「…ふぅ」
溜息一つ。いつものように
ユーリヤ達とは途中で別れているので、ここにいるのは蓮一人だ。
…つまり、格好をつける必要がないという事である。
「あ゛ぁぁ…」
女性が出してはいけない声を出しながら、愛用している
勿論銃は精密機器であるし、ソファだって其れなりの値の代物だ。乱暴に扱えば後で泣きを見るのは蓮自身だという事も、重々承知している。それなのにそうしてしまったというのは…やはり疲れが溜まっていたのであろう。
しかし、蓮にもこの業界で長く生きて来たというプライドがある。共に異界に挑む仲間にこのようなだらけきった情けない姿を見られるのは、今迄蓮が作り上げてきた『ミステリアスで出来る女』のイメージを崩しきってしまうと、帰還中も必死に取り繕ってきたのだ。
そして一人となった今、蓮は全力でだらけていた。胸元ははだけ腰のベルトは緩みスカートは捲れ上がり、とても男性には見せられないような姿のままモゾモゾと携帯を取り出し、何処かへと電話をかける。
「…あー…もしもし?私だけど……うん、いつもの出張お願いー…」
気怠そうに、しかし慣れた様子で会話を終え、そのままグデーっとし続ける。15分程経った頃、
ピーンポーン
とチャイムの音が響いた。が、蓮は動く様子を見せない。
チャイムの主も返事のない事は承知していたのか、そのままドアを開けてセーフハウスの中へと入ってくる。
「今晩は、蓮ちゃん…っと、うわぁ。今日もお疲れ様だね」
歳は20の半ばを過ぎた頃だろうか。飾り気の無い無地のシャツを着た青年が、蓮の醜態を見て少し顔を赤らめながら労いを口にする。持ってきた荷物をガラステーブルの上に置くと、ソファに背を預けていた蓮の身体を誘導して俯せになるようにし、履いていたブーツを脱がせた。
「柚木君、もう来てくれたんだ…ありがと…」
ソファの肘掛にタオルを敷き、其処に蓮の頭が来るようにしつつ、俯せになった蓮に覆い被さる青年。柚木、というらしいその青年は、蓮の緩んだベルトを外しながら
「ほんとはベッドでやった方がいいんだけど、蓮ちゃんお疲れみたいだからちょっとだけこっちでやっちゃうね?いつもの事だけどさ」
そのまま腰の指圧を始めた。
そう、彼はマッサージ師なのである。
「あ゛ぁー…ゆずきくんのゆび、ぎも゛ぢい゛ー…」
背中から肩甲骨、肩へと上がるようにグッ、グッと指を入れていく。その心地良さに、全く色気の無い声で快楽を訴える蓮。
今の二人の格好は、蓮の脹脛の辺りに柚木が腰を下ろし、対象部位へと手を伸ばしている状態だ。所謂寝バックの体勢に近く、この光景を余人が見ていれば「これ絶対入ってるよね」と言わんばかりの姿だ。
「とりあえず硬くなってる身体を解すだけだから、全体的に軽くいくね?凝ってるとこは後でゆっくりやったげる」
首のリンパを流すようになぞり、両肩、二の腕へと柚木の手が下りる。そしてそのまま、断続的に握るように手を少しずつ手首まで下ろしていった。
女性としては非常にデリケートな所を触られているにも関わらず、蓮は嫌悪感を見せない。その様子が、この行為が彼女にとって慣れ親しんだものである事を表している。
「やっぱり手首から掌にかけてがすごく疲れてるね。他のとこも勿論なんだけどさ」
蓮の右手を両手で包むように持ち、掌から指の先一本一本までを丁寧に刺激していく。柔らかく暖かい蓮の手は彼女自身の汗でしっとりとしており、いつもの事ながら少しドキドキしてしまう。
「
事も無げに自らが違法な武器を使っている事を口にする蓮。柚木はそれを知っていたのか、殊更に反応したりはしない。
右手が終われば、次は左手だ。それも軽くこなし、一度蓮の身体から下りる。黒のストッキングに包まれた、蓮の足をマッサージする為だ。
先ずは始めた時と同じように腰、其処から臀部へと。大変に触り心地に良い尻肉を、外から内に揉み込んでいく。
「うっ…ふんぅっ、はぁ…っ」
やはりヒップサイズが88もあると一筋縄ではいかないようで、少し他の場所よりも時間をかけて揉み解していく。揉むのに邪魔だとスカートを捲り上げ、セクシーな黒のショーツの上から、尻の割れ目に親指を添わせるように徐々に徐々に下へと解していく。これは決して疚しい事では無いのだと自己防衛をしながら続ける柚木だが、
「…んふっ…ねぇ、凝ってる所は後でやるんじゃないの…?」
と、蓮から艶っぽくもじっとりとした声色で言われてしまったので、脹脛へと移る事にした。
尚、ショーツの股間部は黒く湿っていたのが見えたが、これ以上責められ無いように口には出さない。
右足の股関節部から両手を使ってゆっくり回すように揉んでいく。太腿を伝い、足首まで来たら左足も同じように。臀部に時間をかけたこともあって、軽く揉み回す。…特に時間制限があるわけでも無いのだが、帳尻合わせの気分的な問題だ。
「…ねぇ、なんだか早過ぎない?」
「右足と同じようにしてるけど?」
…決して雑にしている訳では無いのだ。…無いのだ。
最後、残す所は両足のみである。
此方は柚木が脱がせるまでブーツを履いていた為か、蒸れた感触が手と匂いから伝わってくる。
人によっては臭いと感じるかもしれない。だが柚木は、決してこの匂いは嫌いではなかった。
或いはそれは、蓮の匂いであるからかもしれない。
「柚木君って、もしかして匂いフェチなの…?っく…ふんっ」
「さぁ…どうなんだろう?でも、蓮ちゃんの足の匂いは好きだよ」
「っ!そ、そんなところが好きって言われても、全然嬉しくないし!」
土踏まずから円を描くように親指まで回して揉み、指の先まで一本一本摘むようにして揉んでいく。両足の小指まで終わった所で蓮を見ると、先程より顔に精気がある気がした。
「よしっ、一旦終わりだね。体の調子はどう?」
「ん〜〜っ、と、うん、随分楽になったわ。流石柚木君ね」
大きくソファの上で伸びをしてみせる蓮。柚木がこのセーフハウスに来た時とは大違いである。
「それは良かった。じゃあ、軽く水分を取ってからベッドに来てね」
「そ、そうね。…凝ってる所、しっかりと解してくれるんだもんね」
にっこりと笑い、先にセーフハウスにある寝室に向かう柚木。
蓮はその言葉に顔を赤らめながら、言われた通り水分を補給する為備え付けてある冷蔵庫へと向かう。
そんな彼女の陰部は、柚木が臀部を揉んでいた時以上に濡れそぼっていたのだった…。
そのうち加筆するかも…(予定は未定)