※この作品はR-18です。

遠距離通い妻ちゃん、東京へ行く   作:やーみ

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はじめに
3点注意事項がございます。

第1に、この章は宙見暁斗視点で物語が進行いたします。
第2に、R-15程度です。直接の性行為描写はございませんが、性的な内容を多分に含みます。
第3に、天ノ川沙夜ちゃんがお酒に酔います。
これをキャラ崩壊だと思う方もいらっしゃる可能性がございますので、充分ご注意の上、必要に応じてブラウザバックを推奨いたします。

以上3点をよろしくお願い致します。


遠距離通い妻ちゃんの酔態

「あっくぅん……どきどきする……」

 沙夜が擦り寄ってくる。何故か彼女のほほは真っ赤であるし、いつも宝石のようにキレがあるアルビレオの瞳がトロンとしている。おかしい。いつもの沙夜ではない。ワインがいけなかったのかとも思ったが、さすがに沙夜も一杯で理性を飛ばすほど酒に弱くはなかったはずだ。俺自身も混乱しながら、沙夜の肩を叩き声をかける。

「沙夜、どうした」

「だいじょうぶだよー」

 駄目だこりゃ。大丈夫が漢字で言えない程度には駄目だ。完全に酔っている。白い柔肌も少し赤い。どうして沙夜がこうなったかは全く分からないが、取り敢えず水を与えよう。俺は立ち上がって冷蔵庫に向かおうとした。

「あっくぅん……どこにいくの。おいてかないで」

 ところが沙夜に腕を掴まれてしまう。意外に力が強くて驚く。いつかバレンタインデーのチョコをむつらぼしの会で沢山貰ってしまったあの日の夜を彷彿とさせる。そう言えばあの時の沙夜も結構力強くて強引だったな、と笑ってしまう。そして掴まれた手から伝わる沙夜の体温に、沙夜の身体は温かくて、抱きしめると気持ちいいよなという少し邪な気持ちも抱いてしまう。

 とはいえそこは男だ。ここで前後不覚の沙夜に襲いかかるのは紳士ではない。行為をするならまずは同意を得ないと話が始まらない。沙夜の酔いを覚ますことが最優先だ。沙夜を腕に付けたまま俺は冷蔵庫まで沙夜を引きずっていった。一人暮らしの冷蔵庫はそこまで大きくはなく、しゃがんで扉を開けることになる。中から冷えた水のペットボトルを取り出して、蓋を緩めた。

「沙夜、水飲めるか」

「うん。もらう。でも……」

 突然沙夜が俺の上に乗っかってきた。しゃがんでいた俺の元々の姿勢を考えると、ちょうど俺が沙夜の人間座椅子になった形だ。あのバレンタインデーの日にもお風呂場で俺は沙夜の尻に敷かれていたな、と思い出す。華奢だった沙夜の身体もすっかり成長して、そこはかとなく柔らかさが増していて、なんとも気持ちがいい。

「えへへ、これであっくんといっしょだあ」

 酔ったお陰で全身の血の巡りが良くなったのか、いつもより沙夜の体温が高い。やはり温かさは気持ちよさに直結する。体温が高くなったせいか、沙夜からいつもするほんのり甘い香りが増した気もする。俺の男が沙夜の体温といい香りとで刺激されてしまう。頑張れ、耐えろ、素数を数えるんだ俺。俺を椅子にして満足したのか沙夜は掴んでいた俺の手を離し、五百ミリリットルのペットボトルを両手で持って、口をつけ始めた。沙夜の艶やかなくちびるがペットボトルの白い部分に押されて形を変える様子、銀髪の隙間から覗く喉が鳴る様子はなんとも扇情的だった。さきほどのミネストローネを吐息で冷ますために突き出された沙夜のくちびるを思い出してしまう。

「ぷはぁ」

 一気にボトルの半分程度を飲み干した沙夜。非常にいい飲みっぷりだ。感心していると突然沙夜が身体をくるりと翻転させた。大学生になってますます柔らかくなった沙夜の臀部が俺の大腿部を撫でていく。さらさらとした銀髪が俺の二の腕をくすぐっていく。そして漂う奥ゆかしさがある甘い香り。どうしてこうこの子の体躯は俺を魅了するのだろう。煩悩に負けないように俺は素数を探す速度を上げた。

「あっくん? うー。なんだかはんのうがにぶい」

 反応が鈍いのはお前だ、と思ったけれどもそれを酔っ払いに言っても仕方がない。そして俺は素数を探すことに必死だっただけだ。改めて俺と沙夜は、俺の膝の上で向き合う形になった。沙夜のアルビレオの瞳が俺をじっと捉えて離さない。先程まではトロンとしていたはずの沙夜の双晶にはなんだか意思がこもっている。潤んだブルーとオレンジの瞳は光をキラキラと反射して、星のように光っていた。もっとも今回の光は街路灯でなく、蛍光灯であったが。

 沙夜が小さな鼻を俺の胸板に押し付けてくる。

「くんくん。あっくんいいにおいだよ。すりすり」

 うっとりとした表情を浮かべ、ひとしきり俺に頬ずりをする沙夜。幸せそうでなによりだ。そして胸板から顔を上げると、沙夜は自らのくちびるを突き出して目を閉じた。沙夜はキスを求めているのだろう。秘密の展望台にて初めて触れた時から変わらず、沙夜のくちびるは柔らかい。二週間前の逢瀬でもそうだった。

「ん」

 俺は沙夜に自分のくちびるを重ねた。沙夜の熱が粘膜越しに伝わってくる。そして沙夜の鼻息が俺の顔に少しだけ当たっていてなんともくすぐったい。お互いに舌先だけをこすり合わせて、二、三十秒程度でどちらからともなく顔を離す。二人の口の間に唾液の糸が引いて、そのまま切れた。沙夜は俺の脚の上に乗っているから、その鼓動は俺にもわかる。沙夜の興奮はどうやら高まっているらしい。沙夜の次なる標的は、胡座をかいている俺の中心部だった。沙夜が腰を曲げて俺に顔を寄せた。

「すりすり」

 沙夜が俺の股間に頬ずりをする。くすぐったい。直接的な刺激に、俺の息子もさすがにもう抑えきれそうになかった。テントがだんだんと大きくなっていく。今まで目立たない程度にしか大きくしていなかったなんて我ながら結構頑張って耐えたのではないか、と自画自賛せざるを得ない。

「いただきます」

「って待って沙夜待って」

 うーあかない、と俺のチャックを開放しようとあくせくしている沙夜。そしてその手を抑える俺。何度でも言うが、前後不覚の沙夜に襲いかかるのは紳士ではない。これは沙夜の酔いが醒めるまで俺が逃げまわるしか無いのだろう。兎にも角にも沙夜を一旦布団で寝かせてあげなければいけない。

 俺は沙夜の背中と膝裏に両手を回し、沙夜を担ぎ上げた。いわゆるお姫様抱っこというやつである。幸いにして沙夜は羽のように軽いので、いつかのデートの時のように腕にしがみつかれても問題ない。ましてやお姫様抱っこならば重さとしては何の問題もないのだ。持ち上げられた沙夜は俺の胸板の匂いをしきりに嗅いでいる。だっこだ、あっくんえへへと呟く沙夜に、俺の信愛と劣情とが鎌首をもたげて来てしまう。俺の胸の鼓動が沙夜に伝わっているのかはわからないが、沙夜の鼓動は十分俺に伝わってきていた。

 さて俺としてもいつ沙夜と行為に至っても良いように予め沙夜が来る前に布団のシーツの類を変えておいたわけだが、早速それが役に立ってしまった。お姫様抱っこをしていた沙夜を整えられたばかりの布団に寝かせた。自分の寝床で赤く上気している、お人形みたいに可愛らしい彼女。非常に昂ぶるものがある。

 俺は昂ぶりをぐっと堪えて、俺も水を飲もうと思い、先ほどの沙夜の飲みかけペットボトルを取りに行こうと、腰をあげようとした。沙夜は俺が一旦沙夜の元を離れようとしたことが気に食わなかったのか、腕を掴んでいた。

「あっくぅん。どこにいくの」

 もぞもぞと布団から這い出てきた沙夜。こんな姿も可愛らしいのだから美少女というものはずるいものだ。そして沙夜は俺目掛けて自らの身体を押し付けてくる。沙夜は頭から来ていたので、沙夜の行き着く先は再び俺の股間である。どうやら沙夜も沙夜で身体が昂ぶっているらしい。先ほどからかなり俺を性的に求めてくるフシがある。二週間抑えていた彼女の中のむっつりがお酒の力を得て一気に開放されたのだろうか。昔から沙夜はむっつりで、俺と行為をしたあと自分の家に帰ってそのまま自らを慰めていたこともあった。それだけの欲望を持つ沙夜がここ数年は二週間に一回の頻度に行為を制限されているわけで、欲求不満になるのも無理はないのだろう。

 なるほど、と納得できたもののやはりこの状態の沙夜を抱くことは出来ない。とは言え沙夜は俺を求めてリミッターが外れている状態だ。起きるまで押さえつけておくのは忍びないし、沙夜の白い柔肌に痕をつけるわけにはいかない。俺は沙夜の目が醒めるまで強硬策を取ることにした。沙夜をバンザイさせる。ばんざーい、と言いながら両手を上に上げてくれる。やはりかわいい。そして枕元に置いてあったタオルをバンザイした沙夜の手首に巻き、軽く縛った。

「あっくん。くすぐったいよ」

 笑いながら言い、縛られた両手を自らの正面に戻す沙夜。うん、痛くはないようだ。よかった。沙夜の片手が左右両側から飛んでくると俺も抑えることは大変だが、両手が中央から来るだけであれば、比較的御すのは容易である。これ幸いと水を回収してきたりなどしたのち、俺は沙夜を布団の上から抱きしめていることにした。あっくんがちかくにいる、と沙夜には好評であったようで、ものの五分もしないうちにすやすやと寝息をたて始めた。沙夜はお疲れだったようだ。一日中歩き回っていたわけではないが、大学での講義を聞いたあとその足で電車に一時間揺られ、手作り料理まで振る舞っているとやはり疲労は相当のものになるのだろう。

「いつもありがとうな」

 安心しきった表情で目を閉じている沙夜を見ていると、俺の中に感謝の気持ちが自然に湧き出てきた。気持ちを込めて、俺は沙夜の頭をなで続けた。

 

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