「……ル、起きてください! アドル!」
ハンモックに揺られ心地よい眠りから目が覚めると、目の前にはブロンド髪をきれいにまとめ上げた少女の顔があった。
ラクシャ・ロズウェル。貴族の令嬢で、僕がこの島で最初に出会った漂流者である。
この無人島に漂流してすぐの頃、人の気配を探っていたところ、ちょうど彼女が川で水浴びをしているところに出くわしてしまったのだ。彼女の引き締まった美しい肢体に見とれる暇もなく、裸のままの彼女に大きなビンタを食らってしまった。悪気がなかったとはいえ、自分だけが得……いや、非があったのは認めていたので甘んじて彼女の制裁を受けた。
以降、共に島の探索や漂流者の捜索を行うことになったのが、なかなか機嫌を直してもらえなかった。
最近になってようやく、少しずつではあるが打ち解けてもらえたように思う。
昨晩も、この島に来るまでろくに料理をしたことがなかったにもかかわらず、深夜の見張りをしていた自分のためにキッシュを作って来てくれた。さらに今まで「アドル・クリスティン」とフルネームで呼ばれていたのだが、急に「アドル」と呼ばれるようになった。
その心境の大きな変化の理由はわからないが、共に探索するうちに仲間として信頼関係が一歩前進したことには間違いない。
「いったい、いつまで寝ているのですか。もうとっくに日は昇っていますよ」
彼女は未だ完全に覚醒していない僕を見て呆れるような目を向けていた。
仕方なしに体を起こして、
「最近、変な夢を見るんだ」
先程まで見ていた夢についてラクシャに相談した。
見慣れない装束に身をまとった大樹の巫女候補と呼ばれた神秘的な蒼髪の少女。まるでその少女が現実にいるかのように錯覚してしまう程のリアリティ。
少女は火事の予知を見たあと友人と現場駆けていった。あの後彼女はどうなったのだろうか。
「いつまで寝ぼけているんですか。それより今日は島の東側の探索に行くのでしょう? サハドもわたくしも準備はできていますよ」
一通り話を聞いたラクシャは、夢の話を取るに足らないことと切り捨てて、要件だけ伝え寝室を後にした。
永遠に呪われた島、セイレン島。僕達が乗っていたロンバルディア号が巨大な触手に絡まれて沈んだあと流れついた無人島。
現在はこの無人島で脱出の手がかりを探すため、島の探索と乗客の保護、そして僕達が身を寄せる漂流村の建設を行っている。
島の探索は主に、先程起こしに来たラクシャと漁師のサハド、そして僕の三人で行っている。
現在では漂流村のメンバーも十三人となった。僕達探索メンバーの他に、ロンバルディア号の船長のバルバロス船長、僕と同様に船員として乗船していたドギ、夫と共に船に乗っていたが離れ離れになってしまったアリスンさん、ロムン帝国貴族のカーラン卿、医者のキルゴール先生、鍛冶職人のカトリーンさん、女商人のディナ、やんちゃな少年のレーヤ、とても六人も息子がいるとは思えない主婦のミラルダさん、協会のシスターニア。
それぞれが自分の得意分野を活かして、分担しながらなんとか生活している。
身支度を整えて寝室を出ると、今日も洞窟の入り口にこしらえた裁縫場でアリスンさんが裁縫をしていた。
「アリスンさん、行ってきます」
「アドルさん……その……気をつけて行ってきてくださいね……」
彼女の手元は今日も冴えない。未だに見つからない夫のことが心配でたまらないのだろう。以前にもまして裁縫の手が止まる頻度が増えている。
彼女にとって裁縫がいい気分転換になればいいと思うのだが、いくらたっても夫が見つからないこの状況ではそうもいかないらしい。彼女のためにも今日の探索でご主人が見つかるといいのだが。
広場で待つラクシャ、サハドと合流して今日の探索が始まった。
探索を終えて漂流村に戻ってくると、サハドは気晴らしに海岸へ釣りに行った。
そんな気持ちになるのも理解できよう。今日の探索では周辺の地図を広げられただけで特に新しい発見はなかった。おまけにアリスンさんの夫などの漂流者も誰一人として見つけることはできなかった。
「あら、おかえりなさい。 もうすぐ夕食もできるからもう少しまっててね」
広場では逞しく可憐な笑顔でミラルダさんが迎えてくれた。彼女が来てくれてから漂流村の食事が一気に変わった。初めて彼女の料理を食べた時には、よくもまあこんな素材が限られた状況で様々なおいしい料理を作れるものだと感心した。
「そうだ。少し味見してみる?」
そう言って、ミラルダさんがスープを小皿に乗せて寄越す。口をつけるとその美味しさに今日の探索の疲れが一気に吹き飛ぶかのような気がした。
「どうかな?」
ミラルダさんが顔を下から覗かせるようにぐっと近づけた。
「え、ええ。とても美味しいです」
ドギマギしながら答えると
「そう。良かった」
満面の笑みで返すミラルダさん。いちいち可愛らしいこの人の仕草はどうにかならないものだろうか。
「ア、アドル! いったい何をデレデレしているのですか。」
二人のやり取りを後ろから見ていた、ラクシャの怒鳴り声。
「まったく、これだから男の人は……確かに、彼女は美人で私よりも料理も美味しいですが……ううう……」
最後の方には、よくわからないことを言いながらラクシャは洞窟へと向かっていった。
「あらあら、嫉妬されちゃったかしら。可愛らしいものね」
ミラルダさんは随分楽しそうだ。
「あまりからかわないでください」
「あら、ラクシャちゃんのこと嫌い? 可愛らしいし、結構お似合いだと思うけど」
「いえ、そういうわけでは……」
確かにラクシャ小さいころから大事に育てられてきたのだと一目でわかる美貌だ。しかし、かたやしがない冒険家でかたや貴族だ。そもそも釣り合わない。それにラクシャから嫌われていることを抜きにしても、漂流して数日間共に過ごしてわかったことだが、彼女はとても頑張りやだ。今は色々悩んでいるようだけど自分の道を見つけたらまっすぐ目標に向かって走っていくだろう。
「わたしはアドル君の恋ならば応援するんだけどなー」
ミラルダさんの発言を聞き流しつつ、逃げるように今日の報告をバルバロス船長に行った。
翌朝、身支度を整えているとちょうどラクシャが洞窟へ入ってきた。
「おはようございます、アドル。今日は早いのですね」
「昨日は何も見なかったからね」
昨日はこの島に来てから見るようになった夢を見なかった。
ラクシャは側にいたアリスンさんに顔だけを向け
「……アリスンさんも……おはようございます……」
「……おはようございます」
なんだろうか。二人の間に妙にギクシャクしたものを感じる。気のせいだろうか。
「アドル。今日も探索に行くのでしょう? 朝食を食べたら早速出かけましょう」
ラクシャはくるりと振り返りそのまま洞窟を出ていった。
「あの……何かあったんですか」
「いいえ、何もありませんよ」
本人が何もないと言っているのだからこれ以上聞いても無駄だろう。
「それでは、今日こそはご主人を見つけられるよう行ってきます」
「……はい。お願いします。気をつけてください」
朝食を食べ、ラクシャ、サハドと共に本日の探索を開始した。
翌日、漂流村へ帰ってきたメンバーは四人だった。探索メンバーの他に青髪の青年が一人。
一同は漂流村へ帰ってくるなり、真っ先にアリスンさんのいる洞窟へと向かった。
「アリスン!」
「あ、あなた!」
いつものように裁縫をしていたアリスンさんは驚いて手に持っていたものを落としてしまっていた。
今回救助してきたのはアリスンさんの夫であるエドさん。海岸沿いの小高い丘の上で獣達をやり過ごしていたところをたまたま発見できたのである。
「無事でよかった」
お互いの無事を自分の目で確認できた二人は抱擁しあっている。アリスンさんの目には涙が溜まっている。
「がはは。やっぱ夫婦が揃うっていうのはいいもんだな。」
「……ええ。アドル、わたくしはバルバロス船長にエドさんのことを報告してきます」
「わかった」
アリスンさんの夫が無事に見つけられてよかった。これでアリスンさんも少しは元気になるだろう。
「む、誰だ、貴様は!」
その時、奥からカーラン卿が現れた。
漂流村へ来てそうそうカーラン卿に絡まれるとはエドさんも災難だなと思いながら、説明をすると、
「ほう。貴様がアリスンの主人か。なるほど想像通りの人柄だな。ぐふふ。一日も早くこの島を出るために貴様も余のために存分に仕えるといい」
そう言って笑いながら外へと出ていった。
一方のエドさんはいきなりの不遜な態度にあっけにとられている。いきなりあんなことを言われたのではしょうがない。
カーラン卿は以前ならば、漂流者の探索のことなぞどうでもいいから早く脱出の船を用意せよと言っていた。態度は相変わらずだが、最近は大きな問題も起こさずにおとなしくしているようなので安心した。あれでも少しは他人に配慮しているのだろう。
その夜、新たな漂流村への参加者エドさんを歓迎するささやかな宴が催された。
目が覚めると知らない風景がそこにあった。
体を起こそうとするもうまくいかない。しばらくしてそれが後ろ手に拘束されているためだとダーナはわかった。
「よう。ようやく目が覚めたか。ガキっぽいなりしてるかと思ったがほんとにガキみたいだな」
「誰?」
声がした方向を振り向くと、すぐ目の前に男がしゃがみこんでいた。
どうして自分は縛られて眠っていたのか。ダーナは目が覚める前へと記憶の糸を張り巡らせる。
そしてようやく事態のおおよそが飲み込めた。
自分がとある村が火事になる予知を見たこと。
その村を救うため友人たちと奔走したこと。
そしてその帰り道、見知らぬ男たちに囲まれたこと。
この眼の前の人物が何者かわわからないが自分に対して悪意をもっていることは理解した。
「あんたら、大樹の巫女候補なんだろう。俺達の邪魔したお礼にちゃんと教育しないとなと思ってな」
そう言って男はダーナの体に手を伸ばした。そのまま乳首をつねる。
「痛っ」
突然の痛みに驚き自分の体を見ると、自身が一糸まとわぬ姿となっていることに初めてきづいた。
「きゃああああああああ」
ダーナは叫び自由に動かない体を必死に動かし、体を隠そうとする。
「あなた、いったいどういうつもり!?」
「だから言ってるだろ。せっかく俺たちが放火したのにあんたらが邪魔をしたんだ。だから、あんたらの体にお仕置きしてやるってな」
「放火? それにわたし……たち?」
「ああ、お友達は先に楽しんでるぜ」
そう言って男が退くとその後ろには、よく見知った人物の全く知らない姿があった。
一人の長い黒髪少女は、男の上にまたがって体を上下にさせている。その表情までははっきりと見えないが、聞いたことのない随分と艶やかな声を上げている。
もう一人の少女は四つん這いの体勢で緑の長い髪を振り乱し男の後ろから腰を打ち付けられている。その口には口枷のようなものがはめられており、必死な息遣いが隙間から漏れている。さらに首には首輪がはめられておりその手綱を引いた勢いで顔が上がり、その瞬間涙目で驚いた表情の彼女とダーナの目が合う。
「サライちゃん! オルガちゃん!」
ダーナの叫びに緑髪のオルガは必死に何かを訴えようとする。一方黒髪のサライのほうはダーナの声が聞こえていないのか、叫び声に対する反応はない。
すると、オルガに腰を打ち付けていた男がこちらに気づき、
「お、やっと起きたのか。ならその娘にもあんたのイキ顔見せてやらないとなあ」
「ふぁ、ふぁへほぉ! うぅ!」
オルガの抗議を無視して腰を打ち付けるペースを上げる。
「ふぅ……ん……ふふ……んん……」
ぱんぱんぱんぱん!
「ほら、ここがいいんだろ。いい加減観念しやがれ」
ぱんぱんぱんぱん!
「んっ……んんっ……ふぁっ……ふっ……」
「ほら出すぞ。一番奥でイキやがれ」
「んん……ふぁめ……んんんんんんっ!」
一際大きく男が打ち付けた瞬間、オルガと男がの体が共に痙攣した。
ぐったりと倒れたオルガは涙を目に浮かべながら放心状態で呼吸を繰り返している。
「おら!」
「ふうぅ!」
男が手綱を引きオルガの上体を起こさせる。そのまま膝の裏に腕を入れ抱え上げダーナの前に寄ってくる。
そして認めたくなかった事実が無残にもダーナに突きつけられる。
M字に開脚させられたオルガの膣穴は男のペニスによって貫かれていた。その隙間からは白い精液がポタポタとたれて来ている。
「オルガちゃん……」
「ふぃ……ふぃ……ふぁーな……ふぃるなぁ……」
オルガとダーナは互いに目をそらす。
「さて、次は嬢ちゃんの番だぜ」
そう言って最初に目の前にいた男がダーナの体を押し倒した。
「あああっ」
仰向けになったダーナに男がのしかかり、ダーナの未通の処女穴の先には男の長いペニスが狙いを定めていた。
「へへへ。お友達の痴態を見て嬢ちゃんの体のほうも準備ができてるみたいだな」
ダーナの僅かに濡れた膣口にペニスをあてがう。
「せっかくの処女だから、可哀想だと思って起きるまで待っててやったんだ。くっくっくっ。それともあの緑髪の嬢ちゃんみたいに暴れて無理やりされるのがいいのかい?」
こんな場所で処女を失う。その現実感の全くない現実にダーナが混乱する中、男はダーナの中めがけて一気に貫いた。
「んんんんっ! 痛いっ!」
「嬢ちゃんもあっちの黒髪の娘みたいにすぐよくなるさ。それにしても体は小さくてもやっぱココはちゃんと大人になっているんだな」
「んんっ! んっ! んんんーーー!」
「大丈夫、痛いのは最初だけで嬢ちゃんもきっとすぐこれがよくなるぜ」
ダーナにとってこの行為はとても痛いだけで、これで快楽を得られるなど到底信じられなかった。
「やべ。ずっと我慢してたからもう出そうだ」
出す。その意味を理解したダーナは男を突き放そうと暴れだす。
「そんなに心配しなくても、これから何発も出すんだから気にすんな。おら出すぞ」
「いやっ! いやーーーーーー!」
びゅるるるる!
ダーナの膣内に無情にも男の精液が送り込まれる。
ダーナの初挿入、初中出しは全く愛も快楽も伴わないものだった。
二時間後。
「全く、お前が無理やりするからだぞ」
「すいません。もう待ちきれなくてつい……でも、ちゃんと良い声でなくようになったからよかったじゃないですか」
「俺のお陰でな」
「……すんません」
会話する男たちの前には天井から吊るされた三人の少女たち。それぞれ後背位から挿入されて喘ぎ声を漏らしている。ただし、未だ口を開けば激しい侮蔑を口にするオルガには口枷が咥えさせられているが。
ペニスを打ち付けられ、三人のうち蒼髪の少女の肢体が震えだす。
「どうだ。イクことを覚えたら気持ちのいいものだろう。あっちの嬢ちゃんみたいにもっと乱れて良いんだぜ」
「んん……んっ……んん……」
ダーナは何も答えない。
しかしその表情には確かに快楽を覚え始めた女の表情があった。