※この作品はR-18です。

逆転無双   作:((::X::))

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お待たせいたしました。





第4話

 

地平線の先にまで続く広大な野原へ、穏やかな日差しが降り注ぐ。

しばらくすれば蝶がゆうゆうと舞い、この世の平和を謳歌できる穏やかな時間が流れそうなこの地も、今だけは悲鳴が飛び交う地獄へと変貌を遂げていた。

 

「ぎゃああああ!」

 

「ひぁああああ!」

 

「ふはは、弱い。弱すぎるぞ!」

 

この悪夢を作り出した女。星が手にした槍を振るう度、黄巾党の賊の命が次々と散らされる。大地は血でまみれ、一面に飛び広がる赤い模様は、おびただしい花びらの絨毯のようでもあった。

 

「この趙子龍の首を上げようと、名乗り出る骨のある者はおらんのか。早くせねば、全滅をしてしまうぞ!」

 

槍を回し余裕の演技をする星に対し、数えられるほどに減った賊はみな腰が引けていた。

戦わなければ生き残れない。それだけが賊達の助かる選択であるのに、誰しもがその生存本能に従う事はなかった。

穂を突きつけ笑みを浮かべる星を前にし、足がすくむほどの恐怖が体の支配を上回ったからだ。

 

「つまらんな」

 

弱者を虐げる割に、強者には立ち向かおうともしない。何とも愚かな存在であろうか。

そんな賊の歪んだ姿勢に、さきほどまでの高揚感が急激に冷めた星は、作業のごとく槍を操り、最後の命を刈り取った。

 

「はぁ、本当につまらんなぁ」

 

たった一人。野に立ち尽くした星は、ため息をつきながら槍を地面に刺して、死体の山から戦利品を漁る。

しゃがんだまま武器や金には目もくれず、酒と書かれた壺を掘り起こした星は、封を切りその中身を口に含むが――喉が鳴った瞬間。壮大に口外へ噴出した。

 

「ぶぅふううう、けほっ、けほっ。何だこの酒は、安物どころか紛い物ではないか」

 

元々そうであったのか、後からそうされたのか。

答えは死んだ賊だけにしかわからないが、星が飲んだ酒は水で薄められ、酒の味がほとんどしなかったのだ。

酒好きの星にとっては、許しがたい模造品である。

 

「賊に一泡を吹かれたよりも、こちらの方が余計に腹が立つ」

 

「……よくもそんな台詞が言えたものだな、星」

 

「む、愛紗か」

 

背後から影が差し、振り返った星が見上げると、顔をひくつかせた愛紗がそこにはいた。

そんな愛紗に酒壺をちゃぷちゃぷと揺らし、星は問いかける。

 

「飲むか?」

 

「いらん!」

 

「だろうな」

 

断られた酒を星は再び舐めてみるが、二口目もやはり不味い。だが今、手元にある酒はこれだけ。

仕方がなくちびちびと呷っていると、がみがみと愛紗が説教を降り注いできた。

 

「賊の討伐中に酒など飲むな。少しは真面目にしたらどうだ!」

 

「してるであろう。おかげで賊は壊滅したぞ」

 

「斥候を出す前に、貴様が勝手に一騎駆けをしてな……おかげで兵の実践機会が減ったではないか!」

 

「そうはいうがな、愛紗。あの程度の賊に、軍はいらんだろう。一人でやった方が、反って時間の節約になると思わんか」

 

「それで全体の練度が上がれば苦労はしない。訓練しただけで兵は強くならないのだぞ」

 

「それくらいわかっておる」

 

兵を率いて戦った経験は、星にもある。だから愛紗の言い分である、訓練だけでは限界なのも重々承知はしていた。

それでも人間、やりたくない時はやりたくないのだ。

 

「次はお主の計画通りに進めればいいさ。私は後ろで寝転びながら眺めているとしよう」

 

「……どうしてこう、お前は天邪鬼な態度を取りたがるのか」

 

「決まっておるだろうに。お主と一緒に肩を並べたくないからよ」

 

「…………ひょっとして、私に勝てないから拗ねているのか?」

 

「ええい、違うわ!」

 

愛紗の的の外れた憶測に、星は思わず立ち上がって抗議する。

確かに愛紗との試合で、星の勝率は高くない。十を打ち合えば勝ちは二つで、一つは引き分け。それ以外は負けだった。

しかし星とて武人としての矜持がある。いつか完勝してやる。という野望には燃えているが、完敗したから命令は聞かない。などと野暮ったい真似をするつもりはない。

単純に、愛紗と共闘をしたくない理由があるのだ。星はその元凶を指さした。

 

「そんな鉄の枷を首に四六時中つけた、罪人のような変態の隣になぞいられるか。私も同類と思われたらどうしてくれる!」

 

「し、失礼な。これはご主人様から頂いた、大切な絆の証。枷と同じにしてもらっては困る。だから私は変態ではない。訂正しろ」

 

「私が知らぬと思っておるのか? その枷に紐をつけて、愛紗が夜な夜な主に引きずられておる姿を。しかもお主だけ裸で、完全に変態の所業ではないか!」

 

「ひ、人の情事を覗くとは、悪趣味だぞ星!」

 

「たまたま目に入ったのだ。そっちが人目に触れる部屋の外でしていたのに、覗き扱いするでない。私だってあんなものを見たくはなかったし、叶うなら忘れたいわ」

 

そう願わずにはいられない星であったが、あれだけ強烈な光景はなかなか記憶から消し去れるものではない。

それどころか二人が致していた現場を歩く度、きゃんきゃんと尻を踏まれて鳴いている愛紗が脳裏をよぎり、不快な気分になる。

 

「お主、本当におっぱいがついているのか。男を虐めるならばともかく、男に虐められて喜ぶとは。女の風上にも置けぬ軟弱さよ」

 

士官先を探し、各地を放浪していた星だからこそ、様々な王にまつわる性癖の話はよく耳にしていた。

その中でとび抜けて趣味に合わないと思ったのは、金粉やはちみつを男にぶっかけて犯す、袁紹と袁術の二人だろう。誰もが知る名家の生まれである御仁が何をやっているのか。と聞いた当初は呆れていたものだが、それをも上回る間抜けがこんなところにいるとは、よもやの星も驚きだ。

 

「これからは少しくらい、私の女っぷりを勉強し、己を磨くよう精進するのだな。でなくてはその乳、周囲から偽物と侮られるぞ」

 

「余計なお世話だ。だいたい偉そうに私へ説教が出来る立場か。お前が失敗しても懲りずにご主人様へ夜這いをかけるから、こうして黄巾党が暴れる都度、討伐を命じられている癖に」

 

「お主らがまどろっこしいからであろうが。主がやらせてくれると言っておるのに、誰が童貞を喰うかでいつまでも無駄な会合を続けおって」

 

童貞で処女を喪失するのは、女性において悲願と言っても過言ではない。

しかし星達の中からその夢を実現できるのは、たった一人だけ。そうなると、譲り合いならぬ譲れないの精神で互いに引かぬのは必至。

星が武力で解決しようとして愛紗にねじ伏せられたり、白蓮がお金で皆を買収を試すが効果がなかったりと事態が進まず。結局は桃香の説得により、全員が納得するまで話し合おう。という流れになったのだが、未だに終息へは至らず仕舞いだ。

当面の妥協案として、まずはお尻の貫通を先に済ませる形で落ち着つき、主を説得中であるが、どうにも重要な問題を棚上げされた感じは強い。

だから星は、この硬直した状況を打破しようと行動を起こしているのだ。もちろん半分以上は、自分の欲求を満たす為であったが。

 

「私も女だ、尻に童貞のちんちんを突っ込む性交に興味はある。しかしこんな事をいちいち確認して決めていたのでは、いつまでも膜が破られんだろう」

 

「そうか? 私はご主人様とお尻でするのを、とても心待ちにしているのだが。不浄の穴に、ご主人様のおちんちんを入れて頂けると考えただけで私は……はぁ、はぁ、はぁ。ご主人様ー!!!!」

 

「相変わらず気持ち悪い奴よな」

 

尻を叩かれ過ぎたせいで頭がおかしくなったのか。女内で下の話になると、愛紗はこうして稀に極まったような雄たけびを上げる。

しかしこんな変質者が、主に一番きに入られていると思うと、常識人の星からすればやりきれない。

理解はし難いが、贈り物までして愛紗の犬遊びに付き合っている主を見ていると、嫌でも自分との差を感じてしまう。

その不満を本人に直接いうほど星は弱くないが、もやもやは募るばかりだ。

 

「帰ったら、主に誰が一番いい女か知ってもらわねばならんな」

 

幾度となく自分の胸の谷間へ目が行くのだ。主もまるで星に興味がない訳ではなかろう。

それで鼻が高くなり、高笑いをして星が胸を丸出しにすると、主は決まって顔をしかめるが。

男心と秋の空。とはよく言ったもので、異性の移ろいやすい感情は、星にとってまだまだわからぬ事ばかりであった。

 

「互いの理解を進めるには、やはり肌を深く合わせるのが一番。ならばここは、新しい夜這いの方法を練っておくべきか」

 

そう言って酒を飲み干した星は、地面に突き立てた槍を引っこ抜き、はぁはぁしている愛紗の横を通り過ぎ、野営の天幕へと帰った。

 

 

 

 

 

十十十十十

 

 

 

 

 

黄巾党。

そんな呼称の黄色い布をつけた集団の賊が、いま世間ではホットなニュースらしい。

何でも首領の張角は、支配階級が男を独占している現状に憂い、自分らにも男をよこせと武装し、各州へ抗議活動に勤しんでいるそうだ。

これが民衆の心を打ち、各地で賛同の声が相次いだ結果。国が鎮圧に乗り出すほどの勢力に膨れ上がったのが、昨今の騒ぎとなる。

当然、こいつらは幽州にもいる。でも他よりは数が多くないそうなので、桃香・愛紗と最近あだ名で呼ぶようになった白蓮・趙雲。そしてたまに愛紗・趙雲の変則ローテンションでだいたい鎮圧が可能な範囲であった。

ただ、こうした戦が当たり前の毎日になってしまうと、暇になるのが俺だ。

まず前衛戦士の刺激は俺には強すぎる。連れていかれたら、戦うどころか吐いて漏らす自信があるわ。

なら後衛軍師に就職し、策の一つでも披露する知識があればよかったのだが、ぬくぬくと生きてきた若造に実用的な案などあるはずもない。

俺に浮かぶのは、斬首戦術くらいだぞ。

なので戦闘に足手まといな俺は、おとなしく幽州で留守番をしていた。

仮に戦力となったとしても、俺の正体がばれたら果てしなく面倒くさくなるので、もともと参加権はないのだけれど。

やっぱつれぇわ。山の頃から進歩しないのは。

だというのに、生活水準だけは前と比べ物にならないくらいランクアップしているのだから堪らない。

多額の契約金をもらって新しいチームに移籍したのはいいものの、以前のような活躍が出来ない、スポーツ選手もこんな心境なのだろうか。

もっともプロなら痛烈なバッシングをされるが、困った事にここでは俺に厳しい奴が皆無だったりする。

このままではいずれ、俺は飼いならされた豚になる。

ブヒらずにはいられない将来の不安を抱えた俺は、人間として。ギブだけではなく、ちゃんとテイクも返そうとするが、幽州陣営は全員アウトだった。

せっかく俺がマンコセックスを解禁したのに、アナルファックを要求するのだから。

どうにも誰が俺の童貞を奪うかで揉めているみたいで、それに決着がつくまではまず尻で、って事らしい。とんだビチグソ共である。

貞操が逆転すると、こんな汚点があるとは。まさか処女卒業をさせるよりも先に、肛門による裏口入学を体験するとか予想もしなかった。

微妙に尻込みするんですけど。

なので軽く拒否って抵抗していると、アブノーマルな奴らの筆頭白蓮は毎回。俺の部屋で懇ろになる度、取りあえず生中みたいに尻中を注文していたのだが、断られ過ぎたせいか。

ついには自分で考案したメニューを持ち込み、俺に交渉を迫る。

その創作性はとにかく酷いの一言であり、いい加減に俺もキレた。

 

「んふふふふ、ご主人ちゃま~」

 

「桃香と代わってもらえるか。頼むから」

 

「何で!」

 

何にでもだよ。

ケツに四の五の言われたからって、ケツよりディープな内容を持ち出すとか、どんな脳の構造をしてるんだ。

 

「子供になってしたいとか、俺の許容範囲もあっさり超えるわ」

 

しかも俺がガキになるのではなく、白蓮が童心に戻るのである。

ママプレイなぬる、パパプレイとか、マジでこの時代は魔境だ。

そんな平成生まれの一般人に、弥生時代のあばずれは、ジェネレーションギャップを埋めようと、大いに熱弁を振るった。

 

「いや、太守のみんなは結構やってるんだよ。重い立場で疲れているから、たまに甘えたくなる時があってさ。それに将来、私とご主人ちゃまの間に赤ちゃんが生まれれば、育児は必要だし、その練習になると考えれば一石二鳥だろう」

 

「ちゃまは止めろ」

 

長々と喋る白蓮に、俺は端的に拒否項目を告げる。

女の性やら未来の生活など今の俺にはどうでもいい。とにかく現状、背中がむずかゆくなる呼称をつけられるのが、俺にとってとにかく解決したい問題だった。

でもそこが白蓮の言い訳の中で、一番ゆずれぬポイントなのか。頑なにちゃま却下はスルーされる。

 

「こういうのは、出だしが大切だ。だからご主人ちゃまも、私を白蓮ちゃまと呼んでくれ。大丈夫、いずれ慣れるはずだから」

 

「どうしてやる前提で話が進んでいるんだよ。俺、付き合わないって断っているよな?」

 

尻の付き合いもまだなのに、勝手にちゃま仲間へされては困る。

だいたいすでに俺は、はしたないペット枠で愛紗を飼っているのだ。ここへさらに大きい女の介護まで加わると、キャパがオーバーしてしまう。

 

「いつも通りの流れでいいだろう。何も急に変化をつける必要はない」

 

いつものとは、キスしてペッティングして、である。だが白蓮はそのマンネリにいたくご立腹だった。

 

「だってご主人ちゃま、最近おざなりだもん。こっちは四日も待って期待しているのに、すぐに寝ちゃうし」

 

まぁ、白蓮の言い分はわからんでもない。

ここ最近の俺は、相手を一回イかせたら終わりにしている。

なぜか?

それは白蓮にとって俺は四日ぶりの男かもしれないが、俺にとって白蓮は四日目の女だからだ。

今回みたいな遠征イベントが勃発しても、結局は順番が繰り越されるだけで、休みにはならないし、ブラックも真っ青な過酷環境っぷりである。

だからって張角と同じように、物理ストライキをするつもりにはなれないが、多少の手抜きは全力で許せ。というのが俺の本音であった。

 

「男の玉には限りがあるんだよ、出したら疲れるし。節約させろ」

 

「だったらせめて、内容を濃くしてくれっていうのは我儘なのか」

 

「我儘だな」

 

「そんな事いわないでさ。お尻は諦めるから一回だけ、一回だけでいいからお父さんになってくれよ。それで私、満足できる気がするんだ」

 

さきちょっだけ、さきっちょだけ。と、男が女を強引に口説き落とすような台詞を連呼し、懇願してパパ属性を付属させようとする白蓮であるが、これくらいで俺はなびかない。

てか、一回でもやっちまったら最後。次は一回したから、二回も三回も一緒だろ。とか言われ、またせがまれるのは目に見えている。だから応えてはいけないのだ。

愛紗で体験済みだからな、わかってる。

俺はただ、愛紗にパンツをはかせたくて躾をしていただけなのに、あのドMときたら。すっかり虐げられるのがご褒美になって、もう俺の前では黙って四つん這いになり、ケツを向ける始末だ。

無言のおねだりがうっとうしくなって、下着をちゃんとはいたらイジメてやるよ。と言ったらパンツ装着するようになるし、冗談で用意した首輪を渡したら、うっとりした表情で巻くし。何なんだあいつは。

飼い犬でも最低限、獣の本能は残すぞ。人の愛紗は、基本的人間の尊重をちゃんと守れよ。

おかげで俺のご主人様の意味合いが、全くの別物になったじゃないか。

 

「だから俺は、絶対にせんぞ」

 

そんな訳で俺の意思は硬い。ダイヤモンドくらいはたぶんあった。

すると白蓮は金を持ち出し、俺の精神的な支柱である、ぶっとい宝石をどかそうと交渉に挑んだ。

 

「……ご、ご主人ちゃまの言い値を払うから。それでどうにか手を打ってくれないか」

 

「余計にタチが悪いわ」

 

それ、援交じゃん。

ギャルでビッチな風評被害を植え付けるの、よしてもらえる。こちとら、清純派ご主人様でやってんだぞ。

 

「もうそんなに赤ちゃんになりたいのなら、その辺の女に男装してもらって、疑似お父さんになってもらえよ。金がもらえるなら、してくれる奴はいるだろう」

 

「やってもらった事はあるけどさ、根は女だし、男じゃないとやっぱり駄目っていうか……」

 

「愚かだな、白蓮」

 

「あ、あの頃は若かったんだよ。私塾に通っている時に、ちょっと桃香に頼んだだけで、すぐに止めたから」

 

それでも愚者の称号は揺るぎないぞ。そして桃香もナニをやらかしてるんだ。

俺と同じように、金か。金を積まれたのか。桃香もちょいちょい俗物的なところがあるからな。

愛紗は雌犬だし、趙雲はポンコツだし、白蓮はこの様で、まともな人材がいない。

散々だな、天の御遣い軍。

このままでは三国志に突入する前に壊滅させられる、弱小勢力の末路まったなしである。

 

「はぁ、もういい」

 

「へっ、ご主人ちゃま。も、もういいって?」

 

こうなると頼れるのは、趙雲の伝手で出会える劉備とその仲間達だけだ。

それまでは誰も欠けずにいたかったのだが、小国の総理大臣みたいな立場にいる白蓮を含め、皆の各自奮闘を期待するのはどうにも心許ない。

気は進まないけど、遂に俺も国政へ乗り出す時期が来たようである。

 

「俺の願いを叶えてくれたら、譲歩してやってもいいぞ」

 

「ほ、本当か。私はどうすればいいんだ?」

 

「軍備の強化に金をかけろ」

 

群雄割拠の時代には、富国強兵が相場だと決まっている。もちろん、ド素人の俺に、どうすれば富国強兵へと至れるのか。その道しるべがあるはずもない。

しかし俺は未来知識による方針を丸投げすればいいのだ。後は白蓮らが勝手に強くしてくれるはずである。

俺が先導切ってするよりも、確実にまともな形になるだろう。

 

「これをしてくれるってのなら、アナルファックを白蓮とやってやろうじゃないか」

 

「あ、あな?」

 

「尻でやる時にいう、天の国の言葉だよ」

 

マジでファック。

でも赤ちゃんプレイよりはまだこっちの方が、俺からすれば抵抗感は薄い。

 

「軍を強くしてくれると約束すればな。どうだ?」

 

それもこれも、全ては白蓮しだいである。

性格上。フリテンでも多面張ならリーチを打ってきそうな白蓮は、この条件にぶっこむと俺は踏んでいたのだが、意外や意外。白蓮はグラグラと迷いを見せながらも、俺にこんな質問をぶつけてきた。

 

「し、したいけど……その、一つだけ教えてくれ。時期が来ればご主人様は、どこかへ攻め入るつもりなのか?」

 

「特にそう言った希望はないな」

 

そもそも俺が国に対する政策にこれまで関わらずにいたのは、出しゃばってもろくな事にならないのを知っていたのと、迂闊な発言でいらぬ責任を負いたくないからだ。

なので俺としてはこれ以上、拡張性のある話をされても困る。

 

「どっか攻めたいのなら、愛紗か趙雲と相談してくれ。俺としてはちかごろ物騒だし、どこからも攻められないくらい、防衛力を高めてもらえれば満足だから」

 

「……そっか。それならいいかな。軍、強化しておく」

 

かるっ。こんなんでいいの?

気負わずいられるのは精神的に楽だが、生返事で返されるとそれはそれで不安になる。

軽く流されるのならまだマシで、万が一。ダメンズの血が騒いで、アホみたいに白蓮が国に貢ぐかもしれないからな。

釘だけはさしておこう。

 

「限度は考えろよ。失敗して国が傾きました。とかになったら、洒落にならんぞ」

 

「平気だって。任せてくれよ、ご主人ちゃま」

 

信頼できる要素がまるでないんですが、君は。

だがこれが白蓮にとって初めてのおつかいだし、この一時だけは俺の胸中に非難声明は留めておこう。

頭の中までピンクになった白蓮に、難しい話が届くかどうか怪しいしな。

 

「んふ。その代わりあなるふぁいとね」

 

アナルファックな。

それだとケツの戦いになるぞ。まあ、下手をすれば切れるか切れないか。ギリギリの攻防になったりするのだが。

 

「尻は大丈夫なのか?」

 

もし傷を負えば一大事。白蓮はしばらく、女として恥ずかしい日々を過ごさなくてはならないので、一応。やる前に確認はしておく。

 

「指で慣らしたし、準備はしていたさ」

 

「……そうか」

 

こいつら、こういう欲望に関しては本当にそつがなかった。

 

「さすがに桃香みたいに、暇さえあればやってた訳じゃないから、達するまではいかないけど。気持ちよくはなってきたし、十分、十分」

 

そして桃香のケツはすでにマンコの域にあるらしい。

性欲の強い聖職者がしそうな、アナニーを極めやがって。いずれ神も呆れて見放すぞ。

あいつと永遠の愛を誓う男は大変だな。と、最有力候補の自分を除外し、俺は桃香の将来を他人事みたいに憂い、心の中で合掌する。

 

「だからご主人ちゃま、しよう」

 

「…………あい」

 

そうして現実逃避をしていたのだが、残念。ケツからは逃げられない。

すでにやる気まんまんで、服に手をかける白蓮に促され、俺は諦めてベッドに上がった。

それからお互いに真っ裸へとなり、ズブリ。尻体験の為の入念な準備運動を行う。

 

「あ~、ん~」

 

あぐらをかいた俺の一物を見下ろす白蓮は、開けっ放しにした口から唾液を垂らし、ハンドシェイクで混ぜ合わせる。

クチュクチュと奏で与えられる刺激に、半勃ちだったペニスは一気に肥大化し、それに気をよくした白蓮は楽しそうに俺をからかった。

 

「唾をかけられて手で触られただけで、ご主人ちゃまの大きくなった。こんなので気持ちいいの?」

 

そりゃいいに決まっている。

俺が若いってのも当然あるが、全裸の女が股間に顔を埋め、自分の尻穴を弄りながら手コキをしているのである。

普通の男なら興奮するだろう。

 

「ご主人ちゃまの変態」

 

赤ちゃんプレイをしたがっていた、女にだけは言われたくないな。

イラッとした俺は白蓮の頬をつねるが、反省の色は見られなかった。むしろ構ってもらえたのが嬉しいのか、白蓮はだらしなく表情を緩める。

 

「にゅふ」

 

さらに擦るスピードをアップさせ、俺のチンコを容赦なく扱く。

これには俺も堪らず、息を呑んで快楽に備える。このまま続けられるといずれ出してしまいそうだったからだ。

連発も余裕な年代であるが、明日に控える桃香の相手も考えれば、ほいほいと無駄打ちをする訳にもいかない。

亀頭から先走り汁が滲み出した体へのサインを受け、俺は引っ張っていた白蓮の頬から指を離し、その手を頭にやってポンポンとなでる。

 

「白蓮」

 

「気持ちよかった?」

 

動きを中断して意地の悪い問いかけする白蓮に、俺はコクリと頷く。

ここで黙秘権を行使すると、射精するまでやられかねないからな。

 

「だったらいいや。なら次は……」

 

俺のギブアップに満足した白蓮は、竿からいったん離れ、その場で寝転んだままM字に足を広げ誘ってくる。

 

「こっちでもっと気持ちよくしてあげるから、ご主人ちゃま、きて」

 

先ほどの自己申告である、尻の性感帯を開発した。というのに偽りはなく、触れてもいない白蓮のマンコはすでに濡れており、愛液を噴き出してシーツに染みを作った。

これなら遠慮はいらないか。

膣に比べ、未だ不安の残る小ささであるが、俺は臆せずその穴に一物を押し当て、ねじ込んだ。

 

「ふぐうぅ」

 

つぶされたような声を白蓮が上げる。しかしそれも無理はない。

思いの他、挿入はスムーズにいかず、ズッズッ。とミチミチに詰まった肉壁の中を、強引にペニスが侵入しているのだから、圧迫感は相当のものだろう。

 

「はー、はー、はー」

 

ようやく一物が奥まで埋まりきる頃には、精も根も尽き果て、ぐったりと顔を腕で覆う白蓮がそこにはいた。

息も絶え絶えに白蓮が感想を聞いてくる。

 

「ご主人ちゃま……私のお尻、どう?」

 

「いいよ」

 

妄想すらしていなかった尻の中は、とにかく狭くてきつい。

だが痛みよりは快楽の方が勝り、俺のチンコを締め上げながらも、まだ底を感じさせる深さがあった。

 

「……だったらよかった。どう、もう出せそう?」

 

「入れたばかりだぞ。まだ余裕はあるって」

 

「は、はは……だよなぁ。女だと、こういう時に不公平だ」

 

「やっぱりキツイのか」

 

「うん、きつい」

 

そう言って白蓮は、何かに耐えるようにキュッと尻をすぼめる。

しかしそこには俺のジュニアがおり、自爆してきかん棒に反撃された白蓮は、小さくうめいて体をよじらせた。

 

「ひうっ――ご主人ちゃま、早く動いて。でないと私、このまま先に達しそう」

 

そっちの意味で辛いんかい。

つくづくこっちの女は規格外だな。

 

「……俺に射精を促したのは、自分が我慢できそうにないからか?」

 

「だって、入れただけで果てたら、恥ずかしいじゃないか。だ、だから、ご主人ちゃま、はやくぅ」

 

三擦り半いかの早漏とか、確かに童貞でも切腹したくはなりそうだ。

ここはひとまず、白蓮の言う通りにしてやるのが武士としての情けだろう。が、忘れてはいけない。

俺はさっき、白蓮から辱められたのだ。そして恥は上塗りしてお返しをするのが俺のモットー。

なので白蓮には、もっと恥辱にまみれてもらわなくてはならない。

 

「わかったよ。最初はゆっくりした方がいいか?」

 

「そ、それで頼む。あ、後、私が達しそうになったら、一緒に射精してくれたら助かる」

 

「注文が多いな」

 

さっきまで大口を叩いていた白蓮はいずこへ。

すっかりチンコで弱気になった白蓮は、慎重に俺の首元へかじりつき、だいしゅきホールドまで決めて、万全な防御態勢を取った。

 

「さ、さぁ、ご主人ちゃま。私の準備はできたぞっおおおおぉぉ!」

 

ひとまず一突き。それこそズンッ。と音が出そうなほど白蓮のケツ穴を俺はえぐった。

狭い可動範囲内で全力を尽くしてこの一撃は、有り余る戦果を白蓮から獲得する。

 

「ゆっ、ゆっくりっていっひゃのにぃぃいいい!」

 

チロ、チョロチョロ。

予想を裏切られた衝撃からか、白蓮の下の口から明らかに漏れてはいけない液体が垂れ流されてしまう。

微かに鼻につくこのアンモニア臭、限りなくこれは尿だった。

 

「漏らすなよ」

 

俺がその事実を指摘すると、白蓮は顔どころから全身を紅潮させ、呂律の回らない舌で恥の度合いを下げようと叫んだ。

 

「もらしてにゃい、ちびったらけ!」

 

どっちもそう大差ないだろうが。この程度の量なら、誤差かもしれないけど。

それは認めてやってもいい。だが、白蓮が尿漏れをしたのに変わりはない。

俺はネチネチとその事を責め立て、尻穴と共に白蓮をイジメた。

 

「ケツにチンコ入れられて、漏らすほど嬉しかったのか。どっちが変態か、わからないな」

 

「ううぅ、これでおちんちんが小さくならにゃい、ご主人ちゃまもおなじじゃないきゃ」

 

「いや、違うだろう。俺が白蓮の立ち場になっても、漏らさないし、ケツでこんなによがったりしないぞ」

 

「ひっ、ぃぃぃいいい。ご、ごしゅじんちゃま、ひませめるのらめ、ひきょう!」

 

「何を言っているのか、さっぱり伝わらないな」

 

だいたい、ここまでやって中断するとかまずありえない。チンコは出すまで止まれない。という言葉を知らないのか。

未だ硬さの残る白蓮の腸内であったが、腰を打ちつければ打ちつけるだけ、徐々にほぐれ始めたこの穴に、俺はすっかり熱中していた。

 

「ひ、ひ、ひ、ひくにょ、らめてぇええ。それぃ、ひもちよしゅぎりゅ!」

 

「ん、こうすればいいのか?」

 

「あああ、どうしてやめてくりぇないのぉお!」

 

わざわざ教えてくれた弱点を重点的に攻めようと、俺はストロークを長くさせる事で白蓮に快楽を刻み込んだ。

効果は抜群で、膣内がパクパクとマン汁をこぼしながら鳴いて、白蓮は幾度も絶頂に達しているようだった。

初アナルに加えこの白蓮の痴態を前に、いよいよ俺も限界を迎えようとしていた。

 

「ごめんなひゃい、ごしゅじんひゃま、ごめんなひゃぁい!」

 

からかった反省か、それとも気持ちよさが苦痛になってきたのか、あるいは何もわかってないただのうわ言なのか。

白蓮は顔を涙と涎にまみれさせ、俺に謝った。

 

「十二分に、反省しろよ」

 

「ひゃい、ごめんなしゃぁいいいい!」

 

そうして吸い込むように収縮し、奥の奥のさらなる奥へ。貪欲にペニスを咥える白蓮のアナルに、俺は精液を吐き出した。

 

「おおおおおおお、おっお゛!」

 

ここまで長い絶頂は久しぶりだった。何度もチンコが射精で震える。

ようやく収まり白蓮のケツ穴から一物を抜いた時には、外へあふれ出る精液の多さに俺自身がビビったくらいであった。

 

「……ふう」

 

しかし、やり過ぎたかもしれないな。

 

「……はへ……はひゅ……」

 

アヘるとはこんな状態の事をいうのか。

完全にダウンし、白蓮はただ浅く呼吸を繰り返す。

そんな死に体の白蓮は、けっこう新鮮だった。

 

「いつもなら、一回やってもすぐに次を求めてくるのに……」

 

これはこれでアリかもしれない。

ケツでやれば妊娠のリスクはゼロになるし、俺の肉体的な負担も軽減される。

いい事ずくめである。

真面目に明日からアナルファックの検討を考える俺であったが、一方的にセックスで相手をやり込めるのはやはりよくない。

 

「……ぁ……ぁぁ……」

 

チョロチョロチョロチョロ。

脱力し、本気でしょんべんを垂れ流す白蓮を見て、俺は何事もほどほどが一番であると痛感した。

で、こいつの後始末は誰がするのだろう……俺?

シーツに広がる黄ばんだ三国志地図の前で途方に暮れた俺は、腹の内から悪態をついた。

ガッデム!

 








今さらこんな事をいうのも何ですが、逆転モノって書くのが難しい。
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