数日後の夜中、私は寝ていた身体を起こし自身の部屋を後にした。
この間から、本格的に脱出船の製造に取り掛かり、夫も肉体労働に駆り出されていた。
そのため、夫は疲れたのか部屋でぐっすりと眠っている。
気がつくと私はカーラン卿の部屋の前に立っていた。
別に夫とのセックスで満足できないからカーラン卿に抱かれたくなったとかそういう理由ではない。
カーラン卿がどうしているのか気になったのだ。
カーラン卿は夫が見つかった日から話しかけてくることがない。以前はしょっちゅうセクハラしに来ていただけに不気味だった。
だから、こうしてカーラン卿の様子を伺いに来たのだ。
別にカーラン卿に抱かれたいと思っているわけではない。
そう、少し様子を伺うだけ……
カーラン卿は今は部屋にいるだろうか。
私が扉にノックしようとしたところで中から女性の喘ぎ声が聞こえてきた。
「ああっ、あっ、ああっ、ああああああっ」
獣のような喘ぎ声。
中で何が行われているか、その行為を受けたことがある私には容易に想像できる。
でも……一体誰が……
カーラン卿が何をしているかは想像がつくが、相手がイメージできない。
漂流村のみんなは私と違ってしっかりしている方たちばかりだ。
ゴクリと喉を鳴らして、私はそぉっと扉を開いた。
薄暗い熱気の溢れる部屋。
中にはブロンド髪の女の子。ラクシャさんが正常位でカーラン卿に抱かれていた。
「ぁあっ、ん、んんっ! んあっ」
普段の彼女からは想像できないような喘ぎ声をあげている。
あの真面目な彼女がカーラン卿となんて信じられない。
私は思わず手で口を覆っていた。
「んぁ、も、もうっ、あっぁ、ふわっ、ああんんっ!」
カーラン卿がラクシャさんの腰を掴んで激しく腰を動かす。
ベッドがギシギシと悲鳴をあげている。
彼女のアソコは愛液でいっぱいなのだろう。
カーラン卿が腰を動かす度にジュポジュポと音が聞こえてくる。
「ぁああっ、んんっ! いっ!」
ラクシャさんのが背中を大きく仰け反らせる。
それと同時にシーツをギュッと掴む。
ああ……イカされたのだな……
今ラクシャさんの身体を駆け巡っているであろう快感を想像し身震いする。
それにしてもどうしてラクシャさんが……
理由が想像できない。
ラクシャさんは同じ貴族としてカーラン卿に対して苛立ちにも似た感情をもっていたように思う。
あの時だって、私とカーラン卿のまぐわいを糾弾してきたのだ。
毛嫌いしていただろう。
なのにいったいどうして……
理由がわからない。
もやもやとしたものがぐるぐると頭を巡る。
それと同時に私の中に別の考えが浮かんでくる。
羨ましい……
身体を密着させて奥までペニスを突き刺すような動き。
「んっ、あ、んんっ! あっ、あああぁ」
ああ、私もあんな風にされたい……
私は二人の情事を見つめながら、アソコをしとどに濡らしていた。
翌日。
「ん、どうしたんだい、アリスン。ぼーっとして」
不意にエドに話しかけられる。
「え、ええ。ごめんなさい。少し考えごとを……」
私はカーラン卿のことばかり考えていた。
正確にはカーラン卿とのセックスのことを。
「大丈夫かい。具合が悪いなら、休んだ方が……」
「大丈夫。問題ないわ。すぐ仕上げてしまうわね」
そう言いつつも、つい手は止まってしまう。
夫には申し訳ないと思いながらも、もう一度カーラン卿に抱かれたい。
そう思っていた。
しかし、どうやらカーラン卿は毎日のようにラクシャさんとセックスしているようだった。
いつもカーラン卿は部屋で寝ているか、ラクシャさんと二人でいるかだ。
私は徐々にラクシャさんに嫉妬を覚えてくる。
毎日あんな羨ましい思いをして……
そしてある日、ラクシャさんがアドルさんたちと再び探索に出かけることになった。
これはチャンスと思い、夜カーラン卿の部屋に向かおうと決めた。
夫には悪いが、もうカーラン卿のペニスのことしか考えられなかった。
夜、夫が横になるのを眺めながら、早く眠ってくださいと願っていた。
そして、私はカーラン卿の部屋を訪れた。
「なんじゃ。なにか用か」
カーラン卿は部屋で一人酒をあおっていた。
どこか機嫌の悪い様子だ。
「カーラン卿、どうかされたのですか……」
今すぐにでも犯してもらいたい。
だけど、そのためにはカーラン卿の機嫌を取らなければ。
私は怯えるようにカーラン卿の側へ寄る。
「ふん。お主には関係ないっ!」
「カーラン卿。よろしければ酌でもさせてください」
「む、そうか。良い心がけだ。ならば何か果物を持ってまいれ」
「かしこまりました」
私は果物を持って再びカーラン卿の部屋を訪れる。
食べやすいように切り分け、カーラン卿の前に差し出す。
「うむ。ご苦労である」
フルーツを頬張るカーラン卿の隣で私はもじもじと手を合わせる。
「そ、そのカーラン卿……」
私はここに来た目的を達成するために勇気を振り絞る。
「よろしければ、カーラン卿のペニスを慰めるのに私の身体を使っていただけませんか?」
「なにっ……」
カーラン卿はジロリとこちらに目を向ける。
私は顔が熱くなるのを感じながら、カーラン卿の返事を待つ。
「なるほど……アリスンよ。そんなにセックスをしたくば、夫に頼めばよかろう。見つかったのであろう」
「それは……」
「それとも……夫のよりもワシのが良かったのか」
私はコクリと頷く。
「まあ、あのフェラチオを見れば、お主の夫の程度が知れるというものよ。しても困ったな。お主に手を出さないと約束したのだが……」
そんな!? いったい誰と……
私とカーラン卿の関係を知っている人物など一人しかいないのに、私はショックでそこまで考えが及ばなかった。
カーラン卿に抱いてもらえない……
その事実だけが頭を埋め尽くし私は肩を落とす。
「そうがっかりするでない。ワシは慈悲深いのだ。こうして尽くしてくれればちゃんと褒美をやるわ……そうだな、今日のようにラクシャのいない日なら抱いてやれるぞ。これからあやつに試したいこともあるのでな。まぁ、あやつが堕ちるまでの間だろうが……」
最後の方は何を言っているかわからなかったが、もう一度抱いてもらえると聞かされて私は顔をあげた。
私の顔は喜びでほころんでいることだろう。
「むふふ。嬉しいか、アリスンよ。ならばワシが教えたフェラチオはできるな」
「はいっ」
私はカーラン卿のペニスを拝めるのを今か今かと待ちわびた。
「ああっ、いいっ、気持ちいいですっ、カーラン卿」
私は今対面座位の体勢でカーラン卿とセックスをしていた。
気持ちいい……
久しぶりのカーラン卿のペニスは私の奥深くまで潜り込み夫とは比べ物にならないほどの快楽をもたらした。
夫のことは人として誰よりも愛している。
でもペニスはこのカーラン卿のペニスが一番好きだった。
雌を孕ませるような凶暴な形。
同じペニスとは思えないくらい、私に快楽をもたらす。
「どうだ、ワシのモノは……」
「いいっ、いいですっ! ああんっ」
「夫のものよりもか?」
「はぃっ、夫の……エドのと比べ物にならないほと良いですっ」
「むふっ、嬉しいことを言ってくれるではないか。ほれ」
「ああっ、それイイっ、イクっ、またイキます、カーラン卿」
私はその夜、何度も絶頂させられた。
夫のものと違い私がイクまで感じさせてくれる。
夫とするのももちろん気持ちいい。
でも、それとは別次元の、身体全体に満足感を与えてくれるカーラン卿とのセックス。
私はカーラン卿とのセックスに心を奪われていた。
それからしばらくして。
ラクシャさんが探索を止めて漂流村に滞在するようになった。
ラクシャさんがいると私がカーラン卿にセックスしてもらえない。
私は憎々しげにラクシャさんを見つめていた。
その間、私はもちろんエドともセックスをした。
しかし、夫とセックスをしても私は不満が溜まるばかりで、早くカーラン卿に抱いてもらえないだろうかと、そればかり考えていた。
「すまんな。アリスンよ……こんなにも簡単にラクシャが堕ちてしまうとは思わなかったのだ」
さっきまでセックスをしていたのだろう、ラクシャさんがカーラン卿の腕の中で気持ちよさそうに眠っている。
「そろそろ脱出船も完成するようだし、もうお主を抱けないだろうな。ワシも寂しいが……」
「そんな……」
ここを脱出したらカーラン卿との関わりは完全になくなってしまう。
そもそも平民の私がこうして普通にカーラン卿と話している現状がおかしいのだ。
私はこれからどうすればいいのだ……
私は顔を伏せる。
「なぁ、アリスンよ。もしよければ、夫とともに我が領地へ越してこないか。これも何かの縁だ、援助はしてやるぞ」
その言葉にはっと顔をあげる。
カーラン卿がこっそり耳打ちをするように言う。
「それならば……毎日とはいかんが、お主を抱いてやることもできるかもしれんぞ」
カーラン卿がニッと唇を釣り上げる。
その時の私はどうやって夫を説得しようか、そればかり考えていた。