桜を連想させるような、色鮮やかで美しさがあるものの、そこから太ももへ垂れる滴が、どうしようもない、いやらしさを演出している。
そんな恥部を片手でさらに広げて見せた桃香は、俺に単刀直入なおねだりをする。
「もう我慢できないの。ねぇ、ご主人様。おちんちん、私のここに入れてもいい?」
「さすがにそれは無理」
「どうして? ご主人様のも、大きくなって辛そうだよ。一緒に気持ちよくなろう」
確かに愛紗を弄り倒したおかげで、俺のナニはナニィと驚かんばかりに膨張している。
だが、こいつを桃香とドッキングしてしまうと、新たな生命誕生の可能性を孕んでいる訳で。
コンドームもないし、この年で子供を作るのに抵抗のある俺は、まだしばらく童貞を貫くつもりだった。
「ひとまず今回は、互いの物を擦り合って、相性確認までに留めておこうぜ。正式なお突き合いは、その後の発展次第って事で」
「擦るだけ? そんなの気持ちいいのかなぁ?」
「いいんじゃないか。俺の世界だと、そうした奉仕で金が稼げるし」
「ふーん。天の国って、みんなこらえ性があるんだね」
お前らがこらえ性ないだけじゃね?
いや。ここで血走った眼をして俺を襲って来ない辺り、桃香や愛紗はだいぶ理性的だとは思うけど。
「わかったよ。今日はそれで我慢するけど、いつか、ちゃんとしてねご主人様」
「安心して子供が作れる、環境を用意してくれたら考えてやるよ」
その地盤が最低でもないと、現状の生活基盤が崩壊してしまうからな。
俺、マジで役立たず。
なのでお荷物はお荷物らしく、桃香に甘えてしまおうと思ったのだが、ここでちょっとした行き違いがあった。
「上下の全身運動は正直しんどいし、騎乗位でしようぜ」
「体が辛いのに騎乗位でするの。正常位じゃなくて?」
「正常位だと、俺から桃香の上に乗って腰を振らないといけないだろ」
「ご主人様。それ、正常位じゃなくて騎乗位。女の人が男の人の上に乗るのが、正常位だよ」
「はあ?」
どうやら女が主導して致すので、正常位と騎乗位の呼び方が逆になっている模様。
さらに後背位は、名称すら変わっていた。
「なら、女が四つん這いになって、男にケツを向けたまま挿入されるのは、何ていうんだ?」
「屈服位」
「……なぜ屈服?」
「女の人がかしずいて、男の人に全てをゆだねるから、そう言われているの」
「ほーん」
と、逆転世界での下ネタ授業を軽く受けた後。ようやく素股プレイのスタートとなるのだが、桃香が俺の太ももに跨り。チャックを開けて俺がチンポを露出させると、桃香の優しい性女な仮面がはがれ落ちた。
「うひひ、本物のおちんちんだぁ」
「あ、あの、桃香?」
「あぁ、熱い。それに硬くて大きいよぉ」
舌なめずりをしながら、マンコにチンコを接合させた桃香は、痛いくらいに俺の一物を圧迫し、腰を激しくゆすった。
「――っ!」
「ふあっ……! 触れただけで達しちゃいそう。あぁ、でも安心して。ご主人様の事も、ちゃんと気持ちよくしてあげるから」
「いや、ちょっと待って!」
「ここまで来て、止まれる女の子なんていないよ。ふぁっ、しゅっ、しゅごい。擦ってるだけなのに、こんなに気持ちいい……あっ、やっ、はん、んんんんんん!」
独善的な快楽の虜になった桃香は、俺の制止も振り切りよがった。
下手な男との性行為は痛い。という女の声が世の中にはあるが、まさかそれを俺が体験するとか夢にも思わなかった。
とにかく桃香を止めなければ。このままでは摩擦熱で、俺の息子がオーバーヒートしてしまう。
「ご主人様も気持ちいいでしょ。私もすごくいいよ……くる、くる、きちゃう、あっ、あっ、もう、だめぇえええええ!」
髪と汗をまき散らし、勝手に桃香がイッた瞬間。桃香の首にかじりつき、俺は唇を奪った。
このファーストキス攻撃に、桃香の目が大きく見開かれる。だがまだだ。奇襲に成功した俺は、さらなる一手とし、自らの唾を桃香に流し込み飲ませた。
「……! ちゅっ、じゅる、ぅん…………」
コクッと小さく音が鳴り、桃香が唾を飲んだを見送ってから、俺は口を離し額を小突いた。
「痛いわボケ」
「ご、ご主人様っ――て、えっ、ええ! 痛かったってどういう事?」
「痛いに複数の意味はないだろ。そのまんま、下手くそ何だよお前。チンコがもげるかと思ったわ」
「で、でも。偉い人はみんなこうしてるって私は聞いたよ。閨では男の人が、こうして射精するまで腰を振るものだって」
おお、もう。
わたわたと言い訳をする桃香に、俺は嘆いた。
男の絶対数が少ない上、性交の歴史も浅いから、熟練度がまるで足りていない。
ならば変態国日本人の代表として、俺がレクチャーせねばなるまい。
仕方がないので俺は、how-to本で得た知識を桃香に語る。
「いいか、男ってのは繊細なんだ。壊れ物を扱うように、優しくしてやらないと、次からこういうのをするのが嫌になるんだよ」
「そ、そんな。どうすればいいのご主人様!」
「ゆっくりと昂らせてやるのが正解だな。自分が気持ちいいから、相手も気持ちいいと思うのは、処女丸出しな考えだ。いいな?」
これらは当然、俺がいた世界での女の主張である。
こっちではそのまま男として適応しても問題はないだろうが、なぜ俺が女側に立って気持ちを代弁しなくてはならないのか。どうにも釈然とはしなかった。
しかし桃香はこの話に相当ショックを受けたようで、涙ながらに俺へ謝罪した。
「そ、そうだったんだ。ぐす、ごめんね、ご主人様」
汚ねえ涙だ。
一見。自らの行いを恥じ入り、反省しているみたいに感じられる桃香の態度であるが、それは上辺にしか過ぎない。
だってこうしている間にも、桃香の下半身は小刻みにチンコを揺らしているんだぜ。
ちょっと、痛いんですけど。
「とにかく次は、もっと俺にやさし~くしろよ」
「ううう……もう一回、してもいいの?」
「おう」
本来ならば罰として、ここでお預けにするのが桃香への罪の償いであろう。しいたげられたジュニアの恨みは恐ろしいのだ。
だが俺は、恐怖の大魔王すらも裸足で逃げ出すほど、寛容な心の持ち主。今回ばかりは大目に見てやった。
いい加減、俺も放出したいし。
なのでこのまま二回目に突入するつもりだったが、いきなりストップがかかる。
「ま、待って下さい。姉上は一度、達しました。でしたら次は、私の番なのではないでしょうか!」
休んで性欲チャージがされたのか。順番制の割り込みを持ち出したのは、誰であろう愛紗であった。
俺に尻を向け、四つん這いになった愛紗は、声たかだかに懇願した。
「どうかご主人様。お願いします!」
「屈服してんな」
「屈服してるね」
ポツリと呟いた俺の一言に、桃香も同意する。
けど、俺から動くのなら、ノーダメージで射精は可能だろう。体が少し心配だけど。
「なら次は愛紗でいいか」
「ありがとうございます!」
「その次は私ね、ご主人様」
「……今回だけだぞ。こんなカーニバルは」
「わーい、かーにばる」
「意味を知らない癖に、喜ぶなよ」
「てへっ」
小さく舌を出して、自分の頭をこつんと叩く桃香を、後で性的な意味でボコボコにしてやろうと計画を企てた俺は、差し出された愛紗のケツへ全力ビンタをする。
「ひゃん」
そうして始まったカーニバルは、端的に言って酷い有様だった。
まるでバグって無限増殖を繰り返すモンスターのごとく、桃香と愛紗は幾ら絶頂を重ねても、もっともっととせがんでくるのだ。
前から横文字に未対応なバグもあって、俺はこの機会に頑張ってデバック処理を試みたが、必死にやってもメンテナンスは終わらなかった。
数時間にわたる作業に疲弊した俺は、ついに力尽きて布団へ横になり、翌日。目覚めたら体がメチャクチャ悲鳴を上げた。
筋肉痛、二日目である。
そんな俺とは対照的な淫乱姉妹は、ピンピンとしているばかりか、ピンク色の脳みそで平然とこんな事をのたまった。
「ご主人様。今晩もしようね」
「楽しみにしております」
俺は、大正義。聞こえないふりを発動し、布団を頭から被る。
そして、こんなサービスの悪い世界を提供した筋肉ダルマに再会したら、奴の股間を蹴り上げてやろうと心に誓った。
勘違い要素を入れるつもりはなかったのですが、何だか書いててそんな気がしてきました。
タグを追加した方がいいのか、アドバイスを頂けたら嬉しいです。